JPH0861072A - エンジンの吸気制御装置 - Google Patents

エンジンの吸気制御装置

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JPH0861072A
JPH0861072A JP6202068A JP20206894A JPH0861072A JP H0861072 A JPH0861072 A JP H0861072A JP 6202068 A JP6202068 A JP 6202068A JP 20206894 A JP20206894 A JP 20206894A JP H0861072 A JPH0861072 A JP H0861072A
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tumble
valve
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    • F02BINTERNAL-COMBUSTION PISTON ENGINES; COMBUSTION ENGINES IN GENERAL
    • F02B2275/00Other engines, components or details, not provided for in other groups of this subclass
    • F02B2275/48Tumble motion in gas movement in cylinder
    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02TCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES RELATED TO TRANSPORTATION
    • Y02T10/00Road transport of goods or passengers
    • Y02T10/10Internal combustion engine [ICE] based vehicles
    • Y02T10/12Improving ICE efficiencies

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  • Combustion Methods Of Internal-Combustion Engines (AREA)
  • Control Of Throttle Valves Provided In The Intake System Or In The Exhaust System (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 スワール流、タンブル流を有効に生成可能に
構成し、且つ運転状態に応じてスワールモード、タンブ
ルモードまたは全開吸気モードに適正に切換え制御す
る。 【構成】 2吸気弁式の二叉状の2つの吸気ポート15
にタンブル制御弁31とワール制御弁32を設けて、ス
ワール流とタンブル流を生成するものにおいて、エンジ
ン暖機後の運転状態に応じて低速低負荷領域ではスワー
ル制御弁32とタンブル制御弁31を共に閉じてスワー
ル流を生成するように作動するスワールモード判定手段
C1と、中速中負荷領域ではタンブル制御弁31を閉
じ、スワール制御弁32を開いてタンブル流Cを生成す
るように作動するタンブルモード判定手段C2と、高速
高負荷領域ではスワール制御弁32とタンブル制御弁3
1を共に開いて全開吸気するように作動する全開吸気モ
ード判定手段C3とを備える。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、車両用エンジンとして
吸気の際にスワール流、タンブル流を生成する吸気制御
装置に関し、詳しくは、運転状態に応じてスワールモー
ド、タンブルモードまたは全開吸気モードに切換え制御
する吸気制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】2吸気弁式エンジンにおいて、吸気の際
に2つの吸気ポートの吸気流を利用して、シリンダ内に
円周方向に旋回するスワール流、または軸方向に旋回す
るタンブル流を生成することが知られている。この場合
に、低負荷側でスワール流を生成すると、点火プラグの
