JPH0866093A - ステッピングモータの制御方法および制御装置 - Google Patents

ステッピングモータの制御方法および制御装置

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JPH0866093A
JPH0866093A JP20112194A JP20112194A JPH0866093A JP H0866093 A JPH0866093 A JP H0866093A JP 20112194 A JP20112194 A JP 20112194A JP 20112194 A JP20112194 A JP 20112194A JP H0866093 A JPH0866093 A JP H0866093A
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JP
Japan
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stepping motor
reset
movable body
origin position
lead screw
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Withdrawn
Application number
JP20112194A
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English (en)
Inventor
Tomohide Nakaegawa
知秀 仲江川
Hiroshi Hanatsumi
寛 花積
Kanatomo Tamura
哉智 田村
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsubishi Materials Corp
Original Assignee
Mitsubishi Materials Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 ステッピングモータの制御方法および制御装
置に係り、可動体とリードスクリューとのロックを回避
して原点位置データを簡易かつ精度よく調整するととも
に、構成を簡易なものとして製品コストの低減を図る。 【構成】 基準面に可動体を当接させて原点位置を設定
するリセットモードと、可動体を基準面から離間させ、
かつ、基準面に接触しない動作範囲内において可動体を
移動させる通常運転モードとを具備し、リセットモード
では通常運転モードより小さい駆動トルクでステッピン
グモータ11を駆動する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ステッピングモータの
制御方法および制御装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】ステッピングモータは、入力パルス信号
に基づいて巻線の励磁電流を切り替えることにより、磁
気引力または磁気反発力によって、ロータを一定の回転
角だけ移動させるものである。かかるステッピングモー
タは、ディジタル制御をオープンループで行うことがで
きることから、エンコーダ等の位置検出器が不要となっ
て構造が簡易であり、低価格でしかも累積誤差の小さい
アクチュエータとして広く利用されている。
【0003】このようなステッピングモータでは、上述
したように位置検出器を有しないものが一般的である。
そのために、電源切断時には、その原点位置データが消
滅してしまい、電源再投入時におけるロータの位置が原
点位置として認識されることにになって、電源切断、再
投入によってロータの位置ずれを生じてしまう。また、
ステッピングモータのシャフトに、ロータを脱調させる
ようなトルクが作用した場合においても、その前後にお
いて上記と同様にロータの位置ずれを起こしてしまうこ
とになる。したがって、上記のような場合に、その都
度、原点位置を設定し直す必要がある。
【0004】ステッピングモータにおいて原点位置調整
を行う方法としては、従来より、可動体が基準位置に配
置されたときに作動させられるリミットスイッチや光電
スイッチ等のスイッチやセンサを設ける方法がある。し
かし、この方法では、リミットスイッチ等のスイッチや
