JPH0859340A - 含珪酸カルシウム焼結体及びその製造方法 - Google Patents
含珪酸カルシウム焼結体及びその製造方法Info
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- JPH0859340A JPH0859340A JP6210470A JP21047094A JPH0859340A JP H0859340 A JPH0859340 A JP H0859340A JP 6210470 A JP6210470 A JP 6210470A JP 21047094 A JP21047094 A JP 21047094A JP H0859340 A JPH0859340 A JP H0859340A
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Abstract
ルミノ珪酸塩からなる従来の含珪酸カルシウム焼結体に
シリカを加えることにより、焼結体の抱えていた問題
点、即ち、工業的に量産を行う場合に、焼結温度幅が狭
いため、歩留まりが低く、焼成コストが高くなるという
問題を改良した含珪酸カルシウム焼結体を得るものであ
る。 【構成】 ウォラストナイト、リチウムアルミノ珪酸
塩、シリカを主要構成相とすることを特徴とする。
Description
成冶具、絶縁板、エアスライダーなどに好適な含珪酸カ
ルシウム焼結体およびその製造方法に関するものであ
る。特に曲げ強度等の機械的性質を失うこと無く、より
広い焼結温度幅をもつ含珪酸カルシウム焼結体及びその
製造方法に関するものである。
食性などの面で他材料が持たない優れた特性を有するも
のであるが、被削性、耐熱衝撃性、靱性などに劣るため
用途が限定され、未だ構造部材として利用されるには至
っていない。
しては、マシナブルセラミックスと称される易加工性セ
ラミックスが知られているが、これらの多くは非常にコ
ストが高いものであったり、比較的コストが低いものは
物性が劣るものであったりして、易加工性の特徴を生か
した用途開発が制限されているのが実情である。
水晶、石英、サファイアその他のセラミックス材料など
の小型部材を作るための加工冶具においては、被削性の
悪い材料は加工費をつり上げるため、他の要件を備えて
いても用いることができない。また、マシナブルセラミ
ックスの場合は、加工コストが低減されても余りにも素
材コストが高いため用いることができない。
純形状の場合は、多孔質アルミナ、炭化珪素などでは問
題ないが、小型でかつ複雑な加工を伴う焼成冶具の場合
は、従来のセラミックスではその加工性が問題となる。
またマシナブルセラミックスの場合、用途的にコスト高
で使用することができない。また耐熱衝撃性などにも問
題を有する場合が多い。
が、ネジ切りなどの加工を行う場合、アルミナそのもの
のコストよりも加工コストの方が大きくなり、アルミナ
を使用するメリットが損なわれてしまう。このため一部
マシナブルセラミックスが用いられたりする場合もある
が、やはりコスト高が問題で普及するまでには至ってい
ない。
状の部品の場合は鋳込み成形によりニアネットシェイプ
の焼結体を作り、加工代を必要最小限に抑える方法が採
られているが、やはり被削性の良好な素材の方が加工コ
ストの低減を図ることができる。
工冶具、焼成冶具、絶縁板、エアスライダーなどの用途
には一部を欠き未だ多く使用されていない。こうした欠
点を克服するものとして、先に発明者らは比較的低付加
価値材料である珪酸カルシウム系材料に、特定のリチウ
ムアルミノ珪酸塩を混合焼成することで、被削性に富み
かつ耐熱衝撃性、強度などの機械的性質に優れた含珪酸
カルシウム焼結体の得られることを見いだした(特開平
4−305046)。
工業的に量産を行う場合には、焼結温度幅が狭く、通常
