JPH0859364A - セラミックス多孔質体の製造方法 - Google Patents

セラミックス多孔質体の製造方法

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JPH0859364A
JPH0859364A JP6189450A JP18945094A JPH0859364A JP H0859364 A JPH0859364 A JP H0859364A JP 6189450 A JP6189450 A JP 6189450A JP 18945094 A JP18945094 A JP 18945094A JP H0859364 A JPH0859364 A JP H0859364A
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Teizo Hase
貞三 長谷
Kyoichi Ayama
亨一 阿山
Hiroshi Nomura
浩 野村
Masaji Aoki
正司 青木
Isao Sugiura
勇夫 杉浦
Junichiro Tsubaki
淳一郎 椿
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FINE CERAMICS CENTER
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【目的】 孔径10〜30nmの多孔を有するセラミック
ス多孔質を提供する。 【構成】 窒化ケイ素粉末100 に対してポリシラザンを
120,160 又は200 の各割合(体積比)にて混合した各混
合物に、スラリ−化するまでトルエンを加えた後、得ら
れた各スラリ−を超音波洗浄器を用いて、十分に混合攪
拌した。次に各スラリ−を乾燥後、アルミナ乳鉢にて粉
砕し、この各粉砕物を250 μm篩いに通して整粒し、各
混合粉末を得た。この各混合粉末を50×60mm金型に各30
g 入れ、5MPaで一軸成形を行い、さらに196MPaでCIP 成
形を行い、各成形体を得た。これらの各成形体を窒素雰
囲気下において昇温速度0.1 ℃/分にて500 ℃まで仮焼
した後、昇温速度10℃/分にて1200℃まで、続いて昇温
速度1.7 ℃/分にて最終温度1450℃まで昇温し、4時間
1450℃を保持することにより焼成した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はセラミックス多孔質体の
製造方法に関し、さらに詳細には従来よりも小径の孔を
有し、ガス等の分離操作への適用が期待されるセラミッ
クス多孔質体の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】セラミックスは耐熱性、耐食性、耐薬品
性等に優れるため、セラミックス多孔質体は有機膜や有
機質多孔質体を使用することができない環境下での代用
が期待されている。またセラミックスは性能の再生が容
易で、複数回の再使用が可能であるため、従来、有機膜
や有機質多孔質体が使用されていた用途への適用も期待
されている。従来のセラミックス多孔質体の製造方法と
しては特開昭60−248237号公報に開示の方法がある。こ
の方法はセラミックス粉末及び可燃性物質の混合物を成
形、焼成し、可燃性物質を除去することにより多孔体を
得る方法である。その他、特開平4-104973公報に開示の
方法又は「セラミックス、10、1975(P775-783)」に開
示の方法があり、これらは一定範囲の粒子径を持つ骨材
(例えばセラミックス粒子)及び結合材(例えば有機樹
脂)を混合し成形、焼成することにより多孔体を得る方
法である。また特開平2-175657号及び特開平2-175658号
公報においては窒化珪素粉末とポリシラザンを焼結する
セラミックス組成物の製造方法が開示されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】特開昭60- 248237号公
報に開示の可燃性物質を除去する従来方法においては、
セラミックス粉末の粒界に存在していた可燃性物質が消
滅することにより、孔が生成されるので、セラミックス
粉末を最密充填した成形体を焼成した場合に得られる孔
よりもさらに小さい孔を生成することは困難であった。
またセラミックス粉末を最密充填することも困難であっ
た。また特開平4-104973公報等に開示の骨材を使用する
従来方法においては、得られる多孔質体の気孔の大きさ
は骨材の粒子径に依存する。すなわち粒子径がD0の場
合、気孔径D1 は次式から導かれる。 D1 =D0 (2/31/2 −1)=0.156D0
は D1 =D0 (21/2 −1)=0.414D0 上記式によると例えば約0.01μmの気孔を得るためには
約0.03μmの粒径を有する骨材が必要とされるが、この
ように微細な骨材は入手が困難であり、また成形の際に
ブリッジングが発生し、密に充填することが困難である
ために予想されるよりも気孔径が大きく、かつ不規則と
され、セラミックスが脆くなる欠点があった。そして上
記の従来技術においてはセラミックスをセラミックスプ
レカ−サ−と共に使用する思想は開示されていなかっ
た。
【0004】また特開平2-175657号公報に開示のセラミ
