JPH086609B2 - ブラシシール装置および釣合いピストン装置 - Google Patents

ブラシシール装置および釣合いピストン装置

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JPH086609B2
JPH086609B2 JP4262697A JP26269792A JPH086609B2 JP H086609 B2 JPH086609 B2 JP H086609B2 JP 4262697 A JP4262697 A JP 4262697A JP 26269792 A JP26269792 A JP 26269792A JP H086609 B2 JPH086609 B2 JP H086609B2
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seal
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    • F16ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
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    • F05D2240/55Seals
    • F05D2240/56Brush seals

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は概してガスタービン機関
における圧力シールに関し,詳細には動的および静的の
両方のシール用途用の改良形状を有するブラシシール装
置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】ガスタービン機関における静止部分と高
速回転部分との間のシールはてごわい挑戦対象物であ
る。小型機関におけるガス発生器ロータの30,000
rpmを超える回転速度は通常のことである。シールの
摩耗を最小にするために,シール要素は間隔をなして配
置されて少量制御量の漏洩流れを許しているが;過渡運
転条件下におけるロータと静止構造物との間の熱膨張率
の差が部品間の隙間に直接影響を与えている。さらにロ
ータの偏心度ならびにかなり小さいが機械的慣性伸びも
考慮されなければならない。定常状態および過渡運転条
件の両方を満足するシールを提供するために通常ラビリ
ンスシールが使用されている。
【0003】典型的には,シールの先鋭な歯部分が回転
部品上に装着され,摩耗可能なハネカムまたはその他の
犠牲材料が半径方向外側に配置されてランドを形成して
いる。ある過渡運転条件の間に隙間は低減される。しば
しば負の隙間といわれる干渉があると,先鋭な歯はラン
ド内の恒久的溝を摩耗させる。その結果,再び定常運転
となる。ロータとステータとの間の隙間が呼称値に戻る
間,シールからの漏洩は増大してくる。過剰な摩擦は過
熱,回転シール歯それ自身の過熱,劣化および摩耗を発
生させてさらに漏洩を増大させることになる。
【0004】ラビリンスシールで設計したとき,当業者
は2次流れシステム内に十分な余裕を与えることによっ
てシール劣化に対する対策を考えておかなければならな
い。たとえば新しい機関におけるブレード冷却回路にお
いて,ブレードに必要以上の冷却空気が供給されること
になろう。しかしながら,シールが劣化すると十分な2
次流れが残り,これによりブレードの冷却回路内に高温
1次ガス流れが吸い込まれなくなる。この追加の必要な
流れは燃焼に利用されず機関効率における直接の寄生的
損失となる。
【0005】ラビリンスシールの他の問題点は,シール
歯の複雑な機械加工が典型的には,運転中にきわめて高
い応力を受ける部分に行われる最終加工作業の1つであ
ることである。この点において加工誤差が発生すると,
これにより部品はスクラップとなるかまたは修理を必要
とし,いずれもコスト高の原因となる。シール歯はまた
機関の組立てまたは分解中の取扱いミスによる破損を受
けやすい。
【0006】高速回転部品と静止部品との間のシールに
使用される他の装置はブラシシールである。これらのシ
ールは複数の順応性剛毛で構成され,該順応剛毛は環状
リングから概して半径方向内方に伸長し,それらは該環
状リングに恒久的に固定されている。該リングはクラン
プされるかまたは静止部材に固定装着されて,回転部材