のガス炉、重油炉等を用いた場合、炉内温度分布のため
焼成の歩留まりが低く高コストになるという問題があっ
た。
珪酸カルシウム焼結体の抱えていた上記の問題点、則ち
工業的に量産を行う場合には焼結温度幅が狭いため歩留
まりが低く焼成コストが高くなるという問題を改良した
含珪酸カルシウム焼結体およびその製造方法を提供する
ものである。
ナイト、リチウムアルミノ珪酸塩、シリカを主要構成相
とすることを特徴とする含珪酸カルシウム焼結体(請求
項1)、ウォラストナイト、リチウムアルミノ珪酸塩、
シリカを主要構成相とする含珪酸カルシウム焼結体で、
ウォラストナイトとリチウムアルミノ珪酸塩とシリカの
合量が80wt%以上であることを特徴とする請求項1
に記載の含珪酸カルシウム焼結体(請求項2)、ウォラ
ストナイト、リチウムアルミノ珪酸塩、シリカを主要構
成相とする含珪酸カルシウム焼結体で、ウォラストナイ
トとリチウムアルミノ珪酸塩とシリカの合量に対し、ウ
ォラストナイトが4〜94wt%、リチウムアルミノ珪
酸塩が4〜94wt%、シリカが2〜40wt%である
ことを特徴とする請求項1または2に記載の含珪酸カル
シウム焼結体(請求項3)、トバモライト、ゾノトライ
ト、ウォラストナイトその他の珪酸カルシウム鉱物およ
び珪酸カルシウム水和物の中の一種以上の珪酸カルシウ
ム結晶と、ユークリプタイト、スポジューメン、リチウ
ムオルソクレーズ、ペタライトその他のリチウムアルミ
ノ珪酸塩鉱物およびリチウムアルミノ珪酸塩結晶化ガラ
スの中の一種以上のリチウムアルミノ珪酸塩と、珪石、
珪砂、シリカフラワーその他のシリカ鉱物およびシリカ
原料の中の一種以上のシリカ結晶とを含む原料配合物を
成形し、これを1000〜1300℃で焼成することを
特徴とする含珪酸カルシウム焼結体の製造方法(請求項
4)、原料配合物が、珪酸カルシウム結晶とリチウムア
ルミノ珪酸塩とシリカ結晶の合量に対し、珪酸カルシウ
ム結晶が4〜94wt%、リチウムアルミノ珪酸塩が4
〜94wt%、シリカ結晶が2〜40%の比率で配合さ
れたものであることを特徴とする請求項4に記載の含珪
酸カルシウム焼結体の製造方法(請求項5)である。以
下にこれらの発明をさらに説明する。
チウムアルミノ珪酸塩、シリカを主要構成相とすること
を特徴とする含珪酸カルシウム焼結体であり、ウォラス
トナイト−リチウムアルミノ珪酸塩複合焼結体の持つ長
所を残しながら、限定されたシリカを配合するだけで、
焼結温度幅を改善せんとするものである。
の不純物を含む天然ウォラストナイトや合成のウォラス
トナイトなどを用いることができる。また、各種公知の
方法で製造したものも使用できる。例えば、珪酸質原料
と石灰質原料とに水を加え、これをオ−トクレ−ブ中で
水熱合成反応させて製造される。ここで用いられる珪酸
質原料は、珪石、珪砂、シリカフラワ−、珪藻土などで
あり、石灰質原料は、生石灰、消石灰、セメント等など
公知なものがいずれも使用される。
ナイトの外にゾノトライトのように100%ウォラスト
ナイトに転移する珪酸カルシウム結晶や或いは100%
ウォラストナイトへ転移しない珪酸カルシウム結晶でも
用いることができ、これらの中の少なくとも一種以上が
用いられる。また、ヒレブランダイト、キルコアナイ
ト、アリット、ベリットなどのように、必ずしもウォラ
ストナイトに転移しない珪酸カルシウム鉱物や珪酸カル
シウム水和物が用いられても差し支えない。
若干の不純物を含む天然のα−スポジューメンなどを用
いることが出来るほかに、公知な方法で製造されたもの
がいずれも使用される。例えば、Li2O原料、Al2O
3原料、SiO2原料より原料バッチを作り、これを溶
融、冷却後ガラスフリットとし、次にこのガラスフリッ
トに所定の結晶化処理を施し、目的とするリチウムアル
ミノ珪酸塩を得ることが出来る。