ックス組成物の製造方法においてはアルミナ、イットリ
アなどの窒化珪素焼結助剤を併用しているので、得られ
るセラミックス組成物は孔を有しない高密度の緻密体で
あり、本発明の製造方法により得られる多孔質体とは全
く異なる構造である。すなわち、特開平2-175657号公報
中「課題を解決するための手段」の欄において「このポ
リシラザン(Polysilazane)をSi3 4
粉末、Al2 3 粉末およびY2 3 粉末に成形助剤と
して混練することにより・・・高密度窒化珪素焼結体を
得ることができるものである。」(本公報中、第6頁左
上欄第4行目〜第10行目)との記載がある。
【0005】一方、特開平2-175658号においては、請求
項1において「窒化珪素粉末および/あるいは炭化珪素
粉末と窒素および/あるいはアンモニアの加圧下で800
〜2200℃の焼成雰囲気で窒化珪素、炭化珪素、または窒
化珪素と炭化珪素になるポリシラザンとからなる成形体
を焼結助剤のない状態で焼成して成ることを特徴とする
新規セラミックス組成物の製造方法」と記載され、その
目的とするセラミックス組成物は「曲げ強度、線収縮率
等の物性が優れたものにできて、寸法精度が高く、良好
な機械的強度を有するものとなる等の有用な効果を奏す
るものである。」(本公報中、第7頁右上欄第20行目
〜左下欄第3行目)と記載されている。また本公報中、
「ポリシラザンの原料粉末への添加量は用いる成形法に
より異なるが概略5〜80vol%が好ましい。」(第
6頁左下欄第2行目〜第4行目)と記載があり、この添
加量はセラミックス粉末100 体積に対し、ポリシラザン
の添加量は5.3 〜200 体積という広い範囲に相当する
が、特開平2-175658号において具体的に開示されている
各実施例では、窒化珪素粉末100 体積に対するポリシラ
ザンの添加量は、実施例1及び実施例6は12体積、実
施例2及び実施例9は41体積、実施例3は35体積、
実施例4は133体積、実施例5は23体積、実施例7
は24体積、実施例8は65体積及び実施例10は70
体積である。従って特開平2-175658号においては、セラ
ミックス粉末100 体積に対するポリシラザンの添加量
は、具体的には12〜70及び133体積の場合のみが
開示されているにすぎない。また焼成温度の範囲は800
〜2200℃と請求項1中に記載されているが、各実施例に
おいては実施例1及び実施例4ないし実施例8は最終焼
成温度は全て1850℃、実施例2及び実施例3は1200℃で
あり、従って特開平2-175658号においては、最終焼成温
度は具体的には1850℃及び1200℃の場合しか開示されて
いない。
【0006】そして各最終焼成温度において得られる焼
成体の構造は、図8に示されるように、セラミックス粉
体1及びセラミックスプレカ−サ−2からなる成形体3
において、孔がほとんど存在しないようにセラミックス
粉体1の粒界をセラミックスプレカ−サ−2で略充填し
た場合において、この成形体3を焼成温度約800 ℃〜13
00℃にて焼成すると、セラミックスプレカ−サ−2は無
機化し、アモルファス(非結晶)セラミックス4とな
り、この焼成温度で得られる焼成物は孔の無い緻密体5
とされる。そして焼成温度約1650℃〜1850℃においては
セラミックス粉体1及び結晶化したセラミックスプレカ
−サ−が融合して粒成長したセラミックス粉体8より成
る従来の多孔質体9が得られ、この多孔質体9の孔径は
後述するように焼成温度約1300℃以上〜1600℃以下の場
合おいて本発明の製造方法により得られる本発明の多孔
質体の孔径よりも大きい。
【0007】従って特開平2-175658号においては、実施
例4のみは120 体積以上の133 体積であるが、焼成温度
は1850℃であり、上記粒成長が起るため(図8中、粒成
長したセラミックス粉体8を参照)、得られる孔径は本
発明の多孔質体の孔よりも大きくなる。実施例1及び実
施例4ないし実施例8も焼成温度は1850℃であり同様で
ある。そして実施例2及び実施例3の場合には焼成温度
が1200℃であるためポリシラザンが結晶化(セラミック
ス化)せず、セラミックスアモルファスが生じるため、
孔がほとんど無い緻密体が生じる(図8中、緻密体5参
照)。さらには特開平2-175658号中、「焼成昇温速度は
700 ℃までは15℃/min 以下が好ましく、5℃/min 以
下がより好ましい。」(第6頁左下欄第4行〜第6行)
と記載されているが、全ての実施例において焼成昇温速
度は700 ℃までは3℃/min とされている。700 ℃はポ
リシラザンが分解無機化する温度であり、この際には分
解ガスが発生するため、3℃/min の焼成昇温速度では
分解ガスの急激な放出が生じ、本発明において得られる
多孔質体の孔よりも大きな孔が生成してしまう。さら
に、その結果得られる気孔径の分布が不均一とされる。
【0008】上記に詳説したように、特開平2-175658号
において具体的に実施例において開示されている製造方
法により得られるセラミックス組成物は粒成長が生じた
孔の大きな多孔質体及び孔がほとんど無い緻密体であ
る。そして特開平2-175658号の目的は、セラミックス粉
末及びセラミックスプレカ−サ−を使用することにより
曲げ強度、線収縮率等の物性が優れ、寸法精度が高く、
