JPH0859343A - 酸化チタン焼結体及びその製造方法 - Google Patents

酸化チタン焼結体及びその製造方法

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JPH0859343A
JPH0859343A JP6222539A JP22253994A JPH0859343A JP H0859343 A JPH0859343 A JP H0859343A JP 6222539 A JP6222539 A JP 6222539A JP 22253994 A JP22253994 A JP 22253994A JP H0859343 A JPH0859343 A JP H0859343A
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JP
Japan
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titanium oxide
oxide sintered
sintered body
slurry
pores
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JP6222539A
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Inventor
Hiromasa Shimojima
浩正 下嶋
Noriyuki Nishio
典幸 西尾
Nobuyuki Minami
信之 南
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Taiheiyo Cement Corp
Original Assignee
Nihon Cement Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 ポアが少ない酸化チタン焼結体及びその製造
方法を提供すること。 【構成】 大きさが0.1〜100μmで構成成分が「Si−Al
−アルカリ(Na,K)−O」を主成分とする化合物の集合体
が酸化チタン焼結体中に少なくとも1個以上存在する酸
化チタン焼結体であり、該焼結体の鏡面研磨面に50倍の
光学顕微鏡観察により計数される黒点が1mm2当り10個
以下存在する酸化チタン焼結体。平均粒径:1μm以下
で純度:97%以上のTiO2粉末、SiO2:0.01〜0.1wt%、A
l2O3:0.001〜0.1wt%、アルカリ酸化物(Na20,K2O):0.
001〜0.1wt%、溶媒、有機バインダ−、分散剤等を混合
してスラリ−を調製し、該スラリ−を成形した後大気中
で1100〜1300℃で焼成して前記酸化チタン焼結体を製造
する。 【効果】 本発明に係る酸化チタン焼結体は、ポアが極
めて少ないことから、半導体工業におけるゴミ等の付着
や吸着を避けたい製品の材料、ポアの存在自体を避けた
い製品の材料として好適な酸化チタン焼結体を提供する
ことができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ポアが少ない酸化チタ
ン焼結体及びその製造方法に関し、 ・主として半導体工業における異物(ゴミなど)の付着や
吸着を避けたい製品の材料(例えばSiウエハの洗浄、
移動、表面処理等の操作時に使用される真空チャック、
バキュ−ムピンセット、ハンド等の製品の材料)とし
て、また、 ・ポアの存在自体を避けたい製品の材料(例えばハ−ド
デスク用基板や磁気ヘッド用基板などの材料、各種工業
用ミラ−等の材料)として、 好適な酸化チタン焼結体及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】半導体工業におけるSiウエハの移動、
洗浄、表面処理等の操作時に使用される真空チャック、
バキュ−ムピンセット等は、Siウエハへの金属元素の
混入、汚染を避けるため、一般にセラミックス材料が使
用されている。そして、このセラミックス材料として
