JPH085847B2 - ベンジルオキシベンジルアミン誘導体、その製造法およびその用途 - Google Patents

ベンジルオキシベンジルアミン誘導体、その製造法およびその用途

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JPH085847B2
JPH085847B2 JP7181187A JP7181187A JPH085847B2 JP H085847 B2 JPH085847 B2 JP H085847B2 JP 7181187 A JP7181187 A JP 7181187A JP 7181187 A JP7181187 A JP 7181187A JP H085847 B2 JPH085847 B2 JP H085847B2
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清司 新井
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三井東圧化学株式会社
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【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、一般式(I) 〔式中、R1はハロゲン原子、アルキル基、アルコキシ
基、ハロアルキル基またはニトロ基を示し、mは0〜4
の整数を示し、R2は水素原子、ハロゲン原子またはアル
キル基を示し、R3は水素原子またはアルキル基を示し、
R4はハロゲン原子またはアルキル基を示し、nは0、
1、または2を示し、R5は水素原子またはアルキル基を
示し、R6は基(II−a) (但し、式中R7は水素原子、ハロゲン原子、アルキル基
またはアルコキシ基を示す。)、基(II−b) または基(II−c) を示す。〕 で表わされるベンジルオキシベンジルアミン誘導体また
はその酸付加塩、それらを有効成分として含有すること
を特徴とするヒトまたは動物用抗真菌剤、農業用殺菌剤
および工業用殺菌剤、およびそれらによる真菌によって
起こる疫病または感染症の治療法、植物病害防除法およ
び工業用原料または工業製品の菌類およびかびの防除法
に関するものである。
〔従来技術〕
近年、セファロスポリン誘導体など抗生物質の研究開
発は急速に進んでおり、グラム陽性またはグラム陰性の
病理細菌による感染症に対して有効な薬剤が次々と開発
され使用されている。
一方でこのような広範囲抗生物質あるいは免疫抑制
剤、副腎皮質ホルモンなどヒトの真菌感染に対する抵抗
力を著しく低下させてしまう薬剤の出現により難治療性
の真菌症が増加の一途をたどっている。
例えばAspergillus fumigatus,Sporothrix schencki
i,Cryptococcus neoformans等の真菌によって引き起こ
される深在性真菌症が問題化してきているのに、これら
に有効な薬剤は極めて少ない。
深在性真菌症に用いられる抗真菌剤としてはグリセオ
フルビンを代表とする抗生物質があり内服剤として用い
られる。しかしこのグリセオフルビンにおいても静菌的
に作用するため長い治療期間を要する。しかるに、長期
間にわたって大量投与すると癌原性を示すことがある。
さらにCandidaや他の酵母には効かないなど多くの欠点
を有している。また白癬症など皮膚真菌症においても、
市販の局所外用剤では完全治療に長期間を要しているの
が現状である。
従って安全性の高い、すなわち副作用が少なく、さら
にさまざまの真菌症に対し局所投与、経口投与のいずれ
の方法でも卓越した治療効果を示す抗真菌性薬剤の開発
が強く要望されている。
農業用および工業用殺菌剤に関しても同様の事が言え
る。すなわち、高い殺菌効果を有するものの人畜に対す
る毒性が強い重金属の無機または有機化合物に変わり、
近年多くの非金属系殺菌剤が登場している。しかし、こ
れらの非金属系殺菌剤は効果の不足、残効不足、薬害問
題あるいは耐性菌問題など多くの問題をかかえている。
農業用殺菌剤に関しては、特にきゅうり、トマトなどに
発生する灰色かび病などの難防除病害に対し、実用濃度
で卓越した効果を示し、かつ安全で使いやすい殺菌剤の
開発が望まれている。
灰色かび病に有効な薬剤としては、ベンズイミダゾー
ル系化合物(ベノミル、チオファネートメチルなど)あ
るいはジカルボキシイミド系化合物(プロシミドンな
ど)など数少ない化合物が知られているにすぎない。こ
れらの薬剤についても開発段階ですでに耐性菌の出現が
報告されており、また各系統の薬剤間で交差耐性が認め
られるなど、効果の安定した使いやすい殺菌剤とは言い
難い。従って被害の大きいこの病害に有効な薬剤の開発
に対する要望が極めて強い。
工業用殺菌剤においても、重金属の無機または有機化
合物に代わって非金属系殺菌剤が登場したが、効果が限
