JPH0856228A - Atmセルスイッチ装置及びatm交換機 - Google Patents

Atmセルスイッチ装置及びatm交換機

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JPH0856228A
JPH0856228A JP19034194A JP19034194A JPH0856228A JP H0856228 A JPH0856228 A JP H0856228A JP 19034194 A JP19034194 A JP 19034194A JP 19034194 A JP19034194 A JP 19034194A JP H0856228 A JPH0856228 A JP H0856228A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 セル多重部でのセル多重メモリへの書き込み
に起因する急激な電流変化を回避することができ、電力
供給ラインの基準電圧変動による信号レベルの揺らぎ、
信号線へのノイズ重畳などを低減する。 【構成】 セル多重メモリ254への同時書き込みを抑
制するために、同時書き込み抑制回路252及びこれを
制御する同時書き込み抑制制御回路253を設ける。同
時書き込み抑制制御回路253は、各入力の(書き込
み)データが揃うタイミングをモニタしており、書き込
み要求(ライトパルス)数が時間的に均等になるように
メモリへの書き込みタイミングをずらせる動作を行うも
のである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明はATM(Asynch
ronous Transfer Mode:非同期転
送モード)セルスイッチ装置及びATM交換機に関する
ものである。
【0002】
【従来の技術】近年、ATM通信の実現のために、AT
Mセルスイッチやこれを使用したATM交換機などの開
発が行われている。
【0003】図2は一般的な出力バッファ型ATMセル
スイッチの構成を示すものである。この出力バッファ型
ATMセルスイッチは入力データ、特にATM交換装置
ではセルと呼ばれる固定長パケットを多重化する機能と
セル内にマッピングされている宛先を参照しながら多重
化されたバスから自宛先のセルを分離する機能で構成さ
れている。
【0004】(1)出力バッファ型ATMスイッチのセ
ル多重(MUX)部に関して、図2に示すように出力バ
ッファ型ATMスイッチのセル多重部100の機能は、
入力セルを多重バス(TDバス113)上にセル多重す
ることにある。
【0005】MUX部の基本的な構成は図3に示すよう
に基本的にはセル多重メモリ200に入力方路(入力セ
ル)のセル多重を順次書き込みTDバス上に順次読み出
すことで実現できる。入力セルの多重側も単純に実現で
きる。
【0006】図3の場合、入力方路201−1から20
1−nまでの入力セル情報を順次セル多重メモリ200
に書き込み必要なバス幅変換(必要ならば速度変換)を
加えた後、TDバス210に出力する。
【0007】多重メモリ制御回路220はこの場合、単
純なFIFOメモリ制御回路のように動作する。即ち、
各方路から入力されるセルデータを順にセル多重メモリ
200に書き込み、セル多重メモリから順に読み出すだ
けである。
【0008】セル入力201−1〜201−nは、適当
にパラレル化された信号である。クロックレートは回線
速度をパラレル化の度合いで除算した値になる。例え
ば、155.52Mbps(=STM−1、国際勧告の
伝送レート)の信号を処理する場合、8パラレル化処理
すると信号線1本当たりでは、155.52Mbps/
8=19.44Mbpsの処理速度で済む。
【0009】CMOS系の比較的安価なデバイスで構成
することが可能となるため、このような手法はよく使わ
れる。同様な理由で多重化した後のデータは必要伝送速
度が少なくともセル入力速度のn倍必要であるため、T
Dバスのバス幅はより大きなものとする必要がある。
【0010】現在世の中に供給されているCMOS汎用
プロセスを利用する場合には、40〜160パラレル程
度に展開することが一般的なアプローチである。
【0011】(2)一方、出力バッファ型ATMセルス
イッチのセル多重分離(DMUX)部に関して、出力バ
ッファ部(DMUX部120A、120B)は、TDバ
ス上に多重された個々のセルヘッダ情報150−1〜1
50−3を参照し、自DMUX宛のセルデータであるこ
とを識別した場合、そのセルの内容全てを自DMUXの
バッファメモリ121A、…に書き込む。
【0012】バッファメモリ121は各々の出力線12
5A−1〜125−m、…に対してそれぞれに対応して
用意され、その動作は各出力方路に対するFIFO(F
ast In Fast Out)メモリとして働く。
バッファメモリ部121A、121BでMUX部とは逆
にバス幅変換してセルデータを送出するものであった。
【0013】また、出力バッファ型ATMセルスイッチ
は基本的には1つのセル多重部と複数の出力バッファ部
で構成される。出力バッファ部の必要数量は出力バッフ
ァ部が収容する出力方路数mに依存しn入力、n出力の
スイッチではn/m個必要であった。個々のDMUXは
TDバスの全情報をその機能に引き込むものであった。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述の
従来の技術においては、次のような問題を抱えていた。
【0015】(1a): 出力バッファ型ATMセル
スイッチのセル多重(MUX)部に関し、上述のMUX
部の構成では、セル入力の入力タイミング条件から、フ
レーム中の限定された時間内にメモリへの書き込みが集
中する可能性がある(図4)。そして、多重メモリ制御
回路(図3の201−1〜201−n、図4の301−
1〜301−n)は、セル入力データのパラレルビット
幅(バス幅)変換後のセルデータを受け取り、セル多重
メモリにセルを書き込む。ビット幅変換後のデータをメ
モリに書き込む際、入力のフレーム位相差が小さい場
合、ある特定の時間内にメモリへの書き込みが集中する
こととなる。
【0016】一般的にメモリ機能は書き込み時に多くの
電力を消費し、停止時、又は読み出し時には比較的小さ
な消費電力になるという性質を持つ。
【0017】機能の具体化を考える場合、書き込みの集
中は、その機能の消費電力の瞬時的変動を大きくするこ
とになる。機能(基板上のロジック又は一般的にはLS
I)周辺及び内部の電源が十分に安定しており、急激な
電流の変化を十分吸収できる場合は問題にならない。
【0018】しかしながら、実際の装置設計を考慮する
場合、電源の必要以上の強化はコストを引き上げること
につながるため、あまり得策とは言えない。
【0019】メモリ書き込み集中は、機能内の電源変動
を大きくし、信号レベルの揺らぎや、信号線への電源ノ
イズの重畳などの課題を生み出す。このような現象は装
置性能に大きな悪影響を与えることになっていたので、
このような問題を解決し得るATMセルスイッチ装置の
仕組みの提供が要請されている。
【0020】(1b): また、出力バッファ型AT
Mセルスイッチのセル分離(DMUX)部に関して、出
力バッファ(DMUX)部はその機能に、バッファメモ
リを含む。出力バッファ型ATMセルスイッチのバッフ
ァメモリは大きな容量を要求される。
【0021】装置の諸元にも関わるが1つの出力(出力
方路)に対して64セルバッファ、場合によっては数千
バッファ以上を配備することになる。DMUX機能内に
必要なメモリがLSIを考慮した場合に、LSI内部に
搭載できれば問題はない。大規模メモリをLSI内部に
搭載することが困難である場合、外部に市販のメモリ等
を配備し、バッファメモリを構成することになる。
【0022】当然外部メモリを制御するアドレスデータ
・制御線が新たに必要となる。従って、DMUX機能の
必要な入出力(I/O)数はMUX部(メモリが比較的
に小さいため現状の技術水準でLSI内部搭載が可能)
のI/O数より多くなる。(単純に考えれば、MUXの
方が大きくなるように見えるが、上述の理由でDMUX
の方が大きくなる。) よって、機能のLSI化を考慮する場合、LSIのI/
O数による制限からもLSI化を困難なものとしている
のが現状である。
【0023】これを回避するために、DMUXが扱うT
Dバスを分割する方法が考えられるが。図2の150に
示すように、セル分離に必要なセルヘッダ情報は多重バ
スの数バイト分に亘る広がりを持つため、分割したDM
UXにその一部ずつ入力される可能性が高く、制御困難
なものとしていた。
【0024】このようなことから、出力バッファ型AT
Mセルスイッチ装置のLSI化を容易に行い得る仕組み
の提供が要請されている。
【0025】(2): 一方、パーツ間の接続に関し
て、MUX部とDMUX部の接続(図2の113)を考
慮する場合、上述のようにTDバス幅はかなり広くな
る。MUX−DMUX間の接続で出力ドライバ/入力レ
シーバ部の異常、バスの結線不良が発生した場合、バス
不良箇所の特定が困難であった。
【0026】このため、パーツ間の配線を少なくし、多
重TDバスの正常性を簡単な構成で容易に監視し得る仕
組みの提供が要請されていた。
【0027】(3a): また、MUX部/DMUX
部の構成は、扱うセル入力速度がn回線とも同一のデー
タレートであることを前提にしている。
