JPH0856042A - レーザ共振器組立方法 - Google Patents

レーザ共振器組立方法

Info

Publication number
JPH0856042A
JPH0856042A JP19243794A JP19243794A JPH0856042A JP H0856042 A JPH0856042 A JP H0856042A JP 19243794 A JP19243794 A JP 19243794A JP 19243794 A JP19243794 A JP 19243794A JP H0856042 A JPH0856042 A JP H0856042A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
laser
optical
laser resonator
resonator
light
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP19243794A
Other languages
English (en)
Other versions
JP3336753B2 (ja
Inventor
Takeshi Mizuno
剛 水野
Hisashi Masuda
久 増田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sony Corp
Original Assignee
Sony Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sony Corp filed Critical Sony Corp
Priority to JP19243794A priority Critical patent/JP3336753B2/ja
Publication of JPH0856042A publication Critical patent/JPH0856042A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3336753B2 publication Critical patent/JP3336753B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Lasers (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 各光学素子間の干渉がなく、熱応答が十分に
得られるレーザ共振器の小型化を可能にするレーザ共振
器組立方法を提供する。 【構成】 大きく分けて、励起用光源部11、レーザ共
振器組立部15及び調整用光学系16で構成される。先
ず、励起用レーザ発振器1、対物レンズ2及び調整用レ
ーザ発振器7の光軸を合わせる。続いて、レーザ共振器
組立部15内の所定位置にレーザ共振器用基板8を設置
し、レーザ共振器用基板8上で非線形光学結晶素子5の
位置決め調整を、調整用レーザ発振器7からの調整用レ
ーザ光を非線形光学結晶素子5の光学鏡面に当てて得ら
れる反射光を参照して行い、接着固定する。固体レーザ
素子4についても同様にレーザ共振器用基板8上で位置
決め調整及び接着固定を行う。1/4波長板3の位置決
め調整を行う際に、励起用レーザ発振器1からの励起用
レーザ光にて動作状態に応じて行い、接着固定する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、レーザ共振器組立方法
に関し、特に、小型集積型の第2高調波発生(SHG:
Second harmonic generation)レーザ光を発生する外部
励起型SHGレーザ光発生装置のレーザ共振器組立方法
に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、第2高調波レーザ光を発生す
る、いわゆるSHGレーザ光発生装置には、外部共振型
のSHGレーザ光発生装置や、内部共振型で共振器内部
の非線形光学結晶素子によるSHGレーザ光発生装置等
が存在する。
【0003】図8には、一般的な内部共振型のレーザ光
発生装置の概略的な構成を示す。このレーザ光発生装置
は励起用光源部とレーザ共振器部とから成る。励起用光
源部である図8の励起用光源50は、レーザ共振器部5
8内のレーザ素子54の吸収線の波長に一致する波長を
有しており、レーザ発振用のエネルギをレンズ51を介
してレーザ共振器部58に出力する。
【0004】このレーザ共振器部58は、一対の蒸着膜
52、56の間に、ミラー53、レーザ素子54、非線
形光学結晶素子55及びミラー57を備えたものであ
る。例えば、上記励起用光源50の発振波長をλ0 、上
記レーザ共振器部58内のレーザ素子54の発振波長を
λ1 とする場合に、上記蒸着膜52は、ミラー53にお
いて入力波長λ0 で高透過率、出力波長λ1 及び出力波
長λ1 /2で高反射率となるように形成され、上記蒸着
膜56は、ミラー57において入力波長λ1 で高反射
