JPH0861277A - コンプレッサのクランクシャフト内給油機構 - Google Patents

コンプレッサのクランクシャフト内給油機構

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JPH0861277A
JPH0861277A JP19677494A JP19677494A JPH0861277A JP H0861277 A JPH0861277 A JP H0861277A JP 19677494 A JP19677494 A JP 19677494A JP 19677494 A JP19677494 A JP 19677494A JP H0861277 A JPH0861277 A JP H0861277A
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crankshaft
oil
plate
hole
supply mechanism
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JP19677494A
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Kazuhiko Miura
一彦 三浦
Yutaka Sasahara
豊 笹原
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Toshiba Corp
Original Assignee
Toshiba Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】低速運転時における給油を安定的に行うことが
でき、シャフトの小径化に対しても十分な潤滑機能の保
持が図れようにする。 【構成】縦型ロータリコンプレッサの中空なクランクシ
ャフト4の下端部と、クランクシャフトを保持するベア
リング14の下端面とにスラストプレート24を当接す
る。スラストプレートのクランクシャフト内部穴28と
連通する位置に油吸込み孔27を穿設する。ケース1底
部に収容した潤滑油をクランクシャフト4の内部穴28
に吸入し、クランクシャフト4とベアリング14との摺
動面の潤滑を行わせる。クランクシャフトの内部穴に軸
方向に間隔をあけて複数のリング状板材からなる油保持
板31をクランクシャフト4と一体回転可能に、かつ各
油保持板31の外周面をクランクシャフト4の内周面に
密接させて設ける。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は縦型の密閉式ロータリコ
ンプレッサに適用されるクランクシャフト内給油機構に
係り、特にクランクシャフトの端面から潤滑油を供給す
るタイプのコンプレッサのクランクシャフト内給油機構
に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、この種のコンプレッサのクランク
シャフト内給油機構として、縦配置の中空なクランクシ
ャフトの下端部と、このクランクシャフトを保持するベ
アリングの下端面とにスラストプレートを当接し、この
スラストプレートのクランクシャフト内部穴と連通する
位置に油吸込み孔を穿設し、ケース底部に収容した潤滑
油をクランクシャフトの内部穴にスラストプレートの油
吸込み孔を介して吸入し、そのクランクシャフトとベア
リングとの摺動面の潤滑を行わせるようにしたものが知
られている。
【0003】ところで、運転周波数を上げた場合、一般
に潤滑油の必要量が増大するため、クランクシャフトの
端面に位置する油吸込み孔の開口面積が一定以下である
と、給油量の増大要求に対応できないことになる。
【0004】このため、従来では例えば実開昭60−1
07386号公報に記載されているように、クランクシ
ャフトの下端に給油部材を取り付け、油溜りの油面が低
下した場合にシャフト内の給油孔開口端の位置を下げる
ことで対応できるようにするとともに、給油部材を弾性
体によって構成し、回転数が高くなった場合には、その
給油部材自身に生じる遠心力の作用で給油孔の口径が拡
大することにより、潤滑油の供給量を増大できるように
して、高回転領域での給油不足の防止を図る技術が提案
されている。この技術によれば、油面低下時における潤
