JPH0860279A - 耐圧強度、耐応力腐食割れ性、開缶性に優れた缶蓋材用アルミニウム合金複合板 - Google Patents

耐圧強度、耐応力腐食割れ性、開缶性に優れた缶蓋材用アルミニウム合金複合板

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JPH0860279A
JPH0860279A JP19945594A JP19945594A JPH0860279A JP H0860279 A JPH0860279 A JP H0860279A JP 19945594 A JP19945594 A JP 19945594A JP 19945594 A JP19945594 A JP 19945594A JP H0860279 A JPH0860279 A JP H0860279A
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JP
Japan
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openability
resistance
corrosion cracking
aluminum alloy
alloy
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Application number
JP19945594A
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English (en)
Inventor
Seiichiro Fujikawa
聖一郎 藤川
Katsumi Koyama
克己 小山
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Furukawa Electric Co Ltd
Original Assignee
Furukawa Electric Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 炭酸飲料用、ビール用等の内圧の高い飲料缶
の缶蓋材に好適な耐圧強度、耐応力腐食割れ性、開缶性
に優れた缶蓋材用アルミニウム合金複合板を提供する。 【構成】 缶内面側をMg0.5〜3.5%(重量%、
以下同じ)、Mn0.5〜1.5%、Cu0.05〜
0.5%、Si0.05〜0.5%、Fe0.1〜0.
5%を含有し、残部Alと不可避的不純物とからなるア
ルミニウム合金とし、缶外面側をMg4.0〜5.0
%、Mn0.1〜0.5%、Cu0.05〜0.5%、
Si0.05〜0.5%、Fe0.1〜0.5%を含有
し、残部Alと不可避的不純物とからなるアルミニウム
合金としたことを特徴とする耐圧強度、耐応力腐食割れ
性、開缶性に優れた缶蓋材用アルミニウム合金複合板。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は炭酸飲料用、ビール用等
の内圧の高い飲料缶の缶蓋材に用いられる耐圧強度、耐
応力腐食割れ性、開缶性に優れた缶蓋材用アルミニウム
合金複合板に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、飲料缶用缶蓋材としてはAl−M
g系合金であるJIS 5052、5082、5182
等が用いられている。コーヒー、果汁飲料等の非炭酸飲
料では成形性の良好な5052が用いられている。ま
た、炭酸飲料用、ビール用等の内圧の高い飲料缶では特
に高強度化に有効な5082、5182が用いられてい
る。その材料に要求される品質特性として、塗装焼き付
けした後に施されるシェル成形・張り出し成形・スコア
加工・リベット成形・巻き締め加工等の加工性、内容物
を充填した後の耐圧強度、即ち材料強度、また耐食性、
開缶性に優れることが要求される。従来からこれらの要
求を満たすための材料開発が試みられてきている。
【0003】一方、近年、地球環境保護という観点か
ら、タブ材の散乱が公害問題となり、かつリサイクル効
率の悪いプルタブタイプの開缶方式からタブがエンド
(缶蓋材)材から離れないステイオンタブタイプの開缶
方式へ移行が進んでいる。この移行に伴い、開缶の構造
上のステイオンタブタイプの缶蓋材はプルタブタイプの
缶蓋材に比べて開け難く、スコア加工部の残肉量が少な
く、即ちスコア加工量が大きくなっているのが現状であ
る。ステイオンタブタイプの缶蓋材では開け易い材料が
望まれている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】前述のようにステイオ
ンタブタイプの缶が増加するにつれ、それが様々な環境
に遭遇する機会が多くなる。ここで問題なことは、ステ
イオンタブタイプの缶でかつ内圧の高い飲料缶におい
て、高温・多湿の環境下で放置あるいは保持したままの
状態でいると1〜2週間、早くは10日間でスコア部か
ら割れが生じ、破裂する事故が発生することである。こ
れは、スコア残肉量の厚い、即ちスコア加工量が小さい
プルタブでは起こらない。この破裂現象は、内圧の高い
缶では缶蓋材がドーム状に膨らみ表面に引張応力が掛か
っている状態で起こり、また高温・多湿の腐食環境で発
生することより応力腐食割れということができる。
【0005】このように開缶性を向上させるためにスコ
ア加工量を増加すると応力腐食割れが発生し、耐応力腐
食割れ性を向上させようとするとスコア加工量を減少す
ると開缶性が悪化するというジレンマを、本発明は解消
した。即ち、本発明はステイオンタブでかつ炭酸飲料
用、ビール用等の内圧の高い飲料缶において、他の要求
品質を損なうことなく耐応力腐食割れ性に優れた缶蓋材
用アルミニウム合金複合板を提供するものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは上記の問題
点を解決するために鋭意研究を行った結果、耐応力腐食
割れ性、開缶性に優れた合金を缶内面側に、強度に優れ
た合金を缶外面側にした2層からなる合金の缶蓋材によ
って問題が解決可能であることがわかった。この両者の
合金は、それぞれMg、Mn、Cu、Si、Fe量を規
定される。
【0007】即ち本発明は、缶内面側をMg0.5〜
3.5%、Mn0.5〜1.5%、Cu0.05〜0.
