JPH086156A - 遮光装置を有するカメラ - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 簡単な構成によってフィルム面に入射する光
束を遮光でき、フィルムへの不正な露光を防止するカメ
ラを提供する。 【構成】 撮影レンズからの光束を反射および透過させ
るためにカメラに固設された第１のミラーと、第１のミ
ラーを透過した光束を反射するために移動可能に支持さ
れた第２のミラーと、第２のミラーの作動に連動して移
動し、記録媒体への入射光の少なくとも一部を遮光する
位置と遮光を解除する位置とに移動する遮光部材を有す
る。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、カメラ等に用いられる
遮光装置を有するカメラに関するものである。

【０００２】

【従来の技術】従来、撮影レンズから射出する光束をハ
ーフミラーによって２分割し、一方でフィルムの露光や
撮影レンズの焦点検出を行い、他方をファインダーある
いは撮像素子へと導くカメラが考案されていた。

【０００３】図４は本出願人の出願である特開平２−８
９０３９号公報に開示されている、固定ハーフミラーを
有する一眼レフカメラの中央断面図である。不図示の撮
影レンズから入射してきた被写体の光束を、半透過性の
固定ミラー１によってファインダー系方向とフィルム面
方向に分割する。ここで固定ミラー１はミラー枠２に接
着保持される。

【０００４】７は固定ミラー１を透過してきた光束を焦
点検出装置３０へと導くサブミラーであり、８はサブミ
ラー７を接着保持するサブミラー受板、１０は軸９にて
サブミラー受板８を回転自在に支持するミラー駆動板で
ある。

【０００５】カメラが撮影待機状態では図４のようにサ
ブミラー受板８はバネ１４によって時計方向に付勢さ
れ、ストッパー１５によって所定の位置に保持される。

【０００６】そして、撮影（露光）時には、ミラー駆動
板１０が軸１１を回転中心として時計方向に回転し、こ
れにともなってサブミラー受板８もミラーボックス下面
方向に降下する。するとサブミラー受板８はバネ１７に
よって反時計方向に付勢されるようになり、サブミラー
７がミラーボックス下面と略平行になるように退避保持
される。以上が従来の固定ミラーを用いた場合における
サブミラー駆動機構の簡単な説明である。

【０００７】ここで、半透過ミラー１を透過した光束の
一部はサブミラー７によってさえぎられるが、それ以外
の光束はシャッター幕１８に達する。このため、シャッ
ター幕１８の遮光性能は従来の一般的な一眼レフのシャ
ッターより高い遮光性能が要求され、そのため、シャッ
ターの先幕と後幕の両方を用いて遮光する２重遮光を行
なっていた。

【０００８】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら２重遮光
を行うためには、複雑な機構を持つ専用のシャッターと
それを制御する専用の制御プログラムが必要なためシャ
ッターの作動が複雑で故障の発生する頻度が上るだけで
なく、シャッターもしくはカメラが高価なものになって
しまう。

【０００９】一方、一般的なフォーカルプレーンシャッ
ターを用いたのではフィルム面に撮影レンズらの光を十
分に遮光できないのでフィルム面に迷光が侵入してしま
い撮影に影響を与えてしまうという問題点があった。

【００１０】

【課題を解決するための手段】以上のような問題点に鑑
み、本発明によれば撮影レンズからの光束を反射および
透過させる第１のミラーと、第１のミラーを透過した光
束を反射し、第１のミラーとは独立して作動する第２の
ミラーと、第２のミラーの作動に連動し、記録媒体への
入射光の少なくとも一部を遮光する位置と遮光を解除す
る位置とに移動する遮光部材を有することによって、記
録媒体への入射光を遮光でき、記録媒体への不正な光の
侵入を防ぐことができる。

【００１１】また、撮影レンズからの光束を反射および
透過させるためにカメラに固設された第１のミラーと、
第１のミラーを透過した光束を反射するために移動可能
に支持された第２のミラーと、第２のミラーの作動に連
動して移動し、記録媒体への入射光の少なくとも一部を
遮光する位置と遮光を解除する位置とに移動する遮光部
材を有することによって、第１のミラーがカメラに固設
されるようなカメラにおいても、二重遮光を行わない一
般的なフォーカルプレーンシャッターを用いたとしても
記録媒体への不正な光の侵入を防ぐことができる。

