JPH0853488A - 6’−フルオロラクトシルセラミド、その中間体およびその製造方法 - Google Patents

6’−フルオロラクトシルセラミド、その中間体およびその製造方法

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JPH0853488A
JPH0853488A JP6190480A JP19048094A JPH0853488A JP H0853488 A JPH0853488 A JP H0853488A JP 6190480 A JP6190480 A JP 6190480A JP 19048094 A JP19048094 A JP 19048094A JP H0853488 A JPH0853488 A JP H0853488A
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hydroxyl
formula
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JP6190480A
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English (en)
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Takao Iida
▲隆▼夫 飯田
Yutaka Ohira
豊 大平
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Daikin Industries Ltd
Original Assignee
Daikin Industries Ltd
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  • Pharmaceuticals Containing Other Organic And Inorganic Compounds (AREA)

Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【構成】 一般式: (式中、mは0〜25までの整数であり、nは0〜15
までの整数であり、R1〜R7は独立に水素原子または水
酸基の保護基を表す。)で表される6’−フルオロラク
トシルセラミドおよびその中間体、ならびにそれらの製
造方法。 【効果】シアル酸含有糖脂質に起因する感染症、炎症、
その他の疾病(例えば固形癌の転移、細菌の胃腸粘膜へ
の接着に起因する炎症等)に対する治療剤として有用で
ある。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は 6'−フルオロラクトシ
ルセラミド及びその合成中間体並びにその製造方法に関
する。
【0002】
【従来の技術】細胞表層に存在する複合糖質(糖脂質、
糖蛋白質)は、細胞接着や免疫応答などの基本的な生命
現象に深く関与する分子種であることが最近明らかにな
ってきた。複合糖質の糖鎖は、通常相手側の蛋白質によ
り認識される。複合糖質には頻繁にラクトース糖鎖が見
られるが、このラクトースを認識する蛋白質として、ラ
クトシルセラミド結合アドヘシン、ラクトシルセラミド
に対する抗体、ラクトース結合内因性レクチンなどが知
られている 。これらの蛋白質とラクトース部分との結
合には、水素結合の寄与が考えられている。これら複合
糖質の中でのラクトースの役割を解明するために、ガラ
クトース部を化学修飾したラクトース誘導体が望まれて
いる。さらに、ラクトシルセラミドはガングリオシドや
ラクト系列の生合成の中間体として重要な位置を占めて
おり、これにシアル酸を転移してガングリオシドを合成
するシアル酸転移酵素の特異的阻害剤は、癌細胞のマウ
スにおける肺転移を有効に阻止することが期待されてい
る。箱守らはガングリオシドGM3を強く発現しているB-1
6メラノーマ細胞が、プラスチックプレート上にコート
されたラクトシルセラミドと特異的に相互作用すること
を見出しており 、またごく最近においても、3'−及び
4'−フルオロラクトシルセラミドの合成が報告されて
いる 。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記のよう
な状況よりなされたものであり、ラクトシルセラミドの
糖部分であるラクトース部の 6'位にフッ素を有する誘
導体(I)及びその合成中間体並びにその製造方法を提
供することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明は下記一般式:
【化13】 (式中、mは0〜25までの整数であり、nはは0〜1
5までの整数であり、R1〜R7は水素原子または水酸基
の保護基を表す。)で表される6'−フルオロラクトシ
ルセラミドを要旨とする。本発明はまた、上記一般式
(I)で表される化合物を製造するための中間体である
一般式:
【化14】 (式中、nおよびR1〜R7は上に定義したとおりであ
る。)で表される化合物をも要旨とする。本発明はさら
に一般式(II)で表される化合物を製造するための中間
体である一般式:
【化15】 (式中、R8は水素原子またはトリアルキルシリルエチ
ル基(アルキル基は1〜4個の炭素原子を有する。)を表
し、R1〜R6は上に定義したとおりである。)で表され
る化合物をも要旨とする。
【0005】本発明のおいて水酸基の保護基とは、水酸
基の反応性を抑制するために導入する基をいい、例えば
アセチル基、プロピオニル基、ピバロイル基、ベンゾイ
ル、p−メトキシベンゾイル基等のアシル基等を挙げる
ことができる。また水酸基の活性化基とはある水酸基と
他の水酸基とを縮合させてグリコシド結合を形成させる
ために、その水酸基に代えて用いる基をいい、例えばハ
ロゲン原子、0−C(=NH)−CCl3基、炭素数1〜4
個のアルキルチオ基、炭素数6〜8個のアリールチオ基
等を挙げることができる。
【0006】本発明の一般式(I)によって表される6'
−フルオロラクトシルセラミドを製造する方法について
説明する。出発物質としては例えば、一般式:
【化16】 (式中、R4a〜R6aは水酸基の保護基を表し、R9は水
素原子または水酸基の保護基を表す。)で表される水酸
基を保護した6−フルオロ−D−ガラクトピラノースを
用いる。この化合物は、カーボハイドレート・リサーチ
(Carbohyd. Res.), 1972年, 22巻, 193〜200ページに記
載されており、この文献及び ジャーナル・オブ・メデ
ィカル・ケミストリー(J. Med. Chem.), 1980年, 23巻,
143〜149ページに記載された方法で調製し、使用に供
する。
【0007】先ずこの化合物の1位のOR9基をハロゲ
ン原子、アルキルチオ基、アリールチオ基、O−C(=
NH)CCl3基等として活性化して、一般式:
【化17】 (式中、Xは水酸基の活性化基を表し、R4a〜R6aは上
に定義した通りである。)で表される化合物を得る。こ
の反応は例えば以下のように行う。Xをハロゲン原子と
する場合には、一般式(IV−I)で表される化合物を酢酸/
無水酢酸の混合溶媒に溶解後、0℃に冷却下ハロゲン化
水素を加え、その後室温で12時間撹拌する。Xをアル
キルチオ基とする場合には、先ず一般式(IV-I)で表さ
れる化合物のOR9基を上記のようにしてハロゲン原子
に変換する。次にその化合物を無水ジクロロメタンに溶
解し、氷冷下チオ酢酸、次いでチオ酢酸カリウムを加え
室温で反応させてハロゲン原子をチオアセチル基に変換
後、低温(−40〜−10℃)でナトリウムアルコキシ
ド(例えばナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシ
ド等)の存在下に、ハロゲン化アルキル(ハロゲンはB
rまたはI)を作用させる。または一般式(IV-I)で表
される化合物に(メチルチオ)トリメチルシランおよび
トリメチルシリルトリフルオロメタンスルホネートを室
温付近で作用させる。Xをアリールチオ基とする場合に
は、一般式(IV-I)で表される化合物のOR9基を上記
のようにしてハロゲン原子とした後、これにチオフェノ
ールの誘導体のナトリウムなどの金属塩を作用させる。
XをO−C(=NH)CCl3とする場合には、一般式(IV
−I)で表される化合物(ただし、式中R9は水素原子で
ある。)をジクロロメタンに溶解後、アルゴン雰囲気下
−10℃に冷却し、トリクロロアセトニトリル、次いで
1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデス−7−エン
を加え0℃で2時間反応させる。
【0008】次に一般式(IV)で示される化合物を、一般
式:
【化18】 (式中、R1a〜R3aは水酸基の保護基を表し、TASは
トリアルキルシリル基(アルキル基は1〜4個の炭素原
子を有する。)を表す。)で表される化合物と縮合させ
て、一般式:
【化19】 (式中、R1a〜R6aおよびTASは上に定義したとおり
である。)で表される化合物を得る。上記一般式(V)
