JPH0858087A - インクジェットヘッドの駆動法 - Google Patents

インクジェットヘッドの駆動法

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JPH0858087A
JPH0858087A JP19699294A JP19699294A JPH0858087A JP H0858087 A JPH0858087 A JP H0858087A JP 19699294 A JP19699294 A JP 19699294A JP 19699294 A JP19699294 A JP 19699294A JP H0858087 A JPH0858087 A JP H0858087A
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JP
Japan
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frequency
max
head
natural
driving
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JP19699294A
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English (en)
Inventor
Tomoaki Nakano
智昭 中野
Masanori Hirano
政徳 平野
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Ricoh Co Ltd
Original Assignee
Ricoh Co Ltd
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Publication date
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  • Particle Formation And Scattering Control In Inkjet Printers (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 高速印字のときでも高画質が得られるように
する。 【構成】 圧電素子と振動板で構成されるアクチュエー
タユニットの駆動により液室内のインクをノズルから吐
出して印字するインクジェットヘッド(ヘッド)は、ア
クチュエータユニット、液室構造、インク物性により定
まるヘッドの固有振動数F0を有している。ヘッドの駆
動信号波形または交番波形に含まれる周波数成分中にヘ
ッドの固有振動数F0が含まれると、ヘッドの固有振動
数F0と共振してF0と同一周期の残留圧力波を液室内に
発生させ、図1に示すようにインク滴速度Vjを変化さ
せる。本発明では、ヘッドの駆動信号波形中にヘッドの
固有振動数F0と同一周期の周波数成分が含まれないよ
うにヘッドの最高駆動周波数fmaxを設定し、液室内に
ヘッドの固有振動数F0と同一周期の残留圧力波を生じ
させないようにする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、インクジェットヘッド
の駆動法に関し、より詳細には、圧電素子駆動によりイ
ンク滴を吐出するオンデマン型のインクジェット記録装
置の記録ヘッド駆動法に関する。
【0002】
【従来の技術】インクジェット記録方式は、発熱抵抗体
や圧電素子等のアクチュエータ(インク加圧手段)を用
いて、インク液室内のインクを加圧してノズルよりイン
ク滴として吐出させ、このインク滴により記録紙上に印
写する記録方式である。インクジェット記録方式による
と、記録時の騒音が発生せず、原理的に構造が簡単であ
るから小型・高信頼性・高耐久性とすることができる等
の多くの特徴がある。
【0003】アクチュエータとして圧電素子を用いたオ
ンデマンド型のインクジェットヘッドは、例えば、PZ
T(ジルコン酸チタン酸鉛)等の板状の圧電素子と電極
材料とを交互に積層した積層構造の圧電素子をアクチュ
エータとしたものである。アクチュエータの圧電変位の
