JPH0859431A - 表面被覆撥水処理粉体及びそれを配合してなる粉体固形化粧料 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】充分な撥水性，流動性を持ちながら、皮膚に塗
布したときの付着性が良好で、粉体固形化粧料に配合し
た場合角立ちしにくい特性を付与することができる表面
改被覆撥水処理体及びこの表面被覆撥水処理粉体を含有
した粉体固形化粧料を提供する。 【構成】シリコーン化合物及びフッ素化合物から選ばれ
る１種以上で撥水処理された粉体表面をさらに、粉体の
表面積１平方ｍあたり０．１〜２mgの常温で固形の油性
物質（ロウ，炭化水素，高級脂肪酸，高級アルコール，
金属石ケン等）で被覆することにより、充分な撥水効果
と良好なしっとり感を兼ね備えた表面被覆撥水処理粉体
が得られる。さらに、この表面被覆撥水処理粉体を粉体
固形化粧料に配合すると、ほぐれ，付着性，のびが良好
で、しっとり感を有し、さらに仕上がり感，化粧持ちに
優れ、角立ちしにくいという特性を付与することができ
る。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】この発明は、充分な撥水性，流動
性を持ちながら、皮膚に塗布したときの付着性が良好
で、粉体固形化粧料に配合した場合角立ちしにくい特性
を付与することができる表面被覆撥水処理粉体、及びこ
の表面被覆撥水処理粉体を含有した粉体固形化粧料に関
する。

【０００２】

【従来の技術】水有り、水無しの２通りの方法で使用で
きるツーウェイタイプの固形ファンデーションは、バル
クの中に水が滲み込まないようにするために、疎水化処
理した粉体を使用する。また、粉体を含有した化粧料に
おいて、化粧持ちを改善するために、疎水化処理した粉
体を使用することがある。

【０００３】疎水化処理方法としては、シリコーン化合
物やフッ素化合物等の撥水化剤や金属石ケン、高級アル
コール、脂肪酸、ロジン等による表面被覆処理が知ら
れ、これら粉体の配合、適用がなされてきた。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、粉末メ
イクアップ化粧料の場合、流動性があり皮膚に対して滑
らかな展延性と密着感のある感触を有し、化粧持ちの良
いことが望まれる。

【０００５】シリコーン化合物やフッ素化合物等の撥水
化剤により撥水処理された粉体は、撥水効果，流動性に
優れているものの、皮膚への付着性に欠け、密着感，し
っとり感に乏しいという欠点があった。

【０００６】また、脂肪酸や金属石ケン、ワックス等の
常温で固体の油性物質による表面被覆粉体では、皮膚へ
の付着性が良好となるものの、流動性に乏しく、撥水効
果も十分ではなかった。また、この表面被覆粉体を配合
した粉体固形化粧料は、使用時にほぐれにくくなる角立
ち現象がみられたり、ツーウェイファンデーションに配
合し水有り使用した場合、化粧料プレス面に水分が滲み
込み、菌汚染の原因となるという問題があった。

【０００７】

【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、粉体の表面改質方法の検討を行い、本発明を完成し
た。すなわちシリコーン化合物及びフッ素化合物より選
ばれる１種以上で撥水処理された粉体表面をさらに、粉
体の表面積１平方ｍあたり０．１〜２mgの常温で固形の
油性物質で被覆することにより、流動性，撥水性と、皮
膚への付着性を兼ね備えた粉体が得られる。この粉体を
配合した粉体固形化粧料は、皮膚に塗布したときの付着
性が良好で、角立ちしにくく、ツーウェイファンデーシ
ョンに配合し水有り使用した際も、プレス面に水分が滲
み込まないという特性を有していた。

【０００８】本発明で用いられる粉体は、公知の化粧料
粉体から選ばれる１種又は２種以上で、タルク，セリサ
イト，白雲母，合成雲母，金雲母，カオリン，シリカ等
の無機体質顔料、ナイロンパウダー，ポリエチレンパウ
ダー，シルクパウダー，セルロースパウダー等の有機粉
体、酸化チタン，酸化亜鉛等の無機白色顔料、酸化鉄，
チタン酸鉄，群青，紺青，カーボンブラック，酸化クロ
ム，水酸化クロム，有機タール系色素，レーキ等の着色
剤、雲母チタン，酸化鉄処理雲母，微粒子酸化鉄処理雲
母，微粒子酸化鉄処理タルク等の複合顔料等が挙げられ
る。

