JPH0861001A - タービン段落構造 - Google Patents

タービン段落構造

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JPH0861001A
JPH0861001A JP19816494A JP19816494A JPH0861001A JP H0861001 A JPH0861001 A JP H0861001A JP 19816494 A JP19816494 A JP 19816494A JP 19816494 A JP19816494 A JP 19816494A JP H0861001 A JPH0861001 A JP H0861001A
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blades
turbine
moving
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JP19816494A
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English (en)
Inventor
Kiyoshi Namura
清 名村
Eiji Saito
英治 齊藤
Yoshiaki Yamazaki
義昭 山崎
Masakazu Takazumi
正和 高住
Kazuo Ikeuchi
和雄 池内
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Hitachi Ltd
Original Assignee
Hitachi Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】静翼の後流による動翼の共振がないタービン段
落構造を提供することにある。 【構成】軸流タービンの静翼と動翼とを組合せてなるタ
ービン段落構造において、全周の動翼を連結部材等で円
周方向に切れ目なく連結するとともに、該動翼のロータ
中心からの角度で表された円周方向の配列ピッチをpB
とする時、該動翼の上流側にある静翼のロータ中心から
の角度で表された円周方向の配列ピッチpN を、4pB
/3より大きく、2pBより小さくする。 【効果】本発明によれば静翼の後流による動翼の共振が
なく安全な信頼性の高い新規なタービン段落構造を提供
することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、蒸気タービンやガスタ
ービンなどの軸流タービンの静翼と動翼とを組合せてな
るタービン段落構造に関し、特に動翼を連結部材で連結
する構造に対する全周の動翼と静翼との組合せ構造に関
する。
【0002】
【従来の技術】こうしたタービン段落構造に関しては、
特来、特開昭58−85304 号公報や特開平4−284101 号公
報に記載されているように、動翼と静翼とのピッチをず
らす等して形成されていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】従来の技術では、必ず
しも動翼の共振を抑制することはできず、信頼性の高い
段落構造を達成することはできなかった。
【0004】そこで、本発明の目的はタービン段落構造
に伴う前記の欠点をなくし、静翼の後流(ウェイク)に
よる動翼の共振がないか、または、例え共振しても安全
で信頼性の高い新規な段落構造を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】蒸気タービンやガスター
ビンなどの軸流タービンの動翼に作用する励振力は、作
動流体の不均一さによる流体励振力,回転体自身のアン
バランスによる機械的な励振力,電磁的な励振力等があ
る。このうち流体励振力は最も普遍的でかつ動翼が共振
した場合、翼が破損に至る危険性も高い点で最も重要な
ものである。流体励振力は、円周方向にわたって流れの
不均一さがあることによって、その流れ場を通過する動
翼に作用するものであるから、励振周波数は回転数の整
数倍となる(以下、回転数の整数倍を励振次数と呼びj
で表す)。
【0006】さて、このような流体励振力の中でも静翼
の後流(ウェイク)による動翼の励振現象がある。その
励振周波数は、全周の静翼本数をMNとすると、回転数
のMN倍であり、MN はタービンの段落によっても異な