変位方向は、圧電素子に印加される電圧が、分極方向で
あるか分極と逆方向であるかに従って定められ、印加電
圧が分極方向と同一である場合は、圧電定数をd33とし
て印加電圧に比例して積層方向に伸びる圧電変位が発生
し、逆方向の場合は、圧電定数をd31として印加電圧に
比例して積層方向と直角方向に伸びる圧電変位が発生す
る。
【0004】図5は、本発明が適用されるインクジェッ
トヘッドの一例を示す斜視図で、図中、1はノズルプレ
ート、2a,2b…はノズル、3は液室部材、4a,4
b…は液室、5は隔壁部材、6a,6b…は振動板領
域、7(7a,7b,…)は圧電素子、8は基台、9は
フレームである。
【0005】積層圧電素子7は、基台8に固着され、画
素単位で駆動される駆動圧電素子7a,7b,…(以
後、圧電素子と記す)に区画されている。基台8に固着
された圧電素子7の外側は、下部面が基台8に固着され
た枠状のフレーム9により取り囲まれている。圧電素子
7a,7b…の自由端面は、フレーム9の上部面に固着
された隔壁部材5の振動板領域(以後、振動板と記す)
6a,6b…に接合されている。
【0006】隔壁部材5の他面には、液室部材3が接合
される。液室部材3には、前記隔壁部材5の振動板6
a,6b…に対応して液室4a,4b,…4f…が、例
えば千鳥列状に配置され、振動板6a,6b…と液室4
a,4b…とが対をなすように接合されている。更に、
液室部材3の上面には、ノズルプレート1が接合され、
ノズルプレート1には液室4a,4b,…4f…に連通
する複数のノズル2a,2b,…2fが設けられてい
る。ノズルプレート1と液室部材3および隔壁部材5と
で液圧ユニット10が構成される。
【0007】次に、上述したインクジェットヘッド(以
後、ヘッドと記す)による印字動作について述べる。ま
ず、印字データに従って、ヘッドの圧電素子7a,7b
…の中から、例えば、駆動される圧電素子7aが選択さ
れ、選択された圧電素子7aにパルス幅およびパルス電
圧が一定なパルス電圧または交番電圧の駆動信号が印加
される。圧電素子7aから発生した圧電変位は、振動板
6aを駆動して圧電素子7aの変位に対応して液室4a
内のインクが加圧され、駆動信号のパルス幅、パルス電
圧に比例した量のインクがノズル2aより噴射され、イ
ンク滴を記録紙上に定着させる。
【0008】ヘッドの圧電素子に印加される駆動信号の
周波数、つまり、ヘッドの駆動信号周波数は、最高駆動
周波数fmaxを基準周波数として印字データに従って分
周された、複数の分周周波数から構成される。従って、
記録速度は、最高駆動周波fmaxの大きさにより制限さ
れる。
【0009】記録速度を高速化するためには、ヘッドの
駆動周波数を高周波駆動することが要求される。ヘッド
の駆動信号周波数を高周波にした時、インク滴の噴射速
度Vj、または、噴射体積Mjに、ヘッドの駆動信号周
波数に依存した変動があると、紙面上に記録されるイン
ク滴によるドットの位置精度が低下したり、ドット径が
変化したりして記録画像の画質を著しく劣化させること
になる。更には、ノズル表面から気泡を巻き込み易くな
り、インク滴の吐出が不能となることがある。
【0010】而して、オンデマンド型のインクジェット
記録装置は、駆動周波数に応じて閾値電圧が変動すると
共に、その駆動信号が複数の周波数成分において異なる
閾値電圧のもとに駆動せしめられており、同一レベルの
駆動信号を印加したにも拘らず、粒径の不均一なインク
滴が噴射せしめられ、特に、濃淡のある画像を、単位面
積当りに打ち込まれるインク滴の数即ちインク滴密度に
より疑似的に表現しようとする場合、均一な粒径のイン
ク滴が得られないと画質劣化を招くことになる。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】上述のごとき問題を解
決するために、特公平3−42185号公報に記載の発
明においては、駆動信号に含まれる複数の周波数成分の
各々に対応する閾値電圧が略等しくなるように、駆動信
号の基となる基準信号の周波数を設置し、同一レベルの
駆動信号であれば周波数が異なっても同一径のインク滴
の噴射を得ることができるようにしている。しかし、閾