【０００９】上記粉体の撥水処理に使用し得るシリコー
ン化合物としては、メチルハイドロジェンポリシロキサ
ン，鎖状ジメチルポリシロキサン，メチルフェニルポリ
シロキサン，環状ジメチルポリシロキサン，アルキル変
性ジメチルポリシロキサン，パーフルオロアルキル基を
有するフッ素変性オルガノ水素ポリシロキサン等が挙げ
られる。シリコーン化合物による被覆処理方法は通常の
表面被覆に用いられる方法であればどんなものでも良
く、例えば特公昭３４−２６４８に記載されているよう
に粉体表面にシリコーン化合物を付着させる方法、特公
昭４５−２９１５に記載されているように粉体とメチル
ハイドロジェンポリシロキサンを混合し１００℃以上に
加熱してシリコーン化合物を被覆する方法、メカノケミ
カル的手法を用いて粉体表面にシリコーン化合物を被覆
する方法、特開昭６３−１１３０８２に記載されている
ように気相法を用いてシリコーン化合物を粉体に被覆す
る方法等が挙げられ、これらの処理方法を単独で又は複
数組み合わせて用いる。

【００１０】一方、フッ素化合物による撥水処理方法
は、通常行われているフッ素化合物処理であればどんな
方法でも良く、例えば特公平５−８６９８４に記載され
ている方法が用いられる。すなわち、フルオロアルキル
ジ（オキシエチル）アミンリン酸塩エステル群の１種又
は２種以上の化合物の水溶液中に粉体を浸漬し、乾燥後
粉砕する等である。かかるシリコーン化合物及びフッ素
化合物による撥水処理は、これらより選ばれる１種によ
り行ってもよく、また２種以上を組み合わせて行っても
よい。

【００１１】次に、撥水処理粉体の表面を被覆する常温
で固形の油性物質としては、通常化粧料に配合されるも
のであれば特に限定されない。例えば、硬化ヒマシ油，
モクロウ，カルナウバロウ，ミツロウ，固形パラフィ
ン，マイクロクリスタリンワックス，セレシン等の常温
で固形の油脂類、炭素数１０〜２０の直鎖又は分岐状で
飽和又は不飽和の常温で固形の高級脂肪酸類、炭素数１
０〜２０の直鎖又は分岐鎖状で飽和又は不飽和の常温で
固形の高級アルコール類といったワックス状物質や、金
属石ケンが挙げられる。この中で、金属石ケンは炭素数
１０〜２０の飽和脂肪酸、たとえばミリスチン酸，ステ
アリン酸，ラウリン酸等と、非アルカリ金属塩特にカル
シウム，亜鉛，マグネシウム，アルミニウム等の２価若
しくは３価の金属との塩が好適に用いられる。

【００１２】また、撥水処理粉体の表面を被覆する常温
で固形の油性物質の被覆量としては、粉体の表面積１平
方ｍあたり０．１〜２mgが好ましい。常温で固形の油性
物質の被覆量が、粉体の表面積１平方ｍあたり０．１mg
より少ない場合、油性物質による表面被覆の効果が少な
く、皮膚への付着性，密着感，しっとり感に乏しい粉体
となる。また、常温で固形の油性物質の被覆量が、粉体
の表面積１平方ｍあたり２mgより多くなると、皮膚への
付着性が良好になるものの、先に行った撥水処理効果が
損なわれ、流動性に欠ける粉体となる。

【００１３】撥水処理粉体の表面を常温で固形の油性物
質で被覆する方法としては、通常実施されている方法で
あればどのような方法でも問題はない。

【００１４】例えば常温で固形の油性物質を溶媒と混合
溶解し、撥水処理粉体とともに混練後、乾燥することに
よって被覆することができる。油性物質を溶解する溶媒
としては、沸点が５０〜１２０℃である公知のものを利
用でき、例えばイソプロピルアルコール等のアルコール
類、酢酸エチル，酢酸ブチル等のエステル類、クロロホ
ルム，四塩化炭素等のハロゲン化炭化水素類、環状シリ
コーン，低分子量直鎖シリコーン等のシリコーン類、ケ
トン類、フロン類、軽質流動イソパラフィン類等が挙げ
られる。また溶媒を乾燥除去する方法としては、減圧
法，加熱法又はそれらを組み合わせて行うことができ
る。

