JPH0855571A - 近赤外線吸収性有機金属物質を用いる電子放出素子および画像形成装置の製造方法 - Google Patents
近赤外線吸収性有機金属物質を用いる電子放出素子および画像形成装置の製造方法Info
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- JPH0855571A JPH0855571A JP20937794A JP20937794A JPH0855571A JP H0855571 A JPH0855571 A JP H0855571A JP 20937794 A JP20937794 A JP 20937794A JP 20937794 A JP20937794 A JP 20937794A JP H0855571 A JPH0855571 A JP H0855571A
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 レーザーによる加熱焼成を容易にし、焼成と
パターニングを同時に実施することにより工程を短縮
し、有機金属化合物の利用効率を向上できる電子放出素
子の製造方法を提供する。 【構成】 対向する電極5、6間に電子放出材料を含む
有機金属化合物からなる薄膜8を成膜し、次いで加熱焼
成した後、通電処理して薄膜に電子放出部3を形成する
電子放出素子の製造方法において、有機金属化合物から
なる薄膜8にあらかじめ近赤外吸収性を付与し、レーザ
ーにより加熱焼成することにより、電子放出部形成用薄
膜4の焼成とパターニング工程を同時に実施する電子放
出素子の製造方法。
パターニングを同時に実施することにより工程を短縮
し、有機金属化合物の利用効率を向上できる電子放出素
子の製造方法を提供する。 【構成】 対向する電極5、6間に電子放出材料を含む
有機金属化合物からなる薄膜8を成膜し、次いで加熱焼
成した後、通電処理して薄膜に電子放出部3を形成する
電子放出素子の製造方法において、有機金属化合物から
なる薄膜8にあらかじめ近赤外吸収性を付与し、レーザ
ーにより加熱焼成することにより、電子放出部形成用薄
膜4の焼成とパターニング工程を同時に実施する電子放
出素子の製造方法。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は電子放出素子及び画像形
成装置の製造方法に関するものである。
成装置の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、電子放出素子としては、熱電子源
と冷陰極電子源の2種類が知られている。冷陰極電子源
には電界放射型(以下FEと略す)、金属/絶縁層/金
属型(以下MIM)と略す)や表面伝導型電子放出素子
(以下SCEと略す)等がある。
と冷陰極電子源の2種類が知られている。冷陰極電子源
には電界放射型(以下FEと略す)、金属/絶縁層/金
属型(以下MIM)と略す)や表面伝導型電子放出素子
(以下SCEと略す)等がある。
【0003】FE型の例としては、W.P.Dyke&
W.W.Dolan,“Fieldemissio
n”,Advance in Electron Ph
ysics、8、89(1956)およびC.A.Sp
indt、“Physicalproperties
of thin film−field emissi
on cathodes with molybden
um cones”、J.Appl.Phys.、4
7、5248(1976)等が知られている。
W.W.Dolan,“Fieldemissio
n”,Advance in Electron Ph
ysics、8、89(1956)およびC.A.Sp
indt、“Physicalproperties
of thin film−field emissi
on cathodes with molybden
um cones”、J.Appl.Phys.、4
7、5248(1976)等が知られている。
【0004】MIM型の例としては、C.A.Mea
d、“The Tunnel−emission am
plifier”、J.Appl.Phys.、32、
646(1961)等が知られている。
d、“The Tunnel−emission am
plifier”、J.Appl.Phys.、32、
646(1961)等が知られている。
【0005】SCE型の例としては、M.I.ELIS
ON、Radio Eng.Electron Phy
s.、10(1965)等がある。
ON、Radio Eng.Electron Phy
s.、10(1965)等がある。
【0006】この表面伝導型電子放出素子(SCE)と
しては、前記エリソン等によるSnO2 薄膜を用いたも
の、Au薄膜によるもの[G.Dittmer:“Th
inSolid Films”、9、317(197
2)]、In2 O3 /SnO2 薄膜によるもの[M.H
artwell and C.G.Fonstad:
“IEEE Trans.ED Conf.”519
(1975)]、カーボン薄膜によるもの[荒木久
他:真空、第一号、22頁(1983)]等が報告され
ている。
しては、前記エリソン等によるSnO2 薄膜を用いたも
の、Au薄膜によるもの[G.Dittmer:“Th
inSolid Films”、9、317(197
2)]、In2 O3 /SnO2 薄膜によるもの[M.H
artwell and C.G.Fonstad:
“IEEE Trans.ED Conf.”519
(1975)]、カーボン薄膜によるもの[荒木久
他:真空、第一号、22頁(1983)]等が報告され
ている。
【0007】これらの表面伝導型電子放出素子の典型的
な素子構成の一例を図10に示す。電子放出部形成用薄
膜は、たとえば次のように形成される。つまり、電子放
出部形成用薄膜を形成させたくないところにはテープま
たはレジスト膜を設け、その後ディッピング法またはス
ピナー法で有機金属化合物を塗布した後、テープまたは
レジスト膜を剥離することにより所定の位置に微粒子膜
を形成した後、数百℃で焼成し、金属または金属酸化物
微粒子からなる電子放出部形成用薄膜2を形成する。
な素子構成の一例を図10に示す。電子放出部形成用薄
膜は、たとえば次のように形成される。つまり、電子放
出部形成用薄膜を形成させたくないところにはテープま
たはレジスト膜を設け、その後ディッピング法またはス
ピナー法で有機金属化合物を塗布した後、テープまたは
レジスト膜を剥離することにより所定の位置に微粒子膜
を形成した後、数百℃で焼成し、金属または金属酸化物
微粒子からなる電子放出部形成用薄膜2を形成する。
【0008】これらの表面伝導型電子放出素子において
は、電子放出を行う前に電子放出部形成用薄膜2を予め
フォーミングと呼ばれる通電処理によって電子放出部3
を形成するのが一般的であった。すなわちフォーミング
