JPH0862277A - 送電線故障点標定装置 - Google Patents
送電線故障点標定装置Info
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- JPH0862277A JPH0862277A JP6195242A JP19524294A JPH0862277A JP H0862277 A JPH0862277 A JP H0862277A JP 6195242 A JP6195242 A JP 6195242A JP 19524294 A JP19524294 A JP 19524294A JP H0862277 A JPH0862277 A JP H0862277A
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- Y04S—SYSTEMS INTEGRATING TECHNOLOGIES RELATED TO POWER NETWORK OPERATION, COMMUNICATION OR INFORMATION TECHNOLOGIES FOR IMPROVING THE ELECTRICAL POWER GENERATION, TRANSMISSION, DISTRIBUTION, MANAGEMENT OR USAGE, i.e. SMART GRIDS
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- Y04S10/50—Systems or methods supporting the power network operation or management, involving a certain degree of interaction with the load-side end user applications
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 落雷点あるいは電気事故によるサージ電流発
生点(サージ電流発生点)を高い信頼性をもって高精度
に標定し得る送電線故障点標定装置を提供する。 【構成】 各子局10のセンサ部5は、架空地線1に矢
印9で示すように落雷等が発生した場合に生じるサージ
電流を検出し、この検出したサージ電流を本体部7で処
理した後、この処理したサージ電流に関する情報を送信
回路部19から伝送路に送出し、この送出された情報を
伝送路の左端に接続されている親局20に伝達する。親
局20は、各子局10から受信したサージ電流のレベル
に関する情報に基づいてサージ電流発生点を標定するよ
うになっている。
生点(サージ電流発生点)を高い信頼性をもって高精度
に標定し得る送電線故障点標定装置を提供する。 【構成】 各子局10のセンサ部5は、架空地線1に矢
印9で示すように落雷等が発生した場合に生じるサージ
電流を検出し、この検出したサージ電流を本体部7で処
理した後、この処理したサージ電流に関する情報を送信
回路部19から伝送路に送出し、この送出された情報を
伝送路の左端に接続されている親局20に伝達する。親
局20は、各子局10から受信したサージ電流のレベル
に関する情報に基づいてサージ電流発生点を標定するよ
うになっている。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、架空地線に落雷等によ
って発生するサージ電流を検出し、該サージ電流に基づ
いてサージ電流発生点を標定する送電線故障点標定装置
に関する。
って発生するサージ電流を検出し、該サージ電流に基づ
いてサージ電流発生点を標定する送電線故障点標定装置
に関する。
【0002】
【従来の技術】この種の故障点標定装置としては、従
来、サージ電流の到達時間を検出し、この検出したサー
ジ電流の到達時間にサージ電流の伝搬速度を乗じて、サ
ージ電流の発生した故障点までの距離を算出することに
より、故障点を標定する等の種々の装置が開発されてい
る。
来、サージ電流の到達時間を検出し、この検出したサー
ジ電流の到達時間にサージ電流の伝搬速度を乗じて、サ
ージ電流の発生した故障点までの距離を算出することに
より、故障点を標定する等の種々の装置が開発されてい
る。
【0003】図10は、従来の故障点標定装置の動作原
理を示す説明図である。同図に示す故障点標定装置は、
電力線を伝搬するサージ電流の到達時間差を検出して故
障点を標定するサージ受信方式のものであり、図10に
おいて電力線171の途中に落雷等によって発生したサ
ージ電流は電力線をその両端方向に伝搬し、t1 時間後
に電力線の左端の親局172に到達し、t2 時間後に電
力線の右端の子局173に到達する。この子局173は
サージ電流を受信すると、高周波信号(返送信号)を伝
送路を介して親局172に直ちに送出する。この高周波
返送信号は故障の発生からt1 +2×t2 時間後に親局
に到着する。
理を示す説明図である。同図に示す故障点標定装置は、
電力線を伝搬するサージ電流の到達時間差を検出して故
障点を標定するサージ受信方式のものであり、図10に
おいて電力線171の途中に落雷等によって発生したサ
ージ電流は電力線をその両端方向に伝搬し、t1 時間後
に電力線の左端の親局172に到達し、t2 時間後に電
力線の右端の子局173に到達する。この子局173は
サージ電流を受信すると、高周波信号(返送信号)を伝
送路を介して親局172に直ちに送出する。この高周波
返送信号は故障の発生からt1 +2×t2 時間後に親局
に到着する。
【0004】従って、親局はサージ電流を直接受信した
時点と子局からの高周波信号を受信するまでの時間差t
d =2×t2 を算出することにより、子局からサージ電
流の発生した故障点までの距離L2 を次式のように求め
ることができる。
時点と子局からの高周波信号を受信するまでの時間差t
d =2×t2 を算出することにより、子局からサージ電
流の発生した故障点までの距離L2 を次式のように求め
ることができる。
【0005】L2 =td /2×VP =t2×VP ここで、VP はサージ電流の伝搬速度である。
【0006】図11は、従来の他の故障点標定装置の動
作原理を示す説明図である。同図に示す故障点標定装置
は、電力線に高周波インパルスを送出し、この高周波イ
ンパルスが故障点で反射してくる時間を検出し、この時
間と高周波インパルスの伝搬速度に基づいて故障点を標
定するパルスレーダ方式のものであり、図11において
送電線故障検出リレーからの起動によって送電線に高周
波インパルスを送出し、このインパルスが故障点で反射
して戻ってくるまでの時間tを測定する。この時間tは
故障点までの距離をLとし、高周波インパルスの伝搬速
度をVP とすると、 t=2L/VP であるので、故障点までの距離Lは次式から算出するこ
とができる。
作原理を示す説明図である。同図に示す故障点標定装置
は、電力線に高周波インパルスを送出し、この高周波イ
ンパルスが故障点で反射してくる時間を検出し、この時
間と高周波インパルスの伝搬速度に基づいて故障点を標
定するパルスレーダ方式のものであり、図11において
送電線故障検出リレーからの起動によって送電線に高周
波インパルスを送出し、このインパルスが故障点で反射
して戻ってくるまでの時間tを測定する。この時間tは
故障点までの距離をLとし、高周波インパルスの伝搬速
度をVP とすると、 t=2L/VP であるので、故障点までの距離Lは次式から算出するこ
とができる。
【0007】L=t/2×VP 図12は、従来の別の故障点標定装置の動作原理を示す
説明図である。同図に示す故障点標定装置は、50Hz
の故障電流、電圧の値を変電所端で検出して故障点を標
定するインピーダンス方式のものであり、図12におい
て送電線のA端〜B端のインピーダンスをZ、A端〜故
障点FのインピーダンスをαZ、B端〜故障点Fのイン
ピーダンスを(1−α)Zとすると、A端およびB端に
おける故障時の電圧VA ,VB および電流IA ,IB の
関係は、故障点Fの電圧をVF とすると次式のようにな
る。
説明図である。同図に示す故障点標定装置は、50Hz
の故障電流、電圧の値を変電所端で検出して故障点を標
定するインピーダンス方式のものであり、図12におい
て送電線のA端〜B端のインピーダンスをZ、A端〜故
障点FのインピーダンスをαZ、B端〜故障点Fのイン
ピーダンスを(1−α)Zとすると、A端およびB端に
おける故障時の電圧VA ,VB および電流IA ,IB の
関係は、故障点Fの電圧をVF とすると次式のようにな
る。
【0008】VA −VF =αZIA VB −VF =(1−α)ZIB ここで、VF を消去し、αについて解くと、 α=(VA −VB +ZIB )/{Z(IA +IB )} となる。
【0009】従って、送電線のインピーダンスは長さに
比例するので、送電線の全長をLとすると、A端から故
障点Fまでの距離は、αLとして求めることができる。
比例するので、送電線の全長をLとすると、A端から故
障点Fまでの距離は、αLとして求めることができる。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】上述した従来の故障点
標定装置のうち、図10に示すサージ受信方式のものに