リプタイト、スポジューメン、リチウムオルソクレー
ズ、ペタライトの外、(リチア):(アルミナ):(シ
リカ)の比が1:1:3、1:1:10、1:1:1
2、1:1:15のものの中の一種以上からなるものも
用いられる。
ガラスにおいては、結晶化しないガラスが存在していて
も用いることができる。さらに、ウォラストナイトとリ
チウムアルミノ珪酸塩の反応生成物が存在していても特
徴は損なわれない。例えば、カルシア−シリカ−アルミ
ナの三成分からなるアノーサイト、ゲーレナイトなどの
生成物が存在しても構わない。
珪砂、シリカフラワー等が使用できる。また、珪酸カル
シウム結晶や、リチウムアルミノ珪酸塩の合成において
未反応成分として残ったシリカ、天然のリチウムアルミ
ノ珪酸塩鉱物中に不純物として含まれるシリカ結晶であ
っても構わない。
ジューメンとシリカの混合鉱床からシリカを分離されて
製造されているため、シリカ分離作業に多大なコストが
かかっている。しかし本発明によれば、シリカを分離し
ないままで使用可能であることから、リチウムアルミノ
珪酸塩原料としてより安価なものを使用できるため、焼
結体の製造コスト低減にもつながる。
酸塩、シリカ結晶においては、不純物としてFeO、A
l2O3、MgO、Fe2O3、Na2O、K2O、P2O5、
MnO、CaO、TiO2などの成分を数重量%程度含
んでいても構わない。さらに、アルミナ、ムライトなど
が不純物として含まれていても構わない。
ムアルミノ珪酸塩、シリカ結晶の最大粒径は50μm以
下、平均粒径は20μm以下が望ましい。更に好ましい
平均粒径の範囲は、10μm以下である。最大粒径50
μmを超える場合、あるいは平均粒径が20μmを超え
る場合は緻密化が困難で強度の低下を来すので好ましく
ない。
チウムアルミノ珪酸塩、シリカを主要構成相とし、ウォ
ラストナイトとリチウムアルミノ珪酸塩とシリカの含有
量が少なくても80wt%以上であることを特徴とする
含珪酸カルシウム焼結体である。
%ウォラストナイトへ転移しないものでも良い。転移後
の余剰なシリカ、カルシア或いはそれらの化合物の量が
20wt%未満であれば、換言するとウォラストナイト
結晶とリチウムアルミノ珪酸塩とシリカ結晶の含有量が
少なくとも80wt%以上であれば焼結温度幅が広いと
いう特徴は損なわれない。
ト、ヒレブランダイト、フォシャジャイトのように(カ
ルシア):(シリカ)の比が1:1以外の各種珪酸カル
シウム鉱物や珪酸カルシウム水和物の少なくとも一種以
上を用いることができる。また、ヒレブランダイト、キ
ルコアナイト、アリット、ベリットなどのように、必ず
しもウォラストナイトに転移しない珪酸カルシウム鉱物
や珪酸カルシウム水和物であってもウォラストナイト結
晶とリチウムアルミノ珪酸塩とシリカ結晶の含有量が少
なくとも80wt%以上であればそれらの少なくても一
種以上を用いることができる。
請求項1の発明について述べたものと同様なものが用い
られる。また、Li2O原料、Al2O3原料、SiO2原
料より原料バッチを作り、これを溶融、冷却後ガラスフ
リットとし、次にこのガラスフリットに所定の結晶化処
理を施して得られるリチウムアルミノ珪酸塩系の結晶化
ガラスにおいて結晶化しないガラスが存在していても、
焼結後のウォラストナイト結晶とリチウムアルミノ珪酸
塩とシリカ結晶の含有量が少なくとも80wt%以上で
あれば用いることができる。
珪砂、シリカフラワー等が使用できる。また、珪酸カル
シウム結晶や、リチウムアルミノ珪酸塩の合成において
未反応成分として残ったシリカ、天然のリチウムアルミ
ノ珪酸塩鉱物中に不純物として含まれるシリカ結晶であ
っても構わず、焼結後のウォラストナイト結晶とリチウ
ムアルミノ珪酸塩とシリカ結晶の含有量が少なくとも8
0wt%以上であれば用いることができる。