率、出力波長λ1 /2で高透過率となるように形成され
る。
【0005】従って、レーザ共振器部58に入力された
エネルギは、蒸着膜52が形成されたミラー53を通過
し、レーザ素子54に入力されることにより、発振波長
λ1の光が発振される。この光が発振中に、上記非線形
光学結晶素子55において、発振波長λ1 /2の光が生
じる。ここで、上記発振波長λ1 の光は、一対の蒸着膜
52、56によりレーザ共振器部58内に閉じ込められ
るが、蒸着膜56は出力波長λ1 /2で高透過率である
ので、上記発振波長λ1 /2の光は、ミラー57及び蒸
着膜56を透過して、出力される。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところで、一般的に、
上述のような複数の光学素子から成るレーザ共振器を構
成する場合には、各光学素子の各光学鏡面の相対位置関
係の調整方法と固定法及び経時変化に対する各光学素子
間の相対位置関係の維持が問題となる。すなわち前者
は、初期特性の確保、あるいは所定の性能の再現性の確
保に必要不可欠であり、後者は、各光学素子の線熱膨張
係数が異なるため、環境等による温度変化が生じる場合
問題となる。また、上述した問題点は、互いに密接な関
係にあるため、両者の問題点を一度に解決するようなレ
ーザ共振器の調整、あるいは組立方法の提案が望まれ
る。
【0007】従って、これらの問題を回避するために、
図9に示すように、第一の方法として、各光学素子5
2、54、55、57の各光学鏡面をそれぞれ直接に接
着し、レーザ共振器部58を組み立てて、基板60にレ
ーザ共振器部58全体を、あるいはレーザ共振器部58
の一部を接続する方法がある。ここで、基板60は第2
高調波の位相条件を満たすことができるように、レーザ
共振器部58を所定の温度に制御するものである。
【0008】この第一の方法では、レーザ共振器を構成
する際に、各光学素子の光学鏡面を貼り合わせるため、
各光学素子の所定の位置関係が、調整することなく光学
素子の公差範囲内に納まるという利点がある。
【0009】しかし、この方法では例えば、図10に示
すように、レーザ共振器部58全体を基板60に固定す
ると、各光学素子の接続面は、2面以上あり、各接続面
での線熱膨張係数の違いによる各光学素子への伸縮がス
トレスを生じやすく、光学素子の破壊等の現象が起こり
易い。また、各光学素子が接着されるため、加工公差を
考慮すると、一部の光学素子と基板60との間に隙間が
生じることになる。この隙間を接着剤で埋めると、接着
剤の種類、硬化方式及び硬化条件等により、接着面での
ストレス量及び伸縮率が変わるため、熱量の変化等に伴
う基板60からレーザ共振器部58へのストレスにムラ
が生じ、レーザ共振器部58全体の経時変化を起こし易
くなる。図11は、図10に示したレーザ共振器の要部
の拡大図を示す図であるが、図11で、接着面61では
矢印63に示される方向に、接着面62では矢印64に
示される方向にそれぞれ伸縮が起こっている。さらに、
接着面61及び62の線熱膨張係数をそれぞれk1 、k
2 としてk1 >k2 の関係にある場合、所定の温度変化
に対して、光学素子52内に矢印65に示される方向の
力も加わることになり、接着面62で剥がれ等が生じ易
い。
【0010】また、上述した問題を最大限緩和するため
には、図12に示されるように、レーザ共振器部58の
一部を基板60に設けられた支持台部60aに接続する
方法がある。これにより、光学素子同士の接着において
は、線熱膨張係数の違いはあるものの、光軸方向に対し
ては自由になるため、上記ストレスは減少すると期待さ
れる。
【0011】しかし、この方法では、レーザ共振器部5
8をレーザモジュール中に組み入れ、基板60に固定す
る際、固定箇所をレーザ共振器部58を構成する複数の
光学素子のうちの一つで行う必要がある。これにより、
熱応答に関する問題が起こる。すなわちSHGレーザに
おいては、所定の位相整合条件を有するため、各光学素
子を決められた温度条件の下で管理する、具体的には、
光学素子を接続した基板などに温度制御素子を取り付け
てレーザ共振器の温度を管理する必要があるのだが、上
述したように、レーザ共振器部58を構成する光学素子
で基板60に接続されるのは一つだけであり、熱の制御
は全て基板60に接続される光学素子を介して行われる
ため、所定の温度状態を達成する時間は、図10に示さ
れたレーザ共振器のように各光学素子がそれぞれ基板に
接続される場合に比べ遅くなり、レーザ全体の立ち上が
り時間に影響を及ぼすことになる。
【0012】この問題点は、SHGレーザ素子を有する
レーザ共振器のみではなく、他の所定の動作温度を維持
しなければならないレーザ共振器についても共通してい
る。
【0013】よって、第二の方法として、図13に示す
ように、各光学素子を接着せずに、各光学鏡面どうしを
合わせたまま、左右から圧力をかけて機械的に固定する
方法がある。この方法においては、各光学素子52、5
4、55、57の間に、各光学素子どうしの干渉を緩和