おいては、送電線の故障サージの伝搬速度は送電線の電
線実長と亘長に差があることなどから、見かけ上光速度
の97〜99%程度といわれ、これが系統毎に異なるた
め、故障点までの距離標定に誤差を生じるという問題が
ある。この方式におけるサージ電圧を検出するための両
端の等価しきい値を必ずしも同一に設定できないこと、
また、波形の変歪により両端の到着波形が異なる場合が
あること、複雑なサージ電圧波形に対して対応する適切
な閾値設定が困難なこと、などからサージ電圧の検出時
間差に相当する標定誤差を生じるという問題がある。
標定装置のうち、図10に示すサージ受信方式のものに
おいては、送電線の故障サージの伝搬速度は送電線の電
線実長と亘長に差があることなどから、見かけ上光速度
の97〜99%程度といわれ、これが系統毎に異なるた
め、故障点までの距離標定に誤差を生じるという問題が
ある。この方式におけるサージ電圧を検出するための両
端の等価しきい値を必ずしも同一に設定できないこと、
また、波形の変歪により両端の到着波形が異なる場合が
あること、複雑なサージ電圧波形に対して対応する適切
な閾値設定が困難なこと、などからサージ電圧の検出時
間差に相当する標定誤差を生じるという問題がある。
【0011】また、図11に示すパルスレーダ方式のも
のにおいては、送電線の電線実長と亘長に差があり、故
障点までの距離算定に誤差を生じるという問題があると
ともに、長距離送電線の場合や、送電線に着氷雪を生じ
た場合等に、伝送損失が増大するため、標定可能な距離
が短くなるという問題がある。
のにおいては、送電線の電線実長と亘長に差があり、故
障点までの距離算定に誤差を生じるという問題があると
ともに、長距離送電線の場合や、送電線に着氷雪を生じ
た場合等に、伝送損失が増大するため、標定可能な距離
が短くなるという問題がある。
【0012】更に、図12に示すインピーダンス方式の
ものにおいては、試験標定を行うことができないという
問題がある。
ものにおいては、試験標定を行うことができないという
問題がある。
【0013】また、従来のいずれの方式のものにおいて
も、故障点標定誤差が±1km程度と比較的大きいとい
う問題がある。
も、故障点標定誤差が±1km程度と比較的大きいとい
う問題がある。
【0014】本発明は、上記に鑑みてなされたもので、
その目的とするところは、サージ電流発生点を高い信頼
性をもって高精度に標定し得る送電線故障点標定装置を
提供することにある。
その目的とするところは、サージ電流発生点を高い信頼
性をもって高精度に標定し得る送電線故障点標定装置を
提供することにある。
【0015】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本願第1の発明の送電線故障点標定装置は、架空地
線に落雷等によって発生するサージ電流を検出し、該サ
ージ電流に基づいてサージ電流発生点を標定する送電線
故障点標定装置であって、架空地線上の多数の点にそれ
ぞれ設けられ、架空地線に流れるサージ電流および該サ
ージ電流の流れる方向を検出する複数の検出手段と、該
複数の検出手段のそれぞれに接続され、該複数の検出手
段で検出したサージ電流の所定の周波数成分を抽出し、
この抽出した周波数のレベルをそれぞれ計測する複数の
レベル計測手段と、該複数のレベル計測手段で計測した
サージ電流の所定の周波数のレベル情報および前記検出
手段で検出されたサージ電流の方向情報をそれぞれ伝送
路に送信する複数の送信手段と、該複数の送信手段から
送信される前記サージ電流の所定の周波数のレベル情報
およびサージ電流の方向情報を共通に受信すべく伝送路
に接続された受信手段と、該受信手段で受信された前記
複数の送信手段からの情報を各送信手段毎に分離する分
離手段と、前記受信手段で受信された前記複数の送信手
段からの情報の各受信時刻を計測する受信時刻計測手段
と、前記分離手段で分離された各送信手段毎のサージ電
流の方向情報および前記受信時刻計測手段で計測した受
信時刻に基づいてサージ電流発生点の両側に位置する2
つの検出手段を識別する識別手段と、サージ電流の少な
くとも所定の周波数における架空地線上の伝搬距離に対
する減衰特性を予め計測して、周波数別距離減衰特性と
して記憶した記憶手段と、該記憶手段に記憶した周波数
別距離減衰特性に基づいて前記識別手段で識別した前記
2つの検出手段に対応する2つのレベル計測手段でそれ
ぞれ計測した2つのレベル情報のそれぞれに対して逆算
を行い、この逆算した2つのレベルが一致した点をサー
ジ電流発生点として標定する標定手段とを有することを
要旨とする。
め、本願第1の発明の送電線故障点標定装置は、架空地
線に落雷等によって発生するサージ電流を検出し、該サ
ージ電流に基づいてサージ電流発生点を標定する送電線
故障点標定装置であって、架空地線上の多数の点にそれ
ぞれ設けられ、架空地線に流れるサージ電流および該サ
ージ電流の流れる方向を検出する複数の検出手段と、該
複数の検出手段のそれぞれに接続され、該複数の検出手
段で検出したサージ電流の所定の周波数成分を抽出し、
この抽出した周波数のレベルをそれぞれ計測する複数の
レベル計測手段と、該複数のレベル計測手段で計測した
サージ電流の所定の周波数のレベル情報および前記検出
手段で検出されたサージ電流の方向情報をそれぞれ伝送
路に送信する複数の送信手段と、該複数の送信手段から
送信される前記サージ電流の所定の周波数のレベル情報
およびサージ電流の方向情報を共通に受信すべく伝送路
に接続された受信手段と、該受信手段で受信された前記
複数の送信手段からの情報を各送信手段毎に分離する分
離手段と、前記受信手段で受信された前記複数の送信手
段からの情報の各受信時刻を計測する受信時刻計測手段
と、前記分離手段で分離された各送信手段毎のサージ電
流の方向情報および前記受信時刻計測手段で計測した受
信時刻に基づいてサージ電流発生点の両側に位置する2
つの検出手段を識別する識別手段と、サージ電流の少な
くとも所定の周波数における架空地線上の伝搬距離に対
する減衰特性を予め計測して、周波数別距離減衰特性と
して記憶した記憶手段と、該記憶手段に記憶した周波数
別距離減衰特性に基づいて前記識別手段で識別した前記
2つの検出手段に対応する2つのレベル計測手段でそれ
ぞれ計測した2つのレベル情報のそれぞれに対して逆算
を行い、この逆算した2つのレベルが一致した点をサー
ジ電流発生点として標定する標定手段とを有することを
要旨とする。
【0016】また、本願第2の発明の送電線故障点標定
装置は、架空地線に落雷等によって発生するサージ電流
を検出し、該サージ電流に基づいてサージ電流発生点を
標定する送電線故障点標定装置であって、架空地線上の
多数の点にそれぞれ設けられ、架空地線に流れるサージ
電流および該サージ電流の流れる方向を検出する複数の
検出手段と、該複数の検出手段のそれぞれに接続され、
該複数の検出手段で検出したサージ電流の第1の所定の
周波数成分と第2の所定の周波数成分を抽出し、この抽
出した第1および第2の周波数のレベルをそれぞれ計測
する複数のレベル計測手段と、該複数のレベル計測手段
で計測したサージ電流の第1および第2の所定の周波数
のレベルの比率であるレベル比を算出する複数のレベル
比算出手段と、該複数のレベル比算出手段で算出したレ
ベル比情報および前記複数の検出手段で検出されたサー
ジ電流の方向情報をそれぞれ伝送路に送信する複数の送
信手段と、該複数の送信手段から送信される前記レベル
比情報およびサージ電流の方向情報を共通に受信すべく
伝送路に接続された受信手段と、該受信手段で受信され
た前記複数の送信手段からの情報を各送信手段毎に分離
する分離手段と、前記受信手段で受信された前記複数の
送信手段からの情報の各受信時刻を計測する受信時刻計
測手段と、前記分離手段で分離された各送信手段毎のサ
ージ電流の方向情報および前記受信時刻計測手段で計測
した受信時刻に基づいてサージ電流発生点の両側に位置
する2つの検出手段を識別する識別手段と、サージ電流
の少なくとも第1および第2の所定の周波数のレベル比
の架空地線上の伝搬距離に対する減衰特性を予め計測し
て、周波数比別距離減衰特性として記憶した記憶手段
と、該記憶手段に記憶した周波数比別距離減衰特性に基
づいて、前記識別手段で識別した前記2つの検出手段に
対応する2つのレベル比算出手段でそれぞれ算出した2
つのレベル比に対して逆算を行い、この逆算した2つの
レベル比が一致した点をサージ電流発生点として標定す
る標定手段とを有することを要旨とする。
装置は、架空地線に落雷等によって発生するサージ電流
を検出し、該サージ電流に基づいてサージ電流発生点を
標定する送電線故障点標定装置であって、架空地線上の
多数の点にそれぞれ設けられ、架空地線に流れるサージ
電流および該サージ電流の流れる方向を検出する複数の
検出手段と、該複数の検出手段のそれぞれに接続され、
該複数の検出手段で検出したサージ電流の第1の所定の
周波数成分と第2の所定の周波数成分を抽出し、この抽
出した第1および第2の周波数のレベルをそれぞれ計測
する複数のレベル計測手段と、該複数のレベル計測手段
で計測したサージ電流の第1および第2の所定の周波数
のレベルの比率であるレベル比を算出する複数のレベル