ルミノ珪酸塩、シリカ結晶の反応生成物が存在していて
も、焼結後のウォラストナイト結晶とリチウムアルミノ
珪酸塩とシリカ結晶の含有量が少なくとも80wt%以
上であれば特徴は損なわれない。例えば、カルシア−シ
リカ−アルミナの三成分からなるアノーサイト、ゲーレ
ナイトなどの生成物が存在しても構わない。
ムアルミノ珪酸塩、シリカ結晶の最大粒径は50μm以
下、平均粒径は20μm以下が好ましい。更に好ましい
平均粒径の範囲は、10μm以下である。最大粒径50
μmを超える場合、あるいは平均粒径が20μmを超え
る場合は緻密化が困難で強度の低下を来すので好ましく
ない。
2の発明において、ウォラストナイトとリチウムアルミ
ノ珪酸塩とシリカの合量に対し、ウォラストナイトが4
〜94wt%、リチウムアルミノ珪酸塩が4〜94wt
%、シリカが2〜40wt%としたものである。
は、焼結温度幅を広げる効果が十分でなく、含有量がこ
れより多い場合は、被削性、耐熱衝撃性、強度などの含
珪酸カルシウム焼結体の持つ本来の特徴が損なわれ好ま
しくない。また、ウォラストナイトが4wt%未満ある
いは94wt%より多い場合、リチウムアルミノ珪酸塩
が4wt%未満あるいは94wt%より多い場合も従来
の被削性、耐熱衝撃性、強度などの含珪酸カルシウム焼
結体の持つ特徴が損なわれたり、焼結体の緻密化が妨げ
られ好ましくない。
カルシウム焼結体を製造する方法である。ここで用いる
原料は、珪酸カルシウム結晶とリチウムアルミノ珪酸塩
とシリカ結晶である。珪酸カルシウム結晶としては、ト
バモライト、ゾノトライト、ウォラストナイト、その他
の珪酸カルシウム鉱物、珪酸カルシウム水和物の中の一
種以上を用いる。
リプタイト、スポジューメン、リチウムオルソクレー
ズ、ペタライトなどのリチウムアルミノ珪酸塩鉱物、リ
チウムアルミノ珪酸塩結晶化ガラス中の一種以上を用い
る。 シリカ結晶としては、珪石、珪砂、シリカフラワ
ーその他のシリカ鉱物およびシリカ原料の中の一種以上
を用いる。
てもよく、各種公知の方法で製造することもできる。例
えば、珪酸質原料と石灰質原料とに水を加え、これをオ
−トクレ−ブ中で水熱合成反応させて製造することもで
きる。珪酸カルシウム結晶を製造するための珪酸質原料
としては珪石、珪砂、シリカフラワ−、珪藻土など、石
灰質原料としては、生石灰、消石灰、セメント等など公
知なものがいずれも使用できる。
ユークリプタイト、スポジューメン、リチウムオルソク
レーズ、ペタライトその他のリチウムアルミノ珪酸塩鉱
物、リチウムアルミノ珪酸塩結晶化ガラスの中の一種以
上を用いる。リチウムアルミノ珪酸塩は、天然のもので
も公知の方法で製造されたものでも使用できる。例え
ば、Li2O原料、Al2O3原料、SiO2原料より原料
バッチを作り、溶融冷却後ガラスフリットを得て、つい
で所定の結晶化処理を施し、目的とするリチウムアルミ
ノ珪酸塩を作ることができる。
珪砂、シリカフラワー等が使用できる。また、珪酸カル
シウム結晶や、リチウムアルミノ珪酸塩の合成において
未反応成分として残ったシリカ、天然のリチウムアルミ
ノ珪酸塩鉱物中に含まれるシリカ結晶であっても構わな
い。
ジューメンとシリカの混合鉱床からシリカを分離されて
製造されているため、シリカ分離作業に多大なコストが
かかっていた。しかし本発明によれば、シリカを分離し
ないままで使用可能であることから、リチウムアルミノ
珪酸塩原料としてより安価なものを使用できるため、焼
結体の製造コスト低減にもつながる。
ムアルミノ珪酸塩、シリカ結晶の最大粒径は50μm以
下、平均粒径は20μm以下が望ましい。更に好ましい
平均粒径の範囲は、10μm以下である。最大粒径50
μmを超える場合、あるいは平均粒径が20μmを超え
る場合は緻密化が困難で強度の低下を来すので好ましく
ない。
