JPH086562Y2 - キャスタのストッパ装置 - Google Patents

キャスタのストッパ装置

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JPH086562Y2
JPH086562Y2 JP9584091U JP9584091U JPH086562Y2 JP H086562 Y2 JPH086562 Y2 JP H086562Y2 JP 9584091 U JP9584091 U JP 9584091U JP 9584091 U JP9584091 U JP 9584091U JP H086562 Y2 JPH086562 Y2 JP H086562Y2
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wheel
lock
frame
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正敏 川鍋
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Sugatsune Kogyo Co Ltd
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Sugatsune Kogyo Co Ltd
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Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本考案は、キャスタのストッパ装
置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、キャスタのストッパ装置として、
特公平1−38681号公報に記載のものが知られてい
る。この装置は、フレームの中間壁に車輪の半径方向に
移動するロック部材を設けると共に、中間壁の内部にこ
のロック部材を移動する押しボタン機構を内装したもの
で、押しボタン機構によりロック部材を内方位置に保持
したとき車輪をアンロック状態にし、ロック部材を外方
位置に復帰させたとき車輪をロック状態にするよう構成
されている。このようなキャスタにおいては、通常押し
ボタンの押し込み位置によりロック状態かアンロック状
態かを判断している。
【0003】
【考案が解決しようとする課題】ところで、ロック部材
が内方のアンロック位置から外方のロック位置に移動す
る際、完全に所定のロック位置まで移動すれば問題はな
いが、正しいロック位置まで行かないで中途半端な位置
で止まってしまうことがある。例えば、車輪側の凹凸の
凹部にロック部材の係合部が完全に嵌まることで正常な
ロック状態となるのであるが、ロック部材の係合部が車
輪側の凸部に当たって止まってしまうことがある。この
場合は、車輪がもう少し回転すると、次の段階では自然
にロック部材の係合部が凹部に嵌まってロック状態にな
る。したがって、実際この段階ではロック状態ではない
ものの、操作者に対しては、ロック状態にあると思わせ
る必要がある。そうしないと、車輪がアンロック状態に
あると判断して車輪に無理な力を加え、床などに傷をつ
けるおそれがあるからである。
【0004】しかしながら、上記従来のキャスタでは、
ロック部材が車輪側の凸部に当たって止まったとき、そ
れに応じて押しボタンの位置も中途半端な位置で止まっ
てしまっていた。その結果、次の段階では確実にロック
状態になるのに、アンロック状態にあると判断して、車
輪に無理な力を加えて床に傷をつけるおそれが多分にあ
った。
【0005】そこで本考案は、上記のようにロック部材
が中途半端な位置に止まっている場合にも、安全のため
確実に押しボタンを外方位置に戻してロック状態である
と判断できるようにする、キャスタのストッパ装置を提
供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本考案のキャスタのスト
ッパ装置は、上記の課題を解決するため、フレームと、
このフレームに回転自在に支持された車輪と、を具備し
たキャスタにおいて、上記フレームには、車輪の半径方
向に移動可能とされ、復帰スプリングによって外方に付
勢されており、かつ外部から同復帰スプリングに抗して
内方に押し込み操作可能とされた押しボタンと、この押
しボタンの押し込み操作を繰り返すことにより、上記復
帰スプリングと協働して同押しボタンを内方位置に保持
したり外方位置に復帰させたりする押しボタン保持機構
と、車輪の半径方向に移動自在とされ上記押しボタンの
押し込み操作により内方位置に押し移動され、かつロッ
クスプリングによって外方位置に付勢されたロック部材