滑油需要量の増大に有効に対応することができる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】近年、ロータリコンプ
レッサの小形化の要請に伴い、クランクシャフトについ
ても小径化が進められている。
【0006】ところが、クランクシャフトの小径化を図
ろうとすると、上述した従来技術ではシャフト内におけ
る潤滑油の給油量を十分に得ることが困難になるという
問題が生じる。
【0007】すなわち、クランクシャフトが小径である
と、遠心力によるシャフト端部からの潤滑油の吸上げ機
能が低下するとともに、円筒状シャフトの内面に沿う回
転力による油面の上昇、つまり油面が回転放物面となっ
て周辺部で上昇する作用が減少し、その結果最高油面位
置(以下「油面ヘッド」という)が低くなり、これに伴
い、シャフト内における潤滑油の給油量が低下するもの
である。
【0008】このような給油量の低下は、特に低回転域
で顕著である。前記のシャフト端面に給油部材を取付け
る技術では、吸上げ基準となる油面低下に対しては対応
することができるものの、吸上げた潤滑油をシャフト内
で上昇させながら給油する機能については低下が免れな
い。
【0009】このように、従来の技術によっては、シャ
フトの小径化を図ろうとすると、給油量が低下し、特に
低速運転時における潤滑油の供給が安定して行われない
という問題を生じていた。
【0010】本発明はこのような事情に鑑みてなされた
もので、シャフト内に一旦吸上げた潤滑油の保持機能を
付与することにより、低速運転時における給油を安定的
に行うことができ、シャフトの小径化に対しても十分な
潤滑機能の保持が図れ、ロータリコンプレッサの小形化
の図れるコンプレッサのクランクシャフト内給油機構を
提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】前記の目的を達成するた
めに、本発明は、縦型ロータリコンプレッサの中空なク
ランクシャフトの下端部と、このクランクシャフトを保
持するベアリングの下端面とにスラストプレートを当接
し、このスラストプレートの前記クランクシャフト内部
穴と連通する位置に油吸込み孔を穿設し、ケース底部に
収容した潤滑油を前記クランクシャフトの内部穴に前記
スラストプレートの油吸込み孔を介して吸入し、前記ク
ランクシャフトと前記ベアリングとの摺動面の潤滑を行
わせるようにしたコンプレッサのクランクシャフト内給
油機構において、前記クランクシャフトの内部穴にその
軸方向に間隔をあけて複数のリング状板材からなる油保
持板を前記クランクシャフトと一体回転可能に、かつ前
記各油保持板の外周面をクランクシャフト内周面に密接
させて設けたことを特徴とする。
【0012】本発明において望ましくは、油保持板が、
リング状板材の外周面から油吸込み側に向って一体に突
出する環状壁もしくは複数の突起を有し、この環状壁ま
たは突起を介してクランクシャフト内に固定されている
ことである。
【0013】また、クランクシャフトの内周面部にはリ
ング状の溝または間隔的な複数の窪みからなる係止部が
凹設され、この係止部に油保持板の外周部または突起が
挿入係止されていることが望ましい。
【0014】さらに油保持板の中心孔は、クランクシャ
フトの軸方向に沿い、油吸込み孔に近いものから遠いも
のに順次に大径とされていることが望ましい。
【0015】さらにまた、クランクシャフトの内部穴内
に、油吸込み孔に近い側から遠い側に向って拡径する円
錐状のケース体が設けられ、このケース体内に油保持板
が取り付けられていることが望ましい。
【0016】また、クランクシャフトにはその内外周面
に貫通して内部穴からベアリング側に潤滑油を供給する
給油孔が複数、そのクランクシャフトの軸方向に沿って
間隔的に穿設されており、その各給油孔からスラストプ
レートの油吸込み孔側にずれた位置にそれぞれ油保持板
が配置されていることが望ましい。
【0017】
【作用】本発明に係るコンプレッサのクランクシャフト
内給油機構において、クランクシャフトが回転すると、
このクランクシャフトの下端面のスラストプレートに穿
設した油吸込み孔から潤滑油が吸込まれ、この吸込まれ
た潤滑油はクランクシャフトの内部穴内で回転による遠
心力を受けてシャフト内周面部位で隆起する油面が回転
放物面を形成し、これにより所定の吸上げ機能が得られ