は、多くの場合アルミナや炭化珪素の焼結体が用いられ
ている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで、これらのセ
ラミックス材料を用いた製品は、通常Siウエハに接触
する部分を鏡面研磨して使用されるが、そのセラミック
ス材料自体が有するポアが研磨面に残り、このポアにゴ
ミなどの異物が付着するという欠点があった。
【0004】このようにセラミックス材料の研磨面に残
存するポアにゴミなどの異物が付着すると、半導体素子
の製造工程中にこれが混入することとなる。そして、半
導体素子の高密度化・高集積度化が進むにつれ、このゴ
ミなどの異物が製造工程に混入してくるということは、
特に問題になってきている。
【0005】こうした問題に対し、ポアの少ない種々の
セラミックス材料が従来より検討されてきているが、こ
れまで得られているセラミックス材料は、ポアが少ない
といってもその数が1mm2当り100個以上有するもので
あった。このようなセラミックス材料では、今後より一
層高集積度化が進む半導体工業分野における要求を十分
に満たすことができない。
【0006】本発明は、上記要求を満たす酸化チタン焼
結体を提供することを目的とし、詳細には、ポアが極め
て少ない酸化チタン焼結体を提供することにあり、それ
によって半導体工業における異物(ゴミなど)の付着や吸
着を避けたい製品の材料(例えばSiウエハの洗浄、移
動、表面処理等の操作時に使用される真空チャック、バ
キュ−ムピンセット、ハンド等の製品の材料)として、
また、ポアの存在自体を避けたい製品の材料(例えばハ
−ドデスク基板や磁気ヘッド用基板などの材料、各種工
業用ミラ−等の材料)として好適な酸化チタン焼結体を
提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明に係る酸化チタン
焼結体は、「大きさが0.1〜100μmで、構成成分が“S
i−Al−アルカリ(Na,K)−O”を主成分とする化
合物の集合体が酸化チタン焼結体中に少なくとも1個以
上存在し(請求項1)、この鏡面研磨面の50倍の光学顕微
鏡観察により計数される黒点が1mm2当り10個以下存在
する(請求項2)、」ことを特徴とする。
【0008】また、本発明に係る酸化チタン焼結体の製
造方法は、(1) 平均粒径が1μm以下で純度が97%以上
の酸化チタン原料粉末と、SiO2:0.01〜0.1重量%、Al2
O3:0.001〜0.1重量%、アルカリ酸化物(Na20,K2O):0.
001〜0.1重量%及び溶媒、有機バインダ−、可塑剤、分
散剤を混合し、スラリ−を調製する工程、(2) 該スラリ
−を用いて成形する工程、(3) 該成形体を大気雰囲気中
で1100〜1300℃で焼成する工程、を含むことを特徴とす
る(請求項3)。
【0009】更に、本発明に係る酸化チタン焼結体の製
造方法は、 ・前記(1)の工程における酸化チタン原料粉末として、S
iO2:0.01〜0.1重量%、Al2O3:0.001〜0.1重量%、ア
ルカリ酸化物(Na20,K2O):0.001〜0.1重量%の不純物を
含む、平均粒径が1μm以下の酸化チタン原料粉末を用
い、別途SiO2、Al2O3及びアルカリ酸化物(Na20,K2O)を
添加しないこと(請求項4)、 ・前記(3)の工程に続いて、大気雰囲気、不活性雰囲気
又は還元雰囲気中、800〜1200℃で500Kg/cm2以上の圧
力下で再焼成すること(請求項5)、 ・前記(2)の成形体に成形する手段として、ドクタ−ブ
レ−ド法によりシ−ト状に成形するか又は押出成形、C
IP成形すること(請求項6)、 を特徴とする。
【0010】以下、本発明について詳細に説明すると、
本発明者等は、ポアが極めて少ない酸化チタン焼結体を
提供することを意図して鋭意研究を重ねた結果、酸化チ
タン原料粉末に“構成成分が「Si−Al−アルカリ
(Na,K)−O」を主成分とする化合物の集合体”を含
有させると、この化合物の集合体が焼成中に酸化チタン
の粒界を滑り、最終的に焼結を促進しポアを低減する効
