JPH0865517A - 2値印刷装置において、画像データのプレ歪によりトーン補正を行うための改良方法、および装置 - Google Patents

2値印刷装置において、画像データのプレ歪によりトーン補正を行うための改良方法、および装置

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JPH0865517A
JPH0865517A JP7156534A JP15653495A JPH0865517A JP H0865517 A JPH0865517 A JP H0865517A JP 7156534 A JP7156534 A JP 7156534A JP 15653495 A JP15653495 A JP 15653495A JP H0865517 A JPH0865517 A JP H0865517A
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Shiyuu Jiyosefu
シュー ジョセフ
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 印刷装置に起因する印刷画像の濃度(トー
ン)の歪を補償するために、印刷装置に入力される原始
画像データに意図的に逆特性の歪を与える事前歪の技術
において、出力印刷画像の視覚上の外観をより向上させ
るための改良を提供する。 【構成】 原始画像の濃度を表す多ビット原始データが
フィルタ関数により修正され、次に、このフィルタリン
グされたデータが中間調化アルゴリズムにより処理され
て、印刷装置への転送に適切な2値データのラスタに変
換される。その際、2値データのラスタが、ハイライト
および比較的明るい中間調の領域では原始画像よりも明
るく、一方、シャドーおよび比較的暗い中間調の領域で
は原始画像よりも暗い濃度パターンをもつように、印刷
装置の特性に応じて適切に調整されたフィルタ関数が用
いられる。また、上記フィルタ関数は、原始データに対
して適用される代りに、中間調化アルゴリズムで使用さ
れるディザ閾値アレイのようなパラメータに対して適用
されてもよい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ディジタル印刷装置お
よびその種の装置を利用するコンピュータシステム、特
にその種の装置により生成されたトーン(明度つまり濃
度)表現の誤差を減少する技法に関する。
【0002】
【従来の技術】レーザ、ドットマトリックスおよびイン
クジェットプリンタのような大部分のコンピュータ駆動
印刷装置は、ドット式で印刷する。すなわち、出力媒体
は画像要素、すなわち「画素」のアレイに分割され、ま
た印刷装置は、各画素位置において小さいカラードット
を印刷するか、またはその位置を空白のままにできる。
単色プリンタの場合、全てのドットは単色で印刷され、
一方、カラープリンタは、カラーの小さい組からドット
カラーを選定する。
【0003】これに対し、本来プリントアウトしたい画
像はトーンが連続であり、広範囲のトーンレベルにわた
る「グレースケール」を示す。そのような「連続トー
ン」の画像が画素に分割されるならば、それぞれはグレ
ースケールトーンを示すことになる。単トーンドットだ
けを印刷できる電子式印刷装置の手段により画像を複製
するためには、これらのグレースケールトーンを、2 値
フォーマットに変換しなければならない。この変換プロ
セスは、多くの形態をとることがあるが、一般に「中間
調化」と呼ばれる。中間調画像は、2 進のカラーまたは
無色のドットの空間的配置からもっぱら構成されるが、
人間視覚システムにより、このパターンが統合され連続
トーン原画像の幻影が生じる。
【0004】印刷プロセス中に印刷対象画像は、一連の
画素に分割され、また各画素におけるトーン値は多ビッ
トディジタルワードとして量子化される。これらの画素
は、ディジタルワードの流れとしてプリンタへ送られ、
プリンタは、そのワードを処理または中間調化して2 進
値の「ラスタ」にする。多くの電子式中間調化アルゴリ
ズムが、多年にわたり開発および改良されている。それ
らの最も単純な形態において、そのようなアルゴリズム
は、入力強度レベルを閾値レベルと比較して、相対値に
基づく2 進出力画素値を生成する。
【0005】例えば、連続トーン画像を処理するディジ
タルスキャナは、検出された光の強度を多ビット信号と
して表すことがあり、これらの信号の数値は、256 レベ
ルのグレースケールに対応する0 〜255 の範囲であるこ
とが多い。その中間調化プロセスは、スキャナ出力信号
を、閾値の周期的に繰り返されるアレイと比較して、2