比算出手段と、該複数のレベル比算出手段で算出したレ
ベル比情報および前記複数の検出手段で検出されたサー
ジ電流の方向情報をそれぞれ伝送路に送信する複数の送
信手段と、該複数の送信手段から送信される前記レベル
比情報およびサージ電流の方向情報を共通に受信すべく
伝送路に接続された受信手段と、該受信手段で受信され
た前記複数の送信手段からの情報を各送信手段毎に分離
する分離手段と、前記受信手段で受信された前記複数の
送信手段からの情報の各受信時刻を計測する受信時刻計
測手段と、前記分離手段で分離された各送信手段毎のサ
ージ電流の方向情報および前記受信時刻計測手段で計測
した受信時刻に基づいてサージ電流発生点の両側に位置
する2つの検出手段を識別する識別手段と、サージ電流
の少なくとも第1および第2の所定の周波数のレベル比
の架空地線上の伝搬距離に対する減衰特性を予め計測し
て、周波数比別距離減衰特性として記憶した記憶手段
と、該記憶手段に記憶した周波数比別距離減衰特性に基
づいて、前記識別手段で識別した前記2つの検出手段に
対応する2つのレベル比算出手段でそれぞれ算出した2
つのレベル比に対して逆算を行い、この逆算した2つの
レベル比が一致した点をサージ電流発生点として標定す
る標定手段とを有することを要旨とする。
【0017】本願第3の発明の架空地線故障点標定装置
は、架空地線に落雷等によって発生するサージ電流を検
出し、該サージ電流に基づいて落雷の発生した故障点を
標定する送電線故障点標定装置であって、サージ電流発
生点から近い鉄塔で架空地線に接続され、鉄塔の近傍に
おける架空地線に流れるサージ電流を検出する検出手段
と、サージ電流発生点から遠方で検出される電力線から
架空地線上に誘導される誘導成分を前記検出手段で検出
されたサージ電流から減算して、サージ電流の直接成分
を算出する直接成分算出手段と、該直接成分算出手段で
算出した直接成分に基づいてサージ電流発生点を標定す
る標定手段とを有することを特徴とする。
は、架空地線に落雷等によって発生するサージ電流を検
出し、該サージ電流に基づいて落雷の発生した故障点を
標定する送電線故障点標定装置であって、サージ電流発
生点から近い鉄塔で架空地線に接続され、鉄塔の近傍に
おける架空地線に流れるサージ電流を検出する検出手段
と、サージ電流発生点から遠方で検出される電力線から
架空地線上に誘導される誘導成分を前記検出手段で検出
されたサージ電流から減算して、サージ電流の直接成分
を算出する直接成分算出手段と、該直接成分算出手段で
算出した直接成分に基づいてサージ電流発生点を標定す
る標定手段とを有することを特徴とする。
【0018】
【作用】本願第1の発明の送電線故障点標定装置では、
架空地線上の多数の点に設けられた複数の検出手段で架
空地線に流れるサージ電流および該サージ電流の流れる
方向を検出し、この検出したサージ電流の所定の周波数
のレベルを計測し、この計測したサージ電流の所定の周
波数のレベル情報およびサージ電流の方向情報を伝送路
に送信し、この送信されたサージ電流の所定の周波数の
レベル情報およびサージ電流の方向情報を受信手段で共
通に受信し、この受信したサージ電流の方向情報および
その受信時刻に基づいてサージ電流発生点の両側に位置
する2つの検出手段を識別するとともに、サージ電流の
架空地線上の伝搬距離に対する減衰特性を予め周波数別
距離減衰特性として記憶しておき、この記憶した周波数
別距離減衰特性に基づいて前記識別した2つの検出手段
に対応する2つのレベル計測手段でそれぞれ計測した2
つのレベル情報のそれぞれに対して逆算を行い、この逆
算した2つのレベルが一致した点をサージ電流発生点と
して標定する。
架空地線上の多数の点に設けられた複数の検出手段で架
空地線に流れるサージ電流および該サージ電流の流れる
方向を検出し、この検出したサージ電流の所定の周波数
のレベルを計測し、この計測したサージ電流の所定の周
波数のレベル情報およびサージ電流の方向情報を伝送路
に送信し、この送信されたサージ電流の所定の周波数の
レベル情報およびサージ電流の方向情報を受信手段で共
通に受信し、この受信したサージ電流の方向情報および
その受信時刻に基づいてサージ電流発生点の両側に位置
する2つの検出手段を識別するとともに、サージ電流の
架空地線上の伝搬距離に対する減衰特性を予め周波数別
距離減衰特性として記憶しておき、この記憶した周波数
別距離減衰特性に基づいて前記識別した2つの検出手段
に対応する2つのレベル計測手段でそれぞれ計測した2
つのレベル情報のそれぞれに対して逆算を行い、この逆
算した2つのレベルが一致した点をサージ電流発生点と
して標定する。
【0019】また、本願第2の発明の送電線故障点標定
装置では、架空地線上の多数の点にそれぞれ設けられた
複数の検出手段で架空地線に流れるサージ電流および該
サージ電流の流れる方向を検出し、この検出したサージ
電流の第1の所定の周波数と第2の所定の周波数のレベ
ルを計測し、この計測したサージ電流の第1および第2
の所定の周波数のレベルの比率であるレベル比を算出
し、この算出したレベル比情報およびサージ電流の方向
情報を伝送路に送信し、この送信されるレベル比情報お
よびサージ電流の方向情報を受信手段で共通に受信し、
この受信したサージ電流の方向情報およびその受信時刻
に基づいてサージ電流が発生した故障点の両側に位置す
る2つの検出手段を識別するとともに、サージ電流の第
1および第2の所定の周波数のレベル比の架空地線上の
伝搬距離に対する減衰特性を予め周波数比例距離減衰特
性として記憶しておき、この記憶した周波数比別距離減
衰特性に基づいて、前記2つの検出手段に対応する2つ
のレベル比算出手段でそれぞれ算出した2つのレベル比
に対して逆算を行い、この逆算した2つのレベル比が一
致した点を故障点として標定する。
装置では、架空地線上の多数の点にそれぞれ設けられた
複数の検出手段で架空地線に流れるサージ電流および該
サージ電流の流れる方向を検出し、この検出したサージ
電流の第1の所定の周波数と第2の所定の周波数のレベ
ルを計測し、この計測したサージ電流の第1および第2
の所定の周波数のレベルの比率であるレベル比を算出
し、この算出したレベル比情報およびサージ電流の方向
情報を伝送路に送信し、この送信されるレベル比情報お
よびサージ電流の方向情報を受信手段で共通に受信し、
この受信したサージ電流の方向情報およびその受信時刻
に基づいてサージ電流が発生した故障点の両側に位置す
る2つの検出手段を識別するとともに、サージ電流の第
1および第2の所定の周波数のレベル比の架空地線上の
伝搬距離に対する減衰特性を予め周波数比例距離減衰特
性として記憶しておき、この記憶した周波数比別距離減
衰特性に基づいて、前記2つの検出手段に対応する2つ
のレベル比算出手段でそれぞれ算出した2つのレベル比
に対して逆算を行い、この逆算した2つのレベル比が一
致した点を故障点として標定する。
【0020】本願第3の発明の送電線故障点標定装置で
は、サージ電流発生点から近い鉄塔で架空地線に接続さ
れた検出手段で鉄塔の近傍における架空地線に流れるサ
ージ電流を検出し、サージ電流発生点から遠方で検出さ
れる電力線から架空地線上に誘導される誘導成分を前記
検出したサージ電流から減算して、サージ電流の直接成
分を算出し、この直接成分に基づいてサージ電流発生点
を標定する。
は、サージ電流発生点から近い鉄塔で架空地線に接続さ
れた検出手段で鉄塔の近傍における架空地線に流れるサ
ージ電流を検出し、サージ電流発生点から遠方で検出さ
れる電力線から架空地線上に誘導される誘導成分を前記
検出したサージ電流から減算して、サージ電流の直接成
分を算出し、この直接成分に基づいてサージ電流発生点
を標定する。
【0021】
【実施例】以下、図面を用いて本発明の実施例を説明す
る。
る。
【0022】図1は、本発明の第1の実施例に係わる送
電線故障点標定装置の全体的構成を示す図である。同図
において、架空地線1は適当な間隔で複数の鉄塔3によ
って支持されるとともに該鉄塔3を介して接地されてい
る。なお、同図では、図の複雑化を避けるために架空地
線1に並行して設けられている電力線は図示されていな
い。
電線故障点標定装置の全体的構成を示す図である。同図
において、架空地線1は適当な間隔で複数の鉄塔3によ
って支持されるとともに該鉄塔3を介して接地されてい
る。なお、同図では、図の複雑化を避けるために架空地
線1に並行して設けられている電力線は図示されていな
い。
【0023】架空地線1には、適当な間隔で複数の子局
10のセンサ部5が接続されている。本実施例では、子
局10のセンサ部5は、5本毎の鉄塔の近傍の架空地線
1に接続されている。また、該センサ部5は本体部7に
接続され、子局10はセンサ部5と本体部7から構成さ
れている。
10のセンサ部5が接続されている。本実施例では、子
局10のセンサ部5は、5本毎の鉄塔の近傍の架空地線
1に接続されている。また、該センサ部5は本体部7に
接続され、子局10はセンサ部5と本体部7から構成さ
れている。
【0024】各子局10のセンサ部5は、架空地線1に
矢印で示すように落雷9等が発生した場合に生じるサー
ジ電流を検出し、この検出したサージ電流を本体部7で
処理した後、この処理したサージ電流に関する情報を送