られた種類の菌類に限定され、あるいは使用範囲が限ら
れるなど防菌防かび効果が充分でなく、しばしば工業材
料または製品の汚染あるいは劣化変質を防ぎ得ない場合
がある。
例えば、非金属系殺菌剤のうちでは最も優れていると
されているベンズイミダゾール系化合物においては、塗
料、糊料、木竹製品、織物類などに発生してその変質を
ひきおこすアスペルギルス(Asporgillus)、ペニシリ
ウム(Penicillium)、トリコデルマ(Trichoderma)な
どのかびには寒天培地希釈法によれば非常に優れた抗菌
力を示す。しかし、エマルジョン塗料の塗膜面、人工皮
革、クロス壁などに発生するアルタナリヤ(Alternari
a)、ムコール(Mucor)などのかびには抗菌力を示さな
い。また、バクテリア類にはまったく抗菌力を示さな
い。さらに多種多様の実用場面、例えば、塗膜、壁装
材、あるいは木竹製品などの防菌防かびに用いた場合、
実用濃度(100−500ppm)では全く効果を望めないなど
の欠点を有している。従って、実用濃度で卓越した効果
を示し、なおかつ安全で使いやすい工業用殺菌剤の開発
が強く要望されている。
ベンジルアミン誘導体としては一般式(XI) (但し、式中Xは水素原子、クロル原子またはメトキシ
基を示す。)で示される化合物が、ジャーナル オブ
オルガニック ケミストリー(J.Org.Chem.),12,760
(1947)に開示されている。この文献には、各種のアリ
ールメチルアミン誘導体の抗マラリア活生についてスク
リーニングを実施し、検討を加えた結果が報告されてい
るが、一般式(XI)で示される化合物については、全く
活性を認めていない。また抗真菌活性を含め他のいかな
る生理活性についても何ら記載がない。
さらに、ベンジルアミン誘導体としては日本国公開特
許公報(A)昭61−45号と(B)昭61−282348号に記載
がある。例えば、前記公報(A)には次の一般式(XI
I) (式中、R1は水素またはアルキル基、R2はアルキル基、
R3は水素、ハロゲン原子またはアルキル基、R4はアルキ
ル基、シクロアルキル基、ハロゲン化アルキル基または
ハロゲン原子、R5は水素、アルキル基、アルコキシ基、
ハロゲン原子、ニトロ基または水酸基をそれぞれ示し置
換アミノメチル側鎖のナフタレン環への結合位置は1位
または2位である)で表わされるナフチルメチルアミン
誘導体およびその酸付加塩が開示されており、これらの
化合物が抗真菌剤として有用な事が試験管内抗真菌試験
(試験菌は白癬菌属のみ)及び抗白癬治療試験により示
されている。しかし農業用あるいは工業用殺菌剤として
の有用性については何ら記載がない。前記公報(B)に
おいても同様である。
上記従来技術には、窒素原子に結合したベンジル基の
4位に酸素原子を介して置換基を有する化合物としては
一般式(XI)においてXがメトキシ基の化合物のみが開
示されているに過ぎない。しかしこの化合物については
何らの生理活性も報告されていない。その他の類似化合
物の生理活性に関しては、前記公報(A)及び(B)の
みに抗真菌活性について記載されているに過ぎない。し
かし抗真菌試験、治療試験のいずれに関しても試験菌が
白癬菌属に限られ、また治療方法も皮膚表面への局所投
与の例しか示されておらず十分な抗真菌活性とは言えな
い。さらに農業用あるいは工業用殺菌剤用途における有
用性については、いずれの従来技術にもまったく開示さ
れていない。
〔発明が解決しようとする課題〕
本発明は上述したような従来の各薬剤が有する欠点を
克服し、極めて優れた特性を持つ医薬用抗真菌剤、農業
用殺菌剤および工業用殺菌剤およびそれらに有用な化合
物を提供することを課題とする。すなわち、副作用が少
なく安全に使用でき、局所投与、経口投与のいずれの方
法でも卓越した治療効果の得られるヒトまたは動物用抗
真菌剤、植物に対する薬害が生じずかつ低毒性で効果の
確実な農業用殺菌剤および工業材料、製品に発生し汚染
の原因となる多種多様のかび類を完全にしかも長期間に
渡って防除し、かつ安全性の高い工業用殺菌剤を提供す
ることを課題とする。
〔課題を解決するための手段及び作用〕
前記課題を解決するため、多数のベンジルアミン誘導
体を種々検討した結果、ベンジルオキシベンジルアミン
誘導体およびその酸付加塩が、動物寄生性真菌、植物病
原菌をはじめ工業材料、製品などの劣化をまねく多くの
菌類に対して、非常に優れた抗菌力と幅広い抗菌スペク
トラムを有することを見出した。さらに本発明化合物が
局所投与、経口投与のいずれの方法でも真菌症に高い治
療効果を示し、多くの植物病原菌に対しても優れた防除
効果を有することを見出し、本発明を完成させた。
すなわち本発明は、一般式(I) 〔式中、R1はハロゲン原子、アルキル基、アルコキシ
基、ハロアルキル基またはニトロ基を示し、mは0〜4
の整数を示し、R2は水素原子、ハロゲン原子またはアル
キル基を示し、R3は水素原子またはアルキル基を示し、