電極近傍の局所に濃い混合気を形成するように成層化し
て良好に燃焼することができ、この燃焼方式によりリー
ン燃焼が促進され燃費等を向上することが可能になる。
また高負荷側ではタンブル流を生成すると、燃料と空気
の混合が促進して均一混合気が形成され、更に点火直前
でタンブル流が崩壊する際の乱れにより強いガス流動を
生じ、このため燃焼が改善されて走行性等を向上するこ
とが可能になることが、既に本件出願人により提案され
ている。
【0003】そこで各気筒の吸気ポートで、簡単なバル
ブ動作によりスワール流やタンブル流を生成したり、更
に多量の空気を吸入可能に構成する。そしてエンジン運
転状態に応じて、スワールモード、タンブルモードまた
は全開吸気モードを適正に使い分けるように制御するこ
とが要求される。また水平対向式エンジンのように吸気
ポートが左右バンクに分離される場合は、吸気系のレイ
アウトにより長い吸気管中を空気が流れる際の吸気流が
不均一になることがある。この場合は、この不均一な吸
気流を積極的に利用してスワール流を強化することが望
まれる。
【0004】従来、上記エンジンの吸気制御装置に関し
ては、例えば特開昭61−277815号公報の先行技
術があり、各気筒にヘリカルポートとダイレクトポート
を設け、各ポートと連通するそれぞれの吸気通路に絞り
弁を配置する。そして低速低負荷時にはダイレクトポー
ト側の絞り弁を閉じて強いスワールを形成し、負荷や回
転数の上昇に応じてダイレクトポート側の絞り弁を開く
ように制御することが示されている。
【0005】また特開昭62−291434号公報の先
行技術では、気筒毎に設けられる2つの吸気通路の一方
に燃料供給手段と吸気渦流の制御弁を設け、他方には開
閉弁を設ける。そして低速低負荷時に開閉弁を閉じ、こ
のとき制御弁で吸気を絞ってスワールを発生することが
示されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記先行技
術のものにあっては、いずれもスワール流を生成するだ
けであって、タンブル流は生成しない。このためタンブ
ル流による燃焼改善の効果を得ることができない。また
広い全運転領域において渦流による燃焼改善の効果は低
速低負荷側に限定され、それ以外の領域では有効に発揮
できない。更に、2つの吸気ポートの一方の吸気ポート
全体で吸気してスワール流を生成する構成であるから、
スワール流の旋回半径が略ポート中心の半径となって、
シリンダのボア径を最大限利用したスワール流を生成で
きない等の問題がある。
【0007】本発明は、このような点に鑑み、スワール
流、タンブル流を有効に生成可能に構成し、且つ運転状
態に応じてスワールモード、タンブルモードまたは全開
吸気モードを適正に切換え制御することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】この目的を達成するた
め、本発明の請求項1に係るエンジンの吸気制御装置
は、図1に示すように、2吸気弁式の二叉状の2つの吸
気ポート15を、センターポート24とその両側の2つ
のサイドポート25,26とを区画形成するポート分割
装置21と、センターポート24にインジェクタ27と
タンブル流を生成するタンブル制御弁31を、一方のサ
イドポート25にスワールス流を生成するワール制御弁
32を設けた制御弁装置30と、エンジン運転状態に応
じてタンブル制御弁31とスワール制御弁32をそれぞ
れ開閉する作動装置35とを備えたエンジンの吸気制御
装置において、エンジン暖機後の運転状態により低速低
負荷領域ではスワール制御弁32とタンブル制御弁31
を共に閉じてスワール流を生成するスワールモード判定
手段C1と、中速中負荷領域ではタンブル制御弁31を
閉じ、スワール制御弁32を開いてタンブル流を生成す
るタンブルモード判定手段C2と、高速高負荷領域では
スワール制御弁32とタンブル制御弁31を共に開いて
全開吸気する全開吸気モード判定手段C3とを備えるこ
とを特徴とする。
【0009】請求項2に係るエンジンの吸気制御装置
は、制御弁装置が、スワール制御弁とタンブル制御弁を
独立2軸で開閉する構成とし、作動装置は、各制御弁の
弁軸に各別にダイアフラム式アクチュエータを取付け、
それらアクチュエータをそれぞれ大気圧側と負圧側に切
換えるソレノイド弁を介して吸気系に接続して、エンジ
ン運転状態に応じて2つのソレノイド弁を切換えること
で、スワール制御弁とタンブル制御弁を開閉する構成と