果があることを知見し、本発明を完成したものである。
【0011】本発明で使用する酸化チタン原料粉末とし
ては、平均粒径が1μm以下で純度が97%以上のものが
好ましい。平均粒径が1μmを超えると、得られる焼成
体にポアが残存するので(光学顕微鏡観察により計数さ
れる黒点が多くなるので)、好ましくない。また、この
原料粉末の純度が97%より低いと、焼結性が悪化するの
で同じく好ましくない。
【0012】本発明は、上記酸化チタン原料粉末に「S
i−Al−アルカリ(Na,K)−O」の成分を混合する
ことを特徴とする。この成分として、SiO2、Al2O3、ア
ルカリ酸化物(Na2O,K2O)を使用することができ、ま
た、焼成後に酸化物となるSi源、Al源、アルカリ源を用
いることもできる。
【0013】各成分の配合割合は、SiO2:0.01〜0.1wt
%、Al2O3:0.001〜0.1wt%、アルカリ酸化物:0.001〜
0.1wt%が好ましく、このような範囲で配合することに
より酸化チタン粉末の焼結を促進させ、ポアを低減させ
る作用効果が生じる。一方、このような範囲外では、次
に説明する理由で好ましくない。
【0014】SiO2が0.01wt%未満では、粒界相が軟化せ
ずポアがつぶれにくくなり、逆に0.1wt%を超えると、
粒子状で残存するか又は光学顕微鏡で観察される黒点
(“Si−Al−アルカリ(Na,K)−O”を主成分と
する化合物)が10個/mm2を超えてしまうことがあり、
TiO2粒子が粒成長するため、ポアがつぶれにくくなるの
で好ましくない。同様にAl2O3が0.001wt%未満では、粒
界相が軟化せずポアがつぶれにくくなり、逆に0.1wt%
を超えると、粒子状で残存するか又は黒点が10個/mm
2を超えてしまうことがあるので好ましくない。また、
アルカリ酸化物が0.001wt%未満では、粒界相が軟化せ
ずポアがつぶれにくくなり、0.1wt%を超えると、粒子
状には残存しないが、やはり黒点が10個/mm2を超え
てしまうことがあるので好ましくない。
【0015】本発明において、各成分を酸化チタン原料
粉末に混合する前に予めSi−Al−アルカリ(Na,
K)−Oの化合物を作製し、この化合物を粉砕して酸化
チタン原料粉末と混合することもでき、これも本発明に
包含されるものである。また、本発明は、酸化チタン原
料粉末に上記各成分を混合する方法以外に、各成分を不
純物として含有する酸化チタン原料粉末を使用すること
ができる。この場合も、不純物成分としてSiO2:0.01〜
0.1wt%、 Al2O3:0.001〜0.1wt%、アルカリ酸化物:
0.001〜0.1wt%が含有するものが好ましい。
【0016】本発明に係る“Si−Al−アルカリ(N
a,K)−O”を主成分とする化合物は、焼成中に酸化
チタンの粒界を滑り、最終的に焼結を促進し、ポアを低
減する作用効果が生じる。また、この化合物は、HIP
処理中に焼成体中のポアに、より一層集る傾向があり、
これは、後記実施例で詳記するが、HIP処理後の焼結
体面を鏡面研磨すると、その表面にSi−Al−アルカ
リ(Na,K)−Oの化合物を確認することができ、この
事実から上記傾向があることが認められ、より一層ポア
を低減する作用効果が認められた。
【0017】ここで、本発明の酸化チタン焼結体の製造
方法について説明すると、本発明では、まず上記酸化チ
タン原料粉末と各成分を混合し、この混合粉末(又は上
記した不純物を含有する酸化チタン原料粉末)に溶媒、
有機バインダ−、可塑剤、分散剤を混合し、スラリ−を
調製する。次に、該スラリ−を用いて成形し、得られた
成形体を大気雰囲気中、1100〜1300℃で焼成して目的と
する酸化チタン焼結体を製造する。
【0018】有機バインダ−としては、各種アクリル系
ポリマ−、メチルセルロ−ス、ポリビニルブチラ−ル系
のバインダ−を用いることができる。このうちアクリル
系ポリマ−の場合、重合度は500より大きいほうが望ま
しい。重合度が500未満ではシ−ト化した際に亀裂が生
じやすい。他のバインダ−を用いる場合でも同様であ
り、例えばポリビニルブチラ−ル系のバインダ−を用い