ミノ珪酸塩とシリカ結晶の混合および成形には特に制限
はなく、例えば抄造法、湿式プレス法、乾式プレス法な
どの公知の方法が使用できる。これらの公知の方法で作
製された成形体を1000〜1300℃で焼成を行う。
1000℃より低い場合、焼結体の緻密化は十分に起こ
らず、また起こったとしてもかなりの長時間を要し好ま
しくない。また1300℃より高い場合、大量の液相生
成による溶解の進行あるいは大きなボイドの生成が起こ
り好ましくない。上記の焼成温度範囲内に昇温し所定保
持した後、冷却して焼結体を得る。
料配合物が、珪酸カルシウム結晶とリチウムアルミノ珪
酸塩とシリカ結晶の合量に対し、珪酸カルシウム結晶が
4〜94wt%、リチウムアルミノ珪酸塩が4〜94w
t%、シリカ結晶が2〜40wt%の範囲で配合された
ものであり、原料混合物は従来から公知な方法で例えば
抄造法、湿式プレス法、乾式プレス法で成形体にする。
的性質に優れた従来の含珪酸カルシウム焼結体は、珪酸
カルシウム結晶及びリチウムアルミノ珪酸塩からなるも
のであった。この珪酸カルシウム結晶およびリチウムア
ルミノ珪酸塩は、双方の融点が近いものであり、かつ単
体ではほとんど焼結しないものであるが混合することに
より焼結温度が低下し、上記の特徴を持った焼結体とな
っていた。しかし、この含珪酸カルシウム焼結体は、焼
結温度幅が狭いことが工業的な製造の面で問題であっ
た。
体に、珪酸カルシウム結晶及びリチウムアルミノ珪酸塩
結晶より融点の高いシリカを加えることにより、焼成温
度幅が広がるというものである。
が適当である。シリカの含有量がこれより少ない場合に
は、焼結温度幅を広げる効果が十分でなく、含有量がこ
れより多い場合は、被削性、耐熱衝撃性、強度などの含
珪酸カルシウム焼結体の持つ本来の特徴が損なわれ好ま
しくない。また、ウォラストナイトが4wt%未満、リ
チウムアルミノ珪酸塩が4wt%未満の場合も従来の被
削性、耐熱衝撃性、強度などの含珪酸カルシウム焼結体
の持つ特徴が損なわれたり、焼結体の緻密化が妨げられ
好ましくない。
300℃がである。1000℃以下の場合、焼結体の緻
密化は十分に起こらず、また起こったとしてもかなりの
長時間を要し好ましくない。また1300℃より高い場
合、大量の液相生成による溶解の進行あるいは大きなボ
イドの生成が起こり好ましくない。
晶、リチウムアルミノ珪酸塩、シリカ結晶の最大粒径は
50μm以下、平均粒径は20μm以下が好ましい。更
に好ましい平均粒径の範囲は、10μm以下である。最
大粒径50μmを超える場合、あるいは平均粒径が20
μmを超える場合は緻密化が困難で強度の低下を来すの
で好ましくない。以下に実施例をあげてこの発明をさら
に説明する。
て珪石を用い、CaO:SiO2がモル比で1:1にな
るように混合した混合原料100重量部に対し水400
重量部を加え、220℃で水熱合成してゾノトライトス
ラリ−を得た。このゾノトライトスラリーを120℃で
乾燥させゾノトライト結晶の乾燥粉末を得た。このゾノ
トライト粉末はほぼ100%ゾノトライト結晶であっ
た。
うにして得た。重量比にてSiO2:71%、Al
2O3:21%、Li2O:5%、CaO:3%になるよ
う珪砂、アルミナ、炭酸リチウム、炭酸カルシウムを調
合した。この原料バッチを1600℃にて5時間溶融
し、その後冷却してガラスフリットを得た。このガラス
フリットに対し、昇温速度5℃/分にて、750℃で2
時間、850℃で2時間、1250℃で2時間保持して
焼成し結晶化度ほぼ100%のβ−スポジューメン結晶
を得た。また、シリカ原料としては天然の珪砂を用い
た。珪砂は98%が石英であった。
チウムアルミノ珪酸塩4wt%、シリカ結晶25wt%
を秤量し、これにバインダーとして、ポリビニルアルコ
ールを2重量%、分散剤としてポリカルボン酸塩を0.