【００１２】

【実施例】図１〜３は実施例を説明する図であり、第１
のミラーであるメインミラーが固定式である一眼レフカ
メラに使用したものである。

【００１３】図１は後述のサブミラー１０３が撮影待機
状態にある一眼レフカメラの中央断面図であり、不図示
の撮影レンズから射出した光束は半透過性のフィルム状
の固定ミラー１０１によって、ファインダー方向とフィ
ルム面方向に分割される。ここで、固定ミラー１０１は
ミラー枠１０２に接着固定されている。１０３は固定ミ
ラー１０１を透過してきた光束を焦点検出装置１１０へ
と導く第２のミラーであるサブミラーであり、サブミラ
ー受板１０４に接着固定されている。ファインダー系へ
進む光束はピント板１１１の拡散面上に被写体像を結像
し、撮影者はペンタプリズム１１２、撮影レンズ１１４
を介して、この被写体像を観察することができる。

【００１４】サブミラー受板１０４はレバー１０８に軸
１０８ｂを回転可能に軸支され、レバー１０８は軸１０
８ａにて回転可能にミラーボックス内に軸支されてい
る。そして遮光部材の一部である遮光レバー１０５及び
遮光部材の一部である遮光板１０９によってシャッター
１１５へと進む光束を遮光している。

【００１５】図２および３にて遮光装置及びサブミラー
の動作について説明する。図２はサブミラー１０３が撮
影待期状態のときの拡大図であり、遮光レバー１０５は
サブミラー受板１０４の軸１０４ａに回転可能に軸支さ
れ、バネ１０７にて時計方向に付勢されている。そし
て、遮光レバー１０５の当接面１０５ａが固定ミラー枠
１０２の裏面１０２ａと当接し、図２のような状態で保
持される。この遮光レバー１０５によって、サブミラー
受板１０４の上部を通過してシャッター１１５へと進む
光束を遮光する。

【００１６】サブミラー受板１０４は不図示のバネによ
って時計方向に付勢され、ストッパー１０６と当接する
ことによって、サブミラー１０３の角度が所定の角度に
保持されている。

【００１７】遮光板１０９はレバー１０８の軸１０８ｂ
にて回転可能に軸支されており、この遮光板によって、
サブミラー受板１０４の下方を通過して、シャッター１
１５へと進む光束を遮光する。このようにして、シャッ
ター１１５へ直接入射する光束を遮光することによっ
て、シャッターの遮光性能を向上させるための２重遮光
等の対策を施す必要がなくなり、シャッター幕が高温と
なることがなくなり、シャッター幕の材質の選択の幅を
広げることができる。これらの効果によって、すでに市
販されている低コストのシャッターや高速シャッターが
そのまま主ミラーの固定式である一眼レフカメラに使用
できるというメリットもある。

【００１８】図３は撮影状態を表わし、サブミラー１０
３がミラーボックス下面方向に退避した状態である。

【００１９】不図示の駆動機構によってレバー１０８が
軸１０８ａを回転中心として時計方向に回転すると、こ
の動作に連動してサブミラー受板１０４は軸１０８ｂを
回転中心として反時計方向に回転する。サブミラー受板
１０４の駆動機構は従来例と同じなのでここでの説明は
省略する。

【００２０】遮光板１０９はレバー１０８に軸１０８ｂ
にて保持されているので、レバー１０８の回転ととも
に、下方へ退避し、焦点検出装置１１０とシャッター１
０５の間に収納される。

【００２１】遮光レバー１０５は固定ミラー枠１０２か
ら離れ、当接が解除されるため、バネ１０７によって軸
１０４ａを回転中心として、時計方向に回転し、遮光部
が図３のように、ミラーボックス下面と略平行な状態に
退避保持される。このようにして、サブミラー及び遮光
部材は撮影光路から退避して、撮影が行なわれる。

【００２２】

【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、撮
影レンズからの光束を反射および透過させる第１のミラ
ーと、第１のミラーを透過した光束を反射し、第１のミ
ラーとは独立して作動する第２のミラーと、第２のミラ
ーの作動に連動し、記録媒体への入射光の少なくとも一
部を遮光する位置と遮光を解除する位置とに移動する遮
光部材を有することによって、簡単な構成でフィルム等
の記録媒体への入射光を遮光でき、記録媒体への不正な
露光を防ぐことができる。