る。
【0018】この場合、本発明においてはクランクシャ
フトの内部穴に軸方向に間隔的に複数のリング状の油保
持板が設けられているので、回転放物面を形成してシャ
フト内で上昇する潤滑油は、油保持板の内縁を経て次々
に上方のシャフト内周面に移動してゆくものである。
【0019】この結果、一旦シャフトが高速回転して必
要な吸上げ機能が得られた場合においては、その後運転
を停止し、または低速運転とした場合においても潤滑油
が各油保持板上に残る。したがって、この状態になった
後には、運転開始時または運転周波数変動時等において
油面が低下する状態となったとしても、油保持板上に残
存している潤滑油がクランクシャフトとベアリングとの
摺接面等の必要な潤滑部位に確実に供給される。
【0020】
【実施例】以下、本発明に係るコンプレッサのクランク
シャフト内給油機構の実施例を図面を参照して説明す
る。
【0021】実施例1(図1〜図3) 図1は要部である給油機構部分を拡大して示す縦断面
図、図2は給油機構の構成部材である油保持板を示す斜
視図、図3は本発明が適用されるロータリコンプレッサ
の構成を一部断面で示す全体図である。
【0022】本実施例によるコンプレッサは図3に示す
ように、縦長密閉式の2シリンダ型ロータリコンプレッ
サであり、ケース1内の上部に電動要素部2、下部に上
下一対の圧縮要素部3(3a,3b)がそれぞれ配置さ
れ、これらがクランクシャフト4によって連結されてい
る。電動要素部2はロータ6およびステータ5によって
構成され、ロータ6の回転力によってクランクシャフト
4が回転駆動される。
【0023】圧縮要素部3は、ケース1に溶接した環状
のフレーム7にボルト8を介して固定された上部シリン
ダ9と、この上部シリンダ9に仕切板10を介してボル
ト11により固定された下部シリンダ12と、これらの
各シリンダ9,12の上下にそれぞれボルト8,11を
介して取付けられたメインベアリング13およびサブベ
アリング14とによって形成される上下の圧縮室15,
16を有している。
【0024】そして、クランクシャフト4の下端部がメ
インベアリング13およびサブベアリング14によって
回転自在に支持されるとともに、このクランクシャフト
4のクランク部に偏心させて取付けた上下一対のローラ
17,18が上下の各圧縮室15,16内に収容されて
いる。なお、図3にはブレード18aおよびブレードス
プリング18bを下部の圧縮要素部3bにのみ示してい
るが、上部の圧縮要素部3aにも設けられている。
【0025】しかして、ケース1下部の吸込みパイプ1
9,20から吸込まれた冷媒ガスは、各圧縮要素部3
a,3bの圧縮室15,16に導入されて圧縮され、ケ
ース1上部の吐出パイプ21から吐出される。
【0026】ところで、図3に示すように、クランクシ
ャフト4の最下端部と、この部分を支持するサブベアリ
ング14には、ケース1の底部に収容した潤滑油22
を、これらクランクシャフト4とサブベアリング14お
よびメインベアリング13との間の摺動部に供給するク
ランクシャフト内給油機構23が設けられている。
【0027】クランクシャフト内給油機構23は、図1
および図3に示すように、クランクシャフト4の下端部
と、サブベアリング14の下端面とにスラストプレート
24を当接し、このスラストプレート24を、サブベア
リング14に固定したスラストプレート押え25により
カバープレート26を介して下方から支持する構成のも
ので、これらのスラストプレート押え25、カバープレ
ート26およびスラストプレート24の各中心部にそれ
ぞれ油吸込み孔27(27a,27b,27c)を有し
ている。
【0028】一方、クランクシャフト4は内部穴28を
有する中空な構成で、下端が開口しており、このクラン
クシャフト4の内部穴28が油吸込み孔27を介して潤
滑油22の収容部と連通している。なお、スラストプレ
ート押え25の油吸込み孔27aはクランクシャフト4
の内部穴28よりも大径であるが、カバーパッキン26
およびスラストプレート24の油吸込み孔27b,27
cはクランクシャフト4の内部穴28よりも小径とされ
ている。
【0029】このような構成において、本実施例ではク
ランクシャフト4の周壁部の所定高さ位置に径方向に沿
ってベアリング給油孔29が穿設されるとともに、この