る場合には、重合度は200より大きい方が望ましく、200
未満では、上記理由と同様、シ−ト化した際に亀裂が生
じやすいので好ましくない。
【0019】溶媒としては、使用するバインダ−の種類
により異なり、例えばアクリル系ポリマ−を用いる場
合、トルエン、キシレン、IPA、エタノ−ル、水等が
用いられる。また、ポリビニルブチラ−ル系の場合は、
エチルメチルケトン、エタノ−ル、ブタノ−ル等の有機
溶剤が用いられる。分散剤としては、オレイン酸エチ
ル、ソルビタンモノオレ−ト、ソルビタントリオレ−
ト、ポリカルボン酸系等が用いられる。
【0020】可塑剤としては、ジブチルフタレ−ト、D
OP(フタル酸ジエチルヘキシル)等が用いられる。ま
た、本発明において、その他の添加剤として必要に応じ
pH調整剤や界面活性剤等を添加することもできる。
【0021】次に、スラリ−の調製法及び成形法につい
て説明すると、まず、前記酸化チタン原料粉末を含む混
合粉末、溶媒、分散剤及び可塑剤などを適量配合し、ボ
−ルミルで十分に粉砕混合する。混合時間は5時間以上
行うことが望ましく、また、この際、媒体攪拌ミルを用
いることが好ましい。このように原料粉末を十分に分散
させた後、有機バインダ−を混合する。この混合は1時
間以上行うことが望ましい。バインダ−の混合時間が短
いと、バインダ−と粉末との混合が十分でなくなり、シ
−トにした際に亀裂が生じやすいので好ましくない。
【0022】次に、得られたスラリ−中の泡を取り除
き、かつスラリ−中の溶媒量を減少させるためにスラリ
−を真空脱泡する。真空脱泡により得られたスラリ−の
粘度は10〜1000ポイズ程度が好ましい。粘度が10ポイズ
未満では、スラリ−中の粉末成分が少なく、シ−ト化し
た際に亀裂が生じやすい。逆に1000ポイズを超えると、
シ−ト化する際にスラリ−の流動性が悪くなり、シ−ト
表面が凸凹になるので好ましくない。
【0023】本発明において、成形方法としては、ドク
タ−ブレ−ド法、押出成形、CIP成形等慣用の方法を
用いることができる。前記スラリ−を用いてドクタ−ブ
レ−ド法によりシ−ト状に成形する場合、該シ−トの厚
さは、所望の仕上がり厚さに適した厚さにすれば良い。
例えばハ−ドディスク用基板の場合、200〜1000μm程
度が好ましい。200μmより薄いとハ−ドディスク用基
板の厚さが不足し、一方、1000μmよりも厚いとシ−ト
化する際に亀裂が生じやすいので好ましくない。
【0024】押出成形の場合は、有機バインダ−として
メチルセルロ−ス、ポリビニルアルコ−ル、アラビアゴ
ム、パラフィンワックス等を用いるのが好ましい。ま
た、可塑剤としてグリセリン等を、溶媒として水を用
い、前記酸化チタン原料粉末を含む混合粉末を混練して
スラリ−を調製し、これを真空脱泡した後、前記と同
様、200〜1000μm程度の厚さのシ−トに成形する。な
お、押出成形の場合、潤滑剤としてポリエ−テル系合成
油、ポリオキシエチレンオレイン酸エステル等を用いる
ことができる。
【0025】CIP成形の場合、前記スラリ−をスプレ
−ドライ等により顆粒状とし、この顆粒を成形した後1
〜2ton/cm2で等方的に加圧し、得られた成形体を所定
の形状に加工する。
【0026】上記のドクタ−ブレ−ド法、押出成形、C
IP成形により得られた成形体は、次に、400〜500℃で
1時間以上にわたって脱バインダ−し、その後、空気中
で1100〜1300℃で焼成して目的とする酸化チタン焼結体
を製造する。焼成温度が1000℃より低いと、十分に緻密
化せず、また、1300℃よりも高い温度で焼成すると、焼
結粒子が大きくなり、ポアが残存するので好ましくな
い。
【0027】本発明は、上記した焼成により得られた焼
成体に、更に大気雰囲気、不活性ガス雰囲気又は還元雰
囲気中で800〜1200℃で500kgf/cm2以上の圧力下で再度
焼成を行うことが好ましい。この再焼成(HIP処理)に
より、前記したとおり、Si−Al−アルカリ(Na,
K)−Oを主成分とする化合物が焼成体中のポアに集ま
