JPH0859746A - 低密度ポリエチレン - Google Patents

低密度ポリエチレン

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JPH0859746A
JPH0859746A JP21522094A JP21522094A JPH0859746A JP H0859746 A JPH0859746 A JP H0859746A JP 21522094 A JP21522094 A JP 21522094A JP 21522094 A JP21522094 A JP 21522094A JP H0859746 A JPH0859746 A JP H0859746A
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JP
Japan
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group
density polyethylene
low
molecular weight
cyclopentadienyl
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Pending
Application number
JP21522094A
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English (en)
Inventor
Fumio Matsushita
文夫 松下
Fumihiko Yamaguchi
文彦 山口
Tsutomu Izuhara
勉 出原
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Asahi Chemical Industry Co Ltd
Original Assignee
Asahi Chemical Industry Co Ltd
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Publication date
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  • Addition Polymer Or Copolymer, Post-Treatments, Or Chemical Modifications (AREA)
  • Transition And Organic Metals Composition Catalysts For Addition Polymerization (AREA)

Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【構成】 [A]エチレンから導かれる構成単位および
炭素数3〜20のα−オレフィンから導かれる構成単位
からなり、[B]密度d(g/cm3 )が0.940〜
0.900[C]190℃における2.16kg荷重で
のMFRのMI が0.01以上で且つ50以下であり、
[D]MIRが20以上であり、[E]溶融張力M
T (g)とMI とが、logMT ≧−0.398log
I +0.699、なる関係を満たし、[F]Mw/M
nが3.0以上であり、[G]室温におけるn−デカン
可溶分量率Δw (%)とdとが、Δw <100exp
(−100(d−0.88))+0.1、なる関係を満
たし、[H]DSC吸熱曲線が少なくとも2つ以上のピ
ークを持ち、且つ最も低温側のピーク位置の温度T
l (℃)とdとが、Tl <400d−250、なる関係
を満たす低密度ポリエチレン。 【効果】 機械的物性に優れ、且つ溶融特性に優れてい
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、新規な低密度ポリエチ
レンに関するものであり、さらに詳しくは、従来公知の
低密度ポリエチレンに比較して、機械的物性に優れ、且
つ溶融特性に優れた低密度ポリエチレンに関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】低密度ポリエチレンは、種々の成形方法
を通して多くの実用に供されており、低密度ポリエチレ
ンを成形する方法としては、例えばフィルム成形体を得
る場合、低密度ポリエチレンを溶融し、空気を吹込みな
がら金型から押出しつつ延伸するインフレーション法、
あるいは溶融した低密度ポリエチレンをTダイと称する
押出し口から押出すTダイ法等のフィルム成形方法等が
ある。また、型枠を使用し所望の形状の成形体を得る方
法としては、溶融した低密度ポリエチレンに空気を吹込
み膨張させ型枠通りの成形体を製造するブロー成形法、
さらには、溶融した低密度ポリエチレンを型枠に圧入し
て成形体を得るインジェクション法等がある。
【0003】このように低密度ポリエチレンには種々の
成形方法があるが、これらの方法に共通しているのは、
低密度ポリエチレンを先ず加熱することにより溶融状態
とし、これを押出し、成形するという点である。従っ
て、低密度ポリエチレンの加熱・溶融時の挙動、即ち溶
融特性は、樹脂を成形加工するうえで極めて重要な物性
である。溶融特性は主に押出し性を決定する溶融流動
性、及び押出されたバブルの安定性、延伸性などを支配
する溶融粘弾性等が重要な因子である。
【0004】本発明でいう溶融流動性とは、主として樹
脂を加熱・溶融して押出機から押出す時の押出負荷に対
応するもので、かかる溶融流動性の目安としてはMIR
が使用される。MIRは、190℃における21.6k
g荷重でのMFRをHMI、更に、190℃における2.
16kg荷重でのMFRをMI とした時、HMIとMI
の比、即ちHMI/MI で表わされる。本発明ではHMI
I の値をMIRとする。一般に、MIRが大きいほど溶融
流動性に優れる。
【0005】また、本発明で、溶融粘弾性とは、樹脂を
加熱・溶融して押出機から押出された樹脂のバブルの安
定性、延伸性、スウェル等に対応するものであり、かか
る溶融粘弾性の目安としては、溶融張力、メルトストレ
ングス等が使用される。一般に、溶融張力、メルトスト
レングス等が大きいほど、押出された樹脂のバブルの安
定性、延伸性、スウェル等は向上する。このような溶融
特性に優れた低密度ポリエチレンとしては、高圧法によ
る低密度ポリエチレンがある。しかし、高圧法低密度ポ
リエチレンは、引張り強度、引裂き強度あるいは耐衝撃
強度等の機械的強度、さらには耐熱性、耐ストレスクラ
ック性等が劣る、という欠点を有している。
【0006】高圧法低密度ポリエチレンの有する上記欠
点をある程度改善したポリエチレンとして、チーグラー
型触媒による直鎖状低密度ポリエチレンが開発され、気
相法、スラリー法、ソリューション法等の中・低圧法プ
ロセスで製造され、主としてフィルム用途向けに高圧法
低密度ポリエチレンを一部代替する形でその使用量が拡
大している。しかし、このような直鎖状低密度ポリエチ
レンは、高圧法低密度ポリエチレンに比べて、機械的特
性等は改善したものの、溶融特性が充分満足できるもの
とは言えず、特に溶融粘弾性に劣っており、押出時のバ
ブルの安定性、延伸性が低く、またスウェルが小さい等
の欠点が顕著であった。このため、フィルム用途或いは
ブロー成形用途等の実用に供する場合において成形加工
性が悪い、という問題があった。さらに該チーグラー型
触媒による直鎖状低密度ポリエチレンは、組成分布が広
く、フィルム等の成形体ではベタツキば生じるという問
題もあった。
【0007】このようなチーグラー型触媒による直鎖状
低密度ポリエチレンの欠点である成形加工性を改善する
試みとして、多段重合法等を用いて分子量分布の広い低
密度ポリエチレンを製造することにより成形加工性を改
善する方法が実用化されている。即ち、低分子量成分の
存在は押出性等の流動特性向上に効果があり、また高分
子量成分の存在は溶融張力等の溶融粘弾性の向上に有効
であるため、分子量分布を低分子量側及び高分子量側双
方へ広げれば、成形加工性を改善することができる。し
かし一方で、低分子量成分を増やすことは、成形体のベ
タツキや溶媒抽出成分の増加の原因になったり、成形時
に押出ノズル口付近に低分子量成分が析出・付着するい
わゆる目ヤニ現象の原因になる等の問題を生じ、また高
分子量成分を増やすことは、ゲル発生の原因になる等の
問題を生じる等、分子量分布を広げることには多くの問
題が生じている。従って、従来の直鎖状低密度ポリエチ
レンは、機械的特性等に優れる等、高圧法低密度ポリエ
チレンに対して有利な面を有するものの、上記欠点の
為、高圧法低密度ポリエチレンの一部を代替するに留ま
っているのが現状である。
【0008】一方、近年高い重合活性でエチレンまたは
エチレンと他のα−オレフィンとを、ビス(シクロペン
タジエニル)ジルコニウムジクロリド等の可溶性のハロ
ゲン含有遷移金属化合物と有機アルミニウムオキシ化合
物の1種であるアルモキサンとからなる触媒を用いるこ
とにより高活性で重合する技術が見出され、特公平4−
12283号公報にて公知となり、所謂メタロセン触媒
系として注目を集めている。かかる触媒系によれば、分
子量分布及び組成分布の極めて狭いポリエチレンを製造
することが可能である。即ち、この触媒系によるポリエ
チレンは、低分子量成分及び高分子量成分がほとんど存
在せず、しかもコモノマー分布等の組成分布が均一であ
るため、ベタツキ、ゲル等の問題に対して非常に有利で
あり、また耐衝撃性、耐溶媒抽出性、透明性等の物性に
も優れており、主として直鎖状低密度ポリエチレンや超
低密度ポリエチレンさらには極超低密度ポリエチレン等
への応用がさかんに検討されている。しかしながら、か