【0028】即ち、上述の出力バッファ型ATMセルス
イッチは、複数の速度ハイアラーキ(155.52Mb
ps=STM−1、622.08Mbps=STM−4
などの国際勧告で定められた速度ハイアラーキ)を扱え
ないという問題があった。つまり、ATMセルスイッチ
を構成する場合、各種の速度のデータを取り扱えること
が好ましいが、このような選択を行うことができない問
題があった。
【0029】このようなことから、入力転送速度が異な
るセルが入力された場合であっても、セル多重と、セル
多重分離を行って、所定の出力速度で出力し得る仕組み
の提供が要請されている。
【0030】(3b): 更に、MUX−DMUX間
の接続において、基本的にMUX部とDMUX部は同期
して動作する。MUX部がTDバスに出力するデータの
順番は固定されている。
【0031】MUX部は多重バスデータの先頭を示すフ
レーム信号(110、322、372、407、50
7、521、700、702、850、853、91
0、1030、1032、1421、1510、154
1、1610、1641は全て同じ信号である。)に同
期させたデータを出力する。各入力からのデータは決ま
ったタイムスロット上にマッピングされる(図5の40
8)。DMUX部では入力フレーム407を元にセルデ
ータの区切りを判別している。
【0032】ATM交換装置では非同期に交換情報が発
生するため、ある特定方路のバッファメモリにセルデー
タが集中することがある(最大読み出し速度のn倍でセ
ルが到着する。)。バッファメモリには容量的な余裕が
有れば、到着したセルデータは全てバッファメモリに書
き込まれる。
【0033】しかしながら、バッファメモリへのセルデ
ータの集中が続けば当然のことながらバッファメモリ部
に書き込むことができずに廃棄されるデータが発生す
る。図6にその構成を示している。この図6の動作タイ
ミングチャートを図7に示している。
【0034】DMUX部でのバッファメモリへのセルデ
ータの書き込み、バッファメモリからのセルデータの読
み出しを考慮する場合、(DMUX部の構造に起因する
要因で)バッファメモリの読み出し直後に当たるタイム
スロットデータ527だけがバッファに書き込まれ易く
なる。
【0035】つまり、DMUXの作り方に大きく依存す
る。ここでは説明のためにこのように設定しているが、
ハードウエアの作り方によっては、書き込まれ易くなる
タイムスロットは変わる。しかしながら、ある決まった
タイムスロットが書き込まれ易くなるという現象は変わ
らない。
【0036】例えば、n×n規模の出力バッファ型AT
Mセルスイッチを考えた場合、DMUXが1セル分の情
報をバッファメモリから読み出す間に、最大nセル分の
セル到着を受けるチャンスがある。
【0037】バッファメモリの容量が一杯まで使用され
ている場合、n個の入力セルデータ中、ある特定のタイ
ムスロット上にマッピングされているセルデータだけ
(1セル読み出されたことによる)一つ分空いたバッフ
ァメモリ(529のタイミング)に書き込むことが可能
である。
【0038】残りのn−1個のタイムスロット上にマッ
ピングされた入力セルデータは廃棄される。例えば、出
力バッファ部の読み出し処理が、タイムスロット上のセ
ル1が読み出されているとき(526のタイミング)に
あるとするならば、セルスロット2(527のタイミン
グ)のセルデータはバッファが一つ空いているため書き
込まれるが、セル3以降、次のセル1まではバッファに
空きがないと判断され廃棄される。
【0039】これは複数個接続されたDMUXに関して
共通の問題である。全てのDMUXはMUXが生成する
一つのフレーム524に同期するため、全てのDMUX
で同一のタイムスロットが書き込まれ易くなる。従来の
MUXは入力方路順に多重していくためこの場合では、
セル2の入力502の優先度が高く見えてしまう。
【0040】通信の平等性を考慮する場合、これは大き
な問題となっていた。ATMスイッチの各入力線のプラ
イオリティを均等にするために、上述のような問題を解
決する必要があった。
【0041】つまり、特定のセル入力回線のセルスイッ
チング出力に偏ることなく、通信のの平等性を保証し得
る仕組みの提供が要請されていた。
【0042】(3c): また、図8に示すようにA
TM交換機には、ATMスイッチが搭載されることは当
然であるが、ATM交換機にはそれ以外の機能も搭載す
る。例えば、受信ラインカードLC601や、送信ライ
ンカードLC602などを備える。
【0043】そこで、ATM交換機の主情報系を例にと
る場合、(主情報603:交換機がスイッチングするユ
ーザ情報=セルデータ、制御情報:交換機内部で主情報
のスイッチング又は保守のために用いる情報)、主情報
のスイッチング自身、又はATMスイッチを介して受信
ラインカードLC601と送信ラインカードLC602
間に、セル単位に交換セルに関する付随情報(装置内情
報604)を伝送したいという要求がある。
【0044】この要求を満たすために、図9に示すよう
にセルデータの縦方向に付随情報を追加することが考え
られる。
【0045】しかしながら、縦方向へ情報を追加する場
合、1フレーム期間T中に処理するワード数が増加す
る。これは、CCITT勧告で1セル長は53オクテッ
トとされているが、これが54オクテット以上にされて
処理されることを意味するものである。
【0046】一つのセルのフレーム間隔は一定であるた
め、ワード数の増加はこれを全て処理する必要があるA
TMセルスイッチの動作速度を引き上げる結果となる。
入出力部(ラインカードLC部)の動作速度とATMセ
ルスイッチ内部の動作速度を異なるものとする場合、ク
ロック速度変換器、クロック供給源、新たな速度変換バ
ッファが必要となるため、ハードウエア量を大きくさせ
ることになる。
【0047】また、追加するワード数の制限も大きく、
任意の値のワード追加が困難となっていた。
【0048】このため、装置(ATM交換機)内情報を
もっと簡単な方法でATM交換機内の入力側から出力側
に伝送し得る仕組みの提供が要請されていた。
【0049】以上のような従来技術の種々の問題からし
て、従来に比べ簡単な構成で機能性が高く、しかも信頼
性の高いATMセルスイッチ装置やATM交換機の仕組
みの提供が要請されていた。
【0050】
【課題を解決するための手段】
(1)そこで、第1の発明は、入力セルをセル多重メモ
リに格納するセル多重部を備え、このセル多重部でセル
多重化し、スイッチングしながらセル出力するATMセ
ルスイッチ装置において、入力セルのセル多重メモリへ
の同時書き込みを抑制する同時書き込み抑制手段を備え
ることで上述の課題(1a)を解決するものである。
【0051】(2a)また、第2の発明は、入力セルを
セル多重化し多重バスへ出力するセル多重部と、セル多
重部の多重バス出力のセルを一時的に保持制御しセル多
重分離出力する出力バッファ部とを備えたATMセルス
イッチ装置において、次のような構成を採るものであ
る。
【0052】即ち、上記多重バスを複数に分割し、分割
された一つの多重バスからマスタ用の出力バッファ部に
セルを与え、分割された残りの多重バスからスレーブ用
の出力バッファ部にセルを与える。
【0053】更に、マスタ用出力バッファ部はセル多重
分離に必要なセルヘッダ情報全てを取り込み、セル多重
分離出力し、スレーブ用出力バッファ部はマスタ用出力
バッファ部からの制御信号によってセル多重分離の制御
を受け、セル多重分離しマスタ用出力バッファ部にセル
を与えることで、上述の課題(1b)を解決するもので
ある。
【0054】(2b)更に、第3の発明は、上述の(2
a)の、入力セルをセル多重化し多重バスへ出力するセ
ル多重部と、セル多重部の多重バス出力のセルを一時的
に保持制御しセル多重分離出力する出力バッファ部とを
備えたATMセルスイッチ装置において、以下の構成を
採ることも好ましい。
【0055】即ち、上記多重バスを複数に分割し、分割
された一つの多重バスからマスタ用の出力バッファ部に
セルを与え、分割された残りの多重バスからスレーブ用
の出力バッファ部にセルを与える。
【0056】更に、マスタ用出力バッファ部はセル多重
分離に必要なセルヘッダ情報全てを取り込み、セル多重
分離出力し、スレーブ用出力バッファ部はセル多重分離
に必要なセルヘッダ情報全てを取り込み、セル多重分離
出力することで、上述の課題(1b)を解決するもので
ある。
【0057】(3)また、第4の発明は、入力セルをセ
ル多重化し多重バスへ出力するセル多重部と、セル多重
部の多重バス出力のセルを一時的に保持制御しセル多重
分離出力する出力バッファ部とを備えたATMセルスイ
ッチにおいて、以下のような構成を採る。
【0058】即ち、所定の監視用データを出力するデー
タ出力手段と、この所定の監視用データをセル多重化出
力の中のセルデータがマッピングされていない部分に挿
入して多重バスに出力する挿入手段とを備える。更に、
多重バスから挿入されている所定の監視用データを検出
し、データが正常か否かを判断する判断手段を上記出力
バッファ部に備えて、上述の課題(2)を解決するもの
である。
【0059】(4)更に、第5の発明は、上述の(2
a)の構成のATMセルスイッチ装置において、以下の
ような構成を採ることで、上述の課題(2)を解決する
ものである。
【0060】即ち、セル多重部の出力セルのヘッダ情報