1重量%、原料固形分100重量部に対して添加し、水
中ボ−ルミルで混合、粉砕した。このものの粒度分布
は、3〜45μmであり、平均粒径は12.5μmであ
った。次いで、これを噴霧乾燥し混合顆粒をつくった。
この顆粒を直径約60mm、厚さ約10mmに成形し、
複数の成形体について5℃/minで昇温し、それぞれ
1000〜1300℃の範囲の個々の温度で1時間保持
して焼結体を得た。
度、耐熱衝撃性、被削性について評価を行い、十分に焼
結し且つ十分な強度、耐熱衝撃性、被削性の得られる焼
成温度を適正焼成温度とした。
−ウォラストナイト、β−スポジューメン、シリカから
なるものであり、焼結体中に占めるβ−ウォラストナイ
ト量、β−スポジューメン量、シリカ量はほぼ原料組成
に一致するものであった。
%、リチウムアルミノ珪酸塩14wt%、シリカ結晶3
0wt%を混合する以外は上記実施例1と同様の実験を
行った。 (実施例3)珪酸カルシウム結晶30wt%、リチウム
アルミノ珪酸塩30wt%、シリカ結晶40wt%を混
合する以外は上記実施例1と同様の実験を行った。 (実施例4)珪酸カルシウム結晶26wt%、リチウム
アルミノ珪酸塩70wt%、シリカ結晶4wt%を混合
する以外は上記実施例1と同様の実験を行った。 (実施例5)珪酸カルシウム結晶4wt%、リチウムア
ルミノ珪酸塩71wt%、シリカ結晶25wt%を混合
する以外は上記実施例1と同様の実験を行った。
リカ以外の不純物を約3wt%含む天然のβ−ウォラス
トナイトを用い、一方、リチウムアルミノ珪酸塩及びシ
リカ結晶としてシリカ以外の不純物を4wt%含む天然
のスポジューメン(グラスグレード品:α−スポジュー
メンのほかに余剰なα−石英を含む)を用い、珪酸カル
シウム結晶90wt%、リチウムアルミノ珪酸塩5wt
%、シリカ結晶5wt%を混合する以外は上記実施例1
と同様の実験を行った。
%、リチウムアルミノ珪酸塩18wt%、シリカ結晶1
0wt%を混合する以外は上記実施例6と同様の実験を
行った。 (実施例8)珪酸カルシウム結晶40wt%、リチウム
アルミノ珪酸塩40wt%、シリカ結晶20wt%を混
合する以外は上記実施例6と同様の実験を行った。 (実施例9)珪酸カルシウム結晶19wt%、リチウム
アルミノ珪酸塩56wt%、シリカ結晶25wt%を混
合する以外は上記実施例6と同様の実験を行った。 (実施例10)珪酸カルシウム結晶4wt%、リチウム
アルミノ珪酸塩61wt%、シリカ結晶35wt%を混
合する以外は上記実施例6と同様の実験を行った。
トバモライトを以下の条件で合成した。石灰質原料とし
て消石灰、珪酸質原料として珪石を用い、CaO:Si
O2がモル比で0.83:1になるように混合した混合
原料100重量部に対し水400重量部を加え、180
℃で水熱合成してトバモライトスラリ−を得た。このゾ
ノトライトスラリーを120℃で乾燥させた後、900
℃で焼成した。このものはβ−ウォラストナイト結晶と
一部トバモライト結晶を含むものであった。一方、リチ
ウムアルミノ珪酸塩を以下のようにして得た。重量比に
てSiO2:71%、Al2O3:21%、Li2O:5
%、CaO:3%になるよう珪砂、 アルミナ、炭酸リ
チウム、炭酸カルシウムを調合した。この原料バッチを
1600℃にて5時間溶融し、その後冷却してガラスフ
リットを得た。このガラスフリットに対し、昇温速度5
℃/分にて、750℃2時間、850℃2時間、115
0℃2時間保持して焼成した。このものは結晶化度が約
80%のβ−スポジューメンであった。また、シリカ結
晶としては天然の珪砂を用いた。以上の珪酸カルシウム
結晶50wt%、リチウムアルミノ珪酸塩30wt%、
シリカ結晶20wt%秤量を混合する以外は上記実施例
1と同様の実験を行った。
シリカ以外の不純物を約3wt%含む天然のβ−ウォラ
ストナイトを用い、一方、リチウムアルミノ珪酸塩を以
下のようにして得た。重量比にてSiO2:45%、A
l2O3:40%、Li2O:10%、TiO2:5%にな
るよう珪砂、アルミナ、炭酸リチウム、チタニアを調合
した。この原料バッチを1600℃にて5時間溶融し、