値画素を生成する。このようなシステムにより、8 ビッ
ト入力信号は単一値要素のグリッドに効果的に圧縮され
ることになる。
【0006】当然ながらそのような圧縮は、情報の大幅
な損失を意味する。したがって中間調化プロセスにより
生じた視覚歪を減少する別の技法が開発されている。誤
差拡散として知られる1 つの技法は、「量子化誤差」(
すなわち、多ビットワードで表される入力トーン値と単
一ビットで表される出力値との間の差) を、隣接する画
素間で比例的に分散する。量子化誤差は、原画像がグレ
ー値を含むときは必ず生じ、例えば8 ビットグレースケ
ールにおいては、そのような誤差は0 または255 以外の
信号レベルで必ず存在する。
【0007】一般に誤差拡散は、優れた画像複製ができ
るが、画像品質を劣化する「ウオーム(芋虫) 」および
「スノウプロウイング( 雪かき) 」と呼ばれる周知の副
産的ノイズを生じる。この副産的ノイズを減少するため
に種々の試みがなされており、その副産ノイズパターン
は完全には除去できないものの、代わりに、肉眼にとり
一層快いような外観または配向に変わるので、一般に部
分的にだけ所期の効果を挙げている。
【0008】誤差拡散法に固有の他の問題は、画像処理
に必要な計算回数が多いということである。掛け算を含
む幾つかの計算は、それぞれの処理した画像について実
施しなければならないので、一般的な高解像度画像用の
最終出力値を生成するには数百万回の計算が必要になる
ことがある。加えて、引き続くラインの画像値へ適用さ
れることになる誤差値を、少なくとも1 つのライン分は
記憶しておく必要がある。この多い計算回数と、必要な
記憶作業とにより、画像毎の処理時間が増加するので、
プリンタの印刷量が減少する結果となる。
【0009】この結果、画像処理に必要な計算回数を減
少するために、誤差拡散法に対する別の方法が開発され
ている。そのような1 つの代案は、「規則的ディザ法」
と呼ばれ、そこにおいて、画像画素と同一の間隔を有す
る所定の(一般に値の異なる)閾値のアレイ、すなわち
「ディザアレイ」が、画像画素アレイ上に概念的に載置
される。ディザアレイが画素アレイよりも小サイズなら
ば、ディザアレイは、画素アレイ上に繰り返し並べて置
かれてその上を覆い、繰り返しパターンが生成される。
これにより、各画素は、それに概念的に付属する2 つの
値、すなわち実際の画素トーン値と、載置されたディザ
アレイセルの閾値とを有することになり、そして、この
両値が比較される。或は、ディザアレイの値は各画素の
トーン値へ加算され、そして、その加算値が一定の閾値
と比較される場合もある。いずれの場合も、出力値は、
上記比較に基づいて生成される。各画素の処理は、単純
な比較だけを含み、かつ隣接する画素値とは関係ないの
で、全体画像の処理に必要な計算時間は、誤差拡散に必
要な時間よりもかなり少ない。
【0010】しかしながら、処理して得られた画像の品
質は、ディザアレイに設定された閾値に全く左右され
る。ディザアレイには、2 つの形式が一般に使用され
る。「集中ドット型」ディザアレイでは、閾値は、近接
配置された閾値の小グループに構成される。これらのグ
ループは、種々のサイズの「ドット」を模擬するので、
写真凸版プロセスにおいて長年使用されている従来の中
間調スクリーンにより処理されたものと視覚的に同様
な、処理された画像を生成する。
【0011】「拡散ドット型」ディザアレイでは、大小
の閾値が、アレイ全体に均等に拡散配置される。これに
より、印刷可能なグレースケールおよび解像度が高めら
れる。隔離された単一の画素を明確に表示できる画像複
製機器の場合、拡散ドット型ディザアレイは、集中ドッ
ト型ディザアレイよりも向上した画像品質を生成するの
が通常である。これは、拡散ドット型ディザアレイは、
同一の解像度および周期の集中ドット型ディザアレイよ
りも、良好な高周波数忠実度を達成し、かつ連続グレイ
領域の良好な幻影を生成するからである。
【0012】両方の形式のディザアレイによれば、表示
できる個別のグレイレベル数( これは、ディザアレイの
要素つまりセルの数が増加するにつれて増加する) と、
均一なグレイの部位における不快な低周波の幾何的パタ
ーンの出現(これも、ディザアレイ要素数が増加するに
つれて現れる) との間に、一般に二律背反的な関係が存
在する。また、ディザアレイのサイズが増加すると、低
周波値が消失するに伴い、画像解像度が減少するという
傾向もある。解像度を保持しながら、これらのパターン
を減少する1 つの方法は、ディザアレイのサイズを非常
に大きくし、かつ、均質な閾値パターンであって、連続
して並ぶ閾値がピクセルを「オンにする」パターンが均
質でランダムになるようなディザアレイを用いることで