るが、通常は数10から多いものでは100を超える値
が採られる。流体励振力は励振次数が大きくなるに従っ
て大きさが急激に減少するが、静翼本数のような特定の
次数では大きな励振力が存在することになる。また、そ
の励振周波数f(Hz)は回転数のMN 倍、すなわち、
回転数をΩ(rps)とすると、f=MNΩということで比較
的高く、このような励振が問題となる動翼は、タービン
の数多くの動翼の中でも低次の主要モードの固有振動数
が励振周波数に近いような比較的短い動翼、すなわち、
高中圧タービン段落用の動翼である。
【0007】このような動翼の振動設計においては、タ
ービン運転範囲内において、動翼の主要モードの固有振
動数が静翼の後流による励振周波数と一致しないよう
に、動翼の固有振動数を設計し調整するか、または、静
翼本数を変えて励振周波数と動翼の固有振動数とが一致
しないようにする。高中圧タービンの段落に用いられる
比較的短い動翼は、一般に鉄塊に近い複雑な形状のもの
が多く、その固有振動数の精度よい解析は難しく、固有
振動数が励振周波数と一致しないようにすることは必ず
しも容易ではなかったが、本発明により、こうした問題
点を解決するに至った。
【0008】本発明においては、一つのタービン段落の
全周の動翼を連結部材で切れ目なく連結して全周1リン
グ構造にするとともに、全周の動翼本数をMB とする
時、該段落の静翼本数MNを、MB/2より大きく、か
つ、3MB/4 より小さくなるように構成する。
【0009】又、本発明のタービン段落構造は、全周の
動翼を連結部材で円周方向に切れ目なく連結するととも
に、該動翼のロータ中心からの角度で表された円周方向
の配列ピッチをpB とする時、該動翼の上流側にある静
翼のロータ中心からの角度で表された円周方向の配列ピ
ッチpN を、4pB/3より大きく、2pBより小さくす
ることを特徴とする。
【0010】負荷運転回転数範囲を静翼の後流による節
直径数MB/4からMB/2のモードの共振が起きる範囲
外、すなわち、負荷運転するロータ回転数をΩ(H
z)、節直径数K(MBが偶数の時K=MB/2,MB
奇数の時K=(MB−1)/2)に対する固有振動数を
m(Hz)とするとき、fm/K<Ωとなるようにする
ことが好ましい。
【0011】
【作用】従来、蒸気タービンやガスタービンなどの軸流
タービンの動翼の固有振動数の調整は、翼自身の大きさ
や形状を変えること以外では円周方向に配列された翼を
互いに連結部材によって連結する構造とすることによっ
て行われることが多い。翼の連結構造には種々の種類が
あるが、軸流タービンの翼を例にとって従来から用いら
れている連結構造を示すと図2のようなものがある。さ
らに、これら連結部材が円周方向にわたり切れ目が設け
られる場合と設けられない場合とで構造的には区別され
る。連結部材が円周方向にわたり切れ目が設けられる場
合は、連結部材で連結された翼構造を有限群翼構造ある
いは単に群翼構造と呼ぶ。一方連結部材が円周方向にわ
たり切れ目が設けられない場合は、全周の翼が連結部材
によりすべてつながった状態になり、このような翼構造
を全周1リング翼構造と呼ぶ。前述のように、タービン
の翼の振動設計を考えた時、固有振動数や振動モードは
以上述べた翼構造によっても変わる。
【0012】ここで、翼の固有振動モードについて簡単
に説明を加えておく。一本の翼は、通常の片持ち梁と同
様に曲げあるいはねじりの固有振動モードを持つが、そ
れぞれの固有振動モードは、群翼として連結されること
により固有振動モード群を持つ。一本の翼のそれぞれの
固有振動モードに対する群翼の固有振動モードの数は連
結された翼本数と等しい数だけあり、例えば図3には、
一つの曲げの固有振動モードに対する5本つづり群翼の
5つの曲げの固有振動モードを示す。一方、全周1リン
グ翼は、全周の翼の振動が連成することにより、円板の
振動と同様に節直径モードと呼ばれる固有振動モードを
持ち、例えば図4には、全周の翼本数が48本の翼の節
直径数0から4までの固有振動モードを示す。また、節
直径数をkで表すと節直径モードの数は全周の翼本数を
Mとすると、0≦k≦K(Mが偶数の時K=M/2,M
が奇数の時K=(M−1)/2)となる。
【0013】一方、このような動翼及び動翼構造に作用
する流体励振力は前述のように回転数の整数倍の周波数
を持つものであるが、振動設計上はタービンの運転範囲