R4はハロゲン原子またはアルキル基を示し、nは0、1
または2を示し、R5は水素原子またはアルキル基を示
し、R6は基(II−a) (但し、式中、R7は水素原子、ハロゲン原子、アルキル
基またはアルコキシ基を示す。)、基(II−b) または基(II−c) を示す。〕 で表わされるベンジルオキシベンジルアミン誘導体およ
びその酸付加塩; 一般式(III)R5−NH−R6で示される化合物と一般式
(IV) 〔式中、R1、R2、R3、R4、R5、R6、nおよびmはそれぞ
れ前記の意味を示し、Xは反応性残基を示す。〕 で示される化合物を反応させるか、または 一般式(V) で示される化合物と一般式(VI)X−R5 〔式中、R1、R2、R3、R4、R5、R6、n、mおよびXはそ
れぞれ前記の意味を示す。ただし、R5が水素原子である
場合は除く)〕 で示される化合物を反応させるか、または 一般式(VII) で示される化合物と一般式(VIII)X−R6 〔式中、R1、R2、R3、R4、R5、R6、n、mおよびXはそ
れぞれ前記の意味を示す。〕 で示される化合物を反応させるか、または 一般式(IX) で示される化合物と一般式(X) 〔式中、R1、R2、R3、R4、R5、R6、n、mおよびXはそ
れぞれ前記の意味を示す。〕 で示される化合物を反応させることを特徴とする一般式
(I)で表わされるベンジルオキシベンジルアミン誘導
体の製造方法; 一般式(I)で表わされるベンジルオキシベンジルア
ミン誘導体または酸付加塩を有効成分とするヒトまたは
動物用抗真菌剤; 一般式(I)で表わされるベンジルオキシベンジルア
ミン誘導体または酸付加塩を有効成分とする工業用また
は農業用殺菌剤; 一般式(I)で表わされるベンジルオキシベンジルア
ミン誘導体または化学療法上許容される酸付加塩の有効
量を治療を必要とする動物に投与することを特徴とする
真菌によって起こる疫病または感染症の治療法; 一般式(I)で表わされるベンジルオキシベンジルア
ミン誘導体またはその酸付加塩の有効量を植物に施用す
ることを特徴とする植物病害防除法; 一般式(I)で表わされるベンジルオキシベンジルア
ミン誘導体またはその酸付加塩の有効量を工業用原料ま
たは工業製品に含有させるかまたは処理することを特徴
とする菌類およびかびの防除法である。
一般式(I)で表わされる本発明化合物は新規化合物
であり、具体的には一般式(I)において、R1はハロゲ
ン原子、アルキル基、好ましくは炭素数が1ないし5の
低級アルキル基、アルコキシ基、好ましくは炭素数が1
ないし5の低級アルコキシ基、ハロアルキル基、好まし
くは炭素数が1ないし5の低級ハロアルキル基、または
ニトロ基を示し、mは0〜4の整数を示し、R2は水素原
子、ハロゲン原子またはアルキル基、好ましくは炭素数
が1ないし5の低級アルキル基を示し、R3は水素原子ま
たはアルキル基、好ましくは炭素数が1ないし5の低級
アルキル基を示し、R4はハロゲン原子またはアルキル
基、好ましくは炭素数が1ないし5の低級アルキル基を
示し、nは0、1または2を示し、R5は水素原子または
アルキル基、好ましくは炭素数が1ないし5の低級アル
キル基を示し、R7は水素原子、ハロゲン原子、アルキル
基、好ましくは炭素数が1ないし5の低級アルキル基ま
たはアルコキシ基、好ましくは炭素数が1ないし5の低
級アルコキシ基を示す。
本発明化合物(I)は新規化合物であり、以下に述べ
る方法によって製造することができる。
〔式中、R1、R2、R3、R4、R5、R6、mはおよびnはそ
れぞれ前記の意味を示す。Xは反応性残基(例えばハロ
ゲン原子またはベンゼンスルホニル基、トシル基などの
エステル残基)を示す。またルート(b)の場合 はR5
が水素原子である場合を除く。〕 すなわち、ルート(a)では式(III)と式(IV)で
表わされる化合物を、またルート(b)では式(V)と
式(VI)で表わされる化合物を、ルート(c)では式
(VII)と式(VIII)で表わされる化合物を、ルート
(d)では式(IX)と式(X)で表わされる化合物をそ
れぞれ不活性溶媒中、塩基性物質の存在下で反応せしめ
ることにより本発明化合物(I)が得られる。
不活性溶媒としては、一般の不活性溶媒即ち、メタノ
ール、エタノールなどの低級アルコール類(必要に応じ
水との混合物)、ベンゼン、トルエン、キシレンなどの
芳香族炭化水素類、クロロホルム、四塩化炭素、モノク
ロロベンゼン、ジクロロベンゼンなどのハロゲン化炭化
水素類、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブ
チルケトンなどのケトン類、ジエチルエーテル、ジオキ
サン、テトラヒドロフランなどのエーテル類、ジメチル
ホルムアミド、ジメチルスルホキシド、ジメチルイミダ
ゾリジノンなどの非プロトン性極性溶媒等が使用でき
る。また塩基としては、炭酸ナトリウム、炭酸カリウ