センサを特別に設ける必要があるため、コスト高になる
不都合がある。例えば、高密度に配置される複数のピン
をそれぞれ直線移動させて高低差を付与することにより
立体的な画像を表示するピンディスプレイ等において
は、各ピンに対して1つずつスイッチを設ける必要があ
るために構造が複雑になりやすく、また、多数のスイッ
チを必要とするので製品コストが増大してしまうことに
なる。
【0005】かかる不都合を回避し、簡易かつ低コスト
にステッピングモータの原点位置調整を行う方法とし
て、原点を設定するための基準となる基準面に可動体を
押し当てる方法が知られている。この方法によれば、可
動体が基準面に当接した後もさらに回転し続けようとす
るステッピングモータは脱調させられることになり、可
動体は基準面に当接状態に保持される。したがって、可
動体の動作範囲の途中位置に基準面を配しておけば、特
別なセンサ等を設けることなく、可動体を基準位置に配
置することができ、原点位置調整を容易に行うことがで
きる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記方法で
は、ステッピングモータのトルクに耐えて基準面を同一
位置に配置しておく必要から、基準面およびモータの取
付部材等の構造物を十分に頑強に構成しなければならな
い。しかしながら、上記ステッピングモータが装着され
る装置が小型のものである場合等においては、剛構造と
することにより重量が増大し、コストの増大および取扱
性の低下を招くことになる。このため、基準面および取
付部材等を構成するフレームは、一般に板材等を組み合
わせて構成され、強度を十分に確保することが困難であ
るという問題があった。
【0007】このような場合には、図6に示すように、
可動体1に押圧される基準面2aが鎖線で示すように弾
性変形し、あるいは、ステッピングモータ3を支持して
いる取付部材が弾性変形してしまうことになる。また、
基準面2aを構成しているフレーム2の弾性変形が無視
し得る程度に微小な場合であっても、可動体1とリード
スクリュー4との間に作用する摩擦力が、フレーム2の
弾性力によって増大することが考えられ、フレーム2に
押し当てられる可動体1がリードスクリュー4に対して
ロックしてしまう不都合がある。
【0008】この場合に、可動体1とリードスクリュー
4とがロックするまでの間、すなわち、可動体1が基準
面2aに当接させられて係止されることによりステッピ
ングモータ3が脱調させられるまでの間には、リードス
クリュー4は、可動体1との間に生ずる動摩擦力に抗し
て回転させられることになる。しかし、一旦ロックした
可動体1に対してリードスクリュー4を緩めるには、両
者間に生ずる動摩擦力よりも大きな静摩擦力に抗してリ
ードスクリュー4を回転させる必要があり、ロックを解
除することが困難であった。このため、ステッピングモ
ータ3の原点位置を設定する作業を自動化することがで
きず、特に、多数のステッピングモータ3を高密度に配
列したピンディスプレイ等においては、各ステッピング
モータ3の原点位置調整作業に多大な労力を要してしま
うという不都合がある。
【0009】本発明は上述した事情に鑑みてなされたも
のであって、簡易な構成で、可動体がリードスクリュー
に対してロックしないように原点位置の設定を行い得る
とともに、コスト低減を図り、原点位置調整作業を容易
に行うことができるステッピングモータの制御方法およ
び制御装置を提供することを目的としている。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明は、シャフトに設けられるリードスクリュー
により該リードスクリューに螺合する可動体を直線移動
させるステッピングモータにおいて、可動体の基準位置
に配される基準面に可動体を当接させて脱調させること
により、原点位置を設定するリセットモードと、可動体
を基準面から離間させ、かつ、基準面に接触しない動作
範囲内において可動体を移動させる通常運転モードとを
具備し、前記リセットモードにおけるステッピングモー
タを、通常運転モードより小さい駆動トルクで駆動する
ステッピングモータの制御方法を提案している。
【0011】また、複数相の励磁コイルを具備するステ
ッピングモータにおいて、リセットモードにおけるステ
ッピングモータを、通常運転モードよりも少ない励磁コ
イルを励磁することにより駆動することとすれば効果的