良好な機械的強度を有するセラミックス組成物の提供で
あり(本公報中、第7頁右上欄第20行目〜左下欄第3
行目)、本発明の目的である、同粒子径のセラミックス
粉体を同一の成形条件(成形圧力、セラミックス粉末及
びセラミックスプレカ−サ−使用量等の条件)にて成形
して得られる成形体において、粒成長が生じる最終温度
にて焼成した場合に得られる従来の多孔質体の孔より、
より小さい孔を有する多孔質体を得るという技術的思想
は全く示唆も開示もされていない。すなわち本発明の課
題は焼成前の成形体において、セラミックス粉体及びセ
ラミックスプレカ−サ−を使用した成形体を焼成するセ
ラミックス多孔質体の製造方法において、前記成形体を
セラミックス粉体の粒成長が生じる最終温度にて焼成し
た場合に得られる孔より、より小さい孔を有する多孔質
体を得るセラミックス多孔質体の製造方法を提供するこ
とにある。また本発明の他の課題は孔径の大きさの分布
が均一であるセラミックス多孔質体を提供することにあ
る。さらに本発明のもう一つの課題は優れた機械的強
度、耐食性、耐熱性を有するセラミックス多孔質体を提
供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決するた
め、請求項1においては、焼成により結晶化するセラミ
ックスプレカ−サ−及び非酸化物系セラミックス粉体を
混合及び成形した成形型体を、前記セラミックスプレカ
−サ−が結晶化する温度であって、かつ前記非酸化物系
セラミックス粉体の粒成長が生じない最終焼成温度で焼
成することを特徴とするセラミックス多孔質体の製造方
法であって、さらには前記セラミックスプレカ−サ−の
混合量は、前記成形型体において前記非酸化物系セラミ
ックス粉体の粒界を略充填する量とすることを特徴とす
るセラミックス多孔質体の製造方法を創作した。
【0010】前記非酸化物系セラミックス粉体としては
焼結又は分解等の変化を起こさないものは全て使用可能
であり、例えば、窒化珪素粉体、炭化珪素粉体、窒化ホ
ウ素粉体、窒化アルミ粉等がある。前記セラミックスプ
レカ−サ−としては、前記成形体を成形可能であり、あ
る温度以上にて焼成することにより焼成前の形状を残し
て結晶化するものが使用可能であり、機能材料、11,198
8 (P23 〜P33)に記載のセラミックスプレカ−サ−、例
えば、ポリシラザン、ポリアミノキサン、ポリシラスチ
レン、ポリカルボランシロキサン、ヘプタメチルビニル
トリシラン、ポリボロジフェニルシロキサン及びアンモ
ニオボランなどがある。前記セラミックスプレカ−サ−
が焼成して有機物から結晶に変化する際の収率は約30%
〜90%のものが良く、好ましい収率は約60%〜70%、よ
り好ましくは約50%〜80%、さらに好ましくは約55%〜
75%である。前記収率が大きすぎると気孔率が低下する
恐れがあり、一方が収率が小さすぎると成形体において
セラミックスプレカ−サ−を増量する必要が生じ、コス
トが高くなる。従ってより好ましいセラミックスプレカ
−サ−としては、ポリカルボシラン、ポリボロシロキサ
ン、ポリシラン、ポリチタノカルボシラン及びポリシラ
ザンがあり、これらの前記収率は約60%〜70%である
【0011】前記結晶化とは結晶を生成することであ
り、結晶の生成はX線回折により確認することができ
る。前記粒成長とは非酸化物系セラミックス粉体が前記
結晶化したセラミックスプレカ−サ−から生じるセラミ
ックスを融合して取り込み、より大きなセラミックス粒
体となることを意味する。前記粒界とは前記成形体中の
前記非酸化物系セラミックス粉体の粒子と粒子の間隙を
意味する。前記非酸化物系セラミックス粉体の粒界が略
充填されたとは、本明細書中、前記成形体の表面から水
銀を押し込んで成形体内部に入った水銀量から測定した
開気孔率が20%よりも小さいことを意味する。なお開気
孔は外界に開放している孔であり、外界に貫通していな
い閉気孔は開気孔と略同様の傾向で生成する。従って、
開気孔率を閉気孔率の指標とすることが可能である。そ
してセラミックスプレカ−サ−が非酸化物系セラミック
ス粉体の粒界を略充填していない場合には、焼成前の成
形体において既に大きな気孔が存在することになり、こ
の気孔の大きさをより小さくすることは困難であるた
め、本発明の目的が達成されない。
【0012】請求項2においては、成形体を最終焼成温
度1300℃以上1600℃以下で焼成することを特徴
とする請求項1に記載のセラミックス多孔質の製造方法
を創作した。最終焼成温度が1300℃より低い場合に
はセラミックスプレカ−サ−は焼結温度約800 ℃以上で
あり1300℃より低い温度にて無機化し、アモルファス
(非結晶)状態となり、焼成物は緻密体とされ(図8
中、緻密体5参照)、孔がほとんど生じない。一方、焼
成温度約1650℃〜1850℃においては非酸化物系セラミッ
クス粉体が粒成長するため(図8中、粒成長したセラミ
ックス粉体8を参照)、孔径は焼成温度約1300℃以上16
00℃以下においてセラミックスプレカ−サ−が結晶化す
ることにより得られる多孔質体(図1中、本発明の多孔
質体7参照)の孔より大きくなる。
【0013】請求項3においては、セラミックスプレカ
−サ−が分解無機化する温度における焼成昇温速度を0.