を並び変えて、マスタ用の出力バッファ部に与え得る多
重バスに出力する多重順序並び変え手段を備え、上記マ
スタ用の出力バッファ部に、多重バスからのセルヘッダ
情報を検出してこのヘッダ情報の宛先に従って自出力バ
ッファ部又はスレーブ用の出力バッファ部のセル多重分
離を制御する制御手段を備えるものである。
【0061】(5)更にまた、第6の発明は、入力セル
をセル多重化し多重バスへ出力するセル多重部と、セル
多重部の多重バス出力のセルを一時的に保持制御しセル
多重分離出力する出力バッファ部とを備えたATMセル
スイッチ装置において、以下のような構成を採ること
で、上述の課題(3a)を解決するものである。
【0062】即ち、入力セルの転送速度を所定の速度に
変換してセル多重部に与える第1の速度変換手段と、セ
ル多重分離出力のセルの速度を所定の出力速度に戻す第
2の速度変換手段とを備えるものである。
【0063】(6)また、第7の発明は、入力セルをセ
ル多重メモリに格納するセル多重部を備え、このセル多
重部でセル多重化し、スイッチングしながらセル出力す
るATMセルスイッチ装置において、以下のような構成
を採ることで、上述の課題(3b)を解決するものであ
る。
【0064】即ち、セル多重部のセル多重出力順序をあ
る周期毎、又は入力セルのグループごとのセル多重出力
順序をある周期毎に変更する出力順序変更手段を備える
ものである。
【0065】(7)更に、第8の発明は、上述の(1)
〜(6)の構成のATMセルスイッチ装置を備えたAT
M交換機であって、ATMセルスイッチ装置の入力セル
ラインにはセル受信手段を備え、更にATMセルスイッ
チ装置の出力ラインにはセル送信手段を備える。
【0066】更に、セル受信手段は、受信セルをATM
セルスイッチ装置に与えると共に受信セルに関する情報
を並行してATMセルスイッチ装置に与え、ATMセル
スイッチ装置は、受信セルと受信セルに関する情報とを
スイッチングして上記セル送信手段に与え、上記セル送
信手段は、ATMセルスイッチ装置からの受信セルに関
する情報に基づき出力セルを送信することで、上述の課
題(3c)を解決するものである。
【0067】尚、上述の『受信セルに関する情報』と
は、例えば、受信セルをATM交換機内で、どのように
処理させて、この交換機の品質又は性能などを確保する
かを規定するための情報である。更に具体的には、例え
ば、受信セルに対する処理遅延時間の規定情報や、受信
セルのセル廃棄率などを規定する情報などを挙げること
ができる。
【0068】
【作用】上述の(1)の発明の構成によれば、セル多重
部でのセル多重メモリへの書き込みに起因する急激な電
流変化を回避することができ、電力供給ラインの基準電
圧変動による信号レベルの揺らぎ、信号線へのノイズ重
畳などを低減することができる。
【0069】しかも、電力供給の回路を簡単な仕組みの
構成で実現し得ることが期待できる。
【0070】上述の(2a)の発明の構成によれば、機
能実現のときに入出力(I/O)数制限によるLSI化
の困難を回避することができる。しかも、マスタ用出力
バッファ部だけにセル交換に必要な出力バッファ制御機
能を配備すれば良いため、スレーブ用出力バッファ部の
構成を非常に簡単にすることができる。更にまた、多重
バスのバス幅(ビット数)に合わせて必要なスレーブ用
出力バッファ部の数を設定できるため、ATMセルスイ
ッチ装置の構成上の自由度を向上を図ることができる。
【0071】また、上述の(2b)の発明の構成によれ
ば、機能実現のときに入出力(I/O)数制限によるL
SI化の困難を回避することができる。しかも、出力バ
ッファ部がそれぞれ独立して動作可能であるため出力バ
ッファ部間の情報伝達ルートを構成する必要がない。ま
た、多重バスのバス幅(ビット数)に合わせて必要なス
レーブ用出力バッファ部の数を設定できるため、ATM
セルスイッチ装置の構成上の自由度を向上を図ることが
できる。
【0072】更に、上述の(3)の構成の発明によれ
ば、多重バスのデータ伝送の正常性を常時監視すること
ができる。更に、正常でない多重バスの解析を容易に行
うことができ、障害時の原因究明を容易に行うことがで
きる。
【0073】尚、上述の監視用データとしては、疑似ラ
ンダムデータや、固定データなどが好ましいと考えられ
る。
【0074】更にまた、上述の(4)の構成の第5の発
明によれば、マスタ用の出力バッファ部は多重バスから
セルヘッダ情報の取り込みに要する配線数を軽減するこ
とができる。また、マスタ用の出力バッファ部にだけ、
セル交換に必要な出力バッファ機能を配備すれば良いた
め、スレーブ用の出力バッファ部は非常に簡単な構成で
実現することができる。
【0075】また、上述の(5)の構成の第6の発明に
よれば、セル多重部の入力において複数の速度ハイアラ
ーキを扱うことができ、また、所定の速度で再び出力す
ることができる。
【0076】更に、上述の(6)の構成の第7の発明に
よれば、先ず第1にセル読みだし順序をある周期(例え
ば、フレーム周期)毎に変更することで、ある特定のタ
イムスロット上にマッピングされているセルデータは、
ある周期毎に異なり、特定のセル入力回線のスイッチン
グが処理される可能性が低くなり、この結果として通信
平等性を改善することができるものと考えられる。
【0077】また、第2に入力セルのグループごとにあ
る周期(例えば、フレーム周期)毎に読みだし順序を変
更することで、グループ内のセル順序の逆転を引き起こ
すことなくグループ毎の読みだし順序を変更できるの
で、特定のセル入力回線のスイッチングが処理される可
能性が低くなり、この結果として通信平等性を改善する
ことができるものと考えられる。
【0078】更にまた、上述の(7)の構成の第8の発
明によれば、受信セルの交換機内の転送と、受信セルに
関する情報の転送とを並行して行うので、従来に比べ交
換機内で同じ動作速度で処理が可能となり、制御が容易
になる。また、従来のように速度変換しないので構成も
簡単になると考えられる。
【0079】
【実施例】次にこの発明の好適な実施例を図面を用いて
説明する。
【0080】『構成(1)』: 『メモリへの同時書
き込み抑制』に関して、各パーツに関し、図1はこの一
実施例のセル多重部の機能構成図である。この図1にお
いてATMセルスイッチは、回線処理部250−1〜2
50−nと、回線速度設定回路251と、同時書き込み
抑制回路252と、同時書き込み抑制制御回路253
と、セル多重メモリ254と、出力順序制御回路255
と、多重順序変換回路256と、疑似ランダムパターン
発生回路257と、セレクタ258とから構成されてい
る。
【0081】この図1において、特徴的なことはセル多
重メモリ254への同時書き込みを抑制するために、同
時書き込み抑制回路252及びこれを制御する同時書き
込み抑制制御回路253を設けるものである。
【0082】『動作説明』: (1a): 上述の
(1)の構成の『メモリへの同時書き込み抑制』に関し
て、図13の詳細な同時書き込み抑制回路の機能構成図
を用いて説明する。
【0083】この図13において、ATMセルスイッチ
は、主にバス幅変換回路351−1〜351−nと、同
時書き込み抑制回路352と、同時書き込み抑制制御回
路353と、セル多重メモリ360と、多重メモリ制御
回路365とから構成されている。
【0084】また、セル多重メモリ360は、メモリ3
61−1〜361−nと、出力選択回路364とから構
成されている。更に、同時書き込み抑制回路352は、
分配回路392と、シフトレジスタ393とから構成さ
れている。
【0085】この図13において、同時書き込み抑制回
路352及び同時書き込み抑制制御回路353は、図1
の同時書き込み抑制回路252及び同時書き込み抑制制
御回路253に相当するものである。
【0086】尚、図1では全ての構成を総和的に書き表
したが、図13ではこの実施例の動作をより具体的に表
し得るように、必要最小限の記述を行っている。
【0087】バス幅変換部351−1〜351−nは、
単にセル入力#1〜#nをセル多重部の内部処理に適切
なビット幅に変換する機能を持つ。入力データのフレー
ム350−1〜350−n位相が比較的に近い場合、各
メモリ361−1〜361nに到着する(書き込み)デ
ータは、ほぼ同じタイミングでメモリに書き込まれるこ
とになる。
【0088】図4のタイミングチャート331に示すよ
うに、ほぼ同一のタイミングでメモリ311−1〜31
1−nへの書き込みが発生する。これを避けるために、
図13に示すように同時書き込み抑制回路352と、そ
れを制御する同時書き込み抑制制御回路353とを設け
ている。これらの動作について次に説明する。
【0089】同時書き込み抑制回路352の内部構成を
図13に示している。この回路は最大入力数n回路分必
要である(1回路分、場合によっては数回路分は省略可
能である)。
【0090】内部は、レジスタの通過段数を適当に選べ
るようにするために複数の入力(A、B、C、D、…、
この実施例では入力本数を4本として図に示している
が、特に制限はない。)を有し、必要な遅延を発生する
ことが可能なシフトレジスタ393と、同時書き込み抑
制制御回路353の指示を受け、データを適当なシフト
レジスタの入力に送出する分配回路392とから構成さ
れている。
【0091】同時書き込み抑制制御回路353は、各入
力の(書き込み)データが揃うタイミングをモニタして