値電圧を略等しくするように基準信号の周波数を設定し
たとしても、インク滴の噴射速度は、インク滴吐出後の
液室内の残留圧力波の影響を受ける。この残留圧力波は
環境条件やインク物性により影響を受けるが、上記特公
平3−42185号公報においては、残留圧力波に影響
を与える環境条件やインク物性に対しての考察がなされ
ておらず、インク滴の噴射速度の変動要因であるインク
滴吐出後の残留圧力波に対しては減衰させる効果がな
く、環境条件やインク物性に対するマージンがない。
【0012】本発明は、上述した実情に鑑みてなされた
もので、上記の問題点を解決し、高画像品質で高速印字
を可能とするインクジェットヘッドの駆動法を提供する
ことを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記課題を解
決するために、(1)複数のノズルと、該ノズルの各々
に連通する複数の液室と、該液室を加圧するために各液
室に対して設けられた複数の圧電素子を有するインクジ
ェットヘッドにおいて、該インクジェットヘッドの固有
振動数をF0、最高駆動周波数をfmaxとしたとき、周波
数成分(m/n)fmaxと前記インクジェットヘッドの
固有振動数F0とが一致しないように最高駆動周波数f
maxを設定したこと、或いは、(2)複数のノズルと、
該ノズルの各々に連通する複数の液室と、該液室を加圧
するために各液室に対して設けられた複数の圧電素子と
振動板とからなるアクチュエータユニットを備えたイン
クジェットヘッドにおいて、前記アクチュエータユニッ
トの任意の共振周波数をFa、最高駆動周波数をfmax
したとき、周波数成分(m/n)fmaxと、該アクチュ
エータユニットの任意の共振周波数Faとが一致しない
ように最高駆動周波数fmaxを設定したこと、或いは、
(3)複数のノズルと、該ノズルの各々に連通する複数
の液室と、該液室を加圧するために各液室に対して設け
られた複数の圧電素子と振動板からなるアクチュエータ
ユニットを備えたインクジェットヘッドにおいて、該イ
ンクジェットヘッドの固有振動数をF0、前記アクチュ
エータユニットの固有振動数をFa、最高駆動周波数f
maxとしたとき、周波数成分(m/n)fmaxが(0.9
〜1.1)F0または(0.9〜1.1)Faの範囲に入ら
ないように最高駆動周波数fmaxを設定したこと、或い
は、(4)複数のノズルと、該ノズルの各々に連通する
複数の液室と、該液室を加圧するために各液室に対して
設けられた複数の圧電素子を備えたインクジェットヘッ
ドにおいて、該インクジェットヘッドの最高駆動周波数
をfmax、前記圧電素子の固有振動数Fpとしたとき、前
記インクジェットヘッドの残留圧力波が最高駆動周波数
maxに比べて十分高い前記固有振動数Fpの周波数成分
を含むとき、mfmaxと前記圧電素子の固有振動数Fp
が一致しない最高駆動周波数fmaxを設定したこと、或
いは、(5)複数のノズルと、該ノズルの各々に連通す
る複数の液室と、該液室を加圧するために各液室に対し
て設けられた複数の圧電素子を備えたインクジェットヘ
ッドにおいて、該インクジェットヘッドの最高駆動周波
数をfmax、前記圧電素子の固有振動数をFpとしたと
き、前記インクジェットヘッドの残留圧力波が最高駆動
周波数fmaxに比べ充分高い固有振動数Fpを含むとき、
mfmaxが(0.9〜1.1)Fpの範囲に入らないように
最高駆動周波数fmaxを設定したことを特徴とするもの
である。
【0014】
【作用】圧電素子をアクチュエータとするインクジェッ
トヘッドは、複数の圧電素子と振動板とからなるアクチ
ュエータユニット、液室構造、インク物性により決まる
ヘッドの固有振動数F0を有し、ヘッドの最高駆動周波
数fmaxを基準周波数とするパルス波形または交番波形
の駆動信号で駆動される。駆動信号を、例えば、パルス
信号とした場合、パルス信号の波形は最高駆動周波数f
maxのm次高調波成分の周波数を有し、印字データは最
高駆動周波数fmaxの(1/n,nは自然数)の周波数
を有するので、駆動信号は(m/n)fmaxの周波数数
成分をもっている。ヘッドの固有振動数F0と駆動信号
に含まれる(m/n)fmaxの周波成分とが固有振動数
0で共振すると、液室内の残留圧力波が大きくなりイ
