JPH0856852A - フライヤー - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 油槽内の揚げ油を電気ヒータにより油槽底面
の全面から加熱することにより、排気装置等を不要と
し、熱効率の向上と油槽底面の均一加熱を可能とし、さ
らに機体の温度上昇の防止と、サービス性の向上を計
る。 【構成】 油槽１の外側側面に所定の間隔をおいて金属
製カバー８を設置し、その上部を油槽１の上端面に密着
させて密閉した二重容器を形成し、前記所定の間隔部に
断熱材９を設置し、油槽１の底面には複数枚の平面状ヒ
ータを設置し、その下側に所定空間をおいて下面断熱材
１２および着脱自在な下面カバー１１を設置する。 【効果】 ガス燃焼方式のように排気ガスの発生がな
く、給排気ダクト等が不要であり、装置の簡素化が図れ
る。また、熱効率の向上を図ることができる。さらに機
体からの放熱が少なく高熱効率が得られるとともに、サ
ーヒース性の向上が図れる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、電気ヒータによって油
槽内の揚げ油を所定の温度に加熱し、その中でフライや
てんぷら等の揚げ物調理を行なうフライヤーの改良に関
するものである。

【０００２】

【従来の技術】従来のフライヤーに於いて、油槽内の揚
げ油を加熱する方法として油槽の外側底部に複数個のガ
スバーナを配置し、このバーナの火炎で油槽を直に加熱
するものがある。（例えば実開平１−１７２２３号公
報、特開平４−９２６１７号公報）また電気ヒータを使
用するものとして、油槽内にシーズヒータを直接投入し
て揚げ油を加熱するもの（特開平３−２５１２１４号公
報）や、あるいは、油槽の外側下面にシーズヒータを配
設して揚げ物を調理するもの（実開平４−９３０３６号
公報）等が公知である。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】上記従来例に於いて、
ガスを燃焼させて揚げ物を調理する方法は、排気ガスの
処理の問題がある。即ち調理室内に排気ガスを放出した
のでは、作業環境の低下となり、室外排気を行うには大
がかりな排気設備が必要となる。また、ガスを燃焼させ
るためには多量の空気が消費されるため、これを外部か
ら導入する必要があり設備が大型化する。さらにこの燃
焼方式では排気ガスを屋外に放出する際、排気ガスと一
緒に多量の熱量も放出されるため熱効率が低い等の問題
もある。

【０００４】また、油槽内にシーズヒータを直接投げ込
む方式のものは、ガス燃焼方式に比べて熱効率は高い
が、揚げ油がヒータの高温面に直接接触するため、油の
劣化が早くなる欠点がある。このため油の交換を頻繁に
行う必要があり、廃油の処理等地球環境上の問題が生じ
るとともに、コストアップとなる等の問題がある。

【０００５】さらに、油槽の外側下面にシーズヒータを
配設して加熱する方式のものではヒータの加熱冷却の際
の伸縮を考慮すると、ヒータを油槽の下面に固着できな
いため、高い熱効率は得られない。またヒータの構造
上、そのヒータを油槽の下面全面に配設することができ
ず、且つヒータのワット密度も高いため、ヒータの近傍
は高温となるが、ヒータから離れた位置では温度が低い
等の温度むらを生じる等の問題がある。

【０００６】そこで本発明は油槽の揚げ油の加熱用とし
て平面状の電気ヒータ方式を用い、従来のガス或いは電
気ヒータにおける欠点を改良したものである。

【０００７】

【課題を解決するための手段】その具体的手段として本
発明は油槽の外側側面に所定の間隔をおいて金属製カバ
ーを設置し、その上部を油槽の上端面に密着させて密閉
した二重容器を形成し、前記所定間隔部に断熱材を設置
し、油槽の外側底面には複数枚の平面状ヒータを設置
し、その下側には所定の空間をおいて下面断熱材、およ
び着脱自在な下面カバーを配設したものである。

【０００８】

【作用】本発明によれば電気ヒータによって油槽内の揚
げ油を加熱するため、ガス燃焼時のような排気ガスの発
生がなく、給排気ダクト等が不用であり、装置の簡素化
と熱効率の向上を図ることができる。

【０００９】また揚げ油が平面状ヒータの高温面に直接
接触しないため、油の劣化が遅く、これとともに油の交
換頻度が少なくなり、コストダウンを図ることができる
とともに、廃油の処理等地球環境上の問題を少なくする
ことができる。

【００１０】さらに平面状ヒータは油槽の外側底面に直
接取付けられており、その周囲が断熱材で覆われている
ため、機体側面の温度上昇が少なく危険性が少なく、ま
た側面への放熱も少ないため高い熱効率が得られるもの
である。

【００１１】

【実施例】以下本発明の一実施例を図面によって説明す
る。図１は油槽の外側底面の全面に平面状ヒータを取付
けた断面図であり、図２は平面状ヒータの取付状態を下
側から見た図を示す。

【００１２】図１において、１は底面積が広い金属製の
油槽である。この油槽１は外側底面２が略平面に成形さ
れており、この底面２には平面状ヒータ３が複数枚取付
けられ、その全面を覆っている。この平面状ヒータ３の
下側には取付けのためと、補強のために押え板４を取付
けている。この押え板４は大きくなるとその中で温度差
が大きくなり変形等を起こし易くなるため、小形化して
平面状ヒータ３に対して複数枚用い、押え板４の中に於
ける温度差を小さくして変形を少なくするようにしてい
る。

【００１３】平面状ヒータ３および押え板４は共締めに
て油槽１の外側底面２に取付けられる。これらの油槽外
側底面２への取付けは押え板４の中央部を底面２に例え
ばボルトとナットよりなる固定治具５で固定する。

【００１４】またこの押え板４の外周端面近傍はスプリ
ング７を介して摺動治具６により油槽１の外側底面２に
固定されており、平面状ヒータ３および押え板４が熱膨
張で伸びを生じた場合、この部分が上下に摺動出来るよ
うになっている。

【００１５】８は油槽１の外側側面に所定の間隔をおい
て設置された金属カバーであり、その上端面は内側へ折
り曲げられて油槽１の上端面に密着し、密閉構造となっ
ている。金属カバーと油槽１の間には断熱材９が全周充
填されている。平面状ヒータ３が取付けられた下側には
所定の空間１３をおいて下面断熱材１２およびねじ１７
により着脱自在な下面カバー１１が配設されており、空
間部１３の中に遮熱板１０を介在させることにより平面
状ヒータ３からの放射熱を遮り下面方向への放熱が少な
くして下面断熱材１２の厚さを薄く出来るようにしてい
る。尚遮熱板１０は止め金具１８により下面カバー１１
に固定されている。

【００１６】１６は平面状ヒータ３に給電する電源であ
り、１４は油槽内の油温を検知する温度センサーであ
り、１５は平面状ヒータ３への通電を制御する制御装置
である。

【００１７】次に上記構造からなる本発明の作用につい
て説明する。

【００１８】油槽１内に適量の揚げ油を投入し、次に油
槽１の外側底面２に取付けられた平面状ヒータ３に電源
１６を投入する。平面状ヒータ３が発熱すると、この熱
は平面状ヒータ３から上面の油槽１の底面２へ伝導され
る。

【００１９】油槽１の底面２が加熱されると、伝導によ
り油槽１の内側が昇温し内部の揚げ油が加熱される。平
面状ヒータ３への通電が継続して揚げ油の温度が所定の
温度に達すると、これを温度センサー１４が検出し、そ
の信号を制御装置１５へ送り、ここで平面状ヒータ３へ
の通電を停止する。以上の動作により油槽１内の温度は
所定の温度に保持される。

【００２０】次にこの揚げ物調理において、消費される
電力は平面状ヒータ３によって熱に変換され、油槽１内
へ熱伝導により入る。高温の平面状ヒータ３が取付けら
れている油槽１の底面以外は適宜空間をおいてその回り
を断熱材９および下面断熱材１２で覆われているため金
属カバー８や下面カバー１１への放熱は極端に少なくな
る。すなわち平面状ヒータ３で発生した熱の大部分は油
槽１に入るため高い熱効率が得られ、かつ機体の温度上
昇が少ないためやけど等の危険性が少ないものである。

【００２１】また下面カバー１１を着脱自在式にしてい
ることにより平面状ヒータ３の内部部品のサービスを必
要とするときの作業性が向上する。

【００２２】

【発明の効果】以上述べた通り本発明は平面状の電気ヒ
ータによって油槽内の揚げ油を加熱するためガス燃焼時
のような排気ガスの発生がなく、給排気ダクト等が不要
であり装置の簡素化が図れる。また、ガス燃焼に比べ熱
効率の向上を図ることができる。

【００２３】また揚げ油が平面状ヒータの高温面に直接
接触しないため、油の劣化が遅くなり、油の交換頻度が
少なくなってコストダウンを図るとともに、廃油の処理
等地球環境上の問題を少なくすることができる。

【００２４】さらに平面状ヒータが取付けられている油
槽底面以外は断熱材及び適宜空間をおいて下面断熱材で
覆われているため金属カバーや下面カバーへの放熱を極
端に少なくすることができる。すなわち平面状ヒータで
発生した熱の大部分は油槽に入るため高熱効率が得ら
れ、かつ機体の温度上昇が少ないためやけど等の危険性
が少ないものである。

【００２５】さらに下面カバーが着脱自在式になってい
るためサービス性及び作業性がよいものである。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の油槽の外側底面の全面に平面状ヒータ
を装着した断面図である。

【図２】平面状ヒータの取付状態を下側から見た下面図
を示すものである。

【符号の説明】

１ 油槽 ２ 油槽底面 ３ 平面状ヒータ ４ 押え板 ８ 金属カバー ９ 断熱材 １１ 下面カバー １２ 下面断熱材

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 中田 紘 石川県金沢市米泉町５丁目20番地 アサヒ 装設株式会社内 (72)発明者 鈴木 真一郎 石川県金沢市米泉町５丁目20番地 アサヒ 装設株式会社内

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 電気ヒータによって油槽内の揚げ油を所
   定の温度に加熱し、その中でフライやてんぷら等の揚げ
   物調理を行なうフライヤーにおいて、油槽（１）の外側
   側面に所定の間隔をおいて金属製カバー（８）を設置
   し、その上部を油槽（１）の上端面に密着させて密閉し
   た二重容器を形成し、前記所定間隔部に断熱材（９）を
   設置し、油槽（１）の外側底面（２）には複数枚の平面
   状ヒータ（３）を設置し、その下側には所定の空間をお
   いて下面断熱材（１２）、および着脱自在な下面カバー
   （１１）を配設したことを特徴とするフライヤー。