JPH0864136A - 放電灯の製造方法 - Google Patents

放電灯の製造方法

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JPH0864136A
JPH0864136A JP20232294A JP20232294A JPH0864136A JP H0864136 A JPH0864136 A JP H0864136A JP 20232294 A JP20232294 A JP 20232294A JP 20232294 A JP20232294 A JP 20232294A JP H0864136 A JPH0864136 A JP H0864136A
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JP
Japan
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glass tube
nitriding
layer
tube
quartz
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Application number
JP20232294A
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English (en)
Inventor
Shinji Inukai
伸治 犬飼
Kazuo Takita
和雄 瀧田
Makoto Nishizawa
誠 西沢
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Toshiba Lighting and Technology Corp
Original Assignee
Toshiba Lighting and Technology Corp
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Publication date
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  • Manufacture Of Electron Tubes, Discharge Lamp Vessels, Lead-In Wires, And The Like (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】電極に異物が付着することなく、しかも窒化改
質層の再置換を防止することができる放電灯の製造方法
を提供する。 【構成】シリカを主成分とするガラス管20の内面に窒
化改質層3を形成した後、電極マウントに接続された金
属箔導体7を上記ガラス管端部に位置させ、この状態で
ガラス管端部を圧潰封止して上記金属箔導体をガラス管
の端部に封着し、かつこのガラス管の内部に発光物質を
封入することにより発光管を形成するようにした放電灯
の製造方法において、ガラス管の内面に窒化改質層を形
成した後、このガラス管の加工工程では、窒化改質層を
不活性ガスの雰囲気に保つことを特徴とする。 【作用】ガラス管の加工工程では、窒化改質層を不活性
ガスの雰囲気に保つから、窒化改質層が酸素と再置換さ
れて酸化するのが防止される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、メタルハライドランプ
や水銀ランプなどのような放電灯において、内面に窒化
改質層を形成した発光管の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に高圧金属蒸気放電灯の発光管は、
透光性に優れ、耐熱性、耐薬品性および加工性などの観
点からその材料が選択されており、メタルハライドラン
プや高圧水銀ランプでは石英ガラスからなる発光管が使
用されている。
【0003】しかしながら、このような放電灯は、上記
のような発光管材料を選択しても、依然として長期の使
用により光束が低下するという問題がある。光束が低下
する原因は種々あるが、その1つに、発光管に封入した
発光物質と発光管材料とが反応することが挙げられる。