その後冷却してガラスフリットを得た。このガラスフリ
ットに対し、昇温速度5℃/分にて、750℃2時間、
850℃2時間保持して焼成した。このものは結晶化度
ほぼ100%のβ−ユークリプタイトであった。また、
シリカ結晶としては天然の珪砂を用いた。以上の珪酸カ
ルシウム結晶10wt%、リチウムアルミノ珪酸塩80
wt%、シリカ結晶10wt%を混合する以外は上記実
施例1と同様の実験を行った。
トバモライトを以下の条件で合成した。石灰質原料とし
て消石灰、珪酸質原料として珪石を用い、CaO:Si
O2がモル比で0.83:1になるように混合した混合
原料100重量部に対し水400重量部を加え、180
℃で水熱合成してトバモライトスラリ−を得た。このゾ
ノトライトスラリーを120℃で乾燥させた後、900
℃で焼成した。このものはβ−ウォラストナイト結晶と
一部トバモライト結晶を含むものであった。一方、リチ
ウムアルミノ珪酸塩及びシリカ結晶としてシリカ以外の
不純物を4wt%含む天然のスポジューメン(グラスグ
レード品:α−スポジューメンのほかに余剰なα−石英
を含む)を900℃で1時間焼成したものを用いた。こ
のものは、β−スポジューメンとα−石英を含むもので
あった。以上の珪酸カルシウム結晶80wt%、リチウ
ムアルミノ珪酸塩10wt%、シリカ結晶10wt%を
混合する以外は上記実施例1と同様の実験を行った。
成及び添加量、適正焼成温度の範囲を表1に示す。従
来、重油炉を用いた場合の炉内温度差は100℃程度で
ある。本実施例1〜13では、適正焼成温度の範囲は1
10℃以上あるため、焼成コストの低い重油炉やガス炉
を用いた場合にも、焼成の歩留まりの向上が期待でき
る。
%、リチウムアルミノ珪酸塩5wt%、シリカ結晶1w
t%を混合する以外は上記実施例1と同様の実験を行っ
た。シリカの添加量が少なすぎるため適正焼成温度の範
囲が狭く、焼結はうまくいかない。 (比較例2)珪酸カルシウム結晶80wt%、リチウム
アルミノ珪酸塩20wt%を混合する以外は上記実施例
1と同様の実験を行った。ウォラストナイトとリチウム
アルミノ珪酸塩だけでは適正焼成温度の範囲が狭く、焼
結はうまくいかない。 (比較例3)珪酸カルシウム結晶50wt%、リチウム
アルミノ珪酸塩49wt%、シリカ結晶1wt%を混合
する以外は上記実施例1と同様の実験を行った。シリカ
の添加量が少なすぎるため適正焼成温度の範囲が狭く、
焼結はうまくいかない。 (比較例4)珪酸カルシウム結晶25wt%、リチウム
アルミノ珪酸塩75wt%を混合する以外は上記実施例
1と同様の実験を行った。ウォラストナイトとリチウム
アルミノ珪酸塩だけでは適正焼成温度の範囲が狭く、焼
結はうまくいかない。
%、リチウムアルミノ珪酸塩94wt%、シリカ結晶1
wt%を混合する以外は上記実施例1と同様の実験を行
った。シリカの添加量が少なすぎるため適正焼成温度の
範囲が狭く、焼結はうまくいかない。 (比較例6)珪酸カルシウム結晶10wt%、リチウム
アルミノ珪酸塩40wt%、シリカ結晶50wt%を混
合する以外は上記実施例1と同様の実験を行った。シリ
カの添加量が多すぎるため適正焼成温度の範囲が狭く、
焼結はうまくいかない。 (比較例7)珪酸カルシウム結晶40wt%、リチウム
アルミノ珪酸塩10wt%、シリカ結晶50wt%を混
合する以外は上記実施例1と同様の実験を行った。シリ
カの添加量が多すぎるため適正焼成温度の範囲が狭く、
焼結はうまくいかない。
リカ以外の不純物を約3wt%含む天然のβ−ウォラス
トナイトを用い、一方、リチウムアルミノ珪酸塩及びシ
リカ結晶として不純物を1wt%含む天然のスポジュー
メン(上級品:α−スポジューメン)、さらにシリカ結
晶として天然珪砂を用い、珪酸カルシウム結晶1wt
%、リチウムアルミノ珪酸塩89wt%、シリカ結晶1
0wt%を混合する以外は、実施例1と同様の実験を行
った。リチウムアルミノ珪酸塩が少なすぎて、緻密化
(焼結)しない。 (比較例9)珪酸カルシウム結晶69wt%、リチウム
アルミノ珪酸塩1wt%、シリカ結晶30wt%を混合
する以外は上記比較例8と同様の実験を行った。ウォラ