とは、前記電子放出部形成用薄膜2の両端に電圧を印加
通電し、電子放出部形成用薄膜を局部的に破壊、変形も
しくは変性せしめ、電気的に高抵抗な状態にした電子放
出部3を形成することである。尚、電子放出部3は電子
放出部形成用薄膜2の一部に亀裂が発生し、その亀裂付
近から電子放出が行われる。以下、フォーミングにより
形成した電子放出部を含む電子放出部形成用薄膜2を電
子放出部を含む薄膜4と呼ぶ。
は、電子放出を行う前に電子放出部形成用薄膜2を予め
フォーミングと呼ばれる通電処理によって電子放出部3
を形成するのが一般的であった。すなわちフォーミング
とは、前記電子放出部形成用薄膜2の両端に電圧を印加
通電し、電子放出部形成用薄膜を局部的に破壊、変形も
しくは変性せしめ、電気的に高抵抗な状態にした電子放
出部3を形成することである。尚、電子放出部3は電子
放出部形成用薄膜2の一部に亀裂が発生し、その亀裂付
近から電子放出が行われる。以下、フォーミングにより
形成した電子放出部を含む電子放出部形成用薄膜2を電
子放出部を含む薄膜4と呼ぶ。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記有
機金属化合物からなる薄膜を成膜した後、加熱焼成する
ことにより電子放出部形成用薄膜を形成する方法におい
ては次のような問題があった。
機金属化合物からなる薄膜を成膜した後、加熱焼成する
ことにより電子放出部形成用薄膜を形成する方法におい
ては次のような問題があった。
【0010】(1)電子放出部形成用薄膜は基板及び電
極上の一部分のみに形成する必要があるが、従来の方法
においては、これを含む全面に形成した後、不要な部分
を除去することにより作成する必要があり、高価な有機
金属化合物の利用効率が十分ではなかった。 (2)前項の、不要な部分を除去する工程においてフォ
トレジストを用いるフォトリソグラフィープロセスを用
いる必要があり、工程が複雑でコストがかさむ。 (3)前記加熱焼成工程においては、基板、電極を含む
すべての材料が同時に300℃から400℃に加熱され
るために、これらの材料に高い耐熱性が要求された。
極上の一部分のみに形成する必要があるが、従来の方法
においては、これを含む全面に形成した後、不要な部分
を除去することにより作成する必要があり、高価な有機
金属化合物の利用効率が十分ではなかった。 (2)前項の、不要な部分を除去する工程においてフォ
トレジストを用いるフォトリソグラフィープロセスを用
いる必要があり、工程が複雑でコストがかさむ。 (3)前記加熱焼成工程においては、基板、電極を含む
すべての材料が同時に300℃から400℃に加熱され
るために、これらの材料に高い耐熱性が要求された。
【0011】本発明は、この様な従来技術の問題点を解
決するためになされたものであり、有機金属化合物から
なる薄膜に近赤外線吸収性を付与し、レーザー光により
薄膜の電子放出部を形成する部分のみを選択的に加熱す
ることにより、有機金属化合物の利用効率を高め、フォ
トリソグラフィープロセスを用いず、電極材料に過度の
熱的負担をかけない、電子放出素子および画像形成装置
の製造方法を提供することを目的とするものである。
決するためになされたものであり、有機金属化合物から
なる薄膜に近赤外線吸収性を付与し、レーザー光により
薄膜の電子放出部を形成する部分のみを選択的に加熱す
ることにより、有機金属化合物の利用効率を高め、フォ
トリソグラフィープロセスを用いず、電極材料に過度の
熱的負担をかけない、電子放出素子および画像形成装置
の製造方法を提供することを目的とするものである。
【0012】
【課題を解決するための手段】即ち、本発明は、対向す
る電極間に電子放出材料を含む薄膜を成膜し、次いで加
熱焼成した後通電処理して薄膜に電子放出部を形成する
電子放出素子の製造方法において、前記薄膜に近赤外線
吸収性有機金属物質を用いることを特徴とする電子放出
素子の製造方法である。
る電極間に電子放出材料を含む薄膜を成膜し、次いで加
熱焼成した後通電処理して薄膜に電子放出部を形成する
電子放出素子の製造方法において、前記薄膜に近赤外線
吸収性有機金属物質を用いることを特徴とする電子放出
素子の製造方法である。
【0013】また、本発明は、複数の電子放出素子を有
する画像形成装置で、対向する電極間に電子放出材料を
含む薄膜を成膜し、次いで加熱焼成した後通電処理して
薄膜に電子放出部を形成する電子放出素子の製造方法に
おいて、前記薄膜に近赤外線吸収性有機金属物質を用い
ることを特徴とする画像形成装置の製造方法である。以
下、本発明を詳細に説明する。図1は本発明の電子放出
素子の製造方法の一実施態様を示す工程図である。図2
は本発明の方法によって製造された電子放出素子の一例
を示す説明図であり、図2(a)は平面図、図2(b)
はAA線断面図を示す。
する画像形成装置で、対向する電極間に電子放出材料を
含む薄膜を成膜し、次いで加熱焼成した後通電処理して
薄膜に電子放出部を形成する電子放出素子の製造方法に
おいて、前記薄膜に近赤外線吸収性有機金属物質を用い
ることを特徴とする画像形成装置の製造方法である。以
下、本発明を詳細に説明する。図1は本発明の電子放出
素子の製造方法の一実施態様を示す工程図である。図2
は本発明の方法によって製造された電子放出素子の一例
を示す説明図であり、図2(a)は平面図、図2(b)
はAA線断面図を示す。
【0014】以下、順をおって、本発明の製造方法の説
明を図1及び図2に基づいて説明する。 (1)絶縁性基板1を洗剤、純水および有機溶剤により
十分洗浄後、真空蒸着法、スパッタ法などにより素子電
極材料を積層した後、フォトリソグラフィー技術により
該絶縁性基板1の面上に素子電極5、6を形成する。 (2)次いで全面に近赤外線吸収性有機金属物質の溶液
を回転塗布して放置することにより近赤外線吸収性有機
金属組成物からなる薄膜8を形成する。
明を図1及び図2に基づいて説明する。 (1)絶縁性基板1を洗剤、純水および有機溶剤により
十分洗浄後、真空蒸着法、スパッタ法などにより素子電
極材料を積層した後、フォトリソグラフィー技術により
該絶縁性基板1の面上に素子電極5、6を形成する。 (2)次いで全面に近赤外線吸収性有機金属物質の溶液
を回転塗布して放置することにより近赤外線吸収性有機
金属組成物からなる薄膜8を形成する。
【0015】(3)この後、図4の点線内部分Rに半導
体レーザーを照射し、この部分のみを加熱焼成して金属
または金属酸化物微粒子薄膜10を形成する。通常、波
長830nm、出力5〜30mW、パルス幅1〜10μ
sec、ビーム径1〜3μmの半導体レーザーの照射に
より、近赤外線吸収性有機金属組成物を300℃から6
00℃に加熱することができるが、加熱温度、焼成温度
は、近赤外線吸収性有機金属組成物および基板、電極な
どの諸特性により異なるので、レーザー出力、パルス幅
