JPH0854188A

JPH0854188A - 熱処理炉

Info

Publication number: JPH0854188A
Application number: JP18955094A
Authority: JP
Inventors: Hiroshi Koyama; 博小山
Original assignee: Murata Manufacturing Co Ltd
Current assignee: Murata Manufacturing Co Ltd
Priority date: 1994-08-11
Filing date: 1994-08-11
Publication date: 1996-02-27

Abstract

(57)【要約】【目的】長期間強度を保持するとともに熱容量が小さ
く、断熱性の良い熱処理炉を提供する。【構成】熱処理炉本体の外周を形成する外壁と、互い
に組合わされることにより、炉内の熱処理空間を形成す
る複数のユニット状の炉材とからなり、炉材は、外壁と
の間で空洞部を形成し、かつ、単独で自立可能な形状を
有している。また、炉材は、炉内の熱処理空間を形成す
る内壁を構成する内壁部と、内壁部を自立可能に支持す
る支持部とを備えている。さらに、空洞部には断熱材が
充填されている。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】この発明は熱処理炉に関するもの
である。

【０００２】

【従来の技術】従来より、円筒形の焼成炉としては、柔
軟性のある軽量セラミックスファイバー断熱材を外壁の
曲率に合わせて曲げてセットし、スタッドピン等で外壁
に固定する方法により炉壁が形成されていた。

【０００３】また、別の方法として、外壁の内側に所定
の形状のレンガ炉材を組み合わせて円弧状に炉壁を積み
上げることにより炉壁が形成されていた。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】ところが、従来の焼成
炉では、それぞれ以下のような問題点があった。軽量セ
ラミックスファイバー断熱材を用いた炉壁の場合では、
レンガ炉材を用いた炉壁に対し、断熱性が良く、熱容量
が著しく小さい利点はあるが、炉壁の寿命が短く、ま
た、高温になるほどその傾向が顕著となる。

【０００５】逆に、軽量セラミックスファイバー断熱材
の代わりにレンガ炉材を用いた炉壁の場合では、強固な
炉壁はできるが断熱性が悪く、軽量セラミックスファイ
バー断熱材と同等の断熱効果を得るには炉壁が厚くな
り、したがって、熱容量が大きくなり、熱効率が悪くな
る。

【０００６】この発明は、上記のような背景の下になさ
れたものであり、長期間強度を保持するとともに熱容量
が小さく、断熱性の良い熱処理炉を提供することを目的
とする。

【０００７】

【課題を解決するための手段】この発明は、上記のよう
な問題点を解決するためになされたもので、熱処理炉本
体の外周を形成する外壁と、互いに組合わされることに
より、炉内の熱処理空間を形成する複数のユニット状の
炉材とからなり、前記炉材は、前記外壁との間で空洞部
を形成し、かつ、単独で自立可能な形状を有しているこ
とを特徴とするものである。

【０００８】また、この発明は、前記炉材は、互いに組
み合わされることにより、炉内の熱処理空間を形成する
内壁を構成する内壁部と、前記内壁部を自立可能に支持
する支持部とを有することを特徴とするものである。

【０００９】また、この発明は、前記支持部は、前記内
壁部の両端からそれぞれ外壁へ向けて延設されたもので
あることを特徴とするものである。

【００１０】さらに、この発明は、前記空洞部には、断
熱材が充填されていることを特徴とするものである。

【００１１】

【作用】この発明の熱処理炉では、複数のユニット状の
炉材を互いに組み合せることにより、炉内に熱処理空間
を形成し、炉材と外壁との間では空洞部を形成すること
ができる。また、炉材の形状により、それぞれの炉材が
単独で自立することができる。

【００１２】また、炉材が互いに組み合わされることに
より、炉内の熱処理空間を形成する内壁を構成する内壁
部と、内壁部を自立可能に支持する支持部とを有する場
合には、それぞれの内壁部が組み合わされることにより
内壁を形成し、この内壁により密閉された熱処理空間を
形成する。また、内壁部と支持部と外壁との間に空洞部
が形成される。さらに、内壁部を支持部により支持し
て、それぞれの炉材が単独で自立することができる。