05℃/分以上1.5 ℃/分以下とすることを特徴とする請
求項1又は請求項2に記載のセラミックス多孔質体の製
造方法を創作した。焼成昇温速度が0.05℃/分より遅い
場合には製造コストが高くなり、一方、焼成昇温速度が
1.5 ℃/分より速い場合にはセラミックスプレカ−サ−
が分解無機化する際に分解ガスが急激に放出されるため
に大きな孔が生成し、従ってセラミックスプレカ−サ−
の結晶化により生じる小さな孔と前記分解ガスの急激な
放出により生じる大きな孔が混在するため、得られる多
孔質体の孔径の分布は不均一とされる。より好ましい焼
成昇温速度は0.1 ℃/分以上1.0 ℃/分以下である。
【0014】請求項4においては、非酸化物系セラミッ
クス粉体は窒化珪素粉体及び/又は炭化珪素粉体であ
り、セラミックスプレカ−サ−はポリシラザン及び/又
はポリカルボシランであることを特徴とする請求項1な
いし請求項3の内のいずれか一つに記載のセラミックス
多孔質体の製造方法を創作した。
【0015】前記ポリシラザンとしては例えば機能材
料、11,1988 (P23 〜P33)に開示のポリシラザン、特開
昭60-145903 に開示のポリシラザン、特開平2-175658中
の請求項2ないし請求項5に記載の式(イ)(ロ)
(ハ)で示されるポリシラザンが使用でき、その一般式
はポリシラザンは例えば[CH3 (CH3 NH)Si
(CH 3 N)]x 、[CH3 Si(CH3 1.5)]y
及び[H2 SiNH]x [(H 2 Si)1.5 N]y (前
記機能材料、11,1988 (P23 〜P33)に開示)、(CH3
SiHNH)x (CH3 SiHNCH3 y (CH3
iN)z (特開昭60-145903 に開示)、[(CH3 2
SiHNSi]x (CH3 SiHNH)y (CH 3 Si
HNCH3 z (CH3 SiN)p (特開平2-175658中
の請求項2に記載の式(イ))、[(CH3 2 SiN
H]x (CH3 SiHNH)y (CH3 SiHNC
3 z (CH3 SiN)p (特開平2-175658中の請求
項3に記載の式(ロ))、[(CH3 2 SiHNS
i]x [(CH3 2 SiNH]y (CH 3 SiHN
H)z (CH3 SiHNCH3 o (CH3 SiN)p
(特開平2-175658中の請求項4に記載の式(ハ))であ
り、ポリカルボシランは例えば[CH 2 CH(SiCH
3 )]n (CH3 Si)m である。
【0016】請求項5においては、セラミックスプレカ
−サ−は有機ケイ素重合体がジハロシラン(R1 SiH
2 )とアンモニアを反応させて得られるシラザンオリ
ゴマ−又は前記ジハロシラン及び他のジハロシラン(R
2 3 SiX2 )を混合したジハロシラン混合物をアン
モニアと反応させて得られるシラザンオリゴマ−のいず
れかのシラザンオリゴマ−を、珪素原子に隣接する窒素
原子から水素を脱プロトン化する能力のある塩基性触媒
の存在下に反応させ、脱水素架橋することにより高分子
量化したポリシラザンであり、ここでR1 、R2 、R3
は、1〜6までの炭素原子を有する低級アルキル基、置
換アリル基、非置換アリル基、6〜10までの炭素原子
を有する置換アリ−ル基、6〜10までの炭素原子を有
する非置換アリ−ル基、トリ(低級)アルキルアミノ
基、ジ(低級)アルキルアミノ基からなる群より選択さ
れ、さらにR1 は水素でもよく、R1 、R2 、R3 は同
じでも良く又は異なっていても良いポリシラザンである
ことを特徴とする請求項1ないし請求項4の内のいずれ
か一つに記載のセラミックス多孔質体の製造方法を創作
した。請求項5に記載のポリシラザンの製造方法の詳細
は特開昭60−226890号公報及び特開昭63−309526号公報
に開示されている。
【0017】請求項6においては、非酸化物系セラミッ
クス粉体100 体積に対してセラミックスプレカ−サ−を
120 体積以上250 体積以下混合することを特徴とする請
求項4又は請求項5に記載のセラミックス多孔質体の製
造方法を創作した。
【0018】
【作用】請求項1ないし請求項6のセラミックス多孔質
体の製造方法によると前記セラミックスプレカ−サ−が
結晶化する温度であって、かつ前記非酸化物系セラミッ
クス粉体の粒成長が生じない温度で焼成するので、セラ
ミックス粉体の粒界に略充填されたセラミックスプレカ
−サ−の体積が結晶化により減少するために、セラミッ
クス粉体の粒界に孔が形成される。また焼成前の成形体
において前記非酸化物系セラミックス粉体の粒界を略充
填する量のセラミックスプレカ−サ−が混合されている
ので、成形体において既に孔が存在し、セラミックスプ
レカ−サ−の結晶化により、その孔の大きさをより小さ
く制御することが困難とされる事が抑制される。
【0019】請求項2のセラミックス多孔質体の製造方
法によると、最終焼成温度が1300℃以上1600℃以下であ
るからセラミックスプレカ−サ−が結晶化し、かつ前記
非酸化物系セラミックス粉体の粒成長が生じない。そし
て非酸化物系セラミックス粉体の粒界においてセラミッ
クスプレカ−サ−が結晶化し、その体積が減少すること
により、非酸化物系セラミックス粉体の粒界においてさ
らに孔が生じる。すなわち図1に示されるようにセラミ
ックス粉末1及びセラミックスプレカ−サ−(例えばポ
リシラザン)2からなる成形体3において焼結温度約80
0 ℃以上〜1300℃より低い温度にてセラミックスプレカ
−サ−2は無機化し、アモルファス(非結晶)セラミッ