信回路部19から伝送路に送出し、この送出された情報
を伝送路の左端に接続されている親局20に伝達するよ
うになっている。また、親局20は、各子局10から受
信したサージ電流に関する情報に基づいて後で詳しく説
明するようにサージ電流発生点を標定するようになって
いる。
矢印で示すように落雷9等が発生した場合に生じるサー
ジ電流を検出し、この検出したサージ電流を本体部7で
処理した後、この処理したサージ電流に関する情報を送
信回路部19から伝送路に送出し、この送出された情報
を伝送路の左端に接続されている親局20に伝達するよ
うになっている。また、親局20は、各子局10から受
信したサージ電流に関する情報に基づいて後で詳しく説
明するようにサージ電流発生点を標定するようになって
いる。
【0025】子局10は、図2に示すように、架空地線
1に接続され、落雷等によるサージ電流を検出する例え
ば電流トランスからなるセンサ11、該センサ11で検
出したサージ電流の所定の周波数成分を抽出する例えば
フィルタ等からなる周波数成分抽出回路13、該周波数
成分抽出回路13で抽出された所定の周波数のレベルを
計測するレベル計測回路15、落雷等によって架空地線
1に発生したサージ電流の方向を示す極性を判定する極
性判定回路17、および前記レベル計測回路15で計測
したレベル情報および極性判定回路17で判定した極性
情報を伝送路に送出する送信回路部19から構成され、
このうち、センサ11が前記センサ部5を構成し、その
他の周波数成分抽出回路13、レベル計測回路15、極
性判定回路17および送信回路部19が前記本体部7を
構成している。
1に接続され、落雷等によるサージ電流を検出する例え
ば電流トランスからなるセンサ11、該センサ11で検
出したサージ電流の所定の周波数成分を抽出する例えば
フィルタ等からなる周波数成分抽出回路13、該周波数
成分抽出回路13で抽出された所定の周波数のレベルを
計測するレベル計測回路15、落雷等によって架空地線
1に発生したサージ電流の方向を示す極性を判定する極
性判定回路17、および前記レベル計測回路15で計測
したレベル情報および極性判定回路17で判定した極性
情報を伝送路に送出する送信回路部19から構成され、
このうち、センサ11が前記センサ部5を構成し、その
他の周波数成分抽出回路13、レベル計測回路15、極
性判定回路17および送信回路部19が前記本体部7を
構成している。
【0026】また、親局20は、図3に示すように、伝
送路に接続され、各子局10からの情報を受信する受信
回路21、該受信回路21で受信した各情報を各子局1
0毎に分離する子局情報分離回路23、前記受信回路2
1で受信した各子局10からの情報の受信時刻を計測す
る受信時刻計測回路25、および子局情報分離回路23
からの各子局10の情報および受信時刻情報に基づいて
サージ電流発生点を標定する標定処理回路27から構成
されている。
送路に接続され、各子局10からの情報を受信する受信
回路21、該受信回路21で受信した各情報を各子局1
0毎に分離する子局情報分離回路23、前記受信回路2
1で受信した各子局10からの情報の受信時刻を計測す
る受信時刻計測回路25、および子局情報分離回路23
からの各子局10の情報および受信時刻情報に基づいて
サージ電流発生点を標定する標定処理回路27から構成
されている。
【0027】次に、上述した実施例の作用を説明する前
に、本発明に関連するサージ電流および架空地線1の特
性および解析結果について説明する。
に、本発明に関連するサージ電流および架空地線1の特
性および解析結果について説明する。
【0028】架空地線1上のサージ電流を解析するため
に、架空地線1、鉄塔3、および架空地線1と並行して
敷設されている電力線30からなる送電線のモデルを考
え、その中央の鉄塔3で落雷あるいは電気事故によるサ
ージ電流が発生したとして、そのサージ電流を解析し
た。
に、架空地線1、鉄塔3、および架空地線1と並行して
敷設されている電力線30からなる送電線のモデルを考
え、その中央の鉄塔3で落雷あるいは電気事故によるサ
ージ電流が発生したとして、そのサージ電流を解析し
た。
【0029】サージ電流は架空地線1上を伝搬する際
に、伝搬距離により波形が変化し、サージ電流に含まれ
る周波数成分が変化していることが分かった。
に、伝搬距離により波形が変化し、サージ電流に含まれ
る周波数成分が変化していることが分かった。
【0030】サージ電流解析の結果として、サージ電流
中の周波数をパラメータとした伝搬距離(通過鉄塔基
数)に対する減衰率を図4に示す。
中の周波数をパラメータとした伝搬距離(通過鉄塔基
数)に対する減衰率を図4に示す。
【0031】この図から、周波数による距離減衰特性は
1〜100kHz程度では、減衰量(減衰率)と伝搬距
離(通過鉄塔基数)には一定の関係があることがわかっ
た。
1〜100kHz程度では、減衰量(減衰率)と伝搬距
離(通過鉄塔基数)には一定の関係があることがわかっ
た。
【0032】したがって、本発明の故障点標定装置で
は、この周波数別の距離減衰特性利用して、落雷あるい
は電気事故によってサージ電流の発生した故障点を標定
するようになっている。
は、この周波数別の距離減衰特性利用して、落雷あるい
は電気事故によってサージ電流の発生した故障点を標定
するようになっている。
【0033】なお送電線モデルにおいて、架空地線1や
鉄塔3の特性値および送電線の径間長を変更しても、周
波数別の距離減衰特性が大きく変化することはなく、こ
の標定方法を実在する架空送電線に広く適用することが
可能である。
鉄塔3の特性値および送電線の径間長を変更しても、周
波数別の距離減衰特性が大きく変化することはなく、こ
の標定方法を実在する架空送電線に広く適用することが
可能である。
【0034】以上説明したサージ電流および架空地線の
特性、特に図4に示す周波数別距離減衰特性を考慮する
とともに、図5に示す標定原理図に基づいて図1に示す
本実施例の作用を説明する。
特性、特に図4に示す周波数別距離減衰特性を考慮する
とともに、図5に示す標定原理図に基づいて図1に示す
本実施例の作用を説明する。
【0035】図5においては、一番上の横線で示す架空
地線1上に黒丸「・」で鉄塔3を示し、白丸「○」で子
局10のセンサ部5を示し、その下側に鉄塔3の番号を
示している。また、架空地線1の左端には親局20が接
続されていることが示されている。なお、白丸で示すセ
ンサ部5の位置にも当然鉄塔3があるものである。
地線1上に黒丸「・」で鉄塔3を示し、白丸「○」で子
局10のセンサ部5を示し、その下側に鉄塔3の番号を
示している。また、架空地線1の左端には親局20が接
続されていることが示されている。なお、白丸で示すセ
ンサ部5の位置にも当然鉄塔3があるものである。
【0036】そして、鉄塔番号10の鉄塔3の所に矢印
で示すように、落雷が発生し、この10番の鉄塔3を中
心に両側の架空地線1上にサージ電流が流れたことが示
されている。
で示すように、落雷が発生し、この10番の鉄塔3を中
心に両側の架空地線1上にサージ電流が流れたことが示
されている。
【0037】このように、10番の鉄塔3に落雷等が発
生すると、この10番の鉄塔3から左右に架空地線1に
サージ電流が流れ、このサージ電流は1番,6番,11
番,16番および21番鉄塔の鉄塔3の所に設けられて
いるそれぞれのセンサ部5のセンサ11によって検出さ
れる。
生すると、この10番の鉄塔3から左右に架空地線1に
サージ電流が流れ、このサージ電流は1番,6番,11
番,16番および21番鉄塔の鉄塔3の所に設けられて
いるそれぞれのセンサ部5のセンサ11によって検出さ
れる。
【0038】これらの鉄塔のセンサ11によってそれぞ
れ検出されたサージ電流は、それぞれ図2に示す子局1
0の周波数成分抽出回路13および極性判定回路17に
供給される。
れ検出されたサージ電流は、それぞれ図2に示す子局1
0の周波数成分抽出回路13および極性判定回路17に
供給される。
【0039】これらの子局10の各極性判定回路17に
おいては、センサ11から供給されたサージ電流の信号
からその極性、すなわちサージ電流の流れる方向が判定
される。図5に示す例では、1番,6番鉄塔の極性判定
回路17では、サージ電流の流れる方向は左向きであ
り、11番,16番および21番鉄塔の極性判定回路1
7では、サージ電流の流れる方向は右向きであることが
判定される。
おいては、センサ11から供給されたサージ電流の信号
からその極性、すなわちサージ電流の流れる方向が判定
される。図5に示す例では、1番,6番鉄塔の極性判定
回路17では、サージ電流の流れる方向は左向きであ
り、11番,16番および21番鉄塔の極性判定回路1
7では、サージ電流の流れる方向は右向きであることが
判定される。
【0040】該周波数成分注出回路13においてサージ
電流の所定の周波数成分、本実施例においては10kH
zの周波数成分が注出され、この注出された10kHz
の周波数成分のレベルがレベル計測回路15において測
定される。今、一例として6番の子局10のレベル計測
回路15による検出レベルは920Aで、11番の子局
10のレベル計測回路15による検出レベルは3.8k
Aであるとする。
電流の所定の周波数成分、本実施例においては10kH