ム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム、水酸化ナ
トリウム、水酸化カリウム、水素化ナトリウム、水素化
カリウム、ナトリウムアルコラート、アンモニア等の無
機塩基、トリメチルアミン、トリエチルアミン、ピリジ
ン等の有機塩基などが用いられる。反応温度は0℃から
反応混合物の沸騰温度、好ましくは室温〜60℃の温度範
囲で行われ、反応時間は長くてもよいが通常1〜6時間
あればよい。
かくして得られる本発明化合物は必要に応じて酸付加
塩に通常の方法により変換される。このような塩を形成
しうる酸としては、酢酸、クエン酸、酒石酸、リンゴ
酸、シュウ酸、フマル酸、マレイン酸、コハク酸、ナフ
タレン−1,5−ジスルホン酸、ナフタレン−2,7−ジスル
ホン酸、p−トルエンスルホン酸などの有機酸およびハ
ロゲン化水素酸、硫酸、硝酸、りん酸などの無機酸が挙
げられる。
本発明化合物(I)は、動物寄生性真菌、植物病原菌
を含む幅広い菌類に対して優れた殺菌力を有する。従っ
て広範囲にわたる種々の菌類による人および動物、植
物、工業用材料および製品に対する攻撃を防除するため
に適用できる。
本発明化合物はそのまま遊離塩基の形でも、化学的に
許容される塩の形でも使用することができる。しかし、
通常は、各用途に応じ以下のように調製し、使用され
る。
ヒトまたは動物用抗真菌剤として用いる場合、本発明
化合物は、化学療法的に許容される希釈剤および担体、
さらに要すれば錠剤またはカプセル剤を形成するための
他の賦形剤との混合物として経口投与することもできる
し、また軟膏剤またはクリーム剤のような通常の形態で
局所投与することもできる。これらの製剤は製剤化のた
めの常法に従って一般に調剤され得る。ヒトの成人向け
投与量は、例えば、経口では1日当り100−2000mgであ
ってもよい。
工業用または農業用殺菌剤として用いる場合、本発明
化合物は、通常、担体上に保持した製剤、例えば、油溶
剤、乳剤、ペースト剤、粉剤、水和剤、エアゾール剤等
の形態で使用される。
本発明化合物の製剤に用いられる液体担体としては、
有効成分と反応しない限りいかなる液体でもよく、例え
ば水、アルコール類(メタノール、エタノール、エチレ
ングリコール、プロピレングリコールなど)ケトン類
(アセトン、メチルエチルケトンなど)エーテル類(ジ
オキサン、テトラヒドロフラン、セロソルブなど)、脂
肪族炭化水素類(ケロシン、ガソリンなど)、芳香族炭
化水素類(ベンゼン、トルエン、キシレンなど)、ハロ
ゲン化炭化水素類(クロロホルム、ジクロロエタンな
ど)、酸アミド類(ジメチルホルムアミドなど)、エス
テル類(酢酸エチルエステルなど)、有機塩基類(ピリ
ジンなど)、ニトリル類(アセトニトリルなど)及び、
ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレン
グリコールモノエチルエーテルなどが使用できる。他
に、クレー、タルク、ベントナイト、カオリン、ホワイ
トカーボン等の無機性固体担体、ジメチルエーテル、フ
レオンガス等のガス担体なども使用できる。
必要に応じて製剤効果をより高めるための補助剤とし
てイオン性または非イオン性の界面活性剤、ならびに酢
酸ビニル、メチルセルロース等の高分子化合物等を併用
することができる。また、他の農薬、例えば殺虫剤、殺
ダニ剤、殺菌剤、除草剤、植物成長調整剤、香料、ある
いは他の工業用防菌防黴剤などと併用あるいは混合剤と
して使用することもできる。
〔実施例〕
以下に実施例、製剤例及び試験例により、本発明を更
に詳しく説明するが、これらによって本発明の範囲が何
ら限定されるものではない。
先ず、本発明化合物の代表例をその物性とともに表1
に示す。
次に、実施例を挙げて本発明の製造方法について具体
的に説明する。
実施例1(ルートa) N−メチル−N−(4−ベンジルオキシベンジル)−
1−ナフタレンメチルアミンの製法 N−メチル−1−ナフタレンメチルアミン塩酸塩1.2g
(5.8mmol)を乾燥ジメチルホルムアミド25mlに溶か
し、無水炭酸ナトリウム2.5g(24mmol)を加えた。室温
で攪拌を続けながらp−ベンジルオキシベンジルクロリ
ド1.35g(5.8mmol)を加え室温で5時間反応させた。こ
の反応液に氷水を加えトルエンで抽出を行った。有機層
を水洗した後トルエンを留去し、残分をシリカゲルカラ
ムクロマトグラフィーにより、5%酢酸エチル−n−ヘ
キサンで溶出した。溶出液を濃縮し油状物質1.92g(収
率90%)を得た。
実施例2 N−メチル−N−(4−ベンジルオキシベンジル)−
1−ナフタレンメチルアミン塩酸塩の製法 実施例1で得た化合物1.0gのエタノール溶液に塩化水
素ガスを加えて濃縮し、その残渣をエタノール−エーテ
ルから再結晶し、目的の塩酸塩を0.94g得た。