クス4となり、得られる焼成体は孔の無い緻密体5とさ
れる。そして焼結温度が約1300℃以上1600℃以下の場合
にはセラミックス粉末1の粒界に略充填されていたセラ
ミックスプレカ−サ−2が結晶化して、結晶化したセラ
ミックスプレカ−サ−6(セラミックス)となり、その
際に体積が減少することにより、セラミックス粉末1の
粒界においてさらに孔が生じ、本発明の多孔質体7が生
成する。
【0020】請求項3のセラミックス多孔質体の製造方
法によると、急激な分解ガスの放出が抑制されるので、
分解ガスの急激な放出による大きな孔の生成が抑制され
る。請求項4のセラミックス多孔質体の製造方法による
と、セラミックス粉体は窒化珪素粉体及び/又は炭化珪
素粉体であり、セラミックスプレカ−サ−はポリシラザ
ン及び/又はポリカルボシランであり、ポリシラザンは
焼成によりSi3 4 及びSiCの混合物を生成し、ポ
リカルボシランはSiCのセラミックスを生成するの
で、得られるセラミックス多孔質体は優れた機械的強
度、耐食性、耐熱性を有する。
【0021】請求項5のセラミックス多孔質体の製造方
法によると、使用される焼成前のポリシラザンは各種の
有機溶媒に可溶であり、加熱により軟化するので自由に
成形が実施でき、得られるセラミックス多孔質体は優れ
た機械的強度、耐食性、耐熱性を有する。請求項6のセ
ラミックス多孔質体の製造方法によると、請求項4又は
請求項5のセラミックス多孔質体の製造方法において、
セラミックス粉体100 体積に対してセラミックスプレカ
−サ−を120 体積以上250 体積以下混合することを特徴
としているので、セラミックス粉体は窒化珪素粉体及び
/又は炭化珪素粉体であり、セラミックスプレカ−サ−
はポリシラザン及び/又はポリカルボシランであるか又
は請求項5に記載のポリシラザンであるので、これらの
特定のセラミックス粉体及びセラミックスプレカ−サ−
についてはセラミックス粉体100 体積に対してセラミッ
クスプレカ−サ−を120 体積以上250 体積以下混合する
ことによりセラミックス粉体の粒界にセラミックスプレ
カ−サ−が略充填される。また250 体積以下とすること
によりコストが高くなることが抑制され、より好ましく
は200体積以下とされる。
【0022】
【実施例】
実施例1 以下の実施例にて使用されるポリシラザンは請求項5に
記載のポリシラザンであり、請求項5中、R1 、R2
3 は、メチル基である。またその一般式は[(C
3 2 SiNH]x (CH3 SiHNH)y (CH3
SiHNCH3 z(CH3 SiN)p である。本例の
ポリシラザンは、N2 中あるいはAr中で焼成すること
により60〜70%の収率でSi3 4 及びSiCの混合物
を生成する。また焼成する前の本例のポリシラザンは、
各種の有機溶媒に可溶で、さらにまた加熱により軟化す
るので自由に成形が可能である。また入手が容易である
利点がある。窒化ケイ素(Si3 4 )粉末(宇部工業
製、商品名SN- E10)100 に対してポリシラザン(チッソ
(株)製、商品名NCP-200 )を0,80,120,160及び200 の
各割合(体積比)にて混合した各混合物に、スラリ−化
するまでトルエンを加えた後、得られた各スラリ−を超
音波洗浄器を用いて、十分に混合攪拌した。次に各スラ
リ−を乾燥後、アルミナ乳鉢にて粉砕し、この各粉砕物
を250 μm篩いに通して整粒し、窒化ケイ素:ポリシラ
ザンの体積混合比が、100:0 (以下、0体積%と表
す),100:80 (以下、80体積%と表す),100:120(以
下、120 体積%と表す)00:160(以下、160 体積%と表
す)及び100:200 (以下、200 体積%と表す)の各混合
粉末を得た。なおこれらの各体積混合比は重量%に換算
すると各々80体積%が20重量%、120 体積%が27.2重量
%、160 体積%が33.3重量%、及び200体積%が38.4重
量%となる。
【0023】この各混合粉末を50×60mm金型に各30g 入
れ、5MPaで一軸成形を行い、さらに196MPaでCIP 成形を
行い、各成形体を得た。これらの各成形体を窒素雰囲気
下において昇温速度0.1 ℃/分にて500 ℃まで仮焼した
後、昇温速度10℃/分にて1200℃まで、続いて昇温速度
1.7 ℃/分にて最終温度1450℃まで昇温し、4 時間1450
℃を保持することにより焼成した。この最終焼成温度を
1450℃とする焼成によって得られた各焼成体の気孔を水
銀ポロシメ−タ−にて気孔径分布を測定した。その結果
を図2に示す。図2中、縦軸は気孔の容積(累算)であ
り、数値単位はミリリットル/gである。横軸は気孔径
(数値単位μm)である。またグラフIは0体積%、グ
ラフIIは80体積%、グラフIII は120 体積%、グラフIV
は160 体積%及びグラフVは200 体積%についての結果
を各々表している。
【0024】図2に示されるように0体積%(ポリシラ
ザン無添加)の場合は気孔径は殆どが約0.1 μmであっ
た。また80体積%の結果は気孔径の大きさが約0.1 μm
〜0.01μmの気孔が大部分であり、その中間気孔径(積
算気孔量50%における気孔径)は約0.08μmであり、0.
01μm以下の気孔はごく僅かしか形成されていなかっ
た。 一方、120 及び160 体積%の結果は気孔径が0.1
μm〜0.01μmの気孔が大部分であり、前記中間気孔径
は約0.03μmであり、200 体積%の結果は0.05μm〜0.