ベアリング給油孔29の外周側に連通してクランクシャ
フト4に摺接するベアリング内面側には潤滑油経路30
が軸方向に設けられている。
【0030】そして、図1および図2に示すように、ク
ランクシャフト4の内部穴28内には、ベアリング給油
孔29よりも油吸込み孔27側(下側)に位置して、軸
方向(上下方向)に間隔をあけて複数のリング状板材か
らなる水平な油保持板31が、そのクランクシャフト4
と一体回転可能に取付けられている。各油保持板31の
外周面は、クランクシャフト4の内部穴28の周面(内
周面)に密接している。
【0031】また、油保持板31の中心孔32は、クラ
ンクシャフト4の軸方向(上下方向)に沿い、油吸込み
孔27に近いもの(下側のもの)から吸込み孔27に遠
いもの(上側のもの)に順次に大径とされている。な
お、最上位置の油保持板31は、ベアリング給油孔29
の少し下側に配置されている。また、本実施例の油保持
板31は図2に示すように、リング状板材のみからなる
フラットな形状をなしており、その外径寸法は、クラン
クシャフト4の内部穴28の径(内径)寸法よりも僅か
に大きく設定されて、クランクシャフト4に対して圧入
状態で固定されている。
【0032】このように構成された本実施例のクランク
シャフト内給油機構23によると、クランクシャフト4
が回転すると、このクランクシャフト4の下端面のスラ
ストプレート24に穿設した油吸込み孔27cから潤滑
油22が吸込まれ、この吸込まれた潤滑油はクランクシ
ャフト4の内部穴28内で回転による遠心力を受けてシ
ャフト内周面部位で隆起する油面の回転放物面を形成
し、これにより所定の油面ヘッドが得られる。
【0033】この場合、本実施例においてはクランクシ
ャフト4の内部穴28に軸方向に間隔的に複数のリング
状の油保持板31が設けられているので、回転放物面を
形成してシャフト内で上昇する潤滑油は、図1に矢印a
で示すように油保持板31の内縁を経て次々に上方のシ
ャフト内周面に沿って上方に移動してゆき、ベアリング
給油孔29に導かれる。
【0034】このような潤滑油移動の結果、一旦クラン
クシャフト4が高速回転して必要な給油作用が得られた
場合においては、その後運転を停止し、または低速運転
とした場合においても潤滑油が各油保持板上に残る。し
たがって、この状態になった後には、運転を再開始した
時または運転周波数が変動した時等において油面が低下
する状態となったとしても、各油保持板31上に残存し
ている潤滑油がクランクシャフト4とサブベアリング1
4との摺接面等の必要な潤滑部位に確実に供給されるよ
うになる。よって、コンプレッサのコンパクト化の要請
に基づいてクランクシャフト4の小径化を図った場合に
おいても、油面ヘッドの低下に起因する給油量の低減を
克服して確実な潤滑作用が行えるようになる。
【0035】特に本実施例では、油吸込み孔27から入
った潤滑油がクランクシャフト4の内面から回転力を受
け、油面が回転放物面を形成することで油面ヘッドを獲
得し、油保持板31上へ移動することになる。この場
合、油保持板31上で潤滑油が油保持板31とクランク
シャフト4とから回転力を受け、油保持板31を基準面
として油面が回転放物面を形成する。このとき、油吸込
み孔27を基準とした油面ヘッドに加え、油保持板31
を基準面とした油面ヘッドが加算される形で油保持板3
1上へ潤滑油が移動する。そして、油保持板31上に移
動した潤滑油は新たにその油保持板31を基準面として
下段からの潤滑油移動と同様に上段の油保持板31上へ
と移動する。
【0036】このように、潤滑油は次々に高い位置の油
保持板31を基準面として油保持板31とクランクシャ
フト4の内面とから回転力を受けて高い位置へと送られ
ていく。このため、低回転で回転力が小さな場合でも、
各段階での回転力を積み上げることで、油面ヘッドを十
分に高めることができる。
【0037】なお、本実施例では、上方に位置する油保
持板31の中心孔32が下方に位置する油保持板31の
中心孔32よりも順次大径としたので、クランクシャフ
ト4の回転による潤滑油の上昇移動が円滑に行われ、流
れを阻害するなどの問題は生じない。
【0038】また、油保持板31の外径をクランクシャ
フト4の内部穴28の径よりも僅かに大きくして、圧入
状態で嵌合固定するようにしたので、構成が簡単である