したことを特徴とする。
【0010】請求項3に係るエンジンの吸気制御装置
は、制御弁装置が、スワール制御弁とタンブル制御弁の
間にロストモーション式係合手段を設けた共通1軸で開
閉する構成とし、作動装置は、共通の弁軸の一端に単一
のダイアフラム式アクチュエータを取付け、他端にリタ
ーンスプリングを付勢するとともに、アクチュエータを
大気圧側と負圧側に切換えるソレノイド弁を介して吸気
系に接続し、更にソレノイド弁の大気圧側をオリフィス
を有する通路を介して大気圧側を開閉する他のソレノイ
ド弁に接続し、エンジン運転状態に応じて2つのソレノ
イド弁を切換えまたは開閉することで、スワール制御弁
とタンブル制御弁を開閉する構成としたことを特徴とす
る。
【0011】請求項4に係るエンジンの吸気制御装置
は、常時開放の他方のサイドポートが、吸気の流れの強
い側に配置されることを特徴とする。
【0012】
【作用】従って、本発明の請求項1にあっては、エンジ
ン運転時に暖機後の運転状態に応じて作動装置35によ
り制御弁装置30のスワール制御弁32とタンブル制御
弁31が開閉し、このため吸気行程において2つの吸気
ポート15から吸気する際に、その吸気流がポート分割
装置21により区画形成されたセンターポート24と2
つのサイドポート25,26により可変制御される。そ
こで低速低負荷領域ではスワールモード判定手段C1に
より、スワール制御弁32とタンブル制御弁31を共に
閉じることで、常開するサイドポート26のみによりシ
リンダ10内の接線方向に吸気され、このためシリンダ
10内に円周方向に旋回するスワール流が有効に生成さ
れる。そしてスワール流によりインジェクタ27から噴
射される燃料による濃い混合気が点火プラグ付近に形成
されて良好に成層燃焼し、燃費や排気エミッションが向
上する。
【0013】中速中負荷領域ではタンブルモード判定手
段C2により、タンブル制御弁31を閉じてスワール制
御弁32を開くことで、2つのサイドポート25,26
からシリンダ10内の接線方向に左右対称的に吸気さ
れ、このためシリンダ10内の軸方向に旋回するタンブ
ル流が有効に生成される。そしてこの場合は、タンブル
流によりインジェクタ27から噴射される燃料と空気の
混合が促進されて、均一でガス流動の強い混合気が形成
され、このため点火プラグにより着火して空気利用率の
高い状態で良好に均一燃焼し、走行性等が向上する。高
速高負荷領域では全開吸気モード判定手段C3により、
スワール制御弁32とタンブル制御弁31が共に開くこ
とで、多量の空気が2つの吸気ポート15から迅速且つ
円滑に吸気され、大きいエンジン出力が得られる。
【0014】請求項2にあっては、エンジン運転状態に
応じて2つのソレノイド弁を例えば大気圧側に切換える
ことで、スワール制御弁とタンブル制御弁が共に閉じて
スワールモードとなる。またスワール制御弁側のソレノ
イド弁を例えば負圧側に切換えると、アクチュエータが
負圧の導入でスワール制御弁を開くように作動してタン
ブルモードとなる。更に、タンブル制御弁側のソレノイ
ド弁も例えば負圧側に切換えると、そのアクチュエータ
も負圧の導入でタンブル制御弁を開くように作動して全
開吸気モードとなる。こうしてエンジン運転状態に応じ
て2つのソレノイド弁の切換え制御により、2つの制御
弁が独立して開閉して3つのモードが適確に得られる。
【0015】請求項3にあっては、エンジン運転状態に
応じて一方のソレノイド弁を例えば負圧側に切換えて他
方のソレノイド弁を例えば閉じると、単一のアクチュエ
ータが負圧の導入で係合手段を係合しつつスワール制御
弁とタンブル制御弁を共に閉じるように作動してスワー
ルモードとなる。また一方のソレノイド弁を例えば大気
圧側に切換えて他方のソレノイド弁を開くと、アクチュ
エータの負圧の一部が徐々に抜け、スワール制御弁のみ
がロストモーション式に開くように作動してタンブルモ
ードとなる。他方のソレノイド弁によりアクチュエータ
の負圧を更に抜くと、係合手段が解放しタンブル制御弁
が開くように作動して全開吸気モードとなる。こうして
弁制御装置のスワール制御弁とタンブル制御弁は、単一
のアクチュエータを備えた共通1軸の簡単な構成で開閉
して、3つのモードが適確に得られる。
【0016】請求項4にあっては、2つの制御弁が共に
閉じるスワールモードの場合に、吸気マニホールドの強
い流れの空気が、常時開放の他方のサイドポートを介し
シリンダ内に吸入され、強いスワール流が生成される。