ストナイト結晶の添加量が少なすぎて、緻密化(焼結)
しない。
及び添加量、適正焼成温度の範囲を表2に示す。従来、
重油炉を用いた場合の炉内温度差は100℃程度であ
る。本比較例1〜9では、適正焼成温度の範囲は70℃
以下と狭いため、焼成コストの低い重油炉やガス炉を用
いた場合には、焼成の歩留まりが悪くなり、工業的には
不向きである。
チウムアルミノ珪酸塩からなる含珪酸カルシウム焼結体
の抱えていた問題点、すなわち焼結温度幅の狭さを大き
く改善するものであり、ガス炉、重油炉等を用いた工業
的な量産を行う場合、従来に比べて焼成の歩留まりが良
くなり、焼成コストの低減が出来るようになった。
Claims (5)
- 【請求項1】 ウォラストナイト、リチウムアルミノ珪
酸塩、シリカを主要構成相とすることを特徴とする含珪
酸カルシウム焼結体。 - 【請求項2】 ウォラストナイト、リチウムアルミノ珪
酸塩、シリカを主要構成相とする含珪酸カルシウム焼結
体で、ウォラストナイトとリチウムアルミノ珪酸塩とシ
リカの合量が80wt%以上であることを特徴とする請
求項1に記載の含珪酸カルシウム焼結体。 - 【請求項3】 ウォラストナイト、リチウムアルミノ珪
酸塩、シリカを主要構成相とする含珪酸カルシウム焼結
体で、ウォラストナイトとリチウムアルミノ珪酸塩とシ
リカの合量に対し、ウォラストナイトが4〜94wt
%、リチウムアルミノ珪酸塩が4〜94wt%、シリカ
が2〜40wt%であることを特徴とする請求項1また
は2に記載の含珪酸カルシウム焼結体。 - 【請求項4】 トバモライト、ゾノトライト、ウォラス
トナイトその他の珪酸カルシウム鉱物および珪酸カルシ
ウム水和物の中の一種以上の珪酸カルシウム結晶と、ユ
ークリプタイト、スポジューメン、リチウムオルソクレ
ーズ、ペタライトその他のリチウムアルミノ珪酸塩鉱物
およびリチウムアルミノ珪酸塩結晶化ガラスの中の一種
以上のリチウムアルミノ珪酸塩と、珪石、珪砂、シリカ
フラワーその他のシリカ鉱物およびシリカ原料の中の一
種以上のシリカ結晶とを含む原料配合物を成形し、これ
を1000〜1300℃で焼成することを特徴とする含
珪酸カルシウム焼結体の製造方法。 - 【請求項5】 原料配合物が、珪酸カルシウム結晶とリ
チウムアルミノ珪酸塩とシリカ結晶の合量に対し、珪酸
カルシウム結晶が4〜94wt%、リチウムアルミノ珪
酸塩が4〜94wt%、シリカ結晶が2〜40%の比率
で配合されたものであることを特徴とする請求項4に記
載の含珪酸カルシウム焼結体の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP6210470A JPH0859340A (ja) | 1994-08-11 | 1994-08-11 | 含珪酸カルシウム焼結体及びその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP6210470A JPH0859340A (ja) | 1994-08-11 | 1994-08-11 | 含珪酸カルシウム焼結体及びその製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0859340A true JPH0859340A (ja) | 1996-03-05 |
Family
ID=16589877
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP6210470A Pending JPH0859340A (ja) | 1994-08-11 | 1994-08-11 | 含珪酸カルシウム焼結体及びその製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0859340A (ja) |
-
1994
- 1994-08-11 JP JP6210470A patent/JPH0859340A/ja active Pending
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