おり、書き込み要求(ライトパルス)数が時間的に均等
になるようにメモリへの書き込みタイミングをずらせる
動作を行うものである。
【0092】更に、詳細な1つの具体的な例を説明す
る。そこで、先ず入力#1の書き込みタイミングをモニ
タし、このデータには遅延を与えない(よって、ここで
1回路分の省略が可能である)。次に入力#2の書き込
みタイミングを入力#1の書き込みタイミングと比較
し、同一時間内に有った場合には、これを(単位時間
分:1クロック分と解釈して良い。)遅延させる。次に
#3入力を入力#1と必要な遅延を与えた後の入力#2
と比較し、同一時間内に有れば1クロック分遅延させ
る。再度遅延後のタイミングと、それ以前に設定した#
1、#2とのタイミングを比較し、同一時間内に有る場
合には、更に1クロック分遅延させるものである。この
ような同様の処理を入力#nまで繰り返すものである。
【0093】しかしながら、セル入力数nが大きく分散
させられたクロック数が小さい場合は、当然のことなが
ら同一時間内に複数の書き込みパルスが存在することは
避けられない。例えば、16入力のATMセルスイッチ
を構成した場合に、許容される書き込みタイミング(ク
ロック)が8クロック分で有ると仮定するならば(内部
バスを8倍幅に開いたと仮定するば)、同一タイミング
上にどうしても2つの書き込みパルスが存在することに
なる。
【0094】この場合に、上記の処理は同一時間内に3
つ以上の書き込みパルスが存在しないように動作させる
(最初に2つの入力に関しては抑制する必要がなくなる
ため、この場合には2回路分の省略が可能である。)も
のである。
【0095】同一時間内の最大書き込みパルス数を幾つ
に設定するかは、そのハードウエアの構成に大きく依存
するが、基本的な考え方は変更する必要はない。
【0096】『構成(1)、(1a)の効果』: 上
述のメモリへの同時書き込み抑制の構成によれば、セル
多重部のセル多重メモリ254の前段に、同時書き込み
抑制回路252、及びそれを制御する同時書き込み抑制
制御回路253を設けることによって、セル多重部での
メモリ書き込みに起因する急激な電流変化を避けるた
め、電源電圧変動による信号レベルの揺らぎ、及び信号
線へのノイズ重畳などを低減できる。
【0097】また、必要以上に電源部の強化が必要なく
なるため、電源部の構成を簡単にさせ、製造も容易とな
り、コスト削減にもつながる。
【0098】『構成(2)』: 図11はこの一実施
例のセル多重部−出力バッファ部の機能構成図である。
この図11において、ATMセルスイッチは、主にセル
多重部800と、出力バッファ部マスタ810A、出力
バッファ部スレーブ820Aと、出力バッファ部マスタ
810Bと、出力バッファ部スレーブ820Bと、出力
バッファマスタ側多重(TD)バス855と、出力バッ
ファ部スレーブ側多重(TD)バス856とから構成さ
れている。
【0099】更に、セル多重部800は、セル多重メモ
リ801と、疑似ランダムパターン発生回路802と、
セル多重順序変換回路803と、セレクタ804とから
構成されている。
【0100】また、出力バッファ部マスタ810Aは、
分配回路811Aと、バッファメモリ812Aと、ラン
ダムパターンチェック回路813Aと、セル分配回路8
14Aと、宛先参照回路815Aと、出力バッファ制御
回路816Aとから構成されている。出力バッファ部マ
スタ810Bも同じような構成である。
【0101】更に、出力バッファ部スレーブ820A
は、分配回路821Aと、バッファメモリ822Aと、
ランダムパターンチェック回路823Aとから構成され
ている。出力バッファ部スレーブ820Bも同じような
構成である。
【0102】この図11において、特徴的なことは、D
MUX(セル多重分離)機能を容易に実現するため、D
MUX部を複数のブロック810A、820A〜810
B、820Bに分割して構成するものである。
【0103】このような構成の上で、第1実施例では、
複数に分割したDMUXはその中の1つをマスタとして
設定し、その他に一つ又は複数のスレーブを制御するも
のである。
【0104】また、第2の実施例として、複数に分割し
たDMUXは各々セルヘッダ情報をその機能に引き込
み、それぞれが独立して動作するように構成するもので
ある。
【0105】『動作説明』: (2a): 上述の
(2)の構成の『DMUXの分割』に関して、『第1実
施例と第2実施例に共通な内容』を先ず説明する。そこ
で、従来の構成と同様にMUX部は、入力#1〜#nを
TDバス上にセル多重して送出する。この実施例の図1
4、図15ではDMUX(セル多重分離)部を2つに分
離した一例を示している。
【0106】この場合に多重バス1034、1035を
加え合わせたものは図2の多重バス113と同様なもの
である。即ち、複数のDMUXに情報を分離するため、
多重バスを単純に分離すると考えられる。
【0107】例えば、多重後のTDバス幅が100ビッ
ト幅であるならば第1ビット〜第mビット目を第1のD
MUXが、また第(m+1)ビット目〜第100ビット
目までを第2のDMUXが処理するように接続するもの
である。この場合、図2に示すようにセルデータの交換
に必要なセルヘッダ情報はセルデータの先頭付近にマッ
ピングされているが、このセルヘッダ情報が2つ以上の
DMUXに分散して入力される可能性がある。
【0108】(第1実施例): そこで、図14は第
1実施例のセル多重部−出力バッファ部の機能構成図で
ある。この図14においてATMセルスイッチは、主に
セル多重部1000と、出力バッファ部マスタ1010
A、1010Bと、出力バッファ部スレーブ1020
A、1020Bと、出力バッファ部マスタ側多重(T
D)バス1034と、出力バッファ部スレーブ側多重
(TD)バス1035とから構成されている。
【0109】また、セル多重部1000は、セル多重メ
モリ1001と、セル多重順序変換回路1002と、セ
レクタ1003と、疑似ランダムパターン発生回路10
04とから構成されている。
【0110】出力バッファ部マスタ1010Aは、分配
回路1011Aと、バッファメモリ1012Aと、セル
分配回路1013Aと、ランダムパターンチェック回路
1014Aと、出力バッファ制御回路1015A、宛先
参照回路1016Aとから構成されている。出力バッフ
ァ部マスタ1010Bも同じような構成である。
【0111】また、出力バッファ部スレーブ1020A
は、分配回路1021Aと、バッファメモリ1022A
と、ランダムパターンチェック回路1024Aとから構
成されている。出力バッファ部スレーブ1020も同じ
ような構成である。
【0112】これら複数に配備したDMUXの内、ある
1つをマスタとして定義し、残りをスレーブと定義す
る。マスタDMUXだけTDバス上のセルヘッダ情報全
て(実線+破線:実線だけでセルヘッダ部をカバーして
いれば不要)を引き込み、セル分離に必要なセルヘッダ
解析処理を行う。この処理結果をもとにマスタDMUX
はTDバス上のDMUXが担当する(接続された)TD
バスのデータ(実線)の処理(バッファメモリ1012
A、1012B制御)を行う。
【0113】スレーブ側はマスタの指示に従い接続され
たTDバス(実線)の残りの部分を処理する。バッファ
メモリ1022A、1022Bの管理はマスタの指示に
従うものである。そして、最終的に分離されたセルは図
14ではデータ線1050を通りマスタに集められるセ
ルデータとして復元される。
【0114】(構成(2)、(2a)による第1実施例
の効果): DMUX(セル多重分離)機能の分割に
関し、出力バッファ型ATMセルスイッチの出力バッフ
ァ部が処理する多重バスを複数のDMUXに分割し、1
つをマスタ、他をスレーブとし、マスタDMUXがセル
分離に必要なセルヘッダ情報全てを引き込み、スレーブ
MUXを制御する方法を採ったことによって、機能実現
時I/O(入出力)数制限によるLSI化が困難であっ
たことによる制限を取り除くことができた。
【0115】また、1つのマスタDMUXにだけ、セル
交換に必要な出力バッファ制御機能を配備すれば良いた
め、スレーブDMUXのハードウエアを非常に小さくす
ることが可能となった。
【0116】更に、多重バスのバス幅に合わせて必要な
スレーブDMUXの数量を設定できるため、スイッチ装
置構成上の自由度の向上も期待できる。
【0117】(第2実施例): 図15は第2実施例
のセル多重部−出力バッファ部の機能構成図である。こ
の図15において、ATMセルスイッチは、主にセル多
重部1000と、出力バッファ部マスタ1010A、1
010Bと、出力バッファ部スレーブ1020A、10
20Bと、出力バッファ部マスタ側多重(TD)バス1
034と、出力バッファ部スレーブ側多重(TD)バス
1035とから構成されている。
【0118】また、セル多重部1000は、セル多重メ
モリ1001と、セル多重順序変換回路1002と、セ
レクタ1003と、疑似ランダムパターン発生回路10
04とから構成されている。
【0119】出力バッファ部マスタ1010Aは、分配
回路1011Aと、バッファメモリ1012Aと、セル
分配回路1013Aと、ランダムパターンチェック回路
1014Aと、出力バッファ制御回路1015Aと、宛
先参照回路1016Aとから構成されている。出力バッ
ファ部マスタ1010Bも同じような構成である。
【0120】また、出力バッファ部スレーブ1020A