【0017】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明
する。図2において、水平対向式4気筒エンジンの概略
について説明すると、エンジン本体1は中央のシリンダ
ブロック2の左右バンク3L,3Rにシリンダヘッド4
が分離して水平に結合され、右バンク3Rに第1と第3
の気筒が、左バンク3Lに第2と第4の気筒が配置され
る。またエンジンルーム内では、エンジン本体1の前方
にオルタネータ、エアコン、パワステ等の補機5が配置
される。そこで前方の補機や後方のトーボード6等を避
けて吸気系をレイアウトするため、シリンダブロック中
心の直上にチャンバ7が配置され、このチャンバ7の上
流側ににスロットル弁8を介して図示しないエアクリー
ナが連通される。
【0018】またチャンバ7の左右には吸気マニホール
ド9a〜9dが片バンク毎に2本づつ取出され、右バン
ク3R側の2本の吸気マニホールド9a,9cは前後に
緩やかに曲がって所定の間隔を得ながら第1と第3の気
筒の吸気ポートに連通される。左バンク3L側の2本の
吸気マニホールド9b,9dも同様に屈曲して第2と第
4の気筒の吸気ポートに連通される。このため各気筒の
吸気マニホールド9a〜9dは、いずれも内側から外側
に緩やかに曲がった形状であり、図2中の矢印で示すよ
うに曲りの少ない内側の吸気の流れの方が強くなる。そ
こで低負荷の空気量の少ない状態でスワール流を生成す
る場合には、各気筒の吸気ポートにおいて内側の強い吸
気流を導入することで、強力なスワール流を生成するこ
とが可能になる。
【0019】図3ないし図5において、水平対向式エン
ジンの場合の吸気制御装置について説明する。シリンダ
ブロック2にはシリンダ10が水平に形成され、このシ
リンダ10内にピストン11が移動可能に挿入される。
シリンダヘッド4においてシリンダ頂部に燃焼室12が
形成され、燃焼室12の略中心に点火プラグ13が取付
けられる。そして燃焼室12より上方に吸気弁14を備
えた2つの吸気ポート15が二叉状に形成され、下方に
排気弁16を備えた2つの排気ポート17が二叉状に形
成されて、4バルブ式に構成される。
【0020】また2つの吸気ポート15の集合部と同一
形状の楕円筒状の接続管18を有し、この接続管18が
シリンダヘッド4の吸気ポート15の箇所に取付け部1
8aをねじ止めして連結される。図3ないし図5に示す
気筒は例えば第4気筒であり、このため接続管18にチ
ャンバ7からの吸気マニホールド9dが連結される。そ
して接続管18と2つの吸気ポート15の内部にはポー
ト分割装置21、制御弁装置30が設けられ、接続管1
8の外部には負圧作動装置35が設けられている。
【0021】ポート分割装置21は、接続管18と二叉
状の2つの吸気ポート15の内部の長手方向略全域が2
つの隔壁22,23で区画され、中央に口径の大きいセ
ンターポート24が、その両側に2つの口径の小さいサ
イドポート25,26が独立して形成される。隔壁2
2,23の先端は吸気弁14のバルブヘッド近傍まで延
びており、このため3つのポート24〜26はバルブヘ
ッド近傍まで区画して形成される。センターポート24
は2つの吸気ポート15に跨った二叉状でシリンダ中心
の広範囲に連通し、サイドポート25,26はいずれも
先端を絞ってシリンダ接線方向に連通する。そして接続
管18内のセンターポート24上には、シリンダ10内
の中心付近に燃料を噴射するようなインジェクタ27が
設置される。
【0022】制御弁装置30は、センターポート24の
入口にタンブル制御弁31が設けられ、両側のサイドポ
ート25,26において吸気の流れの弱い外側のサイド
ポート25の入口にスワール制御弁32が設けられる。
そして吸気の強い内側のサイドポート26は常に開いた
状態になっている。これら制御弁31,32は、独立2
軸の弁軸31a,32aを有して、各弁軸31a,32
aにバタフライ式の弁体31b,32bを取付けたもの
で、負圧作動装置35により開閉する。
【0023】図6と図7において、負圧作動装置35に
ついて説明すると、ダイアフラム式のアクチュエータ3
6が、レバー36aを介してタンブル制御弁31の弁軸
31aに取付けられ、ダイアフラム室36bが大気圧の
場合はスプリング36cの力で閉じ、負圧によりダイア
フラム36dを変位して開くように構成される。他方の
アクチュエータ37も、レバー37aを介してスワール
