JPH0864249A - 有機電解質電池 - Google Patents
有機電解質電池Info
- Publication number
- JPH0864249A JPH0864249A JP6225537A JP22553794A JPH0864249A JP H0864249 A JPH0864249 A JP H0864249A JP 6225537 A JP6225537 A JP 6225537A JP 22553794 A JP22553794 A JP 22553794A JP H0864249 A JPH0864249 A JP H0864249A
- Authority
- JP
- Japan
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- lithium
- negative electrode
- battery
- positive electrode
- electrode
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
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-
- Y—GENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
- Y02—TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
- Y02E—REDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
- Y02E60/00—Enabling technologies; Technologies with a potential or indirect contribution to GHG emissions mitigation
- Y02E60/10—Energy storage using batteries
Landscapes
- Secondary Cells (AREA)
- Battery Electrode And Active Subsutance (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【構成】正極,負極並びに電解液としてリチウム塩の非
プロトン性有機溶媒溶液を備えた有機電解質電池であっ
て、(1)正極が金属酸化物を含み(2)負極が芳香族
系縮合ポリマ−の熱処理物であって水素原子/炭素原子
の原子比が0.5〜0.05であるポリアセン系骨格構
造を有する不溶不融性基体を熱可塑性バインダ−を用い
て、金属箔上に成形した後、該熱可塑性バインダ−の融
点以上で加熱処理したものであり、(3)負極PASに
対し、電池内に含まれる総リチウム量が500mAh/
g以上であり、かつ負極由来のリチウムが100mAh
/g以上であることを特徴とする。 【効果】内部抵抗が低く、高容量かつ高電圧を有する二
次電池である。
プロトン性有機溶媒溶液を備えた有機電解質電池であっ
て、(1)正極が金属酸化物を含み(2)負極が芳香族
系縮合ポリマ−の熱処理物であって水素原子/炭素原子
の原子比が0.5〜0.05であるポリアセン系骨格構
造を有する不溶不融性基体を熱可塑性バインダ−を用い
て、金属箔上に成形した後、該熱可塑性バインダ−の融
点以上で加熱処理したものであり、(3)負極PASに
対し、電池内に含まれる総リチウム量が500mAh/
g以上であり、かつ負極由来のリチウムが100mAh
/g以上であることを特徴とする。 【効果】内部抵抗が低く、高容量かつ高電圧を有する二
次電池である。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、負極にポリアセン系骨
格構造を有する不溶不融性基体、正極に金属酸化物を用
いた、高容量かつ高電圧を有する有機電解質電池に関す
る。
格構造を有する不溶不融性基体、正極に金属酸化物を用
いた、高容量かつ高電圧を有する有機電解質電池に関す
る。
【0002】
【従来の技術】近年、導電性高分子、遷移金属酸化物等
を正極とし、負極にリチウム金属あるいはリチウム合金
を用いた二次電池がエネルギー密度が高いことから、N
i−Cd電池、鉛電池に代る電池として提案されてい
る。しかし、これら二次電池は繰り返し充放電を行うと
正極、あるいは負極の劣化による容量低下が大きく実用
に問題が残されている。特に負極の劣化はデントライト
と呼ばれるこけ状のリチウム結晶の生成を伴い、充放電
の繰り返しにより終局的にはデントライトがセパレータ
ーを貫通し、電池内部でショートを引き起こし、場合に
よっては電池が破裂する等、安全面においても問題があ
った。
を正極とし、負極にリチウム金属あるいはリチウム合金
を用いた二次電池がエネルギー密度が高いことから、N
i−Cd電池、鉛電池に代る電池として提案されてい
る。しかし、これら二次電池は繰り返し充放電を行うと
正極、あるいは負極の劣化による容量低下が大きく実用
に問題が残されている。特に負極の劣化はデントライト
と呼ばれるこけ状のリチウム結晶の生成を伴い、充放電
の繰り返しにより終局的にはデントライトがセパレータ
ーを貫通し、電池内部でショートを引き起こし、場合に
よっては電池が破裂する等、安全面においても問題があ
った。
【0003】近時、上記問題点を解決すべく、グラファ
イト等の炭素材料を負極に用い、正極にLiCoO2 等
のリチウム含有金属酸化物を用いた電池が提案されてい
る。該電池は、電池組立後、充電する事により正極のリ
チウム含有金属酸化物より負極にリチウムを供給し、更
に放電では負極リチウムを正極に戻すという、いわゆる
ロッキングチェア型電池である。該電池は高電圧、高容
量を特長とするものの、その容量は最大80〜90mA
h/cc(電極、セパレ−タ−、集電材の総体積基準)
程度であり、リチウム電池の特徴である高エネルギ−密
度を得るに至っていない。一方、芳香族系縮合ポリマ−
の熱処理物であって水素原子/炭素原子の原子比が0.
5〜0.05であるポリアセン系骨格構造を有する不溶
不融性基体は、一般の炭素材料に比べ大量にリチウムを
ド−プする事が可能であるが、該不溶不融性基体を負
極、正極にリチウム含有酸化物を用いた上記ロッキング
チェア型の電池を組み立てた場合、炭素材料に比べ高容
量が得られるものの、その容量には不満足な点が残され
ていた。上記問題点を解決する為に、本願と同一の出願
人に係る、特願平5ー259403号は未だ未公開なが
ら、正極,負極並びに電解液としてリチウム塩の非プロ
トン性有機溶媒溶液を備えた有機電解質電池であって、
(1)正極が金属酸化物を含み(2)負極が芳香族系縮
合ポリマ−の熱処理物であって水素原子/炭素原子の原
子比が0.5〜0.05であるポリアセン系骨格構造を
有する不溶不融性基体(以下PAS)であり、(3)負
極PASに対し、電池内に含まれる総リチウム量が50
0mAh/g以上であり、かつ負極由来のリチウムが1
00mAh/g以上である事を特徴とする有機電解質電
池が提案されている。該電池は高容量であるものの、電
極強度に問題があることから、電池の組み立て、更に
は、組み立てた電池の内部抵抗が高い等、不満足な点が
残されていた。
イト等の炭素材料を負極に用い、正極にLiCoO2 等
のリチウム含有金属酸化物を用いた電池が提案されてい
る。該電池は、電池組立後、充電する事により正極のリ
チウム含有金属酸化物より負極にリチウムを供給し、更
に放電では負極リチウムを正極に戻すという、いわゆる
ロッキングチェア型電池である。該電池は高電圧、高容
量を特長とするものの、その容量は最大80〜90mA
h/cc(電極、セパレ−タ−、集電材の総体積基準)
程度であり、リチウム電池の特徴である高エネルギ−密
度を得るに至っていない。一方、芳香族系縮合ポリマ−
の熱処理物であって水素原子/炭素原子の原子比が0.