【００１３】また、支持部が内壁部の両端からそれぞれ
外壁へ向けて延設されたものである場合には、内壁部の
両端に設けられた２つの支持部により、それぞれの炉材
がより確実に自立することができるとともに、外壁と内
壁部と２つの支持部との間に空洞部を形成でき、複数の
炉材を組み合わせることによってではなく、１つの炉材
と外壁とにより、確実に１つの空洞部を形成することが
できる。

【００１４】さらに、空洞部に断熱材が充填されている
場合には、炉内と炉外との断熱性をより向上させること
ができる。

【００１５】

【実施例】以下、図１、図２を参照して、この発明の一
実施例である熱処理炉について説明する。この熱処理炉
は、図１に示すように、熱処理炉本体の外周を形成する
外壁１と、互いに組合わされることにより、炉内の熱処
理空間を形成する複数のユニット状の炉材３と、炉材３
と外壁１との間で形成される空洞部５と、空洞部５に設
けられる断熱材７とを備えている。

【００１６】外壁１は、セラミックファイバー系または
レンガ等の耐火物からなり、所定の厚さを有する略円筒
状の形状をしており、内部には炉材３および断熱材７が
所定の位置に設けられている。

【００１７】炉材３は、セラミックファイバー系または
レンガ等の耐火物からなり、この炉材３の厚さは、炉材
３がそれぞれ自立し、さらに上下方向に積み重ねること
が可能な厚さに設定されている。

【００１８】また、この炉材３は、図２に示すように、
炉内の内壁９を構成する内壁部３ａと、内壁部３ａを自
立可能に支持する支持部３ｂとから構成されている。内
壁部３ａは、互いに組み合わされることにより炉内に略
円形状の熱処理空間を形成するように、炉内の熱処理空
間の大きさに合わせて所定の曲率で曲げられている。

【００１９】支持部３ｂは、外壁１の大きさに対する炉
内の熱処理空間の大きさに応じて所定の長さを有し、内
壁部３ａの両端から外壁１に向かって内壁部３ａと略垂
直方向に延設されている。このとき、内壁部３ａが外壁
１と同心円の内壁を形成するように、所定の曲率で曲げ
られており、また、各炉材３は同一形状で同一寸法であ
るので、支持部３ｂは熱処理空間の断面中心から外壁１
に向かう放射線上に延設されることになる。

【００２０】断熱材７は、軽量セラミックファイバー等
からなり、内壁部３ａと支持部３ｂと外壁１とによって
囲まれた空間である空洞部５に充填するように設けられ
ている。

【００２１】ここで、この熱処理炉の築炉方法について
説明する。まず、外壁１を用意する。次に、外壁１の円
周に沿って炉材３を炉内部の下方から順次載置してい
く。このとき、炉材３と外壁１との間に形成される空洞
部５に断熱材７を充填する。炉材３が組み合わされ、炉
材３の形状が略円形状となる最後の炉材３を挿入すると
きは、炉内部の上方から下方に向けて略垂直方向に挿入
していくことで略円形状に載置することができる。同様
にして、炉内部の上方に向けて順次積み重ねていくこと
によって、熱処理空間が形成される。また、炉壁の完成
後、炉材３の補修等でその炉材３を取り出したいときに
は、炉内部の上方から補修したい炉材３のみを取り出す
ことができる。

【００２２】ところで、上記実施例のような熱処理炉で
は、炉材３は図１および図２に示すような形状をしてい
るが、この発明はこれに限定されるものではなく、図３
に示すように、１本の支持部３ｂが内壁部３ａの略中央
から外壁１に向かって延設された略Ｔ字形状のものや、
図４に示すように、内壁部３ａの両端から外壁１に向か
って延設された支持部３ｂのそれぞれの端部の間に外壁
１と接するように設けられた外壁部１１を有する略Ｄ字
形状のものや、図５に示すように、１本の支持部３ｂの
両端に、内壁部３ａと外壁部１１とを配設した略Ｈ字形
状のものであっても良い。また、これらの種々の形状の
炉材を組み合わせることも可能である。