ンク滴速度Vjが変動し、画質を低下させる。本発明で
は、駆動信号の中にヘッドの固有振動数F0が含まない
ようにヘッドの最高駆動周波数fmaxを設定することに
よって、液室内の残留圧力波を低減し、画質を向上させ
る。
【0015】
【実施例】
実施例1(請求項1に対応) 図1は、本発明の実施例に係るインクジェットヘッドの
インク滴の噴射速度Vjの駆動周波数特性の一例を示す
図であり、横軸に、ヘッドの駆動信号周波数f、縦軸
に、インク滴の噴射速度Vjを示している。
【0016】図5に示したヘッドは、固有振動数F0
持っている。ヘッドの固有振動数F0は、圧電素子7
a,7b…と振動板6a,6b…とからなるアクチュエ
ータユニット、液室4a,4b…の構造、インク物性等
によって定められる。図1に示したインク滴噴射速度の
周波特性をみると、駆動信号の周波数fを順次増大さ
せ、周波数fがヘッドの固有振動数F0に近づくと、噴
射速度Vjは一定値から順次高低速に変動し、図示のよ
うなインク滴の噴射速度Vjの駆動信号の周波数特性を
あらわすインク滴の噴射速度Vj曲線が得られる。
【0017】また、駆動信号がヘッドの固有振動数F0
と同一周波数でない場合でも、駆動信号のパルス波形ま
たは交番周波数波形にヘッドの固有振動数F0の周波数
成分が含まれている場合には、インク滴の噴射速度Vj
に変化を与える。これは、駆動信号の波形または交番周
波数に含まれるF0の周波数成分がヘッドの固有振動数
0と共振し、液室3a内にヘッドの固有振動数F0と同
一周期の残留圧力波を引き起こすためである。このよう
に、ヘッドの駆動周波数fが高くなると、前記残留圧力
波とヘッドを駆動する駆動のタイミングが一致したとき
は発生圧力波が重なり合って大きくなり、不一致のとき
は発生圧力波が打消し合って小さくなるので、図1に示
したインク滴の噴射速度Vj曲線のように(1/F0
の周期をもってインク滴の噴射速度Vjを変化させる。
【0018】従って、ヘッドの駆動信号の波形(駆動信
号周波数も含む)が前記ヘッドの固有振動数F0の周波
数成分を含まなければ、残留圧力波は大幅に減衰してイ
ンク滴速度Vjの変動を小さくすることができる。次
に、この原理を実際のインクジェットヘッドに適用させ
た実施例について説明する。
【0019】ヘッドは、印字データに従って、例えば、
圧電素子7a,7b,…に駆動信号としてパルス電圧が
印加される。しかし、パルス電圧のパルス波形中には、
m(mは、自然数1,2,…m)次の高調波成分が含ま
れる。また、ヘッドを駆動する駆動信号の最高駆動周波
数fmaxが定められ、実際のプリンタ印字の場合は、最
高駆動周波数fmaxを、印字データに従ってn(nは自
然数1,2,…n)分周した駆動周波数fnで駆動され
る。
【0020】図2(a)は、ヘッドの最高駆動周波数f
maxを基本周波数としたfmaxのパルス波形のm次の高調
波成分を示す図であり、横軸にfmax、2fmax,…,m
max、縦軸に正規化されたm次高調波の波高値を示
す。
【0021】図2(a)によると、最高駆動周波数f
maxを基本周波数としたパルス波形の波高値を1とする
と、そのm次高調波成分は1/mに減衰する。図2
(b)に示すように、基本周波数をm=2とした(1/
2)fmaxのパルス波形の場合も、m=3以下では図2
(a)と同様の割合で減衰する。
【0022】図2(b)は、ヘッドの最高駆動周波数
(1/2)fmaxを基本周波数(1/2)fmaxとしたと
き、パルス波形の正規化されたm次の高調波成分を示す
図であり、横軸に(1/2)fmax、(1)fmax、(3
/2)fmax、…(m/2)fmaxを、縦軸に正規化され
た(1/2)fmax、(1)fmax、…(m/2)fmax
の波高値を示す。
【0023】図2(c)は、ヘッドの最高周波数fmax
の1/nを基本周波数のパルス波形としたときのパルス
波形に含まれる正規化されたm次の高調波成分を示す図
である。実際のプリンタの場合、駆動周波数fnは印字
データにより定まり、基本周波数をヘッドの最高駆動周
波数fmaxとして、(1/2)fmax、(1/3)
max、…(1/n)fmaxと変化する。従って、(1/
n)fmaxのパルス波形のm次高調波成分は、図2