【0004】例えばメタルハライドランプの場合、石英
ガラスからなる発光管に封入してある金属ハロゲン化物
あるいはこの金属ハロゲン化物から解離した発光金属が
石英と反応することにより、石英の変色を招き、可視光
の透過性が低下する。また発光金属が減少することから
も光束の低下をもたらす。この結果、光束維持率が低下
する。
【0005】また、中圧水銀ランプの場合は、石英ガラ
スからなる発光管に封入してある水銀が石英に打ち込ま
れ、発光管が黒化する。このような不具合を解消するた
め、特公昭57−44208号公報には、発光管の内面
に窒化珪素(Si34 )からなる被膜をコーティング
する技術が提案されている。発光管の内面に、上記公報
に記載されている窒化珪素の被膜を形成した場合は、窒
化珪素の被膜が発光金属と発光管材料の反応を軽減し、
かつ発光物質の抜けを阻止し、よって光束の低下を防止
して光束を高く維持することができるものと考えられ
る。
【0006】しかしながら、上記公報に示された手段
は、発光管の内面に格別な窒化珪素の被膜を形成した構
造であるから、発光管材料とこの被膜との熱膨張差が異
なることに原因して、窒化珪素の被膜にひび割れや、剥
離、脱落などを発生する心配がある。したがって、この
ような被膜を形成したランプは現在に至っても実用化さ
れていない。
【0007】このようなことから本発明者等は、上記被
膜に代わって、発光管の内表面に、発光管材料を構成す
る酸化物の酸素成分と窒素とが置換されてなる窒化改質
層を形成した技術を提案をした。
【0008】窒化改質層というのは、発光管材料である
石英を形成するシリカSiO2 のなかの酸素O成分が、
窒素Nと置換されて形成された表面層であり、このよう
な窒化改質層は、バルブ内をアンモニア(NH3 )の雰
囲気にして高温に加熱すると、下記「化1」に示すよう
な反応が生じるものと考えられ、このような反応により
シリカSiO2 の酸素成分が窒素Nと置換されて窒化改
質されることによって形成される。
【0009】
【化1】
【0010】このようにして発光管の内表面に窒化改質
層を形成した場合は、この窒化改質層が発光物質として
の金属ハロゲン化物と、発光管材料の石英との反応を抑
止し、また発光物質の抜けや打ち込みを防止し、したが
って光束の低下を防止することができる。しかも、この
窒化改質層は、発光管材料を構成する酸化物の酸素成分
と窒素とが置換されて構成された反応層であるから、被
膜の場合と違って、ひび割れや剥離、脱落などを発生す
る心配がない、などの利点がある。このようなことから
発光管の内表面に窒化改質層を形成すると、光束維持率
が向上し、長寿命になることが確認されている。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】ところで、例えばメタ
ルハライドランプの発光管を製造するには、通常、石英
ガラス管の端部に電極マウントを挿入し、この電極マウ
ントに接続された金属箔導体を上記ガラス管端部に位置
させ、この状態でガラス管端部を加熱軟化し、この軟化
部を押し潰すことにより上記金属箔導体をガラス管の端
部に封着し、かつこのガラス管の内部に発光物質を封入
する方法が採用されている。
【0012】そして、上記の発光管の内面に窒化改質層
を形成するには、上記の製造工程のどこかで窒化改質層
を形成する工程を加える必要がある。その1つの方法と
して、電極封止後に、排気管を利用して発光管内にアン
モニア(NH3 )を送り込み、この発光管を高温に加熱
することにより放電空間の内面に窒化改質層を形成する
ことができる。しかし、この方法は、放電空間に露出し
ている電極の表面に異物が付着する等の不具合があり、
また排気管を利用して発光管内にアンモニア(NH3
を効率よく送り込むのが難しいなどの問題もある。
【0013】他の方法としては、石英ガラス管の封止前
に、予めこの石英ガラス管の内面に窒化改質層を形成し
ておき、しかる後、ガラス管の端部に電極を封止し、か
つこのガラス管の内部に発光物質を封入する方法が考え
られる。
【0014】しかし、本発明者等が研究を進めたとこ
ろ、窒化改質層は酸素O2 の存在する雰囲気で高温に晒