は、分配回路1021Aと、バッファメモリ1022A
と、セル分配回路1023Aと、ランダムパターンチェ
ック回路1024Aと、出力バッファ制御回路1025
Aと、宛先参照回路1026Aとから構成されている。
出力バッファ部スレーブ1020Bも同じような構成で
ある。
【0121】複数に分割されたTDバスのデータを扱う
複数のDMUXが接続された出力バッファ型セルスイッ
チにおいて、各々に分割されたTDバスを引き込み(実
線)、またそれぞれのDMUXがTDバスのセルヘッダ
情報を含む部分を個別に引き込む(破線)構成を持つ
(図15では破線で示す情報が実線部の接続で得られな
かったセルヘッダ情報を、引き込むルートである)。
【0122】各DMUXはセル分離に必要なセルヘッダ
情報をそれぞれ引き込んでいるため、他のDMUXから
独立して動作するものである。それぞれは独立して動作
が可能であるため各DMUX間の情報伝達は、不要であ
る(図15のバッファメモリ1022A、1022Bか
ら延びる破線は出力すべきセルデータを1つのマスタに
集めても良いことを示すものである)。
【0123】((2)、(2a)による第2実施例の効
果): DMUXの分割に関し、出力バッファ型AT
Mセルスイッチの出力バッファ部が処理する多重バスを
複数のDMUXに分割し、各々のDMUXは自DMUX
が処理する分割された多重バスとセル分離に必要なセル
ヘッダ情報全てを引き込み、それぞれが独立して動作す
る方法を採ったことによって、機能実現時I/O(入出
力)数制限によるLSI化が困難であったという制限を
取り除くことができた。
【0124】また、各DMUX(セル多重分離)が独立
して動作可能であるため、DMUX間の情報伝達ルート
が不要になるという効果がある。
【0125】更に、多重バスのバス幅に合わせて、必要
なDMUXの数量を設定できるため、スイッチ装置構成
上の自由度の向上を図ることができる。
【0126】『構成(3)』: パーツ間の接続に関
し、図1の出力TDバス259(更に、図11の85
5、856)の正常性を常時監視できるようにするた
め、MUX部に疑似ランダムパターン(又は固定パター
ン)発生回路257(又は図11の802)、及び主情
報とは別スロットにこのランダムパターン(又は固定パ
ターン)をTDバス上に乗せるためのセレクタ258
(又は図11の804)で構成している。
【0127】更に、DMUX部に疑似ランダム(又は固
定)パターンをチェックするために主情報からチェック
情報を分離するための図11の分配回路811A、82
1A〜811B、821Bと、その内容をチェックする
ランダム(又は固定)パターンチェック回路813A、
823A〜813B、823Bを設けるものである。
【0128】『動作説明』: (3a): 上述の
(3)の構成の『TDバスの正常性の常時監視』に関し
て、図11のセル多重−出力バッファ部の機能構成図を
用いて説明する。セル多重部800は入力セルを多重バ
ス855、856上に多重して出力する。多重データの
先頭はセル出力基準フレーム850、853に合わせて
送出される。
【0129】入力#1〜#nまでを多重バス上に多重し
出力する場合は、次の基準フレームの先頭までに、空き
エリアが存在するように多重則を決める(TDバスの伝
送容量を入力容量の総和より高く設定すれば、空きエリ
アは簡単に作ることができる。例えば、入力容量が1G
bpsであった場合、TDバスの伝送容量を例えば1.
1Gbps等に設定すれば可能である。クロックレート
を変更せずに、これを達成するにはTDバスのバス幅を
若干増やせば実現できる)。
【0130】TDバスのセルデータがマッピングされな
いエリア(空きエリア)にこの実施例では、セル多重部
800の擬似ランダムパターン発生回路802が発生す
る疑似ランダムパターンを、空きエリアのタイミングで
セレクタ804がTDバス上に乗せて送出する。
【0131】出力バッファ部810A、820A、81
0B、820Bは、基準フレームに対するランダムパタ
ーンがマッピングされているエリア(空きエリア)の位
置を認識している。
【0132】出力バッファ部の各分配回路811A、8
21A、811B、821Bは、空きエリアのタイミン
グでランダムパターンの内容をランダムパターンチェッ
ク回路813A、823A、813B、823Bに送出
するものである。
【0133】このランダムパターンチェック回路は、セ
ル多重部の疑似ランダムパターン発生回路802が生成
するパターン(例えば、X23+1、X+X+1等の
生成多項式から導かれる乱数)と同一の生成多項式でチ
ェックすれば誤りを検出することができる。
【0134】この実施例では、疑似ランダムパターンと
表現したが、0→1→0のような固定パターン(最低1
回は0→1への遷移、最低1回は1→0への遷移を含む
もの)を使用しても何等問題がない。この場合、疑似ラ
ンダムパターン発生回路802は、固定パターン発生回
路と読み替えればよい。
【0135】また、この実施例のように複数のDMUX
に分割しなくとも、図2のようにDMUXが分割されて
いない場合にも、そのまま適用することもできる。
【0136】『構成(3)、(3a)の効果』: T
Dバス正常性の常時監視に関して、セル多重部に疑似ラ
ンダム(固定)パターン発生回路802、及び多重バス
の空きエリアに上記ランダム(固定)パターンを挿入す
るセレクタ804、出力バッファ部に多重バスの空きエ
リアからランダム(固定)パターンを引き抜く分配回路
811A、821A、811B、821B及びそのパタ
ーンをチェックするランダム(固定)パターンチェック
回路813A、813B、823A、823Bを設けた
ことによって、出力バッファ型ATMセルスイッチの多
重バス部の正常性を常時監視できるようになった。
【0137】また、正常でない多重バス部の解析が容易
になるため、障害時の原因究明期間を短縮でき、また量
産時の出荷検査の工程も短縮可能となる。
【0138】『構成(4)』: また、複数に分離し
たTDバス855、856上のセルヘッダ情報を、出力
バッファの制御を容易にするため、出力バッファ部マス
タ810A、810B側に集中させるために、TDバス
上に多重するセルヘッダ部の多重順序を入れ換える多重
順序変換回路256(図1)、図11の803を設け
る。
【0139】更に、DMUX部の出力バッファ部マスタ
ー810A、810B(図11)に参照した宛先をもと
に一つ若しくは複数の出力バッファ部スレーブ820
A、820B(図11)を制御するための制御信号を発
生させる出力バッファ制御回路816A、816B(図
11)を設けるものである。
【0140】『動作説明』: (4a): 上述の
(4)の構成の『セルデータの宛先処理』に関して、図
2のように多重化されたTDバスを分割し、図11に示
すように複数のDMUXが引き込む際、セルの宛先など
を示すセルヘッダ情報が複数のDMUXに分割されて入
力される場合がある。
【0141】尚、セルヘッダは、例えば、CCITT勧
告で5オクテット=40ビット分ある。1つのDMUX
に接続するTDバスの幅が40ビット未満である場合に
はセル交換に必要なセルヘッダ情報が複数のDMUXに
またがり入力されることになる。図11では既にマスタ
側に全て集中させた図になっている。
【0142】セルヘッダ情報を一つのDMUXに集中さ
せるため、セル多重部800のセル多重順序変換回路8
03は入力セル#1〜#nを多重する際、セルヘッダ情
報がマスタ側の多重バス855側に全てマッピングでき
るように多重するものである。
【0143】具体的には、図16(b)(実施例)に示
すように、単純多重(図16(a)従来)する場合と異
なり、セルヘッダ情報を全てマスタ側多重バスに多重で
きるように、多重則を変更するものである。図16はバ
イト(8ビット)単位の多重則を例として示している
が、必ずしもこの単位で多重する必要はない。
【0144】そして、分割されたDMUXのマスタ側に
だけ宛先参照機能815A、815B(図11)が有れ
ば良い。DMUXマスタの出力バッファ制御回路816
A、816B(図11)はセルヘッダ情報を読取り自バ
ッファへの書き込みが必要か否かを判断する。
【0145】同時にスレーブ側に対して、必要なバッフ
ァメモリ制御信号を送出する。これによって、スレーブ
側は宛先情報を参照することなくTDバスの多重データ
を処理できるようになる。また、出力バッファ制御回路
816A、816Bは、バッファメモリからのセルデー
タ読み出しも制御する。マスタ側・スレーブ側それぞれ
から読み出されたセルデータは、マスタ側に集められた
もとのセルデータとして再現される。
【0146】『構成(4)、(4a)の効果』: セ
ルデータの宛先処理に関して、1つのセル多重部と、複
数に分割した出力バッファ部から構成する出力バッファ
型ATMセルスイッチにおいて、出力バッファ部のマス
タDMUXが必要なセルヘッダ情報全てを取り込めるよ
うに、セル多重部にセル多重順序変換回路を設けたこと
によって、スレーブDMUXからセルヘッダ情報を引き
込むことに要する不要な配線を取り除くことが可能とな
った。
【0147】また、1つのマスタDMUXにだけ、セル
交換に必要な出力バッファ制御機能を配備すれば良いた
め、スレーブDMUXのハードウエアを非常に小さくす
ることが可能となった。
【0148】『構成(5)』: 図10はATMセル
スイッチの機能構成図である。この図10において、A