するためのスペーサ59a、59b、59cをそれぞれ
挟み、基板60に接着する。この基板60に接着された
各光学素子を、板バネ70a、70bを用いて、光束を
通すアパーチャを有する押しあて用基準面71に押し付
けることにより、レーザ共振器部58全体を固定する。
【0014】この第二の方法では、各光学素子の光学鏡
面同士を合わせるので、加工公差範囲内で自動的にアラ
イメントがなされるため、第一の方法と同様、組み立て
時の調整が不要であるという利点がある。
【0015】しかし、この第二の方法では、レーザ共振
器部58は機械的な復元力を備えていないので、一度相
対位置が変化すると、元の位置に戻すことができない。
すなわち、各光学素子の線熱膨張係数が異なるので、相
対する光学鏡面における各光学素子の伸縮による干渉を
回避することができない。また、光弾性が変化し、位相
整合にずれが生じたり、経時変化が発生したりする。こ
れにより、第2高調波のノイズレベルや出力パワー等が
変化してしまう。
【0016】また、第一の方法及び第二の方法で、共通
する問題点として、例えばレーザ共振器内でレーザ発振
に際して、ノイズ低減化等の目的により、SHGレーザ
素子内での位相の制御をする場合、SHGレーザ素子の
光学鏡面にウェッジをつけて、光軸に対して光学素子を
横ずらしすることで、上記問題点を解決するような方法
が考えられるが、このような調整を行う場合、SHGレ
ーザ素子内のビームスポットサイズ程度の横ずらし量精
度が必要となるが、上記第一の方法及び第二の方法で
は、実際には対応できないと考えられる。
【0017】また、第三の方法として、特開昭63−2
7079号公報や、特開昭63−270780号公報に
開示されているように、レーザ共振器を形成する各光学
素子をそれぞれ適当な治具に固定、保持、あるいは挿入
し、この治具と一体化した各光学素子を基準となる基板
に接着する方法がある。この方法においては、各光学素
子をそれぞれの形状に適した治具に固定、保持または挿
入するため、基準となる基板の形状を円筒形やV字構造
というように各治具と互いに補完しあうように構成する
ことで、調整操作を経ることなくレーザ共振器を構成す
ることが可能である。具体的には、各素子を円筒状の治
具にそれぞれ固定し、筒状の基準治具に落とし込んだ
り、U字、またはV字構造の基準治具に各素子を治具ご
とに固定する等の方法が考えられる。
【0018】この第三の方法では、熱応答性に優れてい
ること、各光学素子の保持用治具と基準治具との組み立
て時の位置再現性が各治具の加工公差内に抑えられるこ
と、また経時変化に対して強いこと等が挙げられる。
【0019】しかし、第三の方法では、各光学素子をそ
れぞれの保持用治具に固定する際、接着、または機械的
固定法等が行われるが、各光学素子が2面以上の接続面
を持つため、各接続面での線熱膨張係数の違いから生じ
る図11の例に挙げた問題点と同様の問題点が生じるこ
とになる。また、各光学素子をそれぞれ専用の治具で保
持するため、レーザ共振器を小型化するのに限界がある
という問題点もある。
【0020】そこで、本発明は上述の実情に鑑みてなさ
れたものであり、各光学素子間の干渉がなく、熱応答が
十分に得られるレーザ光発生装置の小型化を可能とする
レーザ共振器組立方法をを提供することを目的とする。
【0021】
【課題を解決するための手段】本発明に係るレーザ共振
器組立方法は、上述した課題を解決するため、レーザ共
振用の励起用レーザ光及びこの励起用レーザ光を集束さ
せるための対物レンズとの光軸と、調整用レーザ光の光
軸とを合わせる光軸合わせ工程と、上記調整用レーザ光
の出射位置にスクリーン、すなわち座標版あるいは座標
板を設置するスクリーン設置工程と、上記励起用レーザ
光及び上記調整用レーザ光の光軸に沿った所定位置にレ
ーザ共振器用基板を配置する基板配置工程と、このレー
ザ共振器用基板上に上記調整用レーザ光の光軸に基づい
て複数の光学素子を配置し、上記調整用レーザ光を上記
各光学素子の光学的鏡面にて反射させ得られる反射光を
上記スクリーンに投射して上記各光学素子の設置位置を
決定する位置決定工程と、上記励起用レーザ光を位置決
定工程にて位置を決定した光学素子に照射して光学系全
体のアライメントを行うアライメント工程を有してい
る。
【0022】また、上記調整用レーザ光は、平行状の可
視光領域のレーザ光であることが好ましい。
【0023】また、レーザ共振器部は、固体レーザ素
子、非線形光学結晶素子及び1/4波長板から構成され
ることが挙げられる。
【0024】また、上記1/4波長板を上記固体レーザ
素子貼り付けてもよい。
【0025】また、上記固体レーザ素子としてNd:Y
AG(ネオジム:イットリウム−アルミニウム−ガーネ
ット)結晶を、また上記非線形光学結晶素子として、K
TiOPO4 結晶を用いることが好ましい。
【0026】
【作用】本発明に係るレーザ共振器組立方法によれば、
レーザ共振器を構成する各光学素子を所定の基板上位置
に独立に配置することができるので、上記各光学素子の