zの周波数成分が注出され、この注出された10kHz
の周波数成分のレベルがレベル計測回路15において測
定される。今、一例として6番の子局10のレベル計測
回路15による検出レベルは920Aで、11番の子局
10のレベル計測回路15による検出レベルは3.8k
Aであるとする。
【0041】以上のように、6番および11番の各子局
10においてそれぞれ得られたサージ電流の検出レベル
(例えば、上述した920Aおよび3.8kA)および
サージ電流の流れ方向(例えば、上述した左向きおよび
右向き)の各情報は、各子局10の送信回路部19から
伝送路に送出され、親局20の受信回路21で受信され
る。
10においてそれぞれ得られたサージ電流の検出レベル
(例えば、上述した920Aおよび3.8kA)および
サージ電流の流れ方向(例えば、上述した左向きおよび
右向き)の各情報は、各子局10の送信回路部19から
伝送路に送出され、親局20の受信回路21で受信され
る。
【0042】親局20は、受信回路21で受信した各子
局10からの情報を子局情報分離回路23において各子
局10毎の情報に分離して、標定処理回路27に供給す
るとともに、該情報を受信した時刻を受信時刻計測回路
25で計測し、この受信時刻情報も標定処理回路27に
供給する。
局10からの情報を子局情報分離回路23において各子
局10毎の情報に分離して、標定処理回路27に供給す
るとともに、該情報を受信した時刻を受信時刻計測回路
25で計測し、この受信時刻情報も標定処理回路27に
供給する。
【0043】親局20の標定処理回路27は、6番およ
び11番の各子局10から受信したサージ電流の流れ方
向および受信時刻の情報に基づき、該サージ電流の流れ
方向がそれぞれ左向きと右向きというように反対方向で
あることから、サージ電流を発生した落雷は6番と11
番の子局10の間、すなわち6番と11番の鉄塔3の間
に発生したと判断することができる。そして、標定処理
回路27は、このように落雷点、すなわちサージ電流発
生点の発生区間を特定すると、この区間を特定している
6番と11番の子局10で検出したサージ電流の所定の
周波数である10kHzにおける検出レベルの値(すな
わち、上述した920Aと3.8kA)、および前述し
た図4に示す周波数別距離減衰特性に基づいてサージ電
流発生点を標定する。
び11番の各子局10から受信したサージ電流の流れ方
向および受信時刻の情報に基づき、該サージ電流の流れ
方向がそれぞれ左向きと右向きというように反対方向で
あることから、サージ電流を発生した落雷は6番と11
番の子局10の間、すなわち6番と11番の鉄塔3の間
に発生したと判断することができる。そして、標定処理
回路27は、このように落雷点、すなわちサージ電流発
生点の発生区間を特定すると、この区間を特定している
6番と11番の子局10で検出したサージ電流の所定の
周波数である10kHzにおける検出レベルの値(すな
わち、上述した920Aと3.8kA)、および前述し
た図4に示す周波数別距離減衰特性に基づいてサージ電
流発生点を標定する。
【0044】更に詳しくは、親局20は、図4に示すよ
うな周波数別距離減衰特性を予め計測し、図示しないメ
モリに記憶している。特に、本実施例のようにサージ電
流のレベルを検出する所定の周波数として、例えば10
kHzの周波数を使用する場合には、該周波数における
伝搬距離または鉄塔の数に対する該周波数におけるサー
ジ電流のレベルを予め測定して記憶している。本実施例
において、10kHzの周波数を使用した場合のサージ
電流の減衰は、例えば鉄塔1基通過毎にサージ電流のレ
ベルは0.62減衰するというデータが予め記憶されて
いる。
うな周波数別距離減衰特性を予め計測し、図示しないメ
モリに記憶している。特に、本実施例のようにサージ電
流のレベルを検出する所定の周波数として、例えば10
kHzの周波数を使用する場合には、該周波数における
伝搬距離または鉄塔の数に対する該周波数におけるサー
ジ電流のレベルを予め測定して記憶している。本実施例
において、10kHzの周波数を使用した場合のサージ
電流の減衰は、例えば鉄塔1基通過毎にサージ電流のレ
ベルは0.62減衰するというデータが予め記憶されて
いる。
【0045】従って、親局20の標定処理回路27は、
この鉄塔1基通過毎にサージ電流のレベルが0.62減
衰というデータに基づいて、6番と11番の子局10で
測定したサージ電流の検出レベル920Aと3.8kA
を図5に示すように逆算し、両検出レベルが一致する交
点をサージ電流発生点として標定する。
この鉄塔1基通過毎にサージ電流のレベルが0.62減
衰というデータに基づいて、6番と11番の子局10で
測定したサージ電流の検出レベル920Aと3.8kA
を図5に示すように逆算し、両検出レベルが一致する交
点をサージ電流発生点として標定する。
【0046】具体的には、図5の例では、鉄塔1基通過
毎に0.62の減衰とすると、6番の子局10における
検出レベル920Aは、1基前の7番の鉄塔では1.4
8kA、2基前の8番の鉄塔では2.39kA、3基前
の9番の鉄塔では3.8kA、4基前の10番の鉄塔で
は6.2kAとなり、また11番の子局10における検
出レベル3.8kAは、1基前の10番の鉄塔では約
6.2kAとなり、両者とも10番の鉄塔3のところで
サージ電流のレベルは6.2kAと一致するので、この
10番の鉄塔3の所がサージ電流発生点、すなわち落雷
によってサージ電流が発生した点と標定することができ
る。
毎に0.62の減衰とすると、6番の子局10における
検出レベル920Aは、1基前の7番の鉄塔では1.4
8kA、2基前の8番の鉄塔では2.39kA、3基前
の9番の鉄塔では3.8kA、4基前の10番の鉄塔で
は6.2kAとなり、また11番の子局10における検
出レベル3.8kAは、1基前の10番の鉄塔では約
6.2kAとなり、両者とも10番の鉄塔3のところで
サージ電流のレベルは6.2kAと一致するので、この
10番の鉄塔3の所がサージ電流発生点、すなわち落雷
によってサージ電流が発生した点と標定することができ
る。
【0047】なお、上述した実施例では、標定に使用す
るサージ電流の所定の周波数として、10kHzを使用
したが、この標定に使用する周波数は減衰が周波数に依
存する領域であって、かつ反射によるピークの影響がな
い範囲の1kHz〜100kHzで適当である。
るサージ電流の所定の周波数として、10kHzを使用
したが、この標定に使用する周波数は減衰が周波数に依
存する領域であって、かつ反射によるピークの影響がな
い範囲の1kHz〜100kHzで適当である。
【0048】周波数を選択する場合、減衰特性から分か
るように、低い周波数は減衰率が小さいので比較的長距
離まで伝搬するので、多数のセンサで検出可能となり、
またサージ電流の値が小さい場合にも都合がよい。また
高い周波数は減衰率が大きいが、サージ電流の値の大き
い場合に計測値の飽和を防止するうえで有利である。こ
のように着目する周波数を選択することにより、この方
式の適用範囲を広くすることが可能となる。
るように、低い周波数は減衰率が小さいので比較的長距
離まで伝搬するので、多数のセンサで検出可能となり、
またサージ電流の値が小さい場合にも都合がよい。また
高い周波数は減衰率が大きいが、サージ電流の値の大き
い場合に計測値の飽和を防止するうえで有利である。こ
のように着目する周波数を選択することにより、この方
式の適用範囲を広くすることが可能となる。
【0049】また、上記実施例において、あるセンサが
不動作となり、その計測値が得られない場合でも、サー
ジ電流発生点を間に挟む2つのセンサの組み合せは、1
通りではないので、他の動作したセンサの組を選択する
ことにより、故障点の標定が不可能になることを回避す
ることができる。
不動作となり、その計測値が得られない場合でも、サー
ジ電流発生点を間に挟む2つのセンサの組み合せは、1
通りではないので、他の動作したセンサの組を選択する
ことにより、故障点の標定が不可能になることを回避す
ることができる。
【0050】親局20の受信時刻計測回路25によって
測定される各子局10からの情報の受信時刻は、特に比
較的短い時間に複数の落雷が発生した場合に、各落雷に
よるサージ電流を的確に分離するために使用するもので
ある。
測定される各子局10からの情報の受信時刻は、特に比
較的短い時間に複数の落雷が発生した場合に、各落雷に
よるサージ電流を的確に分離するために使用するもので
ある。
【0051】この点について、図6を参照して説明す
る。図6では、雷#1が時刻t1 に地点(イ)に落雷
し、また雷#2が時刻t2 に地点(ロ)に落雷した場合
を示しているが、このような場合に、2つの子局10の
センサAおよびBに雷サージ電流が到達した時間を考え
ると、センサAでは雷#1が時刻t1Aに到達し、雷#2
が時刻t2Aに到達し、またセンサBでは雷#2が時刻t
2Bに到達し、雷#1が時刻t2Bに到達するということに
なり、到達するサージ電流の順序が逆になっている。
る。図6では、雷#1が時刻t1 に地点(イ)に落雷
し、また雷#2が時刻t2 に地点(ロ)に落雷した場合
を示しているが、このような場合に、2つの子局10の
センサAおよびBに雷サージ電流が到達した時間を考え