すなわち軸を包囲して且つそれと同軸である。ブラシシ
ールは剛毛が軸に対しバイアス力が加えられるようなサ
イズであり,しばしば軸の回転方向に傾けられている。
運転中,剛毛は軸と摩擦し,軸の熱膨張および旋回に対
し順応して変形し,これによりそれらのシール能力を維
持している。恒久的な溝が形成されているラビリンスシ
ールランドとは異なり,ブラシシールは隙間が低減した
期間の後でもそれのシール能力を維持している。
【0007】しかしながら,通常のブラシシール用途に
おける基本的な問題点は剛毛の摩耗である。許容レベル
内のシール摩耗を行わせながら合理的なシール能力を与
えるように,剛毛の最適配向,サイズ,数,充填密度お
よび材料ならびに回転部材との寸法的干渉量を規定する
ために,当業者により多くの努力がなされてきた。しか
しながら,これらの努力の組合せは,永続的摩擦が摩耗
を引き起こすという基本的なことを注目していなかっ
た。さらに高い応力がかかっている回転部材に与える摩
耗損傷または過熱を防止するために,典型的には剛毛が
摩擦するランドがハードセラミックまたは他の保護材料
の層で被覆され,これにより実質的にすべての摩耗はシ
ール剛毛において発生することになる。従って,その順
応性によりブラシシールは最初はラビリンスシールより
も改良されたシールを提供するが,剛毛が摩耗すると時
間と共に漏洩量は増加してくる。さらに,摩耗したと
き,ラビリンスシールの漏洩通路は概してより長く且つ
より曲がりくねっているので,ブラシシールは同様に摩
耗されたラビリンスシールよりも劣ったシール能力を提
供する。従って,通常のブラシシールの装置の使用はラ
ビリンスシールと実質的に同様な2次流れにおける余分
な設計余裕を必要とし,従って全体機関効率における恒
常的ゲインは実現可能ではない。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】従って,本発明の目的
は,シール摩耗を実質的になくすことにより比較的一定
した定常漏洩流れを達成することにより改良寿命を示す
シール装置を提供することである。ガスタービン機関に
おいて使用されるとき,通常のシール装置を有する系に
おける漸進性シール摩耗により漏洩が増大するのを補償
するのに必要な2次流れ余裕に付帯の寄生的損失を減少
することにより,機関効率の著しい増大が実現可能であ
る。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明のシール装置は静
止構造物に固定装着された通常の環状ブラシシールで構
成されている。好ましい実施態様においては,半径方向
内方に向けられた順応性剛毛の末端部が隣接構造物内の
溝すなわちトレンチ内に配置されている。この形状は,
いわゆる定常状態において剛毛と隣接構造物との間に接
触がなく,小さいが有限の隙間が存在することが特徴で
ある。相対運動はたとえば振動または熱膨張差の結果で
あるので,トレンチ構造物は静止構造物に実質的に固定
してもよいが,この構造物は回転してもよい。呼称定常
状態においては,漏洩量は流体が通過しなければならな
い回路通路の狭いサイジングおよび曲がりくねりによる
固有の抵抗によって制御される。剛毛と隣接構造物との
間の隙間が増加する間欠期間の間,流れに対する抵抗,
従ってシール効率は減少する。同様に隙間が減少する期
間すなわち干渉期間においてはシール効率は増大する
が;剛毛と隣接構造物との間の接触が短い間欠的な干渉
期間に限定されるので,摩耗は著しく低減され且つシー
ル装置の有効寿命は最大にされる。同様に,従来大きな
直径におけるブラシシールの使用および高速回転での応
用を妨げてきた摩擦による熱の発生が最小となる。さら
に漏洩流れを低減させるために,余裕を与えるために,
すなわちより高圧で使用可能にするために,シングルト
レンチを直列にしてマルチトレンチにししかも異なる直
径において設けたマルチプルブラシシールを配置するこ
とができる。
【0010】本発明の特徴と考えられる新規な態様が特
許請求の範囲に記載され且つ区分されている。本発明
は,好ましい例示実施態様により且つそれの他の目的お
よび利点と共に,添付の図面に関する以下の詳細説明か
らより明らかになろう。
【0011】
【実施例】図1に高圧領域12と低圧領域14との間の
流体流れを制限するために使用される環状ブラシシール
装置10が示されている。例示実施態様においては,シ
ール装置10は通常のブラシシール16と,回転軸20