されると、酸素O2 が窒化改質層の窒素Nと再置換し、
せっかく窒化改質された層が酸化層、すなわちシリカS
iO2 の層に戻ってしまう場合があるのが判った。
【0015】このような再置換による窒化改質層の解消
は、前記した窒化改質層の機能が損なわれるため、発光
物質としての金属ハロゲン化物と、発光管材料の石英と
の反応が発生し、また発光物質の抜けや打ち込みが生
じ、光束の低下を招くことになる。
【0016】上記後者の方法を採用する場合、窒化改質
した後に石英ガラス管の端部に電極を封止する工程があ
り、この場合酸素が存在する大気中で電極の封着工程を
行うと、窒化改質層が酸素と再置換し、シリカSiO2
の層に戻ってしまうという問題が生じる。
【0017】本発明はこのような事情にもとづきなされ
たもので、その目的とするところは、電極に異物が付着
することなく、しかも窒化改質層の再置換を防止するこ
とができる放電灯の製造方法を提供しようとするもので
ある。
【0018】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明は、シリ
カを主成分とするガラス管の内面に窒化改質層を形成し
た後、このガラス管の端部に電極マウントを挿入してこ
の電極マウントに接続された金属箔導体を上記ガラス管
端部に位置させ、この状態でガラス管端部を圧潰封止し
て上記金属箔導体をガラス管の端部に封着し、かつこの
ガラス管の内部に発光物質を封入することにより発光管
を形成するようにした放電灯の製造方法において、ガラ
ス管の内面に窒化改質層を形成した後、このガラス管の
加工工程では、窒化改質層を不活性ガスの雰囲気に保つ
ことを特徴とする。
【0019】請求項2の発明は、シリカを主成分とする
ガラス管の内面に、封止予定端部を除き放電空間の内面
となる領域に窒化改質層を形成し、この後上記ガラス管
の端部に電極マウントを挿入し、この電極マウントが接
続された金属箔導体を上記窒化改質層が形成されていな
いガラス管端部に位置させ、この状態でガラス管端部を
圧潰封止して上記金属箔導体を窒化改質層が形成されて
いない面に封着する方法であり、上記ガラス管の内面に
窒化改質層を形成した後、このガラス管の加工工程で
は、窒化改質層を不活性ガスの雰囲気に保つことを特徴
とする。請求項3の発明は、不活性ガスは窒素を使用す
ることを特徴とする。
【0020】
【作用】請求項1の発明によれば、予めガラス管の内面
に窒化改質層を形成し、この窒化改質層を形成した後に
上記ガラス管を加熱して加工する工程、例えば封止工程
では、窒化改質層を不活性ガスの雰囲気に保ちつつ作業
を進めるので、窒化改質層が再置換されて酸化するのが
防止される。よって、良質の窒化改質層を形成すること
ができ、光束の低下を防止することができる。
【0021】しかも、電極を封止する前に窒化改質層を
形成しておくので、電極に異物が付着することもない。
請求項2の発明によれば、発光管の封止予定端部には予
め窒化改質層が形成されていないから、金属箔導体が封
着される面には窒化改質層が存在しないことになり、金
属箔導体がガラス管のシリカSiO2 と接触して金属箔
導体の一部と珪素Siが酸素O成分を共有し、この酸素
を仲介して互いに接合されるようになる。よって、金属
箔導体が封止部に気密に接合されるようになり、金属箔
導体と封止部との間に隙間が生じることがなく、リーク
の発生が防止される。
【0022】しかも、このような場合でも、ガラス管の
内面に窒化改質層を形成した後、このガラス管の加工工
程では、窒化改質層を不活性ガスの雰囲気に保つから、
窒化改質層が再置換されて酸化するのが防止される。よ
って、良質の窒化改質層を形成することができ、光束の
低下を防止することができる。
【0023】そして、電極を封止する前に窒化改質層を
形成しておくので、電極に異物が付着することもない。
請求項3の発明によれば、不活性ガスとして窒化改質層
の窒素と同一材料の窒素を用いるので、窒化改質層が良
好な改質層に保たれる。
【0024】
【実施例】以下本発明について、図面に示すメタルハラ
イドランプに適用した一実施例にもとづき説明する。図
1はメタルハライドランプの発光管の構成を示す図、図