01μmの気孔が得られ、前記中間気孔径は約0.02μmで
あった。また120、160 及び200 体積%の結果において
は0.01μm以下の気孔も存在し、さらには孔径の大きさ
が略均一であり、その分布がシャープであった。従っ
て、最終温度1450℃の場合において、さらにポリシラザ
ンの体積混合比が120 、160 及び200 体積%の場合にお
いては、ポリシラザンの体積混合比が0体積%及び80体
積%の場合よりもより小さい孔径を有し、さらに0体積
%及び80体積%の場合よりも、孔径の分布がよりシャー
プでより均一である本発明のセラミックス多孔質体が得
られた。
【0025】実施例2 実施例1と同様に成形した120,160 及び200 体積%の各
成形体について、最終焼成温度を各々800 ℃、1350℃、
1450℃、1600℃及び1800℃とする焼成によって得られた
各焼成体の気孔を水銀ポロシメ−タ−にて気孔径分布を
測定した。その結果を120 体積%については図3、160
体積%については図4、200 体積%については図5に各
々示す。但し200 体積%については最終焼成温度1600℃
の場合については実施しなかった。なお昇温速度は500
℃までは0.1 ℃/分、1200℃までは10℃/分、各最終焼
成温度までは1.7 ℃/分とし、各最終温度で4時間保持
した。図3ないし図5中、縦軸及び横軸は図2と同様で
あり、グラフ(ア)は800 ℃、(イ)は1350℃、(ウ)
は1450℃、(エ)は1600℃及び(オ)は1800℃の各最終
焼成温度についての結果を示す。
【0026】図3ないし図5に示されるように、全ての
体積%について気孔径の分布は、最終焼成温度800 ℃及
び1800℃の場合は、その他の最終焼成温度の場合とは明
らかに大きく異なっていた。すなわち、120,160 及び20
0 体積%の全ての各成形体について最終焼成温度800 ℃
(グラフ(ア))の場合には気孔はほとんど存在してお
らず、すなわち多孔質体を得ることができなかった。こ
れはポリシラザンを低い温度で焼成することにより生成
したアモルファスセラミックスが成形体の粒界をほぼ完
全に埋めたために緻密体(図8中、緻密体5を参照)が
生成したと考えられる。そして、全ての体積%の各成形
体について最終焼成温度1800℃(グラフ(オ))の場合
には気孔径が1〜0.1 μmである大きい孔径の気孔がほ
とんどであり、0.1 μm以下の気孔はほとんど存在して
おらず、さらには最終焼成温度1800℃の場合の全気孔容
積は最終温度1350℃、1450℃及び1600℃の場合よりも少
なかった。これは最終焼成温度1800℃においては粒成長
が起きる(図8中、粒成長したセラミックス粉体8を参
照)ためと考えられる。なおSEM写真によっても1800
℃の場合には粒成長が生じ、その気孔径が1350℃、1450
℃の場合より大きくなっていることが確認された。
【0027】一方、最終焼成温度1350℃、1450℃及び16
00℃(グラフ(イ)、(ウ)及び(エ))においては、
気孔径は約0.1 〜0.01μmであり、0.01μm以下の気孔
も存在し、孔の大きさの分布がシャープで均一であっ
た。また0.01μm以下の気孔の存在量は最終温度が1350
℃及び1450℃の方が1600℃の場合よりも、より多い傾向
が観察された。そして各体積%において1350℃、1450℃
及び1600℃の場合の全気孔容積はほとんど同じであっ
た。したがって上記の結果から、ポリシラザン添加量が
120,160 及び200 体積%の場合においてさらに最終焼成
温度を1350℃ないし1600℃の温度とする本発明の製造方
法により、最終焼成温度800 ℃及び1800℃の場合よりも
孔径の小さい0.01μm以下の気孔径を有し、さらに孔径
の分布がシャープでより均一である本発明のセラミック
ス多孔質体が得られた。そして本例において得られた多
孔質体はセラミックス粒子である窒化ケイ素が焼成して
生じる組成とポリシラザンが結晶化して生成するセラミ
ックスの組成(Si3 4 及びSiC)の両組成が同様
に優れた機械的強度、耐熱性、耐熱衝撃性、耐腐食性を
有するため、機械的強度、耐熱性、耐熱衝撃性、耐腐食
性に優れたセラミックス多孔質体が得られた。
【0028】ポリシラザン添加量が0 、80、120 、160
及び200 体積%の場合において最終焼成温度(℃)と開
気孔率(%)との関係を図6に示す。ここで、開気孔率
(%)とは、成形体又は焼成体の表面から水銀を押し込
んで成形体内部に入った水銀量から測定した外界に開放
している孔の存在率を意味する。図6中、縦軸は開気孔
率(%)を、横軸は最終温度(℃)を示し、各シンボル
においては◇は0体積%、■は80体積%、□は120 体積
%、●は160 体積%及び○は200 体積%を各々示してい
る。図6に示されるように0体積%(ポリシラザン無添
加)の場合には800 〜1800℃の全ての最終焼成温度
(℃)において約43〜48%の略同一の気孔率を示す。そ
して80体積%では最終焼成温度0℃における焼成前の成
形体の開気孔率は0体積%(ポリシラザン無添加)の場
合の約半分の約20%であり、成形体の窒化ケイ素の粒界
の約半分をポリシラザンが埋めており、残りの半分の粒
界はそのまま残り、成形体において既に大きな孔が生成
している。この孔のために、ポリシラザンによる気孔径
の制御が困難とされると考えられる。
【0029】一方、120 、160 及び200 体積%の場合に
おいて最終焼成温度0℃における結果は図6中には記載
されていないが、約10%の開気孔率であった。そして最
終焼成温度800 ℃においては開気孔率は約5%に減少し
た。これはポリシラザンから生成したアモルファスセラ
ミックスにより、成形体の粒界がほぼ完全に埋められた
(図8中、緻密体5を参照)ためと考えられる。さらに
最終焼成温度を上げると、1450℃及び1600℃の場合は開
気孔率は急増し、約35%となった。これはポリシラザン
から生成したアモルファスセラミックスが高温により結