およびパルス数を変化させて最適焼成条件を選択する。
体レーザーを照射し、この部分のみを加熱焼成して金属
または金属酸化物微粒子薄膜10を形成する。通常、波
長830nm、出力5〜30mW、パルス幅1〜10μ
sec、ビーム径1〜3μmの半導体レーザーの照射に
より、近赤外線吸収性有機金属組成物を300℃から6
00℃に加熱することができるが、加熱温度、焼成温度
は、近赤外線吸収性有機金属組成物および基板、電極な
どの諸特性により異なるので、レーザー出力、パルス幅
およびパルス数を変化させて最適焼成条件を選択する。
【0016】また、基板の移動とレーザー照射を繰り返
すことにより、図4の点線内部分全域を加熱焼成でき
る。その後、有機溶剤を用いて未焼成部の近赤外線吸収
性有機金属組成物を除去回収し、電子放出部形成用薄膜
2を形成する。尚、回収した近赤外線吸収性有機金属組
成物溶液は、適宜精製した後再利用できる。
すことにより、図4の点線内部分全域を加熱焼成でき
る。その後、有機溶剤を用いて未焼成部の近赤外線吸収
性有機金属組成物を除去回収し、電子放出部形成用薄膜
2を形成する。尚、回収した近赤外線吸収性有機金属組
成物溶液は、適宜精製した後再利用できる。
【0017】(4)続いて、フォーミングと呼ばれる通
電処理を素子電極5、6間に電圧を不図示の電源により
パルス状あるいは、高速の昇電圧による通電処理が行わ
れると、電子放出部形成用薄膜2の部位に構造の変化し
た電子放出部3が形成される。この通電処理により電子
放出部形成用薄膜2を局部的に破壊、変形もしくは変性
せしめ、構造の変化した部位を電子放出部3と呼ぶ。
電処理を素子電極5、6間に電圧を不図示の電源により
パルス状あるいは、高速の昇電圧による通電処理が行わ
れると、電子放出部形成用薄膜2の部位に構造の変化し
た電子放出部3が形成される。この通電処理により電子
放出部形成用薄膜2を局部的に破壊、変形もしくは変性
せしめ、構造の変化した部位を電子放出部3と呼ぶ。
【0018】フォーミング処理の電圧波形を図6に示
す。図6中、T1 及びT2 は電圧波形のパルス幅とパル
ス間隔であり、T1 を1マイクロ秒〜10ミリ秒、T2
を10マイクロ秒〜100ミリ秒とし、三角波の波高値
(フォーミング時のピーク電圧)は4V〜10V程度と
し、フォーミング処理は真空雰囲気下で数十秒程度で適
宜設定した。
す。図6中、T1 及びT2 は電圧波形のパルス幅とパル
ス間隔であり、T1 を1マイクロ秒〜10ミリ秒、T2
を10マイクロ秒〜100ミリ秒とし、三角波の波高値
(フォーミング時のピーク電圧)は4V〜10V程度と
し、フォーミング処理は真空雰囲気下で数十秒程度で適
宜設定した。
【0019】以上説明した電子放出部を形成する際に、
素子の電極間に三角波パルスを印加してフォーミング処
理を行っているが、素子の電極間に印加する波形は三角
波に限定することはなく、矩形波など所望の波形を用い
ても良く、その波高値及びパルス幅・パルス間隔等につ
いても上述の値に限ることなく、電子放出部が良好に形
成されれば所望の値を選択することができる。
素子の電極間に三角波パルスを印加してフォーミング処
理を行っているが、素子の電極間に印加する波形は三角
波に限定することはなく、矩形波など所望の波形を用い
ても良く、その波高値及びパルス幅・パルス間隔等につ
いても上述の値に限ることなく、電子放出部が良好に形
成されれば所望の値を選択することができる。
【0020】上述のような製造方法によって作成された
本発明にかかわる電子放出素子の特性については、図5
の測定評価装置を用いて測定される。図5は、図2で示
した構成を有する素子の電子放出特性を測定するための
測定評価装置の概略構成図である。図5において、1は
絶縁性基板、5及び6は素子電極、4は電子放出部を含
む薄膜、3は電子放出部を示す。また、31は素子に素
子電圧Vfを印加するための電源、30は素子電極5、
6間の電子放出部を含む薄膜4を流れる素子電流Ieを
補足するためのアノード電極34に電圧を印加するため
の高圧電源、32は素子の電子放出部3より放出される
放出電流Ieを測定するための電流計である。
本発明にかかわる電子放出素子の特性については、図5
の測定評価装置を用いて測定される。図5は、図2で示
した構成を有する素子の電子放出特性を測定するための
測定評価装置の概略構成図である。図5において、1は
絶縁性基板、5及び6は素子電極、4は電子放出部を含
む薄膜、3は電子放出部を示す。また、31は素子に素
子電圧Vfを印加するための電源、30は素子電極5、
6間の電子放出部を含む薄膜4を流れる素子電流Ieを
補足するためのアノード電極34に電圧を印加するため
の高圧電源、32は素子の電子放出部3より放出される
放出電流Ieを測定するための電流計である。
【0021】電子放出素子の上記素子電流If、放出電
流Ieの測定にあたっては、素子電極5、6に電源31
と電流計32とを接続し、該電子放出素子の上方に電源
33と電流計32とを接続したアノード電極34を配置
している。また、本電子放出素子及びアノード電極34
は真空装置内に設置され、その真空装置には不図示の排
気ポンプ及び真空計等の真空装置に必要な機器が具備さ
れており、所望の真空下で測定評価を行えるようになっ
ている。なお、アノード電極の電圧は1KV〜10K
V、アノード電極と電子放出素子との距離Hは3mm〜
8mmの範囲で測定した。
流Ieの測定にあたっては、素子電極5、6に電源31
と電流計32とを接続し、該電子放出素子の上方に電源
33と電流計32とを接続したアノード電極34を配置
している。また、本電子放出素子及びアノード電極34
は真空装置内に設置され、その真空装置には不図示の排
気ポンプ及び真空計等の真空装置に必要な機器が具備さ
れており、所望の真空下で測定評価を行えるようになっ
ている。なお、アノード電極の電圧は1KV〜10K
V、アノード電極と電子放出素子との距離Hは3mm〜
8mmの範囲で測定した。
【0022】図7は、本発明に係る電子放出素子の電流
−電圧特性の一例で特性を示すグラフである。放出電流
Ieと素子電流Ifを素子電極間に印加する電圧に対し
てプロットしたものである。尚、IfとIeは、著しく
異なるために、任意単位である。
−電圧特性の一例で特性を示すグラフである。放出電流
Ieと素子電流Ifを素子電極間に印加する電圧に対し
てプロットしたものである。尚、IfとIeは、著しく
異なるために、任意単位である。
【0023】本発明において、近赤外線吸収性有機金属
物質は、有機金属化合物自体に近赤外線吸収基を導入し
近赤外線吸収性を付与する方法により得られた化合物も
しくは、有機金属化合物と近赤外線吸収性化合物を混合
する方法により得られた組成物の主として2つの方法に
より調製できる。
物質は、有機金属化合物自体に近赤外線吸収基を導入し
近赤外線吸収性を付与する方法により得られた化合物も