で示される化合物は、例えばジャーナル・オブ・オーガ
ニック・ケミストリー(J. Org. Chem.),1988年, 53巻,
5629〜5647ページに記載された方法で得られる。
【0009】一般式(IV)で表される化合物と一般式(V)
で表される化合物との縮合反応は例えば以下のように行
う。一般式(IV)で表される化合物のXがハロゲン原子で
ある場合には、ジクロロメタン中で一般式(IV)で表され
る化合物と活性化した粉末モレキュラシーブ4Aをアル
ゴン雰囲気下室温で約1時間撹拌する(A液)。一方ジク
ロロメタン中で過塩素酸銀、炭酸銀、活性化した粉末モ
レキュラシーブ4Aおよび一般式(V)で表される化合物
を遮光アルゴン雰囲気下室温で2〜3時間反応させる
(B液)。A液およびB液を−20℃に冷却後、両者を混
合し、遮光アルゴン雰囲気下室温に昇温して15〜20
時間反応させる。一般式(IV)で表される化合物のXがア
ルキルチオ基またはアリールチオ基である場合には、一
般式(IV)で表される化合物と一般式(V)で表される化合
物をプロピオニトリルに溶解した後、活性化したモレキ
ュラーシーブ4Aを加えアルゴン雰囲気下一晩撹拌す
る。その後、−45℃に冷却し、N−ヨードスクシンイ
ミド、次にトリフルオロメタンスルホン酸を加え、−4
5℃〜−40℃にて約2時間撹拌する。一般式(IV)で表
される化合物のXがO−C(=NH)CCl3基である場合
には、ジクロロメタン中に一般式(IV)で表される化合物
と一般式(V)で表される化合物とをアルゴン雰囲気下に
溶解後、活性化した粉末モレキュラシーブ4Aを加え室
温で約30分撹拌する。その後0℃に冷却し、三フッ化
ホウ素・エーテル錯体を加えて同温度で2時間撹拌す
る。
【0010】次に生成した一般式(III−1)で表される
化合物のトリアルキルシリルエチル基を脱離させて、一
般式:
【化20】 (式中、R1a〜R6aは上に定義したとおりである。)で
表される化合物とする。この反応は例えば以下のように
行う。一般式(III−1)で表される化合物をジクロロメ
タンに溶解し、アルゴン雰囲気下0℃に冷却しながら三
フッ化ホウ素・エーテル錯体を滴下し、10〜20℃で
反応させる。
【0011】なお一般式(III−2)で表される化合物は
場合により、R1a〜R6aの水酸基の保護基を脱離させて
もよい。この反応は以下のようにして行う。無水メタノ
ール溶液中で触媒量のナトリウムメトキシドを20〜5
0℃で作用させ、イオン交換樹脂で脱イオンし濃縮する
と得られる。
【0012】次に一般式(III−2)における1位のOH
をハロゲン原子、アルキルチオ基、アリールチオ基、O
−C(=NH)CCl3基等に変換させて活性化して、一般
式:
【化21】 (式中、Xは水酸基の活性化基を表し、R1a〜R6aは上
に定義したとおりである。)で表される化合物を得る。
活性化の反応は上に説明したのと同様に行えばよい。
【0013】次に一般式(III−3)で表される6'−フ
ルオロラクトースを、一般式:
【化22】 (式中、nは0〜15までの整数であり、R7aは水酸基
の保護基を表す。)で表されるアジドスフィンゴシン誘
導体と縮合させて、一般式:
【化23】 (式中、R1a〜R7aおよびnは上に定義したとおりであ
る。)で表される化合物を得る。上記一般式(VI)で示
される2−アジドスフィンゴシン誘導体は、例えばカー
ボハイドレート・リサーチ(Carbohydr. Res.),202巻、
(1990)、177〜191ページに記載された方法に準じて、下
記一般式:
【化24】 (式中、nは上に定義したとおりである。)で表される
化合物から容易に得られる。上記の縮合反応は例えば以
下のように行う。ジクロロメタンに上記一般式(III−
3)で表される化合物と一般式(VI)で表される化合物と
をアルゴンに雰囲気下溶解後、活性化したモレキュラシ
ーブ4Aを加え室温で30分撹拌した後、0℃に冷却
し、三フッ化ホウ素・エーテル錯体を加えて同温度で2
時間撹拌する。
【0014】上記一般式(II−1)で表される化合物は
場合により、R1a〜R7aの水酸基の保護基を脱離させて
H原子に変換させてもよい。水酸基の保護基の脱離は上
記したような条件下に行えばよい。
【0015】次にこの化合物のアジド基をトリフェニル
フォスフィン/水の系、または硫化水素/ピリジンの系
でアミノ基に還元することにより、次の一般式:
【化25】 (式中、R1a〜R7aおよびnは上に定義したとおりであ
る。)で表される化合物が得られる。
【0016】次に一般式(II−2)で表される化合物の