【００１５】撥水処理粉体の表面を、常温で固形の油性
物質の一種である金属石ケンで被覆する方法としては、
次のように金属石ケンゲル化合物を用いる方法がある。
まず、金属石ケンを溶媒に加熱溶解し、アルコールなど
の極性溶媒を解膠剤として加え、金属石ケンゲル化合物
を調製する。ついで、撥水処理粉体と金属石ケンゲル化
合物を混合攪拌し、溶媒を除去することにより被覆処理
する。例えば、ミリスチン酸アルミニウムをイソパラフ
ィンに加熱溶解した後、1,3-ブチレングリコールを添加
し、ミリスチン酸アルミニウムゲルを調製する。このゲ
ルと撥水処理粉体を混合し、イソパラフィンを乾燥除去
することにより、表面被覆撥水処理粉体が得られる。

【００１６】また、粉体表面に金属石ケンを析出させる
ことによっても被覆することができる。すなわち、撥水
処理粉体と目的とする金属石ケンを構成する脂肪酸のア
ルカリ塩と水とを混合した中に、目的の金属石ケンを構
成する金属の塩化物を加えて反応させ、生成した金属石
ケンを粉体表面に析出させる。例えば、ステアリン酸カ
リウムと水とを混合した中に、塩化マグネシウムを加え
て反応させ、処理物を撥水処理粉体表面に析出させるこ
とによりステアリン酸マグネシウム被覆撥水処理粉体が
得られる。

【００１７】撥水処理粉体の高融点ワックスによる表面
被覆は、撥水処理粉体と高融点ワックスを混合すること
によっても行うことができる。この場合、撥水処理粉体
と高融点ワックスの混合には、ライカイ機，真空式ライ
カイ機，ヘンシェルミキサー，アトマイザー，ボールミ
ル，ブレンダー，フードプロセッサー，調理用ミキサー
等を用いることができる。例えば、撥水処理粉体と高融
点炭化水素ワックスを、ヘンシェルミキサーを用いて３
０分間混練することにより、炭化水素ワックス被覆撥水
処理粉体が得られる。

【００１８】以上述べた方法によって得られた表面被覆
撥水処理粉体を配合した粉体固形化粧料としては、パウ
ダーファンデーション，ツーウェイファンデーション，
固形白粉，アイカラー，チークカラー，アイブロウ等が
挙げられる。この中でも特に、パウダーファンデーショ
ン，ツーウェイファンデーションに好適に用いられる。

【００１９】

【作用】シリコーン化合物及びフッ素化合物より選ばれ
る１種以上で撥水処理された粉体表面をさらに、特定の
割合の常温で固形の油性物質で被覆することにより、流
動性、撥水効果、皮膚への付着性を兼ね備えた粉体が得
られ、この粉体を配合したメイクアップ化粧料は、皮膚
に塗布したときの付着性が良好で、角立ちしにくく、ツ
ーウェーファンデーションに配合し水有り使用した際
も、プレス面に水分が滲み込まないという特性を有して
いる。

【００２０】

【実施例】次に実施例を挙げて、更に詳細に説明する。

【００２１】固形パラフィン・フッ素処理粉体 内容積２０００mlのビーカーに水１０００mlを入れ攪拌
しながら粉体１００ｇを投入し、充分攪拌し、スラリー
とした。これに攪拌しながらフルオロアルキル（オキシ
エチル）アミンリン酸塩エステルの２０重量％水溶液２
５ｇを徐々に添加し、終了後１００分間攪拌を行い、そ
の後ヌッツェで吸引濾過し、６０℃の乾燥機内で３時間
乾燥し、乳鉢で粉砕して、フッ素処理粉体を得た。次に
固型パラフィン（融点６０℃）をイソパラフィンに溶解
し、フッ素処理粉体とライカイ機で混合，均一化し、５
５℃で２４時間乾燥して、表面被覆撥水処理粉体を製造
した。処理を行った粉体は、セリサイト，タルク，ルチ
ル型酸化チタン，微粒子酸化チタン（平均粒子径25nm）
の４種類で、各々実施例１〜４とした。なお、固形パラ
フィン被覆量は、粉体表面積１平方ｍあたり１mgとなる
ように調製した。