ある。しかしながら、アレイのサイズが増大するにつれ
て、このような均質なパターンを生成させるためにディ
ザアレイのセルに対して閾値を割り当てることは容易な
ことではなくなる。そこで、ランダムな閾値のシーケン
スを得て、それらをアレイのセルに割り当てるようにす
るための、様々な先行技術が開発されている。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】全てのディジタル式中
間調化技法は、完全に正方形の画素を想定し、この正方
形の画素群により記録媒体の印刷可能な部位が全面的に
覆われるものと仮定する。これが実際上も真実ならば、
プリンタ出力濃度は、原画像のスキャン入力濃度に正比
例するであろう。つまり、この理想的なケース、図1の
45°線(一点鎖線)により示されるように、出力濃度Y
が入力濃度Xに正確に合致するときに生じる。しかしな
がら実際上は、現実の電子式印刷装置の応答は、一般に
非線形である。というのは、そのような機器は、完璧に
隣接し合って重なり合わない正方形ドットではなく、む
しろ正方形よりも円形のドットを生成するからであり、
しかも、その円形ドットは理想画素の境界から外側には
み出ているからである。このドットのはみ出しは、各種
の印刷条件の下で、未着色空間を残すことなく隣接する
ドットが完全に繋がることができるように( 例えば、十
分に着色された領域が、未着色空隙無しに完全に印刷さ
れるように) するために必要な条件である。このように
実際のドットは、中間調化アルゴリズムにおいて想定さ
れるものよりも大サイズなので、入力グレースケール濃
度Xの関数であるプリンタ出力濃度Yのプロット( 正規
化された%ドット面積で表される) は、図1におけるf
(x)と同様な曲線に従うのが通常である。(尚、図1で
は、座標軸上の大きい値が低い濃度に対応しており、よ
って、原点が最大濃度に対応している。)したがって、
実際に印刷された画像は、期待されたものよりも高濃度
つまり暗く現れることになる。ここで、関数f(x)の正
確な形状は、プリンタの特性と採用された中間調化アル
ゴリズムとにより決まる。
【0014】この影響を補償するために、関数f(x)
は、個々の濃度測定と回帰を通して数学的に測定され、
そして、その逆( 変換) 関数f-1(x) が同様に決定さ
れる。この後者の関数は、入力原始データに適用される
とき、プリンタ機能の影響を相殺しデータを補正するの
で、中間調化アルゴリズムによる処理は、印刷された画
像の濃度特性が原画像のそれに一層合致するようになっ
た画像を生成することができる。
【0015】「事前歪」として知られるこの技法は、未
修正の中間調化された画像データより優れた印刷画像を
生成するが、理想的な線形応答になるように補正して
も、最も視覚的に望ましい印刷コピーが必ずしも生成さ
れない。その理由は、人間視覚システムと、各種スケー
ルについての中間調化アルゴリズムにより生成されたパ
ターンとの間の複雑な相互作用に起因するものである。
つまり、主観的な応答は、採用される中間調化アルゴリ
ズムと事前歪の程度とにより変わることが多い。例え
ば、Tronteljなどによる著作「印刷解像度に依存する最
適中間調化アルゴリズム」 SID 92ダイジェスト749(199
2)を参照されたい。
【0016】従って、本発明の目的は、印刷された画像
の視覚外観を向上するために、事前歪を改良することに
ある。
【0017】
【課題を解決するための手段】本発明は、一定種類の非
線形事前歪を入力原始データへ適用することにより、線
形事前歪( すなわち、出力の濃度パターンが入力濃度パ
ターンに厳密に合致する、つまり、入力に線形に関連す
る出力をもたらす事前歪) により生成されるものより視
覚的に好ましいプリンタ出力画像を生成するものであ
る。
【0018】本発明の第1の態様に従えば、原画像すな
わち原始画像の濃度を表す多ビット原始データが、フィ
ルタ関数により修正される。ついで、フィルタリングさ
れたデータは、中間調化モジュールにより処理されて、
印刷装置への転送に適切な単一ビットデータの集合に変
換される。このデータ集合は、入力原始データに線形に
合致するのでなく、ハイライトおよび上部中間調領域に
おいては原始データよりも明るく、かつシャドーおよび
下部中間調領域においては原始データよりも暗い濃度パ
ターンを指定する。
【0019】本発明の第2の態様に従えば、フィルタ
は、原始データに対してではなく、中間調処理アルゴリ
ズムに関連するパラメータに対して適用される。例え
ば、閾値の任意のアレイを利用するディザ法において、
フィルタリングされた値が原始データへ逆の方式で適用
されて集合パターンを生成するときに、そのパターンが