アミノ基と、一般式:
【化26】 CH3(CH2)mCOOH ………(VIII) (式中、mは0〜25の整数である。)で表される化合
物のカルボキシル基とを、ジシクロヘキシルカルボジイ
ミド(DCC)、ジイソプロピルカルボジイミド(DI
PC)、1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピ
ル)カルボジイミド(WSCI)などの脱水試薬を用い
て縮合させてアミド結合を形成させて、一般式:
【化27】 (式中、mおよびR1a〜R7aは上に定義したとおりであ
る。)で表される6'−フルオロラクトシルセラミドが
得られる。この反応において一般式(II−2)で表され
る化合物と一般式(VIII)で表される化合物とのモル比
は1:0.5〜1:2.0、好ましくは1:1〜1:
1.1とする。また脱水試薬は一般式(II−2)で表さ
れる化合物1モルに対し、1〜2モル、好ましくは1〜
1.1モル用いる。好ましい溶媒としてはジクロロメタ
ン、クロロホルム、ジクロロエタン、ジメチルホルムア
ミド等を例示できる。反応温度は通常15〜25℃であ
る。反応終了後、抽出、溶媒の溜去等の後処理を行い、
必要に応じてカラムクロマトグラフィで精製する。
【0017】一般式(I)で表される化合物を得る方法
としては、上記のようにDCC等の脱水試薬を用いて一
般式(II−2)と表される化合物と一般式(VIII)で表さ
れる化合物とを直接縮合させる外に、ペプチド合成にお
ける常法に従って一般式(VIII)で表される化合物のカ
ルボキシル基を活性化させてから、一般式(II−2)で
表される化合物のアミノ基と縮合させてもよい。カルボ
キシル基の活性化方法としてはN−ヒドロキシスクシン
イミドやp−ニトロフェノールとの活性エステルとする
方法や混合酸無水物法など慣用の方法を用いることがで
きる。
【0018】かくして得られた一般式(I−1)によって
表される化合物の水酸基の保護基およびカルボキシル基
の保護基を脱離させてもよい。この反応は例えば以下の
ようにして行う。即ち無水のメタノール中に一般式(I−
1)の化合物を溶解し、2〜4倍等量のナトリウムメト
キシドを加えて室温から50℃で、30分から10時間
反応させて水酸基の保護基をはずし、次いで0℃に冷却
して水を加えて同温度で1〜6時間撹拌して、カルボキ
シル基の保護基をはずす。陽イオン交換樹脂のH+型で
脱塩後、シリカゲルを用いてカラム精製を行う。
【0019】ラクトシルセラミドは、ガングリオシドな
どの生理活性糖脂質の生合成中間体であることより、本
発明の6'−フルオロラクトシルセラミドは、生体内に
おけるラクトシルセラミドの作用機構を解明するために
有用であるばかりでなくシアル酸含有糖脂質に起因する
感染症、炎症、その他の疾病(例えば、固形癌の転移、
細菌の胃腸粘膜への接着に起因する炎症など)に対する
治療剤としても有用である。
【0020】
【実施例】以下に実施例を示すが、本発明はこれら実施
例により限定されるものではない。なお、実施例中、N
MRの欄で用いられる略号は下記の通りである。 Me:メチル基、 Ac:アセチル基、 Ph:フェニル
基。 以下のスキームに従って本発明の6'−フルオロラクト
シルセラミド及びその中間体を合成した。6'−フルオロラクトース部分の合成
【0021】
【化28】 (式中、Acはアセチル基、Bnはベンジル基、OSEはトリ
メチルシリルエトキシ基を示す。)
【0022】6'−フルオロラクトシルセラミドの合成
【0023】
【化29】 (式中、Acはアセチル基、Bzはベンゾイル基、Phはフェ
ニル基、DBUは1,8-ジアザビシクロ[ 5.4.0 ]ウンデス−
7−エン、WSCは1-エチル-3-(3-ジメチルアミノプロピ
ル)カルボジイミド塩酸塩を示す。)
【0024】実施例1 2,3,4−トリ−O−アセチル−6−デオキシ−6−フ
ルオロ−α−D−ガラクトピラノシルブロマイド(以
下、化合物(1)と略す。)の合成 1,2,3,4−テトラ−O−アセチル−6−デオキシ−
6−フルオロ−D−ガラクトピラノース 0.5g( 1.43mmo
l ) を酢酸:無水酢酸(2:1)0.6ml に溶解後、0℃
に冷却下、33%臭化水素−酢酸溶液1.45ml を加え
た。密封下、室温で12時間撹拌し、氷冷した飽和炭酸
水素ナトリウム水溶液に注入した。ジクロロメタンで抽
出後、水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。溶