5〜0.05であるポリアセン系骨格構造を有する不溶
不融性基体は、一般の炭素材料に比べ大量にリチウムを
ド−プする事が可能であるが、該不溶不融性基体を負
極、正極にリチウム含有酸化物を用いた上記ロッキング
チェア型の電池を組み立てた場合、炭素材料に比べ高容
量が得られるものの、その容量には不満足な点が残され
ていた。上記問題点を解決する為に、本願と同一の出願
人に係る、特願平5ー259403号は未だ未公開なが
ら、正極,負極並びに電解液としてリチウム塩の非プロ
トン性有機溶媒溶液を備えた有機電解質電池であって、
(1)正極が金属酸化物を含み(2)負極が芳香族系縮
合ポリマ−の熱処理物であって水素原子/炭素原子の原
子比が0.5〜0.05であるポリアセン系骨格構造を
有する不溶不融性基体(以下PAS)であり、(3)負
極PASに対し、電池内に含まれる総リチウム量が50
0mAh/g以上であり、かつ負極由来のリチウムが1
00mAh/g以上である事を特徴とする有機電解質電
池が提案されている。該電池は高容量であるものの、電
極強度に問題があることから、電池の組み立て、更に
は、組み立てた電池の内部抵抗が高い等、不満足な点が
残されていた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明者らは上記問題
点に鑑み、鋭意研究を続けた結果本発明を完成したもの
であって、本発明の目的は高容量かつ高電圧を有する二
次電池を提供するにある。本発明の他の目的は長期に亘
って充放電が可能で、安全性に優れた二次電池を提供す
るにある。本発明の更に他の目的は内部抵抗が低い二次
電池を提供するにある。本発明の更に他の目的は製造が
容易な二次電池を提供するにある。本発明の更に他の目
的は以下の説明から明らかにされよう。
点に鑑み、鋭意研究を続けた結果本発明を完成したもの
であって、本発明の目的は高容量かつ高電圧を有する二
次電池を提供するにある。本発明の他の目的は長期に亘
って充放電が可能で、安全性に優れた二次電池を提供す
るにある。本発明の更に他の目的は内部抵抗が低い二次
電池を提供するにある。本発明の更に他の目的は製造が
容易な二次電池を提供するにある。本発明の更に他の目
的は以下の説明から明らかにされよう。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、正極に金
属酸化物を、負極にポリアセン系骨格構造を有する不溶
不融性基体を熱可塑性バインダ−を用いて、金属箔上に
成形した後、該熱可塑性バインダ−の融点以上で加熱処
理したものを用い、かつ、電池内のリチウム量を適切に
制御することにより本発明を完成した。すなわち、本発
明は、正極,負極並びに電解液としてリチウム塩の非プ
ロトン性有機溶媒溶液を備えた有機電解質電池であっ
て、(1)正極が金属酸化物を含み(2)負極が芳香族
系縮合ポリマ−の熱処理物であって水素原子/炭素原子
の原子比が0.5〜0.05であるポリアセン系骨格構
造を有する不溶不融性基体(以下PAS)を熱可塑性バ
インダ−を用いて、金属箔上に成形した後、該熱可塑性
バインダ−の融点以上で加熱処理したものであり、
(3)負極PASに対し、電池内に含まれる総リチウム
量が500mAh/g以上であり、かつ負極由来のリチ
ウムが100mAh/g以上であることを特徴とする有
機電解質電池である。
属酸化物を、負極にポリアセン系骨格構造を有する不溶
不融性基体を熱可塑性バインダ−を用いて、金属箔上に
成形した後、該熱可塑性バインダ−の融点以上で加熱処
理したものを用い、かつ、電池内のリチウム量を適切に
制御することにより本発明を完成した。すなわち、本発
明は、正極,負極並びに電解液としてリチウム塩の非プ
ロトン性有機溶媒溶液を備えた有機電解質電池であっ
て、(1)正極が金属酸化物を含み(2)負極が芳香族
系縮合ポリマ−の熱処理物であって水素原子/炭素原子
の原子比が0.5〜0.05であるポリアセン系骨格構
造を有する不溶不融性基体(以下PAS)を熱可塑性バ
インダ−を用いて、金属箔上に成形した後、該熱可塑性
バインダ−の融点以上で加熱処理したものであり、
(3)負極PASに対し、電池内に含まれる総リチウム
量が500mAh/g以上であり、かつ負極由来のリチ
ウムが100mAh/g以上であることを特徴とする有
機電解質電池である。
【0006】本発明における芳香族系縮合ポリマ−と
は、芳香族炭化水素化合物とアルデヒド類との縮合物で
ある。芳香族炭化水素化合物としては、例えば、フェノ
ール,クレゾール,キシレノール等の如き、いわゆるフ
ェノール類が好適である。例えば、下記式
は、芳香族炭化水素化合物とアルデヒド類との縮合物で
ある。芳香族炭化水素化合物としては、例えば、フェノ
ール,クレゾール,キシレノール等の如き、いわゆるフ
ェノール類が好適である。例えば、下記式
【化1】 (ここで、xおよびyはそれぞれ独立に、0、1又は2
である)で表されるメチレン・ビスフェノール類である
ことができ、或いはヒドロキシ・ビフェニル類、ヒドロ
キシナフタレン類であることもできる。これらの内、実
用的にはフェノール類、特にフェノールが好適である。
本発明における芳香族系縮合ポリマ−として、上記のフ
ェノール性水酸基を有する芳香族炭化水素化合物の1部
をフェノール性水酸基を有さない芳香族炭化水素化合
物、例えば、キシレン、トルエン、アニリン等で置換し
た変成芳香族系縮合ポリマー例えばフェノールとキシレ
ンとホルムアルデヒドとの縮合物を用いることもでき、
また、メラミン、尿素で置換した変成芳香族系ポリマー
を用いることもできる。また、フラン樹脂も好適であ