線熱膨張係数の違いによる影響を抑えられる。また、上
記各光学素子は、上記基板にそれぞれ独立に接着固定す
ることができるので、熱応答性を犠牲にすることなく第
2高調波発生レーザの立ち上がり時間を短縮できる。
【0027】
【実施例】以下、本発明に係るレーザ共振器組立方法の
好ましい実施例について、図面を参照しながら詳細に説
明する。
【0028】図1は、本発明の実施例となるレーザ共振
器組立方法により組み立てた典型的な第2高調波発生
(SHG:Second harmonic generation)レーザ光を発
生する外部励起型SHGレーザ光発生装置の構成を示し
ている。
【0029】この外部励起型SHGレーザ光発生装置
は、図1に示すように、励起用レーザ発振器1から出射
される励起用レーザ光の光軸上に対物レンズ2、高反射
膜13を被着させた1/4波長板3、固体レーザ素子4
及びSHGレーザ光のみを透過する高反射膜14を被着
させた非線形光学結晶素子5を配置させている。ここ
で、1/4波長板3、固体レーザ素子4及び非線形光学
結晶素子5は、レーザ共振器部12を構成している。
【0030】図2は、本実施例のレーザ共振器組立方法
を適用して、上記外部励起型SHGレーザ光発生装置を
組み立てる際の光学系の構成を示す図である。
【0031】上記光学系は、図2に示すように、大きく
分けて、励起光源部11、レーザ共振器組立部15及び
調整用光学系16に分けられる。励起光源部11は励起
用レーザ発振器1と対物レンズ2とで構成される。レー
ザ共振器組立部15は1/4波長板3、固体レーザ素子
4及び非線形光学結晶素子5で構成されるレーザ共振器
部12が組み立てられる領域であり、レーザ共振器用基
板が所定の位置に接続される。調整用光学系16は、調
整用レーザ発振器7と調整用スクリーン6とで構成され
る。ここで、励起用レーザ発振器1から出射される励起
用レーザ光の光軸上には、対物レンズ2、1/4波長板
3、固体レーザ素子4及び非線形光学結晶素子5が配置
される。また、調整用レーザ発振器7からの調整用レー
ザ光の光軸と上記励起用レーザ光の光軸とは同一にす
る。この調整用レーザ光は、例えばヘリウム−ネオンレ
ーザ光を用い、さらに上記光学素子のそれぞれの光学鏡
面に対して、所定の反射率を有する波長とする。また、
調整用スクリーン6は、上記調整用レーザ光の出射位置
を中心にして配置される。
【0032】先ず、本実施例のレーザ共振器組立方法の
概要を説明する。励起用レーザ発振器1で発振される励
起用レーザ光及び対物レンズ2の光軸と、調整用レーザ
発振器7で発振される調整用レーザ光の光軸とを合わせ
て三次元調整可能で適切な治具に設置する。次に、調整
用スクリーン6を上記調整用レーザ光の出射位置が中心
となるように上記治具に設置する。続いて、上記レーザ
共振器組立部15上で、かつ、上記励起用レーザ光及び
上記調整用レーザ光の光軸に沿った所定位置にレーザ共
振器用基板8を取り付ける。このレーザ共振器用基板を
取り付ける位置は、励起用レーザ光と対物レンズとによ
り設計上要求される位置関係及び調整用レーザ光の光軸
との位置関係を満足するようにする。続いて、レーザ共
振器用基板8上に高反射膜14を被着させた非線形光学
結晶素子5と固体レーザ素子4とを順に位置決めし、接
着固定する。ここで、固体レーザ素子4及び非線形光学
結晶素子5は、それぞれの屈折率や厚さから、素子面の
光学鏡面の相対位置関係が決定されるため、上記調整用
レーザ光を各光学鏡面に当てたときの反射光は、光学設
計上の要請から調整用スクリーン6上の所定の座標位置
に映る。従って、各光学素子の位置決め調整は、各光学
素子からの上記反射光が上記所定の座標位置に乗るよう
に、光学素子をずらしながら調整すればよい。このと
き、調整用スクリーン6と上記光学素子との距離によ
り、位置合わせの精度が決定される。続いて、高反射膜
13を凸部に被着させた1/4波長板3を位置決めする
際に、上記励起用レーザ光を対物レンズ2を介してレー
ザ共振器部12に当てて、所定動作の確認をしてから、
1/4波長板3を固定し、レーザ共振器の組み立てを終
了する。
【0033】図3は、本実施例のレーザ共振器組立方法
の主要工程の第一段階を示す図である。すなわち、非線
形光学結晶素子5の配置位置を、調整用レーザ発振器7
からの調整用レーザ光を参照しながらレーザ共振器用基
板8上で決定する様子を示す。座標は、図中に記される
ように、紙面上下方向をX軸、垂直方向をY軸、左右方
向をZ軸としている。
【0034】ここで、レーザ共振器組立部15内に設置
したレーザ共振器用基板8上には後述する基準線21、
22、23及び24が設けられており、高反射膜14を
被着させた非線形光学結晶素子5を一辺が基準線23
に、また他辺が基準線24に沿うように位置決めする。
調整用レーザ発振器7からは、調整用レーザ光が非線形
光学結晶素子5の光学鏡面に当てられ、反射光が反射光
光路9を通り調整用スクリーン6上に映し出される。
【0035】レーザ共振器用基板8上のX軸及びZ軸方