媒を減圧留去し、結晶性固体として化合物(1)489mg
を得た。収率92.2%
【0025】1H-NMR(CDCl3, TMS):δ 6.72( d, 1H,
J1,2=4.0Hz, H-1 ), 5.58( br d, 1H, J3,4=3.3Hz, H-4
), 5.42(dd, 1H, J2,3=10.6Hz, J3,4=3.3Hz, H-3 ),
5.07( dd, 1H, J1,2=4.0Hz, J2,3=10.6Hz, H-2 ), 4.52
( br t, 1H, J5,6=5.8Hz, H-5 ), 4.50( ddd, 1H, J6a,
6F=53.6Hz, J6a,6b=9.8Hz, J5,6a=3.8Hz, H-6a ), 4.45
( ddd, 1H, J6b,6F=50.4Hz, J6a,6b=9.8Hz, J5,6b =5.3
Hz, H-6b ), 2.15, 2.12, 2.02( s, 3H each, OCOCH3
); 19F-NMR(CDCl3, CFCl3):δ- 231( dt, JH6,F=47.2H
z, JH5,F=10.7Hz, F-6 ).
【0026】実施例2 2−(トリメチルシリル)エチル 2,3,6−トリ−O
−ベンジル−4−O−(2,3,4−トリ−O−アセチル
−6−デオキシ−6−フルオロ−β−D−ガラクトピラ
ノシル)−β−D−グルコピラノシド(以下、化合物
(3)と略す。)の合成 無水ジクロロメタン14ml 中で化合物(1)510mg( 1.37
mmol ) と活性化した粉末モレキュラシーブ4A1.0gを
アルゴン雰囲気下、室温で1時間撹拌した(A液)。一
方、無水ジクロロメタン6ml中で、過塩素酸銀284mg( 1.
37mmol )、炭酸銀380mg( 1.38mmol )、活性化した粉末
モレキュラシーブ4A1.0g及び2−(トリメチルシリ
ル)エチル 2,3,6−トリ−O−ベンジル−β−D−
グルコピラノシド(化合物(2))380mg( 0.69mmol )
を遮光アルゴン雰囲気下、室温で2.5時間撹拌した
(B液)。A液,B液を−20℃に冷却後,撹拌したB
液にA液を注ぎ入れた。さらに、遮光アルゴン雰囲気
下、室温に昇温してから16時間撹拌した。セライト層
を通して、不溶部を濾取したのちジクロロメタンで洗浄
した。濾液及び洗浄液を合して、減圧濃縮し、残渣をシ
リカゲルカラムクロマトグラフィー(充填剤:シリカゲ
ル60(7734), 溶出液:ヘキサン/酢酸エチル
=3/1)に供して化合物(3)557mgを得た。収率95.
9%
【0027】IRmaxneat(cm-1):3030, 2955, 2875, 175
0, 1500, 1455, 1370, 1250, 1220, 1075, 740 ; 1H-NMR(CDCl3, TMS):δ 7.4 - 7.2( m, 15H, Ph-H
), 5.31( d, 1H, J3',4'=3.4Hz, H-4' ), 5.12(dd, 1
H, J2',3'=10.4Hz, J1',2'=8.0Hz, H-2' ), 4.91( d, 1
H, Jgem=11.0Hz, CHPh ), 4.90( d, 1H, Jgem=11.0Hz,
CHPh ), 4.83( dd, 1H, J2',3'=10.4Hz, J3',4'=3.4Hz,
H-3' ), 4.82( d, 1H, Jgem=11.0Hz, CHPh ), 4.75(
d, 1H, Jgem=12.0Hz, CHPh ), 4.71( d, 1H, Jgem=11.0
Hz, CHPh ), 4.66( d, 1H, J1',2'=8.0Hz, H-1' ), 4.4
9( d, 1H, Jgem=12.0Hz, CHPh ), 4.37( d, 1H, J1,2=
7.8Hz, H-1 ), 4.16( ddd, 1H, J6'F,6'a=46.5Hz, J6'
a,6b'=9.4Hz, J6'a,5'=5.8Hz, H-6'a ), 4.11( ddd, 1
H, J6'F,6'b=46.2Hz, J6'a,6b'=9.4Hz, J6'b,5'=6.6Hz,
H-6'b ),4.01( ddd, 1H, Jgem=Jvic=9.8Hz, Jvic'=7.0
Hz, CHCH2Si ), 3.94( dd, 1H, J3,4=9.2Hz, J4,5=9.4
Hz, H-4 ), 3.73( d, 2H, J5,6=3.0Hz, H-6 ), 3.60(dd
d, 1H, Jgem=Jvic=9.8Hz, Jvic'=6.1Hz, CHCH2Si ), 3.