5%、Si0.05〜0.5%、Fe0.1〜0.5%
を含有し、残部Alと不可避的不純物とからなるアルミ
ニウム合金とし、缶外面側をMg4.0〜5.0%、M
n0.1〜0.5%、Cu0.05〜0.5%、Si
0.05〜0.5%、Fe0.1〜0.5%を含有し、
残部Alと不可避的不純物とからなるアルミニウム合金
としたことを特徴とする耐圧強度、耐応力腐食割れ性、
開缶性に優れた缶蓋材用アルミニウム合金複合板であ
る。
【0008】
【作用】以下本発明を更に詳細に説明する。本発明のア
ルミニウム合金複合板において、缶内面側および缶内面
側の合金組成を上記のように限定した理由は次の通りで
ある。 缶内面側合金 Mgは0.5〜3.5%とする。Mgは固溶状態あるい
は析出状態において強度を向上させるのに有効な元素で
あり、缶蓋本体の強度を増加させるために添加する。し
かし、0.5%未満ではその効果が小さく、3.5%を
超えるとβ相(Al3 Mg2 )が析出しスコア部に応力
腐食割れを生じ易くなる。Mnは0.5〜1.5%とす
る。MnはMgと同様に強度に寄与する元素である。ま
たAl−Mn系金属間化合物を形成し缶蓋として使用さ
れる場合の缶開口性を改善する効果がある。しかし0.
5%未満ではその効果が小さい。また1.5%を超える
場合にはAl−Mn系金属間化合物の粗大化によるリベ
ット割れ等が生じ、成形性低下を招く。Cuは0.05
〜0.5%とする。Cuは固溶状態あるいは微細に析出
して強度を向上させる。Cu含有量が0.05%未満で
は強度が不充分であり、0.5%を超える場合には耐食
性を劣化する。Siは0.05〜0.5%とする。Si
はMg−Si系金属間化合物を形成し強度を向上させる
が、0.05%未満ではその効果がなく、0.5%を超
えて添加するとMg−Si系金属間化合物が多くなり成
形性は劣化する。Feは0.1〜0.5%とする。Fe
は結晶粒を微細化させ、強度、成形性の向上に寄与す
る。Fe含有量が0.1%未満ではその効果が小さく、
0.5%を超える場合にはAl−Fe−Mn系あるいは
Al−Fe−Mn−Si系の金属間化合物が巨大化して
しまい、成形性が悪化してしまう。これを缶内面側の合
金とする。
【0009】缶外面側合金 Mgは4.0〜5.0%とする。Mgは4.0%未満で
は固溶硬化、析出硬化、加工硬化による強度向上の効果
が期待できず、また5.0%を超えると熱間圧延時に割
れを生じ易くなるほか、強度が非常に高くなり成形性も
悪化する。Mnは0.1〜0.5%とする。Mnは塗装
焼き付け後強度に寄与する元素で、0.1%未満ではそ
の効果が小さい。また0.5%を超える場合には、強度
が高くなり過ぎ成形性低下を招く。Cu、Si、Fe量
の規定は缶内面と同様である。これを缶外面側の合金と
する。
【0010】なお通常のアルミニウム合金において結晶
粒微細化のため、Ti、Bを単独あるいは複合の微量添
加を行うことが多く、本発明の缶内面側合金および缶外
面側合金においてもTi<0.2%、B<0.05%で
あれば、本発明の効果を損なわなく許容できる。更に上
記成分の他に不純物として、Cr<0.3%、Zn<
0.3%、V<0.3%であれば、特に問題はない。
【0011】また、缶内面側合金と缶外面側合金との比
率は、1:4から4:1とするのが良い。缶内面側合金
の割合が全体の1/5未満になると、耐圧強度は増加す
るものの応力腐食割れが起こってしまう。逆に缶内面側
合金の割合が全体の4/5を超えると、開缶性、耐応力
腐食割れ性は良好となるものの耐圧強度が低下する。以
上の2層からなるアルミニウム合金複合板は、耐圧強
度、耐応力腐食割れ性、開缶性に優れた缶蓋材となる。
【0012】
【実施例】本発明を実施例に基づき更に詳細に説明す
る。表1に示す合金組成のアルミニウム合金複合板を常
法にて圧延を行ない、0.30mmの製品板厚とした。