内で翼の固有振動モードが励振力と共振しないように、
あるいは共振しても翼がこわれないようにすることが重
要な課題である。
【0014】ここで、このような流体励振力が作用した
場合の翼の振動特性について検討を加える。群翼の場
合、励振周波数と固有振動数とが一致した場合、振動応
答の大きさ自体は群翼の具体的な構成,振動モードの
形,励振次数によって異なるが、基本的には共振すると
考えなければならない。言い換えれば、群翼の一つ固有
モードの固有振動数と励振周波数とが一致しさえすれば
どの励振次数の励振力が作用しても共振すると考えて振
動設計する必要がある。
【0015】一方、全周1リング翼の場合の共振条件は
励振周波数と固有振動数とが一致するだけでなく、節直
径数kの固有モードが共振する条件として次式が満足さ
れなければならない。
【0016】 j±k=λM …(1) ここで、λ:0または正の整数 k:全周1リング構造の翼の固有モードの節直径数(0
≦k≦M/2) M:全周の翼本数 例えば、λ=0の時はj=kの場合に、λ=1の時はj
−k=Mの場合に共振することを示している。
【0017】さて、以上の知識の下で、静翼後流による
励振力の励振次数jがj=MN であり、その励振周波数
に近い低次の主要モードの固有振動数を持つ高中圧ター
ビン用の比較的短い動翼の振動問題を考えた場合、該動
翼の連結構造を全周1リング構造とし、かつ、全周の動
翼本数をMBとする時、該段落の静翼本数MN を、MB
2より大きく、かつ、3MB/4 より小さくなるように
構成することによる作用について説明する。
【0018】図5は、高中圧タービン用の比較的短い動
翼を全周1リング構造とした時の節直径数kと固有振動
数との関係を示した例であり、接戦方向モード群と軸方
向モード群との固有振動数が示されている。固有振動数
は整数kに対するとびとびの値を持つが図中にはそれら
の固有振動数を結んだ実線で示してある。一般に節直径
数kの増加に伴う固有振動数の変化は、節直径数kの小
さい領域で大きく、節直径数kの大きい領域ではゆるや
かであるという特徴を持っている。したがって、この領
域を大きく二つの領域に分けるとすれば、節直径数kが
B/4 より小さい領域と、大きい領域とに分けて考え
ることができる。この区分は別の見方からすれば、前者
は接戦方向モード群と軸方向モード群とのそれぞれの固
有振動数群ごとに、前者の領域は固有振動数が低い領
域、後者は固有振動数が高い領域ということにもなる。
【0019】次に、このような全周1リング構造を持つ
動翼の振動がタービン運転時にどのように表れるか見て
みることにする。図6は、タービン回転数に対する全周
1リング翼の節直径モードの固有振動数を表した図でい
わゆるキャンベル線図と呼ばれるものである。図6の例
では、本発明の考え方をできるだけ簡明に説明するた
め、全周の動翼本数は実際のタービンに比べて少ないM
B=20 とし、節直径数k=0〜MB/2 の固有振動数
を破線で模式的に示してある。また、簡単のため、図5
のように接戦方向モード群と軸方向モード群との両方の
固有振動数を示すのではなく、いずれかのモード群の固
有振動数として模式的に示してある。なお、図中複数の
斜めの線は、回転数の整数倍(励振次数j倍)の周波数
を表す線であり、j=1〜20に対するものが示してあ
る。図中回転数の整数倍の周波数を表す線と破線で示し
た節直径モードの固有振動数の線との交点のうち、●,
○は、これらj=1〜20すべてについて励振力が存在
するとした時に、先の式(1)で表した共振条件を満足す
る点である。この図から、j=kの共振点は回転数の比
較的高い領域に、j−k=MB の共振点は回転数の低い
領域にあることが分かる。
【0020】さて、静翼後流による励振について考え
る。本発明では(MB/2)=10<MN<(3MB/4)
=15とするので、対応するj=MNの範囲を図中のハ
ッチングで示してある。まず、(MB/2)<MNとした
ことにより、静翼後流による励振次数j=MNは、動翼
の節直径数の上限k=(MB/2)より大きくなるの
で、式(1)に示した共振条件のうちj=kの共振は発
生しないようにできる。
【0021】次に、(MB/2)<MNとすると、j+k
=MBの共振が起きる可能性があることがわかる。ただ
し、MN<(3MB/4)であるから、j+k=MBという
共振条件にあてはめて考えると、励振される節直径モー