融点179〜182℃ 元素分析値 C26H26ClNO C H N Cl 計算値(%) 77.31 6.49 3.47 8.78 分析値(%) 7.50 6.41 3.42 8.66 実施例3(ルートb) N−メチル−N−〔(4−メチルベンジルオキシ)ベ
ンジル〕−1−ナフタレンメチルアミンの製法 N−メチル−N−(4−ヒドロキシベンジル)−1−
ナフタレンメチルアミン2.0g(7.2mmol)、α−クロル
−p−キシレン1.01g(7.2mmol)をジメチルホルムアミ
ド50mlに溶解した。室温にて攪拌しつつ水素化ナトリウ
ム(60%品)0.29g(7.3mmol)を添加した。そのまま6
時間攪拌した。反応溶媒を留去し、氷水に排出し、酢酸
エチルで抽出した。硫酸ナトリウムで乾燥後、溶媒を留
去し、得られた結晶をヘキサンでスラッジングし目的物
1.43gを得た。(収率52.1%) 元素分析値 C27H27NO C H N 計算値(%) 85.00 7.14 3.67 分析値(%) 85.11 7.10 3.60 なお、実施例3で用いたN−メチル−N−(4−ヒド
ロキシベンジル)−1−ナフタレンメチルアミンの合成
例として、参考例1を示す。
参考例1 N−メチル−N−(4−ヒドロキシベンジル)−1−
ナフタレンメチルアミンの製法 N−メチル−N−(4−ベンジルオキシベンジル)−
1−ナフタレンメチルアミン3g(8.2mmol)を酢酸50ml
に溶解し、47%臭素酸水溶液7mlを室温にて5分間で滴
下した。1時間室温で攪拌後、100℃で1時間加熱し
た。放冷後、炭酸水素ナトリウムにて中和し、n−ヘキ
サンで洗浄後、酢酸エチルで抽出した。硫酸ナトリウム
で乾燥後、溶媒を留去し、N−メチル−N−(4−ヒド
ロキシベンジル)−1−ナフタレンメチルアミンの粗油
状物2.25gを得た。(収率99%) 元素分析値 C19H19NO C H N 計算値(%) 82.28 6.90 5.05 分析値(%) 82.70 6.82 5.11 実施例4 N−メチル−N−〔(4−メチルベンジルオキシ)ベ
ンジル〕−1−ナフタレンメチルアミン塩酸塩の製法 実施例3で得た化合物1.95gをn−ヘキサン30mlに溶
解し、濃塩酸0.5mlを添加した。得られた結晶を濾過、
乾燥して目的の塩酸塩0.69gを得た。(収率32.3%) 元素分析値 C27H28ClNO C H N Cl 計算値(%) 77.59 6.75 3.35 8.48 分析値(%) 77.62 6.61 3.48 8.45 実施例5(ルートc) N−メチル−N−〔4−(4−クロロベンジルオキ
シ)ベンジル〕−1−ナフタレンメチルアミンの製法 N−メチル−N−〔4−(4−クロロベンジルオキ
シ)〕ベンジルアミン2.1g(8.0mmol)と炭酸ナトリウ
ム1.3g(12mmol)とをジメチルホルムアミド25ml中で攪
拌する。この中に1−クロロメチルナフタレン1.5g(8.
5mmol)を添加し、30℃で6時間反応させた。この反応
液に氷水を加え酢酸エチルで抽出を行った。有機層を水
洗した後、硫酸ナトリウムで乾燥した。溶媒を留去した
残分をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより、5
%酢酸エチル−n−ヘキサンで溶出させ目的物2.7gを得
た。(収率84%) 元素分析値 C26H24ClNO C H N Cl 計算値(%) 77.69 6.02 3.49 8.82 分析値(%) 77.51 5.97 3.55 8.71 実施例6 N−メチル−N−〔4−(4−クロロベンジルオキ
シ)ベンジル〕−1−ナフタレンメチルアミン塩酸塩の
製法 実施例5で得た化合物0.9gを酢酸エチル15mlに溶解
し、濃塩酸0.5mlを添加した。得られた結晶を濾過乾燥
して、目的の塩酸塩0.87gを得た。(収率89%) 実施例7(ルートb) N−メチル−N−〔4−(2,4−ジフルオロベンジル
オキシ)ベンジル〕−1−ナフタレンメチルアミンの製
法 N−〔4−(2,4−ジフルオロベンジルオキシ)ベン
ジル〕−1−ナフタレンメチルアミン1.5g(3.9mmol)
と無水炭酸ナトリウム0.6g(5.7mmol)とをジメチルホ
ルムアミド20ml中に加え攪拌する。この中にメチルアイ
オダイド0.7g(5.0mmol)を添加し室温で6時間反応さ
せた。この反応液に氷水を加えトルエンで抽出を行っ
た。有機層を水洗した後トルエンを留去し、残分をシリ
カゲルカラムクロマトグラフィーにより、5%酢酸エチ
ル−n−ヘキサンで溶出した。溶出液を濃縮し、油状物
質1.23g(収率78%)を得た。
実施例13(ルートd) N−メチル−N−〔4−(4−トリフルオロメチルベ
ンジルオキシ)ベンジル〕−1−ナフタレンメチルアミ
ンの製法 N−メチル−N−(4−ヒドロキシベンジル)−1−
ナフタレンメチルアミン2.0g(7.2mmol)4−トリフル
オロメチルベンジルメチルスルホネート1.83g(7.2mmo