ると、センサAでは雷#1が時刻t1Aに到達し、雷#2
が時刻t2Aに到達し、またセンサBでは雷#2が時刻t
2Bに到達し、雷#1が時刻t2Bに到達するということに
なり、到達するサージ電流の順序が逆になっている。
【0052】このような場合に、各センサにおいてサー
ジ電流の到達順序を考慮せずに、単純に各センサで受信
した順にデータを取って標定すると、正しい標定ができ
ないことになるが、本実施例では、親局20の受信時刻
計測回路25によって各子局10からの情報の受信時刻
を測定するとともに、また親局20に各子局10のセン
サ11の設置場所のデータを記憶し、親局20と各子局
10との間の距離およびその間の伝送遅延時間を測定す
ることにより、上述したようにサージ電流の到達順序が
逆になっても的確に標定できるようにしているものであ
る。
ジ電流の到達順序を考慮せずに、単純に各センサで受信
した順にデータを取って標定すると、正しい標定ができ
ないことになるが、本実施例では、親局20の受信時刻
計測回路25によって各子局10からの情報の受信時刻
を測定するとともに、また親局20に各子局10のセン
サ11の設置場所のデータを記憶し、親局20と各子局
10との間の距離およびその間の伝送遅延時間を測定す
ることにより、上述したようにサージ電流の到達順序が
逆になっても的確に標定できるようにしているものであ
る。
【0053】また、このようにすることにより、架空地
線内に設置された光ファイバ等の伝送路が工事等によ
り、その長さや伝送遅延時間が変化した場合でも、定期
的に親局20と各子局10との間の距離、伝送遅延時間
を測定して修正することにより、標定に正しい値を使用
することができる。
線内に設置された光ファイバ等の伝送路が工事等によ
り、その長さや伝送遅延時間が変化した場合でも、定期
的に親局20と各子局10との間の距離、伝送遅延時間
を測定して修正することにより、標定に正しい値を使用
することができる。
【0054】更に、子局10では、サージ電流が到達し
てから、情報を受信するまでに処理時間を必要とし、こ
のため遅延を生じるが、この遅延時間を一定にすること
が可能であり、一定にすることにより、親局20での情
報受信時刻により子局10でのサージ電流の到達時間を
求めることができる。また、子局10でのサージ電流の
到達時刻を求めることにより、雷が短時間の間に多発し
た場合でも、それぞれを的確に識別し、正しい標定を行
うことができる。各時間情報は複数のサージ電流が発生
した場合の識別に使用するものであって、従来のように
サージ電流発生点の位置の標定のために使用するもので
はないので、時間精度を従来のものほど高くする必要は
ない。
てから、情報を受信するまでに処理時間を必要とし、こ
のため遅延を生じるが、この遅延時間を一定にすること
が可能であり、一定にすることにより、親局20での情
報受信時刻により子局10でのサージ電流の到達時間を
求めることができる。また、子局10でのサージ電流の
到達時刻を求めることにより、雷が短時間の間に多発し
た場合でも、それぞれを的確に識別し、正しい標定を行
うことができる。各時間情報は複数のサージ電流が発生
した場合の識別に使用するものであって、従来のように
サージ電流発生点の位置の標定のために使用するもので
はないので、時間精度を従来のものほど高くする必要は
ない。
【0055】なお、受信時刻の測定は、親局20に限ら
ず、各子局10でサージ電流の到達時刻を測定し、この
情報を親局20に送信する方法も可能である。本実施例
では親局20で測定している。
ず、各子局10でサージ電流の到達時刻を測定し、この
情報を親局20に送信する方法も可能である。本実施例
では親局20で測定している。
【0056】図7は、本発明の第2の実施例に係わる架
空地線故障点標定装置に使用される子局101の構成を
示すブロック図である。同図に示す子局101は、図1
に示すものと同じ架空地線1および鉄塔3の構成におい
て子局10の代わりに使用されるものであり、親局20
の構成もまた図3のものと同じである。
空地線故障点標定装置に使用される子局101の構成を
示すブロック図である。同図に示す子局101は、図1
に示すものと同じ架空地線1および鉄塔3の構成におい
て子局10の代わりに使用されるものであり、親局20
の構成もまた図3のものと同じである。
【0057】図7に示す実施例は、上述した第1の実施
例においてサージ電流発生点の標定にレベル計測回路1
5で測定したサージ電流の検出レベルを使用した代わり
として、サージ電流の検出レベル比を使用している点が
異なるのみである。すなわち、図7に示す子局101で
は、センサ11に接続して第1の周波数成分抽出回路5
1と第2の周波数成分抽出回路52とを設け、センサ1
1で検出したサージ電流から、第1の所定の周波数と第
2の所定の周波数の2つの周波数におけるサージ電流の
検出レベルを前記第1の周波数成分抽出回路51および
第2の周波数成分抽出回路52で抽出し、この抽出した
2つの検出レベルをレベル比計算回路53に供給し、該
レベル比計算回路53で2つの検出レベルの比を計算し
ている。
例においてサージ電流発生点の標定にレベル計測回路1
5で測定したサージ電流の検出レベルを使用した代わり
として、サージ電流の検出レベル比を使用している点が
異なるのみである。すなわち、図7に示す子局101で
は、センサ11に接続して第1の周波数成分抽出回路5
1と第2の周波数成分抽出回路52とを設け、センサ1
1で検出したサージ電流から、第1の所定の周波数と第
2の所定の周波数の2つの周波数におけるサージ電流の
検出レベルを前記第1の周波数成分抽出回路51および
第2の周波数成分抽出回路52で抽出し、この抽出した
2つの検出レベルをレベル比計算回路53に供給し、該
レベル比計算回路53で2つの検出レベルの比を計算し
ている。
【0058】そして、親局20においては、第1の実施
例の検出レベルの代わりに、該検出レベル比を使用し、
この検出レベル比に基づいて故障点を標定しており、そ
の他の構成作用は第1の実施例の場合と同じである。
例の検出レベルの代わりに、該検出レベル比を使用し、
この検出レベル比に基づいて故障点を標定しており、そ
の他の構成作用は第1の実施例の場合と同じである。
【0059】図8は、このように検出レベル比で故障点
を標定する場合の標定原理を示す図であるが、前記第1
および第2の所定の周波数として、10kHzおよび3
0kHzを使用している。また、この10kHzおよび
30kHzの周波数を使用した場合の検出レベル比にお
ける鉄塔1基通過毎の減衰は0.76である。なお、こ
の検出レベル比における減衰特性は、予め測定されて、
親局20の図示しないメモリに周波数比別距離伝搬特性
として記憶されているものである。
を標定する場合の標定原理を示す図であるが、前記第1
および第2の所定の周波数として、10kHzおよび3
0kHzを使用している。また、この10kHzおよび
30kHzの周波数を使用した場合の検出レベル比にお
ける鉄塔1基通過毎の減衰は0.76である。なお、こ
の検出レベル比における減衰特性は、予め測定されて、
親局20の図示しないメモリに周波数比別距離伝搬特性
として記憶されているものである。
【0060】図8においては、図5の場合と同様に10
番の鉄塔3に落雷が発生し、これによるサージ電流を6
番と11番の子局10が検出している。そして、この6
番と11番の子局10で測定された第1および第2の周
波数における検出レベルの比は、図示のようにそれぞれ
0.11と0.26であり、この検出レベル比に対して
前記鉄塔1基通過毎の変化特性0.76に基づいて第1
の実施例と同様に逆算を行うことにより、同様に10番
の鉄塔のところで両検出レベル比は一致し、10番の鉄
塔3の所がサージ電流発生点であると標定することがで
きる。
番の鉄塔3に落雷が発生し、これによるサージ電流を6
番と11番の子局10が検出している。そして、この6
番と11番の子局10で測定された第1および第2の周
波数における検出レベルの比は、図示のようにそれぞれ
0.11と0.26であり、この検出レベル比に対して
前記鉄塔1基通過毎の変化特性0.76に基づいて第1
の実施例と同様に逆算を行うことにより、同様に10番
の鉄塔のところで両検出レベル比は一致し、10番の鉄
塔3の所がサージ電流発生点であると標定することがで
きる。
【0061】なお、ここでも、周波数成分のレベル値に
よる標定の場合と同様、サージ電流の値の大小やサージ
電流発生点からセンサまでの距離などを考慮し、周波数
の組合せを選択することにより、この方式を広く適用す
ることが可能となる。
よる標定の場合と同様、サージ電流の値の大小やサージ
電流発生点からセンサまでの距離などを考慮し、周波数
の組合せを選択することにより、この方式を広く適用す
ることが可能となる。
【0062】なお、上記実施例において、1点しか計測
できなかった場合、すなわち1つのセンサの計測値だけ
によっても、ある範囲内での標定が可能である。すなわ
ち、図8において、(A)で示す範囲を雷サージの場合
統計的、経験的に設定しておくことが可能である。この
これにより、レベル比の範囲(A)に相当する伝搬距離
(標定距離)の範囲(B)を求めることができる。