所要の非線形出力関数に従って重みを付けられるよう
に、フィルタ関数はこれらの値に適用できる。この技法
は、単一のディザアレイを1回だけ修正した上で、この
ディザアレイを繰り返して原始データへ適用するので、
処理負荷をかなり節減できる。例えば、64 x 64 のデ
ィザアレイを使用して、フィルタ関数をアレイの各セル
に適用すると、4,096 個のデータ値が必要となるが、こ
れに対して、原始データについてインチ当たり720 x 7
20 個のドットのサンプリング濃度を仮定して、フィル
タ関数を各原始データ値に適用すると、各8インチ x 8
インチのサイズの原画像毎に4 千万個を越えるデータ点
が必要となろう。
【0020】
【実施例】図2は本発明の第1の態様の作用を示す。図
1に示される線形応答を生成する変換関数f-1(x) に
従って原始データを処理する代わりに、本実施例では図
2(A)に例示するような特殊な形態の関数g(x)を利用
する。この関数g(x)を適用して原始データを修正する
と、中間調化処理により生成されるデータ集合の最終の
印刷表現が、図2(B)においてh(x) = f(g(x))と
して示される濃度変化を表すようなものとなる(プリン
タ関数f(x)は、原始データxに対してでなく、g(x)
により事前歪処理されたデータに対して作用するからで
ある)。具体的には、原画像のハイライトおよび上部中
間調領域(つまり、比較的に明るい濃度領域)は、原画
像の対応濃度よりも明るい濃度で表現され、一方、シャ
ドーおよび下部中間調領域(つまり、比較的に暗い濃度
領域)は、より暗い濃度で表現される。
【0021】本実施例で用いる適切な変換関数は、最も
好都合にはプリンタ関数f(x)に基づいており、その関
数は、呼び出されると、入力原始データを、それがプリ
ンタ上で実際に表現される濃度に関係付ける。一つの好
ましい変換関数g(x)は、下記の通りである。
【0022】g(x) = N − f(N − x) ここに、xは数値として表される原始データ点の濃度で
ある。N は原始データが表す数値的に最高値を示すグ
レースケール濃度(例えば、8 ビットグレースケールで
はN = 255)であり、印刷濃度のゼロ点に対応する。ま
た、f はプリンタの関数である。
【0023】ユーザが出力( すなわち、h(x)に従う最
終画像の外観) を容易に制御できるようにする変換曲線
の族を得るために、関数g(x)をパラメータ化すること
もできる。そのような制御は、実際の濃度パターンと、
そのパターンの視覚作用との間に複雑な関係が与えられ
たとき、種々の印刷条件、中間調化アルゴリズムおよび
画像形式にわたり視覚的に最適の出力画像を達成するた
めに必要なことがある。好ましくは関数g(x)は、加重
係数w を使用してパラメータ化され、利用できる関数
族は下記の通りとなる。
【0024】 g(x) = 2w [N − f(N − x) + x] + x ただし、0 ≦ w ≦ 1である。得られた結果は、図2
(B)に示されるような曲線族となる。曲線c は、w =
0.5 の場合における、出力h(x) =f(g(x))を示し
ている。曲線a は、w = 1 の場合に対応し、この場
合、出力h(x)は関数g(x)に等しくなる。逆に、曲線
e は、w = 0 の場合に対応し、この場合、出力は未修
正のf(x)に対応する。また、曲線b およびd は、中間
的な場合を表す。
【0025】図4は、本実施例の代表的なハードウエア
構成を示す。同図において、多ビット画像データは、(
例えば、固定された範囲のグレースケール値にわたり、
離散的に原画像の濃度をサンプリングするディジタル式
スキャナから)N ビット値の流れとして到来し、データ
バッファ20に蓄積される。N ビットデータは、フィル
タ22へ転送され、そのフィルタは、上述した変換関数に
従って各N ビット濃度値を修正する。ユーザ操作調整
機能部24は、スライドスイッチまたはディジタル的にプ
ログラム可能な入力装置の形態でもよく、加重係数w
の選定された値を変換フィルタ関数に乗じることによ
り、フィルタの作用を変調する。
【0026】修正されたN ビット画像データは、中間
調変換部26へ転送され、その変換部は、入力データを、
適切な中間調処理アルゴリズムに従って1 ビット要素の
集合パターンへ変換する。本実施例は、各種のアルゴリ
ズムと関連して適切に使用され、それらのアルゴリズム
としては、広域的に固定されたレベルの閾値算法、制約
された平均閾値算法、動的閾値算法、直交トーンスケー
ル生成算法、所謂電子選別アルゴリズム、種々のディザ
法アルゴリズム( 拡散ドット型ディザ法のような規則的
ディザ技法を含む) および誤差拡散技法などがある。
【0027】上述の形態のフィルタ関数は、プリンタ関