かるメタロセン触媒系によるポリエチレンは、分子量分
布が極めて狭いため、成形加工性が極めて悪い、という
問題があった。
【0009】この問題を解決する方法として、例えば、
複数の反応器の使用や、数種類のメタロセン触媒を併用
する等の手段により、分子量分布を広げることが提案さ
れている。例えば、特開昭60−35008号公報で
は、少なくとも2種の遷移金属化合物を混合して使用し
分子量分布を広くする方法が提案されている。また、公
知技術である多段重合法を用いる方法として、例えば、
特開平3−234717号公報において、遷移金属化合
物と有機アルミニウムオキシ化合物とからなるオレフィ
ン重合用触媒を用いた多段重合法により、重合体の溶融
特性を改善する方法が開示されている。メタロセン触媒
系による低密度ポリエチレンでは組成分布が狭い為、チ
ーグラーナッタ触媒等による低密度ポリエチレンの場合
に比べ、分子量分布を広げてもフィルム等の成形体のベ
タツキの問題は比較的生じにくい等一部の物性項目につ
いては問題がそれほど顕著には発生しにくい面もあるも
のの、それにも限界があり、全体としてはやはり分子量
分布の狭さに基づく優れた特性が、分子量分布を広げれ
ば減殺されてしまう、という問題が生じている。
【0010】上記問題を解決する為、最近メタロセン触
媒を用い、分子量分布が狭いままで組成分布が狭く、且
つ溶融特性に優れた低密度ポリエチレンを得る試みがな
されている。例えば、WO9308211(PCT出願
公開)では、特殊なメタロセン系触媒を用い、長鎖分岐
を含有させることにより、分子量分布が狭いまま溶融流
動性の改善を図ったポリエチレンが提案されている。し
かし、このポリエチレンでは、溶融流動性はある程度改
善されるものの、溶融弾性の改善に関しては必ずしも充
分ではなった。更にまた、該ポリエチレンは、長鎖分岐
含有するためか、メタロセン触媒系によるポリエチレン
の優れた物性、例えば耐衝撃性等の機械的物性が、チー
グラー型触媒によるポリエチレンと同程度迄低下してし
まう等の問題があった。
【0011】また特公表平1−50155号公報におい
ては、エチレンとブタジエン等の非共役ジエンとの共重
合による分子間カップリングを含む長鎖分岐を有するポ
リエチレンが提案されている。しかし、この分子間カッ
プリングを含む長鎖分岐を有する低密度ポリエチレンで
は、非共役ジエンによる架橋あるいはこれに類する現象
が生じる為か、高分子量成分が存在しており、実用の際
にはやはりゲルが発生しやすい、という問題が生る。
【0012】また特開平4−213306号公報、特開
平4−213309号公報及び特開平6−9724号公
報では、特定のインデニル系のメタロセンあるいは特定
の置換シクロペンタジエニル系のメタロセンを用いるこ
とにより溶融張力の改善を図ることを目的としたエチレ
ンとα−オレフィンとの共重合体が提案されている。更
に、特開平5−140224号公報及び特開平5−14
0225号公報には、1.0%以上の水を含有する微粒
子状無機担体を使用したメタロセン触媒系を用いること
による溶融張力の改善されら低密度ポリエチレンが提案
されている。しかしながら、これらのポリエチレンは、
溶融流動性及び溶融粘弾性の両方を同時に充分改善した
ものとは言い難いものであった。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】従って、機械的強度に
優れ、且つ溶融特性に優れた低密度ポリエチレンが得ら
れれば、高圧法低密度ポリエチレン、チーグラー型触媒
による直鎖状低密度ポリエチレン、さらにはメタロセン
触媒系による従来の低密度ポリエチレンの何れの欠点を
も克服したものとなり、その用途展開は広がり、工業的
意味は極めて大きいものとなる。
【0014】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、機械的強
度に優れ、且つ溶融特性に優れた低密度ポリエチレンを
得るべく鋭意研究を重ねた結果、メタロセン触媒を用い
ることによって得られるある種の特異な分子量分布及び
組成分布を有する低密度ポリエチレンは、機械的特性に
優れ、しかも驚くべきことに、その溶融特性において、
押出性等の溶融流動性及び溶融張力等の溶融粘弾性のい
ずれにも優れ、従って極めて優れた成形加工性を示すも
のであり、産業的利用価値の極めて高いポリエチレンで
あることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0015】本発明の低密度ポリエチレンは、[A]エ
チレンから導かれる構成単位および炭素数3〜20のα
−オレフィンから導かれる構成単位からなり、[B]密
度をd(g/cm3 )とした時、dが0.940以下で
且つ0.900以上であり、[C]190℃における
2.16kg荷重でのMFRをMI (g/10分)とし
た時、MI が0.01以上で且つ50以下であり、
[D]190℃における21.6kg荷重でのMFRを
MI(g/10分)とし、HMIとMI との比HMI/MI
をMIRとした時、MIRが20以上であり、[E]溶融張
力をMT (g)とした時、MT とMI とが logMT ≧−0.398logMI +0.699 で示される関係を満たし、[F]ゲルパーミエーション
・クロマトグラフィ即ちGPCで求めた重量平均分子量
をMw、数平均分子量をMnとした時、Mw/Mnが
3.0以上であり、[G]室温におけるn−デカン可溶
分量率をΔw (%)とした時、Δw とdとが Δw <100exp(−100(d−0.88))+
0.1 で示される関係を満たし、[H]示差走査型熱量計〔D
SC〕により測定した吸熱曲線が少なくとも2つ以上の
ピークを持ち、且つ該少なくとも2つ以上のピークのう
ち最も低温側のピーク位置の温度をTl (℃)とした
時、Tl とdとが Tl <400d−250 で示される関係を満たすことを特徴とする低密度ポリエ
チレンであり、または[A]〜[H]に加えて[I]示
差走査型熱量計〔DSC〕により測定した吸熱曲線にお
ける最大ピーク位置の温度をTm (℃)とした時、Tm
とdとが Tm >400d−250 で示される関係を満たすことを特徴とする低密度ポリエ
チレンであり、または[A]〜[H]あるいは[A]〜
[I]に加えて[J]グロスメルトフラクチュアが発生
する剪断応力が4×106 dyn/cm2 未満であるこ
とを特徴とする低密度ポリエチレンである。
【0016】(発明の具体的説明)以下、本発明に係わ
る低密度ポリエチレンについて具体的に説明する。本発
明の低密度ポリエチレンは、エチレンとα−オレフィン
との共重合体である。本発明の低密度ポリエチレンは、
エチレンから導かれる構成単位、および炭素数3〜20
のα- オレフィンから導かれる構成単位からなる。本発
明の低密度ポリエチレンは、その密度をd(g/c
3 )とした時、dは0.900以上であり、好ましく
は0.905以上であり、且つ又dは0.940以下で
あり、好ましくは0.935以下であり、さらに好まし
くは0.930以下である。
【0017】なお、本発明に於ける密度は、ASTM
D1505に従って測定した。また、本発明に係わる低
密度ポリエチレンは、190℃における2.16kg荷
重でのMFRをMI (g/10分)とした時、MI
0.01以上であり、好ましくは0.1以上であり、よ
り好ましくは0.5以上である。さらにまたMIは50
以下であり、好ましくは30以下であり、より好ましく
は10以下であり、最も好ましくは5以下である。
【0018】さらに、本発明の高密度ポリエチレンは、
190℃における21.6kg荷重でのMFRをHMI
した時、HMIとMI との比MIRが20以上であり、よ
り好ましくは25以上である。尚、本発明に於けるMI
及びHMIは、各々ASTM D1238における条件E
及び条件Fに従い測定される。
【0019】本発明に係わる低密度ポリエチレンは、溶
融張力をMT (g)とした時、MTとMI とが logMT ≧−0.398logMI +0.699 で示される関係を満たし、好ましくは logMT ≧−0.398logMI +0.841 で示される関係を満たし、より好ましくは logMT ≧−0.398logMI +1.000 で示される関係を満たす。
【0020】尚、溶融張力MT (g)は、溶融させたポ
リマーを一定速度で延伸した時の応力を測定する事によ
り求めることができる。本発明では、東洋精機製作所製
メルトテンション測定機を用い、樹脂温度190℃、押
出速度10mm/分、巻取速度10〜20m/分、ノズ
ル径2.09mmφ、ノズル長さ8mmの条件で溶融張
力の測定を行った。溶融張力測定時には、ポリマーにあ
らかじめ熱安定剤として2、6−ジ−t−ブチルパラク
レゾールを0.1重量%加えておく。また、本発明の低
密度ポリエチレンは、ゲルパーミエーション・クロマト
グラフィ即ちGPCで求めた重量平均分子量をMw、数
平均分子量をMnとした時、Mw/Mnが3.0以上、
好ましくは3.5以上、さらに好ましくは4.5以上で
ある。
【0021】本発明の低密度ポリエチレンは、室温にお
けるn−デカン可溶分量率をΔw (%)とした時、Δw
とdとが Δw <100exp(−100(d−0.88))+0.1 で示される関係を満たし、好ましくは Δw <80exp(−100(d−0.88))+0.1 で示される関係を満たし、さらに好ましくは Δw <60exp(−100(d−0.88))+0.1 で示される関係を満たす。
【0022】本発明におけるn−デカン可溶分量率は、
ポリエチレン約3gをn−デカン約400mlに加え、
145℃で加熱・溶解後室温まで冷却し、濾過によりn
