JPH086191B2 - イオン交換膜式電解法による臭素の濃縮製造方法 - Google Patents

イオン交換膜式電解法による臭素の濃縮製造方法

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JPH086191B2
JPH086191B2 JP62032463A JP3246387A JPH086191B2 JP H086191 B2 JPH086191 B2 JP H086191B2 JP 62032463 A JP62032463 A JP 62032463A JP 3246387 A JP3246387 A JP 3246387A JP H086191 B2 JPH086191 B2 JP H086191B2
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岳彦 高木
茂夫 杉本
茂夫 松岡
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三井東圧化学株式会社
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明はイオン交換膜式電解法による臭素の濃縮製造
方法に関する。
〔従来の技術〕
イオン交換膜式電解法に使用する原塩は、カルシウ
ム、マグネシウムなどの不純物の他に、約10〜500ppm程
度の臭素を含有している。通常、カルシウム、マグネシ
ウムなどの不純物は、原塩を溶解した後、化学的、物理
的処理によって除去せしめ、精製飽和塩水としてイオン
交換膜式電解槽に供給して電解を行なっている。また、
原塩の溶解水として一般に電解槽からの戻り塩水が使用
されるが、この戻り塩水中には電解によって生成した塩
素が溶存している。そして塩素が残存することは塩水精
製工程におけるカルシウムおよびマグネシウム等の除去
を阻害し、また、機器等の腐蝕を生ずるなどの支障をき
たし好ましくないので、戻り塩水に塩酸を添加してPHを
約2に調整した後、減圧法または空気吸込法により戻り
塩水中の溶存塩素を著しく低減させる脱塩素法が行なわ
れている。この際、戻り塩水から発生した塩素ガスは、
回収塩素ガスとして電解によって生成した電解塩素ガス
と混合して使用している。
一方、臭素は天然かん水および海水中にアルカリ金属
またはアルカリ土類金属の臭化物として存在しており、
当該工業的製造法としては、天然かん水および海水中に
硫酸添加を行い、PH2〜3程度とし、これに塩素ガスを
通じた後、空気を吹き込み、加圧蒸留または深冷蒸留に
て臭素を採取するという方法が一般的である。
〔発明が解決しようとする問題点〕
しかし、イオン交換膜式電解法に使用するところの原
塩を溶解して得た精製飽和塩水を、上述の方法に従って
原塩から臭素を採取する方法に利用した場合、イオン交
換膜式電解槽に供給するための精製飽和塩水中におい
て、硫酸添加による硫酸イオン濃度の増加および塩素ガ
ス吹き込みによる塩素酸イオン濃度の増加を伴い、陽極
材料の消耗、塩水中のNaCl溶解度の低下、さらには電流
効率の低下等の弊害をもたらすため、精製飽和塩水を臭
素製造に使用できないのが実情である。
また、電解直後の戻り塩水中には、電解にて生成した
塩素ガスの一部が溶存しており、これは戻り塩水中に存
在する臭化物を有効に分離する作用がある。従って、回
収塩素ガス中には臭素がより多く混在する結果となる。
従って回収塩素ガスを電解塩素ガスと混合して使用する
ことは、電解塩素ガスの純度を著しく低下せしめるので
好ましくない。
本発明の目的は、上記問題点を解決したイオン交換膜
式電解法による臭素の濃縮製造方法を提供することにあ
る。
〔問題点を解決するための手段及び作用〕
本発明者らは、特定の工程を組み合わせることによっ
て戻り塩水中に臭素が多く残存せしめられることを見だ
した。