向では、予め所定の位置関係を示すように基準線21、
22、23及び24が設けられている。例えば、基準線
23は、上記光軸に沿った所定位置に平行度が調整され
て設けられる。この基準線23に基づいて基準線21、
22及び24を設けることができる。例えば、基準線2
3及び24に合わせて、非線形光学結晶素子5を配置
し、上記調整用レーザ光を当てると、非線形光学結晶素
子5の光学鏡面にて反射した反射光は、反射光光路9の
延長上の、調整用スクリーン6上にて、例えばスポット
を形成する。このスポットの位置の座標は、光学素子と
調整用スクリーン6までの距離で決定されるため、この
上記反射光のスポット位置の座標が所定の位置に乗るよ
うに、非線形光学結晶素子5を矢印25で示される方向
に移動させて位置決めを行う。
【0036】図4は、本実施例のレーザ共振器組立方法
の主要工程の第二段階を示す図である。すなわち、レー
ザ共振器用基板8上での接続位置が調整された非線形光
学結晶素子5を固定する様子を示す。座標は、図2と同
様、紙面上下方向をX軸、垂直方向をY軸、左右方向を
Z軸としている。
【0037】図4で、光学素子を固定する方法として、
例えば、光学素子の調整を行う直前に、レーザ共振器用
基板8上に接着剤、例えば紫外光硬化型接着剤を塗布し
ておき、上記調整が終了した後、紫外光を照射して固定
するのが考えられる。特に、紫外光硬化型接着剤の中で
も、シリコン系接着剤を使用するとレーザ共振器用基板
8と、光学素子及び接着剤の線熱膨張係数が異なる場合
でも、ストレスの発生を防止することができる。また、
非線形光学結晶素子5をレーザ共振器用基板8に固定し
た後は、Y軸方向の調整を行うことができないため、予
め、非線形光学結晶素子5の加工精度を考慮した寸法誤
差、いわゆるトレランスを光学設計に折り込んでおくよ
うにする。このことは、他の光学素子についても同様で
ある。また、非線形光学結晶素子5を固定した後、固体
レーザ素子4についても、同様にレーザ共振器用基板8
に接続位置の調整、固定を行う。
【0038】図5は、本実施例のレーザ共振器組立方法
の主要工程の残りの段階を示す図である。すなわち、非
線形光学結晶素子5、固体レーザ素子4を固定したレー
ザ共振器用基板8上に、高反射膜13を被着させた1/
4波長板3を接続する様子を示す。座標は、図2及び図
3と同様、紙面上下方向をX軸、垂直方向をY軸、左右
方向をZ軸としている。
【0039】図5において、レーザ共振器部12のレー
ザ共振器用基板8に基準線21及び23に沿って1/4
波長板3が配置され、基準線22及び23に沿って固体
レーザ素子4が固定され、基準線23及び24に沿って
非線形光学結晶素子5が固定されている。
【0040】そして、レーザ共振器用基板8上の1/4
波長板3の位置決め調整は、作製しているレーザ共振器
の出射動作状態に応じて行う。この調整は、励起用レー
ザ発振器1から励起用レーザ光を対物レンズ2を介し
て、1/4波長板3に当てて、レーザ共振器部12から
SHGレーザ光を発生させ、調整用スクリーン6上に映
し出されるレーザスポットの位置を観測しながら、1/
4波長板3の接続をずらしながら行う。この動作の確認
後、1/4波長板3の固定を行いレーザ共振器の組み立
てを終了する。
【0041】図6は、本実施例のレーザ共振器組立方法
にて作製したレーザ共振器を含む外部励起型SHGグリ
ーンレーザ光発生装置の具体例を示す図である。
【0042】図6において、図1の固体レーザ素子4と
して、ネオジム:イットリウム−アルミニウム−ガーネ
ット結晶(以下、Nd:YAGという。)34を、ま
た、図1の非線形光学結晶素子5として、KTiOPO
4 、(以下、KTPという。)35を用いている。1/
4波長板3の励起用レーザ発振器1側はレーザ共振器の
ミラーを兼ねるための高反射膜13を被着させ、またK
TP35の出射端側はSGHレーザ光の出力光の緑色光
を透過させ、Nd:YAG34で発振されるレーザ光を
反射させるような蒸着膜36を被着させる。また、1/
4波長板3の励起用レーザ発振器側は、球面を有してい
る。
【0043】図7は、本実施例にて作製したレーザ共振
器の他の具体例を示す図である。
【0044】図7において、レーザ共振器用基板とし
て、熱効率の高い銅基板38が用いられている。また、
1/4波長板3は、銅基板38に直接接着されず、N
d:YAG34の光学鏡面にアクリル系紫外光硬化型接
着剤にて接着面42で接着される。また、Nd:YAG
34は接着面41で、KTP35は接着面43で、シリ
コン系紫外光硬化型接着剤にて銅基板38上に固定され
る。
【0045】図7で、1/4波長板3が、銅基板38に
ではなく、Nd:YAG34の光学鏡面に接着されるの
は、1/4波長板3はきわめて薄いため、経時的な相対
位置ずれが生じることを防ぐためである。また、1/4
波長板3は、十分に薄いため直接銅基板38から遊離さ
せても、銅基板38に接続するのと同じくらいの熱応答
特性が得られる。
【0046】以上のように本実施例のレーザ共振器組立