TMセルスイッチは、主にセル多重部920と、出力バ
ッファ部927と、セル多重(TD)バス932とから
構成されている。
【0149】セル多重部920は、回線処理部903−
1〜903−nと、セル多重メモリ907と、回線速度
設定回路912と、出力順序制御回路913とから構成
されている。出力バッファ部927は、宛先参照回路9
28と、バッファメモリ929と、セル分配回路930
と、回線処理部923−1〜923−nと、出力バッフ
ァ制御回路931と、回線速度設定回路925とから構
成されている。
【0150】特徴的には、異種速度の回線を収容するた
め、MUX部に回線処理部903−1〜903−n(図
10)及び、回線処理部を制御するための回線速度設定
回路912を設けている。また、DMUX部に(MUX
部とは逆の動作をする)回線処理部923−1〜923
−n及び回線速度設定回路925を設けるものである。
【0151】『動作説明』: (5a): 上述の
(5)の構成の『異種速度回線の収容』に関して、図1
0はこの実施例の回線速度組み合わせ制御回路の機能構
成図である。この図10において、先ずセルの流れを説
明する。入力回路901−1〜901−nから入力され
たセルは、セル多重部920、TDバス932、出力バ
ッファ部927を経由して出力回線921−1〜921
−nに送出される。
【0152】更に、セル多重部920に入力されたセル
データは回線処理部903−1〜903−nに送られ
る。回線処理部#1〜#nでは回線速度設定回路912
からの設定によって回線を処理してセルをセル多重メモ
リ907に送る。セル多重メモリ907では出力順序制
御回路913の制御に従ってセルをTDバス932に送
出する。
【0153】TDバス932上のセルデータはその宛先
情報に従って出力バッファ部927に取り込まれる。出
力バッファ部927では出力バッファ制御回路931の
制御によって宛先参照回路928、バッファメモリ92
9、セル分配回路930を通って回線処理部923−1
〜923−nに送られる。回線処理部923−1〜92
3−nでは回線速度設定回路925に従ってセル多重部
920の回線処理部903−1〜903−nの逆の処理
を行った後に、セルを出力回線へ送出するものである。
【0154】以上がセルの流れの説明図である。次にセ
ル多重部920の回線処理部903−1〜903−nに
ついて具体的に説明する。
【0155】セル入力速度が同一のデータレートである
ことを前提としているので、今データレートをmVとす
ると、例えば、速度mVのセルを1回線、速度Vのセル
をm回線収容できる。回線処理部903−1〜903−
nの総入力本数をmbと規定すると、速度mVのセルは
mbパラレル、速度Vのセルはbパラレルで入力するよ
うにする。
【0156】このように、『回線処理部入力の物理イン
タフェースを変えずに、入力セルの速度に応じたビット
幅でセルを入力することで、複数の速度のセルを扱える
ようにすることができる』。
【0157】出力バッファ部927の回線処理部923
−1〜923−nでも同様に、総出力本数をmbと規定
すると、速度mVのセルはmbパラレル、速度Vのセル
はbパラレルで出力するようにする。このように『回線
処理部出力の物理インタフェースを変えず、出力セルの
速度に応じたビット幅でセルを出力することで、複数の
速度のセルを扱えるようにすることができる』。
【0158】図17(a)、(b)はセル多重部920
の回線処理部903−1〜903−nの動作を示すもの
である。そして、図17(a)において、速度mVのセ
ルが1回線入力された場合には、回線処理部で必要なバ
ス幅変換(必要ならば速度変換)したセルデータを出力
する。
【0159】図17(b)において、速度Vセルが4回
線入力された場合には、回線処理部でセル多重し、必要
なバス幅変換(必要ならば速度変換)し、セルデータ1
から順に前詰めにセルデータを並び変えてセルを出力す
る。このとき回線処理部出力データ1303と1313
(図17)のバス幅X、回線速度は同一であり、位相も
一致している。
【0160】図17(c)、(d)は出力バッファ部9
27の回線処理部923−1〜923−nの動作を示す
ものである。そして、セル多重部920の回線処理部9
03−1〜903−nの逆の動作を行う。
【0161】次に図10に戻って回線速度設定回路91
2及び925について説明する。これらの回線速度設定
回路912、925は保持レジスタを有しており、ハー
ドウエア的に設定されるか、又はソフトウエア的に設定
された回線速度を規定する情報を保持する機能を有す
る。その情報をもとに各回線処理部に対し、設定値を送
信する。
【0162】各回線処理部では設定された値によって、
セル多重部920の回線処理部では入力側、出力バッフ
ァ部では出力側の回線速度を判別し、セル多重/分離
(必要ならば速度変換)を行う。
【0163】次に出力順序制御回路913について説明
する。セルデータをTDバス上に出力する際には、各々
の回線処理部毎にまとめて出力する必要がある。出力順
序制御回路913は、回線処理部(#1)903−1の
セルデータのグループを読み出した後で制御信号を変更
し、次に回線処理部(#2)903−2のセルデータの
グループを読み出し、以降順に読み出すような制御を行
うものである。
【0164】『構成(5)、(5a)の効果』: 異
種速度回線の収容に関して、セル多重部において、回線
処理部及び回線処理部を制御する回線速度設定回路を設
け、同時に出力バッファ部において、セル多重部と逆の
動作をする回線処理部及びこの回線処理部を制御する回
線速度設定回路を設けることによって、セル多重部の入
力部において複数の速度ハイアラキーを取り扱うことが
できるようになる。
【0165】また、同一ハードウエアを利用し、ソフト
ウエア的に回線速度を設定できる構成としているため
(ハードウエア固定でも可能で)システム設計上の自由
度を向上させることができる。
【0166】『構成(6)』: 通信品質の片寄りを
なくすため、図1のTDバス259上に多重するセルの
順序を変更するために、セル多重メモリ254からの読
み出し順序を変更するための出力順序制御回路255を
設けるものである。
【0167】『動作説明』: (6a): 上述の
(6)の構成の『通信品質の均等化』に関して、図18
は第1実施例の通信品質の均等化のための機能構成図で
ある。この図18において、ATMセルスイッチは、主
にセル多重部1404と、出力バッファ部1409、1
410、1411、…と、セル多重(TD)バス140
8とから構成されている。そして、図19は図18の動
作タイミングチャートである。
【0168】(第1実施例): 先ずセル1〜セルn
1401〜1403がセル多重部1404に送られてく
る。セル1〜セルnは位相が一致している必要がない。
セルがセル多重部1404に送られてくると、セル多重
メモリ1405に格納される。格納されたセルは、出力
順序制御回路1406の制御によって、TDバス140
8上に出力データ1407として出力される。
【0169】出力順序制御回路1406は、セル読み出
し順序を1フレーム周期毎に変更する機能を有する。例
えば、図19の動作タイミングチャートにおいて、セル
多重部出力データ1425のように、あるフレーム周期
ではセル1から読み出したとすると次のフレーム周期で
はセル2から読み出しを始める。
【0170】この場合、セル多重部のバッファメモリに
書き込まれるセルデータは1フレーム周期目にはセル
2、2フレーム周期目にはセル3となり、フレーム周期
毎に異なったセル入力回線が選ばれる。
【0171】図20はこの実施例の具体的な機能構成図
である。この図20においてセル入力#1〜#nから入
力されたセルデータ1501〜1503はそれぞれのメ
モリ1505〜1507に格納され、出力順序回路15
09の制御によって、出力選択回路1508から読み出
され、TDバス1511上にセル多重部出力データ15
10を出力する。
【0172】出力順序順序回路1509は、例えば、図
21(a)や図21(b)に示すような構成でも実現で
きる。図21(a)では、加算器1521とリードアド
レスカウンタ1522を用いることによってフレーム周
期毎にセルを読み出す順序を1つずつ後方に変えること
ができる(図22セル多重部出力データ1542参
照)。
【0173】即ち、セルの先頭を示すフレームをロード
(LOAD)信号とし、最初に読み出すセルのアドレス
(或いは出力選択回路の入力方路番号)を加算器152
1から読み込み、そこから順に読み出していく。加算器
1521は、フレームが来る毎に1ずつ加算していく構
造を持つ。
【0174】また図21(b)では、リードアドレスカ
ウンタ1531を用いて、フレーム周期毎にセルを読み
出す順序を1つずつ前方に変えることができる(図22
セル多重部出力データ1543参照)。即ち、フレーム
信号をホールド信号として用い、フレームが入った箇所
で出力切替え信号を保持する。従って、この場合は同じ
アドレス(或いは出力選択回路の入力方路番号)を2回
続けて読み出すことになる。
【0175】(第1実施例の効果): 通信品質の均
等化に関して、セル多重部に、出力順序制御回路150
9を設け、セル読み出し順序を1フレーム周期毎に変更
する機能を有することから、ある特定のタイムスロット
上にマッピングされているセルデータはフレーム周期毎