しくは、有機金属化合物と近赤外線吸収性化合物を混合
する方法により得られた組成物の主として2つの方法に
より調製できる。
【0024】前者の方法における近赤外線吸収性有機金
属化合物の一例を挙げると、下記の化1〜化11の化合
物例に示す様に、フタロシアニン系金属錯体(1c,1
e,1f,2a,2c)、ジチオール系金属錯塩(3〜
6)、メルカプトナフトール金属錯塩(7)、ポリメチ
ン系金属錯体(37と8〜22との錯体)、ナフトキノ
ン系金属錯体(37と26〜28との錯体)、アントラ
キノン系金属錯体(37と29〜34との錯体)、トリ
フェニルメタン系金属錯体(37と35〜36との錯
体)、アミニウム・ジイモニウム系金属錯体(37と2
3〜25との錯体)などがある。
属化合物の一例を挙げると、下記の化1〜化11の化合
物例に示す様に、フタロシアニン系金属錯体(1c,1
e,1f,2a,2c)、ジチオール系金属錯塩(3〜
6)、メルカプトナフトール金属錯塩(7)、ポリメチ
ン系金属錯体(37と8〜22との錯体)、ナフトキノ
ン系金属錯体(37と26〜28との錯体)、アントラ
キノン系金属錯体(37と29〜34との錯体)、トリ
フェニルメタン系金属錯体(37と35〜36との錯
体)、アミニウム・ジイモニウム系金属錯体(37と2
3〜25との錯体)などがある。
【0025】また、後者の方法における近赤外線吸収性
有機金属組成物は、有機金属化合物または有機錯化合物
と、近赤外線吸収性色素との混合により調製できる。近
赤外線吸収性色素の例としてはフタロシアニン系色素
(1a,1b,1d,2b)、ポリメチン系色素(8〜
22)、ナフトキノン系色素(26〜28)、アントラ
キノン系色素(29〜34)、トリフェニルメタン系色
素(35,36)、アミニウム・ジイモニウム系色素
(23〜25)などがある。
有機金属組成物は、有機金属化合物または有機錯化合物
と、近赤外線吸収性色素との混合により調製できる。近
赤外線吸収性色素の例としてはフタロシアニン系色素
(1a,1b,1d,2b)、ポリメチン系色素(8〜
22)、ナフトキノン系色素(26〜28)、アントラ
キノン系色素(29〜34)、トリフェニルメタン系色
素(35,36)、アミニウム・ジイモニウム系色素
(23〜25)などがある。
【0026】また、有機金属化合物としては、金属−炭
素結合を持つ化合物、有機酸金属塩、アルコキシド、そ
の他の有機錯化合物など、焼成して金属または金属酸化
物を与える化合物であれば、金属の種類を問わず使用可
能である。一例を挙げると、酢酸金属塩(37)、アセ
チルアセトナト金属錯体などがある。なお、有機金属化
合物と近赤外線吸収性色素との混合モル比は20:1か
ら1:2、好ましくは20:1から5:1の範囲が望ま
しい。近赤外線吸収性色素がこの範囲より少ないと十分
な近赤外線吸収性が達成できず、またこの範囲より多い
と、焼成に必要な近赤外線の光量が増大する。
素結合を持つ化合物、有機酸金属塩、アルコキシド、そ
の他の有機錯化合物など、焼成して金属または金属酸化
物を与える化合物であれば、金属の種類を問わず使用可
能である。一例を挙げると、酢酸金属塩(37)、アセ
チルアセトナト金属錯体などがある。なお、有機金属化
合物と近赤外線吸収性色素との混合モル比は20:1か
ら1:2、好ましくは20:1から5:1の範囲が望ま
しい。近赤外線吸収性色素がこの範囲より少ないと十分
な近赤外線吸収性が達成できず、またこの範囲より多い
と、焼成に必要な近赤外線の光量が増大する。
【0027】
【化1】
【0028】
【化2】
【0029】
【化3】
【0030】
【化4】
【0031】
【化5】
【0032】
【化6】
【0033】
【化7】
【0034】
【化8】
【0035】
【化9】
【0036】
【化10】
【0037】
【化11】
【0038】次に、本発明の製造方法を用いた、表示装
置等の画像形成装置の製造方法について図8に基づいて
説明する。上述の図1の(a)〜(e)の製造工程にて
得られた、X方向配線105及びY方向配線106に結
線された複数のフォーミング処理のされていない電子放
出素子104を、基板101上に配置した電子源基板を
リアプレート102上に固定した後、基板101の5m
m上方に、フェースプレート110(ガラス基板107
の内面に蛍光膜108とメタルバック109が形成され
て構成される)を支持枠103を介し配置し、フェース
トプレート110、支持枠103、リアプレート102
の接合部にフッリトガラスを塗布し、大気中あるいは窒
素雰囲気中で400℃ないし500℃で10分以上焼成
することで封着した(図8参照)。
置等の画像形成装置の製造方法について図8に基づいて
説明する。上述の図1の(a)〜(e)の製造工程にて
得られた、X方向配線105及びY方向配線106に結
線された複数のフォーミング処理のされていない電子放
出素子104を、基板101上に配置した電子源基板を
リアプレート102上に固定した後、基板101の5m
m上方に、フェースプレート110(ガラス基板107
の内面に蛍光膜108とメタルバック109が形成され
て構成される)を支持枠103を介し配置し、フェース
トプレート110、支持枠103、リアプレート102
の接合部にフッリトガラスを塗布し、大気中あるいは窒
素雰囲気中で400℃ないし500℃で10分以上焼成
することで封着した(図8参照)。
【0039】また、リアプレート102への基板101
の固定もフリットガラスで行なった。図8において、1
04は電子放出素子、105,106はそれぞれX方向
及びY方向の配線電極である。本態様では上述の如く、
フェースプレート110、支持枠103、リアプレート
102で外囲器111を構成したが、リアプレート10
2は主に基板101の強度を補強する目的で設けられる
ため、基板101自体で十分な強度を持つ場合は別体の
リアプレート102は不要であり、基板101に直接支
持枠103を封着し、フェースプレート110、支持枠
103、基板101にて外囲器111を構成しても良
い。
の固定もフリットガラスで行なった。図8において、1
04は電子放出素子、105,106はそれぞれX方向
及びY方向の配線電極である。本態様では上述の如く、
フェースプレート110、支持枠103、リアプレート
102で外囲器111を構成したが、リアプレート10
2は主に基板101の強度を補強する目的で設けられる
ため、基板101自体で十分な強度を持つ場合は別体の
リアプレート102は不要であり、基板101に直接支
持枠103を封着し、フェースプレート110、支持枠
103、基板101にて外囲器111を構成しても良
い。
【0040】蛍光膜108は、モノクロームの場合は蛍
光体のみから成るが、カラーの蛍光膜の場合は、蛍光体
の配列によりブラックストライプあるいはブラックマト
リクスなどと呼ばれる黒色導伝材112と蛍光体113