l)をジメチルホルムアミド100mlに溶解した。室温にて
攪拌しつつ水素化ナトリウム(60%品)0.29g(7.3mmo
l)を添加した。そのまま6時間攪拌した。
反応溶媒を留去し、氷水に排出し酢酸エチルで抽出し
た。硫酸ナトリウムで乾燥後、溶媒を留去し、カラムク
ロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル)により目的
物1.40gを得た。
(収率44.7%) 実施例14 N−メチル−N−〔4−(4−トリフルオロメチルベ
ンジルオキシ)ベンジル〕−1−ナフタレンメチルアミ
ン塩酸塩の製法 N−メチル−N−〔4−トリフルオロメチルベンジル
オキシ)ベンジル〕−1−ナフタレンメチルアミン0.77
gを酢酸エチル20mlに溶解し、濃塩酸0.4mlを添加した。
得られた結晶を濾過、乾燥して目的の塩酸塩0.26gを得
た。
(収率30.0%) 元素分析値 C27H25ClF3NO C H N Cl F
計算値(%) 68.71 5.34 2.97 7.51 12.0
8 分析値(%) 67.52 5.37 2.91 7.45 11.1
5 実施例15(ルートd) N−メチル−N−〔(4−メトキシベンジルオキシ)
ベンジル〕−1−ナフタレンメチルアミンの製法 N−メチル−N−(4−ヒドロキシベンジル)−1−
ナフタレンメチルアミン1.05g(3.8mmol)をジメチルホ
ルムアミド50mlに溶解し、30℃にて水素化ナトリウム
(60%品)0.15g(3.8mmol)を添加し、30分間攪拌し
た。次にp−メトキシベンジルクロリド0.59g(3.8mmo
l)を5分間で添加し、そのまま3時間室温で攪拌し
た。反応溶媒を留去し、氷水に排出し、酢酸エチルで抽
出した。硫酸ナトリウムで乾燥後、溶媒を留去し、得ら
れた結晶をヘキサンでスラッジングし、目的物1.17gを
得た。(収率77.7%) 元素分析値 C27H27NO2 C H N 計算値(%) 81.58 6.85 3.52 分析値(%) 81.65 6.72 3.45 実施例16 N−メチル−N−〔(4−メトキシベンジルオキシ)
ベンジル〕−1−ナフタレンメチルアミン塩酸塩の製法 N−メチル−N−〔(4−メトキシベンジルオキシ)
ベンジル〕−1−ナフタレンメチルアミン0.9gを酢酸エ
チル20mlに溶解し、濃塩酸0.5mlを添加した。得られた
結晶を濾過、乾燥して目的の塩酸塩0.5gを得た。(収率
50.9%) 元素分析値 C27H28ClNO2 C H N Cl 計算値(%) 74.73 6.50 3.23 8.17 分析値(%) 74.64 6.43 3.22 8.05 実施例17(ルートd) N−メチル−N−〔4−(α−メチルベンジルオキ
シ)ベンジル〕−1−ナフタレンメチルアミンの製法 N−メチル−N−(4−ヒドロキシベンジル)−ナフ
タレンメチルアミン2.0g(7.2mmol)、1−クロロエチ
ルベンゼン1.01g(7.2mmol)をジメチルホルムアミド10
0に溶解した。室温にて攪拌しつつ、水素化ナトリウム
(60%品)0.29g(7.3mmol)を添加した。そのまま6時
間攪拌した。反応溶媒を留去し、氷水に排出し、酢酸エ
チルで抽出した。硫酸ナトリウムで乾燥後、溶媒を留去
しカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル)
により精製し、目的物2.07gを得た。
(収率75.4%) 実施例18 N−メチル−N−〔4−(α−メチルベンジルオキ
シ)ベンジル〕−1−ナフタレンメチルアミン塩酸塩の
製法 N−メチル−N−〔4−(α−メチルベンジルオキ
シ)ベンジル〕−1−ナフタレンメチルアミン1.83gを
酢酸エチル30mlに溶解し、濃硫酸0.5mlを添加した。得
られた結晶を濾過、乾燥して目的の塩酸塩0.87gを得
た。(収率43.4%) その他の化合物も前記実施例と同様にして得られる。
次に製剤例を挙げて本発明に係る組成物を具体的に説
明する。
製剤例1 本発明化合物1 20部 ノイゲンEA−87 8部 (第一工業製薬(株)製界面活性剤) エマール10(花王(株)製界面活性剤) 2部 水 70部 以上を均一に混合して、懸濁剤を得た。
製剤例2 本発明化合物3 20部 エマール10(花王(株)製界面活性剤) 5部 エマルゲン920( 〃 ) 5部 クレー 70部 以上を粉砕し、かつ均一に混合して、水和剤を得た。
製剤例3 本発明化合物7 40部 ディスクゾールBP−158 7部 (第一工業製薬(株)製界面活性剤) アシート105(花王(株)製界面活性剤) 13部 キシレン 40部 以上を均一に混合して、乳剤を得た。
試験例1 抗菌活性評価試験(1) 寒天希釈により抗菌活性の評価を行った。すなわち本
発明化合物をバレイショ・ブドウ糖寒天培地中に0.8〜1
00ppmの段階的濃度で混入し、よくかきまぜたのちペト
リ皿に流し込んで寒天平板とした寒天が固化した後供試