である。
【0012】また、本発明は、シャフトに設けられるリ
ードスクリューにより該リードスクリューに螺合する可
動体を直線移動させるステッピングモータの制御装置で
あって、基準位置に配される基準面に可動体を当接させ
てステッピングモータの原点位置データをリセットする
リセット手段を具備し、該リセット手段が、原点位置設
定時に操作されリセット起動信号を発信する起動手段
と、該起動手段に接続され、リセット起動信号に基づい
てステッピングモータを一方向に所定回転させるリセッ
ト動作の指令信号を送信し、かつ、リセット動作終了後
にリセット終了信号を発信するリセット動作指令手段
と、該リセット動作指令手段および前記起動手段に接続
され、リセット起動信号に基づいてステッピングモータ
の駆動トルクを通常運転状態よりも小さく設定し、か
つ、リセット終了信号に基づいて駆動トルクを通常運転
状態に設定するトルク設定手段と、前記リセット動作指
令手段に接続され、リセット動作の終了時のステッピン
グモータの回転角度位置に基づいて、原点位置データを
書き換える原点位置設定手段とを具備するステッピング
モータの制御装置を提案している。
【0013】上記制御装置においては、複数相の励磁コ
イルを具備するステッピングモータにおいて、トルク設
定手段が、励磁すべき励磁コイルの相数を変化させるコ
イル数設定手段よりなることとしてもよい。
【0014】
【作用】本発明に係るステッピングモータの制御方法に
よれば、ステッピングモータを作動させると、シャフト
に設けたリードスクリューが回転させられることによ
り、該リードスクリューに螺合する可動体がシャフトの
軸線方向に沿って直線移動させられることになる。リセ
ットモードにおいては、可動体が基準面に当接させられ
てステッピングモータが脱調させられることにより、可
動体が基準位置に確実に配され、ステッピングモータの
原点位置を容易に設定することが可能となる。
【0015】この場合に、可動体は、リードスクリュー
との間の摩擦力が増大させられた状態で基準面によって
係止されるが、該可動体を基準面から離間させる通常運
転モードにおいては、リセットモードよりも大きな駆動
トルクによってステッピングモータが作動させられるの
で、上記摩擦力に抗して可動体を基準面から離脱させ、
かつ、基準面に接触しない動作範囲内において可動体が
移動させられることになる。
【0016】また、上記制御方法を、複数相の励磁コイ
ルを具備するステッピングモータに適用し、リセットモ
ードにおけるステッピングモータを、通常運転モードよ
りも少ない励磁コイルを励磁することにより駆動するこ
ととすれば、特別な装置を用意することなく、リセット
モードにおける駆動トルクを通常運転モードにおけるよ
りも小さく設定することが可能となる。
【0017】さらに、本発明に係るステッピングモータ
の制御装置によれば、電源投入時あるいは位置ずれ発生
時等の原点位置設定時に、リセット手段が作動させられ
て、基準位置に配される基準面に可動体が当接させら
れ、ステッピングモータの原点位置データがリセットさ
れる。リセット手段においては、起動手段が操作される
ことによりリセット起動信号が発信され、このリセット
起動信号に基づいてトルク設定手段が作動させられステ
ッピングモータの駆動トルクが、通常運転状態よりも小
さい値に設定されることになる。
【0018】また、リセット起動信号が発信されると、
リセット動作指令手段が作動させられて、ステッピング
モータを一方向に所定回転させるリセット動作の指令信
号が送信され、ステッピングモータのリセット動作が実
施される。そして、リセット動作が終了すると、リセッ
ト動作指令手段からリセット終了信号が発信され、トル
ク設定手段の作動によって駆動トルクが通常運転状態の
値にリセットされる。さらに、リセット終了信号が発信
されると、原点位置設定手段が作動させられて、リセッ
ト動作終了時のステッピングモータの回転角度位置に基
づいて、原点位置データが書き換えられることになる。
【0019】この場合に、可動体が基準面に当接される
際のステッピングモータは、小さい駆動トルクで作動さ
せられているので、基準面の変位が低減されて原点位置
の精度が向上されるとともに、リセット動作終了後に
は、それよりも大きな駆動トルクによって可動体を基準
面から離間させることとなるので、可動体とリードスク