ドは(MB/4)=5<k<(MB/2)=10のものに限
定されることになる。この領域の節直径モードの固有振
動数は先の図5で示したとおり、節直径数0<k<(MB
/4)のモードに比べ高い領域にあるが、一般的に振動
数が高いほど振動に要する運動エネルギーは大きく、し
たがって、たとえ同じ振幅の励振力が作用した時でも振
動応答が小さくなるという有利さがある。さて、以上は
図6のどの回転数範囲でも、静翼後流による大きな励振
力が存在する場合についての説明であるが、励振力につ
いてはタービンの負荷運転範囲との関係で論ずる必要が
ある。すなわち、タービンに負荷がかかっていない状態
では、作動流体の流量が非常に少なく、静翼後流による
流体励振力自体が小さくなるため、たとえ動翼が共振し
たとしても破損に至るような大きな振動応力は発生しな
いと考えられる。例えば、図6において回転数がター
ビンの定格回転数であり、回転数〜が負荷運転範囲
であるようにすれば、すなわち、ロータ回転数をΩ(H
z)、節直径数K(MBが偶数の時K=MB/2,MB
奇数の時K=(MB−1)/2)の固有振動数をfm(H
z)とするとき、fm/K<Ωとすることによって、上
述のj+k=MBという共振条件に対応する回転数範囲
では静翼後流による励振力は非常に小さくなり、共振し
ても非常に小さな振動応力となる。ただし、負荷運転範
囲が〜と広範囲に渡る場合はj+k=MB という条
件に対応する共振が起き得ることになるが、上述のよう
にj=MN<(3MB/4)とすることにより節直径数M
B/4<k<MB/2の振動応力の小さいモードだけが励
起されることになり、破損に至るような共振応力の発生
は回避しやすくなる。
【0022】
【実施例】以下本発明の実施例を図面によって説明す
る。図1は本発明の第一の実施例を示すものであって、
タービンの静翼と動翼とからなるタービン段落を半径方
向から見た平面図であって、周囲360°にわたり展開
して示してある。図7は本発明の第一の実施例の具体例
として全周の動翼本数が20本の場合についてタービン
段落を半径方向から見た平面図である。また、図8は本
発明のタービン段落を示す部分の斜視図である。
【0023】図1において静翼1は円周方向に角度で表
されたピッチpN で等間隔に配置されている。同様に、
動翼2も円周方向に角度で表されたピッチpB で等間隔
に配置されている。ここで、隣接する動翼2は連結部材
3の端面4でたがいに接触して全周にわたり切れ目無く
連結されている。本発明においては、静翼ピッチとpN
動翼pBとは (4pB/3)<pN<2pB …(2) を満足するように設定されている。静翼,動翼のそれぞ
れのピッチの逆数は静翼,動翼の全周の本数囲MN,MB
に比例するから、式(2)をMN,MBを用いて表すと、
次のようになる。
【0024】 (MB/2)<MN<(3MB/4) …(3) この結果、先に本発明の作用について詳しく説明したよ
うに、(MB/2)<MNとしたことにより、式(1)に示
した共振条件のうち静翼後流による励振次数j=MN
よるj=kの共振は発生しないようにでき、次に、(M
B/2)<MN<(3MB/4)としたことにより、たと
え、j+k=MBの共振が起きる可能性があっても、励
振される節直径モードは(MB/4)<k<(MB/2)
と固有振動数が比較的高く、したがって領域にあるが、
一般的に振動数が高いほど振動に要する運動エネルギー
は大きく、したがって、共振しても非常に小さな振動応
力となる節直径モードに限定できる。
【0025】さらに、タービンの負荷運転するロータ回
転数をΩ(Hz)、節直径数K(MBが偶数の時、K=MB
/2,奇数の時、K=(MB−1)/2)に対する固有
振動数をfm(Hz)とするとき、fm/K<Ωとするこ
とによって、上記j+k=MBの共振が起きないように
することも可能となる。
【0026】次に、具体的に全周の動翼本数が20本の
場合について示した図7によって説明する。ただし、図
7では、連結部材3は図示していない。図7において動
翼1B〜20Bは円周方向に角度で表されたピッチpB
で等間隔に配置されている。これに対して、静翼は円周
方向に1N〜13Nまで角度で表されたピッチpNで等
間隔に配置されている。すなわち、pN=360°/1
3,pB=360°/20であり、これは上述の式
(2)の関係を満足している。全周で20本の動翼が全
周1リング構造である場合の節直径モードの節直径数k