できなかった場合、すなわち1つのセンサの計測値だけ
によっても、ある範囲内での標定が可能である。すなわ
ち、図8において、(A)で示す範囲を雷サージの場合
統計的、経験的に設定しておくことが可能である。この
これにより、レベル比の範囲(A)に相当する伝搬距離
(標定距離)の範囲(B)を求めることができる。
【0063】図9は、本発明の第3の実施例に係わる送
電線故障点標定装置の作用を示す説明図である。図9に
示すように、サージ電流発生点からの遠方の計測データ
から誘導成分を除去して、直接成分を分離し、この直接
成分の周波数別距離減衰特性からサージ電流の発生した
故障点までの距離を標定しようとするものである。
電線故障点標定装置の作用を示す説明図である。図9に
示すように、サージ電流発生点からの遠方の計測データ
から誘導成分を除去して、直接成分を分離し、この直接
成分の周波数別距離減衰特性からサージ電流の発生した
故障点までの距離を標定しようとするものである。
【0064】図9において、落雷点もしくはその近くの
鉄塔で雷電流あるいは電気事故により閃絡が発生する
と、サージ電流の一部は電力線を伝搬し、架空地線のサ
ージ電流は直接成分と、電力線からの誘導成分の和とな
る。
鉄塔で雷電流あるいは電気事故により閃絡が発生する
と、サージ電流の一部は電力線を伝搬し、架空地線のサ
ージ電流は直接成分と、電力線からの誘導成分の和とな
る。
【0065】このとき、遠方に発生した落雷あるいは電
気事故によるサージ電流の直接成分は、鉄塔3にほとん
どの成分が分流してなくなるのに対し、電力線30から
の誘導成分は電力線30の損失が極めて小さいため、遠
方まで伝搬してもほとんど減衰せずその大きさが変わら
ない。また落雷しても閃絡しない場合でも、架空地線か
ら電力線に誘導が生じ、電力線の損失が小さいことか
ら、遠方で電力線から架空地線への再誘導が生じる。
気事故によるサージ電流の直接成分は、鉄塔3にほとん
どの成分が分流してなくなるのに対し、電力線30から
の誘導成分は電力線30の損失が極めて小さいため、遠
方まで伝搬してもほとんど減衰せずその大きさが変わら
ない。また落雷しても閃絡しない場合でも、架空地線か
ら電力線に誘導が生じ、電力線の損失が小さいことか
ら、遠方で電力線から架空地線への再誘導が生じる。
【0066】このため、落雷点あるいは電気事故の発生
した故障点〜遠方においては、電力線30からの誘導成
分のみが検出される。
した故障点〜遠方においては、電力線30からの誘導成
分のみが検出される。
【0067】したがって、落雷点あるいは電気事故の発
生した故障点に近い鉄塔のセンサで検出した値から、遠
方の鉄塔のセンサで検出した値を差し引くことにより、
直接成分を分離して算出することができる。そして、こ
のように算出した直接成分を用いて周波数別距離減衰特
性を参照することにより標定が可能になる。
生した故障点に近い鉄塔のセンサで検出した値から、遠
方の鉄塔のセンサで検出した値を差し引くことにより、
直接成分を分離して算出することができる。そして、こ
のように算出した直接成分を用いて周波数別距離減衰特
性を参照することにより標定が可能になる。
【0068】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
検出手段で検出したサージ電流の方向情報に基づいてサ
ージ電流発生点の両側に位置する2つの検出手段を識別
するとともに、該2つの検出手段に対応する2つのレベ
ル計測手段でそれぞれ計測した2つのレベル情報のそれ
ぞれに対して周波数別距離減衰特性に基づいてまたは第
1および第2の所定の周波数のレベルの比率である2つ
のレベル比のそれぞれに対して周波数比別距離減衰特性
に基づいて逆算を行い、この逆算した2つのレベルがま
たはレベル比が一致した点をサージ電流発生点として標
定するので、高い信頼性をもって故障点を高精度かつ的
確に標定することができるとともに、またあるセンサが
不動作となり、その計測値が得られない場合でも、故障
点を間に挟む2つのセンサの組み合せは、1通りではな
いので、他の動作したセンサを選択し、組合せることに
より、サージ電流発生点の標定が不可能になることを回
避することができる。更に、比較的短い時間に複数のサ
ージ電流が発生した場合(複数事象)でも、受信時刻を
併用することにより、同一事象であることを認識するこ
とが可能で、それぞれの事象ごとに、サージ電流発生点
を高精度に標定することができる。
検出手段で検出したサージ電流の方向情報に基づいてサ
ージ電流発生点の両側に位置する2つの検出手段を識別
するとともに、該2つの検出手段に対応する2つのレベ
ル計測手段でそれぞれ計測した2つのレベル情報のそれ
ぞれに対して周波数別距離減衰特性に基づいてまたは第
1および第2の所定の周波数のレベルの比率である2つ
のレベル比のそれぞれに対して周波数比別距離減衰特性
に基づいて逆算を行い、この逆算した2つのレベルがま
たはレベル比が一致した点をサージ電流発生点として標
定するので、高い信頼性をもって故障点を高精度かつ的
確に標定することができるとともに、またあるセンサが
不動作となり、その計測値が得られない場合でも、故障
点を間に挟む2つのセンサの組み合せは、1通りではな
いので、他の動作したセンサを選択し、組合せることに
より、サージ電流発生点の標定が不可能になることを回
避することができる。更に、比較的短い時間に複数のサ
ージ電流が発生した場合(複数事象)でも、受信時刻を
併用することにより、同一事象であることを認識するこ
とが可能で、それぞれの事象ごとに、サージ電流発生点
を高精度に標定することができる。
【0069】更に、本発明によれば、サージ電流発生点
から近い鉄塔で架空地線に接続された検出手段で架空地
線に流れるサージ電流を検出し、サージ電流発生点から
遠方で検出される電力線から架空地線上に誘導される誘
導成分を前記検出したサージ電流から減算して、サージ
電流の直接成分を算出することにより、この直接成分に
基づいてサージ電流発生点を的確に標定することができ
る。
から近い鉄塔で架空地線に接続された検出手段で架空地
線に流れるサージ電流を検出し、サージ電流発生点から
遠方で検出される電力線から架空地線上に誘導される誘
導成分を前記検出したサージ電流から減算して、サージ
電流の直接成分を算出することにより、この直接成分に
基づいてサージ電流発生点を的確に標定することができ
る。
【図1】本発明の第1の実施例に係わる送電線故障点標
定装置の全体的構成を示す図である。
定装置の全体的構成を示す図である。
【図2】図1に示す送電線故障点標定装置に使用されて
いる子局の構成を示すブロック図である。
いる子局の構成を示すブロック図である。
【図3】図1に示す送電線故障点標定装置に使用されて
いる親局の構成を示すブロック図である。
いる親局の構成を示すブロック図である。
【図4】サージ電流の解析結果として周波数をパラメー
タとした場合の伝搬距離(鉄塔数)に対する減衰を示す
周波数別距離減衰特性を示すグラフである。
タとした場合の伝搬距離(鉄塔数)に対する減衰を示す
周波数別距離減衰特性を示すグラフである。
【図5】図1に示す第1の実施例の標定原理を示す説明
図である。
図である。
【図6】複数の落雷が発生した場合の対応を示す説明図
である。
である。
【図7】本発明の第2の実施例に係わる架空地線故障点
標定装置に使用される子局の構成を示すブロック図であ
る。
標定装置に使用される子局の構成を示すブロック図であ
る。
【図8】図13に示す第2の実施例の標定原理を示す説
明図である。
明図である。
【図9】本発明の第4の実施例に係わる架空地線故障点
標定装置の作用を資す説明図である。
標定装置の作用を資す説明図である。
【図10】従来の故障点標定装置の動作原理を示す説明
図である。
図である。
【図11】従来の他の故障点標定装置の動作原理を示す
説明図である。
説明図である。
【図12】従来の別の故障点標定装置の動作原理を示す
説明図である。
説明図である。
1 架空地線 3 鉄塔 5 センサ部 7 本体部 10,101 子局 11 センサ部 13 周波数成分抽出回路 15 レベル計測回路 17 極性判定回路 19 送信回路部 20 親局 21 受信回路部 23 子局情報分離回路 25 受信時刻計測回路 27 標定処理回路 51 第1の周波数成分抽出回路 52 第2の周波数成分抽出回路 53 レベル比計算回路
Claims (3)
- 【請求項1】 送電線の架空地線に落雷あるいは電気事
故(以降落雷等)によって発生するサージ電流を検出
し、該サージ電流に基づいて落雷点あるいは電気事故に
よるサージ電流発生点(以降サージ電流発生点)の発生
した故障点を標定する送電線故障点標定装置であって、 サージ電流の特定周波数成分のレベル値に着目し、架空
地線上の多数の点においてこれを計測し、さらにサージ
の伝搬方向と到達時間の情報を併用してサージ電流発生
点の位置を標定する方式を利用して、 架空地線上の多数の点にそれぞれ設けられ、架空地線に
流れるサージ電流および該サージ電流の流れる方向を検
出する複数の検出手段と、 該複数の検出手段のそれぞれに接続され、該複数の検出
手段で検出したサージ電流の所定の周波数成分を抽出
し、この抽出した周波数のレベルをそれぞれ計測する複