(c)に示すように、波高値は次数1からmに向けて次
数が大きくなるに従って、次数(1/m)に比例して小
さくなる。
【0024】従って、ヘッドの最高駆動周波数をfmax
とし、m,nを自然数としたとき、駆動波形の中の周波
数成分(m/n)fmaxが、ヘッドの固有振動数F0と一
致させないように最高駆動周波数fmaxを設定すると、
液室4a,4b,…内の残留圧力を減衰させることがで
きるので、インク滴の噴射速度Vjおよびインク滴体積
Mjは駆動周波数により変動することがなく、周波数特
性が向上する。特に、駆動圧電素子の分極方向がd33
アクチュエータではこの効果が大きい。
【0025】実施例2(請求項2に対応) 実施例1においては、アクチュエータユニット、液室構
造、インク物性等により定められるヘッドの固有振動数
0に依存してインク滴速度Vjが変動する場合、駆動
信号の周波数成分(m/n)fmaxがヘッドの固有振動
数F0と一致させないようにfmaxを設定することがイン
ク滴速度Vj、インク滴体積Mjの周波数特性を一定に
する効果があることを述べた。
【0026】しかし、ヘッドの固有振動数F0に対し、
インク滴の噴射速度Vjが圧電素子4a,4b,…と振
動板6a,6b,…とからなるアクチュエータユニット
の任意の固有振動数Faに依存する場合には、ヘッドの
最高駆動周波数fmaxとしたときの駆動信号の周波数成
分(m/n)fmaxとアクチュエータユニットの任意の
固有振動数Faと一致させないように最高駆動周波数f
maxを設定することが有効であり、実施例1と同様の効
果が得られる。
【0027】実施例3(請求項3に対応) 図1のインク滴の噴射速度Vjの駆動周波数特性曲線
(インク滴の噴射速度Vj曲線)に示すように、液室4
内の残留圧波の減衰が速いので、実際のインク滴速度V
jの変動の大きさは、駆動周波数fがヘッドの最高駆動
周波fmaxから遠ざかる程小さくなる。また、m次の高
調波成分は最高駆動周波数fmaxの(1/m)に減衰し
ている。
【0028】実施例3は、上述の実情に鑑みてなされた
もので、すべてのm次高調波成分と(1/n)fmax
印字データに関して、ヘッドの固有振動数F0が含まれ
ないようにするのではなく、実用上は(1〜1/4)f
maxの駆動周波数領域についてm=1からm=3次まで
の高調波成分が(0.9〜1.1)F0の広い範囲に入ら
ないように考慮すればよい。すなわち、(m/n)f
max(1≦n≦4,1≦m≦3)の何れかの周波数が
(0.9〜1.1)F0の範囲に入らないように最高駆動
周波数fmaxを選べばよい。
【0029】請求項3のインクジェットヘッドの駆動法
によると、ヘッドまたはアクチュエータユニットの共振
曲線が鋭いピーク曲線を有するのでなく滑らかなピーク
を有する曲線であるヘッドの場合、実用的に有効であ
る。
【0030】(具体例)1 図3は、図5に示したインクジェットヘッドを交番(正
弦波)駆動した場合の振動板の変位量の周波数特性の一
例を示す図である。図5に示したヘッドの圧電素子7
a,7b…と振動板6a,6b…とからなるアクチュエ
ータユニットの固有振動数Faは、Fa=30KHzであ
るが、図3に示した振動板変位の周波数特性によると、
ヘッドの固有振動数Fa=30KHzのところにピーク
値がある。これに対し、最高駆動周波数fmax=20K
Hzに設定したところ、(3/2)fmax=30KHz
で、アクチュエータユニットの固有振動数Faと一致
し、インク滴速度Vjの変動ΔVjはΔVj=4m/s
であった。ところが、fmax=23KHzに設定したと
ころ、(3/2)fmax=35.5KHzで(3/2)f
max>1.1Fa(=33KHz)となり、インク滴速度
Vj変動は1.5m/s以内に抑制することができた。
【0031】実施例4(請求項4に対応) 圧電素子4a,4b…単独の固有振動数Fpは、通常、
ヘッドの最高駆動周波数fmaxよりも大きくfmax<Fp
である。ヘッドの残留圧力波に圧電素子4a,4b,…
の固有振動数Fpを含む場合においても残留圧力波が大
きくなりインク滴の噴射速度Vj,噴射体積Mjの変動
をもたらす。
【0032】実施例4のインクジェットヘッドの駆動法