に固定装着された協働する回転シールランナ18とで構
成されている。シール16およびランナ18は軸20の
軸方向回転中心線22の周りに同軸に配置されている。
図面をわかりやすくするために,シール装置10は軸2
0に対して拡大して示されている。ブラシシール16は
通常,たとえばシール外径26とおよび静止構造物24
における軸方向内孔28との間の締まりばめによって静
止支持構造物24内に保持されている。静止クランプ要
素30はボルト(図示なし)または他の同等手段を用い
て構造物24に固定装着可能であり,内孔28の軸方向
長さLはシール16の厚さTより小さいので,構造物2
4と要素30との間に軸方向隙間Gを残し,これにより
ボルトが締め付けられたときシール16を動かないよう
に確実に保持することができる。
【0012】ブラシシール16は第1の環状側板とおよ
び軸方向に間隔を設けて配置された第2の環状側板36
との間に挟まれて圧密され且つ概して半径方向に配置さ
れた複数の剛毛32で構成されている。剛毛32および
第1および第2の側板34および36はたとえばシール
外径26において溶接またはろう付により一体組立体を
形成するように製作されている。
【0013】ブラシシール16には通常,その内径にお
いて第1の半径R1を有する第1の側板34とおよびそ
の内径において第2の半径R2を有する第2の側板36
とが用いられ,ここでR1はR2より大きく,また第1
の側板34は高圧領域12に隣接して配置され,且つ第
2の側板36は低圧領域14に隣接して配置されてい
る。
【0014】回転シールランナ18はその外径が第2の
半径R2より小さい半径R3を有することが特徴であ
る。剛毛32は集合して,それらの内径において第4の
半径R4を有する環状体を形成し,ここでR4はR3よ
り小さい。最後に,軸方向に制限された長さを有する環
状溝38がランナ18内に配置されている。溝38はそ
の外径がR4より小さい第5の半径R5を有する。
【0015】要約すると,R1はR2より大きく,R2
はR3より大きく,R3はR4より大きく,R4はR5
より大きい。これらの寸法関係により,剛毛要素32の
末端部37はシールランナ18の環状溝38内に必ず半
径方向に配置され,R5と一致するその半径方向内面4
0から半径方向に間隔をなして配置されている。
【0016】内面40は呼称厚さの通常の摩耗被覆42
が存在することをさらに特徴としてもよい。さらに,環
状シール16をランナ18に組み立てるのを容易にする
ために,シールランナ18上に送入面取部44を設けて
もよい。
【0017】上記の寸法関係は,シール装置10が取り
付けられている機器の呼称定常運転に適用されるものと
理解すべきである。シールランナ18は図示を容易にす
るために図1においては回転軸20上に装着されている
ように示されているが,シール装置10はラビリンスシ
ールが通常利用されているロータ上の任意の位置に設け
ることができる。その代わりとして,低速低応力の用途
に対しては,溝を軸内に直接機械加工することができ
る。
【0018】ここで図2を参照すると,ここには剛毛要
素32とシールランナ18との間の相互作用に重点を置
いて,図1に示したシール装置10の拡大部分が示され
ている。見やすくするためにその他の要素は省かれてい
る。
【0019】図1と組み合わせてみると,剛毛要素32
の末端部37の環状溝38内への半径方向侵入長さIは
R3とR4との間の差であることがわかる。同様に,末
端部37と溝38の内面40との間の全体半径方向隙間
CがR4とR5との間の差である。
【0020】第1の環状側板34に隣接する剛毛要素3
2は,部分的に高圧領域12の境界を形成する第1の剛
毛面32aを形成する。同様に,第2の側板36に隣接
する要素32は,部分的に低圧領域14の境界を形成す
る第2の剛毛面32bを形成する。第1の面32aは第
1の環状溝側壁40aから第1の距離Caだけ縦方向に
間隔をなしており,また第2の面32bは第2の環状溝
側壁40bから第2の距離Cbだけ縦方向に間隔をなし
ている。
【0021】運転中,高圧領域12内に発生する高圧流
体は,シール装置10内の曲がりくねり通路46を通過
しなければならない。通路46の曲がりくねりが大きい
ほど,高圧および低圧領域12および14間の流体抵抗
およびその間を通過する流体により消費されるエネルギ
ー量はいずれも大きくなり,またその結果,容積流量す