晶化したために新たに孔が発生した(図1中、本発明の
多孔質体7を参照)ためと考察される。従って焼成前の
成形体の開気孔率が約10%の場合には成形体の窒化ケイ
素の粒界がポリシラザンによって略充填されているとい
える。
【0030】実施例3 実施例1において得られた80体積%、120 体積%及び20
0 体積%の各焼成体についてJISに記載の4点曲げ試
験を行った。また比較のために、バイコ−ルガラス及び
反応焼結窒化ケイ素についても同様の試験を行い、曲げ
強度(数値単位MPa)を測定した。その結果を図7に
示す。図7中、縦軸は曲げ強度(数値単位MPa)を示
し、棒グラフAは80体積%、Bは120 体積%及びCは20
0 体積%の各焼成体についての曲げ強度を各々示し、D
はバイコ−ルガラス、Eは反応焼結窒化ケイ素について
の曲げ強度を各々示している。図6に示されるように本
例の多孔質体である120 体積%及び200 体積%の焼成体
の曲げ強度は400 〜500Kg/cm2 であり、この値は従来、
透過膜研究用膜基材として一般に用いられているバイコ
−ルガラスとほぼ同程度の強度であり、すなわち実用可
能とされる優れた機械的特性を有していた。本例の製造
方法においては使用されるポリシラザンは窒素又はアル
ゴン中で焼成することにより60〜70%の収率でSi3
4 とSiCの混合物を生成する。この混合物はセラミッ
クス粒子として使用している窒化ケイ素(Si3 4
粉末と同様に優れた機械的強度、耐熱性、耐熱衝撃性、
耐腐食性を有するため、得られたセラミックス多孔質体
は機械的強度、耐熱性、耐熱衝撃性、耐腐食性に優れて
いた。
【0031】比較例1 実施例1と同様に成形した0体積%(ポリシラザン無添
加)の成形体について、最終焼成温度を各々800 ℃、13
50℃、1450℃及び1800℃とする焼成によって得られた各
焼成体の気孔を水銀ポロシメ−タ−にて気孔径分布を測
定した。その結果を図9に示す。図9中、縦軸及び横軸
は図2と同様であり、グラフ(ア)は800 ℃、(イ)は
1350℃、(ウ)は1450℃、及び(オ)は1800℃の各最終
焼成温度についての結果を示す。なお昇温速度は実施例
2と同様とし、各最終焼成温度で4時間保持した。図8
に示されるように800 〜1450℃の場合においては得られ
る気孔径は約0.1μmであるが、1800℃の場合において
は得られる気孔径は約1μmとなり一桁大きくなった。
すなわち0体積%の場合には最終焼成温度を1300〜1600
℃とした場合にも0.01μmより小さい気孔径はほとんど
生成しなかった。この結果はポリシラザン無添加で、セ
ラミックス粒子のみを使用しているために、焼成前の成
形体において既に存在するセラミックス粒子の粒界の大
きさよりも小さい気孔を生成できないためと考えられ
る。
【0032】比較例2 実施例1と同様に成形した80体積%の成形体について、
比較例1と同様の実験を行った。その結果を図10に示
す。図9中、縦軸及び横軸は図2と同様であり、グラフ
(ア)は800 ℃、(イ)は1350℃、(ウ)は1450℃、
(エ)は1600℃及び(オ)は1800℃の各最終焼成温度に
ついての結果を示す。図10に示されるように0体積%
の場合と同様に800 〜1450℃の場合においては得られる
気孔径は約0.1 μmであるが、1600℃においては約0.05
μm、1800℃においては約1μmと大きくなった。すな
わち80体積%の場合には最終焼成温度を1300〜1600℃と
した場合には0.01μmより小さい気孔径は極僅かしか生
成していなかった。この結果は80体積%の成形体ではポ
リシラザンの混合比が少なく、成形体において窒化ケイ
素の粒界が半分も残存しているために、成形体において
既に気孔が存在し、この気孔径の大きさを制御すること
が困難であるためと考えられる。
【0033】比較例3 実施例1と同様に成形した0,80,120,160及び200 体積%
の各成形体について、最終焼成温度を1800℃とする焼成
によって得られた各焼成体の気孔を水銀ポロシメ−タ−
にて気孔径分布を測定した。図11に示す。なお昇温速
度は500 ℃までは0.1 ℃/分、1200℃までは10℃/分、
最終焼成温度までは1.7 ℃/分とし、各最終温度で4時
間保持した。図11中、縦軸及び横軸は図2と同様であ
り、グラフIは0体積%、グラフIIは80体積%、グラフ
III は120 体積%、グラフIVは160 体積%及びグラフV
は200 体積%についての結果を各々表している。図11
に示されるように全ての体積%の場合において得られる
気孔径は約1μmと大きかった。この結果は最終焼成温
度1800℃の場合には粒成長が起きる(図8中、粒成長し
たセラミックス粉体8を参照)ためであると考えられ
る。
【0034】
【発明の効果】請求項1ないし請求項6に記載のセラミ
ックス多孔質体の製造方法によると、同大粒子を使用し
て同条件(圧力、各材料の使用量等)にて生成した成形
体について、従来方法を使用して得られる多孔質体より
も、より小さい孔径の孔を有するセラミックス多孔質体
を製造できる。従って従来よりもさらに小さい粒子の分
離が可能とされる。請求項3に記載のセラミックス多孔
質体の製造方法によると、孔径の分布がより均一なセラ
ミックス多孔質体を製造できる。従って従来よりもさら
に小さい粒子の分離がより精密に可能とされる。また請
求項4ないし請求項6に記載のセラミックス多孔質体の
製造方法によると、セラミックス粉体は窒化珪素粉体及
び/又は炭化珪素粉体であり、セラミックスプレカ−サ
−から生じる結晶も優れた機械的強度、耐食性、耐熱性
を有するセラミックスであるため、優れた機械的強度、
耐食性、耐熱性を有するセラミックス多孔質体が得られ
る。従って本発明により得られるセラミックス多孔質体
は、過酷な環境下における微小粒子の分離に使用でき、
例えば高温下におけるガス分離操作への適用が期待でき
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の多孔質体の生成工程説明図である。