においては、ヘッドを最高駆動周波数fmaxで駆動した
とき、最高駆動周波数fmaxの高調波成分mfmaxが圧電
素子の固有振動数Fpを含むことがないように最高駆動
周波数fmaxが定められ、このとき残留圧力波を小さく
することができる。
【0033】実施例5(請求項5に対応) 実施例4インクジェットヘッドの駆動法は、ヘッドの最
高駆動周波数fmaxを、最高駆動周波数fmaxの高調波成
分mfmaxの中に圧電素子の固有振動数Fpを含まないよ
うに選んだヘッドの駆動法であるが、実用的には圧電素
子7の最高駆動周波数fmaxの高調波成分mfmaxが圧電
素子7の固有振動数Fpの所定範囲内に含まないように
最高駆動周波数fmaxを選ぶことが有利である。
【0034】図4は、圧電素子変位量の周波数特性の一
例を説明するための図であり、横軸に駆動周波数(正弦
波)、縦軸に圧電素子変化量をとっている。図示のよう
に、圧電素子7を一定振幅の正弦波で正弦駆動した場
合、ヘッドの固有振動数F0に対して充分大きい周波数
の圧電素子7の固有振動数Fpがある。しかし、固有振
動数Fpに対し(1.9〜1.1)Fpの周波数範囲では、
圧電素子7の変位量は0.9Fp以下の周波数での圧電素
子の変位量と比較して大きい違いはない。
【0035】従って、ヘッドの残留圧力波が最高駆動周
波数fmaxに比べて十分高い圧電素子7の固有振動数Fp
を含む場合、最高駆動周波数fmaxのm次高調波fmax
(0.9〜1.1)Fpの範囲に入らないように最高駆動
周波数fmaxを設定することにより実用的レベルで変化
の小さいインク滴速度Vjおよび噴射体積Mjが得られ
る。
【0036】(具体例)2 図4に示した圧電素子変位量の周波数特性の場合は、圧
電素子7の固有振動数Fpは、例えば、Fp=120KH
zである。この圧電素子7をアクチュエータとして利用
する場合は、最高駆動周波数fmax=20KHzとする
とm=6次の高周波成分は120KHzとなり圧電素子
7の固有振動数Fpと一致してしまう。しかし、最高駆
動周波数fmaxを、fmax=26.5KHzに設定する
と、mfmax=106および132.5KHz(m=4,
5)となり、(0.9〜1.1)Fpの範囲には入らな
い。このときヘッドの残留圧力波の120KHz成分は
大幅に減衰させることができるので、インク滴速度Vj
の変動を抑えることができる。
【0037】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
によると、以下のような効果がある。 (1)請求項1に対応する効果:ヘッドの固有振動数が
インクまたは液室構造の影響を受ける場合(とくに、d
33方向変位を利用するヘッド)、液室内の残留圧力波を
減衰させることができるのでインク滴速度Vj、噴射体
積Mjの周波数特性が向上する。 (2)請求項2に対応する効果:ヘッドの固有振動数が
ヘッドのアクチュエータユニット(圧電素子と振動板)
に依存する場合に有効で、請求項1と同様の効果があ
る。 (3)請求項3に対応する効果:とくにヘッドまたはア
クチュエータユニットの共振の鋭さが滑らかな場合に実
用レベルで有効で、請求項1と同様の効果がある。 (4)請求項4に対応する効果:圧電素子自身の固有振
動数などヘッドの最高駆動周波数fmaxに比べて高い周
波数成分の残留振動が問題になるときに有効で、請求項
1と同様の効果がある。 (5)請求項5に対応する効果:請求項4において、共
振の鋭さが滑らかな場合に実用レベルで有効で、請求項
1と同様の効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係るインクジェットヘッドのインク
滴の噴射速度Vjの駆動周波数特性の一例を示す図であ
る。
【図2】 (a)は、パルス波形(ヘッドの最高周波数
max)を基本周波数fmaxとしたときの正規化されたm
次の高調波成分を示す図である。(b)は、パルス波形
(ヘッドの最高周数(1/2)fmax)を基本周波数
(1/2)fmaxとしたときの正規化されたm次の高調
波成分を示す図である。(c)は、パルス波形(ヘッド
の最高周波数の1/n)を基本周波数(1/n)fmax
としたときの正規化されたm次の高調波成分を示す図で