なわち漏洩流量は小さくなる。
【0022】曲がりくねり性は通路46の流れ方向変化
の数および転向角度により決定される。さらに,流体抵
抗はまた流れ通路のサイズの関数であり,この場合半径
方向侵入長さI,第1の距離Ca,半径隙間Cおよび第
2の距離Cbに関係するものである。さらに,R2の値
を有するものとして以前に定義した第2の側板36の半
径方向内方面36aはさらに,漏洩流れを最後に転向さ
せることにより,追加の流体抵抗を与える役目をなして
いる。
【0023】従って,シール装置の部品の適切なサイジ
ングが重要であり;これらの選択は定常運転中の摩擦お
よび摩耗を低減したいという希望とおよび過渡運転条件
下で適切なシールを提供するための必要性との両方を満
足しなければならない。
【0024】小型ガスタービン機関における用途として
の例示実施態様においては,半径隙間Cはできるだけ小
さいことが望ましい。サイジングにおける第1の考慮点
はR4およびR5の呼称定常値,ならびに剛毛要素末端
部37と溝の半径方向内面40とのそれぞれの半径方向
回転振れである。約6インチのR5の値に対して,累計
回転振れ,従って半径隙間Cに対する望ましい値は1−
5ミルの範囲であろう。半径方向侵入長さIは,半径隙
間Cが増大する最悪の過渡条件下においてもIの値が正
であるような,十分大きな値を有していなければならな
い。言い換えると,R3は常にR4よりも大きくなけれ
ばならない。この実施例では,典型的な値は3−20ミ
ルの範囲内であろう。この値があまり大きすぎると,組
立て中に剛毛要素37の組成変形またはその他の障害を
発生し,この結果総合シール能力に悪影響を及ぼす。さ
らに,もしシール装置10の両側の圧力差が大きい場
合,末端部37が第2の側板36によって十分支持され
なくなるので,末端部37の好ましくない縦方向変形が
発生するであろう。
【0025】過渡隙間が大きく変動する低圧用途に対し
ては,組立て問題はランナ18を2つの部品で形成する
ことにより,たとえばランナ18を,図2における点線
で示すように第2の環状側壁40bの半径方向面47に
沿って分割することにより解決することができる。同様
に,R2およびR3は,半径隙間Cが負になったりまた
は半径方向侵入長さIが最大になったりする最悪ケース
の過渡期間においても,R2がR3より大きいままで,
半径方向内面36aとランナ18との間での欠陥を発生
するような接触を防止することができるように,サイジ
ングされなければならない。この実施例に対しては,5
0−100ミルの範囲の隙間値が典型的であろう。
【0026】最後に,第1および第2の距離Caおよび
Cbは,第1および第2の剛毛面32aおよび32bと
および第1および第2の側壁40aおよび40bとのそ
れぞれの間における接触が避けられるようにサイジング
されなければならない。しかしながら,第1および第2
の距離CaおよびCbは流れをできるだけ制限するよう
に最小に保持されなければならない。ガスタービン機関
の用途においては,この値は前方および後方縦方向にお
けるロータ軸が均一でないので概して異なっている。C
aに対する典型的な値は後方のロータたわみを補償する
ために30ミルとなり,またCbに対する典型的な値は
前方のロータたわみを補償するために70ミルとなろ
う。回転軸の大きさおよび方向および特定用途のための
過渡隙間変化を定量化するための技術は当業者には既知
である。矩形断面の溝が図示されているが,特定のブラ
シシール形状に相補の他の形状,たとえば山形側壁も考
えられる。
【0027】ここで図3を参照すると,ブラシシール装
置はガスタービン機関の高温セクションの図示の断面図
において内部釣合いピストン(IBP)シール48およ
び外部釣合いピストン(OBP)シール50として使用
されている。この実施態様においてはシール48および
50は,複数の円周間隔配置ナットおよびボルト組立体
51により,静止前方および後方内部燃焼器ケーシング
53に固定装着されている。但し,図1に示すような締
まりばめクランプ装置を用いてもよい。それぞれの剛毛
要素末端部37aおよび37bは,高圧タービン(HP
T)ロータ60内のそれぞれの環状溝38aおよび38
b内に配置されている。同様に図面をわかりやすくする
ためにロータ60は一体構造として図示されているが,
典型的には通常のロータ組立体は1つ以上のディスク,
ブレード,ブレードリテーナおよび圧縮機に作動結合さ