る。また、アルデヒドとしては、ホルムアルデヒド、ア
セトアルデヒド、フルフラール等のアルデヒドを使用す
ることができるが、ホルムアルデヒドが好適である。フ
ェノールホルムアルデヒド縮合物としては、ノボラック
型又はレゾール型或はそれらの混合物のいずれであって
もよい。
である)で表されるメチレン・ビスフェノール類である
ことができ、或いはヒドロキシ・ビフェニル類、ヒドロ
キシナフタレン類であることもできる。これらの内、実
用的にはフェノール類、特にフェノールが好適である。
本発明における芳香族系縮合ポリマ−として、上記のフ
ェノール性水酸基を有する芳香族炭化水素化合物の1部
をフェノール性水酸基を有さない芳香族炭化水素化合
物、例えば、キシレン、トルエン、アニリン等で置換し
た変成芳香族系縮合ポリマー例えばフェノールとキシレ
ンとホルムアルデヒドとの縮合物を用いることもでき、
また、メラミン、尿素で置換した変成芳香族系ポリマー
を用いることもできる。また、フラン樹脂も好適であ
る。また、アルデヒドとしては、ホルムアルデヒド、ア
セトアルデヒド、フルフラール等のアルデヒドを使用す
ることができるが、ホルムアルデヒドが好適である。フ
ェノールホルムアルデヒド縮合物としては、ノボラック
型又はレゾール型或はそれらの混合物のいずれであって
もよい。
【0007】本発明における不溶不融性基体は、上記芳
香族系ポリマ−を熱処理する事により得られ、特公平1
−44212号公報、特公平3−24024号公報等に
記載されているポリアセン系骨格構造を有する不溶不融
性基体は全て用いることができ、例えば、次のようにし
て製造することもできる。該芳香族系縮合ポリマ−を、
非酸化性雰囲気下(真空も含む)中で、400°C〜8
00°Cの適当な温度まで徐々に加熱する事により、水
素原子/炭素原子の原子比(以下H/Cと記す)が0.
50〜0.05、好ましくは0.35〜0.10の不溶
不融性基体を得ることができる。また、特公平3−24
024号公報等に記載されている方法で、600m2 /
g以上のBET法による比表面積を有する不溶不融性基
体を得ることもできる。例えば、芳香族系縮合ポリマ−
の初期縮合物と無機塩、例えば塩化亜鉛を含む溶液を調
製し、該溶液を加熱して型内で硬化する。かくして得ら
れた硬化体を、非酸化性雰囲気化(真空も含む)中で、
350°C〜800°Cの温度まで、好ましくは400
°C〜750°Cの適当な温度まで徐々に加熱した後、
水あるいは希塩酸等によって充分に洗浄することによ
り、上記H/Cを有し、かつ、例えば600m2 /g以
上のBET法による比表面積を有する不溶不融性基体を
得ることもできる。
香族系ポリマ−を熱処理する事により得られ、特公平1
−44212号公報、特公平3−24024号公報等に
記載されているポリアセン系骨格構造を有する不溶不融
性基体は全て用いることができ、例えば、次のようにし
て製造することもできる。該芳香族系縮合ポリマ−を、
非酸化性雰囲気下(真空も含む)中で、400°C〜8
00°Cの適当な温度まで徐々に加熱する事により、水
素原子/炭素原子の原子比(以下H/Cと記す)が0.
50〜0.05、好ましくは0.35〜0.10の不溶
不融性基体を得ることができる。また、特公平3−24
024号公報等に記載されている方法で、600m2 /
g以上のBET法による比表面積を有する不溶不融性基
体を得ることもできる。例えば、芳香族系縮合ポリマ−
の初期縮合物と無機塩、例えば塩化亜鉛を含む溶液を調
製し、該溶液を加熱して型内で硬化する。かくして得ら
れた硬化体を、非酸化性雰囲気化(真空も含む)中で、
350°C〜800°Cの温度まで、好ましくは400
°C〜750°Cの適当な温度まで徐々に加熱した後、
水あるいは希塩酸等によって充分に洗浄することによ
り、上記H/Cを有し、かつ、例えば600m2 /g以
上のBET法による比表面積を有する不溶不融性基体を
得ることもできる。
【0008】本発明に用いる不溶不融性基体は、X線回
折(CuKα)によれば、メイン・ピークの位置は2θ
で表して24°以下に存在し、また該メイン・ピークの
他に41〜46°の間にブロードな他のピークが存在す
る。すなわち、上記不溶不融性基体は芳香族系多環構造
が適度に発達したポリアセン系骨格構造を有し、かつア
モルファス構造をとると示唆され、リチウムを安定にド
−ピングできることから電池用活物質として有用であ
る。H/Cが0.50を越える場合、芳香族系多環構造
が充分に発達していないため、リチウムのド−ピング、
脱ド−ピングがスム−ズに行うことができず、電池を組
んだ時、充放電効率が低下する。また、H/Cが0.0
5以下の場合、本発明の電池の容量が低下し好ましくな
い。
折(CuKα)によれば、メイン・ピークの位置は2θ
で表して24°以下に存在し、また該メイン・ピークの
他に41〜46°の間にブロードな他のピークが存在す
る。すなわち、上記不溶不融性基体は芳香族系多環構造
が適度に発達したポリアセン系骨格構造を有し、かつア
モルファス構造をとると示唆され、リチウムを安定にド
−ピングできることから電池用活物質として有用であ
る。H/Cが0.50を越える場合、芳香族系多環構造
が充分に発達していないため、リチウムのド−ピング、
脱ド−ピングがスム−ズに行うことができず、電池を組
んだ時、充放電効率が低下する。また、H/Cが0.0
5以下の場合、本発明の電池の容量が低下し好ましくな
い。
【0009】本発明の負極は上記不溶不融性基体(以下
PAS)より成り、粉末状、粒状、短繊維状等の成形し
やすい形状にあるPASをバインダ−で成形したもので
ある。バインダ−としては、ポリ四フッ化エチレン、ポ
リフッ化ビニリデン等の含フッ素系樹脂、ポリプロピレ
ン、ポリエチレン等の熱可塑性樹脂がを用いる事ができ
るが、好ましくフッ素系バインダ−が好ましく、更には
フッ素原子/炭素原子の原子比(以下、F/Cと記す)
が1.5未満0.75以上であるフッ素系バインダ−が
好ましく、特に、1.3未満0.75以上のフッ素系バ
インダ−が好ましい。上記フッ素系バインダ−として
は、例えば、ポリフッ化ビニリデン、フッ化ビニリデン
−3フッ化エチレン共重合体、エチレン−4フッ化エチ
レン共重合体、プロピレン−4フッ化エチレン共重合体
等が挙げられ、更に主鎖の水素をアルキル基で置換した
含フッ素系ポリマ−も用いることできる。ポリフッ化ビ
ニリデンの場合、F/Cは1であり、フッ化ビニリデン
−3フッ化エチレン共重合体の場合、フッ化ビニリデン
のモル分率が50%の時、80%の時それぞれF/Cは
1.25、1.1となり、更にプロピレン−4フッ化エ
チレン共重合体の場合、プロピレンのモル分率が50%
の時、F/Cは0.75となる。中でも、ポリフッ化ビ
ニリデン、フッ化ビニリデンのモル分率が50%以上の
フッ化ビニリデン−3フッ化エチレン共重合体が好まし
く、実用的にはポリフッ化ビニリデンが好ましい。これ
らバインダーを用いた場合、PASの有するリチウムの
ドープ能(容量)を充分に利用することができる。本発
明の負極は、上記PASをバインダ−で成形したのち、
該バインダ−の融点以上で加熱処理する事により得られ
る。加熱処理方法は、特に限定されないが、非酸化性雰
囲気下、融点より5℃から100℃高い温度範囲で行う
のがこのましい。加熱処理を行わない場合、例えば、金
属箔上に成形した負極PASに、電池を組む前に予めリ
チウム金属を対極とした電気化学セルにて予めリチウム
をド−プしたのち電池を組む場合、電極の曲げ強度が弱
くなる、電極のはがれが生じやすくなり、更には組み立
てた電池の内部抵抗が上昇するなどして、十分な容量が
得にくくなる。
PAS)より成り、粉末状、粒状、短繊維状等の成形し
やすい形状にあるPASをバインダ−で成形したもので
ある。バインダ−としては、ポリ四フッ化エチレン、ポ
リフッ化ビニリデン等の含フッ素系樹脂、ポリプロピレ
ン、ポリエチレン等の熱可塑性樹脂がを用いる事ができ
るが、好ましくフッ素系バインダ−が好ましく、更には
フッ素原子/炭素原子の原子比(以下、F/Cと記す)
が1.5未満0.75以上であるフッ素系バインダ−が
好ましく、特に、1.3未満0.75以上のフッ素系バ
インダ−が好ましい。上記フッ素系バインダ−として
は、例えば、ポリフッ化ビニリデン、フッ化ビニリデン
−3フッ化エチレン共重合体、エチレン−4フッ化エチ
レン共重合体、プロピレン−4フッ化エチレン共重合体
等が挙げられ、更に主鎖の水素をアルキル基で置換した
含フッ素系ポリマ−も用いることできる。ポリフッ化ビ
ニリデンの場合、F/Cは1であり、フッ化ビニリデン
−3フッ化エチレン共重合体の場合、フッ化ビニリデン
のモル分率が50%の時、80%の時それぞれF/Cは
1.25、1.1となり、更にプロピレン−4フッ化エ
チレン共重合体の場合、プロピレンのモル分率が50%
の時、F/Cは0.75となる。中でも、ポリフッ化ビ
ニリデン、フッ化ビニリデンのモル分率が50%以上の
フッ化ビニリデン−3フッ化エチレン共重合体が好まし
く、実用的にはポリフッ化ビニリデンが好ましい。これ
らバインダーを用いた場合、PASの有するリチウムの
ドープ能(容量)を充分に利用することができる。本発
明の負極は、上記PASをバインダ−で成形したのち、
該バインダ−の融点以上で加熱処理する事により得られ
る。加熱処理方法は、特に限定されないが、非酸化性雰
囲気下、融点より5℃から100℃高い温度範囲で行う
のがこのましい。加熱処理を行わない場合、例えば、金
属箔上に成形した負極PASに、電池を組む前に予めリ
チウム金属を対極とした電気化学セルにて予めリチウム
をド−プしたのち電池を組む場合、電極の曲げ強度が弱
くなる、電極のはがれが生じやすくなり、更には組み立
てた電池の内部抵抗が上昇するなどして、十分な容量が
得にくくなる。
【0010】本発明の有機電解質電池の正極としては、
例えば、LiX CoO2 、 LiX NiO2 、 LiX Mn
O2 、LiX FeO2 等のLiX My OZ (Mは金属、
二種以上の金属でも良い)の一般式で表され得る、リチ
ウムを電気化学的にド−プ、脱ド−プが可能なリチウム
含有金属酸化物、あるいはコバルト、マンガン、ニッケ
ル等の遷移金属酸化物を用いる。特にリチウム金属に対
し4V以上の電圧を有するリチウム含有酸化物が好まし
い。中でも、リチウム含有コバルト酸化物、リチウム含
有ニッケル酸化物が好ましい。本発明における正極は、
上記活物質、及び必要に応じて導電材、バインダ−を加
え成形したものであり、導電材、バインダ−の種類、組
成等は適宜設定すればよい。
例えば、LiX CoO2 、 LiX NiO2 、 LiX Mn
O2 、LiX FeO2 等のLiX My OZ (Mは金属、
二種以上の金属でも良い)の一般式で表され得る、リチ
ウムを電気化学的にド−プ、脱ド−プが可能なリチウム
含有金属酸化物、あるいはコバルト、マンガン、ニッケ
ル等の遷移金属酸化物を用いる。特にリチウム金属に対
し4V以上の電圧を有するリチウム含有酸化物が好まし
い。中でも、リチウム含有コバルト酸化物、リチウム含
有ニッケル酸化物が好ましい。本発明における正極は、
上記活物質、及び必要に応じて導電材、バインダ−を加
え成形したものであり、導電材、バインダ−の種類、組
成等は適宜設定すればよい。
【0011】導電剤の種類は、金属ニッケル等の金属粉
末でもよいが、例えば、活性炭、カーボンブラック、ア
セチレンブラック、黒鉛等の炭素系のものが特に好まし
い。混合比は活物質の電気伝導度、電極形状等により異
なるが、活物質に対して2〜40%加えるのが適当であ
る。また、バインダーの種類は、後述の本発明にて用い
る電解液に不溶のものであればよく、例えば、SBR等
のゴム系バインダー、ポリ四フッ化エチレン、ポリフッ
化ビニリデン等の含フッ素系樹脂、ポリプロピレン、ポ
リエチレン等の熱可塑性樹脂が好ましく、その混合比は
20%以下とするのが好ましい。
末でもよいが、例えば、活性炭、カーボンブラック、ア
セチレンブラック、黒鉛等の炭素系のものが特に好まし
い。混合比は活物質の電気伝導度、電極形状等により異
なるが、活物質に対して2〜40%加えるのが適当であ
る。また、バインダーの種類は、後述の本発明にて用い
る電解液に不溶のものであればよく、例えば、SBR等
のゴム系バインダー、ポリ四フッ化エチレン、ポリフッ
化ビニリデン等の含フッ素系樹脂、ポリプロピレン、ポ
リエチレン等の熱可塑性樹脂が好ましく、その混合比は
20%以下とするのが好ましい。
【0012】本発明に用いる正極、負極の電極形状は、
目的とする電池により、板状、フィルム状、円柱状、あ
るいは、金属箔上に成形するなど、種々の形状をとるこ
とが出来る。特に、金属箔上に成形したものは集電体一
体電極として、種々の電池に応用できることから好まし
い。
目的とする電池により、板状、フィルム状、円柱状、あ
るいは、金属箔上に成形するなど、種々の形状をとるこ
とが出来る。特に、金属箔上に成形したものは集電体一
体電極として、種々の電池に応用できることから好まし
い。
【0013】本発明の電池は、上記PASを負極に用
い、かつ電池内に含まれるリチウム量を適切に制御する
事により従来の電池に比べ、容量を大幅に向上すること
ができる。本発明において電池内の総リチウム量とは正
極由来のリチウム、電解液由来のリチウム、負極由来の
リチウムの総計である。正極由来のリチウムとは、電池
組立時、正極に含まれるリチウムであり、該リチウムの
一部もしくは全部は、外部回路から電流を通ずる操作
(充電等)により、負極に供給される。また、電解液由
来のリチウムとは、セパレ−タ、正極、負極等に含まれ
る電解液中のリチウムである。また、負極由来のリチウ
ムとは、本発明の負極PASに担持されているリチウム
である(正極由来のリチウム、電解液由来のリチウム以
外のリチウムである)。リチウムを負極PASに担持さ
せる方法は特に限定しないが、例えば、電池を組む前に
予めリチウム金属を対極とした電気化学セルにて予め負
極PASにリチウムをド−プしたのち電池を組む方法、
リチウム金属を負極PASに張りつける等の方法で電池
内にて負極PASとリチウム金属を導通させておき、該
電池内でリチウムをPASにド−プする等の方法等が挙
げられる。
い、かつ電池内に含まれるリチウム量を適切に制御する
事により従来の電池に比べ、容量を大幅に向上すること
ができる。本発明において電池内の総リチウム量とは正
極由来のリチウム、電解液由来のリチウム、負極由来の
リチウムの総計である。正極由来のリチウムとは、電池
組立時、正極に含まれるリチウムであり、該リチウムの
一部もしくは全部は、外部回路から電流を通ずる操作
(充電等)により、負極に供給される。また、電解液由
来のリチウムとは、セパレ−タ、正極、負極等に含まれ
る電解液中のリチウムである。また、負極由来のリチウ
ムとは、本発明の負極PASに担持されているリチウム
である(正極由来のリチウム、電解液由来のリチウム以
外のリチウムである)。リチウムを負極PASに担持さ
せる方法は特に限定しないが、例えば、電池を組む前に
予めリチウム金属を対極とした電気化学セルにて予め負
極PASにリチウムをド−プしたのち電池を組む方法、
リチウム金属を負極PASに張りつける等の方法で電池
内にて負極PASとリチウム金属を導通させておき、該
電池内でリチウムをPASにド−プする等の方法等が挙
げられる。
【0014】本発明において電池内の総リチウム量は、
負極PASに対し500mAh/g以上,好ましくは6
00mAh/g以上であり、500mAh/g未満の場
合、容量が充分に得られない。また、本発明における負
極由来のリチウムは負極PASに対し100mAh/g
以上、好ましくは150mAh/g以上であり、100
mAh/g未満の場合、たとえ総リチウム量が負極PA
Sに対し500mAh/g以上であったとしても充分な
容量が得られない。また、正極にリチウム含有酸化物を
用いる場合においては、負極由来のリチウムは負極PA
Sに対し600mAh/g以下にすることが、実用的で
ある。本発明における正極由来のリチウム、電解液由来
のリチウムは上記条件を満たしていればよいが、正極由
来のリチウムが負極PASに対し300mAh/g以上
であることが好ましい。
負極PASに対し500mAh/g以上,好ましくは6
00mAh/g以上であり、500mAh/g未満の場
合、容量が充分に得られない。また、本発明における負
極由来のリチウムは負極PASに対し100mAh/g
以上、好ましくは150mAh/g以上であり、100
mAh/g未満の場合、たとえ総リチウム量が負極PA
Sに対し500mAh/g以上であったとしても充分な
容量が得られない。また、正極にリチウム含有酸化物を
用いる場合においては、負極由来のリチウムは負極PA
Sに対し600mAh/g以下にすることが、実用的で
ある。本発明における正極由来のリチウム、電解液由来
のリチウムは上記条件を満たしていればよいが、正極由
来のリチウムが負極PASに対し300mAh/g以上
であることが好ましい。
【0015】本発明に用いる電解液を構成する溶媒とし
ては非プロトン性有機溶媒が用いられる。非プロトン性
有機溶媒としては、例えば、エチレンカーボネイト、プ
ロピレンカーボネイト、ジメチルカ−ボネ−ト、ジエチ
ルカ−ボネ−ト、γ−ブチロラクトン、アセトニトリ
ル、ジメトキシエタン、テトラヒドロフラン、ジオキソ
ラン、塩化メチレン、スルホラン等が挙げられ、更に、
これら非プロトン性有機溶媒の二種以上の混合液も用い
ることができる。
ては非プロトン性有機溶媒が用いられる。非プロトン性
有機溶媒としては、例えば、エチレンカーボネイト、プ
ロピレンカーボネイト、ジメチルカ−ボネ−ト、ジエチ
ルカ−ボネ−ト、γ−ブチロラクトン、アセトニトリ
ル、ジメトキシエタン、テトラヒドロフラン、ジオキソ
ラン、塩化メチレン、スルホラン等が挙げられ、更に、
これら非プロトン性有機溶媒の二種以上の混合液も用い
ることができる。
【0016】また、上記の混合又は単一の溶媒に溶解さ
せる電解質は、リチウムイオンを生成しうる電解質のい
ずれでも良い。このような電解質としては、例えばLi
I、LiClO4 、LiAsF6 、LiBF4 、LiP
F6 、又はLiHF2 等が挙げられる。上記の電解質及
び溶媒は充分に脱水された状態で混合され、電解液とす
るのであるが、電解液中の電解質の濃度は電解液による
内部抵抗を小さくするため少なくとも0.1モル/l以
上とするのが好ましく、通常0.2〜1.5モル/lと
するのが更に好ましい。
せる電解質は、リチウムイオンを生成しうる電解質のい
ずれでも良い。このような電解質としては、例えばLi
I、LiClO4 、LiAsF6 、LiBF4 、LiP
F6 、又はLiHF2 等が挙げられる。上記の電解質及
び溶媒は充分に脱水された状態で混合され、電解液とす
るのであるが、電解液中の電解質の濃度は電解液による
内部抵抗を小さくするため少なくとも0.1モル/l以
上とするのが好ましく、通常0.2〜1.5モル/lと
するのが更に好ましい。
【0017】電池外部に電流を取り出すための集電体、
あるいはリ−ド端子としては、例えば、炭素、白金、ニ
ッケル、ステンレス、アルミニウム、銅等を用いること
が出来、箔状、ネット状の集電体を用いる場合、電極を
集電体上に成形することにより集電体一体型電極として
用いることもできる。
あるいはリ−ド端子としては、例えば、炭素、白金、ニ
ッケル、ステンレス、アルミニウム、銅等を用いること
が出来、箔状、ネット状の集電体を用いる場合、電極を
集電体上に成形することにより集電体一体型電極として
用いることもできる。
【0018】次に図面により本発明の実施態様の一例を
説明する。図1は本発明に係る電池の基本構成説明図で
ある。図1において、(1)は正極であり、(2)は負
極である。(3),(3′)は集電体であり、電極は該
集電体の上に成形されている。リ−ド端子(8),
(8′)に電圧降下を生じないように集電体に接続され
ていおり、その一端は、電池ケ−ス(6)、トップ蓋
(7)に接続される。(5)は電解液が含浸されたセパ
レ−タ−であり、該電解液には、ドーピングされうるイ
オンを生成し得る前述の化合物が非プロトン性有機溶媒
に溶解されている。電解液は通常液状であり、セパレ−
タ−に含浸されるが、セパレ−タ−なしに、漏液を防止
するためゲル状又は固体状にして用いることもできる。
(4)は正負両極の接触(電池ケ−スとトップ蓋)を阻
止する事を目的として配置された絶縁パッキンである。
説明する。図1は本発明に係る電池の基本構成説明図で
ある。図1において、(1)は正極であり、(2)は負
極である。(3),(3′)は集電体であり、電極は該
集電体の上に成形されている。リ−ド端子(8),
(8′)に電圧降下を生じないように集電体に接続され
ていおり、その一端は、電池ケ−ス(6)、トップ蓋
(7)に接続される。(5)は電解液が含浸されたセパ
レ−タ−であり、該電解液には、ドーピングされうるイ
オンを生成し得る前述の化合物が非プロトン性有機溶媒
に溶解されている。電解液は通常液状であり、セパレ−
タ−に含浸されるが、セパレ−タ−なしに、漏液を防止
するためゲル状又は固体状にして用いることもできる。
(4)は正負両極の接触(電池ケ−スとトップ蓋)を阻
止する事を目的として配置された絶縁パッキンである。
【0019】該セパレーターは、電解液或は電極活物質
等に対し、耐久性のある連通気孔を有する電子伝導性の
ない多孔体であり、通常ガラス繊維、ポリエチレン或は
ポリプロピレン等からなる布、不織布或は多孔体が用い
られる。セパレータの厚さは電池の内部抵抗を小さくす
るため薄い方が好ましいが、電解液の保持量、流通性、
強度等を勘案して決定される。正負極及びセパレータは
電池ケース(6)内に実用上問題が生じないように固定
される。電極の形状、大きさ等は目的とする電池の形
状、性能により適宜決められる。本発明の電池形状は上
記例示の、円筒型に限定されるものではなく、コイン
型、角形、箱型等が挙げられ、その形状は特に限定され
ない。
等に対し、耐久性のある連通気孔を有する電子伝導性の
ない多孔体であり、通常ガラス繊維、ポリエチレン或は
ポリプロピレン等からなる布、不織布或は多孔体が用い
られる。セパレータの厚さは電池の内部抵抗を小さくす
るため薄い方が好ましいが、電解液の保持量、流通性、
強度等を勘案して決定される。正負極及びセパレータは
電池ケース(6)内に実用上問題が生じないように固定
される。電極の形状、大きさ等は目的とする電池の形
状、性能により適宜決められる。本発明の電池形状は上
記例示の、円筒型に限定されるものではなく、コイン
型、角形、箱型等が挙げられ、その形状は特に限定され
ない。
【0020】
【発明の効果】本発明の有機電解質電池は、負極に特定
の加熱処理したPAS、正極に金属酸化物を用い、かつ
電池内のリチウム量、負極PAS由来のリチウム量の両
者を適切に制御した、高容量かつ高電圧の電池である。
以下、実施例を挙げて本発明を具体的に説明する。
の加熱処理したPAS、正極に金属酸化物を用い、かつ
電池内のリチウム量、負極PAS由来のリチウム量の両
者を適切に制御した、高容量かつ高電圧の電池である。
以下、実施例を挙げて本発明を具体的に説明する。
【0021】
【実施例1】厚さ0.5mmのフェノ−ル樹脂成形板を
シリコニット電気炉中に入れ窒素雰囲気下で10℃/時
間の速度で昇温し、650℃まで熱処理し、不溶不融性
基体(PASと記す)を合成した。かくして得られたP
AS板をポットミルで粉砕することにより平均粒径約3
μmのPAS粉体を得た。H/C比は0.22であっ
た。次に上記PAS粉末100重量部と、融点が172
℃のポリフッ化ビニリデン粉末10重量部をN,N−ジ
メチルホルムアミド90重量部に溶解した溶液100重
量部とを充分に混合する事によりスラリ−を得た。該ス
ラリ−をアプリケ−タ−を用い厚さ10μmの銅箔(負
極集電体)上に塗布し、乾燥、プレスし、両面にPAS
を塗布した厚さ210μmのPAS負極を得た。該PA
S負極を真空下、100℃、160℃、190℃、22
0℃で加熱処理し、負極1、2、3、4を得た。市販の
LiCoO2 (ストレム社製)100部、グラファイト
5部対し、ポリフッ化ビニリデン粉末10重量部、、
N,N−ジメチルホルムアミド90重量部に溶解した溶
液50重量部を充分に混合する事によりスラリ−を得
た。該スラリ−をアプリケ−タ−を用い厚さ20μmの
アルミ箔(正極集電体)上に塗布し、乾燥、プレスし、
両面にLiCoO2 を塗布した厚さ340μmの正極1
を得た。
シリコニット電気炉中に入れ窒素雰囲気下で10℃/時
間の速度で昇温し、650℃まで熱処理し、不溶不融性
基体(PASと記す)を合成した。かくして得られたP
AS板をポットミルで粉砕することにより平均粒径約3
μmのPAS粉体を得た。H/C比は0.22であっ
た。次に上記PAS粉末100重量部と、融点が172
℃のポリフッ化ビニリデン粉末10重量部をN,N−ジ
メチルホルムアミド90重量部に溶解した溶液100重
量部とを充分に混合する事によりスラリ−を得た。該ス
ラリ−をアプリケ−タ−を用い厚さ10μmの銅箔(負
極集電体)上に塗布し、乾燥、プレスし、両面にPAS
を塗布した厚さ210μmのPAS負極を得た。該PA
S負極を真空下、100℃、160℃、190℃、22
0℃で加熱処理し、負極1、2、3、4を得た。市販の
LiCoO2 (ストレム社製)100部、グラファイト
5部対し、ポリフッ化ビニリデン粉末10重量部、、
N,N−ジメチルホルムアミド90重量部に溶解した溶
液50重量部を充分に混合する事によりスラリ−を得
た。該スラリ−をアプリケ−タ−を用い厚さ20μmの
アルミ箔(正極集電体)上に塗布し、乾燥、プレスし、
両面にLiCoO2 を塗布した厚さ340μmの正極1
を得た。
【0022】上記負極をリチウムを対極とし、電解液に
プロピレンカ−ボネ−トとジエチルカ−ボネ−トの1:
1(重量比)混合液に、1モル/lの濃度にLiPF6
を溶解した溶液を用い、定電流(一時間当たり、負極P
ASに30mAh/gのリチウムを担持させるような電
流を設定)にて負極PASあたり300mAh/gのリ
チウムをド−ピングし担持させた(負極由来のリチウ
ム)。それぞれ負極1、2、3、4とした。上記正極
1,負極1、2、3、4(いずれも4×35cm2 )と
を用い、図1のような円筒形電池を組んだ。セパレータ
ーとしては、厚さ25μmのポリプロピレンセパレ−タ
用いた。正極端子としては厚さ150μm、幅5mmの
アルミニウム端子、負極端子としては正極と同サイズの
ニッケルを用い、それぞれ、電極の端にとりつけた。ま
た電解液としてはプロピレンカ−ボネ−トとジエチルカ
−ボネ−トの1:1(重量比)混合液に、1モル/lの
濃度にLiPF6 を溶解した溶液を用いた。電池内の負
極PASに対する総リチウム量はいずれも、1170m
Ah/gであった。ここで、100℃処理の負極1を用
いた場合、電極巻き取り時金属箔から電極がはがれ、電
池にならなかった。上記電池に0.25mAhの定電流
で電池電圧が4.3Vになるまで充電し、内部抵抗を測
定したのち、続いて0.25mAhの定電流で電池電圧
が2.5Vになるまで放電した。この4.3V−2.5
Vのサイクルを繰り返し、3回目の放電において、体積
容量(mAh/cc)にて評価した。体積基準として
は、電極体積、セパレ−タ体積、集電体体積の総計を用
いた。結果を表1に示す。
プロピレンカ−ボネ−トとジエチルカ−ボネ−トの1:
1(重量比)混合液に、1モル/lの濃度にLiPF6
を溶解した溶液を用い、定電流(一時間当たり、負極P
ASに30mAh/gのリチウムを担持させるような電
流を設定)にて負極PASあたり300mAh/gのリ
チウムをド−ピングし担持させた(負極由来のリチウ
ム)。それぞれ負極1、2、3、4とした。上記正極
1,負極1、2、3、4(いずれも4×35cm2 )と
を用い、図1のような円筒形電池を組んだ。セパレータ
ーとしては、厚さ25μmのポリプロピレンセパレ−タ
用いた。正極端子としては厚さ150μm、幅5mmの
アルミニウム端子、負極端子としては正極と同サイズの
ニッケルを用い、それぞれ、電極の端にとりつけた。ま
た電解液としてはプロピレンカ−ボネ−トとジエチルカ
−ボネ−トの1:1(重量比)混合液に、1モル/lの
濃度にLiPF6 を溶解した溶液を用いた。電池内の負
極PASに対する総リチウム量はいずれも、1170m
Ah/gであった。ここで、100℃処理の負極1を用
いた場合、電極巻き取り時金属箔から電極がはがれ、電
池にならなかった。上記電池に0.25mAhの定電流
で電池電圧が4.3Vになるまで充電し、内部抵抗を測
定したのち、続いて0.25mAhの定電流で電池電圧
が2.5Vになるまで放電した。この4.3V−2.5
Vのサイクルを繰り返し、3回目の放電において、体積
容量(mAh/cc)にて評価した。体積基準として
は、電極体積、セパレ−タ体積、集電体体積の総計を用
いた。結果を表1に示す。
【0023】
【表1】
【0024】本発明実施例である、負極3、4は負極
1、2に比べ、内部抵抗が低く、容量が、高い。
1、2に比べ、内部抵抗が低く、容量が、高い。
【0025】
【比較例1】実施例1と同様の方法で厚さ460μmの
正極2を得た。正極、負極のサイズは(いずれも4×3
0cm2 )とした。負極由来のリチウムを0mAh/g
として、負極1,2,3,4と組み合わせ、実施例1と
同様の方法で電池を組み、体積容量を評価した。電池内
の負極PASに対する総リチウム量はいずれも、109
0mAh/gであった。結果を表2に示す。
正極2を得た。正極、負極のサイズは(いずれも4×3
0cm2 )とした。負極由来のリチウムを0mAh/g
として、負極1,2,3,4と組み合わせ、実施例1と
同様の方法で電池を組み、体積容量を評価した。電池内
の負極PASに対する総リチウム量はいずれも、109
0mAh/gであった。結果を表2に示す。
【0026】
【表2】
【0027】負極由来のリチウム量が0の場合、加熱処
理の温度に関係なく、充分な容量が得られなかった。
理の温度に関係なく、充分な容量が得られなかった。
【図1】本発明に係る電池の基本構成説明図。
1 正極 2 負極 3 集電体(正極) 3’集電体(負極) 4 絶縁パッキン 5 セパレ−タ− 6 電池ケ−ス 7 トップ蓋 8 端子(正極) 8’端子(負極)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 羽藤 之規 大阪市都島区友渕町1丁目6番2−305号 (72)発明者 矢田 静邦 兵庫県加古郡播磨町宮西2丁目6番13号
Claims (2)
- 【請求項1】 正極,負極並びに電解液としてリチウム
塩の非プロトン性有機溶媒溶液を備えた有機電解質電池
であって、(1)正極が金属酸化物を含み(2)負極が
芳香族系縮合ポリマ−の熱処理物であって水素原子/炭
素原子の原子比が0.5〜0.05であるポリアセン系
骨格構造を有する不溶不融性基体を熱可塑性バインダ−
を用いて、金属箔上に成形した後、該熱可塑性バインダ
−の融点以上で加熱処理したものであり、(3)負極P
ASに対し、電池内に含まれる総リチウム量が500m
Ah/g以上であり、かつ負極由来のリチウムが100
mAh/g以上である事を事を特徴とする有機電解質電
池。 - 【請求項2】 リチウム含有金属酸化物を正極とするも
のである請求項1記載の有機電解質電池。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP6225537A JPH0864249A (ja) | 1994-08-26 | 1994-08-26 | 有機電解質電池 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP6225537A JPH0864249A (ja) | 1994-08-26 | 1994-08-26 | 有機電解質電池 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0864249A true JPH0864249A (ja) | 1996-03-08 |
Family
ID=16830853
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP6225537A Pending JPH0864249A (ja) | 1994-08-26 | 1994-08-26 | 有機電解質電池 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0864249A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2011081959A (ja) * | 2009-10-05 | 2011-04-21 | Kri Inc | 非水系二次電池用負極およびそれを用いた非水系二次電池 |
-
1994
- 1994-08-26 JP JP6225537A patent/JPH0864249A/ja active Pending
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2011081959A (ja) * | 2009-10-05 | 2011-04-21 | Kri Inc | 非水系二次電池用負極およびそれを用いた非水系二次電池 |
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