ある。
【図3】 図5に示したインクジェットヘッドを正弦波
駆動した場合の振動板の変位量の周波数特性の一例を示
す図である。
【図4】 圧電素子変位量の周波数特性の一例を説明す
るための図である。
【図5】 本発明が適用されるインクジェットヘッドの
一例を示す斜視図である。
【符号の説明】
1…ノズルプレート、2a,2b…ノズル、3…液室部
材、4a,4b…液室、5…隔壁部材、6a,6b…振
動板領域、7(7a,7b,…)…圧電素子、8…基
台、9…フレーム。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数のノズルと、該ノズルの各々に連通
    する複数の液室と、該液室を加圧するために各液室に対
    して設けられた複数の圧電素子を有するインクジェット
    ヘッドにおいて、該インクジェットヘッドの固有振動数
    をF0、最高駆動周波数をfmaxとしたとき、周波数成分
    (m/n)fmaxと前記インクジェットヘッドの固有振
    動数F0とが一致しないように最高駆動周波数fmaxを設
    定したことを特徴とするインクジェットヘッドの駆動法
    (ただし、m,nは自然数)。
  2. 【請求項2】 複数のノズルと、該ノズルの各々に連通
    する複数の液室と、該液室を加圧するために各液室に対
    して設けられた複数の圧電素子と振動板とからなるアク
    チュエータユニットを備えたインクジェットヘッドにお
    いて、前記アクチュエータユニットの任意の共振周波数
    をFa、最高駆動周波数をfmaxとしたとき、周波数成分
    (m/n)fmaxと、該アクチュエータユニットの任意
    の共振周波数Faとが一致しないように最高駆動周波数
    maxを設定したことを特徴とするインクジェットヘッ
    ドの駆動法(ただし、m,nは自然数)。
  3. 【請求項3】 複数のノズルと、該ノズルの各々に連通
    する複数の液室と、該液室を加圧するために各液室に対
    して設けられた複数の圧電素子と振動板からなるアクチ
    ュエータユニットを備えたインクジェットヘッドにおい
    て、該インクジェットヘッドの固有振動数をF0、前記
    アクチュエータユニットの固有振動数をFa、最高駆動
    周波数fmaxとしたとき、周波数成分(m/n)fmax
    (0.9〜1.1)F0または(0.9〜1.1)Faの範囲
    に入らないように最高駆動周波数fmaxを設定したこと
    を特徴とするインクジェットヘッドの駆動法(ただし、
    m,nは自然数である)。
  4. 【請求項4】 複数のノズルと、該ノズルの各々に連通
    する複数の液室と、該液室を加圧するために各液室に対
    して設けられた複数の圧電素子を備えたインクジェット
    ヘッドにおいて、該インクジェットヘッドの最高駆動周
    波数をfmax、前記圧電素子の固有振動数Fpとしたと
    き、前記インクジェットヘッドの残留圧力波が最高駆動
    周波数fmaxに比べて十分高い前記固有振動数Fpの周波
    数成分を含むとき、mfmaxと前記圧電素子の固有振動
    数Fpとが一致しない最高駆動周波数fmaxを設定したこ
    とを特徴とするインクジェットヘッドの駆動法(ただ
    し、mは自然数)。
  5. 【請求項5】 複数のノズルと、該ノズルの各々に連通
    する複数の液室と、該液室を加圧するために各液室に対
    して設けられた複数の圧電素子を備えたインクジェット
    ヘッドにおいて、該インクジェットヘッドの最高駆動周
    波数をfmax、前記圧電素子の固有振動数をFpとしたと
    き、前記インクジェットヘッドの残留圧力波が最高駆動
    周波数fmaxに比べ充分高い固有振動数Fpを含むとき、
    mfmaxが(0.9〜1.1)Fpの範囲に入らないように
    最高駆動周波数fmaxを設定したことを特徴とするイン
    クジェットヘッドの駆動法(ただし、mは自然数)。
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