リューとがロックしないように保持されることになる。
【0020】また、上記制御装置において、トルク設定
手段をコイル数設定手段とすれば、該コイル数設定手段
の作動によって、ステッピングモータの複数相の励磁コ
イルのうち、励磁されるべき励磁コイルの相数が変化さ
せられて、駆動トルクを簡易かつ確実に増減し得て、上
記のように作用する制御装置が最も簡易に構成されるこ
とになる。
【0021】
【実施例】以下、本発明に係るステッピングモータの制
御方法および制御装置の一実施例について図1から図5
を参照して説明する。図5に、本実施例に係る制御装置
10によって駆動されるステッピングモータ11の一例
を示す。このステッピングモータ11は、例えば、2相
励磁式のPM形ステッピングモータであって、シャフト
12にリードスクリュー13が形成されている。このシ
ャフト12には、前記リードスクリュー13に螺合する
雌ネジ14が内面に形成された有底円筒状のピン15
(可動体)が取り付けられている。
【0022】このピン15は、ステッピングモータ11
を固定している板状のフレーム16(基準面)に形成さ
れた貫通孔17に貫通状態に配されている。ピン15に
は、鍔状のフランジ部18が設けられ、このフランジ部
18に設けた案内孔18aには、前記フレーム16に固
定されたガイドロッド16aが貫通状態に配されてい
る。これにより、ピン15は、周方向の回転を係止さ
れ、シャフト12の回転によってその軸線方向に直線移
動させられるようになっている。
【0023】このように構成されたステッピングモータ
11を制御する本実施例の制御装置10は、図1に示す
ように、例えば、外部からの位置指令S1に基づいて、
ステッピングモータ11の動作指令信号S2を発信する
動作指令手段19と、動作指令信号S2に基づいてステ
ッピングモータ11への入力パルス信号S3を発生する
パルス発生手段20と、原点位置データ喪失時に作動さ
せられるリセット手段21とを具備している。前記動作
指令手段19には、ステッピングモータ11の原点位置
データを保持するデータ記憶手段22が設けられてお
り、保持されている原点位置データを基に動作指令信号
2を生成することにより、ピン15の位置を精度よく
コントロールすることができるようになっている。
【0024】前記リセット手段21は、原点位置設定時
に操作されリセット起動信号S4を発信する起動手段2
3と、該リセット起動信号S4に基づいてステッピング
モータ11の駆動トルクを低下させるトルク設定手段2
4と、同じくリセット起動信号S4に基づいて作動させ
られ所定のリセット動作を行うための指令信号S5をパ
ルス発生手段20に発信するリセット動作指令手段25
と、リセット動作終了時に原点位置データを書き換える
原点リセット手段26とを具備している。
【0025】前記起動手段23は、例えば、ステッピン
グモータ11を作動させている制御装置10の電源スイ
ッチ、リセットボタンあるいは他の専用のスイッチによ
って実現される。前記トルク設定手段24は、例えば、
前記ステッピングモータ11の励磁コイル11aのう
ち、励磁されるべき励磁コイル11aを設定するコイル
数設定手段よりなる。図5に、励磁コイル11aの相数
とステッピングモータ11の駆動トルクとの関係を示
す。この図によれば、2相の励磁コイル11aのうち、
1相について無励磁状態とし、他の1相のみを励磁して
ステッピングモータ11を駆動することとすれば、2相
全てを励磁して駆動する場合と比較して、その駆動トル
クを確実に低くすることができる。
【0026】したがって、トルク設定手段24は、前記
起動手段23からのリセット起動信号S4に基づいてス
テッピングモータ11の励磁されるべき励磁コイル11
aを1相に設定するとともに、後述するリセット動作指
令手段25からのリセット終了信号に基づいて励磁コイ
ル11aの相数を2相に設定するようになっている。
【0027】前記リセット動作指令手段25は、リセッ
ト起動信号S4に基づいて、ステッピングモータ11に
所定のリセット動作を実施させる動作指令S5を発信す
るとともに、リセット動作終了時には、リセット終了信
号S6・S8を発信するようになっている。このリセット
動作は、例えば、ステッピングモータ11のリードスク
リュー13に螺合しているピン15のフランジ部18を
フレーム16に当接させるものであり、ピン15の通常