り、より一層ポアを低減する作用効果が生じるので、本
発明の好ましい実施態様である。
【0028】即ち、このHIP処理により、焼結体中の
気孔が縮まると同時に軟化した液相がこの気孔中に集中
するようになり、ポアを低減させる作用が生じる。な
お、HIP処理前の焼結体でその中に存在する閉気孔が
大きいと、“Si−Al−アルカリ(Na,K)−Oを主
成分とする化合物”は大きくなり、一方、閉気孔が小さ
いと、この化合物が小さくなる傾向がある。
【0029】
【実施例】次に、本発明の実施例を挙げ、本発明を詳細
に説明する。
【0030】(実施例1)本実施例1では、純度:99
%、平均粒径:0.27μmの酸化チタン原料粉末(但し、S
iO2:0.047wt%,Al2O3:0.017wt%,Na2O:0.007wt
%,K2O:0.001wt%の不純物を含むもの)を使用した。
この酸化チタン原料粉末:1200g、トルエン(溶剤):70
0ml、IPA(溶剤):70ml、ソルビタンモノオレ−
ト(分散剤):12g及びジブチルフタレ−ト(可塑剤):24
gをボ−ルミルで65時間混合した後、これにアクリル系
ポリマ−(重合度:960,濃度:50wt%)を402g投入し、
24時間混合してスラリ−を調製した。
【0031】このスラリ−を300ポイズまで真空脱泡
し、ドクタ−ブレ−ド法により目開き1.5mmでシ−ト
化した。得られたシ−トは、厚さが0.70tmmで亀裂も
なく良好なシ−トであった。このシ−トを450℃で3時
間脱バインダ−し、続いて1150℃で6時間大気中で焼成
した。この焼成体を再度Ar雰囲気中、1000℃で5時
間、1900kg/cm2の圧力下で焼成し、HIP処理した。
【0032】得られた焼成体を鏡面研磨し、走査型電子
顕微鏡でSi−Al−アルカリ(Na,K)−Oを主成分
とする化合物を観察したところ、数〜100μmの大きさ
のものが□1cmの領域で6個あった。また、50倍の光
学顕微鏡観察では、0.1個/mm2とポアは非常に少なか
った。
【0033】本実施例1で得られたHIP処理後の焼成
体面を鏡面研磨し、走査型電子顕微鏡で観察した写真を
図1に示す。図1から明らかなように、Si−Al−ア
ルカリ(Na,K)−Oを主成分とする化合物の存在が確
認できた。また、この化合物は、HIP処理中に焼成体
中のポアに集る傾向があることが認められた。
【0034】(実施例2)純度:99%、平均粒径:0.27
μmの酸化チタン原料粉末(但し、実施例1のような不
純物を含まないもの):12Kg、水(溶剤):8Kg、アクリル
系ポリマ−(バインダ−):720g、ポリエステル(可塑
剤):120g、SiO2粉末:5g、Al2O3粉末:2g、Na2O粉
末:1g及びK2O粉末:0.1gを配合し、ボ−ルミルにて1
5時間混合してスラリ−を調製した。
【0035】このスラリ−をスプレ−ドライヤ−にて乾
燥、造粒した。この顆粒粉末を直径:100mm、高さ:1
00mmの円筒型に詰め、圧力:1.2ton/cm2でCIP成
形した。次に、この成形体を500℃で3時間脱バインダ−
し、続いて大気中にて1170℃で焼成した後、Ar雰囲気
で1025℃の温度、1850Kg/cm2の圧力下でHIP処理し
た。
【0036】得られた焼結体を実施例1と同一条件で鏡
面研磨したところ、Si−Al−アルカリ( Na,K)
−Oを主成分とする化合物は□1cmの領域で9個あっ
た。また、50倍の光学顕微鏡観察では、0.1個/mm2
ポアは少なかった。
【0037】(比較例)不純物として、SiO2:0.3wt
%、Al2O3:1.6wt%、Na2O:0.004wt%及びK2O:0.002w
t%を含む酸化チタン粉末(平均粒径:0.23μm)を12K
g、水を8Kg、アクリル系ポリマ−(バインダ−)720g及
びポリエステル(可塑剤)を120g配合し、ボ−ルミルに
て24時間混合し、スラリ−を調製した。このスラ−を前
記実施例2と同様に造粒、CIP成形及び脱バイ・焼成
を行った。得られた焼結体を実施例1と同一条件で鏡面
研磨したところ、50倍の光学顕微鏡観察では、131個/