菌の純培養物を接種し、25℃で7日間培養後評価を行っ
た。接種した菌が生育しない培地中に含まれる供試化合
物の最小濃度を、最小阻止濃度(MIC,ppm)として表2
に示した。供試菌は下記の通りである。
菌名 菌名略号 アスペルギルス ニガー A.n (Aspergillus niger) ペニシリウム シトリナム P.c (Penicillium citrinum) セファロスポリウム C.sp (Cephalosporium sp.) ギベレラ フジクロイ G.f (Gibberella fujikuroi) クライドスポリウム クライドスポロイドス C.c (Cladosporium cladospoloides) ケトミュウム グロボサム C.g (Chaetomium globosum) アルタナリア アルタナータ A.a (Alternaria alternata) なお、比較化合物としては、現在工業用殺菌剤として
用いられる非金属系殺菌剤のうちで最も優れているとさ
れているベンズイミダゾール系化合物の中から、特に効
果の安定している2−(4−チアゾリル)−ベンズイミ
ダゾール(以下TBZと略称する)を用いた。
また公知化合物のうちで本発明化合物と構造がよく類
似している、N−メチル−N−(4−メトキシベンジ
ル)−1−ナフチルメチルアミンを参考化合物として供
試した。
本発明化合物は、工業材料、製品を劣化させ多大な損
失を生じさせる多種多様の菌類に対して強い抗菌活性を
有していることが表2から明らかである。例えば塗料、
皮革、ラテックスエマルジョン、油剤、さらに通信機、
電気装置など広い範囲で問題を生じるアスペルギルス
ニガー(Aspergillus niger)およびペニシリウム シ
トリナム(Penicillium citrinum)に対しても極めて高
い抗菌力を有している。また、比較化合物として用いた
TBZが全く抗菌力を示さないアルタナリア アルタナー
タ(Alternalia alteruata)に対しても高い抗菌力を示
した。
一方参考化合物として供試したベンジル基の4−位に
メトキシ基を有する公知化合物は供試菌類に対しまった
く抗菌力を示さなかった。
試験例2 抗菌活性評価試験(2) ペーパーディスク法により抗菌活性の評価を行った。
あらかじめ麦芽・酵母抽出、寒天培地(pH6.0)の平
板を作り下記供試菌のうち1、3、4の菌は胞子懸濁
液、2の菌は菌体懸濁液(濃度は4×107sporesあるい
はcells/ml)0.2mlを培地平板に入れスプレッダーで広
げる。その上に殺菌したペーパーディスク(直径8mm)
を置き、各供試化合物の種々の濃度のアセトンまたは水
溶液20mlをこのペーパーディスクに注入し、28℃で培養
する。5日後阻止円の大きさを計測し、最小阻止濃度MI
C(ppm)を決定した。結果は表3に示した通りである。
供試菌名 アスペルギリス フューミガタス (Aspergillus fumigatus) HUT 2034 スポロトリックス シエンキー (Sporothrix schenckii) TIMM 0959 クリプトコッカス ネオフォルマンス (Cryptococcus neoformans) TIMM 0354 カンジダ パラプシロシィス (Candida parapsilosis) TIMM 0287 トリコフィトン メンタグロファイテス (Trichophyton mentagrophytes) IFO5929 ミクロスポラム ジプシュウム (Microsporum gypseum) IFO 8231 なお、比較化合物としては、抗真菌剤として現在広く
用いられる市販のカネスチン (クロトリマゾール)を
用いた。
本発明化合物は、人や動物に寄生して真菌症を引き起
こす菌類に対しても強い抗菌力を示すことが表3からも
明らかである。特に皮膚糸状菌であるトリコフィトン
メンタクロフィテス(Trichophyton mentagrophytes)
やミクロスポラム ジプシュウム(Microsporum gypseu
m)に対する抗菌力はクロトリマゾール(Clotrimazol
e)に比べても著しく高い。さらに深在性真菌症を引き
起こすアスペルギルス フューミガタス(Aspergillus
fumigatus)、スポロトリックス シェンキー(Sporoth
rix schenckii)などの多様な真菌類に対しても非常に
高い抗菌力を示すことが明らかである。
さらに、本発明化合物はモルモットの実験的皮膚真菌
症によるin vivo試験でも抗真菌活性を示す。この試験
ではトリコフィトン症感染5日後から2週間にわたって
毎日、本発明化合物を皮膚表面に局所投与(本発明化合
物をポリエチレングリコールに溶解)、または経口投与
した。活性は局所投与で0.01〜5%の濃度で、経口投与
では2〜70mg/Kgの用量のモルモット試験で明らかにさ
れた。