数のレベル計測手段と、 該複数のレベル計測手段で計測したサージ電流の所定の
周波数のレベル情報および前記検出手段で検出されたサ
ージ電流の方向情報をそれぞれ伝送路に送信する複数の
送信手段と、 該複数の送信手段から送信される前記サージ電流の所定
の周波数のレベル情報およびサージ電流の方向情報を共
通に受信すべく伝送路に接続された受信手段と、 該受信手段で受信された前記複数の送信手段からの情報
を各送信手段毎に分離する分離手段と、 前記受信手段で受信された前記複数の送信手段からの情
報の各受信時刻を計測する受信時刻計測手段と、 前記分離手段で分離された各送信手段毎のサージ電流の
方向情報および前記受信時刻計測手段で計測した受信時
刻に基づいてサージ電流発生点の両側に位置する2つの
検出手段を識別する識別手段と、 サージ電流の少なくとも所定の周波数における架空地線
上の伝搬距離に対する減衰特性を予め計測して、周波数
別距離減衰特性として記憶した記憶手段と、 該記憶手段に記憶した周波数別距離減衰特性に基づいて
前記識別手段で識別した前記2つの検出手段に対応する
2つのレベル計測手段でそれぞれ計測した2つのレベル
情報のそれぞれに対して逆算を行い、この逆算した2つ
のレベルが一致した点をサージ電流発生点として標定す
る標定手段とを有することを特徴とする送電線故障点標
定装置。 - 【請求項2】 送電線の架空地線に落雷等によって発生
するサージ電流を検出し、該サージ電流に基づいてサー
ジ電流発生点を標定する送電線故障点標定装置であっ
て、 サージ電流のうちの(2つの)特定周波数成分のレベル
比に着目し、架空地線上の多数の点においてこれを計測
し、さらにサージ伝搬方向と到達時間の情報を併用して
故障点の位置を標定する方式を利用して、 架空地線上の多数の点にそれぞれ設けられ、架空地線に
流れるサージ電流および該サージ電流の流れる方向を検
出する複数の検出手段と、 該複数の検出手段のそれぞれに接続され、該複数の検出
手段で検出したサージ電流の第1の所定の周波数成分と
第2の所定の周波数成分を抽出し、この抽出した第1お
よび第2の周波数のレベルをそれぞれ計測する複数のレ
ベル計測手段と、 該複数のレベル計測手段で計測したサージ電流の第1お
よび第2の所定の周波数のレベルの比率であるレベル比
を算出する複数のレベル比算出手段と、 該複数のレベル比算出手段で算出したレベル比情報およ
び前記複数の検出手段で検出されたサージ電流の方向情
報をそれぞれ伝送路に送信する複数の送信手段と、 該複数の送信手段から送信される前記レベル比情報およ
びサージ電流の方向情報を共通に受信すべく伝送路に接
続された受信手段と、 該受信手段で受信された前記複数の送信手段からの情報
を各送信手段毎に分離する分離手段と、 前記受信手段で受信された前記複数の送信手段からの情
報の各受信時刻を計測する受信時刻計測手段と、 前記分離手段で分離された各送信手段毎のサージ電流の
方向情報および前記受信時刻計測手段で計測した受信時
刻に基づいてサージ電流発生点の両側に位置する2つの
検出手段を識別する識別手段と、 サージ電流の少なくとも第1および第2の所定の周波数
のレベル比の架空地線上の伝搬距離に対する減衰特性を
予め計測して、周波数比別距離減衰特性として記憶した
記憶手段と、 該記憶手段に記憶した周波数比別距離減衰特性に基づい
て、前記識別手段で識別した前記2つの検出手段に対応
する2つのレベル比算出手段でそれぞれ算出した2つの
レベル比に対して逆算を行い、この逆算した2つのレベ
ル比が一致した点をサージ電流発生点として標定する標
定手段とを有することを特徴とする架空地線故障点標定
装置。 - 【請求項3】 送電線の架空地線に落雷等によって発生
するサージ電流を検出し、該サージ電流に基づいてサー
ジ電流発生点を標定する送電線故障点標定装置であっ
て、 架空地線のサージ電流に電力線からの誘導が含まれてい
る場合に、架空地線に電力線から誘導される誘導成分
を、サージ電流発生点から遠い地点で計測し、それをサ
ージ電流発生点近くの架空地線のサージ電流から差引
き、サージ電流の直接成分を算出する方式を利用して、 架空地線に流れるサージ電流を検出する検出手段と、 電力線から架空地線上に誘導される誘導成分を前記検出
手段で検出されたサージ電流から減算して、サージ電流
の直接成分を算出する直接成分算出手段と、 該直接成分算出手段で算出した直接成分に基づいてサー
ジ電流発生点を標定する標定手段とを有することを特徴
とする送電線故障点標定装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP6195242A JPH0862277A (ja) | 1994-08-19 | 1994-08-19 | 送電線故障点標定装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP6195242A JPH0862277A (ja) | 1994-08-19 | 1994-08-19 | 送電線故障点標定装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0862277A true JPH0862277A (ja) | 1996-03-08 |
Family
ID=16337862
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP6195242A Pending JPH0862277A (ja) | 1994-08-19 | 1994-08-19 | 送電線故障点標定装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0862277A (ja) |
Cited By (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH1137400A (ja) * | 1997-07-18 | 1999-02-12 | Tokyo Gas Co Ltd | パイプラインのサージ電流監視方法 |
CN103235213A (zh) * | 2013-04-03 | 2013-08-07 | 上海交通大学 | 一种输电线路雷电反击和雷电绕击的识别方法 |
CN107748286A (zh) * | 2017-09-01 | 2018-03-02 | 许昌许继软件技术有限公司 | 一种变电站浪涌干扰信号的识别方法及装置 |
CN109844549A (zh) * | 2016-10-11 | 2019-06-04 | 国际商业机器公司 | 基于热分析的计算设备和/或非易失性存储设备的重新配置 |
JP2020522938A (ja) * | 2017-06-02 | 2020-07-30 | オミクロン・エナジー・ソリューションズ・ゲーエムベーハーOmicron Energy Solutions Gmbh | エネルギー伝送網を試験すること及びエネルギー伝送ケーブルの障害箇所を特定すること |
JP2020118602A (ja) * | 2019-01-25 | 2020-08-06 | 株式会社近計システム | 故障点標定装置 |
-
1994
- 1994-08-19 JP JP6195242A patent/JPH0862277A/ja active Pending
Cited By (7)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH1137400A (ja) * | 1997-07-18 | 1999-02-12 | Tokyo Gas Co Ltd | パイプラインのサージ電流監視方法 |
CN103235213A (zh) * | 2013-04-03 | 2013-08-07 | 上海交通大学 | 一种输电线路雷电反击和雷电绕击的识别方法 |
CN109844549A (zh) * | 2016-10-11 | 2019-06-04 | 国际商业机器公司 | 基于热分析的计算设备和/或非易失性存储设备的重新配置 |
JP2020522938A (ja) * | 2017-06-02 | 2020-07-30 | オミクロン・エナジー・ソリューションズ・ゲーエムベーハーOmicron Energy Solutions Gmbh | エネルギー伝送網を試験すること及びエネルギー伝送ケーブルの障害箇所を特定すること |
US11287461B2 (en) | 2017-06-02 | 2022-03-29 | Omicron Energy Solutions Gmbh | Testing an energy transmission network and localizing a fault location in an energy transmission cable |
CN107748286A (zh) * | 2017-09-01 | 2018-03-02 | 许昌许继软件技术有限公司 | 一种变电站浪涌干扰信号的识别方法及装置 |
JP2020118602A (ja) * | 2019-01-25 | 2020-08-06 | 株式会社近計システム | 故障点標定装置 |
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