れたガス発生器軸で構成されている。
【0028】ガス発生器軸の軸受にかかるスラスト反転
を防止するために,ロータの反動により発生させられる
ガス発生器ロータにかかる軸方向荷重を1次流れを用い
てオフセットするために,ならびに加熱部品を冷却する
ために,中心空洞を加圧するためにしばしば2次空気が
使用される。内部燃焼器ライナー54および外部燃焼器
ライナー(図示なし)により境界が形成される高温1次
流れ燃焼ガス52は,タービンノズル56を通過し,且
つ有効仕事を抽出するためにHPTロータ60のブレー
ド58に好ましい角度で向けられる。1次ガス52より
も高圧で,比較的低温の2次空気62は,加速器64内
を第1圧力室66に向かって流れる。加速器64は,2
次空気62がロータ60の回転速度によりよくマッチす
るように,2次空気62に円周流れ成分を与える。第1
室66はIBPおよびOBPシール48および50,ロ
ータ60および後方内部燃焼器ケーシング68により境
界が形成されている。
【0029】種々の隙間および相対圧力降下に基づき,
運転中2次空気62の流れはOBPシール漏洩流れ7
0,IBPシール漏洩流れ72およびブレード冷却流れ
74に分割される。冷却流れ74は,ロータ60内の開
口76を通過して第2圧力室78内に入り,次に半径方
向外側へ流れて,第2室78と流体結合されている通常
のブレード冷却回路(図示なし)内に入る。第1および
第2の概して半径方向に伸長する面80および81はそ
れぞれ空洞66および78内の圧力と関連してサイジン
グされ,これによりロータ60に適当な釣合い力を提供
する。
【0030】OBPシール漏洩流れ70はロータ空洞8
2をパージするのに使用され,これにより,空洞82内
へ高温ガス52が侵入してロータ60の温度を増加させ
て結局ロータ60の寿命を短くするのを防止している。
IBPシール漏洩流れ72は,通常のように他の内部ロ
ータ空洞たとえば軸受サンプを正に加圧するのに使用さ
れる。2次空気72の供給源はわかりやすくするために
燃焼器からくるように示されているが,特定のガスター
ビン機関の要求に応じて圧縮機内の種々の段のような他
の低圧源を用いてもよい。
【0031】本発明によるブラシシール装置は,また静
止シール装置にも使用可能である。図4はHPTロータ
60の後部のステータ組立体84を示し,ステータ組立
体84は,通常のようにブレード58の半径方向外側に
配置されてシュラウドサポート88に固定装着されたシ
ュラウド86で構成されている。高温燃焼ガス52がブ
レード58のそばを通過した後に,高温燃焼ガス52は
下流側で遷移ダクト90を通過して,通常の低圧タービ
ン(図示なし)に入り追加の仕事を抽出している。遷移
ダクトシール92は,第3圧力室94からの制御漏洩量
を可能にして,シュラウド86のすぐ下流側の領域96
をパージするのに用いられる。室94からの高圧空気
は,遷移ダクトベーン98内の内部通路(図示なし)を
通過して,ベーン98を冷却し,且つ加圧空気を内燃機
関空洞に供給する。ダクトシール92として使用される
ブラシシール装置の剛毛要素末端部37cは,遷移ダク
ト90の軸方向伸長レグ100内の環状溝38c内に配
置されている。シール92は通常のようにシュラウドサ
ポート88内にたとえば弱い締まりばめにより保持され
ている。もし確実にするならば,追加の装着手段を用い
てもよい。
【0032】シュラウドサポート88と遷移ダクト90
との間の相対運動の方向,大きさおよび周波数;組立て
または分解の困難さ;および製作コスト;などの種々の
要因に応じて,図5に示す他の形状を用いてもよい。こ
こでは円周遷移ダクトシール102の剛毛要素32dは
概して軸方向に配向されている。シール102は遷移ダ
クト90aに固定装着され,その剛毛要素末端部37d
はシュラウドサポート88a内の下流側に開いている環
状溝38d内に配置されている。シール102の機能お
よび作動は図4におけるシール92のそれに類似してい
る。
【0033】最後に,図6,図7および図8は特に高圧
用途すなわち漏洩流量が前記形状におけるよりもより減
少されなければならない場合に使用される本発明の代替
態様を示す。図6に示されているブラシシール装置は高
圧領域112と低圧領域114との間の流れを制限する
ための2つの同一ブラシシール116aおよび116b
で構成されている。シール116aおよび116bは直
列シール関係をなして形成され,それらのそれぞれの剛