2は金属箔導体の封止状態を示す断面図、図3はメタル
ハライドランプの全体の構成を示す図、図4はその製造
方法を示す図である。図3の全体の構成図において、1
0は硬質ガラスからなる外管であり、この外管10内は
窒素ガス雰囲気に保たれており、この外管10内には発
光管1が収容されている。
【0025】発光管1は、図1の(A)図に示す通り、
石英ガラスからなるバルブ2の両端部に圧潰封止部4,
4を形成してある。バルブ2の内面には、放電空間に臨
む内面の全面に亘り窒化改質層3が形成されている。こ
の窒化改質層3は、発光管材料である石英を形成するシ
リカSiO2 のなかの酸素成分O2 が、窒素Nと置換さ
れて形成された表面層である。
【0026】このような窒化改質層3は、例えばバルブ
2内をアンモニア(NH3 )の雰囲気にして高温に加熱
すると、アンモニア(NH3 )中の窒素Nと、石英を形
成しているシリカSiO2 のなかの酸素成分O2 が置換
され、前記「化1」に示すような反応が生じることによ
り窒化改質されたものである。
【0027】このような窒化改質層3は、図1の(B)
図に示すように、窒素の濃度がバルブ2の表面からバル
ブ壁の内部に向かい連続的に減少して変化しており、明
確な境界はないが、境界と推定される箇所までの深さs
は0.05μm以上、例えば5μm程度となるように形
成されている。
【0028】上記のように構成されたバルブ2の両端に
形成された上記封止部4,4にはそれぞれ主電極5a,
5bが封装されており、かつ一方の主電極5aの近傍に
は始動用の補助電極6が封装されている。
【0029】主電極5a,5bは、タングステンWまた
はトリウムThを含有したタングステンからなる電極軸
51に、タングステンからなる電極コイル52を巻装し
て構成されており、電極コイル52には図示しない酸化
ジスプロシウムDy23 、酸化スカンジムSc23
などからなる電子放射物質(エミッタ)が塗布されてい
る。また、補助電極6はタングステンワイヤにより形成
されている。
【0030】これら主電極5a,5bおよび補助電極6
は、封止部4,4に封着されたモリブデンMoなどの金
属箔導体7…を介して外部リード線8…に接続されてい
る。この場合、図2に示す通り、モリブデン箔7…を取
り巻く石英には、モリブデン箔7…の表面に接する面に
想像線3aで示すような窒化改質層が形成されておら
ず、従来と同様なシリカSiO2 の層に維持されてい
る。
【0031】このような構成のバルブ2内には、所定量
の水銀Hgと、金属ハロゲン化物、例えばヨウ化スカン
ジウムScI3 とヨウ化ナトリウムNaI、および始動
用の希ガスとしてアルゴンArが封入されている。
【0032】上記のような発光管1は、図3に示すよう
に、上記外管10内に収容されている。すなわち、発光
管1の両端封止部4,4は、ホルダ−11a,11bを
介してサポート12a,12bに支持されている。一方
のサポート12aは、ステム13に封止した一方の導電
線14aに溶接されているとともに、他方のサポート1
2bは、外管10の頂部に係着されている。
【0033】発光管1の一方の主電極5aは、上記一方
のサポート12aに電気的に接続されている。発光管1
の他方の主電極5bはリード線15を介して、ステム1
3に封止した他方の導電線14bに接続されている。ま
た、発光管1の補助電極6は、始動用抵抗18を介して
前記他方の導電線14bに接続されている。
【0034】上記一方の導電線14aは、外管10の端
部に被着した口金16に接続されているとともに、他方
の導電線14bは、上記口金16の外部端子17に接続
されている。
【0035】このような構成のメタルハライドランプ
は、これを電源に接続すると点灯回路から始動用のパル
ス電圧が、補助電極6とこれに近接する一方の主電極5
aとの間、および主電極5a,5bの間に印加され、こ
のため、補助電極6とこれに近接する一方の主電極5a
との間に補助放電が始まり、この補助放電が主電極5
a,5b間の主放電へと移行し、よって発光管1が放電
する。この放電により、発光管1内に封入した金属ハロ
ゲン化物、例えばヨウ化スカンジウムScI3 とヨウ化
ナトリウムNaIが発光する。