運転状態における動作範囲L0を超える距離L1だけピン
15を移動させるようになっている。これにより、リセ
ット動作開始時におけるピン15が動作範囲L0内のど
の位置にあっても、リセット動作によってそのフランジ
部18が確実にフレーム16に当接させられるようにな
っている。
【0028】ここで、ピン15がフレーム16に当接さ
せられた場合においても、そのことを検知するセンサが
設けられていないので、ステッピングモータ11には、
ピン15をフレーム16に向けてさらに移動させようと
する指令信号S5が送信され続ける。そして、フランジ
部18がフレーム16に圧接させられて、その摩擦力が
ステッピングモータ11の駆動トルクを超えた場合に
は、ステッピングモータ11は脱調させられる。これに
より、ピン15がフレーム16に圧接状態に係止された
まま、ステッピングモータ11は見掛け上指令信号S5
の通りに回転させられたことになり、リセット動作が終
了するようになっている。
【0029】前記原点リセット手段26は、前記リセッ
ト動作指令手段25から発せられるリセット終了信号S
8によって作動され、ピン15がフレーム16に当接さ
せられた位置あるいはその位置から所定距離だけ移動さ
せられた位置におけるステッピングモータ11の回転角
度位置を新たな原点位置として原点位置データを書き換
えるようになっている。
【0030】このように構成された本実施例に係るステ
ッピングモータ11の制御装置10の作用について以下
に説明する。図2および図3に、本実施例の制御装置1
0の動作フローチャートを示す。図2によれば、本実施
例の制御装置10によるステッピングモータ11の制御
方法は、電源投入後に必ず設定されるリセットモード
(STEP A)と、該リセットモード(STEP A)による原点
位置データのリセットの後に設定される通常運転モード
(STEP B)とを具備している。
【0031】前記通常運転モード(STEP B)は、ステッ
ピングモータ11の有する最大限の性能を発揮するよう
にステッピングモータ11を制御して、ピン15の移
動、位置決めを行うモードであって、2相全ての励磁コ
イル11aが励磁された状態で動作させられるようにな
っている。
【0032】前記リセットモード(STEP A)は、原点位
置データをリセットするためのモードで、電源の投入等
によって発生するリセット起動信号S4によって作動さ
せられる。このリセットモード(STEP A)は、図2に示
す動作フローチャートにおいては、電源投入時に必ず呼
び出されるサブルーチンとして構成されており、具体的
には、図3に示す動作フローチャートにしたがって動作
させられるようになっている。
【0033】すなわち、リセット起動信号S4が投入さ
れると、励磁されるべき励磁コイル11aの相数が1相
に設定され(STEP 1)、かつ、ピンを移動させる指令信
号S5がステッピングモータ11に送信される(STEP
2)。この指令信号S5は、ピン15の移動距離がL1
なるように送信される。実際には、上述したように、ピ
ン15のフランジ部18がフレーム16に当接した後に
ステッピングモータ11が脱調させられることにより達
成される。
【0034】これにより、リセット動作が終了しリセッ
ト終了信号S6が送信されると、励磁されるべき励磁コ
イル11aの相数が2相に戻され(STEP 3)、ピン15
をフレーム16との当接位置から移動距離L2だけ戻す
ような移動指令S7がステッピングモータ11に送信さ
れる(STEP 4)。そして、このような一連の動作が終了
すると、リセット動作指令手段25から原点リセット手
段26にリセット終了信号S8が送信され、そのピン1
5の位置におけるステッピングモータ11の回転角度位
置が新たな原点位置として、原点位置データがリセット
され(STEP 5)、リセットモード(STEP A)が終了す
る。以降、2相の励磁コイル11aを励磁して駆動され
る通常運転モード(STEP B)が実施されることになる。
【0035】このように、本実施例に係るステッピング
モータ11の制御方法および制御装置10によれば、ピ
ン15のフランジ部18をフレーム16に当接させて実
施するリセット動作時において、励磁されるべき励磁コ
イル11aの相数を通常運転状態における場合よりも少
なく設定することとしたので、リセット動作時の駆動ト
ルクが低減されることになる。したがって、ピン15の