数に対して作用するものであるが、当該フィルタ関数に
関して対称であるプリンタ関数に対しては使用できな
い。何故なら、当該フィルタ関数を適用しても、所要の
S形非対称出力関数h(x)を生成しないからである。例
えば、上記数式で示されたg(x)は、h(x)に関して対
称のプリンタ関数を生じるような集中ドット型ディザ法
中間調化アルゴリズムと連係して使用することができな
い。しかしながら、別の数学的構成体を利用して所要の
出力関数を生成できる。
【0028】中間調変換部26のラスタ出力は、従来の電
子式プリンタ28へ送り出され、そのプリンタは、ラスタ
パターンに従って、インクまたはトナーを記録媒体へ付
着する。
【0029】本発明の第2の態様は、画像データの代わ
りに中間調化アルゴリズムがフィルタリングされるもの
であり、図4 はその一実施例のハードウエア構成を示
す。この場合、中間調化フィルタ30は、最終の中間調出
力画像が関数g(x)に従ってバイアスされるように、中
間調変換部26を修正する。
【0030】本実施例は、所定の( または徐々に変化す
る) 数値列を入力原始データへ適用するようなアレイベ
ースの中間調化技法に対して、最も有利に適用すること
ができる。したがって、本実施例はディザ法と連係して
特に有用である。本実施例では、各アレイ値は個々の強
度レベルとして扱われ、これにフィルタ関数が適用され
て、修正された値が得られる。アレイ値は強度ではなく
閾値を表す( または閾値へ変換される)ものであるか
ら、g(x)ではなく逆関数g-1(x) がアレイ値へ適用
されることになる。中間調変換部26は、このフィルタリ
ングされたディザアレイを、上述したように入力原始デ
ータへ適用する。
【0031】この技法の適用例を図3に示す。プリンタ
の印刷された出力濃度は代表的なf(x)パターンに従う
ので、原始データと比較されるディザアレイ閾値は、一
般に、反対の固有バイアスf-1(x) を反映するように
調整される。そうすることにより、入力原始データとデ
ィザアレイ閾値とを比較するとき、全体の出力濃度は入
力濃度とほぼ同一となることになる。最終的な印刷出力
画像を得るのに必要なf(g(x))パターンに従うディザ
リング(つまり、先に述べた関数g(x)の入力原始デー
タへの適用)を行うために、ディザアレイ内の値は、逆
関数g-1(x) =N − f-1(N − x) に従ってバイア
スされて、図3(B)の曲線c を生成する。この曲線は所
要の出力曲線と逆であり、このように逆バイアスされた
アレイ値に対する閾値算法の結果として、最終画像は所
要の出力曲線に合致する。
【0032】ここで再び、特定の条件に適合させるため
に、ユーザが濃度修正の程度を選定できるように、変換
関数g-1(x) の調整を実施するのが望ましい。これ
は、調整機能部24で実施され、その機能部は、重さw
を用いて、下記の利用可能な変換関数族を得る。
【0033】 g-1(x) = x − 2w [x − N + f-1(N − x)] ただし、0 ≦ w ≦ 1である。この関数に従う代表的
な曲線は、図3(B)に示される。ここで、曲線c は、w
= 0.5 の場合の最終出力f(g(x)) を示す。曲線a
は、ディザ修正を反映しないw = 0 も場合に対応し、
曲線e は、関数g(x)と同じ最終出力の場合を示し、ま
た曲線b およびd は中間的な場合を表す。
【0034】上述したように、修正されたディザアレイ
内の値は、対応するラスタ点が着色されるか着色されな
いかを決める中間調化の閾値として、原始データ値と直
接的に比較される。或は、修正されたディザアレイが原
始データ値の上に概念的に載置されて、対応するディザ
アレイセルの値により各原画素の濃度値が増補され、そ
の後に、増補された原始データ値が一定の閾値と比較さ
れる。
【0035】上述の実施例は、IBM PS/2やApple Macint
osh コンピュータのようなコンピュータシステム環境下
において好ましくは実施される。代表的な環境は、図6
に示すように、中央処理装置102 により制御されるコ
ンピュータ100 を備え、中央処理装置102は従来のマイ
クロプロセッサでもよい。特定のタスクを実施するため
に幾つかの付加的ユニットが設けられ、それらは全てシ
ステムバスを通して相互接続されている。尚、特定のコ
ンピュータシステムは、図6に図示されたユニット中の
一部のユニットしか備えていなかったり、或は図示され
ない別の構成要素を更に備えることもあるが、大部分の
コンピュータは図示されたユニットを少なくとも備えて
いる。
【0036】コンピュータ100 は、情報の一時的記憶の
ためのランダムアクセスメモリ(RAM)106と、コンピ