−デカン不溶分とn−デカン可溶分を分離し、n−デカ
ン不溶分とn−デカン可溶分を分離し、n−デカン可溶
分及びn−デカン不溶分の重量を測定し、n−デカン可
溶分量のn−デカン不溶分及び可溶分合計量に対する重
量百分率を計算することにより求めることができる。
【0023】本発明の低密度ポリエチレンは、示差走査
型熱量計(DSC)により測定した吸熱曲線が少なくと
も2本つ以上のピークを持ち、且つ該少なくとも2つ以
上のピークのうち最も低温側のピーク位置の温度をTl
(℃)とした時、Tl とdとが Tl <400d−250 で示される関係を満たし、好ましくは Tl <450d−250 で示される関係を満たす。
【0024】また、本発明の低密度ポリエチレンは、D
SCにより測定した吸熱曲線における最大ピーク位置の
温度をTm (℃)とした時、Tm とdとが Tm >400d−250 で示される関係を満たし得る。尚、本発明において、D
SCの測定はパーキン・エルマー社製DSC−7を用い
て行った。吸熱曲線は、試料約8mgをアルミパンに詰
め、10℃/分で200℃まで昇温し、200℃で5分
間保持した後20℃/分で室温まで降温し、次に10℃
/分で昇温することにより求めることができる。
【0025】また、本発明において、DSCの最大ピー
クとは、DSC吸熱曲線におけるピークの高さが最大の
ものをいう。また、本発明の低密度ポリエチレンは、グ
ロスメルトフラクチュアの発生する剪断応力が4×10
6 dyn/cm2 未満であり得る。本発明において、グ
ロスメルトフラクチュアとは、MFR測定時のストラン
ドにおいて、表面メルトフラクチュアの状態が激しくな
り、ついにランダムな体積的な変動を生ずる領域をいう
のであり、WO9308211(PCT出願公開)に記
載のグロスメルトフラクチュアと同一のものである。
【0026】本発明の上記特性を示す低密度ポリエチレ
ンは、特異な分子量分布及び組成分布を実現することに
より製造することができる。尚、本発明の分子量分布曲
線および組成分布は、GPC測定およびこれに結びつけ
られたFT−IR測定により容易に求めることができ
る。本発明の低密度ポリエチレンは、GPC測定によっ
て求められる分子量分布曲線を、ガウス分布を基準とし
てピーク分割することによって、少なくとも2本以上の
ピークに分割することができる。従って、本発明の低密
度ポリエチレンは、上記少なくとも2本以上のピークに
対応する少なくとも2つ以上の成分の集合体と看做すこ
とができる。
【0027】本発明では、上記ピーク分割により求めら
れる最大ピークを示す成分を、主たる成分と称する。ま
た、本発明で、高分子量成分とは、主たる成分よりも高
分子量側にある成分のことをいい、低分子量成分とは、
主たる成分よりも低分子量側にある成分のことをいう。
【0028】本発明の低密度ポリエチレンは、例えば、
主たる成分の他に、該主たる成分の高分子量側及び低分
子量側双方に各々少なくとも1つ以上の高分子量成分及
び低分子量成分を有している。その場合、少なくとも1
つ以上の高分子量成分の総量は、該主たる成分の量の2
/3以下となる量であり、好ましくは1/2以下となる
量であり、より好ましくは1/3以下となる量である。
また、少なくとも1つ以上の低分子量成分の総量は、該
主たる成分の量の2/3以下となる量であり、好ましく
は1/2以下となる量である。尚、本発明で高分子量成
分の総量は、分子量分布曲線における高分子量成分全て
の面積の総和を求めることにより得ることができる。ま
た低分子量成分の総量についても同様に、低分子量成分
全てについて、分子量分布曲線におけるピーク分割によ
り得られる各低分子量成分の面積の総和を求めることに
より得ることができる。
【0029】本発明で主たる成分の分子量は、10,0
00以上、好ましくは30,000以上であり、且つ5
00,000以下、好ましくは300,000以下、よ
り好ましくは150,000以下である。尚本発明にお
いて、主たる成分の分子量は、分子量分布曲線における
最大ピークを示す位置の分子量を表わす。
【0030】本発明の低密度ポリエチレンの他の例は、
低分子量成分を全く有さず、少なくとも1つ以上の高分
子量成分を有する。この場合、高分子量成分の総量は、
主たる成分の4/5以下であり、好ましくは2/3以下
であり、より好ましくは1/2以下であり、さらに好ま
しくは1/3以下であり、且つ又1/100以上であ
り、好ましくは1/50以上であり、より好ましくは1
/30以上である。また、主たる成分の分子量は上記本
発明の範囲内にあり、より好ましくは50,000以上
であり、またさらに好ましくは100,000以下であ
る。
【0031】本発明の低密度ポリエチレンは、分子量分
布曲線をガウス分布を基準をしてピーク分割することに
よって求められる少なくとも2本以上のピーク各々に対
応する各成分にうち、少なくとも1つが他の成分とは異
なった組成を有する。例えば、高分子量成分および低分
子量成分の内少なくとも1つの成分が、主たる成分より
多くの量のコモノマーを含有したり、或いは少ない量の
コモノマーを含有する等である。本発明では、衝撃強度
を上げる為には、できるだけ高分子量成分に多くのコモ
ノマーを含有させることが望ましい。
【0032】本発明の低密度ポリエチレンは、上記の如
く各成分のうち少なくとも1つの成分が他の成分とは異
なった組成を有するため、該少なくとも1つの成分の密
度は該他の成分の密度とは異なった密度を有することと
なる。その結果、該少なくとも1つ以上の成分は、該他
の成分とは異なった物性を有することとなる。例えば、
該少なくとも1つの成分の融点と該他の成分の融点が異
なる等である。従って、本発明の低密度ポリエチレン
は、DSCにより測定した吸熱曲線は、少なくとも2つ
以上のピークを有する。
【0033】本発明の低密度ポリエチレンは、耐溶剤抽
出性に極めて優れており、本発明の低密度ポリエチレン
を用いて製造した製品、例えば、フィルムは、FDAの
食品包装用フィルムの基準に適合できる。本発明の高密
度ポリエチレンは、メタロセン触媒系を用い、例えば、
以下の方法により製造することができる(以後製造例1
と称することがある)。
【0034】即ち、1種類の[A]メタロセンと [B](b−1)表面に水酸基を有する微粒子状無機固
体に、(b−2)有機アルミニウムオキシ化合物が担持
された無機固体成分と必要ならば [C]有機アルミニウム化合物とからなるオレフィン重
合用触媒を用いてエチレンとα- オレフィンの共重合を
行う方法において、過剰な水素の存在下で少なくとも2
種以上の活性種を有するかのごとき挙動を示すメタロセ
ンを選択し重合に用いることにより、本発明の高密度ポ
リエチレンが製造可能である。本発明においてメタロセ
ンとは、シクロペンタジエニル骨格を有する配位子を含
むIVB族の遷移金属化合物をいう。
【0035】メタロセンの例としては、下記一般式で
表される化合物を例示することができる。 MLx … 上記一般式において、Mは周期律表第IVB族の遷移
金属であるが、具体的には、ジルコニウム、チタンまた
はハフニウムであり、Lは遷移金属に配位する配位子で
あり、少なくとも1個のLは、シクロペンタジエニル骨
格を有する配位子であり、シクロペンタジエニル骨格を
有する配位子以外のLは炭素数が1〜12の炭化水素
基、アルコキシ基、アリーロキシ基、ハロゲン原子、ト
リアルキルシリル基、−SO3 R(ただし、Rはハロゲ
ンなどの置換基を有していてもよい炭素数1〜8の炭化
水素基である。)または水素原子であり、あるいはヘテ
ロ3座配位子であってもよく、xは遷移金属の原子価で
ある。
【0036】シクロペンタジエニル骨格を有する配位子
としては、例えばシクロペンタジエニル基またはメチル
シクロペンタジエニル基、ジメチルシクロペンタジエニ
ル基、トリメチルシクロペンタジエニル基、テトラメチ
ルシクロペンタジエニル基、ペンタメチルシクロペンタ
ジエニル基、エチルシクロペンタジエニル基、メチルエ
チルシクロペンタジエニル基、プロピルシクロペンタジ
エニル基、メチルプロピルシクロペンタジエニル基、ブ
チルシクロペンタジエニル基、メチルブチルシクロペン
タジエニル基、ヘキシルシクロペンタジエニル基等のア
ルキル置換シクロペンタジエニル基あるいはインデニル
基、4,5,6,7−テトラヒドロインデニル基、フル
オレニル基などを例示することができる。これらの基は
ハロゲン原子、トリアルキルシリル基などが置換してい
てもよく、さらには結合座となりうるヘテロ原子が置換
していてもよい。また本発明のシクロペンタジエニル骨
格は、その骨格中にヘテロ原子を含んでいてもよい。
【0037】これらの遷移金属に配位する配位子の中で
は、アルキル置換シクロペンタジエニル基が特に好まし
い。上記一般式で表される化合物が、シクロペンタジ
エニル骨格を有する配位子を2個以上含む場合、そのう
ち2個のシクロペンタジエニル骨格を有する配位子は、
メチレン、エチレン、プロピレン等のアルキレン基、イ
ソプロピリデン、ジフェニルメチレン等の置換アルキレ
ン基、シリレン基またはジメチルシリレン基、ジフェニ
ルシリレン基、メチルフェニルシリレン基などの置換シ
リレン基などを介して結合されていてもよい。
【0038】本発明で、シクロペンタジエニル骨格を有
する配位子以外の配位子のより具体的な例としては、例
えば,炭素数が1〜12の炭化水素基として具体的に
は、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピ
ル基、n−ブチル基、イソブチル基、ペンチル基、ヘキ
シル基、オクチル基、デシル基等のアルキル基、シクロ
ペンチル基、シクロヘキシル基、シクロオクチル基等の