の範囲は0〜10であり、ノズルウェイクによる励振次
数はj=13であるから、j=kを満足する共振は起こ
らないことになる。しかし、k=7のモードについて
は、j+k=MB=20 の共振が起きる可能性がある
が、一般にk=7のモードの固有振動数はk=5以下の
モードの固有振動数に比べて高いから、振動に要する運
動エネルギーが大きく、したがって、共振しても振動応
力は小さくできる場合が多い。さらに、タービンの負荷
運転するロータ回転数をΩ(Hz)、節直径数K=MB
2=10に対する固有振動数をfm(Hz)とすると
き、fm/K<Ωとすることによって、上記j+k=MB
の共振が起きないようにすることも可能となる。
【0027】次に、動翼と動翼とを連結する連結部材3
は、図8に示すように動翼2の先端部分から動翼と一体
形で円周方向にのびる板状の連結部材であって、隣接す
る動翼は連結部材3の端面4でたがいに接触して全周に
わたり切れ目無く連結されるようなものである。ここ
で、“接触して切れ目無く連結される”ということにつ
いて簡単に説明を補足しておく。まず、接触という概念
は幅があるが、隣接する動翼どうしの連結部材3の端面
4において、圧縮応力が発生するように押しつけられて
いる状態を指し、圧縮応力がなくなった状態を接触して
いない状態すなわち、切れ目がある状態と考える。した
がって、図7に示す例では、連結部材3は円周方向から
何らかの押しつけ力を加えることによって端面4が接触
状態となっているものである。例えば、図9は全周で2
0本の動翼2が連結部材3の端面4で互いに接触して全
周にわたり切れ目無く連結されている状態を示すが、接
触状態を確保するために、例えば、すべて、あるいは一
部の動翼の連結部材3の円周方向のピッチを所定のピッ
チよりやや大きく製作しておき、動翼をディスクに組み
立てる際に円周方向の圧縮応力が発生させることが可能
である。しかし、全周の動翼を切れ目なく1リングに連
結する方法はこれに限られるものではなく、例えば、先
の図2に示した種々の連結構造を用いて全周1リング構
造としたものであってもよいことはもちろんである。こ
のうち、図2の(c)と(f)に関して以下に補足説明
する。翼長が比較的長く、かつ半径方向に沿ってねじれ
ている翼の場合、回転中の遠心力により翼のアンツィス
ト(ねじりもどり)が生ずることはよく知られている。
これに関して先端部カバー7,中間部ロッド10のアン
ツィスト現象とカバーどうし、ロッドどうしを接触させ
てアンツィストを拘束して翼を連結する様子を翼の半径
方向外周側から見た平面図で示したものが図10,図1
1である。
【0028】図10(a)において、カバーとカバーの
間の間隙8はアンツィストが生ずると小さくなり、やが
て図10(b)に示すように間隙8はなくなり、すなわ
ち零間隙9となり、カバーとカバーは接触し、アンツィ
ストは拘束されることになる。
【0029】また、図11に示した中間部ロッド10に
よる連結の場合についても同様である。なお、図10,
図11において間隙8がある状態は連結の切れ目がある
状態であり、零間隙9の状態となって初めて連結の切れ
目がない状態となることはもちろんである。
【0030】以上の他に、全周の翼を切れ目無く連結す
る手段としては、図12に示すように、動翼1の先端部
分から動翼と一体形で円周方向にのびる板状の連結部材
3の端面4において、隣接動翼の両方の連結部材にまた
がり、端面4に沿ってのびるピン穴11を設け、そこに
ピン12を挿入するものであってもよい。この場合、隣
接動翼の両方の連結部材は端面4で必ずしも接触してい
なくともよく、回転中にピン12に作用する遠心力によ
って、ピン12がピン穴11に押しつけられることによ
って発生する摩擦力によって連結するものであってもよ
い。
【0031】次に、本発明のタービン段落構造をタービ
ンに適用した例について説明する。図13は本発明のタ
ービン段落構造を適用したタービンの部分を示す断面図
である。タービンの内ケーシング14に取り付けられた
静翼1とタービン軸13に設けられたディスク5に取り
付けられた動翼2からなるタービン段落が5段落で構成
されている例を示す。タービンの信頼性はどのタービン
段落が振動等によって破損しても損なわれるから、すべ
てのタービン段落に対して例えば本発明の主要課題であ
るノズルウェイクによる励振を受けた場合でも問題のな
い構造にしておく必要がある。これに対して、すべての