うえに、組立て等も容易に行える等の利点が得られる。
【0039】実施例2(図4および図5) 図4は給油機構23の要部を示す断面図、図5はクラン
クシャフト4を抽出して示す断面図である。
【0040】これらの図に示すように、本実施例では、
クランクシャフト4の内周面に複数のリング状の油保持
板固定用溝33を形成し、この各溝33に油保持板31
をそれぞれ嵌合固定するようになっている。油保持板3
1およびその他の構成は、前記実施例1と同様であるか
ら、図の対応部分に図1と同一の符号を付して、その説
明を省略する。
【0041】本実施例によれば、クランクシャフト4の
内周面に設けたリング状の溝33に、油保持板31を嵌
合固定するようにしたので、その油保持板31の固定が
より強固かつ確実になり、構成上の信頼性を向上するこ
とができるとともに、溝33が油保持板31取付け時の
位置決め用基準となるので、組立て作業の能率向上も図
れるようになる。
【0042】実施例3(図6〜図8) 図6は給油機構23の要部を示す断面図、図7は油保持
板31の一構成例を示す斜視図、図8は油保持板31の
変形例を示す斜視図である。
【0043】図6および図7に示すように、本実施例で
は、油保持板31が、リング状板材の外周面から油吸込
み側(下方)に向って一体に突出する短かい環状壁34
と、この環状壁34の下縁部から下方に向って突出する
複数の突起35とを有する構成となっている。その他の
構成は前記実施例1と同様であるから、図の対応部分に
図1と同一の符号を付して、その説明を省略する。
【0044】なお、図8に示す油保持板31は、リング
状板材の外周面から下方に向って長い環状壁36を一体
に突出したものである。
【0045】このような本実施例によると、油保持板3
1が環状壁34,36または突起35を有する構成とし
たので、油保持板31がリブ付きとなって補強されると
もに、クランクシャフト4の内周面への取付が安定し、
また、取付け時に水平度が設定し易い等の利点が得られ
る。
【0046】実施例4(図9および図10) 図9は給油機構23の要部を示す断面図、図10はクラ
ンクシャフト4を抽出して示す断面図である。
【0047】本実施例は前記実施例2,3を複合した構
成のもので、油保持板31の突起35を裾拡がり状に形
成する一方、クランクシャフト4の内周面には、その突
起35が嵌合し得る溝37を形成したものである。
【0048】本実施例によれば、突起35が傾斜状とな
るので、クランクシャフト4への挿入時にその突起35
部分を撓ませ易く、また溝37に対して突起35が爪状
に下方から係止される形で嵌合固定されるので、取付け
状態も安定したものとなる等の利点が得られる。
【0049】実施例5(図11および図12) 図11は給油機構23の要部を示す断面図、図12は油
保持板31の構成を示す斜視図である。
【0050】本実施例では、図12に示すように、油保
持板31がリング状板材であり、周方向一部が一定幅の
切欠部38を介して分離した構成とされている。その他
の構成は実施例1と同様であるから、図の対応部分に図
1と同一の符号を付して説明を省略する。
【0051】本実施例によれば、油保持板31が、いわ
ゆるCリング状に構成されて、外径が拡縮する方向に容
易に撓むようになっているので、クランクシャフト4の
内周面への取付け作用が極めて容易に行える。
【0052】実施例6(図13および図14) 図13は給油機構23の要部を示す断面図、図14はク
ランクシャフト4を抽出して示す断面図である。
【0053】本実施例では、クランクシャフト4が前記
実施例2と略同様に、内周面に複数のリング状の油保持
板固定用の溝39を有する構成とされている。そして、
油保持板31は前記実施例5と同様に、Cリング状に構
成されている。
【0054】このような構成の本実施例によれば、前記
実施例5における取付け容易性と、前記実施例2におけ
る取付けの確実性とが得られるようになる。
【0055】実施例7(図15および図16) 図15は給油機構23の要部を示す断面図、図16は油
保持板31の構成を示す斜視図である。
【0056】本実施例では、図16に示すように、油保
持板31がリング状板材に環状壁34および突起35を
設けたもので、周方向一部が一定幅の切欠部40を介し
て分離した構成とされている。その他の構成は実施例3