mm2とポアは多かった。
【0038】
【発明の効果】本発明は、以上詳記したとおり、酸化チ
タン焼結体中に“構成成分がSi−Al−アルカリ(N
a,K)−Oを主成分とする化合物の集合体”を含有さ
せたものであり、この化合物の集合体を含ませることで
ポアが極めて少ない酸化チタン焼結体を提供することが
できる。
【0039】そして、本発明に係る酸化チタン焼結体
は、ポアが極めて少ないことから、例えば半導体工業に
おける異物(ゴミなど)の付着や吸着を避けたい製品の材
料(例えばSiウエハの洗浄、移動、表面処理等の操作
時に使用される真空チャック、バキュ−ムピンセット、
ハンド等の製品の材料)として、また、ポアの存在自体
を避けたい製品の材料(例えばハ−ドデスク用基板や磁
気ヘッド用基板などの材料、各種工業用ミラ−等の材
料)として好適な酸化チタン焼結体を提供することがで
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例1で得られた酸化チタン焼結体
の表面結晶組織を示す顕微鏡写真。
【手続補正書】
【提出日】平成6年12月26日
【手続補正1】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】全図
【補正方法】変更
【補正内容】
【図1】

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 大きさが0.1〜100μmで、構成成分が
    「Si−Al−アルカリ(Na,K)−O」を主成分とす
    る化合物の集合体が酸化チタン焼結体中に少なくとも1
    個以上存在することを特徴とする酸化チタン焼結体。
  2. 【請求項2】 前記酸化チタン焼結体の鏡面研磨面に、
    50倍の光学顕微鏡観察により計数される黒点が1mm2
    り10個以下存在することを特徴とする請求項1記載の酸
    化チタン焼結体。
  3. 【請求項3】 (1) 平均粒径が1μm以下で純度が97%
    以上の酸化チタン原料粉末と、SiO2:0.01〜0.1重量
    %、Al2O3:0.001〜0.1重量%、アルカリ酸化物(Na20,K
    2O):0.001〜0.1重量%及び溶媒、有機バインダ−、可
    塑剤、分散剤を混合し、スラリ−を調製する工程、(2)
    該スラリ−を用いて成形する工程、(3) 該成形体を大気
    雰囲気中で1100〜1300℃で焼成する工程、を含むことを
    特徴とする酸化チタン焼結体の製造方法。
  4. 【請求項4】 (1) 不純物としてSiO2:0.01〜0.1重量
    %、Al2O3:0.001〜0.1重量%、アルカリ酸化物(Na20,K
    2O):0.001〜0.1重量%含む、平均粒径が1μm以下の酸
    化チタン原料粉末と溶媒、有機バインダ−、可塑剤、分
    散剤を混合し、スラリ−を調製する工程、(2) 該スラリ
    −を用いて成形する工程、(3) 該成形体を大気雰囲気中
    で1100〜1300℃で焼成する工程、を含むことを特徴とす
    る酸化チタン焼結体の製造方法。
  5. 【請求項5】 請求項3又は請求項4に記載の(3)の工
    程で得られた焼成体を、大気雰囲気、不活性雰囲気又は
    還元雰囲気中、800〜1200℃で500Kg/cm2以上の圧力下
    で再焼成することを特徴とする酸化チタン焼結体の製造
    方法。
  6. 【請求項6】 請求項3又は請求項4に記載の(2)の成
    形体に成形する手段として、ドクタ−ブレ−ド法により
    シ−ト状に成形するか又は押出成形、CIP成形するこ
    とを特徴とする請求項3又は請求項4記載の酸化チタン
    焼結体の製造方法。
JP6222539A 1994-08-24 1994-08-24 酸化チタン焼結体及びその製造方法 Withdrawn JPH0859343A (ja)

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