タービン段落に本発明のタービン段落を適用すればよい
ことはもちろんであるが、すべてのタービン段落に上述
のような信頼性上の課題があるわけではないので、本発
明のタービン段落を部分的に適用する物であってもよ
い。
【0032】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば静
翼の後流(ウェイク)による動翼の共振がないか、また
は、共振しても安全な信頼性の高い新規な段落構造を提
供することができ、タービンの高信頼性化に貢献するこ
とができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例を示すタービン段落構造を半径
方向から見た展開平面図。
【図2】一般の種々の翼連結構造の例を示す斜視図。
【図3】群翼の固有振動モード例を示す斜視図。
【図4】全周1リング翼の固有振動モード例を示す斜視
図。
【図5】全周1リング翼の節直径数と固有振動の関係を
示す模式図。
【図6】全周1リング翼の回転中の振動特性を示す模式
図。
【図7】本発明の実施例を示すタービン段落構造を半径
方向から見た展開平面図。
【図8】本発明の実施例を示すタービン段落構造の部分
の斜視図。
【図9】全周1リング翼構造の一例を示すタービン軸方
向から見た正面図。
【図10】翼連結構造の一例を示す平面図。
【図11】翼連結構造の一例を示す平面図。
【図12】翼連結構造の一例を示す部分の斜視図。
【図13】本発明のタービン段落構造を適用したタービ
ンの部分を示す断面図。
【符号の説明】
1…静翼、2…動翼、3…翼連結部材、4…端面、5…
ディスク、6…翼根部、7…カバー、8…間隙、9…零
間隙、10…ロッド、11…ピン穴、12…ピン、13
…軸、14…内ケーシング、15…外ケーシング。
フロントページの続き (72)発明者 高住 正和 茨城県土浦市神立町502番地 株式会社日 立製作所機械研究所内 (72)発明者 池内 和雄 茨城県日立市幸町三丁目1番1号 株式会 社日立製作所日立工場内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】軸流タービンの静翼と動翼とを組合せてな
    るタービン段落構造において、全周の動翼を連結部材で
    円周方向に切れ目なく連結するとともに、該動翼の全周
    の翼本数をMB とする時、該動翼の上流側にある静翼の
    全周の翼本数MNを、MB/2より大きくすることを特徴
    とするタービン段落構造。
  2. 【請求項2】軸流タービンの静翼と動翼とを組合せてな
    るタービン段落構造において、全周の動翼を連結部材で
    円周方向に切れ目なく連結するとともに、該動翼のロー
    タ中心からの角度で表された円周方向の配列ピッチをp
    B とする時、該動翼の上流側にある静翼のロータ中心か
    らの角度で表された円周方向の配列ピッチpN を、4p
    B/3より大きく、2pBより小さくすることを特徴とす
    るタービン段落構造。
  3. 【請求項3】軸流タービンの静翼と動翼とを組合せてな
    るタービン段落構造において、全周の動翼を連結部材等
    で円周方向に切れ目なく連結するとともに、該動翼の全
    周の翼本数をMB とする時、該動翼の上流側にある静翼
    の全周の翼本数MNを、MB/2より大きく、3MB/4
    より小さくすることを特徴とするタービン段落構造。
  4. 【請求項4】請求項1記載のタービン段落構造を備えた
    タービン。
JP19816494A 1994-08-23 1994-08-23 タービン段落構造 Pending JPH0861001A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2013027449A1 (ja) * 2011-08-22 2013-02-28 株式会社日立製作所 動翼又は静翼に作用する非定常力の計算方法、タービンの設計手法及びタービンの製造方法
JP2014037775A (ja) * 2012-08-10 2014-02-27 Hitachi Ltd タービンの設計手法、タービンの製造方法及び動翼等に作用する非定常力の判定方法

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