【0036】上記のようなメタルハライドランプは、発
光管1の内表面に窒化改質層3を形成してあるから、発
光管1に封入されている金属ハロゲン化物、あるいはこ
の金属ハロゲン化物から解離したスカンジウムScやナ
トリウムNaなどの発光金属が石英と接触するのが阻止
され、かつ金属ハロゲン化物またはスカンジウムScや
ナトリウムNaなどの発光金属が石英と反応するのが防
止される。このため石英の耐蝕性が向上し、変色が防止
されるとともに、発光管1から発光金属が減少するのも
防止されるから、光束の低下が少なくなり、光束維持率
を高くすることができる。
【0037】しかも、上記窒化改質層3は、発光管1を
構成する酸化珪素SiO2 のなかの酸素O2 成分と窒素
2 とが置換された反応構造からなる層であるから、発
光管1と一体物であり、ひび割れや剥離、脱落などの発
生する心配がない。
【0038】そして、このような発光管1を製造する方
法について、図4にもとづき説明する。図4の(A)図
に示すように、発光管1を構成する石英ガラス管20の
内面に、封止部となる予定端部21,21を除き、放電
空間の内面予定部22のみに窒化改質層3を形成する。
このように、石英ガラス管20の内面に部分的に窒化改
質層3を形成する方法としては、封止部予定端部21,
21をマスキングして窒化改質を施す、または予め石英
ガラス管20の内面全体に亘り窒化改質層を形成してお
き、封止部予定端部21,21の窒化改質層を研磨や酸
化置換などの手段で除去することにより放電空間の内面
予定部22のみに窒化改質層3を形成することができ
る。
【0039】このようにして放電空間の内面予定部22
のみに窒化改質層3を形成したガラス管20には、その
中間部分に排気管25を接続する。この接続は、図4の
(B)図に示すように、ガラス管20の側壁および排気
管25をバーナ30で加熱軟化することにより排気管2
5をガラス管20に融着させる。
【0040】このような排気管の接合工程中は、ガラス
管20の一端開口部から他端開口部に向けてアルゴン、
窒素などの不活性ガスを流す。なお、不活性ガスとして
は、窒素ガスを使用するのが望ましい。このような窒素
ガスを流すことにより、放電空間の内面予定部22に形
成された窒化改質層3が不活性ガス雰囲気、つまり窒素
ガスの雰囲気に保たれる。
【0041】なお、排気管25をガラス管20に接合す
る工程は、ガラス管20の内面に窒化改質層3を形成す
る前に行ってもよい。このようにして排気管25が接続
されると、石英ガラス管20の端部に図4の(C)図に
示すように、電極マウントを挿入し、モリブデン箔7…
を窒化改質層がない封止部予定端部21,21に対向さ
せる。この状態で封止部予定端部21,21をバーナ3
5…で加熱してここを軟化させる。
【0042】このような加熱時にも、ガラス管20の一
端開口部から他端開口部に向けて不活性ガス、例えば窒
素を流す。このように窒素ガスを流すことにより、放電
空間の内面予定部22に形成された窒化改質層3が不活
性ガス雰囲気、つまり窒素ガスの雰囲気に保たれる。
【0043】このようにして端部の加熱軟化が終わる
と、この軟化部を図示しないピンチャー等の治具により
押し潰す。すると石英ガラス管20の端部が圧潰封止さ
れ、図1の(A)に示す通り、これら封止部4,4にモ
リブデン箔7…が封着されるとともに、放電空間の内表
面には窒化改質層3が形成され、かつこの放電空間内に
主電極5a,5bおよび補助電極6が配置される。
【0044】この場合、モリブデン箔7…は図2に示す
ように、窒化改質層が形成されていない石英の面に接し
てこの石英に接合されることになる。そして、このバル
ブ2内には、排気管25を通じて、所定量の水銀Hg
と、金属ハロゲン化物および始動用の希ガスが封入さ
れ、この封入後に排気管25は封止切りされる。
【0045】このような方法によれば、電極5a、5b
を封止する前に、予め発光管1の内面に窒化改質層3を
形成するから、窒化改質層を作る場合に電極5a、5b
に不純物が付着するなどの不具合がなくなる。
【0046】そして、このような窒化改質層3を形成し
た後、その後のガラス管20を加熱して加工する工程、
例えば図4の(B)図に示す排気管25の接続工程や、