ュータのコンフィギュレーションと動作コマンドの恒久
的記憶のための読出し専用メモリ(ROM)104と、磁気
ディスク装置113 やプリンタ114 などの周辺装置をケー
ブル115 および112 を通してバス108へ接続するための
入力/ 出力(I/O) アダプタ110 とを備える。さら
に、ユーザインタフェースアダプタ116 が、キーボード
120 のような入力装置や、マウス、スピーカおよびマイ
クロフォンなどの他の既知のインタフェース装置をバス
108 へ接続するために設けられる。視覚的出力は、バス
108 をビデオモニタのような表示装置122 に接続する表
示アダプタ118 により提供される。コンピュータ100 は
常駐プログラムを有し、適切なオペレーティングシステ
ムにより制御および調整される。
【0037】本発明に最も関連するのは、プリンタ114
であり、そのプリンタは、RAM106 にロードされたア
プリケーションプログラム( 例えばテキスト編集プログ
ラムまたは画像処理装置) からの画像、図形またはテキ
ストの情報を一般に受け入れる。上述の中間調化処理ま
たはフィルタリング処理を含むプリンタ114 の制御は、
コンピュータ100 内、またはプリンタ114 自体内に常駐
する適切なソフトウエアモジュールにより実施できる。
一般に「ドライバ」として知られるこれらのモジュール
は、コンピュータシステムからの原画像、図形またはテ
キストの情報を、印刷要素を直接制御するのに適切な形
態に処理する。本発明は、プリンタドライバの形態、ま
たは上に説明した関数を直接実施する上述のようなハー
ドウエアの形態で実施することができる。
【0038】したがって、上述の技法は、電子式印刷の
前に画像または中間調データを事前処理する有用かつ効
率的な方法である。尚、ここで使用される用語と語句
は、説明のために使用したもので制約的のものではな
く、また、図示および説明された事項またはその事項の
一部と均等な事項を本発明の範囲から除外する意図はな
い。よって、発明の要旨の範囲内で、種々の変形を行う
ことが可能である。
【0039】
【発明の効果】本発明の改良された事前歪の技術によれ
ば、出力印刷画像の視覚上の外観をより向上させること
ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】電子式プリンタの出力画像が、濃度レベルに関
して、連続トーンの原画像からどのように逸脱する傾向
があるか、およびこの逸脱が、どのようにして従来技術
において補正されるかをグラフ的に示した図。
【図2】本発明に従うパラメータ化された変換関数族の
導関数、およびその結果としてのプリンタ出力レベルを
グラフ的に示した図。
【図3】ディザアレイでの使用に適合されるパラメータ
化された変換関数族の導関数をグラフ的に示した図。
【図4】本発明の第1の態様の好ましい実施例のハード
ウエアを示したブロック線図。
【図5】本発明の第2の態様の好ましい実施例のハード
ウエアを示したブロック線図。
【図6】本発明を組み込んだコンピュータシステムを示
したブロック線図。
【符号の説明】
22 フィルタ 24 ユーザ操作調整機能部 26 中間調変換部 28 電子式プリンタ 30 中間調化フィルタ

Claims (24)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 原始画像に関連する濃度レベルを表す原
    始データを得る段階と、 フィルタ関数に従って前記原始データをフィルタリング
    するフィルタリング段階と、 前記フィルタリングされた原始データを処理して、印刷
    されるときハイライトおよび上部中間調領域において前
    記原始画像よりも明るく、かつシャドーおよび下部中間
    調領域において前記原始画像よりも暗い濃度パターンを
    表した中間調パターンに変換する中間調化段階と、 前記中間調パターンに従って記録媒体上に印刷する印刷
    段階とを有する印刷方法。
  2. 【請求項2】 前記印刷段階が、プリンタ変換関数f
    を有する電子式プリンタによって実行され、 xを前記原始データの濃度、Nを前記原始データが表す
    最高のグレースケール濃度としたとき、前記フィルタ関
    数がg(x) = N − f(N − x) であることを特徴と
    する請求項1記載の印刷方法。
  3. 【請求項3】 前記印刷段階が、プリンタ変換関数f
    を有する電子式プリンタにより実行され、 xを前記原始データの濃度、Nを前記原始データが表す
    最高のグレースケール濃度、0 ≦ w ≦ 1としたと
    き、前記フィルタ関数がg(x) = 2w [N − f(N −