と、が設けられ、このロック部材に、該ロック部材が外
方位置にあるとき車輪側面に形成された係合部と係合状
態となり、該ロック部材が内方位置にあるとき同係合部
と非係合状態となるストッパ部が形成されていることを
特徴としている。
【0007】
【作用】上記装置において、外方位置にある押しボタン
を押し込み操作すると、押しボタン保持機構の作用で押
しボタンが内方位置に保持される。このとき、押しボタ
ンに押されてロック部材が内方位置に移動し、ロック部
材に形成されたストッパ部と車輪が非係合状態になる。
よって、車輪は自由に回転することができるようにな
る。
【0008】一方、この状態から押しボタンを押し込み
操作すると、内方位置に保持されていた押しボタンの保
持が解除されて押しボタンが復帰スプリングの作用で外
方位置に復帰する。このとき、ロック部材もロックスプ
リングの作用で外方位置に移動し、ロック部材に形成さ
れたストッパ部と車輪が係合状態になる。よって、車輪
がロックされて、動かないようになる。
【0009】ところで、ロック部材が外方位置に移動す
るときに、正規のロック位置まで復帰しなかった場合は
どうなるかと言うと、そのときも押しボタンはロック部
材の位置に関係なく、復帰スプリングの作用で外方位置
に復帰する。したがって、その押しボタンの位置から、
ロック状態にあると判断されることになり、無理な力を
加えられることが回避される。
【0010】
【実施例】以下、本考案の実施例を図面を参照しながら
説明する。まず、図1〜図6を用いて本考案を単輪式キ
ャスタに適用した第1実施例を説明する。図1(a)は
第1実施例のストッパ装置を組み込んだキャスタの全体
構成を示す側断面図、図2は図1のA−A矢視断面図で
ある。これらの図において、符号10で示すものはフレ
−ムである。このフレ−ム10は、機器に固定されるフ
レーム本体部11と、フレーム本体部11の幅方向両端
に連設された一対の側板12、12と、からなる断面コ
字状のものである。フレ−ム本体部11の長さ方向の一
端部には、機器へ取り付けるためのボス14が形成さ
れ、このボス14に、ベアリング15を介して垂直な取
付ロッド16が回転自在に装着されている。機器へは、
このロッド16のネジ部を利用して取付ける。
【0011】図2に示すように、両側板12、12間に
は、所定のスペ−スが確保されており、ここに車輪50
が1個挿入されている。両側板12、12の中心にはボ
ス部が形成されており、これらボス部に、水平な車軸5
1の両端が固定されている。そして車輪50は、ベアリ
ング52を介してこの車軸51に回転自在に取付けられ
ている。車輪50は、床面を転動する外輪部53と、ベ
アリング52を嵌合したボス部54と、外輪部53とボ
ス部54を連結する円板状のリム部55とからなるもの
で、外輪部53の幅方向中央にリム部55の外周端が連
結されている。そしてリム部55の両側の外輪部53の
内周には、図1(a)に示すように多数の係合用凹部5
6が周方向に一定ピッチで形成されている。
【0012】図1(a)に示すように、フレーム本体部
11の上面17はほとんどの部分が平坦な水平面で構成
されており、取付ボス14と反対側の端部が水平に対し
て約45度の角度でカットされている。このカットされ
た面はボタン取付面18とされており、このボタン取付
面18には、車輪50の中心方向に向かってボタン取付
孔19が形成されている。また、フレ−ム本体部11の
内周面(下面)は、車輪50の外形に対応して円弧状に
形成されており、この円弧状の内周面に、上記ボタン取
付孔19が突き抜けている。そして、このボタン取付孔
19の中に、車輪50のロック及びロック解除操作を行
うための押しボタン30が、車輪50の半径方向に沿っ
てスライド自在に挿入されている。なお、この押しボタ
ン30は、フレ−ム本体部11の内面側からボタン取付
孔19内に挿入されており、ストッパ30a〔図6
(a)参照〕により、所定量以上ボタン取付面18から
突出しないように規制されている。
【0013】ボタン取付孔19は四角孔として形成され
ており、押しボタン30はそれに対応して四角柱状に形
成されている。押しボタン30は、内部が空洞にされ、
図2に示すように車輪50の幅方向の両端壁が、側板1
2、12の内面に沿って車輪50の中心方向に延出して
いる。これら延出壁31、31は、車輪50の外輪部5
3の側方にまで達しており、側板12、12の内面に形
成した図示略の浅いガイド溝に沿って案内される。延出
壁31の先端(車輪50の半径方向における内周側の端
部)32は、図1(a)に示すように円弧に形成されて
いる。この円弧の曲率中心は、押しボタン30が外方位