シクロアルキル基、フェニル基、トリル基等のアリール
基、ベンジル基、ネオフィル基などのアラルキル基等が
例示される。
【0039】また、アルコキシ基としては、メトキシ
基、エトキシ基、ブトキシ基等が例示される。アリーロ
キシ基としては、フェノキシ基などが例示される。ま
た、ハロゲン原子としては、フッ素、塩素、臭素、ヨウ
素などが例示される。さらに−SO3 Rで表される配位
子としては、p−トルエンスルホナト基、メタンスルホ
ナト基、トリフルオロメタンスルホナト基などが例示さ
れる。さらにヘテロ3座配位子としては、ヒドロトリス
ピラゾリルボレート基、トリスビスフェニルオキソホス
ホラニル基などが例示される。
【0040】上記一般式で表される化合物は、例えば
遷移金属の原子価が4である場合、より具体的には下記
一般式で表される。 R1 a 2 b 3 c 4 d M … (式中、Mはジルコニウム、チタンまたはハフニウム
であり、R1 はシクロペンタジエニル骨格を有する配位
子であり、R2 、R3 およびR4 はシクロペンタジエニ
ル骨格を有する配位子、アルキル基、シクロアルキル
基、アリール基、アラルキル基、アルコキシ基、アリー
ロキシ基、ハロゲン原子、トリアルキルシリル基、−S
3 Rまたは水素原子であり、aは1以上の整数であ
り、a+b+c+d=4である。)
【0041】本発明では上記一般式においてR2 、R
3 およびR4 のうち1個がシクロペンタジエニル骨格を
有する配位子である遷移金属化合物、例えばR1 および
2がシクロペンタジエニル骨格を有する配位子である
遷移金属化合物が好ましく用いられる。これらのシクロ
ペンタジエニル骨格を有する配位子はエチレン、プロピ
レンなどのアルキレン基、ジフェニルメチレンなどの置
換アルキレン基、イソプロピリデンなどのアルキリデン
基、シリレン基またはジメチルシリレン、ジフェニルシ
リレン、メチルフェニルシリレンなどの置換シリレン基
などを介して結合されていてもよく、また、R3 および
4 はシクロペンタジエニル骨格を有する配位子、アル
キル基、シクロアルキル基、アリール基、アラルキル
基、アルコキシ基、アリーロキシ基、ハロゲン原子、ト
リアルキルシリル基、SO3 Rまたは水素原子である。
【0042】以下に、遷移金属がジルコニウムであるメ
タロセンについて具体的な化合物を例示すると、例え
ば、ビス(シクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロ
リド、ビス(インデニル)ジルコニウムジクロリド、ビ
ス(インデニル)ジルコニウムジブロミド、ビス(イン
デニル)ジルコニウムビス(p−トルエンスルホナト)
ビス(4,5,6,7−テトラヒドロインデニル)ジル
コニウムジクロリド、ビス(フルオレニル)ジルコニウ
ムジクロリド、エチレンビス(シクロペンタジエニル)
ジルコニウムジクロリド、エチレンビス(メチルシクロ
ペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、エチレンビ
ス(ジメチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジク
ロリド、エチレンビス(トリメチルシクロペンタジエニ
ル)ジルコニウムジクロリド、エチレンビス(テトラメ
チルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、
エチレンビス(インデニル)ジルコニウムジクロリド、
エチレンビス(インデニル)ジルコニウムジブロミド、
エチレンビス(インデニル)ジメチルジルコニウム、エ
チレンビス(インデニル)ジフェニルジルコニウム、エ
チレンビス(インデニル)メチルジルコニウムモノクロ
リド、エチレンビス(インデニル)ジルコニウムビス
(メタンスルホナト)、エチレンビス(インデニル)ジ
ルコニウムビス(p−トルエンスルホナト)、エチレン
ビス(インデニル)ジルコニウムビス(トリフルオロメ
タンスルホナト)、エチレンビス(4,5,6,7−テ
トラヒドロインデニル)ジルコニウムジクロリド、イソ
プロピリデン(シクロペンタジエニル−フルオレニル)
ジルコニウムジクロリド、イソプロピリデン(シクロペ
ンタジエニル−メチルシクロペンタジエニル)ジルコニ
ウムジクロリド、メチレンビス(シクロペンタジエニ
ル)ジルコニウムジクロリド、メチレンビス(メチルシ
クロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、メチレ
ンビス(ジメチルシクロペンタジエニル)ジルコニウム
ジクロリド、メチレンビス(トリメチルシクロペンタジ
エニル)ジルコニウムジクロリド、メチレンビス(テト
ラメチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリ
ド、メチレンビス(インデニル)ジルコニウムジクロリ
ド、メチレンビス(インデニル)ジルコニウムビス(ト
リフルオロメタンスルホナト)、メチレンビス(4,
5,6,7−テトラヒドロインデニル)ジルコニウムジ
クロリド、メチレン(シクロペンタジエニル−フルオレ
ニル)ジルコニウムジクロリド、ジメチルシリレンビス
(シクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、ジ
メチルシリレンビス(メチルシクロペンタジエニル)ジ
ルコニウムジクロリド、ジメチルシリレンビス(ジメチ
ルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、ジ
メチルシリレンビス(トリメチルシクロペンタジエニ
ル)ジルコニウムジクロリド、ジメチルシリレンビス
(テトラメチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジ
クロリド、ジメチルシリレンビス(インデニル)ジルコ
ニウムジクロリド、ジメチルシリレンビス(インデニ
ル)ジルコニウムビス(トリフルオロメタンスルホナ
ト)、ジメチルシリレンビス(4,5,6,7−テトラ
ヒドロインデニル)ジルコニウムジクロリド、ジメチル
シリレン(シクロペンタジエニル−フルオレニル)ジル
コニウムジクロリド、ジフェニルシリレンビス(インデ
ニル)ジルコニウムジクロリド、メチルフェニルシリレ
ンビス(インデニル)ジルコニウムジクロリド、ビス
(メチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリ
ド、ビス(ジメチルシクロペンタジエニル)ジルコニウ
ムジクロリド、ビス(ジメチルシクロペンタジエニル)
ジルコニウムエトキシクロリド、ビス(ジメチルシクロ
ペンタジエニル)ジルコニウムビス(トリフルオロメタ
ンスルホナト)、ビス(エチルシクロペンタジエニル)
ジルコニウムジクロリド、ビス(メチルエチルシクロペ
ンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、ビス(プロピ
ルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、ビ
ス(メチルプロピルシクロペンタジエニル)ジルコニウ
ムジクロリド、ビス(ブチルシクロペンタジエニル)ジ
ルコニウムジクロリド、ビス(メチルブチルシクロペン
タジエニル)ジルコニウムジクロリド、ビス(メチルブ
チルシクロペンタジエニル)ジルコニウムビス(メタン
スルホナト)、ビス(トリメチルシクロペンタジエニ
ル)ジルコニウムジクロリド、ビス(テトラメチルシク
ロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、ビス(ペ
ンタメチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロ
リド、ビス(ヘキシルシクロペンタジエニル)ジルコニ
ウムジクロリド、ビス(トリメチルシリルシクロペンタ
ジエニル)ジルコニウムジクロリド、ビス(テトラメチ
ルホスホーリル)ジルコニウムジクロリド、ビス(3,
4−ジメチルホスホーリル)ジルコニウムジクロリド、
ヒドロトリスピラゾリルボレートシクロペンタジエニル
ジルコニウムジクロリド、トリス(ジフェニルオキソフ
ォスフォラニル)メタナイドシクロペンタジエニルジル
コニウムジクロリド、ヒドロトリスピラゾリルボレート
ジルコニウムトリクロリド、トリス(ジフェニルオキソ
フォスフォラニル)メタナイドジルコニウムジクロリ
ド、ヒドロトリス(3,5−ジメチルピラゾーリル)ボ
レート、トリス(ジフェニルオキソフォスフォラニル)
メタナイドペンタメチルシクロペンタジエニルジルコニ
ウムジクロリド等が挙げられる。
【0043】なお、上記例示において、シクロペンタジ
エニル環の二置換体は1,2−および1,3−置換体を
含み、三置換体は1,2,3−および1,2,4−置換
体を含む。またプロピル、ブチルなどのアルキル基は、
n−、i−、sec−、tert−などの異性体を含
む。また、本発明では上記例示のメタロセンにおいて、
遷移金属をジルコニウムからチタンまたはハフニウムに
置き換えたメタロセンを用いることもできる。
【0044】また、本発明のメタロセンのさらなる例と
して、(第3級ブチルアミド)(テトラメチル−η5
シクロペンタジエニル)−1,2−エタンジイルジルコ
ニウムジクロリド、(第3級ブチルアミド)(テトラメ
チル−η5 −シクロペンタジエニル)−1,2−エタン
ジイルチタンジクロリド、(第3級ブチルアミド)(テ
トラメチル−η5 −シクロペンタジエニル)メチレンジ
ルコニウムジクロリド、(第3級ブチルアミド)(テト
ラメチル−η5 −シクロペンタジエニル)メチレンチタ
ンジクロリド、(第3級ブチルアミド)(テトラメチル