フランジ部18は、フレーム16に対して小さい駆動ト
ルクにより押し当てられることになるので、フレーム1
6の弾性変形が抑制される。その結果、フレーム16の
弾性力によるピン15とリードスクリュー13との間の
摩擦力の増大も抑制することができ、両者をロックしな
いように保持することができる。
【0036】さらに、ピン15のフランジ部18をフレ
ーム16から離間させる場合には、ステッピングモータ
11の動作モードを通常運転状態に設定することとして
いるので、ピン15のフランジ部18がフレーム16に
押し当てられたときよりも大きな駆動トルクによってス
テッピングモータ11を回転させることになる。したが
って、ピン15とリードスクリュー13との間に生じる
摩擦力に打ち勝ってステッピングモータ11を回転させ
ることができ、ピン15とリードスクリュー13とのロ
ックを確実に回避することができる。
【0037】すなわち、本実施例の制御方法および制御
装置10によれば、リミットスイッチ等の特別な位置検
出手段を設けることなく、ステッピングモータ11の原
点位置を精度よくリセットすることができる。これによ
り、装置の構造を簡易なものとして、製品コストの低
減、保守容易性の向上等を図ることができる。しかも、
リセット動作に際しては、ピン15のロックが確実に防
止されるので、電源投入等のリセット起動を実施するだ
けで、容易に、しかも、自動的に原点位置データのリセ
ットを行うことができる。特に、上記ステッピングモー
タ11を高密度に配列して構成されるピンディスプレイ
のような装置に適用すれば、顕著な効果を奏し得る。
【0038】なお、本実施例においては、2相励磁式の
PM形ステッピングモータに適用することとしてが、こ
れに代えて、3相、4相、5相、8相励磁式のステッピ
ングモータ11や、HB形ステッピングモータ等に適用
することとしてよい。この場合、リセット動作時に励磁
されるべき励磁コイル11aの相数は、その駆動トルク
に応じて適宜に設定すればよい。また、シャフト12に
設けたリードスクリュー13によってピン15を直線移
動させるステッピングモータ11に代えて、他の可動体
を直線移動させる場合に適用することとしてもよい。
【0039】また、ステッピングモータ11の原点位置
をピン15のフランジ部18がフレーム16から所定距
離L2だけ離れた位置において設定することとしたが、
フランジ部18とフレーム16とが当接した位置におい
て原点位置データのリセットを行うこととしてもよい。
さらに、励磁コイル11aの相数を変化させることによ
って、ステッピングモータ11の駆動トルクを変化させ
ることとしたが、これに代えて、あるいはこれととも
に、ステッピングモータ11に投入する電流値を変化さ
せること等、他の任意の方法によって駆動トルクを変化
させることとしてもよい。
【0040】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明に係るステ
ッピングモータの制御方法および制御装置によれば、基
準面に可動体を当接させて原点位置を設定するリセット
モードと、可動体を基準面から離間させ、かつ、基準面
に接触しない動作範囲内において可動体を移動させる通
常運転モードとを具備し、リセットモードでは通常運転
モードより小さい駆動トルクでステッピングモータを駆
動することとしたので、可動体が基準面に当接する際に
可動体とリードスクリューとの間に生ずる摩擦力を低減
し、しかも、その摩擦力に打ち勝って可動体を基準面か
ら離間させるようにステッピングモータを駆動するの
で、可動体とリードスクリューとのロックを確実に防止
することができるという効果を奏する。しかも、小さい
駆動トルクによって可動体を基準面に当接させることと
すれば、基準面の変位も抑制されることになり、原点位
置データを精度よくリセットすることができる。
【0041】さらに、上記制御方法および制御装置を複
数相の励磁コイルを具備するステッピングモータに適用
し、リセットモードにおけるステッピングモータを、通
常運転モードよりも少ない励磁コイルを励磁することに
より駆動することとすれば、ステッピングモータの駆動
トルクを低減させるための特別の装置を設けることな
く、最も簡易かつ確実に上記効果を奏する制御装置を構
成することができる。これにより、ステッピングモータ