【００２３】また、上記実施例では、内壁部３ａは組み
合わせて略円形状になるようにそれぞれ曲げられている
が、この発明はこれに限定されるものではなく、内壁部
３ａは平板状にして組み合わせて多角形状にしても良
い。

【００２４】また、上記実施例では、炉材３の内壁部３
ａと支持部３ｂとの厚さは同じであるが、この発明はこ
れに限定されるものではなく、内壁部３ａと支持部３ｂ
の厚さは強度を考慮して異なった厚さにしてもよい。

【００２５】なお、この発明は、種々の熱処理炉におい
て、長期間強度を保持するとともに熱容量が小さく、断
熱性の良い熱処理炉を提供することができる。

【００２６】この発明は、さらにその他の点において
も、上記実施例に限定されるものではなく、外壁の材質
や具体的形状、炉材の材質や具体的形状などに関し、こ
の発明の要旨の範囲内において、種々の応用、変形を加
えることが可能である。

【００２７】

【発明の効果】この発明の熱処理炉では、炉材と外壁と
の間に空洞部を形成することができるので、熱容量が小
さく、断熱性の良い熱処理炉用の炉壁構造を形成するこ
とが可能である。また、炉材の形状により、それぞれの
炉材が単独で自立することができるので、長期間強度を
保持することができる。さらに、それぞれの炉材が単独
で自立することができるので、補修したい炉材のみを取
り出して補修することで、短時間で補修することが可能
である。

【００２８】また、炉材が互いに組み合わされることに
より、炉内の熱処理空間を形成する内壁を構成する内壁
部と、内壁部を自立可能に支持する支持部とを有する場
合には、内壁部と支持部と外壁との間に空洞部が形成さ
れるとともに、この内壁部を支持部により支持して、そ
れぞれの炉材が単独で自立することができるので、比較
的単純な形状の炉材により熱効率を良く、かつ耐久性を
高く維持することが可能となり、炉材の製造が容易であ
る。

【００２９】また、支持部が内壁部の両端からそれぞれ
外壁へ向けて延設されたものである場合には、内壁部の
両端に設けられた２つの支持部により、それぞれの炉材
がより確実に自立可能となるので、炉壁の強度をより長
期間保持できる。また、複数の炉材を組み合わせること
なく、１つの炉材と外壁により確実に１つの空洞部を形
成できるので、補修したい炉材のみを取り出して補修す
ることがより一層簡単になり、短時間で補修することが
可能である。

【００３０】さらに、空洞部に断熱材が充填されている
場合には、炉内と炉外との断熱性を向上させることがで
きるので、より一層熱効率が良くなり、従来のものに比
べて省エネルギー型にすることが可能である。

【図面の簡単な説明】

【図１】この発明の一実施例を示す断面図。

【図２】この発明に用いられる炉材の一実施例を示す斜
視図。

【図３】この発明の他の実施例を示す断面図。

【図４】この発明の他の実施例を示す断面図。

【図５】この発明の他の実施例を示す断面図。

【符号の説明】

１外壁３炉材３ａ内壁部３ｂ支持部５空洞部７断熱材９内壁１１外壁部

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】熱処理炉本体の外周を形成する外壁と、
互いに組合わされることにより、炉内の熱処理空間を形
成する複数のユニット状の炉材とからなり、前記炉材
は、前記外壁との間で空洞部を形成し、かつ、単独で自
立可能な形状を有していることを特徴とする熱処理炉。
【請求項２】前記炉材は、互いに組み合わされること
により、炉内の熱処理空間を形成する内壁を構成する内
壁部と、前記内壁部を自立可能に支持する支持部とを有
することを特徴とする請求項１記載の熱処理炉。
【請求項３】前記支持部は、前記内壁部の両端からそ
れぞれ外壁へ向けて延設されたものであることを特徴と
する請求項２記載の熱処理炉。
【請求項４】前記空洞部には、断熱材が充填されてい
ることを特徴とする請求項１ないし３記載の熱処理炉。