制御弁32の弁軸32aに、同様に大気圧で閉じ、負圧
で開くように取付けられる。そして2つのアクチュエー
タ36,37が、いずれも通路38,39により大気圧
側と負圧側を切換えるソレノイド弁40,41、チェッ
ク弁42,43を介して吸気マニホールド9dに接続さ
れる。また制御ユニット45がソレノイド弁40,41
に接続され、いずれもON信号でソレノイド弁40,4
1を負圧側に切換えて制御弁31,32を開くようにな
っている。
【0024】制御ユニット45は、エアフローメータ4
6の負荷に応じた吸入空気量Q、クランク角センサ47
のエンジン回転数N、水温センサ48の水温等の信号が
入力して、エンジン暖機や運転状態を判断し、図8の作
動モードマップを参照して運転状態に応じた作動モード
を定める。図8においては、低速の設定値N1、中速の
設定値N2、低負荷の設定値Q1、中負荷の設定値Q2
が設定される。そして予めN≦N1、Q≦Q1の低速低
負荷領域ではスワールモードが、N1<N≦N2、Q1
<Q≦Q2の中速中負荷領域ではタンブルモードが、N
2<N、Q2<Qの高速高負荷領域では全開吸気モード
がそれぞれ設定されている。そこで水温Twが設定値T
1より高い暖機完了状態において、スワールモードの場
合は2つのソレノイド弁40,41にOFF信号を、タ
ンブルモードの場合は一方のソレノイド弁41にのみO
N信号を、全開吸気モードの場合は2つのソレノイド弁
40,41にON信号を出力するように構成される。
【0025】次に、この実施例の作用を、図9のフロー
チャートを用いて説明する。先ず、ステップS1でエン
ジン暖機完了か否かを判断し、暖機完了の場合はステッ
プS2に進んで運転状態の領域を判断する。そこで低速
低負荷領域の場合は、ステップS3に進んで2つのソレ
ノイド弁40,41にOFF信号を出力する。このため
両ソレノイド弁40,41は大気圧側に切換わって、2
つのアクチュエータ36,37が大気導入で不作動し、
2つの制御弁31,32が共に閉じ、吸気ポート15で
はマニホールド内側のサイドポート26のみが連通した
状態になる。このとき吸気行程で吸気弁14が開くと、
スロットル弁8による少量の空気がチャンバ7、吸気マ
ニホールド9dを通って吸気ポート15に流入するが、
この場合に水平対向式エンジンの吸気系レイアウトによ
り吸気マニホールド9dの内側の強い流れの空気Aが、
図4のようにそのまま常に開くサイドポート26に流入
する。
【0026】従って、流量は少ないが流れの強い空気A
が、サイドポート26により噴流となってシリンダ10
内の接線方向に吸入され、このため吸入空気Aはシリン
ダ側10aに沿い円周方向に強く回される。そこでシリ
ンダ10内に円周方向に旋回する強いスワール流Bが、
図3のように有効に生成される。
【0027】また吸気行程の比較的遅い時期にインジェ
クタ27から燃料噴射すると、その燃料Fがセンターポ
ート24を介してシリンダ中心付近に供給されるが、こ
の燃料Fは強いスワール流Bにより確実に拡散防止さ
れ、このため点火プラグ13の電極付近に濃い混合気を
形成するように成層化される。そして圧縮行程後に濃い
混合気が点火プラグ13により確実に着火され、この着
火した濃い混合気を火種として良好に成層燃焼する。こ
の燃焼方式では全体の空燃比を希薄化することが可能に
なって、燃費や排気エミッションが向上する。
【0028】中速中負荷領域では、ステップS2からス
テップS4に進んで一方のソレノイド弁40にOFF信
号を、他方のソレノイド弁41にはON信号を出力す
る。このため他方のソレノイド弁41は負圧側に切換わ
ってそのアクチュエータ37が負圧の導入によりスワー
ル制御弁32を開くように作動し、この結果2つのサイ
ドポート25,26が共に連通した状態になる。そこで
吸気行程では、図10(a)のようにスロットル弁8に
よる比較的多い空気Aが2分割し、2つのサイドポート
25,26により噴流となってシリンダ10内の接線方
向に左右対称的に吸入される。従って、この場合はサイ
ドポート25,26からの2系統の吸入空気Aがシリン
ダ10内の吸気ポート15と反対側で衝突してシリンダ
軸方向に変向され、このためシリンダ10内に同図
(b)のように略中心線上で軸方向に旋回するタンブル
流Cが有効に生成される。
【0029】また吸気行程の比較的早い時期にインジェ
クタ27からシリンダ10内に燃料噴射すると、その燃
料Fがタンブル流Cに巻込まれて燃料Fと空気Aが良好