と同様であるから、図の対応部分に図6と同一の符号を
付して説明を省略する。
【0057】本実施例によれば、油保持板31が、いわ
ゆるCリング状に構成されて、外径が拡縮する方向に容
易に撓むようになっているので、図6および図7に示す
実施例3と同様の利点が得られるとともに、実施例5と
同様にクランクシャフト4の内周面への取付け作用が極
めて容易に行える等の利点が得られる。
【0058】実施例8(図17および図18) 図17は給油機構23の要部を示す断面図、図18はク
ランクシャフト4を抽出して示す断面図である。
【0059】本実施例では、クランクシャフト4が前記
実施例4と略同様に、内周面に複数の油保持板固定用の
溝41を有する構成とされている。そして、油保持板3
1は前記実施例7と同様に、Cリング状に構成され、か
つ前記実施例4と同様に裾拡がり状の突起35を有して
いる。
【0060】このような構成の本実施例によれば、前記
実施例7における取付け容易性と、前記実施例4におけ
る取付けの確実性とが得られるようになる。
【0061】実施例9(図19) 図19は給油機構23の要部を示す断面図である。
【0062】同図に示すように、本実施例では、クラン
クシャフト4の内部穴28内に、油吸込み孔27に近い
側(下側)から遠い側(上側)に向って拡径する円錐状
のケース体42が設けられ、このケース体42内に複数
の油保持板31が取付けられている。ケース体42の下
端の開口部はスラストプレート24の油吸込み孔27c
と略一致している。
【0063】なお、ケース体42のテーパの設定と、上
下の油保持板31の中心孔32の差(上方位置のものが
大径)の設定とを略等しくすることで、各油保持板31
のリング部分の径方向幅は略同一となっている。
【0064】このような本実施例の構成によると、図1
9に矢印bで示すように、油吸込み孔27cからクラン
クシャフト4側に導入される潤滑油は、円錐状のケース
体42の内部に沿う円滑な上昇流となる。したがって、
吸込み直後にクランクシャフトの広い内面まで潤滑油が
流動する前記各実施例の構成と異なり、油面ヘッドの上
昇が容易に行えるようなる。
【0065】実施例10(図20) 図20は給油機構23の要部を示す断面図である。
【0066】本実施例では、クランクシャフト4に、そ
の内外周面に貫通して内部穴28からメインベアリング
13側およびサブベアリング14側に潤滑油を供給する
給油孔29が複数、クランクシャフト4の軸方向に沿っ
て間隔的に穿設されている。そして、各給油孔29から
スラストプレート24側(下側)に僅かにずれた位置
に、それぞれ各油保持板31が配置されている。
【0067】このような本実施例の構成によると、メイ
ンベアリング13およびサブベアリング14の両方への
給油孔29の直近位置において、油保持板31上に潤滑
油を残存させることができ、必要な潤滑油の供給が確実
に行えるようになる。
【0068】
【発明の効果】本発明によれば、シャフト内に一旦吸上
げた潤滑油の保持機能を付与することにより、低速運転
時における給油を安定的に行うことができ、シャフトの
小径化に対しても十分な潤滑機能の保持が図れ、ロータ
リコンプレッサの小形化が可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例1における給油機構の要部を示
す断面図。
【図2】同実施例における油保持板を示す斜視図。
【図3】同実施例に適用するロータリコンプレッサを示
す全体構成図。
【図4】本発明の実施例2における給油機構の要部を示
す断面図。
【図5】同実施例におけるクランクシャフトを示す断面
図。
【図6】本発明の実施例3における給油機構の要部を示
す断面図。
【図7】同実施例における油保持板を示す斜視図。
【図8】同実施例における油保持板の変形例を示す斜視
図。
【図9】本発明の実施例4における給油機構の要部を示
す断面図。
【図10】同実施例における油保持板を示す断面図。
【図11】本発明の実施例5における給油機構の要部を
示す断面図。
【図12】同実施例におけるクランクシャフトを示す斜
視図。
【図13】本発明の実施例6における給油機構の要部を
示す断面図。
【図14】同実施例におけるクランクシャフトを示す断
面図。
【図15】本発明の実施例7における給油機構の要部を
示す断面図。