即ち本発明は、 イオン交換膜式電解法による臭素の濃縮製造方法にお
いて、 減圧工程(3)からの戻り塩水(7″)と水(6)とで
臭素を含有する原塩(5)を溶解して精製飽和塩水を得
る飽和塩水精製工程(1)、 (ロ)イオン交換膜式電解槽を用いて30〜100mmH2Oの微
加圧条件下で精製飽和塩水を電解し電解塩素(10)を発
生させ、戻り塩水(7)を回収する電解工程(2)、 (ハ)戻り塩水(7)に塩酸(11)を添加して戻り塩水
(7)のPHを調整するPH調整工程(12)、 (ニ)PHが調整された戻り塩水(7′)を減圧下に処理
して臭素を含有する回収塩素(8)と戻り塩水(7″)
に分離する減圧工程(3)、および (ホ)回収塩素(8)を加圧/深冷蒸留して臭素(9)
を回収する加圧/深冷蒸留工程(4)からなることを特
徴とするイオン交換膜式電解法による臭素の濃縮製造方
法である。
先ず、飽和塩水精製工程(1)について説明する。
飽和塩水精製工程(1)は、減圧工程(3)からの戻
り塩水(7″)と水(6)とで臭素を含有する原塩
(5)を溶解して精製飽和塩水を得る工程である。
減圧工程(3)とは、後述する如く、PHが調整された
戻り塩水(7′)を減圧下に(例えば真空度500mmHg)
加熱して臭素を含有する回収塩素(8)と戻り塩水
(7″)に分離する工程である。
戻り塩水(7″)とは、後述する如く、減圧工程
(3)から抜き出される塩水であり、NaClおよび臭素を
含有している。
水(6)とは、塩水中のNaClの濃度を調整するための
水である。
臭素を含有する原塩(5)とは、例えばオーストラリ
ア産原料塩の如く、臭素を含有するものであり、一般に
は10〜500ppmの臭素を含有している。
精製飽和塩水とは、飽和塩水精製工程(1)で得られ
る塩水であり、NaClが飽和状態で水の中に溶解している
ものである。
次に電解工程(2)について説明する。
電解工程(2)は、イオン交換膜式電解槽を用いて30
〜100mmH2Oの微加圧条件下で精製飽和塩水を電解し電解
塩素(10)を発生させ、戻り塩水(7)を回収する工程
である。
イオン交換膜式電解槽とは、業界で汎用されているも
のであり、例えば温度80℃、陽極加圧60mmH2O、電流密
度30A/dm2で操作されるデュポン社製ナフィオン膜を使
用した電解槽(陽極面積2.4dm2)が例示される。
微加圧条件とは30〜100mmH2Oの圧力をいう。微加圧の
上限とは電解槽よりガスが漏洩しない程度の圧力をい
い、具体的には100mmH2Oの圧力をいう。微加圧の下限と
は、戻り塩水中の臭素が少なくならないように電解槽の
内圧を保持するときの圧力をいい、具体的には30mmH2O
の圧力をいう。以上詳細に述べた如く、この範囲内の圧
力は臭素の製造に好適である。
次にPH調整工程(12)について説明する。
PH調整工程(12)とは、戻り塩水(7)に塩酸(11)
を添加して戻り塩水(7)のPHを調整する工程をいう。
戻り塩水(7)とは、電解工程(2)で発生したもの
であり、NaClおよび臭素を含有している。
塩酸(11)とは、戻り塩水(7)のPHを調整するため
のものであり、汎用品が使用できる。
戻り塩水(7)に塩酸(11)を添加して戻り塩水
(7)のPHを調整するときの目安は概ねPH2である。こ
のPH調整により塩水中の塩素分が塩素分子となって塩素
の製造が容易になる。
Cl2+H2O⇔HCl+HClO この反応式では塩酸の添加によって平衡が左にずれる
ので、塩素ガスの発生が容易になる。この塩素ガスの発
生に伴って臭素の発生も容易になされる。
この場合に硫酸を添加すると、硫酸イオンが電解槽の
電極に悪影響を与えるので好ましくない。塩酸の場合は
プロセス上何ら不都合はない。
次に減圧工程(3)について説明する。
減圧工程(3)とは、PHが調整された戻り塩水
(7′)を減圧下に処理して臭素を含有する回収塩素
(8)と戻り塩水(7″)に分離する工程をいう。
