JPH086541Y2 - 回転塗布装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ［考案の技術分野］ この考案はカラーフィルタ等の膜形成に用いられる回
転塗布装置に関する。

［従来技術とその問題点］ 従来、カラー液晶表示装置のカラーフィルタを形成す
る場合には、回転塗布装置の回転ヘッドで透明なガラス
基板を保持して回転させることにより、顔料等の色素を
含む液体のフィルタ材料をガラス基板上に均一な厚さで
塗布し、この後、前記ガラス基板上に予め設けられたア
ライメントマークによってフォトマスクを位置合わせ
し、露光して現像することにより、ガラス基板上に赤、
緑、青のフィルタ層を順次パターン形成している。

しかしながら、上述した回転塗布装置では、ガラス基
板上にフィルタ材料を回転塗布すると、予めガラス基板
上に設けられたアライメントマークがフィルタ材料で覆
われていまうため、フォトマスクを位置合わせする際
に、アライメントマークが読み取れず、正確にフォトマ
スクを位置合わせすることができないという問題があ
る。

［考案の目的］ この考案は上述した実情に鑑みてなされたもので、そ
の目的とするところは、アライメントマークを覆うこと
なく透明基板上に液体のカラーフィルタ材料を塗布する
ことができ、アライメントマークによるフォトマスクの
正確な位置合わせを可能にした回転塗布装置を提供する
ことにある。

［考案の要点］ この考案は上述した目的を達成するために、フォトマ
スクを位置合わせするアライメントマークが設けられた
透明基板を回転ヘッドで保持し、この回転ヘッドを回転
させて前記透明基板上に液体のカラーフィルタ材料を塗
布する回転塗布装置において、一対の挟持片を開閉自在
に連結すると共に前記回転ヘッドと一体に回転可能に設
置してなり、該一対の挟持片で前記透明基板の前記アラ
イメントマークが設けられた部分の表裏両面を軟質部材
を介し密着挟持して前記アライメントマークを挟み隠す
挟み治具を備えたことを特徴とするものである。

［実施例］ 以下、図面を参照して、この考案の一実施例を説明す
る。

第１図〜第３図は回転塗布装置を示す。これらの図に
おいて、１は回転ヘッドである。この回転ヘッド１は基
板２を真空吸着により保持して回転するものであり、円
板状に形成されている。この回転ヘッド１の下面には円
筒軸３が設けられている。この円筒軸３は図示しないモ
ータによって回転して回転ヘッド１を回転させるもので
あり、図示しない機台に回転可能に保持されている。ま
た、この円筒軸３には２本のアーム４、４が設けられて
いる。このアーム４、４はそれぞれ円筒軸３から回転ヘ
ッド１の側方へ延び、その先端側が上方へ折り曲げら
れ、その先端に挟み治具５、５がそれぞれ設けられてい
る。この挟み治具５、５はそれぞれ回転ヘッド１に保持
された基板２の端部を挟んで基板２に予め設けられたア
ライメントマーク６、６を挟み隠すためのものである。
すなわち、この挟み治具５は上下一対の挟持片7,7をば
ね付き蝶番８で回動可能に連結した構造となっており、
回転ヘッド１の側方で、かつ回転ヘッド１の上面とほぼ
同じ位置に配置されている。この場合、一対の挟持片
７、７の対向面にはゴム等の軟質シート９、９が貼り付
けられている。また、ばね付き蝶番８は蝶番軸10にトー
ションばね（図示せず）が取り付けられており、そのば
ね力により上下の挟持片７、７を相互に圧接させる構造
となっている。

なお、回転ヘッド１には複数の吸着孔（図示せず）が
内部で連通して設けられており、この吸着孔が円筒軸３
の中空部を介して図示しない真空ポンプに接続されてい
る。したがって、この真空ポンプにより回転ヘッド１が
基板２を真空吸着する。

次に、上述した回転塗布装置を用いてカラー液晶表示
装置のフィルタ材料を塗布する場合について説明する。
この場合には、基板２としてガラス基板を用意し、この
基板２の端部に予めアライメントマーク６、６を設けて
おく。そして、この基板２を回転塗布装置に取り付ける
場合には、回転ヘッド１上に基板２を配置するととも
に、基板２のアライメントマーク６、６の部分を両側の
挟み治具５、５に対応させて各挟持片７…間に挟み込
む。すなわち、挟み治具５の各挟持片７、７を開いてそ
の間に配置すると、ばね付き蝶番８のばね力により各挟
持片７、７が基板２のアライメントマーク６、６の部分
を挟む。このとき、各挟持片７…の対向面にはゴム等の
軟質シート９…が貼り付けられているので、基板２の表
面およびアライメントマーク６、６に傷を付けずに良好
に軟質シート９…が密着し、確実にアライメントマーク
６、６を隠す。

この後、真空ポンプを作動させて基板２を回転ヘッド
１に吸着させ、モータを駆動して回転ヘッド１を回転さ
せることにより基板２を回転させ、この状態で基板２上
に顔料等の色素を含む液体のフィルタ材料を滴下する。
すると、フィルタ材料は遠心力により基板２上に均一な
厚さで塗布される。しかし、アライメントマーク６、６
の部分は挟み治具５、５で挟持されているので、この部
分にフィルタ材料が塗布されることはない。特に、アラ
イメントマーク６、６の部分は挟み治具５、５の各軟質
シート９…が密着しているので、回転塗布の際にフィル
タ材料がしみ込む心配がない。

したがって、上述した回転塗布装置によれば、基板２
上にフィルタ材料を回転塗布しても、アライメントマー
ク６、６の部分にはフィルタ材料が塗布されないので、
その後、基板２の回転塗布装置から取り外してフォトマ
スクを位置合わせする際、アライメントマーク６、６を
良好に読み取ることができる。そのため、アライメント
マーク６、６でフォトマスクを正確に位置合わせするこ
とができ、これにより精度よく露光ができるので、赤、
緑、赤の各フィルタ層を順次正確にパターン形成するこ
とかできる。

［考案の効果］ 以上詳細に説明したように、この考案によれば、透明
基板を挟み治具で挟んでアライメントマークを挟み隠し
て液体のカラーフィルタ材料を回転塗布するようにした
ので、透明基板上に液状カラーフィルタ材料を回転塗布
しても、アライメントマーク上に液状カラーフィルタ材
料が塗布されず、アライメントマークを良好に読み取る
ことができる。これにより、フォトマスクを正確に位置
合わせすることができ、精度よくカラーフィルタ膜をパ
ターン形成することが可能となる。

【図面の簡単な説明】

第１図〜第３図はこの考案の一実施例を示し、第１図は
回転塗布装置の斜視図、第２図はその平面図、第３図は
その側面図である。 １……回転ヘッド、２……基板、５……挟み治具、６…
…アライメントマーク。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】フォトマスクを位置合わせするアライメン
   トマークが設けられた透明基板を回転ヘッドで保持し、
   この回転ヘッドを回転させて前記透明基板上に液体のカ
   ラーフィルタ材料を塗布する回転塗布装置において、 一対の挟持片を開閉自在に連結すると共に前記回転ヘッ
   ドと一体に回転可能に設置してなり、該一対の挟持片で
   前記透明基板の前記アライメントマークが設けられた部
   分の表裏両面を軟質部材を介し密着挟持して前記アライ
   メントマークを挟み隠す挟み治具を備えたことを特徴と
   する回転塗布装置。