に混合される。また圧縮行程の後半でタンブル流Cが崩
壊する際には、ガス流動や乱れが強まって更に混合が促
進され、こうしてシリンダ10内全域に均一化の進んだ
混合気が形成される。そして流動性の強い均一混合気に
点火プラグ13により着火することで、空気利用率の高
い状態で良好に燃焼し、このためこの領域での走行性等
が向上する。
【0030】高速高負荷領域では、ステップS2からス
テップS5に進んで2つのソレノイド弁40,41にO
N信号を出力する。このため一方のソレノイド弁40も
負圧側に切換わってそのアクチュエータ36が負圧の導
入によりタンブル制御弁31を開くように作動し、この
結果2つの制御弁31,32が共に開く。このため2つ
の吸気ポート15が全開状態となり全開吸気モードとな
る。そこで吸気行程では、スロットル弁8による多量の
空気Aが2つの吸気ポート15により迅速且つ円滑にシ
リンダ10内に吸入されて、大きいエンジン出力が得ら
れる。
【0031】一方、エンジン冷態時にはステップS1か
らステップS5に進み、2つのソレノイド弁40,41
にON信号を出力して制御弁31,32を開き、上述の
全開吸気モードとなる。そこでインジェクタ27により
増量補正される燃料Fが円滑且つ確実にシリンダ10に
吸入されて、暖機促進される。尚、この実施例では、ア
クチュエータが負圧で制御弁を閉じ、大気圧で制御弁を
開くように設定することもできる。電気信号のON、O
FFの関係も任意に設定できる。
【0032】図11において、本発明の他の実施例につ
いて説明する。この実施例は、制御弁装置30と負圧作
動装置35の構造を簡素化したものである。先ず、タン
ブル制御弁31が設けられるセンターポート24の制御
弁回動部周辺と、スワール制御弁32が設けられるサイ
ドポート25の制御弁回動部周辺には、図13のような
球形の室31c,32cが備えられ、これら弁室31
c,32cで共通1軸の弁軸50に弁体31b,32b
が取付けられる。特にタンブル制御弁31の弁体31b
は、球形の弁室31cによりその位置に拘わらず閉じた
状態を保つように構成される。弁軸50は2つの制御弁
31,32毎に2分割され、一方の軸50aにレバー5
1aを介して単一のダイアフラム式アクチュエータ51
が取付けられ、他方の軸50bにリターンスプリング5
2が付勢され、両軸50a,50bの間にロストモーシ
ョン式機構の係合手段55が設けられる。
【0033】係合手段55は、図12のように一方の軸
50aの係合片56と他方の軸50bの2つの突起5
7,58とを有し、2つの突起57,58を係合片56
の両側に配置して、軸50aの回転角により係合または
解放するように構成される。ここで係合片56が垂直で
2つの突起57,58が水平に配置される場合に、各制
御弁31,32の弁体31b,32bがリターンスプリ
ング52とアクチュエータ51とにより共に垂直で開い
た状態に設定される。この状態からアクチュエータ51
により軸50aを回転すると、タンブル制御弁31の弁
体31bのみが回転し、略45度回転した時点でその制
御弁31が閉じて、それ以降閉状態に保持する。このと
き係合片56が突起57,58と係合してこれ以降は軸
50bと共にスワール制御弁32の弁体32bも回転
し、更に略45度回転した時点でその制御弁32も閉じ
るようになっている。
【0034】負圧作動装置35は、アクチュエータ51
が通路60により大気圧側と負圧側に切換えるソレノイ
ド弁61、チェック弁62を介して吸気マニホールド9
dに接続され、ソレノイド弁61の大気圧側がオリフィ
ス63を有する通路64により大気圧側を開閉するソレ
ノイド弁65に接続される。アクチュエータ51にはそ
の移動位置により制御弁31,32の開閉を検出するポ
テンショメータ66が取付けられ、この信号が制御ユニ
ット45に入力する。制御ユニット45は、上述と同様
に低速低負荷、中速中負荷、高速高負荷の領域を判断
し、この領域と移動位置によりON、OFF信号をソレ
ノイド弁61,65に出力して、切換えまたは開閉する
ようになっている。尚、上述の実施例と同一な部分は同
一の符号を付して説明を省略する。
【0035】次に、この実施例の作用について説明す
る。先ず、低速低負荷領域では、制御ユニット45によ
りソレノイド弁61を負圧側に切換えると、アクチュエ
ータ51が負圧の導入により軸50aを回転するように
作動する。そこで弁軸50の一方の軸50aが略45度