【００２２】実施例１〜４の粉体の撥水性及び流動性を
確認するために、接触角及び安息角の測定を行った。同
時に比較例として、タルクのフッ素化合物による撥水処
理量及び固形パラフィン被覆量を変化させた改質粉体の
接触角及び安息角も同時に測定した。比較例１は、固形
パラフィンによる表面被覆を行わず、フッ素化合物によ
る撥水処理だけを行った。比較例２は、フッ素化合物に
よる撥水処理後、固形パラフィンがタルク表面積１平方
ｍあたり０．０５mgになるように、最適処理量よりも少
ない量の固形パラフィンで表面被覆を行った。比較例３
は、フッ素化合物による撥水処理後、固形パラフィンが
タルク表面積１平方ｍあたり３mgになるように、過剰の
固形パラフィンで表面被覆処理を行った。また、比較例
４では、フッ素化合物による撥水処理を行わず、実施例
２と同量の固形パラフィンで表面被覆を行った。

【表１】

【００２３】表面被覆撥水処理粉体の撥水性測定 表面被覆撥水処理粉体の撥水性を評価するために、接触
角の測定を行った。測定方法は、粉体をＩＲ測定タブレ
ット用打錠機で４００ｋｇ／平方ｃｍでプレス成型し、
接触角計で蒸留水を滴下し、滴下直後の接触角を測定し
た。撥水効果が高いほどプレス表面で水をはじく性質が
強く、接触角が大きくなる。

【００２４】比較例１と２では、接触角に大きな差が無
く、タルク表面積１平方ｍあたり０．０５mgの固形パラ
フィンで被覆しても、固形パラフィンによる被覆効果が
現れず、フッ素化合物による撥水効果のみが現れた。同
様に比較例３と４でも、接触角に大きな差が無く、タル
ク表面積１平方ｍあたり３mgの固形パラフィンで被覆す
ると、フッ素化合物による疎水化処理効果は認められ
ず、固形パラフィンだけを表面被覆したときとほぼ同じ
撥水性を示した。また、実施例１〜４は、比較例１の撥
水処理のみを行った粉体の接触角とほぼ同じ値をとって
おり、撥水性に優れた粉体であることが示された。

【００２５】表面被覆撥水処理粉体の安息角測定 表面被覆撥水処理粉体の流動性を評価するために、ホソ
カワミクロン社製のパウダーテスターを用いて安息角の
測定を行った。測定は、３回行い平均値を安息角の値と
した。比較例１と２では、安息角に大きな差が無く、タ
ルク表面積１平方ｍあたり０．０５mgの固型パラフィン
で被覆しても、固型パラフィンによる被覆効果が現れ
ず、フッ素化合物による流動性の良好な粉体であること
がわかる。また、比較例３，４では、固型パラフィンに
よる被覆効果のため、粉体の流動性が少なくなってい
た。さらに、実施例１〜４は、比較例１の撥水処理のみ
を行った粉体の安息角より高い値を示し、流動性が幾分
低下し、付着性が高まることを示唆している。

【００２６】 実施例５：ツーウェイファンデーション 組成 （粉体相） セリサイト ５０部 タルク ２５．７５部 二酸化チタン １０部 黄酸化鉄 ４部 ベンガラ ０．５部 黒酸化鉄 ０．１部 （表面改質剤） メチルハイドロジェンポリシロキサン １．８部 ステアリン酸マグネシウム １．３５部 （油相） スクワラン ５．０ 部 ジメチルポリシロキサン（１０ｃｓ） ４．０ 部 ワセリン ０．５ 部 パラオキシ安息香酸プロピルエステル ０．１５部 （調製方法）粉体相をメチルハイドロジェンポリシロキ
サンと混合し、１２０℃で２時間処理し、撥水処理粉体
を調製する。ステアリン酸マグネシウムをイソパラフィ
ンに溶解し、1,3-ブチレングリコールを滴下しゲル化さ
せ、撥水処理粉体と混合均一化し、７０℃で４時間乾燥
させ、表面被覆撥水処理粉体を得る。油相の成分を加熱
溶解し、表面被覆撥水処理粉体とともにヘンシェルミキ
サーで混合後、アトマイザーで整粒して得られたバルク
を金皿にプレス成型した。比較例５としてメチルハイド
ロジェンポリシロキサンによる撥水処理のみを行い、ス
テアリン酸マグネシウムによる表面被覆を行っていない
粉体を使用して、同様の方法でツーウェイファンデーシ
ョンを調製した。