を具備する装置の構成を簡易なものとして、製品コスト
の低減、保守容易性の向上等を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るステッピングモータの制御装置の
一実施例を示すブロック図である。
【図2】本発明に係るステッピングモータの制御方法を
説明するための動作フローチャートを示す図である。
【図3】図2の制御方法のリセットモードを説明するた
めの動作フローチャートを示す図である。
【図4】図1の制御装置によって駆動されるステッピン
グモータの駆動トルクを示す図である。
【図5】図1の制御装置によって駆動されるステッピン
グモータの一例を示す縦断面図である。
【図6】従来の制御装置によって駆動されるステッピン
グモータによりフレームが弾性変形させられる様子を示
す図である。
【符号の説明】
10 制御装置 11 ステッピングモータ 11a 励磁コイル 12 シャフト 13 リードスクリュー 15 ピン(可動体) 16 フレーム(基準面) 21 リセット手段 23 起動手段 24 トルク設定手段(コイル相数設定手段) 25 リセット動作指令手段 26 原点位置設定手段 STEP A リセットモード STEP B 通常運転モード S4 リセット起動信号 S5 指令信号 S6 リセット終了信号
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 田村 哉智 埼玉県大宮市北袋町1丁目297番地 三菱 マテリアル株式会社メカトロ・生産システ ム開発センター内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 シャフトに設けられるリードスクリュー
    により該リードスクリューに螺合する可動体を直線移動
    させるステッピングモータにおいて、 可動体の基準位置に配される基準面に可動体を当接させ
    ることにより、原点位置を設定するリセットモードと、 可動体を基準面から離間させ、かつ、基準面に接触しな
    い動作範囲内において可動体を移動させる通常運転モー
    ドとを具備し、 前記リセットモードにおけるステッピングモータを、通
    常運転モードより小さい駆動トルクで駆動することを特
    徴とするステッピングモータの制御方法。
  2. 【請求項2】 複数相の励磁コイルを具備するステッピ
    ングモータにおいて、リセットモードにおけるステッピ
    ングモータを、通常運転モードよりも少ない励磁コイル
    を励磁することにより駆動することを特徴とする請求項
    1記載のステッピングモータの制御方法。
  3. 【請求項3】 シャフトに設けられるリードスクリュー
    により該リードスクリューに螺合する可動体を直線移動
    させるステッピングモータの制御装置であって、 基準位置に配される基準面に可動体を当接させてステッ
    ピングモータの原点位置データをリセットするリセット
    手段を具備し、 該リセット手段が、原点位置設定時に操作されリセット
    起動信号を発信する起動手段と、 該起動手段に接続され、リセット起動信号に基づいてス
    テッピングモータを一方向に所定回転させるリセット動
    作の指令信号を送信し、かつ、リセット動作終了後にリ
    セット終了信号を発信するリセット動作指令手段と、 該リセット動作指令手段および前記起動手段に接続さ
    れ、リセット起動信号に基づいてステッピングモータの
    駆動トルクを通常運転状態よりも小さく設定し、かつ、
    リセット終了信号に基づいて駆動トルクを通常運転状態
    に設定するトルク設定手段と、 前記リセット動作指令手段に接続され、リセット動作の
    終了時のステッピングモータの回転角度位置に基づい
    て、原点位置データを書き換える原点位置設定手段とを
    具備することを特徴とするステッピングモータの制御装
    置。
  4. 【請求項4】 複数相の励磁コイルを具備するステッピ
    ングモータにおいて、トルク設定手段が、励磁すべき励
    磁コイルの相数を変化させるコイル数設定手段よりなる
    ことを特徴とする請求項3記載のステッピングモータの
    制御装置。
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