【図2】実施例1のポリシラザン添加量及び気孔径の関
係を示すグラフである。
【図3】実施例2の120 体積%の場合における焼成温度
及び気孔径の関係を示すグラフである。
【図4】実施例2の160 体積%の場合における焼成温度
及び気孔径の関係を示すグラフである。
【図5】実施例2の200 体積%の場合における焼成温度
及び気孔径の関係を示すグラフである。
【図6】00001のポリシラザン添加量、最終焼成温
度及び開気孔率の関係を示すグラフである。
【図7】実施例1の各多孔質体の曲げ強度を示すグラフ
である。
【図8】従来の多孔質体の生成工程説明図である。
【図9】比較例1の0体積%の場合における焼成温度及
び気孔径の関係を示すグラフである。
【図10】比較例2の80体積%の場合における焼成温
度及び気孔径の関係を示すグラフである。
【図11】比較例3のポリシラザン添加量及び気孔径の
関係を示すグラフである。
【符号の説明】
1 セラミックス粉体 2 セラミックスプレカ−サ− 3 成形体 4 アモルファスセラミックス 5 緻密体 6 結晶化したセラミックスプレカ−サ− 7 本発明の多孔質体 8 粒成長したセラミックス粉体 9 従来の多孔質体 I 0体積%のグラフ II 80体積%のグラフ III 120体積%のグラフ IV 160体積%のグラフ V 200体積%のグラフ ア 800℃のグラフ イ 1350℃のグラフ ウ 1450℃のグラフ エ 1600℃のグラフ オ 1800℃のグラフ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C04B 38/06 E (72)発明者 杉浦 勇夫 愛知県豊明市二村台七丁目4番地の17 (72)発明者 椿 淳一郎 愛知県名古屋市千種区幸川町二丁目33番地 の2

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 焼成により結晶化するセラミックスプレ
    カ−サ−及び非酸化物系セラミックス粉体を混合及び成
    形した成形体を、前記セラミックスプレカ−サ−が結晶
    化する温度であって、かつ前記非酸化物系セラミックス
    粉体の粒成長が生じない最終焼成温度で焼成することを
    特徴とするセラミックス多孔質体の製造方法であって、
    さらには前記セラミックスプレカ−サ−の混合量は、前
    記成形体において前記非酸化物系セラミックス粉体の粒
    界を略充填する量とすることを特徴とするセラミックス
    多孔質体の製造方法。
  2. 【請求項2】 成形体を最終焼成温度1300℃以上1
    600℃以下で焼成することを特徴とする請求項1に記
    載のセラミックス多孔質体の製造方法。
  3. 【請求項3】 セラミックスプレカ−サ−が分解無機化
    する温度における焼成昇温速度を0.05℃/分以上1.5 ℃
    /分以下とすることを特徴とする請求項1又は請求項2
    に記載のセラミックス多孔質体の製造方法。
  4. 【請求項4】 非酸化物系セラミックス粉体は窒化珪素
    粉体及び/又は炭化珪素粉体であり、セラミックスプレ
    カ−サ−はポリシラザン及び/又はポリカルボシランで
    あることを特徴とする請求項1ないし請求項3の内のい
    ずれか一つに記載のセラミックス多孔質体の製造方法。
  5. 【請求項5】 セラミックスプレカ−サ−は、ジハロシ
    ラン(R1 SiHX 2 )とアンモニアを反応させて得ら
    れるシラザンオリゴマ−又は前記ジハロシラン及び他の
    ジハロシラン(R2 3 SiX2 )を混合したジハロシ
    ラン混合物をアンモニアと反応させて得られるシラザン
    オリゴマ−のいずれかのシラザンオリゴマ−を、珪素原
    子に隣接する窒素原子から水素を脱プロトン化する能力
    のある塩基性触媒の存在下に反応させ、脱水素架橋する
    ことにより高分子量化したポリシラザンであり、ここで
    1 、R2 、R3 は、1〜6までの炭素原子を有する低
    級アルキル基、置換アリル基、非置換アリル基、6〜1
    0までの炭素原子を有する置換アリ−ル基、6〜10ま
    での炭素原子を有する非置換アリ−ル基、トリ(低級)
    アルキルアミノ基、ジ(低級)アルキルアミノ基からな
    る群より選択され、さらにR1 は水素でもよく、R1
    2 、R3 は同じでも良く又は異なっていても良いポリ
    シラザンであることを特徴とする請求項1ないし請求項
    4の内のいずれか一つに記載のセラミックス多孔質体の
    製造方法。
  6. 【請求項6】 非酸化物系セラミックス粉体100 体積に
    対してセラミックスプレカ−サ−を120 体積以上250 体
    積以下混合することを特徴とする請求項4又は請求項5
    に記載のセラミックス多孔質体の製造方法。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7018707B2 (en) 2000-03-03 2006-03-28 Noritake Co., Limited Porous ceramic laminate and production thereof
US7135140B2 (en) 2003-07-29 2006-11-14 Asahi Glass Company, Limited Method of producing silicon nitride honeycomb filter
US7368076B2 (en) 2003-07-17 2008-05-06 Asahi Glass Company, Limited Method for producing a silicon nitride filter

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