−η5 −シクロペンタジエニル)メチレンジルコニウム
ジクロリド、(第3級ブチルアミド)(テトラメチル−
η5 −シクロペンタジエニル)メチレンチタンジメチ
ル、(第3級ブチルアミド)(テトラメチル−η5 −シ
クロペンタジエニル)イソプロピリデンジルコニウムジ
クロリド、(第3級ブチルアミド)(テトラメチル−η
5 −シクロペンタジエニル)イソプロピリデンチタンジ
クロリド、(第3級ブチルアミド)(テトラメチル−η
5 −シクロペンタジエニル)イソプロピリデンジルコニ
ウムジクロリド、(第3級ブチルアミド)(テトラメチ
ル−η5 −シクロペンタジエニル)イソプロピリデンチ
タンジメチル、(第3級ブチルアミド)(テトラメチル
−η5 −シクロペンタジエニル)−1,2−エタンジイ
ルジルコニウムジメチル、(第3級ブチルアミド)(テ
トラメチル−η5 −シクロペンタジエニル)−1,2−
エタンジイルチタンジメチル、(メチルアミド)(テト
ラメチル−η5 −シクロペンタジエニル)−1,2−エ
タンジイルジルコニウムジクロリド、(メチルアミド)
(テトラメチル−η5 −シクロペンタジエニル)−1,
2−エタンジイルチタンジクロリド、(メチルアミド)
(テトラメチル−η5 −シクロペンタジエニル)−1,
2−エタンジイルジルコニウムジベンジル、(メチルア
ミド)(テトラメチル−η5 −シクロペンタジエニル)
−1,2−エタンジイルチタンジメチル、(メチルアミ
ド)ジメチル(テトラメチル−η5 −シクロペンタジエ
ニル)シランチタンジクロリド、(メチルアミド)ジメ
チル(テトラメチル−η5 −シクロペンタジエニル)シ
ランジルコニウムジクロリド、(エチルアミド)(テト
ラメチル−η5 −シクロペンタジエニル)−メチレンチ
タンジクロリド、(エチルアミド)(テトラメチル−η
5 −シクロペンタジエニル)−メチレンチタンジメチ
ル、(第3級ブチルアミド)ジメチル(テトラメチル−
η5 −シクロペンタジエニル)シランチタンジクロリ
ド、(第3級ブチルアミド)ジメチル(テトラメチル−
η5 −シクロペンタジエニル)シランジルコニウムジク
ロリド、(第3級ブチルアミド)ジベンジル(テトラメ
チル−η5 −シクロペンタジエニル)シランジルコニウ
ムジベンジル、(第3級ブチルアミド)ジメチル(テト
ラメチル−η5 −シクロペンタジエニル)シランジルコ
ニウムジベンジル、(ベンジルアミド)ジメチル(テト
ラメチル−η5 −シクロペンタジエニル)シランチタン
ジクロリド、(ベンジルアミド)ジメチル(テトラメチ
ル−η5−シクロペンタジエニル)シランチタンジフェ
ニル、(フェニルホスフイド)ジメチル(テトラメチル
−η5 −シクロペンタジエニル)シランジルコニウムジ
ベンジル、(フェニルホスフイド)ジメチル(テトラメ
チル−η5 −シクロペンタジエニル)シランチタンジク
ロリド、(フェニルホスフイド)ジメチル(テトラメチ
ル−η5 −シクロペンタジエニル)シランジルコニウム
ジクロリド、(2−メトキシフェニルアミド)ジメチル
(テトラメチル−η5 −シクロペンタジエニル)シラン
チタンジクロリド、(4−フルオロフェニルアミド)ジ
メチル(テトラメチル−η5 −シクロペンタジエニル)
シランチタンジクロリド、((2,6−ジ(1−メチル
エチル)フェニル)アミド)ジメチル(テトラメチル−
η5 −シクロペンタジエニル)アミドチタンジクロリ
ド、(4−メトキシフェニルアミド)ジメチル(テトラ
メチル−η5 −シクロペンタジエニル)シランチタンジ
クロリド、(テトラメチル−η5 −シクロペンタジエニ
ル)ジメチル(1−メチルエトキシ)シランチタントリ
クロリド、1−(第3級ブチルアミド)−2−(テトラ
メチル−η5 −シクロペンタジエニル)−1,1,2,
2−テトラメチルジシランチタンジクロリド、1−(第
3級ブチルアミド)−2−(テトラメチル−η5 −シク
ロペンタジエニル)−1,1,2,2−テトラメチルジ
シランジルコニウムジクロリド、(第3級ブチルアミ
ド)ジメチル(テトラメチル−η5 −シクロペンタジエ
ニル)シランジルコニウムジメチル、(第3級ブチルア
ミド)ジメチル(テトラメチル−η5 −シクロペンタジ
エニル)シランチタンジクロリド、(第3級ブチルアミ
ド)ジメチル(テトラメチル−η5 −シクロペンタジエ
ニル)シランジルコニウムジクロリド、(アニリド)ジ
メチル(テトラメチル−η5 −シクロペンタジエニル)
シランチタンジクロリド、(アニリド)ジメチル(テト
ラメチル−η5 −シクロペンタジエニル)シランジルコ
ニウムジクロリド等も例示される。
【0045】本発明の低密度ポリエチレンを製造するた
めの上記製造例1においては、上記例示のメタロセンの
うち、特に、インデニル基または置換インデニル基を配
位子として2個有し、該2個の配位子が、メチレン、エ
チレン、プロピレン等のアルキレン基、イソプロピリデ
ン、ジフェニルメチレン等の置換アルキレン基、シリレ
ン基またはジメチルシリレン基、ジフェニルシリレン
基、メチルフェニルシリレン基などの置換シリレン基な
どを介して結合され、且つ遷移金属がジルコニウムであ
るメタロセンが、過剰な水素の存在下で少なくとも2種
以上の活性種を発現するかのごとき挙動を示すメタロセ
ンとして特に好適である。
【0046】本発明の低密度ポリエチレンを製造するた
めのかかる製造例1におけるメタロセンは、過剰な水素
の存在下で、すくなくとも2種以上の活性種を有するか
のごとき挙動を示す。メタロセン触媒はシングルサイト
触媒とも称されるものであり、本来活性種が1種である
べきものであるにもかかわらず、本発明の例のように、
過剰な水素の存在下で、あたかも複数の活性種が存在す
るかのごとき挙動を示すことは、全く予期せざる驚くべ
き現象であり、何故そのようなことが起こるのか、その
原因は全く不明である。本発明者らは、過剰な水素の存
在下で、メタロセンと水素が遷移状態の不安定な複数種
類の活性錯体を形成し、それが重合活性を示すものと推
定しているが、詳細は不明である。
【0047】尚、本発明で活性種とは、触媒において活
性を示すサイト、即ち活性点の種類をいう。上記本発明
の製造例1では、例えば先ず重合時に過剰な水素を重合
系内に添加し、メタロセンに少なくとも2種以上の活性
種を有するかのごとき挙動を生じせしめることにより、
複数の成分よりなる重合体を重合し、しかる後に過剰な
水素をベント、自然消費等の方法により、適切な量にま
で減量し、重合することができる。また逆に、最初に適
切な量の水素を添加し、しかる後に過剰な水素を添加す
ることにより、重合することもできる。
【0048】上記本発明の製造例1においては、水素が
過剰な領域では、水素濃度を多少増減しても重合される
複数の成分の分子量はそれほど変化せず、水素濃度の影
響を受けにくい。従って、水素濃度の微量調整が不要で
あり、その点で工業的に有利である。但し、過剰な水素
を存在させて複数の成分を重合する場合、一般に重合活
性は、適量の水素を用いて重合する場合に比べて低い傾
向にある。逆に、水素濃度が過剰濃度より少ない適量で
あれば、重合活性は向上する傾向にある。本発明の上記
製造例1においては、過剰の水素の存在下で重合を行う
場合、複数の成分の分子量の調整はメタロセン種を注意
深く好適に選択することにより可能であり、これにより
各成分の所望の分子量を得ることができる。
【0049】本発明の上記製造例1の如く1種類のメタ
ロセンを用い、過剰な水素の存在下で複数の活性点を形
成し重合を行う場合には、メタロセン種を適切に選択し
つつ、過剰の水素の存在下で、主たる成分以外の成分、
具体的には高分子量成分や低分子量成分の重合を行な
い、また、触媒の重合活性が向上し所定の重合活性が発
現可能となる適量の水素の存在下で、主たる成分の重合
を行なうことが好ましい。該適量の水素の存在下での重
合の際、水素濃度を変えて必要に応じて主たる成分の分
子量分布を広げることができる。水素濃度が過剰濃度よ
り少ない適量であれば、重合活性は向上する傾向にあ
る。ただし、その場合、相対的に少ない水素濃度で分子
量が変化するようになるため、分子量制御のためには相
対的に少ない量の水素濃度の制御が必要となる。
【0050】上記本発明の低密度ポリエチレンの製造例
1において、例えば、主たる成分のコモノマー含有量を
他の成分のコモノマー含有量より多くしたい場合には、
α-オレフィンの添加は適量の水素の存在下での重合の
際にのみ行い、過剰の水素の存在下での重合の際にはα
- オレフィンの重合系内での存在量が相対的に少なくな
るか或いは全く存在しないようにすることが望ましい。
本発明の低密度ポリエチレンを製造する別な例として、
以下の方法も挙げられる(以下製造例2と称することが
ある)。
【0051】即ち、少なくとも2種類の[A]メタロセ
ンと [B](b−1)表面に水酸基を有する微粒子状無機固
体に(b−2)有機アルミニウムオキシ化合物が担持さ
れた無機固体成分と必要ならば [C]有機アルミニウム化合物とからなるオレフィン重
合用触媒を用いる重合方法においても、本発明の低密度
ポリエチレンが製造可能である。
【0052】かかる本発明の低密度ポリエチレンの製造
例2における少なくとも2種類のメタロセンは、前記製
造例1において例示のメタロセンの中から選択できる。
この場合、本発明の低密度ポリエチレンの分子量分布お
よび組成分布を実現するため、適切なメタロセンの種類
及び該少なくとも2種類のメタロセンを組み合わせる際
のメタロセン同志の適切な量的比率を選択することが肝
要であり、単に任意のメタロセンを任意に組み合わせた
だけでは本発明の低密度ポリエチレンを製造することは
できない。例えば、2種類のメタロセンを使用して重合
を行なう場合、目的の高分子量成分及び低分子量成分を