とで構成される(図9参照)。ブラックストライプ、ブ
ックマトリクスが設けられる目的は、カラー表示の場合
必要となる三原色蛍光体の、各蛍光体113間の塗り分
け部を黒くすることで混色等を目立たなくすることと、
蛍光膜108における外光反射によるコントラストの低
下を抑制することである。本態様例では蛍光体はストラ
イプ形状を採用し、先にブラックストライプを形成し、
その間隙部に各色蛍光体を塗布し、蛍光膜108を作製
した。ブラクストライプの材料として通常良く用いられ
ている黒鉛を主成分とする材料を用いたが、導電性があ
り、光の透過及び反射が少ない材料であればこれに限る
ものではない。
光体のみから成るが、カラーの蛍光膜の場合は、蛍光体
の配列によりブラックストライプあるいはブラックマト
リクスなどと呼ばれる黒色導伝材112と蛍光体113
とで構成される(図9参照)。ブラックストライプ、ブ
ックマトリクスが設けられる目的は、カラー表示の場合
必要となる三原色蛍光体の、各蛍光体113間の塗り分
け部を黒くすることで混色等を目立たなくすることと、
蛍光膜108における外光反射によるコントラストの低
下を抑制することである。本態様例では蛍光体はストラ
イプ形状を採用し、先にブラックストライプを形成し、
その間隙部に各色蛍光体を塗布し、蛍光膜108を作製
した。ブラクストライプの材料として通常良く用いられ
ている黒鉛を主成分とする材料を用いたが、導電性があ
り、光の透過及び反射が少ない材料であればこれに限る
ものではない。
【0041】ガラス基板107に蛍光体を塗布する方法
はモノクロームの場合は沈澱法や印刷法が用いられる
が、カラーである本態様例では、スラリー法を用いた。
カラーの場合にも印刷法を用いても同等の塗布膜が得ら
れる。また、蛍光膜108の内面側には通常メタルバッ
ク109が設けられる。メタルバックの目的は、蛍光体
の発光のうち内面側への光をフェースプレート110側
へ鏡面反射することにより輝度を向上すること、電子ビ
ーム加速電圧を印加するための電極として作用するこ
と、外囲器内で発生した負イオンの衝突によるダメージ
からの蛍光体の保護等である。メタルバックは、蛍光膜
作製後、蛍光膜の内面側表面の平滑化処理(通常フィル
ミングと呼ばれる)を行い、その後A1を真空蒸着する
ことで作製した。
はモノクロームの場合は沈澱法や印刷法が用いられる
が、カラーである本態様例では、スラリー法を用いた。
カラーの場合にも印刷法を用いても同等の塗布膜が得ら
れる。また、蛍光膜108の内面側には通常メタルバッ
ク109が設けられる。メタルバックの目的は、蛍光体
の発光のうち内面側への光をフェースプレート110側
へ鏡面反射することにより輝度を向上すること、電子ビ
ーム加速電圧を印加するための電極として作用するこ
と、外囲器内で発生した負イオンの衝突によるダメージ
からの蛍光体の保護等である。メタルバックは、蛍光膜
作製後、蛍光膜の内面側表面の平滑化処理(通常フィル
ミングと呼ばれる)を行い、その後A1を真空蒸着する
ことで作製した。
【0042】フェースプレート110には、更に蛍光膜
108の導伝性を高めるため、蛍光膜108の外面側に
透明電極(不図示)が設けられる場合もあるが、本実施
態様では、メタルバックのみで十分な導伝性が得られた
ので省略した。前述の封着を行なう際、カラーの場合は
各色蛍光体と電子放出素子とを対応させなくてはいけな
いため、十分な位置合わせを行なった。
108の導伝性を高めるため、蛍光膜108の外面側に
透明電極(不図示)が設けられる場合もあるが、本実施
態様では、メタルバックのみで十分な導伝性が得られた
ので省略した。前述の封着を行なう際、カラーの場合は
各色蛍光体と電子放出素子とを対応させなくてはいけな
いため、十分な位置合わせを行なった。
【0043】以上のようにして完成したガラス容器内の
雰囲気を排気管(図示せず)を通じ真空ポンプにて排気
し、十分な真空度に達した後、容器外端子Dxlないし
DxmとDylないしDynを通じ配線105,106
間に電圧を印加し、図1の(e)にて上述したと同様の
フォーミングを行い、電子放出部が形成された電子放出
素子104を作製した。最後に10-6Torr程度の真
空度で、不図示の排気管をガスバーナーで熱することで
溶着し外囲器の封止を行った。最後に封止後の真空度を
維持するために、ゲッター処理を行った。これは、封止
を行う直前あるいは封止後に、抵抗加熱あるいは高周波
加熱等の加熱法により、画像表示装置内の所定の位置
(不図示)に配置されたゲッターを加熱し、蒸着膜を形
成する処理である。ゲッターは通常Ba等が主成分であ
り、該蒸着膜の吸着作用により、真空度を維持するもの
である。
雰囲気を排気管(図示せず)を通じ真空ポンプにて排気
し、十分な真空度に達した後、容器外端子Dxlないし
DxmとDylないしDynを通じ配線105,106
間に電圧を印加し、図1の(e)にて上述したと同様の
フォーミングを行い、電子放出部が形成された電子放出
素子104を作製した。最後に10-6Torr程度の真
空度で、不図示の排気管をガスバーナーで熱することで
溶着し外囲器の封止を行った。最後に封止後の真空度を
維持するために、ゲッター処理を行った。これは、封止
を行う直前あるいは封止後に、抵抗加熱あるいは高周波
加熱等の加熱法により、画像表示装置内の所定の位置
(不図示)に配置されたゲッターを加熱し、蒸着膜を形
成する処理である。ゲッターは通常Ba等が主成分であ
り、該蒸着膜の吸着作用により、真空度を維持するもの
である。
【0044】以上のように完成した画像形成装置におい
て、各電子放出素子には、容器外端子DxlないしDx
m,DylないしDynを通じ、電圧を印加することに
より、電子放出させ、高圧端子Hvを通じ、メタルバッ
ク109、あるいは透明電極(不図示)に数kV以上の
高圧を印加し、電子ビームを加速し、蛍光膜108に衝
突させ、励起・発光させることで画像を表示した。
て、各電子放出素子には、容器外端子DxlないしDx
m,DylないしDynを通じ、電圧を印加することに
より、電子放出させ、高圧端子Hvを通じ、メタルバッ
ク109、あるいは透明電極(不図示)に数kV以上の
高圧を印加し、電子ビームを加速し、蛍光膜108に衝
突させ、励起・発光させることで画像を表示した。
【0045】以上述べた構成は、画像形成装置を作製す
る上での概略構成であり、例えば各部材の材料等、詳細
な部分は上述内容に限られるものではなく、さらに、複
数の電子放出素子104の基板101上での配置形態
は、一対の配線電極間に複数の電子放出素子を結線した
素子列を、複数列配置した形態であっても良く、この場
合には、これら素子列と直交する方向に、蛍光体の発光
をさせる素子の選択を行う制御電極(通常、グリッドと
呼ぶ)が配置される。このように画像形成装置の用途に
適するよう適宜選択する。
る上での概略構成であり、例えば各部材の材料等、詳細
な部分は上述内容に限られるものではなく、さらに、複
数の電子放出素子104の基板101上での配置形態
は、一対の配線電極間に複数の電子放出素子を結線した
素子列を、複数列配置した形態であっても良く、この場
合には、これら素子列と直交する方向に、蛍光体の発光
をさせる素子の選択を行う制御電極(通常、グリッドと
呼ぶ)が配置される。このように画像形成装置の用途に
適するよう適宜選択する。
【0046】
【実施例】以下に実施例を挙げて本発明を具体的に説明
する。
する。
【0047】実施例1 本実施例においては、近赤外光吸収性有機金属化合物と
して、有機酸金属塩とアミノ基を有する近赤外光吸収性
色素との錯体を用いた。代表として、有機酸金属塩とし
て酢酸パラジウム(化合物No.37a)とアントラキ
ノン誘導体(化合物No.29)との錯体を用いた例に
ついて述べる。図3は本発明の電子放出素子の製造方法
の一実施例を示す工程図である。同図に基づいて電子放
出素子を製造した。
して、有機酸金属塩とアミノ基を有する近赤外光吸収性
色素との錯体を用いた。代表として、有機酸金属塩とし
て酢酸パラジウム(化合物No.37a)とアントラキ
ノン誘導体(化合物No.29)との錯体を用いた例に
ついて述べる。図3は本発明の電子放出素子の製造方法
の一実施例を示す工程図である。同図に基づいて電子放
出素子を製造した。
【0048】絶縁性基板1として石英ガラス基板上に、
素子電極となるべきパターンをホトレジスト(RD−2
000N−41:日立化成社製)で形成し、真空蒸着法
により、厚さ50ÅのTi、厚さ1000ÅのNiを順
次積層した。ホトレジストパターンを有機溶剤で溶解す
ることにより、Ni/Ti積層膜をリフトオフし、素子
電極間隔L1は10μm、素子電極の幅W1は300μ
mを有する素子電極5、6を形成した。
素子電極となるべきパターンをホトレジスト(RD−2
000N−41:日立化成社製)で形成し、真空蒸着法
により、厚さ50ÅのTi、厚さ1000ÅのNiを順
次積層した。ホトレジストパターンを有機溶剤で溶解す
ることにより、Ni/Ti積層膜をリフトオフし、素子
電極間隔L1は10μm、素子電極の幅W1は300μ
mを有する素子電極5、6を形成した。
【0049】この上に前記近赤外光吸収性有機金属錯体
(0.5重量%)をジメチルスルホキシドに溶解し10
00rpmで回転塗布した。この後、図4の点線内部分
に波長830nm、出力30mW、パルス幅3μse
c、ビーム径2μmの半導体レーザーを照射した。また
基板を0.5μmずつ移動させることにより図4の点線
内部分全域を照射、焼成した。その後、ジメチルスルホ
キシドおよびアセトンで洗浄し、不要な部分の近赤外光
吸収性有機金属化合物を除去した。
(0.5重量%)をジメチルスルホキシドに溶解し10
00rpmで回転塗布した。この後、図4の点線内部分
に波長830nm、出力30mW、パルス幅3μse
c、ビーム径2μmの半導体レーザーを照射した。また
基板を0.5μmずつ移動させることにより図4の点線
内部分全域を照射、焼成した。その後、ジメチルスルホ
キシドおよびアセトンで洗浄し、不要な部分の近赤外光
吸収性有機金属化合物を除去した。
【0050】このようにして形成された主元素としてP
dよりなる電子放出部形成用薄膜2の膜厚は100Åで
あり、シート抵抗値は5×104 Ω/□であった。その
後、T1が10マイクロ秒、T2が100マイクロ秒、波
高値7Vの三角波を10秒間通電することによりフォー
ミング処理を行い、電子放出素子を得た。続いて、その
電子放出素子の電気特性の評価を行ったが、素子印加電
圧14Vにおいて、電子放出電流1μA、電子放出効率
0.07%の良好な特性を得ることができた。
dよりなる電子放出部形成用薄膜2の膜厚は100Åで
あり、シート抵抗値は5×104 Ω/□であった。その
後、T1が10マイクロ秒、T2が100マイクロ秒、波
高値7Vの三角波を10秒間通電することによりフォー
ミング処理を行い、電子放出素子を得た。続いて、その
電子放出素子の電気特性の評価を行ったが、素子印加電
圧14Vにおいて、電子放出電流1μA、電子放出効率
0.07%の良好な特性を得ることができた。
【0051】実施例2 実施例1と同様な方法で、石英ガラス基板上に素子電極
5、6を形成した。この上に有機金属化合物(ニッケル
アセチルアセトナト、化合物No.38b、1重量%)
とポリメチン系色素(化合物No.8、1重量%)から
なる近赤外光吸収性有機金属組成物を酢酸ブチルに溶解
し、1000rpmで回転塗布した。
5、6を形成した。この上に有機金属化合物(ニッケル
アセチルアセトナト、化合物No.38b、1重量%)
とポリメチン系色素(化合物No.8、1重量%)から
なる近赤外光吸収性有機金属組成物を酢酸ブチルに溶解
し、1000rpmで回転塗布した。
【0052】この後、図4の点線内部分に波長830n
m、出力30mW、パルス幅3μsec、ビーム径2μ
mの半導体レーザーを照射した。また基板を0.5μm
ずつ移動させることにより図4の点線内部分全域を照
射、焼成した。その後、酢酸ブチルおよびアセトンで洗
浄し、不要な部分の近赤外光吸収性有機金属組成物を除
去した。
m、出力30mW、パルス幅3μsec、ビーム径2μ
mの半導体レーザーを照射した。また基板を0.5μm
ずつ移動させることにより図4の点線内部分全域を照
射、焼成した。その後、酢酸ブチルおよびアセトンで洗
浄し、不要な部分の近赤外光吸収性有機金属組成物を除
去した。
【0053】その後、実施例1と同様の方法によりフォ
ーミング処理を行い、電子放出素子を得た。続いて、そ
の電子放出素子の電気特性の評価を行ったが、素子印加
電圧14Vにおいて、電子放出電流0.8μA、電子放
出効率0.1%の良好な特性を得ることができた。
ーミング処理を行い、電子放出素子を得た。続いて、そ
の電子放出素子の電気特性の評価を行ったが、素子印加
電圧14Vにおいて、電子放出電流0.8μA、電子放
出効率0.1%の良好な特性を得ることができた。
【0054】実施例3 実施例1と同様な方法で、石英ガラス基板上に素子電極
5、6を形成した。この上に、近赤外光吸収性有機金属
物質(亜鉛フタロシアニン誘導体、化合物No.2a、
2重量%)をポリビニルアルコールに分散して塗布し
た。
5、6を形成した。この上に、近赤外光吸収性有機金属
物質(亜鉛フタロシアニン誘導体、化合物No.2a、
2重量%)をポリビニルアルコールに分散して塗布し
た。
【0055】この後、図4の点線内部分に波長830n
m、出力30mW、パルス幅3μsec、ビーム径2μ
mの半導体レーザーを一箇所に付き10パルス照射し
た。また基板を0.5μmずつ移動させることにより図
4の点線内部分全域を照射、焼成した。その後、アルコ
ール及び水で不要な部分のポリビニルアルコールおよび
近赤外光吸収性有機金属組成物を除去した。