【００２７】 実施例６：ツーウェイファンデーション 組成 （粉体相） セリサイト ５０ 部 タルク ２５．７５部 二酸化チタン １０ 部 黄酸化鉄 ４ 部 ベンガラ ０．５ 部 黒酸化鉄 ０．１ 部 （表面改質剤） メチルハイドロジェンポリシロキサン １．８ 部 ミツロウ １．８ 部 （油相） スクワラン ５．０ 部 ジメチルポリシロキサン（１０ｃｓ） ４．０ 部 ワセリン ０．５ 部 パラオキシ安息香酸プロピルエステル ０．１５部 （調製方法）粉体相をメチルハイドロジェンポリシロキ
サンと混合し、１２０℃で２時間処理し、撥水処理粉体
を調製する。撥水処理粉体をミツロウとともにヘンシェ
ルミキサーで高速混合を途中二回の休憩をはさんで合計
６０分行い表面被覆撥水処理粉体を得る。油相の成分を
加熱溶解し、表面被覆撥水処理粉体とともにヘンシェル
ミキサーで混合後、アトマイザーで整粒して得られたバ
ルクを金皿にプレス成型した。比較例６としてミツロウ
による表面被覆のみを行い、メチルハイドロジェンポリ
シロキサンによる撥水処理を行っていない粉体を使用し
て、同様の方法でツーウェイファンデーションを調製し
た。

【００２８】（ファンデーションの使用感評価）実施例
５，６及び比較例５，６のファンデーションの使用感に
ついて、官能評価を行った。官能評価は成人女子２０名
により、５段階絶対評価法により行った。結果は評価値
の平均値で示す。ファンデーションの使用方法は、水有
り、水無しの２通りの使用法で評価を行った。評価項目
を表２に評価結果を表３に示す。

【表２】

【表３】

【００２９】メチルハイドロジェンポリシロキサンで撥
水処理した後ステアリン酸マグネシウムで被覆した表面
被覆撥水処理粉体を配合した実施例５は、各項目におい
て３．６〜４．０点と、良い評価を得ていた。これに対
して、撥水処理のみを行った粉体を配合した比較例５
は、付着性，しっとり感，仕上がり感において評価があ
まり良くなかった。また、メチルハイドロジェンポリシ
ロキサンで処理した後ミツロウで処理した表面被覆撥水
処理粉体を配合した実施例６も同様に、全項目でよい評
価を得ているが、ミツロウによる表面被覆のみを行った
粉体を配合した比較例６においては、角立ちがみられ、
ほぐれ，のび，仕上がり感，化粧持ちが悪く、水分の滲
み込みもみられた。

【００３０】

【発明の効果】以上述べたように、撥水処理された粉体
表面をさらに、特定の割合の常温で固形の油性物質で被
覆して得られる表面被覆撥水処理粉体は、充分な撥水効
果と良好なしっとり感を兼備し、これを配合した粉体固
形化粧料は、ほぐれ，付着性，のびが良好で、しっとり
感を有し、さらに仕上がり感，化粧持ちに優れ、角立ち
しにくい、非常に優れた化粧特性を有するものである。

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】シリコーン化合物及びフッ素化合物より選
   ばれた１種以上で撥水処理された粉体を、粉体の表面積
   １平方ｍあたり０．１〜２mgの常温で固形の油性物質で
   被覆した粉体。
2. 【請求項２】請求項１に記載された表面被覆撥水処理粉
   体を含有する粉体固形化粧料。