に異なり、特定のセル入力回線の優先度が高くなること
がなくなり、通信の平等性が保証されるようになると考
えられる。
【0176】(第2実施例): 上述の第1実施例の
ようなセル読み出し順序変更を、図10に示すように、
回線処理部を有し、入力回線をグループに分けたような
構成を持つ装置に適用する場合について説明する。
【0177】図10のような構成の装置の場合、単純に
セル毎に読み出し順序を変更すると、セルの順序逆転が
起こるので好ましくない。例えば、図10ではグループ
(2)901−2の回線ではセル21、セル22、…、
セル2mの順序をTDバス932上においても保持しな
ければならない。
【0178】しかしながら、読み出し順序変更を全く行
わないと、上述したようにある特定の入力回線の優先度
が高くなるように見える問題が発生し、通信の平等性を
保持することができない。そこで、『グループ内のセル
読み出し順序を変更せず、グループ間のセル読み出し順
序を変更する方法』を提案するものである。
【0179】図23〜図25はこの第2実施例の説明図
である。グループ1〜グループnの入力回線がそれぞれ
回線処理部(#1)〜(#n)1602−1〜1602
−nに接続され、回線処理部(#1)〜(#n)160
2−1〜1602−nはセル多重メモリ1607に接続
され、セル多重メモリ1607の出力がTDバス161
2に接続されている。
【0180】また、出力順序制御回路1608は、セル
多重メモリ1607に接続され、読み出し順序を制御す
る信号をセル多重メモリ1607に送出する。出力順序
制御回路1608は、グループ毎に読み出しができるよ
うに構成する。上述の第1実施例で示した回路に、図2
4(a)、(b)に示すようにイネーブル(EN)信号
を追加し、グループ単位で出力切替え信号を変化させる
ようにするものである。
【0181】このように制御することで、図24(a)
の回路構成では、図25の出力データ1642、また図
24(b)の回路構成では、図25の出力データ164
3を得ることができ、グループ毎に読み出し順序を変更
してデータを出力できるものである。ここでは、カウン
タをもとに回路を構成し、読み出す回線を順に変更した
が、ランダムパターン発生回路などを用いて読み出し方
路をランダムに変更してもかまわない。
【0182】(第2実施例の効果): 通信品質の均
等化に関して、セル多重部に、グループ毎に読み出し順
序を変更できる出力順序制御回路913を設けたことに
よって、回線処理部903、923などを有し、複数の
速度ハイアラーキを取り扱っている装置において、グル
ープ内のセル順序逆転を引き起こすことなくグループ毎
の読み出し順序を変更できるので、特定のセル入力回線
の優先度を高くすることがなくなり、通信の平等性を保
証させることができるものである。
【0183】『構成(7)』: また、図12に示す
ように、個々のセルデータに付随する装置内情報をセル
データと同一の扱いで、またセルのワード数を増加させ
ることなく伝達するため、セルデータの横側に必要な装
置内情報を付加する方式を採用するものである。
【0184】尚、装置内(交換機内)情報とは、例え
ば、受信セルをATM交換機内で、どのように処理させ
て、この交換機の品質又は性能などを確保するかを規定
するための情報である。更に具体的には、例えば、受信
セルに対する処理遅延時間の規定情報や、受信セルのセ
ル廃棄率などを規定する情報などを挙げることができ
る。
【0185】『動作説明』: (7a): 上述の
(7)の構成の『装置内情報の付与方法』に関して、図
26は実施例のATM交換機の装置間接続図を示す。セ
ルデータ653は受信LC651、ATMスイッチ65
0、送信LC652の順に通過する。このときにセルデ
ータ653と同期して装置内情報659を受信LC65
1から送信LC652に送る。
【0186】装置内情報659は、セルデータ653に
追加するのではなく、セルデータ653に並行して送ら
れるようにする。このような構成にすることで、受信L
C651、ATMスイッチ650、送信LC652を通
じて動作速度が変わらないので同じシステムクロック6
58で制御することができる。
【0187】また、速度変換バッファ、クロック速度変
換器などのハードウエア量を削減することができる。ま
た、装置内情報量が増加した際も、ビット幅を増やすな
どして容易に対応できる。
【0188】図12はこの実施例のATM交換機内のセ
ル転送フォーマットである。装置内情報703はセルデ
ータ705に並行している。これによって、基準フレー
ム702の1フレーム期間Tではセルデータ705の速
度が装置内情報を付加する前と変わらないので制御が容
易になる。
【0189】ATMセルスイッチ内では図11に示した
ように、予め装置内情報851を取り込める構成にして
おけば良いものである。
【0190】『構成(7)、(7a)の効果』: 装
置内情報の付与方法に関して、セルデータに付随する装
置内情報をセルデータと同一の扱いで、またセルデータ
に並行して送信する構成にしたので装置内全体で同じ動
作速度で通信が可能となり、制御が容易になる。
【0191】また、速度変換することがないので、速度
変換する際に必要であったハードウエアを削減すること
ができ、装置の小型化を図ることができる。
【0192】更に、装置内情報をセルデータから分離し
たので、装置内情報量が増加した場合にも対応すること
ができる。このようなことから、ATM交換機の品質又
は性能を向上させることができる。
【0193】(他の実施例): (1)尚、以上の実
施例においては、出力バッファ型ATMセルスイッチを
例にして説明したが、他に共通バッファ型ATMセルス
イッチにも適用して効果的であると考えられる。
【0194】(2)また、上述のバッファメモリは、F
IFO(Fast In FastOut)メモリなど
で実現することもできる。また他にSRAM、DRA
M、シフトレジスタなどを組み合わせて実現することも
できる。 (3)更に、上述の実施例の回路は、CMOSのIC
や、GaAsのICなどを使用することで、低消費電
力、高速動作、高集積化を実現することができると考え
られる。
【0195】
【発明の効果】以上述べた様に第1の発明のATMセル
スイッチ装置は、入力セルのセル多重メモリへの同時書
き込みを抑制する同時書き込み抑制手段を備えたこと
で、ある特定の時間にセル多重メモリへのセル書き込み
を集中させることなく、セル多重メモリへの書き込みに
起因する急激な電流変化を回避することができ、電力供
給ラインの基準電圧変動による信号レベルの揺らぎ、信
号線へのノイズ重畳などを低減することができる。
【0196】また、第2の発明のATMセルスイッチ装
置は、多重バスを複数に分割し、分割された一つの多重
バスからマスタ用の出力バッファ部にセルを与え、分割
された残りの多重バスからスレーブ用の出力バッファ部
にセルを与え、マスタ用出力バッファ部はセル多重分離
に必要なセルヘッダ情報全てを取り込み、セル多重分離
出力し、スレーブ用出力バッファ部はマスタ用出力バッ
ファ部からの制御信号によってセル多重分離の制御を受
け、セル多重分離しマスタ用出力バッファ部にセルを与
えるものである。
【0197】このような構成であることから、LSI化
を容易に行うことができる。
【0198】更に、第3の発明のATMセルスイッチ装
置は、多重バスを複数に分割し、分割された一つの多重
バスからマスタ用の出力バッファ部にセルを与え、分割
された残りの多重バスからスレーブ用の出力バッファ部
にセルを与え、マスタ用出力バッファ部はセル多重分離
に必要なセルヘッダ情報全てを取り込み、セル多重分離
出力し、スレーブ用出力バッファ部はセル多重分離に必
要なセルヘッダ情報全てを取り込み、セル多重分離出力
するものである。
【0199】このような構成であることから、LSI化
を容易に行うことができる。
【0200】更にまた、第4の発明のATMセルスイッ
チ装置は、所定の監視用データを出力するデータ出力手
段と、この所定の監視用データをセル多重化出力の中の
セルデータがマッピングされていない部分に挿入して多
重バスに出力する挿入手段とを備え、多重バスから挿入
されている所定の監視用データを検出し、データが正常
か否かを判断する判断手段を出力バッファ部に備えたも
のである。
【0201】このような構成であることから、多重バス
のデータ伝送の正常性を容易に、そして、常時監視する
ことができるので、装置の信頼性維持を図ることができ
る。
【0202】また、第5の発明のATMセルスイッチ装
置は、主に、セル多重部の出力セルのヘッダ情報を並び
変えて、マスタ用の出力バッファ部に与え得る多重バス
に出力する多重順序並び変え手段を備え、マスタ用の出
力バッファ部に、多重バスからのセルヘッダ情報を検出
してこのヘッダ情報の宛先に従って自出力バッファ部又
はスレーブ用の出力バッファ部のセル多重分離を制御す
る制御手段を備えるものである。
【0203】このような構成をとることで、装置内の接
続配線数を少なくすることができるものである。
【0204】更に、第6の発明のATMセルスイッチ装
置は、入力セルの転送速度を所定の速度に変換してセル
多重部に与える第1の速度変換手段と、セル多重分離出
力のセルの速度を所定の出力速度に戻す第2の速度変換
手段とを備えるものである。
【0205】このような構成をとることで、入力転送速