【図16】同実施例における油保持板を示す斜視図。
【図17】本発明の実施例8における給油機構の要部を
示す断面図。
【図18】同実施例におけるクランクシャフトを示す断
面図。
【図19】本発明の実施例9における給油機構の要部を
示す断面図。
【図20】本発明の実施例10における給油機構の要部
を示す断面図。
【符号の説明】
1 ケース 2 電動要素部 3,3a,3b 圧縮要素部 4 クランクシャフト 5 ステータ 6 ロータ 7 フレーム 8 ボルト 9 上部シリンダ 10 仕切板 11 ボルト 12 下部シリンダ 13 メインベアリング 14 サブベアリング 15,16 上下の圧縮室 17,18 上下一対のローラ 18a ブレード 18b ブレードスプリング 19,20 吸込みパイプ 21 吐出パイプ 22 潤滑油 23 クランクシャフト内給油機構 24 スラストプレート 25 スラストプレート押え 26 カバープレート 27(27a,27b,27c) 油吸込み孔 28 内部穴 29 ベアリング給油孔 30 潤滑油経路 31 油保持板 32 中心孔 33 油保持板固定用溝 34 環状壁 35 突起 36 環状壁 37 溝 38 切欠部 39 溝 40 切欠部 41 溝 42 ケース体

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 縦型ロータリコンプレッサの中空なクラ
    ンクシャフトの下端部と、このクランクシャフトを保持
    するベアリングの下端面とにスラストプレートを当接
    し、このスラストプレートの前記クランクシャフト内部
    穴と連通する位置に油吸込み孔を穿設し、ケース底部に
    収容した潤滑油を前記クランクシャフトの内部穴に前記
    スラストプレートの油吸込み孔を介して吸入し、前記ク
    ランクシャフトと前記ベアリングとの摺動面の潤滑を行
    わせるようにしたコンプレッサのクランクシャフト内給
    油機構において、前記クランクシャフトの内部穴にその
    軸方向に間隔をあけて複数のリング状板材からなる油保
    持板を前記クランクシャフトと一体回転可能に、かつ前
    記各油保持板の外周面をクランクシャフト内周面に密接
    させて設けたことを特徴とするコンプレッサのクランク
    シャフト内給油機構。
  2. 【請求項2】 油保持板は、リング状板材の外周面から
    油吸込み側に向って一体に突出する環状壁もしくは複数
    の突起を有し、この環状壁または突起を介してクランク
    シャフト内に固定されている請求項1記載のコンプレッ
    サのクランクシャフト内給油機構。
  3. 【請求項3】 クランクシャフトの内周面部にはリング
    状の溝または間隔的な複数の窪みからなる係止部が凹設
    され、この係止部に油保持板の外周部または突起が挿入
    係止されている請求項2記載のコンプレッサのクランク
    シャフト内給油機構。
  4. 【請求項4】 油保持板の中心孔は、クランクシャフト
    の軸方向に沿い、油吸込み孔に近いものから遠いものに
    順次に大径とされている請求項1ないし3のいずれかに
    記載のコンプレッサのクランクシャフト内給油機構。
  5. 【請求項5】 クランクシャフトの内部穴内に、油吸込
    み孔に近い側から遠い側に向って拡径する円錐状のケー
    ス体が設けられ、このケース体内に油保持板が取り付け
    られている請求項1ないし4のいずれかに記載のコンプ
    レッサのクランクシャフト内給油機構。
  6. 【請求項6】 クランクシャフトにはその内外周面に貫
    通して内部穴からベアリング側に潤滑油を供給する給油
    孔が複数、そのクランクシャフトの軸方向に沿って間隔
    的に穿設されており、その各給油孔からスラストプレー
    トの油吸込み孔側にずれた位置にそれぞれ油保持板が配
    置されている請求項1ないし4のいずれかに記載のコン
    プレッサのクランクシャフト内給油機構。
JP19677494A 1994-08-22 1994-08-22 コンプレッサのクランクシャフト内給油機構 Pending JPH0861277A (ja)

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