m、出力30mW、パルス幅3μsec、ビーム径2μ
mの半導体レーザーを一箇所に付き10パルス照射し
た。また基板を0.5μmずつ移動させることにより図
4の点線内部分全域を照射、焼成した。その後、アルコ
ール及び水で不要な部分のポリビニルアルコールおよび
近赤外光吸収性有機金属組成物を除去した。
【0056】その後、実施例1と同様の方法によりフォ
ーミング処理を行い、電子放出素子を得た。続いて、そ
の電子放出素子の電気特性の評価を行ったが、素子印加
電圧14Vにおいて、電子放出電流1.2μA、電子放
出効率0.11%の良好な特性を得ることができた。
ーミング処理を行い、電子放出素子を得た。続いて、そ
の電子放出素子の電気特性の評価を行ったが、素子印加
電圧14Vにおいて、電子放出電流1.2μA、電子放
出効率0.11%の良好な特性を得ることができた。
【0057】実施例4 実施例1の方法により作成した電子放出素子を用い、前
記画像表示装置の製造方法に記した方法に従って画像表
示装置を作成した。実施例1と同様に基板上に電子放出
部形成用薄膜2を形成した。このように形成した基板を
前述した方法により図8に示すような画像形成装置を作
製した。なお素子数は100×100の1万画素とし
た。
記画像表示装置の製造方法に記した方法に従って画像表
示装置を作成した。実施例1と同様に基板上に電子放出
部形成用薄膜2を形成した。このように形成した基板を
前述した方法により図8に示すような画像形成装置を作
製した。なお素子数は100×100の1万画素とし
た。
【0058】十分に真空に引いた後、容器外端子Dx1
ないしDxm、Dy1ないしDynを通じ、電圧を印加
することによりフォーミングを行い、電子放出素子を形
成し、画像形成装置を作製した。
ないしDxm、Dy1ないしDynを通じ、電圧を印加
することによりフォーミングを行い、電子放出素子を形
成し、画像形成装置を作製した。
【0059】得られた画像形成装置は、容器外端子Dx
1ないしDxm、Dy1ないしDynを通じ、電圧を印
加して電子放出させ、高圧端子Hvを通じ高圧をメタル
バックに印加し、画像を表示することができた。
1ないしDxm、Dy1ないしDynを通じ、電圧を印
加して電子放出させ、高圧端子Hvを通じ高圧をメタル
バックに印加し、画像を表示することができた。
【0060】比較例1 実施例1と同様な方法で、石英ガラス基板上に素子電極
5、6を形成した。この上に有機金属化合物(酢酸パラ
ジウム、1重量%)を酢酸ブチルに溶解し、1000r
pmで回転塗布した。この後、図4の点線内部分に波長
830nm、出力30mW、パルス幅3μsec、ビー
ム径2μmの半導体レーザーを照射した。また基板を
0.5μmずつ移動させることにより図4の点線内部分
全域を照射、焼成した。その後、酢酸ブチルにより洗浄
し、不要な部分の有機金属化合物を除去した。このよう
にして生成した主としてPdからなる薄膜は測定限界
(20Å)以下であった。
5、6を形成した。この上に有機金属化合物(酢酸パラ
ジウム、1重量%)を酢酸ブチルに溶解し、1000r
pmで回転塗布した。この後、図4の点線内部分に波長
830nm、出力30mW、パルス幅3μsec、ビー
ム径2μmの半導体レーザーを照射した。また基板を
0.5μmずつ移動させることにより図4の点線内部分
全域を照射、焼成した。その後、酢酸ブチルにより洗浄
し、不要な部分の有機金属化合物を除去した。このよう
にして生成した主としてPdからなる薄膜は測定限界
(20Å)以下であった。
【0061】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
有機金属化合物からなる薄膜に近赤外光吸収性を付与す
ることにより、レーザーによる加熱焼成を容易にし、焼
成とパターニングを同時に実施できることにより、製造
工程を短縮し、電極材料に過度の熱的負担をかけること
がなく、あわせて有機金属化合物の利用効率を高めるこ
とができる。
有機金属化合物からなる薄膜に近赤外光吸収性を付与す
ることにより、レーザーによる加熱焼成を容易にし、焼
成とパターニングを同時に実施できることにより、製造
工程を短縮し、電極材料に過度の熱的負担をかけること
がなく、あわせて有機金属化合物の利用効率を高めるこ
とができる。
【図1】本発明の電子放出素子の製造方法の一実施態様
を示す工程図である。
を示す工程図である。
【図2】本発明の方法によって製造された電子放出素子
の一例を示す説明図である。
の一例を示す説明図である。
【図3】本発明の電子放出素子の製造方法の一実施例を
示す説明図である。
示す説明図である。
【図4】実施例1におけるレーザー照射領域を示す図で
ある。
ある。
【図5】電子放出素子の測定評価装置の説明図である。
【図6】フォーミング処理の電圧波型を示すグラフであ
る。
る。
【図7】本発明にかかわる電子放出素子の特性図であ
る。
る。
【図8】本発明の製造方法を用いた表示装置等の画像形
成装置の製造方法を示す説明図である。
成装置の製造方法を示す説明図である。
【図9】蛍光膜の黒色導電材のパターンを示す説明図で
ある。
ある。
【図10】従来の表面伝導型電子放出素子の典型的な素
子構成を示す概略図である。
子構成を示す概略図である。
1 絶縁性基板 2 電子放出部形成用薄膜 3 電子放出部 4 電子放出部を含む薄膜 5,6 素子電極 8 近赤外線吸収性有機金属化合物物質からなる薄膜 10 金属または金属酸化物微粒子薄膜 R 半導体レーザー照射領域 30,32 電流計 31 電源 33 高圧電源 34 アノード電極 101 基板 102 リアプレート 103 支持枠 104 電子放出素子 105 X方向配線 106 Y方向配線 107 ガラス基板 108 螢光膜 109 メタルバック 110 フェースプレート 111 外囲器
Claims (6)
- 【請求項1】 対向する電極間に電子放出材料を含む薄
膜を成膜し、次いで加熱焼成した後通電処理して薄膜に
電子放出部を形成する電子放出素子の製造方法におい
て、前記薄膜に近赤外線吸収性有機金属物質を用いるこ
とを特徴とする電子放出素子の製造方法。 - 【請求項2】 前記近赤外線吸収性有機金属物質が、有
機金属化合物に近赤外線吸収基を導入した化合物である
請求項1記載の電子放出素子の製造方法。 - 【請求項3】 前記近赤外線吸収性有機金属物質が、有
機金属化合物と近赤外線吸収性材料からなる組成物であ
る請求項1記載の電子放出素子の製造方法。 - 【請求項4】 前記加熱焼成が近赤外線光照射により実
施される請求項1記載の電子放出素子の製造方法。 - 【請求項5】 電極を形成した基板上に近赤外線吸収性
有機金属物質を塗布して薄膜を形成し、該薄膜の電子放
出部を形成する部分のみを近赤外線光照射により加熱焼
成した後、薄膜の電子放出部を形成する部分以外に残存