回転してタンブル制御弁31が閉じ、その後更に略45
度回転する際に係合手段55の係合により他方の軸50
bが回転してスワール制御弁32も、図13のように閉
じる。こうして2つの制御弁31,32が閉じて1つの
サイドポート26のみが開いたスワールモードとなる。
【0036】中速中負荷領域では、制御ユニット45に
よりソレノイド弁61を大気圧側に切換え、ソレノイド
弁65を開く。するとアクチュエータ51の負圧の一部
がオリフィス63とソレノイド弁65により徐々に抜け
て、リターンスプリング52により軸50a,50bが
一緒に逆回転し、略45度戻った時点で制御弁31,3
2と係合手段55が図14(a)ないし(c)のように
なる。このときポテンショメータ66の信号によりソレ
ノイド弁65を閉じることで、アクチュエータ51の負
圧がホールドされ、タンブル制御弁31は継続して閉
じ、スワール制御弁32が開いたタンブルモードとな
る。
【0037】高速高負荷領域では、ソレノイド弁65を
再び開くことでアクチュエータ51の負圧が更に抜け、
これ以降は係合手段55が解放して軸50aのみが逆回
転し、略45度戻った時点で制御弁31,32と係合手
段55が図15(a)ないし(c)のようになる。こう
してタンブル制御弁31も開いて、全開吸気モードとな
る。
【0038】以上、本発明の実施例について説明した
が、独立2軸と共通1軸の制御弁装置のいずれの場合
も、1組の負圧作動装置により左右バンクの2つの気筒
の制御装置を同時に作動可能に構成することができるの
は勿論である。水平対向式エンジンについて説明した
が、これ以外の全ての2吸気弁式エンジンにも適応でき
る。制御弁装置の作動装置は、モータ等のアクチュエー
タを使用して電子的に開閉しても良い。
【0039】
【発明の効果】以上に説明したように、本発明の請求項
1に係るエンジンの吸気制御装置では、2吸気弁式の二
叉状の2つの吸気ポートにタンブル制御弁とスワール制
御弁を設けて、スワール流とタンブル流を生成するもの
において、エンジン暖機後の運転状態に応じて低速低負
荷領域ではスワール制御弁とタンブル制御弁を共に閉じ
てスワール流を生成するように作動するスワールモード
判定手段と、中速中負荷領域ではタンブル制御弁を閉
じ、スワール制御弁を開いてタンブル流を生成するよう
に作動するタンブルモード判定手段と、高速高負荷領域
ではスワール制御弁とタンブル制御弁を共に開いて全開
吸気するように作動する全開吸気モード判定手段とを備
える構成であるから、エンジン運転状態に応じて3つの
モードを適正に切換えることができる。
【0040】低速低負荷領域では、スワール流の生成で
良好に成層燃焼して、運転の安定性が向上し、希薄燃焼
が可能で燃費、排気エミッションが向上する。中速中負
荷領域では、タンブル流の生成で良好に均一燃焼して、
走行性等が向上する。
【0041】請求項2に係るエンジンの吸気制御装置で
は、制御弁装置が、スワール制御弁とタンブル制御弁を
独立2軸で開閉するように構成され、作動装置は、各制
御弁軸に各別にダイアフラム式アクチュエータを取付
け、それらアクチュエータをそれぞれ大気圧側と負圧側
に切換えるソレノイド弁を介して吸気系に接続して、エ
ンジン運転状態に応じて2つのソレノイド弁を切換える
ことで、スワール制御弁とタンブル制御弁を開閉するよ
うに構成されるので、2つの制御弁を独立して確実に開
閉することができる。負圧作動式であるから、駆動源が
不要である。
【0042】請求項3に係るエンジンの吸気制御装置で
は、制御弁装置が、スワール制御弁とタンブル制御弁を
共通1軸で開閉するように構成され、作動装置は、共通
の弁軸の一端に単一のダイアフラム式アクチュエータを
取付け、その他端にリターンスプリングを付勢し、途中
の各制御弁の間にロストモーション式係合手段を設け、
アクチュエータを大気圧側と負圧側に切換えるソレノイ
ド弁を介して吸気系に接続し、更にソレノイド弁の大気
圧側をオリフィスを有する通路を介して大気圧側を開閉
する他のソレノイド弁に接続し、エンジン運転状態に応
じて2つのソレノイド弁を切換えまたは開閉すること
で、スワール制御弁とタンブル制御弁を開閉するように
構成されるので、制御弁装置と作動装置の構造が簡素化
して、コスト的に有利になる。
【0043】請求項4に係るエンジンの吸気制御装置
は、常時開放の他方のサイドポートが、吸気の流れの強
い側に配置されるので、スワールモードにおいて強いス