従って本発明化合物はヒトまたは動物用抗真菌剤とし
て用いる場合、局所投与することもできるし経口投与す
ることもできる。ヒトの成人向け投与量は例えば、経口
では1日当り100〜2000mgであってよい。
試験例3 灰色かび病防除試験(キュウリ果実試験) キュウリ果実(市販)を良く洗い、4〜5cmに切り、5
00ppmの薬剤(各供試化合物を前記製剤例2に準じて水
和剤を調製し、水で希釈したもの)に約2〜3分間浸漬
し風乾した。予めPSA培地上にて5〜7日間平板培養し
た灰色かび病菌の菌そう上に風乾したキュウリ果実を立
てる。その後18℃温室状態に4〜5日間保ち、キュウリ
表面の菌そうの生育長を調べ、次式より防除価を算出し
た。結果を第4表に示す。
なお対照薬としては、灰色かび病防除剤として効果が
認められ、一般的に用いられている市販のトップジンM
を用いた。
灰色かび病は一般に防除が困難であり、高い防除効果
を示す薬剤が望まれているが、本発明化合物は灰色かび
病に対してもトップジンMより高い防除効果を示すこと
が表4より明らかである。
試験例4 急性毒性試験 DDY系雄性マウス7週令(体重32〜40g)を試験に供し
た。実施例2及び8の本発明化合物をアセトン、コーン
オイル(1:9)溶液にホモジナイザーを使用して溶解し
た。濃度を調整して5ml/(100g体重)の割合で経口投
与、あるいは2ml/(100g体重)の割合で皮下注射した。
各投与群とも1群10頭とし、投与後7日間観察した。各
化合物を経口投与では5000mg/Kg、皮下注射では2000mg/
Kgまで投与したが、死亡例はなく、また、投与後の一般
症状においても何等変化は認められなかった。
試験例5 皮膚刺激試験 Hartley系雄性モルモット(体重750〜900g)3匹を試
験に供した。実施例1及び7の本発明化合物を少量のプ
ロピレングリコールに溶解後、蒸留水を加え、最終的に
15%プロピレングリコール液中に各化合物が1000,2000,
5000ppmの濃度となるように調整した。
モルモットの背部をバリカン(#40)で刈毛後、各濃
度の薬剤溶液を各々0.2ml塗布し、直ちにパッチテスト
用絆創膏で塗布部を被覆した。24時間後パッチを除去
し、塗布部の反応を観察した後、そのまま放置し、72時
間後の反応を観察した。塗布時の観察はDraizeのスコア
表に従って行った。
塗布後24及び72時間目の観察において、いずれの塗布
部にも紅斑、痂皮形成、浮腫は認められず、また、非塗
布部と異なるいかなる変化も観察されなかった。
試験例4及び試験例5より本発明化合物は極めて安全
性が高く、また、皮膚刺激性も少ないことが明らかであ
る。
〔発明の効果〕
以上の説明から明らかなように本発明に係る一般式
(I)で表わされるベンジルオキシベンジルアミン誘導
体は動物寄生性真菌、植物病原菌さらに工業材料、製品
などの劣化をまねく多くの菌類に対し卓越した抗菌力を
有し、これらの菌類によって引き起こされる多くの障害
を防除するために有効に利用できる。
以上のように医薬用抗真菌剤、農業用殺菌剤及び工業
用殺菌剤の各分野で有効に利用できる本発明化合物は極
めて利用価値が高い薬剤である。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】一般式(I) 〔式中、R1はハロゲン原子、アルキル基、アルコキシ
    基、ハロアルキル基またはニトロ基を示し、mは0〜4
    の整数を示し、R2は水素原子、ハロゲン原子またはアル
    キル基を示し、R3は水素原子またはアルキル基を示し、
    R4はハロゲン原子またはアルキル基を示し、nは0、1
    または2を示し、R5は水素原子またはアルキル基を示
    し、R6は基(II−a) (但し、式中R7は水素原子、ハロゲン原子、アルキル基
    またはアルコキシ基を示す。)、基(II−b) または基(II−c) を示す。〕 で表わされるベンジルオキシベンジルアミン誘導体およ
    びその酸付加塩。
  2. 【請求項2】一般式(I) 〔式中、R1はハロゲン原子、アルキル基、アルコキシ
    基、ハロアルキル基またはニトロ基を示し、mは0〜4
    の整数を示し、R2は水素原子、ハロゲン原子またはアル
    キル基を示し、R3は水素原子またはアルキル基を示し、
    R4はハロゲン原子またはアルキル基を示し、nは0、1
    または2を示し、R5は水素原子またはアルキル基を示
    し、R6は基(II−a) (但し、式中R7は水素原子、ハロゲン原子、アルキル基
    またはアルコキシ基を示す。)、基(II−b) または基(II−c) を示す。〕 で表わされるベンジルオキシベンジルアミン誘導体およ
    びその酸付加塩を有効成分とするヒトまたは動物用抗真
    菌剤。
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