置にあるとき、つまり押しボタン30がストッパ30a
で規制された突出限にあるとき、ちょうど車輪50の中
心に一致するよう設定されている。この円弧状に形成さ
れた延出壁31の内周端32は、側板12に組み付けら
れたスライド部材(ロック部材)60の外周端67に当
接している。
【0014】スライド部材60及び側板12は、図4に
示すように構成されている。すなわち、図4(a)に示
すように、側板12には、スライド部材60が車輪50
の半径方向にスライドするための四角いスライド孔61
が形成されている。このスライド孔61の半径方向外周
寄り位置における側板12の外面には、スライド孔61
の側縁に沿って浅いガイド溝62が形成されている〔図
4(c)参照〕。
【0015】一方、スライド部材60は、図4(b)に
示すように長方形板状の本体部63と、本体部63の厚
さ方向一側面側に形成された一対の羽根状の鍔部64、
64と、本体部63の厚さ方向他側面に形成された半円
柱状の凸部(ストッパ部)65と、を有している。図4
(c)に示すように、スライド部材60は、本体部63
をスライド孔61に嵌合させ、鍔部64、64をガイド
溝62、62に嵌合させた状態で側板12に組み付けら
れており、これにより、車輪50の半径方向に沿って安
定してスライドし得るようになっている。なお、スライ
ド部材60は、側板12の外面に配した押え板66によ
り脱落しないように押えられている。
【0016】スライド部材60は、このように側板12
に組み付けられた状態で、その本体部63が側板12の
内面より内方に突出しており、その突出した部分の外周
端67に、上述した押しボタン30の延出壁31の内周
端32が当接している。ここで、上記スライド部材60
の外周端67は、押しボタン30側の内周端32と同一
曲率の円弧面で構成されている。
【0017】スライド部材60の内面に設けられた半円
柱状の凸部(ストッパ部)65は、スライド部材60の
内周端から車輪50の半径方向外方に沿って延びてお
り、先端が本体部63の外周端67よりも手前で止まっ
ている。そして、この凸部65の長手方向先端が半円状
に丸められている。この凸部65は、図2及び図3に示
すように車輪50の外輪部53の内方に入り込んでお
り、図3に示すようにスライド部材60が外方に移動し
たときには、車輪50側の係合用凹部56内に侵入する
〔図1(a)に二点鎖線で示す〕。そして同凹部56と
係合して車輪50をロックする。また、図2に示すよう
にスライド部材60が内方に移動したときには、凸部6
5は、車輪50側の凹部56から抜け、同凹部56と非
係合状態になる〔図1(a)に実線で示す〕。
【0018】上記スライド部材60の凸部65側には、
スライド部材60の内周端から凸部65の長手方向に沿
って先止まりの孔68が形成されており、この孔68内
にロックスプリング69の一端が挿入されている。ロッ
クスプリング69は、他端が車軸51の外周に回り止め
固定されたバネ受け70で受けられており、スライド部
材60を車輪50の半径方向外方に付勢している。
【0019】また、押しボタン30は、押しボタン30
内に配設された復帰スプリング90によって、スライド
部材60とは別個に、車輪50の半径方向外方に付勢さ
れている。したがって、内方位置への拘束がないときに
は、押しボタン30はストッパ30aで規制される位置
までボタン取付面18から突出している。なお、側板1
2は、上記のようにスライド部材60が組み付けられた
状態で、外面をカバー71により覆われている〔図2、
図3参照〕。
【0020】次に、押しボタン30の保持機構40につ
いて説明する。押しボタン保持機構40は、押しボタン
30の押し込み操作を繰り返すことにより、復帰スプリ
ング90と協働して押しボタン30を内方位置〔図1
(a)に実線で示す位置〕に保持したり、外方位置〔同
二点鎖線で示す位置〕に復帰させたりするものであり、
以下のように構成されている。
【0021】押しボタン30の内部には、延出壁31、
31を形成した上記両端壁の内側に位置させて、両端壁
と平行な仕切壁33、33が形成されている。そして、
これら仕切壁33、33間のスペ−スに、後述する押し
ボタン取付部材35の案内壁36が挿入されている。
【0022】押しボタン取付部材35は、図1(a)及
び図6(b)に示すように、フレ−ム本体部11の内周
面の取付座20にネジ止め固定されたフランジ部37
と、フランジ部37の中央に突設された案内壁36とを
有するもので、案内壁36を押しボタン30の内部に挿
入した状態でフレ−ム本体部11に固定されている。案
内壁36には、図2に示すように車輪50の幅方向に貫
通したカム孔38が形成され、このカム孔38にロ−タ