減圧下に処理とは、例えば真空度500mmHgでPHが調整
された戻り塩水(7′)を加熱することをいう。PHが調
整された戻り塩水(7′)はこの操作によって臭素を含
有する回収塩素(8)と戻り塩水(7″)に分離され
る。
戻り塩水(7″)は、上記した如く、飽和塩水精製工
程(1)に戻される。この操作によって戻り塩水
(7″)中のNaClは廃棄されることなく、再利用される
機会を与えられる。
回収塩素(8)には臭素が含まれている。
最後に加圧/深冷蒸留工程(4)について説明する。
加圧/深冷蒸留工程(4)とは、回収塩素(8)を加
圧/深冷蒸留して臭素(9)を回収する工程をいい、通
常業界で汎用される方法である。
〔実施例〕
以下、本発明を実施例により更に詳細に説明する。
実施例1 臭素含有量160ppmのオーストラリア産原料塩10kgを、
70の戻り塩水(NaCl濃度18wt%、臭素含有量20ppm)
と18の水にて溶解して、90の飽和塩水(NaCl濃度26
wt%、臭素含有量30ppm)を確保し、温度80℃、陽極加
圧60mmH2O、電流密度30A/dm2で操作されるデュポン社製
ナフィオン膜を使用した電解槽(陽極面積2.4dm2)を用
いてイオン交換膜式電解を行なった結果、戻り塩水70
を得た。この戻り塩水を塩酸でPH2に調整した後、真空
度500mmHgの減圧法により臭素濃度19wt%の回収塩素ガ
ス7.80gを得た。一方、電解槽から発生した電解塩素ガ
ス中の臭素は1,300ppmであった。
以下、得られた回収塩素ガスを従来公知の臭素製造方
法により処理し、臭素を回収した。
比較例1 実施例1において、陽極加圧を20mmH2Oとした以外は
同様に実施した。
この結果臭素濃度7wt%の回収塩素ガス7.20gを得た。一
方、電解槽から発生した電解塩素ガス中の臭素は12,000
ppmであった。
〔発明の効果〕
本発明の方法によれば、下記の効果が得られる。
原料塩に含有する臭化物からイオン交換膜式電解槽の
陽極室を微加圧することにより、容易に戻り塩水中に臭
素を濃縮できる。
電解槽から発生する電解塩素ガス中の臭素が低減する
ので、電解塩素ガスの純度を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は、イオン交換膜式電解法による臭素濃縮製造方
法を実施するブロックフロー図の一例である。 図において、 1……飽和塩水精製工程 2……電解工程 3……減圧工程 4……加圧/深冷蒸留工程 5……原塩 6……水 7、7′、7″……戻り塩水 8……回収塩素 9……臭素 10……電解塩素 11……塩酸 12……PH調整工程 を示す。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】イオン交換膜式電解法による臭素の濃縮製
    造方法において、 (イ)減圧工程(3)からの戻り塩水(7″)の水
    (6)とで臭素を含有する原塩(5)を溶解して精製飽
    和塩水を得る飽和塩水精製工程(1)、 (ロ)イオン交換膜式電解槽を用いて30〜100mmH2Oの微
    加圧条件下で精製飽和塩水を電解し電解塩素(10)を発
    生させ、戻り塩水(7)を回収する電解工程(2)、 (ハ)戻り塩水(7)に塩酸(11)を添加して戻り塩水
    (7)のPHを調整するPH調整工程(12)、 (ニ)PHが調整された戻り塩水(7′)を減圧下に処理
    して臭素を含有する回収塩素(8)と戻り塩水(7″)
    に分離する減圧工程(3)、および (ホ)回収塩素(8)を加圧/深冷蒸留して臭素(9)
    を回収する加圧/深冷蒸留工程(4)からなることを特
    徴とするイオン交換膜式電解法による臭素の濃縮製造方
    法。
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