方法で、レーザ共振器を構成することで、すなわち、レ
ーザ基板上に個々の光学素子を独立に配し、これらの光
学素子で構成されるレーザ共振器に入力する励起用レー
ザと同一の光軸上を通る調整用レーザ光を各光学素子の
光学鏡面に当てて得られる反射光を、上記調整用レーザ
光の出射位置に設けた調整用スクリーンにて観測し、各
反射光を所定の位置関係に調整、固定するようなレーザ
共振器組立方法により、上記各光学素子を、簡素な光学
系を用いて、高精度に配置するレーザ共振器を構成する
ことができる。また、上記各光学素子の上記レーザ共振
器上での位置決め調整を行う際に得られる調整信号を、
上記各光学素子に対して非接触に得られるため、位置決
め調整時の各光学素子の光学鏡面の汚れ、特性変化を極
力防ぐことができる。
【0047】なお、本実施例では、光学素子を接続する
順序を、非線形光学結晶素子、固体レーザ素子及び1/
4波長板としたが、これに限定されるものではなく、1
/4波長板、固体レーザ素子及び非線形光学結晶素子の
順序にして、レーザ共振器用基板上の非線形光学結晶素
子の位置決め調整は、作製しているレーザ共振器の出射
動作状態に応じて行えばよい。
【0048】また、具体例及び他の具体例では、非線形
光学結晶素子として、KTPを用いたが、これに限定さ
れることはなく、例えばLiNbO3 あるいはKNbO
3 等の他の非線形光学結晶素子を用いても同様の効果を
得ることは言うまでもない。
【0049】また、他の具体例では、1/4波長板を直
接レーザ共振器用基板に接着するのではなく、Nd:Y
AGの光学鏡面に貼り付けて、Nd:YAGをレーザ共
振器用基板に接着していたが、これに限定されるもので
はなく、例えば1/4波長板が十分な厚みを持つ光学素
子として、光学設計をなすことができる場合、1/4波
長板とNd:YAGとは独立にレーザ共振器用基板に接
着してもよい。
【0050】また、スクリーンあるいは座標板として、
レーザ光を投射するためのスクリーンを用いたが、こち
らもこれに限定されることはなく、フォトダイオード
(photodiode)等の他の感光素子を用いて、モニタして
もよい。
【0051】
【発明の効果】以上、説明してきたように、本発明に係
るレーザ共振器組立方法によれば、レーザ共振用の励起
用レーザ光及びこの励起用レーザ光を集束させるための
対物レンズとの光軸と、調整用レーザ光の光軸とを合わ
せる光軸合わせ工程と、上記調整用レーザ光の出射位置
にスクリーンを設置するスクリーン設置工程と、上記励
起用レーザ光及び上記調整用レーザ光の光軸に沿った所
定位置にレーザ共振器用基板を配置する基板配置工程
と、このレーザ共振器用基板上に上記調整用レーザ光の
光軸に基づいて複数の光学素子を配置し、上記調整用レ
ーザ光を上記各光学素子の光学的鏡面にて反射させ得ら
れる反射光を上記スクリーンに投射して上記各光学素子
の設置位置を決定する位置決定工程と、上記励起用レー
ザ光を位置決定工程にて位置を決定した光学素子に照射
して光学系全体のアライメントを行うアライメント工程
を有しているため、上記各光学素子間の干渉がなく、熱
応答が十分に得られるレーザ共振器の構成を行うことが
できる。また、構成するレーザ共振器の小型化が図れ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るレーザ共振器組立方法にて組み立
てたレーザ共振器を含む外部励起型SHGレーザ光発生
装置の概略構成を示す図である。
【図2】本実施例にて外部励起型SHGレーザ発生装置
を組み立てる際の光学系を示す図である。
【図3】本実施例のレーザ共振器組立方法の主要工程の
第一段階を説明する図である。
【図4】本実施例のレーザ共振器組立方法の主要工程の
第二段階を説明する図である。
【図5】本実施例のレーザ共振器組立方法の主要工程の
残りの段階を説明する図である。
【図6】本実施例にて作製したレーザ共振器を含むレー
ザ光発生装置の具体例を示す図である。
【図7】本実施例にて作製したレーザ共振器の他の具体
例を示す図である。
【図8】従来のレーザ共振器の構成の一例を示す図であ
る。
【図9】従来のレーザ共振器の組み立ての第一の方法の
概要を示す図である。
【図10】第一の方法による従来のレーザ共振器の組み
立て例を示す図である。
【図11】従来のレーザ共振器の第一の組み立て例の要
部の拡大した様子を示す図である。
【図12】第一の方法による従来のレーザ共振器の他の
組み立て例をを示す図である。
【図13】従来のレーザ共振器の組み立ての第二の方法
の概要を示す図である。
【符号の説明】
1 励起用レーザ発振器 2 対物レンズ 3 1/4波長板 4 固体レーザ素子 5 非線形光学結晶素子 6 調整用スクリーン 7 調整用レーザ発振器 8 レーザ共振器用基板 9 反射光光路 11 励起光源部 12 レーザ共振器部 13 高反射膜 14 高反射膜 15 レーザ共振器組立部 16 調整用光学系 34 Nd:YAG 35 KTP 36 蒸着膜 38 銅基板 39 レーザ共振器