    x) − x] + xであり、 更に、適切なw の値を選定する段階を有することを特
    徴とする請求項1記載の印刷方法。
  4. 【請求項4】 前記中間調化段階が誤差拡散法により実
    施されることを特徴とする請求項1記載の印刷方法。
  5. 【請求項5】 前記中間調化段階がディザ法により実施
    されることを特徴とする請求項1記載の印刷方法。
  6. 【請求項6】 前記中間調化段階が拡散ドット型ディザ
    法により実施されることを特徴とする請求項5記載の印
    刷方法。
  7. 【請求項7】 前記中間調化段階が、 前記原始データの各値を2値ラスタ点に対応付ける段階
    と、 ディザアレイを前記原始データへ適用する段階と、 前記ディザアレイが適用された原始データの値を、画素
    閾値と比較する段階と、 前記ディザアレイが適用された原始データの各値が前記
    閾値を越えるか否かに基づいて、対応する前記ラスタ点
    の値を選定する段階とを含むことを特徴とする請求項5
    記載の印刷方法。
  8. 【請求項8】 前記中間調化段階が、 前記原始データの各値を2値ラスタ点に対応付ける段階
    と、 前記原始データをディザアレイ内の数値と比較する段階
    と、 前記原始データの各値が前記ディザアレイ内の数値を越
    えるか否かに基づいて、対応する前記ラスタ点の値を選
    定する段階と対応する原始データがアレイ値を越えるか
    どうかに基づいて集合点値を選定する段階とを含むこと
    を特徴とする請求項5記載の印刷方法。
  9. 【請求項9】 原始画像の濃度レベルを表す原始データ
    を得る段階と、 前記原始データを処理して、ハイライトおよび上部中間
    調領域において前記原始データよりも明るく、かつシャ
    ドーおよび下部中間調領域において前記原始データより
    も暗い濃度パターンを表すラスタパターンに変換する中
    間調化段階と、 前記ラスタパターンに従って記録媒体上に印刷する印刷
    段階とを有することを特徴とする印刷方法。
  10. 【請求項10】 前記中間調化段階が、 各々数値をもつ複数のセルから成るディザアレイを提供
    する段階と、 前記原始データの各値と2値ラスタ点とを対応付ける段
    階と、 バイアス関数に従って前記セルの数値を修正する段階
    と、 前記原始データの値を前記ディザアレイのセルの数値と
    比較することにより、前記ディザアレイを前記原始デー
    タに適用する段階と、 前記原始データの各値が、比較される前記セルの数値を
    越えるか否か基づいて、対応する前記ラスタ点の値を選
    定する段階とを含むことを特徴とする請求項9記載の印
    刷方法。
  11. 【請求項11】 前記中間調化段階が、 前記原始データの各値を2値ラスタ点とを対応付ける段
    階と、 各々数値をもつ複数のセルから成るディザアレイを提供
    する段階と、 バイアス関数に従って前記セルの数値を修正する段階
    と、 前記セルの数値を前記原始データの各値に加算すること
    により、前記ディザアレイを前記原始データに適用する
    段階と、 前記ディザアレイが適用された原始データを画素閾値と
    比較する段階と、 前記ディザアレイが適用された原始データの各値が前記
    閾値を越えるかどうかに基づいて、対応する前記ラスタ
    点の値を選定する段階とを含むことを特徴とする請求項
    9記載の印刷方法。
  12. 【請求項12】 前記印刷段階が、プリンタ変換関数f
    を有する電子式プリンタにより実行され、 f-1を前記プリンタ変換関数fの逆関数、xを前記原始
    データの濃度、Nを前記原始データが表す最高のグレー
    スケール濃度としたとき、前記バイアス関数がg-1(x)
    = N − f-1(N − x) であることを特徴とする請求
    項10記載の印刷方法。
  13. 【請求項13】 前記印刷段階が、プリンタ変換関数f
    を有する電子式プリンタにより実行され、 f-1を前記プリンタ変換関数fの逆関数、xを前記原始
    データの濃度、Nを前記原始データが表す最高のグレー
    スケール濃度としたとき、前記バイアス関数がg-1(x)
    = N − f-1(N − x) であることを特徴とする請求
    項11記載の印刷方法。
  14. 【請求項14】 前記印刷段階が、プリンタ変換関数f
    を有する電子式プリンタにより実行され、 f-1を前記プリンタ変換関数fの逆関数、xを前記原始
    データの濃度、Nを前記原始データが表す最高のグレー