重合可能であるような2種類のメタロセンの組み合わせ
を選択することが重要である。
【0053】また、上記本発明の低密度ポリエチレンの
製造例2における水素の添加量は、先に例示した製造例
1とは異なり、過剰な量の水素を用いず、当初から充分
に高い重合活性が得られるに適切な水素量にて重合を行
う。この場合、水素濃度の調節により分子量の制御が可
能である。本発明の低密度ポリエチレンを製造するさら
に別な例として、以下の方法も挙げられる(以下製造例
3と称することがある)。
【0054】即ち、少なくとも2種類の[A]メタロセ
ンと [B](b−1)表面に水酸基を有する微粒子状無機固
体に(b−2)有機アルミニウムオキシ化合物が担持さ
れた無機固体成分と必要ならば [C]有機アルミニウム化合物とからなるオレフィン重
合用触媒を用い、さらに多段重合を用い、該多段重合の
際に、2段目以降の重合段の内少なくとも1つの重合段
において、1段目に加えたメタロセンとはことなる少な
くとも1種のメタロセンを新たに加えて重合を行うこと
により、本発明の低密度ポリエチレンを製造することが
できる。
【0055】かかる本発明の低密度ポリエチレンの製造
例3における少なくとも2種類のメタロセンは、前記製
造例1において例示のメタロセンの中から選択できる。
この場合、本発明の低密度ポリエチレンの分子量分布お
よび組成分布を実現するため、適切なメタロセンの種類
及び該少なくとも2種類のメタロセンを組み合わせる際
のメタロセン同志の適切な量的比率を選択することが肝
要であり、例えば、2種類のメタロセンを使用して重合
を行う場合に、目的の高分子量成分及び低分子量成分を
重合可能であると同時に、該各成分が所望の各比率のα
- オレフィンとの共重合体となるような2種類のメタロ
センの組合せを選択する等が重要であること等、製造例
2と同様である。
【0056】本発明の製造例における(b−1)微粒子
状無機固体としては、多孔質無機固体が好ましく、例え
ば、SiO2 、Al2 3 、MgO、MgCl2 、Zr
2、TiO2 、B2 3 、CaO、ZnO、BaO、
2 5 、Cr2 3 、ThO等であり、またはこれら
を含む混合物、あるいはこれらの複合酸化物、例えばS
iO2 −MgO、SiO2 −Al2 3 、SiO2 −T
iO2 、SiO2 −V2 5 、SiO2 −Cr2 3
SiO2 −TiO2 −MgO等である。これらの中でS
iO2 、Al2 3 、MgO及びMgCl2 からなる群
から選ばれた少なくとも1種の成分を主成分とするもの
が好ましい。
【0057】本発明の低密度ポリエチレンを製造する例
における微粒子状無機固体は、表面に水酸基を有する。
本発明において微粒子状無機固体が表面に有する水酸基
とは、通常は微粒子状無機固体表面に重合条件下で強固
に保持され、高温での加熱によりH2 Oを発生する水酸
基をいう。
【0058】重合条件下で水酸基が表面に強固に保持さ
れた微粒子状無機固体を得る方法は、例えば、乾燥窒素
中で、重合の際と同じ温度条件下で、あるいはそれ以上
の温度条件下で、微粒子状無機固体を例えば3時間以上
放置する等の方法による。本発明において微粒子状無機
固体が表面に有する水酸基の量は、微粒子状無機固体を
常圧下、1000℃で加熱した場合の該無機固体の重量
減少量の加熱前微粒子状無機固体重量に対する割合(重
量%)によって表される。
【0059】本発明の微粒子状無機固体が表面に有する
水酸基の量は、(b−2)有機アルミニウムオキシ化合
物を微粒子状無機固体に担持する際に、有効に働く量で
あることが好ましい。この場合、該水酸基の量が使用す
る有機アルミニウムオキシ化合物の量に対して多すぎる
と、有機アルミニウムオキシ化合物中のアルキル基が該
水酸基で潰され、触媒性能を発現することが阻害され
る。また、微粒子状無機固体が表面に有する水酸基の量
が使用する有機アルミニウムオキシ化合物に対して少な
すぎると有機アルミニウムオキシ化合物の担持に支障を
きたす。
【0060】即ち、微粒子状無機固体が表面に有する水
酸基は有機アルミニウムオキシ化合物のアルキル基と反
応しO−Al結合を形成すると考えられるが、微粒子状
無機固体が表面に有する水酸基の量が有機アルミニウム
オキシ化合物に対して少なすぎると所望の量の有機アル
ミニウムオキシ化合物を微粒子状無機固体表面に強固に
担持することが出来なくなる。本発明では、微粒子状無
機固体が表面に有する水酸基(OH)の(b−2)有機
アルミニウムオキシ化合物中のアルミニウム(A
b-2 )に対するモル比(OH/Alb-2 )の範囲が、
上限が1以下であり、好ましくは0.7以下であり、下
限が0.01以上であり、好ましくは0.05以上であ
ることが望ましい。
【0061】また、重合に必要且つ有効な量の有機アル
ミニウムオキシ化合物を担持する為には、微粒子状無機
固体が表面に有する水酸基の量は、微粒子状無機固体の
少なくとも0.5重量%以上であることが望ましく、さ
らには1重量%以上であることが望ましい。但し、微粒
子状無機固体が表面に有する水酸基の量が多すぎると、
活性が低下する傾向が観られる。これはおそらく有機ア
ルミニウムオキシ化合物との反応サイトが増え過ぎ、結
果として有機アルミニウムオキシ化合物の助触媒として
の効果が制限されるためと考えられるが、詳細は不明で
ある。このように微粒子状無機固体が表面に有する水酸
基の量が多すぎると活性が低下する傾向があるため、該
水酸基の上限の量は好ましくは12重量%であり、より
好ましくは10重量%であり、さらに好ましくは8重量
%であり、よりさらに好ましくは6重量%であることが
望ましい。
【0062】本発明の低密度ポリエチレンを製造する例
において、微粒子状無機固体が表面に有する水酸基の量
は必要に応じて適当な条件下で加熱することにより調整
可能である。本発明において、微粒子状無機固体が表面
に有する水酸基は、有機アルミニウム化合物等で化学的
に処理することにより変性することもできる。このよう
に有機アルミニウム化合物で微粒子状無機固体が表面に
有する水酸基を変性することにより、該水酸基の量を実
質的に調整することが可能であり、また(b−2)有機
アルミニウムオキシ化合物の使用量を低減する効果も見
出される。
【0063】このような有機アルミニウム化合物として
は、例えば下記一般式で表わされる有機アルミニウム
化合物を例示することが出来る。 R5 n AlX3-n … (式中、R5 は炭素数1〜12の炭化水素基であり、X
はハロゲンまたは水素であり、nは1〜3である。)
【0064】上記一般式において、R5 は炭素数1〜
12の炭化水素基たとえばアルキル基、シクロアルキル
基またはアリール基であるが、具体的には、メチル基、
エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、イソブチ
ル基、ペンチル基、ヘキシル基、オクチル基、シクロペ
ンチル基、シクロヘキシル基、フェニル基、トリル基等
である。
【0065】このような有機アルミニウム化合物として
は、具体的には、トリメチルアルミニウム、トリエチル
アルミニウム、トリイソプロピルアルミニウム、トリイ
ソブチルアルミニウム、トリオクチルアルミニウム、ト
リ2−エチルヘキシルアルミニウムなどのトリアルキル
アルミニウム;イソプレニルアルミニウムなどのアルケ
ニルアルミニウム;ジメチルアルミニウムクロリド、ジ
エチルアルミニウムクロリド、ジイソプロピルアルミニ
ウムクロリド、ジイソブチルアルミニウムクロリド、ジ
メチルアルミニウムブロミド等のジアルキルアルミニウ
ムハライド;メチルアルミニウムセスキクロリド、エチ
ルアルミニウムセスキクロリド、イソプロピルアルミニ
ウムセスキクロリド、ブチルアルミニウムセスキクロリ
ド、エチルアルミニウムセスキブロミドなどのアルキル
アルミニウムセスキハライド;メチルアルミニウムジク
ロリド、エチルアルミニウムジクロリド、イソプロピル
アルミニウムジクロリド、エチルアルミニウムジブロミ
ドなどのアルキルアルミニウムジハライド;ジエチルア
ルミニウムハイドライド、ジイソブチルアルミニウムハ
イドライドなどのジアルキルアルミニウムハイドライド
等が挙げられる。
【0066】本発明において、上記有機アルミニウム化
合物を使用して(b−1)微粒子状無機固体が表面に有
する水酸基を変性する場合、該有機アルミニウムの使用
量は、該有機アルミニウム中のアルミニウム(AlR
の該水酸基(OH)に対するモル比(AlR /OH)が
1以下となる量である。
【0067】本発明において、上記有機アルミニウム化
合物を使用して(b−1)微粒子状無機固体が表面に有
する水酸基を変性する場合、通常は(b−1)微粒子状
無機固体に(b−2)有機アルミニウムオキシ化合物を
担持する前に有機アルミニウム化合物と(b−1)微粒
子状無機固体とを接触させることにより該水酸基を変性
するが、あらかじめ有機アルミニウム化合物と(b−
2)有機アルミニウムオキシ化合物を混合し、しかる後
に該混合物と(b−1)微粒子状無機固体を接触させる
ことにより、該水酸基の変性と有機アルミニウムオキシ
化合物の担持を同時に行なっても構わない。
【0068】本発明で、上記有機アルミニウム化合物を
使用して(b−1)微粒子状無機固体が表面に有する水
酸基を変性する場合、前記微粒子状無機固体が表面に有
する水酸基(OH)の(b−2)有機アルミニウムオキ
シ化合物中のアルミニウム(Alb-2 )に対するモル比
(OH/Alb-2 )におけるアルミニウムは、該有機ア
ルミニウム化合物中のアルミニウム(AlR )を加えた
値と看做す。従って、前記微粒子状無機固体が表面に有
する水酸基(OH)の(b−2)有機アルミニウムオキ