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数の光学素子のレーザ共振器上での位
    置決め調整をするのに調整用レーザ光及び調整用スクリ
    ーンから成る調整用光学系を用いて行うレーザ共振器組
    立方法であって、 レーザ共振用の励起用レーザ光の光軸と、上記励起用レ
    ーザ光を集束させるための対物レンズとの光軸と、上記
    調整用レーザ光の光軸とを合わせる光軸合わせ工程と、 上記励起用レーザ光及び上記調整用レーザ光の光軸に沿
    った所定位置にレーザ共振器用基板を配置する基板配置
    工程と、 上記レーザ共振器用基板上に各光学素子を配置し、上記
    調整用レーザ光を各光学素子の光学的鏡面にて反射さ
    せ、この反射光を上記スクリーンに投射して上記各光学
    素子の設置位置を決定する位置決定工程と、 最終的に、上記励起用レーザ光を位置決定工程にて位置
    を決定した光学素子に照射して、光学系全体のアライメ
    ントを行うアライメント工程とを有することを特徴とす
    るレーザ共振器組立方法。
  2. 【請求項2】 上記調整用レーザ光は、平行状の可視光
    領域のレーザ光であることを特徴とする請求項1記載の
    レーザ共振器組立方法。
  3. 【請求項3】 上記レーザ光共振器は、一対の反射面間
    に、固体レーザ素子、非線形光学結晶素子、1/4波長
    板を備えることを特徴とする請求項1記載のレーザ共振
    器組立方法。
  4. 【請求項4】 上記1/4波長板を、上記固体レーザ素
    子に貼り付けることを特徴とする請求項3記載のレーザ
    共振器組立方法。
  5. 【請求項5】 上記固体レーザ素子としてNd:YAG
    (ネオジム:イットリウム−アルミニウム−ガーネッ
    ト)結晶を、上記非線形光学結晶素子としてKTiOP
    4 結晶を用いることを特徴とする請求項3記載のレー
    ザ共振器組立方法。
JP19243794A 1994-08-16 1994-08-16 レーザ共振器組立方法 Expired - Fee Related JP3336753B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP19243794A JP3336753B2 (ja) 1994-08-16 1994-08-16 レーザ共振器組立方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP19243794A JP3336753B2 (ja) 1994-08-16 1994-08-16 レーザ共振器組立方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH0856042A true JPH0856042A (ja) 1996-02-27
JP3336753B2 JP3336753B2 (ja) 2002-10-21