する近赤外線吸収性有機金属物質を溶剤により除去する
ことを特徴とする請求項1記載の電子放出素子の製造方
法。 - 【請求項6】 複数の電子放出素子を有する画像形成装
置で、対向する電極間に電子放出材料を含む薄膜を成膜
し、次いで加熱焼成した後通電処理して薄膜に電子放出
部を形成する電子放出素子の製造方法において、前記薄
膜に近赤外線吸収性有機金属物質を用いることを特徴と
する画像形成装置の製造方法。
Priority Applications (7)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP20937794A JPH0855571A (ja) | 1994-08-11 | 1994-08-11 | 近赤外線吸収性有機金属物質を用いる電子放出素子および画像形成装置の製造方法 |
DE69425230T DE69425230T2 (de) | 1993-12-17 | 1994-12-16 | Herstellungsverfahren einer Elektronen emittierenden Vorrichtung, einer Elektronenquelle und eine Bilderzeugungsvorrichtung |
EP94119959A EP0658924B1 (en) | 1993-12-17 | 1994-12-16 | Method of manufacturing electron-emitting device, electron source and image-forming apparatus |
AT94119959T ATE194727T1 (de) | 1993-12-17 | 1994-12-16 | Herstellungsverfahren einer elektronen emittierenden vorrichtung, einer elektronenquelle und eine bilderzeugungsvorrichtung |
AU81571/94A AU687926B2 (en) | 1993-12-17 | 1994-12-19 | Method of manufacturing electron-emitting device, electron source and image-forming apparatus |
CA002138488A CA2138488C (en) | 1993-12-17 | 1994-12-19 | Method of manufacturing electron-emitting device, electron source and image-forming apparatus |
US08/358,382 US5622634A (en) | 1993-12-17 | 1994-12-19 | Method of manufacturing electron-emitting device, electron source and image-forming apparatus |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP20937794A JPH0855571A (ja) | 1994-08-11 | 1994-08-11 | 近赤外線吸収性有機金属物質を用いる電子放出素子および画像形成装置の製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
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JPH0855571A true JPH0855571A (ja) | 1996-02-27 |
Family
ID=16571918
Family Applications (1)
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JP20937794A Pending JPH0855571A (ja) | 1993-12-17 | 1994-08-11 | 近赤外線吸収性有機金属物質を用いる電子放出素子および画像形成装置の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
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Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US7077716B2 (en) | 2002-02-28 | 2006-07-18 | Canon Kabushiki Kaisha | Methods of manufacturing electron-emitting device, electron source, and image display apparatus |
US7335081B2 (en) | 2000-09-01 | 2008-02-26 | Canon Kabushiki Kaisha | Method for manufacturing image-forming apparatus involving changing a polymer film into an electroconductive film |
CN100392788C (zh) * | 2002-02-28 | 2008-06-04 | 佳能株式会社 | 电子发射元件、电子源和图像形成装置的制造方法 |
-
1994
- 1994-08-11 JP JP20937794A patent/JPH0855571A/ja active Pending
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US7335081B2 (en) | 2000-09-01 | 2008-02-26 | Canon Kabushiki Kaisha | Method for manufacturing image-forming apparatus involving changing a polymer film into an electroconductive film |
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CN100356496C (zh) * | 2002-02-28 | 2007-12-19 | 佳能株式会社 | 电子发射元件,电子源以及图像显示装置的制造方法 |
CN100392788C (zh) * | 2002-02-28 | 2008-06-04 | 佳能株式会社 | 电子发射元件、电子源和图像形成装置的制造方法 |
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