度が異なるセルが入力された場合であっても、セル多重
と、セル多重分離を行って、所定の出力速度で出力する
ことができる。
【0206】更にまた、第7の発明のATMセルスイッ
チ装置は、セル多重部のセル多重出力順序をある周期
毎、又は入力セルのグループごとのセル多重出力順序を
ある周期毎に変更する出力順序変更手段を備えること
で、特定のセル入力回線のセルスイッチング出力に偏る
ことなく、通信の平等性を保証することができる。
【0207】また、第8の発明のATM交換機は、上述
のATMセルスイッチ装置を備えたものであって、AT
Mセルスイッチ装置の入力セルラインにはセル受信手段
を備え、ATMセルスイッチ装置の出力ラインにはセル
送信手段を備え、セル受信手段は、受信セルをATMセ
ルスイッチ装置に与えると共に受信セルに関する情報を
並行してATMセルスイッチ装置に与え、ATMセルス
イッチ装置は、受信セルと受信セルに関する情報とをス
イッチングしてセル送信手段に与え、セル送信手段は、
ATMセルスイッチ装置からの受信セルに関する情報に
基づき出力セルを送信するものである。
【0208】このような構成をとることで、受信セルに
関する情報を従来に比べ簡単な構成でATM交換機内の
入力側から出力側に伝送することができる。
【0209】従って、以上の発明からして、従来に比べ
簡単な構成で機能性が高く、しかも信頼性の高いATM
セルスイッチ装置とATM交換機とを実現することがで
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施例のセル多重部の機能構成図で
ある。
【図2】従来例のセル多重部−出力バッファの機能構成
図である。
【図3】従来例のセル多重部の機能構成図である。
【図4】従来例の同時書き込み抑制回路の機能構成図で
ある。
【図5】従来例のMUX(セル多重)部の機能構成図で
ある。
【図6】従来例のATMセルスイッチの機能構成図であ
る。
【図7】従来例のATMセルスイッチの動作タイミング
チャートである。
【図8】従来例のATM交換機の機能構成図である。
【図9】従来例の装置内情報の付加方法の説明図であ
る。
【図10】実施例のATMセルスイッチにおける回線速
度組み合わせ制御の説明図である。
【図11】実施例のセル多重−出力バッファの機能構成
図である。
【図12】実施例の装置内情報付加方法の説明図であ
る。
【図13】実施例の同時書き込み抑制回路の機能構成図
である。
【図14】実施例のセル多重部−出力バッファの機能構
成図である。
【図15】実施例のセル多重部−出力バッファの機能構
成図である。
【図16】実施例のセル多重順序変換回路のセルフォー
マット変換の説明図である。
【図17】実施例の回線処理動作の説明図である。
【図18】実施例の出力バッファ型ATMセルスイッチ
の機能構成図である。
【図19】実施例の出力バッファ型ATMセルスイッチ
の動作タイミングチャートである。
【図20】実施例のセル多重メモリの機能構成図であ
る。
【図21】実施例の出力順序制御回路の説明図である。
【図22】実施例の出力順序制御回路の動作タイミング
チャートである。
【図23】実施例のグループ出力順序変化方式の説明図
である。
【図24】実施例の出力順序制御回路の説明図である。
【図25】実施例の出力順序制御回路の動作タイミング
チャートである。
【図26】実施例のATM交換機の機能構成図である。
【符号の説明】
250−1〜250−n…回線処理部(#1)〜(#
n)、251…回線速度設定回路、252…同時書き込
み抑制回路、253…同時書き込み抑制制御回路、25
4…セル多重メモリ、255…出力順序制御回路、25
6…多重順序変換回路、257…疑似ランダムパターン
発生回路、258…セレクタ、259…セル多重出力
(TDバス)、260−1〜260−n…バス幅変換回
路。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 H04Q 3/00 9466−5K H04L 11/20 D (72)発明者 北村 達彦 東京都港区虎ノ門1丁目7番12号 沖電気 工業株式会社内

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 入力セルをセル多重メモリに格納するセ
    ル多重部を備え、このセル多重部でセル多重化し、スイ
    ッチングしながらセル出力するATMセルスイッチ装置
    において、 入力セルのセル多重メモリへの同時書き込みを抑制する
    同時書き込み抑制手段を備えたことを特徴とするATM
    セルスイッチ装置。
  2. 【請求項2】 入力セルをセル多重化し多重バスへ出力
    するセル多重部と、セル多重部の多重バス出力のセルを
    一時的に保持制御しセル多重分離出力する出力バッファ
    部とを備えたATMセルスイッチ装置において、 上記多重バスを複数に分割し、分割された一つの多重バ
    スからマスタ用の出力バッファ部にセルを与え、分割さ
    れた残りの多重バスからスレーブ用の出力バッファ部に
    セルを与え、 マスタ用出力バッファ部はセル多重分離に必要なセルヘ
    ッダ情報全てを取り込み、セル多重分離出力し、 スレーブ用出力バッファ部はマスタ用出力バッファ部か
    らの制御信号によってセル多重分離の制御を受け、セル
    多重分離しマスタ用出力バッファ部にセルを与えること
    を特徴とするATMセルスイッチ装置。
  3. 【請求項3】 入力セルをセル多重化し多重バスへ出力
    するセル多重部と、セル多重部の多重バス出力のセルを
    一時的に保持制御しセル多重分離出力する出力バッファ
    部とを備えたATMセルスイッチ装置において、 上記多重バスを複数に分割し、分割された一つの多重バ
    スからマスタ用の出力バッファ部にセルを与え、分割さ
    れた残りの多重バスからスレーブ用の出力バッファ部に
    セルを与え、 マスタ用出力バッファ部はセル多重分離に必要なセルヘ
    ッダ情報全てを取り込み、セル多重分離出力し、 スレーブ用出力バッファ部はセル多重分離に必要なセル
    ヘッダ情報全てを取り込み、セル多重分離出力すること
    を特徴とするATMセルスイッチ装置。
  4. 【請求項4】 入力セルをセル多重化し多重バスへ出力
    するセル多重部と、セル多重部の多重バス出力のセルを
    一時的に保持制御しセル多重分離出力する出力バッファ
    部とを備えたATMセルスイッチ装置において、 所定の監視用データを出力するデータ出力手段と、 この所定の監視用データをセル多重化出力の中のセルデ
    ータがマッピングされていない部分に挿入して多重バス
    に出力する挿入手段とを備え、 多重バスから挿入されている所定の監視用データを検出
    し、データが正常か否かを判断する判断手段を上記出力
    バッファ部に備えたことを特徴とするATMセルスイッ
    チ装置。
  5. 【請求項5】 請求項2記載のATMセルスイッチ装置
    において、 セル多重部の出力セルのヘッダ情報を並び変えて、マス
    タ用の出力バッファ部に与え得る多重バスに出力する多
    重順序並び変え手段を備え、 上記マスタ用の出力バッファ部に、多重バスからのセル
    ヘッダ情報を検出してこのヘッダ情報の宛先に従って自
    出力バッファ部又はスレーブ用の出力バッファ部のセル
    多重分離を制御する制御手段を備えることを特徴とする
    ATMセルスイッチ装置。
  6. 【請求項6】 入力セルをセル多重化し多重バスへ出力
    するセル多重部と、セル多重部の多重バス出力のセルを
    一時的に保持制御しセル多重分離出力する出力バッファ
    部とを備えたATMセルスイッチ装置において、 入力セルの転送速度を所定の速度に変換してセル多重部
    に与える第1の速度変換手段と、 セル多重分離出力のセルの速度を所定の出力速度に戻す
    第2の速度変換手段とを備えたことを特徴とするATM
    セルスイッチ装置。
  7. 【請求項7】 入力セルをセル多重メモリに格納するセ
    ル多重部を備え、このセル多重部でセル多重化し、スイ
    ッチングしながらセル出力するATMセルスイッチ装置
    において、 セル多重部のセル多重出力順序をある周期毎、又は入力
    セルのグループごとのセル多重出力順序をある周期毎に
    変更する出力順序変更手段を備えることを特徴とするA
    TMセルスイッチ装置。
  8. 【請求項8】 請求項1〜7のいずれかに記載のATM
    セルスイッチ装置を備えたATM交換機であって、 上記ATMセルスイッチ装置の入力セルラインにはセル
    受信手段を備え、 ATMセルスイッチ装置の出力ラインにはセル送信手段
    を備え、 上記セル受信手段は、受信セルをATMセルスイッチ装
    置に与えると共に受信セルに関する情報を並行してAT
    Mセルスイッチ装置に与え、 ATMセルスイッチ装置は、受信セルと受信セルに関す
    る情報とをスイッチングして上記セル送信手段に与え、 上記セル送信手段は、ATMセルスイッチ装置からの受
    信セルに関する情報に基づき出力セルを送信することを
    特徴とするATM交換機。
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