JPH0727488A - 軽量パネルヒータ - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 （修正有） 【目的】 円筒状セラミックファイバボード３ａの内周
面に金属発熱体４を設けた軽量パネルヒータ３を複数個
炉壁内面に段積み状態で取付ける電気炉の軽量パネルヒ
ータの荷重による変形、発熱体の短絡を防止し寿命を向
上させる。 【構成】 セラミックファイバボード３ａの外周面に円
周方向に等分された複数位置に縦通溝１０を設け、溝内
に耐火性補強材９を充填し、各段パネルヒータ３の耐火
性補強材９の位置を揃えてセットし、炉壁に固定する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、縦型電気炉の軽量パネ
ルヒータに関する。

【０００２】

【従来の技術】縦型精密電気炉のヒータとしては、図３
及び図４に示す如く、炉枠１内に設けられた断熱材製の
円筒状炉壁２、天井部５、炉底部６より成る炉体の上記
炉壁２の内周面に沿って、円筒状パネルヒータ３を複数
段、段積み状態で取付け、各段毎に温度制御を行って炉
内の均熱を満足させるようにしている。

【０００３】上記のパネルヒータ３としては、図５及び
図６に示す如く、例えば、４分割されたセクタを組合せ
て円筒状にしたセラミックファイバボード３ａの内周面
に、螺旋状に設けた溝に、金属発熱体４を装着して成る
軽量パネルヒータが知られている。

【０００４】従来、上記構成の軽量パネルヒータは、図
３に示す如く、段積みの状態で、倒れ防止用固定ピン７
で、炉壁２に固定されていたが、加熱、冷却の繰返しに
よって、セラミックファイバボード自体の圧縮強度の不
足や、倒れ防止用固定ピン７の変形（ダレ）により、発
熱体相互間、あるいは発熱体と倒れ防止用ピンとが短絡
し、発熱体の断線事故を招き、ヒータの寿命が短いとい
う問題点があった。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記構成の
従来の縦型電気炉の軽量パネルヒータの前記の問題点に
かんがみ、圧縮強度を向上させることができ、発熱体の
断線事故を防止し、ヒータの寿命を向上させることので
きる軽量パネルヒータを提供することを課題とする。

【０００６】

【課題を解決するための手段】本発明の軽量パネルヒー
タは、上記の課題を解決するため、炉壁内側に段積み状
態で取付けられる各パネルヒータのセラミックファイバ
ボードの外周面に、円周方向に等分された複数個所に縦
方向全長に延びる溝が設けられ、該溝には耐火性補強材
が充填されており、各段のパネルヒータは上記の耐火性
補強材の位置を一致させて炉壁内側に段積みされ、炉壁
に固定されている。

【０００７】本発明による軽量パネルヒータは、上記の
如くセラミックファイバボードの外周面に円周方向に等
分された複数個所に縦方向全長に延びる溝内に耐火性補
強材が設けられ取付け時には、各パネルヒータの耐火性
補強材の位置を一致させて段積みして炉壁に取付けられ
ているので、各パネルの圧縮強度が向上し、各パネルの
補強材の位置を一致させて炉壁に取付けられているの
で、パネルヒータの全荷重は炉底部の耐火物によって支
持され、各パネルヒータを固定する倒れ防止用固定ピン
が変形することはなく、発熱体相互間又は発熱体と倒れ
防止用固定ピンとが接触することがなく、発熱体の断線
事故が防止され、パネルヒータの寿命が向上する。

【０００８】

【実施例】以下に、本発明の実施例を、図面に基づいて
詳細に説明する。

【０００９】図１及び図２は、本発明による軽量パネル
ヒータの実施例を示す図である。本実施例でも、パネル
ヒータ３を構成する円筒状セラミックファイバボード３
ａの内周面に設けられた螺旋状溝に金属発熱体４が埋設
され、このパネルヒータ３の段積み状態で炉壁内側に取
付けられている点は、図３乃至図６で説明した従来のパ
ネルヒータと同様である。

【００１０】しかし、この実施例では、本発明に従っ
て、セラミックファイバボード３ａの外周面に、円周方
向に等分された複数個所（本実施例では１２個所）に縦
方向（円筒の軸と平行方向）に全長に亘って溝１０が延
設されている。溝１０には、圧縮強度の高いゾル状のア
ルミナ粉末を流し込み、固化自然乾燥及び焼成すること
により、耐火性補強材９が、セラミックファイバボード
３ａと一体的に形成されている。なお、溝１０内に耐火
性補強材９を形成するに先立って、発熱体４は、発熱体
４を保持し、溝１０の底面に掛止される発熱体支持ピン
８によりセラミックファイバボード３ａの内周面の螺旋
状溝内に固定される。

【００１１】このパネルヒータ３は、本実施例では３段
に段積みされて、炉壁２の内面に、パネル倒れ防止用固
定ピン７により固定される。その場合、各パネルヒータ
３の耐火性補強材９の位置が一致するようにセットさ
れ、かつ、最下位のパネルヒータの下端面は炉底部耐火
物６の上面に支持される。

【００１２】以上の構成により、個々のパネルヒータ及
び段積みされたパネルヒータ全体の縦方向の圧縮強度は
増強され、従来のようにパネルヒータの圧縮強度不足に
よる変形、また固定ピンのダレ変形によってさらにパネ
ルヒータの変形が増長されることがなくなり、従来のパ
ネルヒータの構成で発生した前述の問題点は解消され
る。

【００１３】補強材９は、アルミナ等の耐火性絶縁性材
料で作られているので、電気炉の特性に影響を及ぼすこ
とはない。

【００１４】

【発明の効果】以上の如く、本発明によれば、軽量パネ
ルヒータの圧縮強度が向上し、個々のパネルヒータ及び
段積みされたパネルヒータ群の変形が防止され、発熱体
の断線事故が防止され、パネルヒータの寿命の向上に効
果が得られる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の実施例の軽量パネルヒータの縦断面図
である。

【図２】図１中のII−II線による断面図である。

【図３】本発明が適用される電気炉の縦断面図である。

【図４】図３中のIV−IV線による断面図である。

【図５】従来の軽量パネルヒータの縦断面図である。

【図６】図５中のVI−VI線による断面図である。

【符号の説明】

１ 炉枠 ２ 炉壁 ３ 軽量パネルヒータ ３ａ セラミックファイバボード ４ 金属発熱体 ５ 炉体天井部 ６ 炉底部 ７ パネル倒れ防止用固定ピン ８ 発熱体支持ピン ９ 耐火性補強材 １０ 縦通溝

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 円筒状セラミックファイバボードの内周
   面に金属発熱体を装着して成り、その複数個が縦型円筒
   状炉壁内側に段積み状態で取付けられる電気炉の軽量パ
   ネルヒータにおいて、 上記の各パネルヒータのセラミックファイバボードの外
   周面に、円周方向に等分された複数個所に縦方向全長に
   延びる溝が設けられ、該溝には耐火性補強材が充填され
   ており、各段のパネルヒータは上記耐火性補強材の位置
   を一致させて炉壁内側に段積みされ、炉壁に固定されて
   いることを特徴とする軽量パネルヒータ。
2. 【請求項２】 上記の耐火性補強材は、上記のセラミッ
   クファイバボードの外周面に縦方向に設けられた溝に、
   圧縮強度の高いゾル状アルミナ粉末を流し込み、固化自
   然乾燥及び焼成して形成されることを特徴とする請求項
   １に記載の軽量パネルヒータ。