39が貫通されている。上述した押しボタン30の両端
壁と仕切壁33には円孔が形成されており、これら円孔
にロ−タ39の両端が回転自在に支持されている。な
お、ロ−タ39は軸方向にずれないように仕切壁の外側
で係止されている。
【0023】カム孔38は、車輪50の半径方向に長い
溝形をなしており、ロ−タ39は、カム孔38内に位置
する中央部が、図1(a)に示すように断面X字状の多
角形に形成されている。ロ−タ39は押しボタン30に
取り付けられているので、押しボタン30が車輪50の
半径方向に移動させられた際、カム孔38に対して相対
的に移動する。そして、その移動の際、カム孔38の孔
壁のプロフィ−ルにより所定の回転をし、その回転姿勢
とカム孔38の孔壁との係合作用により所定の内方位置
で保持されたり、保持が解除されたりする。なお、この
動作は、特公平1−38681号公報のものと同様であ
るので、詳しい説明は略す。同公報に記載の機構との違
いは、ロータ39側が移動し、カム孔38側が固定され
ている点である。
【0024】押しボタン保持機構40は、上述のように
カム孔38とロータ39とで構成されており、フレーム
本体部11内に装備された押しボタン30内に内蔵され
ている。したがって、保持機構40を別に設けるための
余分なスペースを全く必要としない。なお、この種の押
しボタン保持機構としては、ここで例示するもの以外に
各種のものが存在する。よって、フレーム本体部11内
にボタン保持機構を内装しさえすれば、他のものと変更
しても構わない。
【0025】なお、押しボタン30を外方位置に付勢す
る上記復帰スプリング90は、図6に示すように、押し
ボタン30の内頂壁と、押しボタン取付部材35の頂部
との間に圧縮状態で介装され、組み合わせ状態では完全
に押しボタン30内に収容され、バネ受け用の突起9
1、92により、ずれないように保持されている。
【0026】次に、車輪50がロック状態にあるか非ロ
ック状態にあるかを表示するロック表示装置80につい
て、図1、図5、及び図6を参照しながら述べる。上述
のように押しボタン30は、フレーム本体部11の上面
17に対して、約45度の傾きで斜めに配設されてお
り、その上側面の近傍にはローラ状の回転体81が配設
されている。このローラ状の回転体81は、軸線を車軸
51と平行にして配設され、両端が押しボタン取付部材
35に形成したブラケット82、82に回転自在に支持
されている。
【0027】この回転体81は、押しボタン30とフレ
ーム本体部上面17との間に形成された空間83内に配
置されており、フレーム本体部上面17には、真上から
この回転体81の外周面が見えるように透明板を配した
窓84があいている。また、押しボタン30の上側面に
はラックギヤ85が形成され、回転体81にはこのラッ
クギヤ85と噛合するギヤ86が形成されている。そし
て、押しボタン30が移動するに従い回転体81が回転
するようになっている。
【0028】回転体81の外周面には、押しボタン30
が内方位置にあるとき窓84側に位置する部分に、「F
REE」つまり自由に回転できることを示す表示87が
設けられ、押しボタン30が外方位置にあるとき窓84
側に位置する部分に、「LOCK」つまりロック状態に
あることを示す表示88が設けられている。
【0029】次に、上記構成の装置の作用を説明する。
まず、車輪50を自由に回転できる状態にするには、外
方に突出した押しボタン30を、復帰スプリング90の
力に抗して押し込み操作する。そうすると押しボタン3
0が、図2及び図1(a)に示すように押しボタン保持
機構40の作用で内方位置に保持される。このとき、押
しボタン30に押されてスライド部材60がロックスプ
リング69の力に抗して内方位置に移動し、スライド部
材60の凸部(ストッパ部)65が車輪50の係合用凹
部56から抜ける。そして、車輪50のロックが解除さ
れて、車輪50が自由に回転できる状態になる。
【0030】また、このとき押しボタン30の内方位置
への移動に伴ってロック表示機構80の回転体81が回
転し、図1(b)に示すように「FREE」という表示
87がフレーム上面17の窓84に表れる。よって、操
作者は窓84を通して真上からこの表示87を見ること
で、間違いなく車輪50が非ロック状態にあることを知
る。この場合、表示87が真上に向いているので、操作
者にとって非常に見やすい。
【0031】次に、車輪50をロックしようとする場合
は、内方位置にある押しボタン30をさらに押し込み操
作する。そうすると、その操作により押しボタン保持機
構40の保持が解除され、図3及び図1(a)に二点鎖
線で示すように押しボタン30が復帰スプリング90の
作用で外方に移動する。この押しボタン30の外方位置
への復帰により、スライド部材60もロックスプリング
69の作用で外方に移動する。そしてこれにより、スラ
イド部材60の凸部(ストッパ部)65が車輪50の係
合用凹部56に係合し、車輪50がロックされる。この
場合、車輪50は両側でロックされるので、確実強固に
回転止めされる。
【0032】また、このとき押しボタン30の外方位置
への移動に伴ってロック表示機構80の回転体81が回
転し、「LOCK」という表示88がフレーム10の上
面17の窓84に表れる。よって、操作者は窓84を通
して真上からこの表示88を見ることで、間違いなく車
輪50がロック状態にあることを知る。したがって、誤
って車輪50を無理に回転させるようなことがなくな
る。また、この装置では、凸部(ストッパ部)65を有
するスライド部材60と、押しボタン30とが別体にな
っているので、誤って車輪50を無理に回転させようと
しても、その力はスライド部材60までしか伝わらず、
押しボタン30には達しない。よって、押しボタン30
に無理な力がかかることがなく、押しボタン30やその
保持機構40を損傷するおそれが全くない。
【0033】また、上記のロック操作の際に、スライド
部材60の凸部65が、車輪50側の係合用凹部56内
に正確に入らずに係合用凹部56間の凸部(山部)に当
たって止まってしまった場合について考えて見る。その
場合は、車輪50がもう少し回転すると、スライド部材
60の凸部65が車輪50の係合用凹部56に嵌まって
自然にロック状態になる。したがって、この段階では実
際に正常なロック状態ではないが、次の段階では確実に
ロック状態になることから、操作者に対しては、ロック
状態にあると認識させる必要がある。そうしないと、車
輪がアンロック状態にあると思って車輪50に無理な力
を加え、床などに傷をつけるおそれがあるからである。
ここでもし、押しボタン30の復帰スプリング90が無
いとすると、押しボタン30は、スライド部材60と一
緒に内方位置に近いところで止まってしまうことにな
り、それ以上は突出しない。したがって、表示が「FR
EE」、あるいは「FREE」と「LOCK」の間のど
っちつかずの状態になり、その結果、アンロック状態に
あると誤認して車輪50に無理な力をかけてしまうおそ
れがある。しかし、本実施例の装置では、押しボタン3
0は、別個に設けた復帰スプリング90により、スライ
ド部材60が中途半端な位置で止まっても、それとは関
係なく外方位置に自動的に復帰させられる。したがっ
て、この段階で表示が「LOCK」になり、車輪50の
次の状態と表示が一致して、無理な力が加えられること
が回避される。
【0034】以上のように、上記実施例のストッパ装置
によれば、スライド部材(ロック部材)60が中途半端
な位置に止まっている場合にも、押しボタン30が確実
に外方位置に戻る。したがって、ロック状態であると判
断することができ、間違って無理な力を車輪50に加え
ることがなくなる。
【0035】また、この実施例の装置では、単輪式のキ
ャスタにおいて、車輪50を両側からロックするので、
確実で強固なロック状態を得ることができる。また、フ
レーム本体部11内に装備した1組の押しボタン30及
び保持機構40で、車輪50の両側のロック及びロック
解除を行うようにしているので、機構が簡単にすむ。さ
らに、側板12には、ロックするための手段として、ス
ライド部材60とロックスプリング69しか配さないの
で、ストッパ装置を組み込むに当たって側板12の厚さ
をほとんど増やす必要がなく、キャスタの幅寸法の増大
を押えることができる。
【0036】さらに、上記実施例の装置においては、押
しボタン30の上側に、回転体81を用いたロック表示
機構80を装備したので、押しボタン30が斜めに配設
されているにも拘わらず、ロックされているかどうかの
表示87、88を、水平なフレーム上面17の窓84か
ら真上に向かって見せることができる。しかも回転体8
1を介することで、表示87、88を水平な窓84に接
近させることができ、外部からはっきりと見えるように
することができる。
【0037】次に、本考案の第2実施例を図7〜図13
を用いて説明する。本実施例は、本考案を双輪式キャス
タに適用した例である。図7、図8は、本実施例のキャ
スタ100の外観図である。これらの図において、10
1はフレーム、102は車輪、103は取付用のロッ
ド、130は車軸である。
【0038】車輪102は、フレーム101の両側にそ
れぞれ回転自在に支持されている。フレーム101は、
図9に示すように両車輪102、102の間に位置する
中間壁104を有しており、その中間壁104には、車
輪50の中心方向に向かってボタン取付孔105が形成