毛要素末端部137aおよび137bは共通の環状溝1
38内に配置されている。
【0034】図7においては,図示の装置は図6に示す
形状に類似しているが;それぞれのブラシシール216
aおよび216bの末端部237aおよび237bがそ
れぞれ環状面218内の別々の環状溝238aおよび2
38b内に配置されている。突起部220のためにより
曲がりくねった漏洩通路を有するこの形状は,図6に示
すものよりも高圧領域212と低圧領域214との間の
所定の圧力降下に対する漏洩流量を減少するのにより有
効である。
【0035】最後に図8においては,高圧領域312と
低圧領域314との間に2つのブラシシール316aお
よび316bが直列シール関係をなして配置されている
ところの段付ブラシシール装置が示されている。末端部
337aおよび337bが半径方向寸法の異なるそれぞ
れの環状溝338aおよび338b内に配置されてい
る。この態様は異なるサイズのシールを必要とするが,
漏洩通路に対し追加の曲がりくねり度合を加えて流動抵
抗を増加させ,これによりさらに容積漏洩流量を減少さ
せる。同様に図2において点線47で示すように,その
中に環状溝が配置されている部品は一体構造であっても
または組立ておよび分解を容易にするために複数の要素
で構成されるものであってもよい。
【0036】代表的な分割面は,図6,図7および図8
のそれぞれにおいて点線147,247および347で
示されているが,その用途の特殊形状に応じて種々の他
の平面位置のいずれを選択してもよい。代替態様または
追加態様として,ブラシシールは取り付けたときに相集
まって完全な環状シールを形成する一連の協働する弓形
セグメントで構成してもよい。さらに図6,図7および
図8に示す実施態様は動的ならびに静的シール用途に適
用可能であり且つ半径方向または軸方向を向くブラシシ
ールと共に用いることができる。
【0037】本発明はガスタービン機関においてのみで
なく,異なる圧力領域間の流れを制限するのに通常のシ
ール装置が使用されるところのきわめて広範囲の機械式
装置および他の装置においても広い用途を有し且つ特に
シール装置の摩耗により発生される漏洩流れの汚染が装
置の運転に悪影響を及ぼすところの用途に適しているこ
とを主眼としている。
【0038】ここでは本発明の好ましい実施態様と考え
られるものについて説明してきたが,ここにおける教示
から当業者には本発明の他の修正態様が明らかであり,
従って本発明の真の精神および範囲内に入るこのような
すべての修正態様は添付の特許請求の範囲内に入るもの
とみなすことが望ましい。
【0039】従って,米国の特許証により保証されるこ
とが望ましい内容は,特許請求の範囲に規定され且つ区
別された発明である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施態様によるシール装置の略縦断
面図である。
【図2】図1に示すシール装置の一部分の拡大略縦断面
図である。
【図3】本発明を含むガスタービン機関の釣合いピスト
ン組立体の略部分縦断面図である。
【図4】本発明を含むガスタービン機関ステータ組立体
の略部分断面図である。
【図5】本発明を含む図4に示すガスタービン機関のス
テータ組立体の代替略部分縦断面図である。
【図6】本発明の代替態様による直列ブラシシール装置
の略縦断面図である。
【図7】本発明の他の実施態様による直列ブラシシール
装置の略縦断面図である。
【図8】本発明の他の実施態様による段付直列ブラシシ
ール装置の略縦断面図である。
【符号の説明】
10 ブラシシール装置 12;112;212;312 高圧領域 14;114;214;314 低圧領域 16;116a,116b;216a,216b;31
6a,316b ブラシシール 18 回転構造物 22 中心点 24;88,88a;90,90a;100 静止構造
物 32 剛毛要素 37,37a,37b,37c,37d;137a,1
37b;237a,237b;337a,337b 自
由な剛毛端部 38,38a,38b,38c,38d;138;23
8a,238b;338a,338b 溝手段 48 内部釣合いピストンシール 50 外部釣合いピストンシール 60 ロータ 92,102 環状リング

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 高圧領域と低圧領域との間に配置され且