図4の(C)図に示す圧潰封止工程中は、ガラス管20
の一端開口部から他端開口部に向けて窒素ガスを流し
て、放電空間の窒化改質層3を窒素ガスの雰囲気に保つ
から、窒化改質層3が酸化層に再置換されることがな
い。周囲の雰囲気中に酸素O2 が存在しないから窒化改
質層3がシリカSiO2 の層に戻ってしまうのが防止さ
れる。よって、良好な窒化改質層を保つことができる。
【0047】この場合、窒素ガスはガラス管20の一端
開口部から他端開口部に向けて流すから、ガラス管20
内を多量の窒素ガスで充すことができる。また、本実施
例の場合、ガラス管20には放電空間の内面予定部22
のみに窒化改質層3を形成したから、封止部4,4には
窒化改質層が形成されておらず、モリブデン箔7…は石
英を構成するシリカSiO2 に直接接触することにな
る。このため、モリブデン箔7…は石英に接合され、モ
リブデン箔7…と封止部4,4との間に隙間が生じるこ
とがない。
【0048】すなわち、モリブデン箔7の周囲に、図2
の想像線で示すような窒化改質層3aが形成されている
場合は、モリブデンと、シリカSiO2 の保有する酸素
Oとの反応が窒化改質層3aにより阻害され、酸化モリ
ブデン層が形成されなくなることから、モリブデンMo
が石英と気密に接合されず、このため、モリブデンMo
と石英との間で微小隙間が発生し、よってリークを生じ
る心配がある。
【0049】これに対し、図2の想像線で示す窒化改質
層3aが存在しない場合は、モリブデンMoの回りに石
英を形成するシリカSiO2 が存在するから、モリブデ
ンの一部がシリカSiO2 のもつ酸素Oと反応して酸化
モリブデンが形成され、これがモリブデン箔と石英を気
密に接合するものと考えられる。
【0050】このようなことから、本実施例のように、
モリブデン箔7の周囲に窒化改質層を形成しないように
すれば、モリブデン箔と石英との間からリークを生じる
のを防止することができ、寿命特性が向上することにな
る。
【0051】そして、不活性ガスとして、窒化改質層の
窒素と同一材料の窒素を用いるので、窒化改質層が良好
な改質層に保たれる。なお、本発明は上記実施例に制約
されるものではない。すなわち、上記実施例ではガラス
管20における放電空間の内面予定部22のみに窒化改
質層3を形成し、封止部4,4には窒化改質層を形成し
ないようにしたが、本発明は特にこの点に限定されるも
のではなく、ガラス管20の内面全体に亘り窒化改質層
3を形成した場合であってもよい。
【0052】この場合、モリブデン箔7と窒化改質層3
が直接触れないようにするため、他の封着ガラスを介在
させるなど、他の手段を採用すればよい。また、上記実
施例のメタルハライドランプは、金属ハロゲン化物とし
てヨウ化スカンジウムScI3 とヨウ化ナトリウムNa
Iを用いた例を説明したが、金属ハロゲン化物はこれら
に限らず、希土類金属のハロゲン化物やアルカリ金属の
ハロゲン化物、その他インジウム、タリウムなどのハロ
ゲン化物であってもよい。
【0053】また上記実施例では、メタルハライドラン
プについて説明したが、本発明はこれに限らず、水銀ラ
ンプにも適用可能である。水銀ランプは、発光管内に、
水銀HgとアルゴンArなどの始動用希ガスを封入して
ある点でメタルハライドランプと異なるが、水銀ランプ
は、水銀イオンHg+ が石英に打ち込まれることによ
り、発光管の黒化が発生する。すなわち、石英の表面に
は微細な空隙があり、ガラス内部のOH- やガラス表面
の負の電荷により上記水銀イオンHg+ が上記石英表面
の微細な空隙に引き込まれて打ち込みがなされる。この
ため石英の黒化が促されるという傾向がある。
【0054】これに対し、放電空間の内表面に窒化改質
層を形成すると、発光管に封入されている水銀が石英と
接触するのが阻止され、かつ水銀イオンHg+ が石英表
面の微細な空隙に引き込まれるのが防止されるので石英
の黒化が防止されるようになり、光束維持率が向上す
る。さらに、本発明は両端封止形の発光管を製造する場
合に限らず、片端封止形の発光管であっても実施可能で
ある。
【0055】
【発明の効果】以上説明したように請求項1の発明によ
れば、予めガラス管の内面に窒化改質層を形成し後に、
上記ガラス管を加熱して加工する工程、例えば封止工程
では、窒化改質層を不活性ガスの雰囲気に保ちつつ作業
を進めるので、窒化改質層が再置換されて酸化するのが
防止される。よって、良質の窒化改質層を形成すること
ができ、光束の低下を防止することができる。しかも、
電極を封止する前に窒化改質層を形成しておくので、電
極に異物が付着することもない。
【0056】請求項2の発明によれば、発光管の封止予
定端部には予め窒化改質層が形成されていないから、金
属箔導体が封着される面には窒化改質層が存在せず、金
属箔導体がシリカSiO2 の酸素O成分を共有し、よっ
て、金属箔導体が封止部に気密に接合されるようにな
り、金属箔導体と封止部との間に隙間が生じることがな
く、リークの発生が防止される。
【0057】このような場合でも、ガラス管の内面に窒
化改質層を形成した後、このガラス管の加工工程では、
窒化改質層を不活性ガスの雰囲気に保つから、窒化改質
層が再置換されて酸化するのが防止される。よって、良
質の窒化改質層を形成することができ、光束の低下を防
止することができる。そして、電極を封止する前に窒化
改質層を形成しておくので、電極に異物が付着すること
もない。請求項3の発明によれば、不活性ガスとして窒
化改質層の窒素と同一材料の窒素を用いるので、窒化改
質層が良好な改質層に保たれる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を示し、(A)図はメタルハ
ライドランプの発光管の断面図、(B)図は(A)図中
のBで示す部分の断面図であり、窒化改質層を模式的に
示す図。
【図2】図1の(A)図中、II−II線に沿う断面図。
【図3】同実施例のメタルハライドランプの全体を示す
構成図。
【図4】同実施例の発光管を製造する方法を示すもの
で、(A)図は窒化改質層を形成した石英ガラス管の断
面図、(B)図は排気管の接続工程を示す断面図、
(C)図は電極マウントを封止する工程を示す断面図。
【符号の説明】
1…メタルハライドランプの発光管 3…窒化
改質層 4…封止部 5a、5b…電極 7…モリ
ブデン箔 10…外管 20…ガラス管 21…封
止予定部 22…放電空間予定部 25…排気管 30、35…バーナ

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 シリカを主成分とするガラス管の内面に
    窒化改質層を形成した後、このガラス管の端部に電極マ
    ウントを挿入してこの電極マウントに接続された金属箔
    導体を上記ガラス管端部に位置させ、この状態でガラス
    管端部を圧潰封止して上記金属箔導体をガラス管の端部
    に封着し、かつこのガラス管の内部に発光物質を封入す
    ることにより発光管を形成するようにした放電灯の製造
    方法において、 ガラス管の内面に窒化改質層を形成した後、このガラス
    管の加工工程では、窒化改質層を不活性ガスの雰囲気に
    保つことを特徴とする放電灯の製造方法。
  2. 【請求項2】 シリカを主成分とするガラス管の内面
    に、封止予定端部を除き放電空間の内面となる領域に窒
    化改質層を形成し、この後上記ガラス管の端部に電極マ
    ウントを挿入し、この電極マウントが接続された金属箔
    導体を上記窒化改質層が形成されていないガラス管端部
    に位置させ、この状態でガラス管端部を圧潰封止して上
    記金属箔導体を窒化改質層が形成されていない面に封着
    する方法であり、上記ガラス管の内面に窒化改質層を形
    成した後、このガラス管の加工工程では、窒化改質層を
    不活性ガスの雰囲気に保つことを特徴とする放電灯の製
    造方法。
  3. 【請求項3】 不活性ガスは窒素を使用することを特徴
    とする請求項1または請求項2に記載の放電灯の製造方
    法。
JP20232294A 1994-08-26 1994-08-26 放電灯の製造方法 Pending JPH0864136A (ja)

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