ワール流を生成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るエンジンの吸気制御装置の構成を
示すクレーム対応図である。
【図2】水平対向式エンジンの概略を示す平面図であ
る。
【図3】水平対向式エンジンの場合の吸気制御装置の実
施例を示す縦断面図である。
【図4】同実施例の横断面図である。
【図5】同実施例の切欠き斜視図である。
【図6】負圧作動装置の構成を示す回路図である。
【図7】制御弁装置の構成を示す正面図である。
【図8】作動モードマップを示す図である。
【図9】モード切換え制御を示すフローチャートであ
る。
【図10】タンブルモードの作動状態を示す断面図であ
る。
【図11】吸気制御装置の他の実施例の構成を示す回路
図である。
【図12】係合手段の構成を示す断面図である。
【図13】制御弁装置の構成を示す断面図である。
【図14】タンブルモードの作動状態を示す図である。
【図15】全開吸気モードの作動状態を示す図である。
【符号の説明】
10 シリンダ 15 吸気ポート 21 3ポート装置 24 センターポート 25,26 サイドポート 27 インジェクタ 30 制御弁装置 31 タンブル制御弁 32 スワール制御弁 35 負圧作動装置(作動装置) C1 スワールモード判定手段 C2 タンブルモード判定手段 C3 全開吸気モード判定手段
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 F02M 69/00 360 C B

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 2吸気弁式の二叉状の2つの吸気ポート
    を、センターポートとその両側の2つのサイドポートと
    に区画形成するポート分割装置と、センターポートにイ
    ンジェクタとタンブル流を生成するタンブル制御弁を、
    一方のサイドポートにスワール流を生成するスワール制
    御弁を設けた、制御弁装置と、エンジン運転状態に応じ
    てタンブル制御弁とスワール制御弁をそれぞれ開閉する
    作動装置とを備えたエンジンの吸気制御装置において、 エンジン暖機後の運転状態により低速低負荷領域ではス
    ワール制御弁とタンブル制御弁を共に閉じてスワール流
    を生成するスワールモード判定手段と、中速中負荷領域
    ではタンブル制御弁を閉じ、スワール制御弁を開いてタ
    ンブル流を生成するタンブルモード判定手段と、高速高
    負荷領域ではスワール制御弁とタンブル制御弁を共に開
    いて全開吸気する全開吸気モード判定手段とを備えるこ
    とを特徴とするエンジンの吸気制御装置。
  2. 【請求項2】 制御弁装置は、スワール制御弁とタンブ
    ル制御弁を独立2軸で開閉する構成とし、作動装置は、
    各制御弁の弁軸に各別にダイアフラム式アクチュエータ
    を取付け、それらアクチュエータをそれぞれ大気圧側と
    負圧側に切換えるソレノイド弁を介して吸気系に接続し
    て、エンジン運転状態に応じて2つのソレノイド弁を切
    換えることで、スワール制御弁とタンブル制御弁を開閉
    する構成としたことを特徴とする請求項1記載のエンジ
    ンの吸気制御装置。
  3. 【請求項3】 制御弁装置は、スワール制御弁とタンブ
    ル制御弁の間にロストモーション式係合手段を設けた共
    通1軸で開閉する構成とし、作動装置は、共通の弁軸の
    一端に単一のダイアフラム式アクチュエータを取付け、
    他端にリターンスプリングを付勢するとともに、アクチ
    ュエータを大気圧側と負圧側に切換えるソレノイド弁を
    介して吸気系に接続し、更にソレノイド弁の大気圧側を
    オリフィスを有する通路を介して大気圧側を開閉する他
    のソレノイド弁に接続し、エンジン運転状態に応じて2
    つのソレノイド弁を切換えまたは開閉することで、スワ
    ール制御弁とタンブル制御弁を開閉する構成としたこと
    を特徴とする請求項1記載のエンジンの吸気制御装置。
  4. 【請求項4】 常時開放の他方のサイドポートが、吸気
    の流れの強い側に配置されることを特徴とする請求項1
    記載のエンジンの吸気制御装置。
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