    つ第1の部材に固定装着されたブラシシール手段と;お
    よび溝手段を有する第2の部材であって,前記ブラシシ
    ール手段の順応性部分を前記溝手段の内面に近接し且つ
    該内面から間隔をなして受け入れて前記高圧領域と前記
    低圧領域との間の流体流れを制限する第2の部材と;か
    らなるブラシシール装置。
  2. 【請求項2】 前記ブラシシール手段が中心点を有する
    少なくとも1つの環状ブラシシールからなり;前記シー
    ル順応性部分が前記ブラシシールの環状リングに恒久的
    に装着された第2の端部を有する複数の剛毛要素の自由
    な第1の端部からなり;および前記溝手段が前記シール
    順応性部分の外部輪郭に実質的に相補の内部輪郭を有す
    る少なくとも1つの環状溝からなる;ところの請求項1
    のブラシシール装置。
  3. 【請求項3】 前記第1の部材が静止構造物からなり;
    前記第2の部材が,前記静止構造物に対し相対回転をな
    し,該静止構造物から半径方向に間隔をなして配置され
    且つ該静止構造物によって包囲される回転構造物からな
    り,前記回転構造物が前記ブラシシールの前記中心点を
    通過する回転軸を有し;および前記自由な剛毛端部が前
    記環状リングから半径方向内方に配置されている;とこ
    ろの請求項2のブラシシール装置。
  4. 【請求項4】 前記第1の部材が第1の静止構造物から
    なり;前記第2の部材が前記第1の静止構造物から半径
    方向に間隔をなして配置された第2の静止構造物からな
    り;および前記自由な剛毛端部が前記環状リングから半
    径方向内方に配置されている;ところの請求項2のブラ
    シシール装置。
  5. 【請求項5】 前記第1の部材が第1の静止構造物から
    なり;前記第2の部材が前記第1の静止構造物から軸方
    向に間隔をなして配置された第2の静止構造物からな
    り;および前記自由な剛毛端部が前記環状リングから軸
    方向に配置されている;ところの請求項2のブラシシー
    ル装置。
  6. 【請求項6】 前記ブラシシール手段が前記溝手段の周
    りに概して同軸に設けられた複数の近接配置ブラシシー
    ルからなりまた各ブラシシールがそれぞれ単一溝の内面
    に近接し且つ該内面から間隔をなして配置された自由な
    剛毛端部を有するところの請求項2のブラシシール装
    置。
  7. 【請求項7】 前記ブラシシール手段が前記溝手段の周
    りに概して同軸に設けられた複数の近接配置ブラシシー
    ルからなりまた各ブラシシールがそれぞれ複数の個別溝
    の各々の内面に近接し且つ該内面から間隔をなして配置
    された自由な剛毛端部を有するところの請求項2のブラ
    シシール装置。
  8. 【請求項8】 前記個別溝が異なる直径寸法を有すると
    ころの請求項7のブラシシール装置。
  9. 【請求項9】 ロータと;静止構造物と;外部釣合いピ
    ストンシールと;および内部釣合いピストンシールと;
    からなるガスタービン機関における釣合いピストン装置
    において:前記内部および外部シールが前記ロータおよ
    び前記静止構造物と協働して釣合いピストン部材を形成
    し;前記内部および外部シールが前記静止構造物に固定
    された環状ブラシシールからなり且つ概して半径方向内
    方に配置された剛毛要素を有し,ここで前記内部および
    外部シールの前記剛毛要素の末端部分が前記ロータ内の
    第1および第2の環状溝内に配置され,これにより前記
    機関の定常運転中前記要素が前記ロータ内の前記溝の各
    々の内面に近接し且つ該内面から間隔をなして配置され
    ているところのガスタービン機関における釣合いピスト
    ン装置。
  10. 【請求項10】 前記ブラシシールおよび前記第1およ
    び第2の溝が所定サイズに形成され,これにより前記機
    関のあらゆる運転条件下において前記剛毛要素の前記末
    端部分が前記第1および第2の溝内に半径方向に少なく
    とも最小長さだけ侵入された位置にあるところの請求項
    9の釣合いピストン装置。
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