なお本発明品のA、Bとも、缶内面側合金と缶外面側合
金との比率は、1:1とした。このようにして得られた
複合板に塗装焼き付け、缶蓋成形を行い、耐圧強度、耐
応力腐食割れ性、開缶性を調査した。耐圧強度は7.0
kgf/cm2 以上あれば良い。なお、応力腐食割れ試
験は、40℃、湿度90%以上の恒温装置のもとで20
日間放置し応力腐食割れ発生の有無を調べた。スコア残
肉厚は110μmとした。これらの結果を表2に示す。
【0013】
【表1】
【0014】
【表2】
【0015】比較品Cは、応力腐食割れをせず、また開
缶性に優れるものの、耐圧強度が低くリベット加工性に
若干劣る。比較品Dは、耐圧強度、開缶性に関しては良
好であるが、応力腐食割れを発生してしまう。比較品E
は、応力腐食割れを発生せずまたリベット加工性は良い
が、耐圧強度、開缶性に劣る。これに対し、本発明品
A、Bは、耐圧強度、耐応力腐食割れ性、開缶性いずれ
においても良好である。
【0016】
【発明の効果】以上述べたように本発明の缶蓋材用アル
ミニウム合金複合板は、塗装焼き付け後の耐圧強度、耐
応力腐食割れ性、開缶性のいずれも合わせ持つという優
れた特性を有し、工業上顕著な効果を奏するものであ
る。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 缶内面側をMg0.5〜3.5%(重量
    %、以下同じ)、Mn0.5〜1.5%、Cu0.05
    〜0.5%、Si0.05〜0.5%、Fe0.1〜
    0.5%を含有し、残部Alと不可避的不純物とからな
    るアルミニウム合金とし、缶外面側をMg4.0〜5.
    0%、Mn0.1〜0.5%、Cu0.05〜0.5
    %、Si0.05〜0.5%、Fe0.1〜0.5%を
    含有し、残部Alと不可避的不純物とからなるアルミニ
    ウム合金としたことを特徴とする耐圧強度、耐応力腐食
    割れ性、開缶性に優れた缶蓋材用アルミニウム合金複合
    板。
JP19945594A 1994-08-24 1994-08-24 耐圧強度、耐応力腐食割れ性、開缶性に優れた缶蓋材用アルミニウム合金複合板 Pending JPH0860279A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6802197B2 (en) 2002-01-09 2004-10-12 Barrera Maria Eugenia Process for manufacturing a high strength container, particularly an aerosol container, and the container obtained through such process
CN114875279A (zh) * 2022-05-24 2022-08-09 龙口南山铝压延新材料有限公司 一种低制耳率小口径旋开瓶盖用铝合金带材及其制备方法

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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US6802197B2 (en) 2002-01-09 2004-10-12 Barrera Maria Eugenia Process for manufacturing a high strength container, particularly an aerosol container, and the container obtained through such process
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