シ化合物中のアルミニウム(Alb-2 )に対するモル比
(OH/Alb-2 )の望ましい範囲である上限が1以下
であり、好ましくは0.7以下であり、下限が0.01
以上であり、好ましくは0.05以上である範囲は、上
記有機アルミニウム化合物を使用して微粒子状無機固体
が表面に有する水酸基を変性する場合には、微粒子状無
機固体が表面に有する水酸基(OH)の(b−2)有機
アルミニウムオキシ化合物中のアルミニウム(A
b-2 )と該水酸基を変性するために使用する有機アル
ミニウム中のアルミニウム(AlR )の和に対するモル
比(OH/Alb-2 +AlR )の望ましい範囲が、上限
が1以下であり、好ましくは0.7以下であり、下限が
0.01以上であり、好ましくは0.05以上と看做
す。
【0069】本発明において上記有機アルミニウム化合
物を使用して(b−1)微粒子状無機固体が表面に有す
る水酸基を変性する場合、該有機アルミニウム化合物中
のアルミニウム(AlR )の(b−2)有機アルミニウ
ムオキシ化合物中のアルミニウム(Alb-2 )に対する
モル比(AlR /Alb-2 )は1以下が好ましい。本発
明の高密度ポリエチレンの製造例で用いられる(b−
2)有機アルミニウムオキシ化合物は、下記式で表さ
れるアルキルオキシアルミニウム単位を有するものであ
る。
【0070】
【化1】 (式中、R6 は炭素数1〜12の炭化水素基である。)
【0071】上記式において、R6 は具体的にはメチ
ル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n
−ブチル基、イソブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、
オクチル基、デシル基、シクロヘキシル基、シクロオク
チル基などが例示できる。これらの中でメチル基、エチ
ル基が好ましく、特にメチル基が好ましい。上記式に
於いて、例えば、1種類のアルキルオキシアルミニウム
単位から構成される有機アルミニウムオキシ化合物の例
としては、メチルアルモキサン、エチルアルモキサン、
n−プロピルアルモキサン、イソプロピルアルモキサ
ン、n−ブチルアルモキサン、イソブチルアルモキサ
ン、ペンチルアルモキサン、ヘキシルアルモキサン、オ
クチルアルモキサン、デシルアルモキサン、シクロヘキ
シルアルモキサン、シクロオクチルアルモキサン等があ
る。これらの中でメチルアルモキサン、エチルアルモキ
サンが好ましく、特にメチルアルモキサンが好ましい。
【0072】このように本発明の有機アルミニウムオキ
シ化合物は、上記式で表されるアルキルオキシアルミ
ニウム単位で構成されるものであるが、必ずしも1種類
の構成単位よりなる化合物に限定されるものではなく、
複数種類の構成単位よりなっていても良い。例えば、メ
チルエチルアルモキサン、メチルプロピルアルモキサ
ン、メチルブチルアルモキサン等であり、各種構成単位
の比は0〜100%の範囲で任意に取り得る。また、1
種類の構成単位よりなる複数種類の有機アルミニウムオ
キシ化合物の混合物であってもよい。例えば、メチルア
ルモキサンとエチルアルモキサンの混合物、メチルアル
モキサンとn−プロピルアルモキサンの混合物、メチル
アルモキサンとイソブチルアルモキサンの混合物等であ
る。
【0073】また本発明の有機アルミニウムオキシ化合
物は、その製造方法から来る未反応化学物質を含んでい
ても構わない。すなわち、一般に有機アルミニウムオキ
シ化合物は、トリアルキルアルミニウムとH2 Oの反応
によって得られるが、これら原料の一部が未反応化学物
質として残存していても構わない。例えば、メチルアル
モキサンの合成の場合は原料としてトリメチルアルミニ
ウム及びH2 Oを使用するが、これら原料の片方あるい
は両方が、未反応化学物質としてメチルアルモキサン中
に含まれている場合等である。上記例示の有機アルミニ
ウムオキシ化合物の製造方法に於ては、通常トリアルキ
ルアルミニウムをH2 Oよりも多く使用する為、残存化
学物質として、トリアルキルアルミニウムが有機アルミ
ニウムオキシ化合物に含まれることが多い。
【0074】本発明の低密度ポリエチレンの製造例にお
いて用いられる[C]有機アルミニウム化合物(以下
「成分[C]と記載することがある。)としては、たと
えば下記一般式で表される有機アルミニウム化合物を
例示することができる。 R7 n AlX3-n … (式中、R7 は炭素数1〜12の炭化水素基であり、X
はハロゲンまたは水素であり、nは1〜3である。) 上記一般式において、R7 は炭素数1〜12の炭化水
素基たとえばアルキル基、シクロアルキル基またはアリ
ール基であるが、具体的には、メチル基、エチル基、n
−プロピル基、イソプロピル基、イソブチル基、ペンチ
ル基、ヘキシル基、オクチル基、シクロペンチル基、シ
クロヘキシル基、フェニル基、トリル基などである。
【0075】このような有機アルミニウム化合物として
は、具体的にはトリメチルアルミニウム、トリエチルア
ルミニウム、トリイソプロピルアルミニウム、トリイソ
ブチルアルミニウム、トリオクチルアルミニウム、トリ
2−エチルヘキシルアルミニウムなどのトリアルキルア
ルミニウム;イソプレニルアルミニウムなどのアルケニ
ルアルミニウム;ジメチルアルミニウムクロリド、ジエ
チルアルミニウムクロリド、ジイソプロピルアルミニウ
ムクロリド、ジイソブチルアルミニウムクロリド、ジメ
チルアルミニウムブロミドなどのジアルキルアルミニウ
ムハライド;メチルアルミニウムセスキクロリド、エチ
ルアルミニウムセスキクロリド、イソプロピルアルミニ
ウムセスキクロリド、ブチルアルミニウムセスキクロリ
ド、エチルアルミニウムセスキブロミドなどのアルキル
アルミニウムセスキハライド;メチルアルミニウムジク
ロリド、エチルアルミニウムジクロリド、イソプロピル
アルミニウムジクロリド、エチルアルミニウムジブロミ
ドなどのアルキルアルミニウムジハライド;ジエチルア
ルミニウムハイドライド、ジイソブチルアルミニウムハ
イドライドなどのアルキルアルミニウムハイドライドな
どが挙げられる。
【0076】また[C]有機アルミニウム化合物とし
て、下記式で表される化合物を用いることもできる。 R7 n AlY3-n … (式中、R7 は上記と同様であり、Yは−OR8 基、−
OSiR9 3基、−OAlR10 2 基、−NR11 2 基、−S
iR12 3 基または−N(R13)AlR14 2 基であり、n
は1〜2であり、R8 、R9 、R10およびR14はメチル
基、エチル基、イソプロピル基、イソブチル基、シクロ
ヘキシル基、フェニル基などであり、R11は水素、メチ
ル基、エチル基、イソプロピル基、フェニル基、トリメ
チルシリル基などであり、R12およびR13はメチル基、
エチル基などである。)
【0077】このような有機アルミニウム化合物として
は、具体的には、(a) R7 n Al(OR8 3-n
表される化合物、例えば、ジメチルアルミニウムメトキ
シド、ジエチルアルミニウムエトキシド、ジイソブチル
アルミニウムメトキシドなど、(b) R7 n Al(O
SiR9 33-n で表される化合物、例えば、Et2 Al
(OSiMe3 )、(iso−Bu)2 Al(OSiM
3 )、(iso−Bu)2 Al(OSiEt3 )な
ど、(c) R7 n Al(OAlR10 2 3-n で表され
る化合物、例えば、Et2 AlOAlEt2 、(iso
−Bu)2 AlOAl(iso−Bu)2 など、(d)
7 n Al(NR11 2 3-n で表される化合物、例え
ばMe2 AlNEt2 、Et2 AlNHMe、Me2
lNHEt、Et2 AlN(SiMe3 2 、(iso
−Bu)2 AlN(SiMe3 2 など、(e) R7
n Al(SiR12 3 3-n で表される化合物、例えば、
(iso−Bu)2 AlSiMe3 など、(f)
【0078】
【化2】 など、が挙げられる。
【0079】上記一般式、で表される有機アルミニ
ウム化合物の中では、R7 3 Al、R7 n Al(O
8 3-n 、R7 n (OAlR10 2 3-n で表わされる
有機アルミニウム化合物を好適な例として挙げることが
でき、R7 がイソアルキル基であり、n=2のものが特
に好ましい。これらの有機アルミニウム化合物を2種以
上混合して用いることもできる。
【0080】本発明の低密度ポリエチレンを製造する例
における触媒は、いずれも[A]メタロセン(以下「成
分[A]」と記載することがある。)と、(b−1)微
粒子状無機固体(以下「成分(b−1)」と記載するこ
とがある。)に(b−2)有機アルミニウムオキシ化合
物(以下「成分(b−2)」と記載することがある。)
を担持してなる[B]無機固体成分(以下「成分
[B]」と記載することがある。)と、必要に応じて
[C]有機アルミニウム化合物(以下「成分[C]」と
記載することがある。)とから構成される。
【0081】本発明で成分[A]と成分[B]及び必要
に応じて成分[C]を組み合わせる方法としては、例え
ば、成分[A]と成分[B]及び必要に応じて成分
[C]を重合条件下で重合系内へ各々独立に直接導入す
るか、あるいは成分[A]を予め混合した後、該成分
[A]混合物と成分[B]及び必要に応じて成分[C]
を重合条件下で重合系内へ各々直接導入する等の方法に
よる。
【0082】本発明で成分[B]は、成分(b−1)と
成分(b−2)を不活性炭化水素媒体中で混合すること
により調整することができる。かかる不活性炭化水素媒
体としては、具体的には、プロパン、ブタン、ペンタ
ン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、デカン、ドデカ