されている。そして、このボタン取付孔105の中に、
車輪102、102のロック及びロック解除操作を行う
ための押しボタン106が、車輪102、102の半径
方向に沿ってスライド自在に挿入されている。
【0039】この押しボタン106は、外方への突出量
が図示しないストッパによって規制されており、フレー
ム101のピン部108に支持された復帰スプリング1
07により、常に外方位置に付勢されている。また、こ
の押しボタン106内には、押しボタン106の押し込
み操作を繰り返すことにより、復帰スプリング107と
協働して押しボタン107を内方位置に保持したり、外
方位置に復帰させたりする押しボタン保持機構110が
内装されている。この押しボタン保持機構110の構造
は、上記第1実施例と同様であるので説明は略する。
【0040】また、各車輪102には、その内側面の内
周部に上記第1実施例と同様に、係合用凹部111が形
成されている。一方、フレーム101には、車輪102
側の係合用凹部111と係合するためのロック部材11
2が左右それぞれに設けられている。このロック部材1
12は、上記押しボタン106の内方端よりも車輪10
2の中心近くに配設され、ピン113によりフレーム1
01に揺動自在に支持されている。そして揺動した際
に、その先端部が、車輪102の半径方向に沿って内方
位置と外方位置の間で移動するようになっている。
【0041】このロック部材112は、図12及び図1
3に示すように、先端部に、外に折曲させたストッパ片
114と、内に突出した突起115を有しており、スト
ッパ片114を車輪102の内側に挿入した状態で取り
付けられている。そして、ロック部材112が、図9に
示すように外方に揺動したとき、ストッパ片114が車
輪102の係合用凹部111に係合し、車輪102をロ
ックする。また、押しボタン106を図10に示すよう
に内方に押し込んで、押しボタン106の内方端でロッ
ク部材112の突起115を押し移動することにより、
ロック部材112が内方に揺動し、それにより、係合用
凹部111からストッパ片114が抜けて、車輪102
のロックが解除されるようになっている。
【0042】上記のロック部材112は、図12に示す
ようにピン113の両端に配したロックスプリング12
0によって、常に外方位置に付勢されており、押しボタ
ン106による内方位置への拘束がないときには、常に
外方のロック位置に復帰しようとしている。押しボタン
106は、押し込み操作を繰り返すことにより、内方位
置に保持されたり、外方位置に復帰したりするものであ
り、図10は押しボタン106を一番押し込んだ状態の
とき、図11は押し込んだ後に押しボタン106が内方
位置に保持された状態のときをそれぞれ示している。
【0043】次に作用を説明する。まず、車輪102、
102を自由に回転できる状態にするには、外方に突出
した押しボタン106を、復帰スプリング107の力に
抗して押し込み操作する。そうすると押しボタン106
が、図10に示すように一旦内方押込限位置まで移動し
た後、図11に示すように押しボタン保持機構110の
作用で内方位置に保持される。このとき、押しボタン1
06に押されてロック部材112がロックスプリング1
20の力に抗して揺動し、その先端のストッパ片114
が内方位置に移動する。そして、ロック部材112のス
トッパ片114が車輪102、102の係合用凹部11
1から抜け、車輪102のロックが解除されて、車輪1
02が自由に回転できる状態になる。
【0044】次に、車輪102をロックしようとする場
合は、内方位置にある押しボタン106をさらに押し込
み操作する。そうすると、その操作により押しボタン保
持機構110の保持が解除され、図9に示すように押し
ボタン106が復帰スプリング107の作用で外方に移
動する。この押しボタン106の外方位置への復帰によ
り、ロック部材112もロックスプリング120の作用
で外方に揺動する。そしてこれにより、ロック部材11
2のストッパ片114が車輪102の係合用凹部111
に係合し、車輪102がロックされる。
【0045】また、上記のロック操作の際に、ロック部
材112のストッパ114が、車輪102側の係合用凹
部111間の凸部に当たって止まってしまった場合につ
いて考えて見る。その場合は、車輪102がもう少し回
転すると、ロック部材112側のストッパ片114が車
輪102側の係合用凹部111に係合して自然にロック
状態になる。したがって、この段階では実際に正常なロ
ック状態ではないが、次の段階では確実にロック状態に
なることから、操作者に対してはロック状態にあると思
わせる必要がある。そうしないと、車輪102がアンロ