    スケール濃度、0 ≦ w ≦ 1としたとき、前記バイア
    ス関数がg-1(x) = x − 2w [x − N + f-1(N
    − x)]であり、 更に、適切なw の値を選定する段階を有することを特
    徴とする請求項10記載の印刷方法。
  15. 【請求項15】 前記印刷段階が、プリンタ変換関数f
    を有する電子式プリンタにより実行され、 f-1を前記プリンタ変換関数fの逆関数、xを前記原始
    データの濃度、Nを前記原始データが表す最高のグレー
    スケール濃度、0 ≦ w ≦ 1としたとき、前記バイア
    ス関数がg-1(x) = x − 2w [x − N + f-1(N
    − x)]であり、 更に、適切なw の値を選定する段階を有することを特
    徴とする請求項11記載の印刷方法。
  16. 【請求項16】 原始画像に関連する濃度レベルを表す
    電子的に符号化される原始データの発生源と、 フィルタ関数に従って前記原始データを修正するフィル
    タと、 前記修正された原始データを処理して、印刷されるとき
    ハイライトおよび上部中間調領域において前記原始デー
    タよりも明るく、かつシャドーおよび下部中間調領域に
    おいて前記原始データよりも暗い濃度パターンを表す中
    間調パターンに変換する中間調変換部と、 前記中間調パターンに従って、インクまたはトナーを記
    録媒体へ付着する手段とを備えたことを特徴とする印刷
    装置。
  17. 【請求項17】 前記印刷装置がプリンタ変換関数fを
    有し、 xを前記原始データの濃度、Nを前記原始データが表す
    最高のグレースケール濃度としたとき、前記フィルタ関
    数がg(x) = N − f(N − x) であることを特徴と
    する請求項16記載の印刷装置。
  18. 【請求項18】 前記印刷装置がプリンタ変換関数f
    を有し、 xを前記原始データの濃度、Nを前記原始データが表す
    最高のグレースケール濃度、0 ≦ w ≦ 1としたと
    き、前記フィルタ関数がg(x) = 2w[N − f(N −
    x) − x] + xであり、 更に、適切なw の値を選定する手段を備えたことを特
    徴とする請求項16記載の印刷装置。
  19. 【請求項19】 前記中間調変換部が、誤差拡散法によ
    る変換処理を行うことを特徴とする請求項16記載の印
    刷装置。
  20. 【請求項20】 前記中間調変換部が、ディザ法による
    変換処理を行うことを特徴とする請求項16記載の印刷
    装置。
  21. 【請求項21】 前記中間調変換部が、拡散ドット型デ
    ィザ法による変換処理を行うことを特徴とする請求項2
    0記載の印刷装置。
  22. 【請求項22】 原始画像に関連する濃度レベルを表す
    電子的に符号化される原始データの発生源と、 前記原始データを処理して、ハイライト領域において前
    記原始データよりも明るく、かつ中間調およびシャドー
    領域において前記原始データよりも暗い濃度パターンを
    表す中間調パターンに変換する中間調変換部と、 前記中間調パターンに従って、インクまたはトナーを記
    録媒体へ付着する手段とを備えたことを特徴とする印刷
    装置。
  23. 【請求項23】 前記印刷装置がプリンタ変換関数fを
    有し、 f-1を前記プリンタ変換関数fの逆関数、xを前記原始
    データの濃度、Nを前記原始データが表す最高のグレー
    スケール濃度としたとき、前記中間調変換部がg-1(x)
    = N − f-1(N − x) に従ってバイアスされて、濃
    度パターンを生成することを特徴とする請求項22記載
    の印刷装置。
  24. 【請求項24】 前記印刷装置がプリンタ変換関数fを
    有し、 f-1を前記プリンタ変換関数fの逆関数、xを前記原始
    データの濃度、Nを前記原始データが表す最高のグレー
    スケール濃度、0 ≦ w ≦ 1としたとき、前記中間調
    変換部が、g-1(x) = x − 2w [x − N + f-1
    (N − x)]に従ってバイアスされ、 更に、適切なwの値を選定する手段を備えたことを特徴
    とする請求項22記載の印刷装置。
JP7156534A 1994-07-01 1995-06-22 2値印刷装置において、画像データのプレ歪によりトーン補正を行うための改良方法、および装置 Pending JPH0865517A (ja)

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