ン、灯油等の脂肪族炭化水素;シクロペンタン、シクロ
ヘキサン、メチルシクロペンタン等の脂環族炭化水素;
ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素;エ
チレンクロリド、クロルベンゼン、ジクロロメタン等の
ハロゲン化炭化水素あるいはこれらの混合物等を挙げる
ことが出来る。
【0083】成分(b−1)と成分(b−2)を混合す
るに際して、成分(b−2)は成分(b−1)1g当た
り、通常5×10-4〜2×10-2モル、好ましくは10
-3〜10-2モルの範囲であることが望ましく、成分(b
−2)の濃度は、通常5×10-2〜5モル/リットル、
好ましくは0.1〜3モル/リットルの範囲であること
が望ましい。
【0084】成分(b−1)と成分(b−2)を混合す
る際の混合温度は、通常−50〜150℃、好ましくは
−20〜120℃である。かかる混合の温度は混合中に
必ずしも一定に保つ必要はなく、むしろ、成分(b−
1)と成分(b−2)との反応が発熱を伴うため、例え
ば混合初期の温度はできるだけ低く抑え、さらに反応を
完結させるために混合後期には反応温度を高くする等の
ように反応温度を制御することが望ましい。上記例の場
合、反応初期の好ましい温度としては、通常−50〜5
0℃、好ましくは−20〜30℃であり、反応後期の好
ましい温度としては、通常50〜150℃、好ましくは
60〜120℃である。また成分(b−1)と成分(b
−2)の接触時間は0.5〜100時間、好ましくは1
〜50時間である。
【0085】本発明では、成分(b−2)中のアルミニ
ウム(Alb-2 )と全ての成分[A]中の遷移金属
(M)との原子比(Alb-2 /M)が大きいほど触媒の
活性は高くなりコスト的には有利であるが、一方で、一
般に(b−2)の価格が高いため該原子比が高すぎると
却ってコストは上昇する。従って、本発明の成分(b−
2)中のアルミニウムと全ての成分[A]中の遷移金属
との原子比(Alb-2 /M)の範囲は、好ましくはその
上限が2000であり、より好ましくは1000であ
り、さらに好ましくは500であり、よりさらに好まし
くは300であり、またその下限が好ましくは10以上
であり、より好ましくは20以上であり、さらに好まし
くは30以上の範囲であることが推奨される。
【0086】必要に応じて用いられる成分[C]中のア
ルミニウム原子(Alc )と成分(b−2)中のアルミ
ニウム原子(Alb-2 )との原子比(Alc /A
b-2 )は、通常は0.01〜3、好ましくは0.03
〜1.5の範囲であることが望ましい。上記のようにし
て得られた本発明のオレフィン重合用触媒は、成分(b
−1)1g当り約10-4〜10-1グラム原子、好ましく
は5×10-4〜5×10-2グラム原子のアルミニウム原
子が担持されていることが望ましい。本発明の製造例で
は、重合は懸濁重合法あるいは気相重合法いずれにおい
ても実施できる。懸濁重合法においては成分[B]調整
の際に用いた不活性炭化水素溶媒と同じものを用いるこ
とができ、オレフィン自身を溶媒として用いることもで
きる。
【0087】このようなオレフィン重合用触媒を用いた
オレフィンの重合温度は、通常、−50〜150℃、好
ましくは0〜100℃の範囲である。重合圧力は、通
常、常圧〜100kg/cm2 、好ましくは常圧〜50
kg/cm2 の条件下であり、重合反応は、回分式、半
連続式、連続式のいずれの方法においても行なうことが
できる。さらに本発明では、複数の重合器を直列に並べ
各重合器毎に異なった重合条件で重合を行う多段重合法
を用いることもできる。なお、本発明で重合用触媒は、
上記のような各成分以外にも重合に有用な他の成分を含
むことができる。
【0088】
【実施例】以下に実施例に基づき本発明を更に詳細に説
明するが、本発明はこれら実施例により何ら限定される
ものではない。 (実施例1) 〔メチルアルモキサン担持シリカの調整〕充分に窒素置
換した200mlガラス製フラスコに、シリカ4.0g
とトルエン40mlを入れ、懸濁状にし−5℃まで冷却
した。この懸濁液中に、メチルアルモキサンのトルエン
溶液(東ソ−アクゾ社製MMAO−3A、Al;1.1
5mol/l)30mlを、懸濁液の温度を−5℃に保
ちつつ、1時間で滴下した。その後、0℃で1時間、室
温で1時間、さらに80℃で3時間反応を行い、反応終
了後20℃まで冷却し、メチルアルモキサンを担持した
シリカの懸濁液を得た。
【0089】〔重合〕充分に窒素置換した内容積1.6
リットルのステンレス製オートクレーブにヘキサン0.
80リットルを入れた後、1−ヘキセンを0.35mo
l添加する。次に上記のごとく調整したシリカ懸濁液を
アルミニウム換算で0.5ミリモル添加した後、エチレ
ンを導入し全圧を7kg/cm2 −Gとし、系内の温度
を60℃にした。その後直ちにビス(ノルマルブチルシ
クロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド及びヒド
ロトリスピラゾリルボレートシクロペンタジエニルジル
コニウムジクロリドのトルエン溶液(2.5ミリモル/
リットル)をそれぞれジルコニウム換算で0.5マイク
ロモル及びトリイソブチルアルミニウム(1.0モル/
リットル)0.12ミリモルの混合溶液を添加し、系内
の温度を70℃として重合を開始した。
【0090】その後、エチレンを補給し、全圧を7kg
/cm2 −Gに保ちつつ、70℃で1時間重合を行っ
た。重合終了後、ポリマーを濾過し、メタノールで洗浄
した後、50℃で1晩乾燥した。尚、重合反応器の壁面
等にはポリマーの付着等は認められなかった。本実施例
1の実施条件及び重合結果を、それぞれ表1及び表2に
示した。
【0091】(実施例2)水素を15Nml添加した以
外は実施例1と同様にしてエチレン重合を行った。その
実施条件及び重合結果を、それぞれ表1及び表2に示し
た。 (実施例3〜8)表1に示した実施条件でエチレンの重
合を行い、重合結果を表2に示した。
【0092】(比較例1)ビス(ノルマルブチルシクロ
ペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド及びヒドロト
リスピラゾリルボレートシクロペンタジエニルジルコニ
ウムジクロリドの2種類の触媒の代りにエチレンビス
(インデニル)ジルコニウムジクロリドだけを用い、1
−ヘキサンを0.15mol添加した以外は実施例1と
同様にしてエチレン重合を行なった。その実施条件及び
重合結果をそれぞれ表1及び表2に示した。
【0093】(比較例2)ビス(ノルマルブチルシクロ
ペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド及びヒドロト
リスピラゾリルボレートシクロペンタジエニルジルコニ
ウムジクロリドの2種類の触媒の代りにヒドロトリスピ
ラゾリルボレートシクロペンタジエニルジルコニウムジ
クロリドだけを用いた以外は実施例1と同様にしてエチ
レン重合を行なった。実施条件及び重合結果をそれぞれ
表1及び表2に示した。
【0094】
【表1】
【0095】
【表2】
【0096】
【発明の効果】機械的物性に優れ、且つ溶融特性に優れ
た低密度ポリエチレンを提供することができ、フィルム
等の用途へ適用した場合の効果が極めて大きい。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 [A]エチレンから導かれる構成単位お
    よび炭素数3〜20のα−オレフィンから導かれる構成
    単位からなり、[B]密度をd(g/cm3 )とした
    時、dが0.940以下で且つ0.900以上であり、
    [C]190℃における2.16kg荷重でのMFRを
    I (g/10分)とした時、MI が0.01以上で且
    つ50以下であり、[D]190℃における21.6k
    g荷重でのMFRをHMI(g/10分)とし、HMIとM
    I との比HMI/MI をMIRとした時、MIRが20以上で
    あり、[E]溶融張力をMT (g)とした時、MT とM
    I とが logMT ≧−0.398logMI +0.699 で示される関係を満たし、[F]ゲルパーミエーション
    ・クロマトグラフィ即ちGPCで求めた重量平均分子量
    をMw、数平均分子量をMnとした時、Mw/Mnが
    3.0以上であり、[G]室温におけるn−デカン可溶
    分量率をΔw (%)とした時、Δw とdとが Δw <100exp(−100(d−0.88))+
    0.1 で示される関係を満たし、[H]示差走査型熱量計〔D
    SC〕により測定した吸熱曲線が少なくとも2つ以上の
    ピークを持ち、且つ該少なくとも2つ以上のピークのう
    ち最も低温側のピーク位置の温度をTl (℃)とした
    時、Tl とdとが Tl <400d−250 で示される関係を満たすことを特徴とする低密度ポリエ
    チレン。
  2. 【請求項2】 [I]示差走査型熱量計〔DSC〕によ
    り測定した吸熱曲線における最大ピーク位置の温度をT
    m (℃)とした時、Tm とdとが Tm <400d−250 で示される関係を満たすことを特徴とする請求項1記載
    の低密度ポリエチレン。
  3. 【請求項3】 [J]グロスメルトフラクチュアが発生
    する剪断応力が4×106 dyn/cm2 未満であるこ
    とを特徴とする請求項1または2記載の低密度ポリエチ
    レン。
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