【００２３】また、撮影レンズからの光束を反射および
透過させるためにカメラに固設された第１のミラーと、
第１のミラーを透過した光束を反射するために移動可能
に支持された第２のミラーと、第２のミラーの作動に連
動して移動し、記録媒体への入射光の少なくとも一部を
遮光する位置と遮光を解除する位置とに移動する遮光部
材を有することによって、第１のミラーがカメラに固設
されるようなカメラにおいても、従来のような二重遮光
を行なう特殊なシャッター装置を用いることなく、簡単
な構成で第１のミラーを透過し、記録媒体へ入射する光
を遮光できるので、記録媒体への不正な光の侵入を防ぐ
ことができる。

【００２４】さらに、第２のミラーはカメラの下面方向
に移動し、前記遮光部材の少なくとも一部は第２のミラ
ーの移動位置よりもさらに下方の遮光解除位置に移動す
ることによって、記録媒体への記録に影響を与えない。

【００２５】同様に、第２のミラーはカメラの下面方向
に移動し、前記遮光部材の少なくとも一部は第２のミラ
ーの移動位置と略平行な遮光解除位置に移動することに
よって、記録媒体への記録に影響を与えない。

【００２６】また、遮光部材は複数に分割されているこ
とによって、広い範囲を遮光できると同時に遮光解除時
にはわずかなスペースで退避でき、設計の自由度が向上
し、カメラを大型化させることなく記録媒体へ入射する
光束を遮光できる。

【図面の簡単な説明】

【図１】実施例のカメラの主要構成部品のレイアウト図

【図２】サブミラー及び遮光部材の動作を説明する図

【図３】サブミラー及び遮光部材の動作を説明する図

【図４】従来例を説明する図

【符号の説明】

１０１ 固定ミラー １０３ サブミラー １０５ 遮光部材 １０９ 遮光部材 １１０ 焦点検出装置

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 堀内 昭永 東京都大田区下丸子３丁目30番２号キヤノ ン株式会社内 (72)発明者 春日 博之 東京都大田区下丸子３丁目30番２号キヤノ ン株式会社内 (72)発明者 熊谷 元男 東京都大田区下丸子３丁目30番２号キヤノ ン株式会社内 (72)発明者 浅田 裕之 東京都大田区下丸子３丁目30番２号キヤノ ン株式会社内 (72)発明者 松岡 英俊 東京都大田区下丸子３丁目30番２号キヤノ ン株式会社内 (72)発明者 牧野 純 東京都大田区下丸子３丁目30番２号キヤノ ン株式会社内

Claims (7)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 撮影レンズからの光束を反射および透過
   させる第１のミラーと、 該第１のミラーを透過した光束を反射し、該第１のミラ
   ーとは独立して作動する第２のミラーと、 該第２のミラーの作動に連動し、記録媒体への入射光の
   少なくとも一部を遮光する位置と遮光を解除する位置と
   に移動する遮光部材を有するカメラ。
2. 【請求項２】 撮影レンズからの光束を反射および透過
   させるためにカメラに固設された第１のミラーと、 該第１のミラーを透過した光束を反射するために移動可
   能に支持された第２のミラーと、 該第２のミラーの作動に連動し、記録媒体への入射光の
   少なくとも一部を遮光する位置と遮光を解除する位置と
   に移動する遮光部材を有するカメラ。
3. 【請求項３】 前記第２のミラーはカメラの下面方向に
   移動し、前記遮光部材の少なくとも一部は該第２のミラ
   ーの移動位置よりもさらに下方の前記遮光解除位置に移
   動することを特徴とする請求項１または２記載のカメ
   ラ。
4. 【請求項４】 前記第２のミラーはカメラの下面方向に
   移動し、前記遮光部材の少なくとも一部は該第２のミラ
   ーの移動位置と略平行な前記遮光解除位置に移動するこ
   とを特徴とする請求項１、２または３記載のカメラ。
5. 【請求項５】 シャッターと、 撮影レンズからの光束を反射および透過させるためにカ
   メラに固設された第１のミラーと、 該第１のミラーを透過した光束を反射するために移動可
   能に支持された第２のミラーと、 該シャッターよりも光軸方向前方で記録媒体への入射光
   の少なくとも一部を遮光する遮光位置と遮光解除位置に
   移動自在な遮光部材とを有するカメラ。
6. 【請求項６】 前記第２のミラーがカメラの下面方向に
   移動した時の前記遮光部材の少なくとも一部は焦点検出
   装置とシャッターの間の遮光解除位置に位置することを
   特徴とする請求項３記載のカメラ。
7. 【請求項７】 前記遮光部材は複数に分割されているこ
   とを特徴とする請求項２または５記載のカメラ。