Family

ID=16291295

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP19243794A Expired - Fee Related JP3336753B2 (ja) 1994-08-16 1994-08-16 レーザ共振器組立方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3336753B2 (ja)

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009004818A (ja) * 2008-10-03 2009-01-08 Sony Corp 固体レーザ光発振器および固体レーザ光発振装置
KR100945973B1 (ko) * 2007-12-28 2010-03-09 재단법인서울대학교산학협력재단 고해상도 바늘구멍 조준기 스펙트 영상화를 위한 회전축교정 장치 및 그 방법
JPWO2012124266A1 (ja) * 2011-03-17 2014-07-17 パナソニック株式会社 波長変換レーザ光源及び画像表示装置
CN105680300A (zh) * 2016-04-29 2016-06-15 江苏师范大学 一种He-Ne精校准方法
JP2017041528A (ja) * 2015-08-19 2017-02-23 住友電気工業株式会社 光モジュールの製造方法

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100945973B1 (ko) * 2007-12-28 2010-03-09 재단법인서울대학교산학협력재단 고해상도 바늘구멍 조준기 스펙트 영상화를 위한 회전축교정 장치 및 그 방법
JP2009004818A (ja) * 2008-10-03 2009-01-08 Sony Corp 固体レーザ光発振器および固体レーザ光発振装置
JPWO2012124266A1 (ja) * 2011-03-17 2014-07-17 パナソニック株式会社 波長変換レーザ光源及び画像表示装置
US9172201B2 (en) 2011-03-17 2015-10-27 Panasonic Intellectual Property Management Co., Ltd. Wavelength conversion laser light source, and image display device
JP2017041528A (ja) * 2015-08-19 2017-02-23 住友電気工業株式会社 光モジュールの製造方法
CN105680300A (zh) * 2016-04-29 2016-06-15 江苏师范大学 一种He-Ne精校准方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP3336753B2 (ja) 2002-10-21

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US6111900A (en) Solid-state laser apparatus and method with second harmonic wave features
US7839908B2 (en) Mode control waveguide laser device
US7817704B2 (en) Monoblock laser with improved alignment features
EP0512816B1 (en) Laser resonator assembly
US20070264734A1 (en) Solid-state laser device and method for manufacturing wavelength conversion optical member
WO2004032293A1 (ja) レーザ光発生装置及びその製造方法
JP3336753B2 (ja) レーザ共振器組立方法
JP5247795B2 (ja) 光モジュール
US6628692B2 (en) Solid-state laser device and solid-state laser amplifier provided therewith
JPH05121803A (ja) 半導体励起固体レーザ
US7212559B2 (en) Optical resonator and laser oscillator
JP2000305120A (ja) 共振器及び共振器を有する顕微鏡
JP3052546B2 (ja) 半導体励起固体レーザ装置
JP5039117B2 (ja) 光源の製造装置および光源の製造方法
JP2001189511A (ja) コンポジットレーザ結晶及びそれを用いた固体レーザ装置
JP2004128140A (ja) レーザ光発生装置
US20230031153A1 (en) Device Component Assembly And Manufacturing Method Thereof
JPH06188489A (ja) 光共振器の組立方法
US20080020083A1 (en) Method for joining optical members, structure for integrating optical members and laser oscillation device
US20230185157A1 (en) Wavelength Converter
JP3321317B2 (ja) エタロン作製方法
JPH0799354A (ja) レーザ光発生装置
JP3024349B2 (ja) 半導体励起固体レーザ
JP2000269574A (ja) 半導体レーザー励起固体レーザーおよびその調整方法
JP2003304019A (ja) 波長変換レーザ装置

Legal Events

Date Code Title Description
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20020709

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080809

Year of fee payment: 6

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees