JPH0860032A - 熱間鋼材面用粉末マーキング剤 - Google Patents

熱間鋼材面用粉末マーキング剤

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JPH0860032A
JPH0860032A JP22585994A JP22585994A JPH0860032A JP H0860032 A JPH0860032 A JP H0860032A JP 22585994 A JP22585994 A JP 22585994A JP 22585994 A JP22585994 A JP 22585994A JP H0860032 A JPH0860032 A JP H0860032A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 表面温度約 600〜1200℃の高温鋼材面に鮮明
なマークを容易且つ安全に付けることができる熱間鋼材
面用粉末マーキング剤を提供する。 【構成】 二酸化チタン粉末、炭酸マグネシウム粉末及
びタルク粉末から選ばれる一種又は二種以上の粉末50〜
95重量%と純鉄粉末、マグネタイト粉末及びマグヘマイ
ト粉末から選ばれる一種又は二種以上の粉末5〜50重量
%とからなることを特徴とする熱間鋼材面用粉末マーキ
ング剤。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、熱間鋼材面用粉末マー
キング剤に関し、表面温度が約 600〜1200℃の高温鋼材
面に鮮明なマークを容易且つ安全に付けることができる
新規熱間鋼材面用粉末マーキング剤を提供するものであ
る。本発明に係る熱間鋼材面用粉末マーキング剤は、主
として鉄鋼工場における熱間雰囲気中において高温鋼材
面に識別マーク(文字、記号)や線引マークをマーキン
グするために利用される。
【0002】
【従来の技術】周知の通り、高温状態にある金属材を対
象とするマーキング剤として各種の耐熱塗料や高温塗料
などが市販されているが、表面温度が約 600℃以上の高
温鋼材面に適用するときには、使用するマーキング剤の
処方中に、有機溶剤や有機結合材などが含まれている場
合には燃焼によって、水が含まれている場合には蒸発に
よって、いずれの場合にも鮮明なマークを形成すること
が困難になると共に、作業者に危険がおよぶこともあ
る。
【0003】そこで、高温鋼材専用のマーキング剤とし
て、特開昭47−24406 号公報に開示されている「熱間鋼
材面用粉末マーキング剤」が提案されている。このマー
キング剤は、第一燐酸ナトリウム、メタ燐酸カルシウ
ム、ピロ燐酸ソーダ等の燐酸塩類とチタン白、チタンイ
エロー、酸化クロム等の耐熱性無機顔料とからなり、必
要に応じて、硅酸ソーダ、硅酸カリ等の硅酸塩類を併用
するものであって、表面温度 200〜1200℃の高温鋼材面
に適正なマーキングができるとされている。
【0004】なお、特開昭50−8827号公報には、表面温
度50〜 200℃の鋼材を対象とする「金属表面マーキング
用粉体塗料」が開示されており、このマーキング剤は、
融点40℃以上 200℃以下の高級脂肪酸、そのエステル
類、高級アルコール、ワックス類、金属石ケン類、各種
炭化水素、その誘導体、合成樹脂(ポリエチレンやポリ
プロピレン)等の結合材とチタン白、亜鉛華、鉛白、硫
化亜鉛、アンチモン白、消石灰、ベニガラ等の耐熱性無
機顔料とからなるものである。
【0005】上掲二種のマーキング剤は粉末状であるた
め、その使用に当って粉末用スプレーガンによって噴霧
できるので連続的なマーキング作業が行えるという利点
を備えている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】前記「熱間鋼材面用粉
末マーキング剤」は、表面温度 200〜1200℃の高温鋼材
面に適正なマーキングができるものとされているが、そ
の処方中の燐酸塩類や硅酸塩類がいずれも吸水性物質で
あるため、保管中に吸水すると流動性を失い粉末用スプ
レーガンによる噴霧が不可能になるという問題点があ
り、このため、前掲公報中に「…粉末粒子の水分吸着防
止剤としてエマルジョン系ラテックス類を適宜添加しエ
マルジョンの皮膜で粒子粉末をコーティングすればよい
…」と記載されている通りの対策を採る必要がある。し
かし、上記対策を採る場合には、表面温度約 600℃以上
の高温鋼材面に適用すると、粒子粉末にコーティングさ
れているラテックス類の燃焼によって鮮明なマークを形
成することができなくなってしまうのである。
【0007】なお、前記「金属表面マーキング用粉体塗
料」にあっては、保管中の吸水による問題は生じない
が、このマーキング剤を表面温度約 600℃以上の高温鋼
材面に適用する場合には、結合材が燃焼するので鮮明な
マークを形成することは不可能である。
【0008】本発明者は、かかる現況に鑑み、保管中に
吸水することがなく、常に粉末用スプレーガンによって
噴霧でき、表面温度約 600〜1200℃の高温鋼材面に鮮明
なマークが容易且つ安全に形成できることが保証できる
熱間鋼材面用粉末マーキング剤の提供を技術的課題とし
て、永年にわたって研究を行って来たものである。
【0009】そして、本発明者は、上記技術的課題を達
成するためには、(1) 600℃以上の熱間において燃焼
することがなく、(2)空気中において可及的に吸水す
ることがなく、しかも(3)表面温度 600℃以上の高温
鋼材面に付着することができる白色無機物粉末のみによ
って処方する必要があると考え、数多くの白色無機物粉
末中より(1)〜(3)の条件を満すものを求めて実験
を重ねた結果、チタン化合物粉末、特に二酸化チタン粉
末、マグネシウム化合物粉末、特に炭酸マグネシウム粉
末、ケイ素・マグネシウム化合物、特にタルク粉末が
(1)〜(3)の条件を満すものとして好適であること
を見出した。
【0010】因みに、白色無機物粉末ではあっても、炭
酸カルシウム粉末、二酸化ケイ素粉末、ベントナイト粉
末等は表面温度 600℃以上の高温鋼材面に粉末用スプレ
ーガンによって噴霧しても付着しない。
【0011】本発明者は、二酸化チタン粉末、炭酸マグ
ネシウム粉末及びタルク粉末を表面温度約 600〜1200℃
の高温鋼材面に粉末用スプレーガンによって噴霧すれ
ば、当該鋼材面に付着して鮮明なマークが形成でき、室
温に戻っても脱落しないことを確認したが、形成されて
いるマークをこすると剥離・脱落してしまうという問題
に直面した。鋼材製造工程においては、マーキングされ
た鋼材の表面が運搬中にこすられる機会が多いので、上
記問題を解決しなければ、実用性に欠けるため、本発明
者は、これを解決すべく更に研究・実験を進めた結果、
二酸化チタン粉末、炭酸マグネシウム粉末及びタルク粉
末に、純鉄粉末、マグネタイト粉末及びマグヘマイト粉
末を特定量混合して使用する場合には、形成されている
マークを室温においてこすっても、激しくこすらない限
り、剥離・脱落しないという刮目すべき事実を見出し、
上記技術的課題を達成したものである。なお、純鉄粉
末、マグネタイト粉末及びマグヘマイト粉末は、いずれ
も、(1)〜(3)の条件を満すものである。
【0012】
【課題を解決するための手段】前記技術的課題は次の通
りの本発明によって達成できる。即ち、本発明は、二酸
化チタン粉末、炭酸マグネシウム粉末及びタルク粉末か
ら選ばれる一種又は二種以上の粉末50〜95重量%と純鉄
粉末、マグネタイト粉末及びマグヘマイト粉末から選ば
れる一種又は二種以上の粉末5〜50重量%とからなるこ
とを特徴とする熱間鋼材面用粉末マーキング剤である。
【0013】また、本発明の実施に当っては、上記熱間
鋼材面用粉末マーキング剤 100重量部に対して耐熱性無
機顔料5〜15重量部を添加することができる。
【0014】また、本発明の実施に当っては、上記熱間
鋼材面用粉末マーキング剤 100重量部又は上記熱間鋼材
面用粉末マーキング剤 100重量部に耐熱性無機顔料5〜
15重量部を添加したもの 100重量部に対して耐熱性無機
粘結剤5〜25重量部を添加することができる。
【0015】本発明の構成をより詳しく説明すれば、次
の通りである。先ず、本発明に用いる二酸化チタン粉
末、炭酸マグネシウム粉末、タルク粉末、純鉄粉末、マ
グネタイト粉末及びマグヘマイト粉末としては、いずれ
も、市販品が使用できる。その粒径は、特に限定される
ものではないが、平均粒子径 0.1〜 5.0ミクロン程度の
汎用粒子径のものが入手し易いので好適である。
【0016】次に、本発明における二酸化チタン粉末、
炭酸マグネシウム粉末及びタルク粉末から選ばれる一種
又は二種以上の粉末と純鉄粉末、マグネタイト粉末及び
マグヘマイト粉末から選ばれる一種又は二種以上の粉末
との配合割合は重要であり、前者50〜95重量%、後者5
〜50重量%の各範囲内で選定しなければならない。後者
が5重量%未満であるときには、形成されているマーク
を室温において少しこすっただけで該マークが剥離・脱
落してしまい、後者が50重量%を越えるときには、形成
されるマークの白色度が低下して鋼材表面とのコントラ
ストが悪くなってしまう。好ましくは、後者を10〜30重
量%、特に好ましくは10〜15重量%の範囲内で配合すべ
きである。
【0017】次に、本発明に係る熱間鋼材面用粉末マー
キング剤の製造は極めて容易であり、所要量の各粉末を
秤取し、これを混合するだけでよく、必要に応じて、造
粒してもよい。造粒する場合には、秤取した各粉末に所
要量の水を加えて液状物として周知の噴霧乾燥造粒法に
よって造粒するか、或いは、秤取した各粉末に所要量の
水を加えてペースト状物とした後、これを乾燥して固塊
状物とし、該固塊状物を粉砕することによって造粒すれ
ばよい。造粒物の粒子径は、平均粒子径5〜20ミクロン
程度とすることが使用性の点で好ましい。
【0018】本発明の、実施に当って、着色が要求され
る場合には、本発明に係る熱間鋼材面用粉末マーキング
剤 100重量部に対してチタンイエロー、酸化クロム、ベ
ニガラ等の耐熱性無機顔料5〜15重量部を添加すること
ができる。顔料が5重量部未満では着色効果が得られ難
く、15重量部を越えると形成されるマークが剥離し易く
なってしまう。
【0019】本発明の実施に当って、形成されるマーク
により強い密着性が要求される場合には、本発明に係る
熱間鋼材面用粉末マーキング剤(含、耐熱性無機顔料5
〜15重量部を添加したもの) 100重量部に対して市販の
フリット、硼砂、酸化硼素、酸性ピロリン酸ナトリウム
等の耐熱性無機粘結剤5〜25重量部を添加することがで
きる。粘結剤が5重量部未満では顕著な密着性向上効果
が得られ難く、25重量部を越える添加は実用上必要な
い。
【0020】上記耐熱性無機顔料や耐熱性粘結剤の添加
は造粒時に行うことが望ましい。なお、耐熱性無機粘結
剤の選定に当っては、当然のことではあるが、空気中に
おける吸水性が可及的に小さいものを選ぶべきである。
【0021】本発明に係る熱間鋼材面用粉末マーキング
剤の使用に当っては、常法に従って粉体用スプレーガン
によって対象物に噴霧すれば表面温度約 600〜1200℃の
高温鋼材面に鮮明な識別マークや線引マークをマーキン
グすることができる。なお、当業界においては、通常、
表面温度約1200℃を越える高温鋼材面へマーキングする
ことは要求されていない。また、形成されるマークを消
す場合には、耐熱性粘結剤を添加していないときは激し
くこするだけで除去でき、耐熱性粘結剤を添加している
ときは水、酸性溶液及びアルカリ性溶液を適宜使用して
洗浄することによって除去できる。
【0022】
【作用】本発明者は、表面温度約 600℃以上の高温鋼材
面に、炭酸カルシウム粉末、二酸化ケイ素粉末、ベント
ナイト粉末等は付着せず、二酸化チタン粉末、炭酸マグ
ネシウム粉末及びタルク粉末は付着する現象についての
理論的解明は、いまだ行えていないが、各粉末の粒径を
種々変更しても、この現象に変りはないことから、物質
そのものの性質に起因するものと考えている。
【0023】本発明者は、純鉄粉末、マグネタイト粉末
及びマグヘマイト粉末を混合することによって形成され
ているマークに密着性が生じる現象についての理論的解
明も、いまだ充分には行えていないが、表面温度約 600
℃以上の高温状態にある鋼材面は酸化されており、該表
面に純鉄粉末、マグネタイト粉末及びマグヘマイト粉末
が付着すると、鋼材表面と粉末粒子表面との間に原子の
相互拡散現象が生じるためと推定している。
【0024】いずれにしても、本発明に係る熱間鋼材面
用粉末マーキング剤を表面温度約 600℃以上の高温鋼材
面に適用すれば、後出実施例に示す通り、耐熱性顔料や
耐熱性粘結剤を添加することなく、JIS−K−5400−
1979の表11:碁盤目試験の評価点数:の評価点数4以上
の結果が得られることを保証できる。なお、当該評価点
数4は形成されているマークを室温においてこすって
も、激しくこすらない限り、剥離・脱落しないことを裏
付けるものである。
【0025】また、本発明に係る熱間鋼材面用粉末マー
キング剤は、前記(1)、(2)の条件を満す材料のみ
によって処方されているものであるから、表面温度約 6
00℃以上の熱間においても燃焼することはないので、鮮
明なマークが形成できると共に、作業者の安全も確保で
き、しかも、空気中で保管しても殆んど吸水することは
ないので、流動性を失うことはなく、使用時に粉末用ス
プレーガンの目詰りなどのトラブルが生じることもな
い。
【0026】さらに、本発明に係る熱間鋼材面用粉末マ
ーキング剤に配合されている純鉄粉末、マグネタイト粉
末及びマグヘマイト粉末は、いずれも磁性粉末であるか
ら、これら磁性粉末の存在によって使用時に、ホッパー
出口とスプレーガンとの連結部分に、磁界を加えたり・
取り除いたりすることによってスプレーガンへの供給・
停止が制御できる。磁界制御は、例えば特開昭58−1225
72号公報や特開昭63−251719号公報に開示されている通
り、電磁石を必要個所に設置すれば容易に行える。な
お、本発明者は、後出実施例2で調製した熱間鋼材面用
粉末マーキング剤(マグネタイト粉末5重量%配合)が
上記連結部分(内径3mmの鋼製管体)に磁界を加えるこ
とによってスプレーガンへの供給を停止できることを確
認している。
【0027】
【実施例】以下に、実施例及び比較例を挙げて本発明を
より詳しく説明する。なお、各実施例及び各比較例にお
ける形成されたマークの室温下での密着性の評価は、J
IS−K−5400−1979の6.15 碁盤目試験に従って実施
したものであり、評価結果は、該規格の表11:碁盤目試
験の評価点数:により示した。この試験に使用した試験
片(鋼板)は「JIS,G,3141(SPCC,SD)長
さ 100mm,巾70mm,厚さ 3.2mm 株式会社テストピース
製」であり、カッターガイドは「クロスカツトガイド
コーテック株式会社製」である。
【0028】実施例1 処方:二酸化チタン粉末(ASD:品番:株式会社トー
ケムプロダクツ製:平均粒子径 0.3ミクロン) 90重量
% 純鉄粉末(DSP517 :品番:同和鉄粉工業株式会社
製:平均粒子径9ミクロン) 10重量% 製法:上記両粉末を充分混合して熱間鋼材面用粉末マー
キング剤を調製した。 マーキング: 650〜 700℃の熱間雰囲気中に試験片2枚
を置き、粉末用スプレーガン(SP− 100:形式番号:
マークテック株式会社製−以下同じ−)にて上記熱間鋼
材面用粉末マーキング剤を噴霧して、一枚の試験片表面
には「T」の文字を書き、他の一枚の試験片表面は全面
を白色に塗りつぶしたところ、「T」の文字(マーク)
は白色で鮮明に形成できた。この時の各試験片の表面温
度は約 650〜 700℃であった。 評価:次いで、熱間雰囲気中から各試験片を取り出し、
試験片の温度が室温(約30℃)に戻った後、T字形マー
クを指先でこすってみたが、該マークは崩れなかった。
また、上記の全面を白色に塗りつぶした試験片を対象と
して実施した碁盤目試験の評価点数は「4」であった。
【0029】比較例1 実施例1の二酸化チタン粉末のみを用い、実施例1と同
様にして、二枚の試験片にマーキングしたところ、
「T」の文字(マーク)は白色で鮮明に形成できたが、
熱間雰囲気中から各試験片を取り出し、試験片の温度が
室温(約30℃)に戻った後、T字形マークを指先でこす
ると、該マークは崩れて試験表面から脱落してしまっ
た。また、全面を白色に塗りつぶした試験片を対象とし
て実施した碁盤目試験の評価点数は「0」であった。
【0030】実施例2 処方:二酸化チタン粉末(ASD:品番:株式会社トー
ケムプロダクツ製:平均粒子径 0.3ミクロン) 95重量
% マグネタイト粉末(タロックスBL− 500:商品名:チ
タン工業株式会社製:平均粒子径 1.7ミクロン) 5重
量% 製法:上記両粉末を充分混合して熱間鋼材面用粉末マー
キング剤を調製した。 マーキング: 750〜 800℃の熱間雰囲気中に試験片2枚
を置き、粉末用スプレーガンにて上記熱間鋼材面用粉末
マーキング剤を噴霧して、一枚の試験片表面には「T」
の文字を書き、他の一枚の試験片表面は全面を白色に塗
りつぶしたところ、「T」の文字(マーク)は白色で鮮
明に形成できた。この時の各試験片の表面温度は約 750
〜 800℃であった。 評価:次いで、熱間雰囲気中から各試験片を取り出し、
試験片の温度が室温(約30℃)に戻った後、T字形マー
クを指先でこすってみたが、該マークは崩れなかった。
また、上記の全面を白色に塗りつぶした試験片を対象と
して実施した碁盤目試験の評価点数は「4」であった。
【0031】実施例3 処方:実施例2の熱間鋼材面用粉末マーキング剤 100
重量部 フリット粉末(スリット4020:商品名:日本琺瑯釉薬株
式会社製) 20重量部 製法:上記両粉末を充分混合して熱間鋼材面用粉末マー
キング剤を調製した。 マーキング: 750〜 800℃の熱間雰囲気中に試験片2枚
を置き、粉末用スプレーガンにて上記熱間鋼材面用粉末
マーキング剤を噴霧して、一枚の試験片表面には「T」
の文字を書き、他の一枚の試験片表面は全面を白色に塗
りつぶしたところ、「T」の文字(マーク)は白色で鮮
明に形成できた。この時の各試験片の表面温度は約 750
〜 800℃であった。 評価:次いで、熱間雰囲気中から各試験片を取り出し、
試験片の温度が室温(約30℃)に戻った後、T字形マー
クを指先で強くこすってみたが、該マークは崩れなかっ
た。また、上記の全面を白色に塗りつぶした試験片を対
象として実施した碁盤目試験の評価点数は「10」であっ
た。
【0032】実施例4 処方:二酸化チタン粉末(TA− 100:品番:富士チタ
ン株式会社製:平均粒子径 0.3ミクロン) 80重量% マグヘマイト粉末(チタン工業株式会社製:平均粒子径
1.5ミクロン)10重量% 酸化コバルト顔料(住友金属鉱山株式会社製) 10重量
% 製法:上記各粉末を充分混合して熱間鋼材面用粉末マー
キング剤を調製した。 マーキング: 650〜 700℃の熱間雰囲気中に試験片2枚
を置き、粉末用スプレーガンにて上記熱間鋼材面用粉末
マーキング剤を噴霧して、一枚の試験片表面には「T」
の文字を書き、他の一枚の試験片表面は全面を青色に塗
りつぶしたところ、「T」の文字(マーク)は青色で鮮
明に形成できた。この時の各試験片の表面温度は約 650
〜 700℃であった。 評価:次いで、熱間雰囲気中から各試験片を取り出し、
試験片の温度が室温(約30℃)に戻った後、T字形マー
クを指先でこすってみたが、該マークは崩れなかった。
また、上記の全面を青色に塗りつぶした試験片を対象と
して実施した碁盤目試験の評価点数は「4」であった。
【0033】比較例2 実施例4の二酸化チタン粉末80重量部と酸化コバルト粉
末10重量部とを混合して用い、実施例4と同様にして、
二枚の試験片にマーキングしたところ、「T」の文字
(マーク)は青色で鮮明に形成できたが、熱間雰囲気中
から各試験片を取り出し、試験片の温度が室温(約30
℃)に戻った後、T字形マークを指先でこすると、該マ
ークは崩れて試験表面から脱落してしまった。また、全
面を青色に塗りつぶした試験片を対象として実施した碁
盤目試験の評価点数は「0」であった。
【0034】実施例5 処方:二酸化チタン粉末(TA− 100:品番:富士チタ
ン株式会社製:平均粒子径 0.3ミクロン) 75重量% マグネタイト粉末(タロックスBL− 500:商品名:チ
タン工業株式会社製:平均粒子径 1.7ミクロン) 10重
量% トリポリリン酸ナトリウム粉末 15重量% 製法:上記各粉末の混合物 100重量部に対して水 100重
量部を加えて液状物とし、この液状物をスプレードライ
ヤー(OC−16:形番:大川原化工機株式会社製)を用
い、その二流体ノズルにて乾燥室に噴霧し、平均粒子径
20ミクロンに造粒して熱間鋼材面用粉末マーキング剤を
調製した。 マーキング: 850〜 900℃の熱間雰囲気中に試験片2枚
を置き、粉末用スプレーガンにて上記熱間鋼材面用粉末
マーキング剤を噴霧して、一枚の試験片表面には「T」
の文字を書き、他の一枚の試験片表面は全面を白色に塗
りつぶしたところ、「T」の文字(マーク)は白色で鮮
明に形成できた。この時の各試験片の表面温度は約 850
〜 900℃であった。 評価:次いで、熱間雰囲気中から各試験片を取り出し、
試験片の温度が室温(約30℃)に戻った後、T字形マー
クを指先で強くこすってみたが、該マークは崩れなかっ
た。また、上記の全面を白色に塗りつぶした試験片を対
象として実施した碁盤目試験の評価点数は「8」であっ
た。
【0035】実施例6 処方:タルク粉末(NK−64:品番:富士タルク株式会
社製:平均粒子径1ミクロン) 85重量% マグネタイト粉末(タロックスBL− 100:商品名:チ
タン工業株式会社製:平均粒子径 1.6ミクロン) 5重
量% 酸性ピロリン酸ナトリウム粉末 20重量% 製法:上記各粉末の混合物 100重量部に対して水50重量
部を加え、よく混練してペースト状物とし、このペース
ト状物を乾燥し、水を揮散させて固塊状物とし、この固
塊状物を粉砕機を用いて粉砕し、平均粒子径7ミクロン
に造粒して熱間鋼材面用粉末マーキング剤を調製した。 マーキング: 950〜1000℃の熱間雰囲気中に試験片2枚
を置き、粉末用スプレーガンにて上記熱間鋼材面用粉末
マーキング剤を噴霧して、一枚の試験片表面には「T」
の文字を書き、他の一枚の試験片表面は全面を白色に塗
りつぶしたところ、「T」の文字(マーク)は白色で鮮
明に形成できた。この時の各試験片の表面温度は約 950
〜1000℃であった。 評価:次いで、熱間雰囲気中から各試験片を取り出し、
試験片の温度が室温(約30℃)に戻った後、T字形マー
クを指先で強くこすってみたが、該マークは崩れなかっ
た。また、上記の全面を白色に塗りつぶした試験片を対
象として実施した碁盤目試験の評価点数は「8」であっ
た。
【0036】比較例3 実施例6のタルク粉末のみを用い、実施例6と同様にし
て、二枚の試験片にマーキングしたところ、「T」の文
字(マーク)は白色で鮮明に形成できたが、熱間雰囲気
中から各試験片を取り出し、試験片の温度が室温(約30
℃)に戻った後、T字形マークを指先でこすると、該マ
ークは崩れて試験表面から脱落してしまった。また、全
面を白色に塗りつぶした試験片を対象として実施した碁
盤目試験の評価点数は「0」であった。
【0037】実施例7 処方:炭酸マグネシウム粉末(徳山ソーダー株式会社
製:平均粒子径 0.5ミクロン) 60重量% マグネタイト粉末(タロックスBL− 100:商品名:チ
タン工業株式会社製:平均粒子径 1.6ミクロン) 10重
量% チタンイエロー顔料 10重量% 硼砂 20重量% 製法:上記各粉末の混合物 135重量部に対して水 100重
量部を加えて液状物とし、この液状物を実施例5と同様
にして噴霧乾燥し、平均粒子径23ミクロンに造粒して熱
間鋼材面用粉末マーキング剤を調製した。 マーキング:1000〜1100℃の熱間雰囲気中に試験片2枚
を置き、粉末用スプレーガンにて上記熱間鋼材面用粉末
マーキング剤を噴霧して、一枚の試験片表面には「T」
の文字を書き、他の一枚の試験片表面は全面を黄色に塗
りつぶしたところ、「T」の文字(マーク)は黄色で鮮
明に形成できた。この時の各試験片の表面温度は約1000
〜1100℃であった。 評価:次いで、熱間雰囲気中から各試験片を取り出し、
試験片の温度が室温(約30℃)に戻った後、T字形マー
クを指先で強くこすってみたが、該マークは崩れなかっ
た。また、上記の全面を黄色に塗りつぶした試験片を対
象として実施した碁盤目試験の評価点数は「8」であっ
た。
【0038】比較例4 実施例7の炭酸マグネシウム粉末60重量部とチタンイエ
ロー10重量部とを実施例7と同様にして造粒したものを
用い、実施例7と同様にして、二枚の試験片にマーキン
グしたところ、「T」の文字(マーク)は黄色で鮮明に
形成できたが、熱間雰囲気中から各試験片を取り出し、
試験片の温度が室温(約30℃)に戻った後、T字形マー
クを指先でこすると、該マークは崩れて試験表面から脱
落してしまった。また、全面を黄色に塗りつぶした試験
片を対象として実施した碁盤目試験の評価点数は「0」
であった。
【0039】なお、実施例1〜7の各熱間鋼材面用粉末
マーキング剤を空気中(屋内)に3ケ月間放置して吸水
性を検討したところ、いずれも流動性を失うことなく、
粉末用スプレーガンにて目詰りを起こすことなく噴霧で
きた。
【0040】
【発明の効果】本発明に係る熱間鋼材面用粉末マーキン
グ剤は表面温度約 600〜1200℃の高温鋼材面に鮮明なマ
ークを容易且つ安全に付けることができる。また、本発
明に係る熱間鋼材面用粉末マーキング剤は、比較的安価
な材料を用いて処方でき、その製造も極めて容易であ
る。従って、本発明の産業利用性は非常に大きいといえ
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 須藤 修吾 神奈川県横須賀市舟倉町641 マークテッ ク株式会社久里浜工場内 (72)発明者 土屋 透 神奈川県横須賀市舟倉町641 マークテッ ク株式会社久里浜工場内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 二酸化チタン粉末、炭酸マグネシウム粉
    末及びタルク粉末から選ばれる一種又は二種以上の粉末
    50〜95重量%と純鉄粉末、マグネタイト粉末及びマグヘ
    マイト粉末から選ばれる一種又は二種以上の粉末5〜50
    重量%とからなることを特徴とする熱間鋼材面用粉末マ
    ーキング剤。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の熱間鋼材面用粉末マーキ
    ング剤 100重量部に対して耐熱性無機顔料5〜15重量部
    を添加してなる熱間鋼材面用粉末マーキング剤。
  3. 【請求項3】 請求項1又は請求項2記載の熱間鋼材面
    用粉末マーキング剤100重量部に対して耐熱性無機粘結
    剤5〜25重量部を添加してなる熱間鋼材面用粉末マーキ
    ング剤。
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