ック状態にあると思って車輪102に無理な力を加える
おそれがあるからである。ここでもし、押しボタン10
6の復帰スプリング107が無いとすると、押しボタン
106は、ロック部材112と一緒に内方位置に近いと
ころで止まってしまうことになり、それ以上は突出しな
い。したがって、アンロック状態にあると判断して車輪
102に無理な力をかけてしまうおそれがある。しか
し、本装置では、押しボタン106は、別個に設けた復
帰スプリング107により、ロック部材112とは関係
なく外方位置に自動的に復帰させられる。したがって、
あくまで押しボタン106の突出した状態から安全側で
あるロック状態と判断される。つまり、車輪50の次の
状態と押しボタン106の突出状態が一致するのであ
る。
【0046】なお、上記実施例においては、揺動式のロ
ック部材112を用いて車輪102のロックを行う機構
を説明したが、本考案はそれに限らず種々変形可能であ
る。
【0047】
【考案の効果】以上説明したように、本考案に係るキャ
スタのストッパ装置によれば、車輪ロック用のロック部
材が中途半端な位置に止まっている場合にも、安全のた
め確実に押しボタンを外方位置に戻してロック状態であ
ると判断できるようにする。したがって、車輪の状態を
誤認することがなくなり、車輪に無理な力を与えること
がなくなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本考案の第1実施例の説明図であり、(a)は
アンロック状態のときの全体構成を示す側断面図、
(b)はそのときのロック表示部の構成を示す外から見
た平面図である。
【図2】図1のA−A矢視断面図である。
【図3】ロック状態のときの図2と同様の側断面図であ
る。
【図4】同実施例におけるスライド部材60の取付部の
構成を示し、(a)はフレームの側板12を正面から見
た図、(b)はスライド部材60にロックスプリング6
9を組み込んだ状態を示す斜視図、(c)はスライド部
材60を側板12に組み付けた状態を示す横断面図であ
る。
【図5】同実施例における押しボタン30と押しボタン
取付部材35とロック表示機構80の組立状態を示す斜
視図である。
【図6】図5に示した機構の分解図であり、(a)は正
面図、(b)は側面図である。
【図7】本考案の第2実施例の外観を示す正面図であ
る。
【図8】同実施例の外観を示す側面図である。
【図9】同実施例のロック状態のときの内部構成を示す
側断面図である。
【図10】同実施例において、押しボタン106を最大
押し込み位置まで押し込んだ状態のときの内部構成を示
す側断面図である。
【図11】同実施例のアンロック状態のときの内部構成
を示す側断面図である。
【図12】同実施例の内部構成を、押しボタン106の
方向から見た図である。
【図13】同実施例におけるロック部材の構成を示す図
であり、(a)はその斜視図、(b)は側面図、(c)
は上から見た図である。
【符号の説明】
10,101 … フレーム 30,106 … 押しボタン 40,110 … 押しボタン保持機構 50,102 … 車輪 56,111 … 係合用凹部 60 … スライド部材(ロック部材) 65 … 凸部(ストッパ部) 69,120 … ロックスプリング 90,107 … 復帰スプリング 112 … ロック部材 114 … ストッパ片(ストッパ部)

Claims (1)

    【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 フレームと、このフレームに回転自在に
    支持された車輪と、 を具備したキャスタにおいて、 上記フレームには、 車輪の半径方向に移動可能とされ、復帰スプリングによ
    って外方に付勢されており、かつ外部から同復帰スプリ
    ングに抗して内方に押し込み操作可能とされた押しボタ
    ンと、 この押しボタンの押し込み操作を繰り返すことにより、
    上記復帰スプリングと協働して同押しボタンを内方位置
    に保持したり外方位置に復帰させたりする押しボタン保
    持機構と、 車輪の半径方向に移動自在とされ上記押しボタンの押し
    込み操作により内方位置に押し移動され、かつロックス
    プリングによって外方位置に付勢されたロック部材と、
    が設けられ、 このロック部材に、該ロック部材が外方位置にあるとき
    車輪側面に形成された係合部と係合状態となり、該ロッ
    ク部材が内方位置にあるとき同係合部と非係合状態とな
    るストッパ部が形成されていることを特徴とするキャス
    タのストッパ装置。
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