57( dd, 1H, J2,3=J3,4=9.2Hz, H-3 ), 3.51( ddd, 1H,
J5',6'F=10.5Hz, J5',6'a=6.6Hz, J5',6'b=5.8Hz, H-
5' ), 3.41( dd, 1H, J1,2=7.8Hz, J2,3=9.2Hz, H-2 ),
3.36( dt, 1H,J4,5=9.4Hz, J5,6=3.0Hz, H-5 ), 2.10,
1.98, 1.96( 3s, 3H each, OCOCH3 ).1.03( m, 2H, CC
H2Si ), 0.03( s, 9H, SiMe3); 19F-NMR(CDCl3, CFCl3):δ− 232( dt,
JH6’,F=46Hz, JH5’,F=10.5H
z, F−6’ ).
【0028】実施例3 2−(トリメチルシリル)エチル 2,3,6−トリ−O
−アセチル−4−O−(2,3,4−トリ−O−アセチル
−6−デオキシ−6−フルオロ−β−D−ガラクトピラ
ノシル)−β−D−グルコピラノシド(以下、化合物
(4)と略す。)の合成 酢酸10ml 中に、化合物(3)120mg( 0.143mmol ) を溶
解し、10%パラジウム−炭素50mg を加えたのち、常
圧水素の雰囲気下、50℃に加温しながら3時間撹拌し
た。不溶の触媒を濾別(セライト層)し、濾液を濃縮し
てから、トルエンを加え、減圧濃縮した。残渣を無水酢
酸:ピリジン(2:1)6ml に溶解し、室温で19時間
撹拌した。反応混合物を減圧濃縮し、トルエンとの共沸
(減圧)により得られた残渣をシリカゲルカラムクロマ
トグラフィー(充填剤:シリカゲル60(7734),
溶出液:ヘキサン/酢酸エチル=2/1)に供して化
合物(4)86mgを得た。収率86.6%
【0029】[α]D 25=-14.8o( c 1.79, CHCl3); IRmaxKBr(cm-1):2955, 2900, 1750, 1435, 1370, 1230,
1135, 1060, 765 ; 1H-NMR(CDCl3, TMS):δ 5.40( d, 1H, J3',4'=3.4H
z, H-4' ), 5.20( dd, 1H, J2,3=J3,4= 9.2Hz, H-3 ),
5.13( d, 1H, J1',2'=7.9Hz, J2',3'=10.4Hz, H-2' ),
4.97( dd, 1H, J2',3'=10.4Hz, J3',4'=3.4Hz, H-3' ),
4.88( dd, 1H, J2,3=9.2Hz, J1,2=8.0Hz, H-2 ), 4.51
( d, 1H, J1',2'=7.9Hz, H-1' ), 4.48( d, 1H, J1,2=
8.0Hz, H-1 ),4.48( dd, 1H, J6a,6b=11.9Hz, J5,6a=2.
2Hz, H-6a ), 4.43( ddd, 1H, J6'a,6'F=46.9Hz, J6'a,
6'b=9.8Hz, J5',6'a=6.3Hz, H-6'a ), 4.40( ddd, 1H,
J6'b,6'F=46.2Hz, J6'a,6'b=9.8Hz, J5',6'b=5.1Hz, H-
6'b' ), 4.11( dd, 1H, J6a,6b=11.9Hz, J5,6b=5.1Hz,
H-6b ), 3.93( ddd, 1H, Jgem=Jvic=9.8Hz, Jvic'=5.8H
z, CHCH2Si ), 3.88( ddd, 1H, J5',6'F=11.8Hz, J5',
6'a= 6.3Hz, J5',6'b=5.1Hz, H-5' ), 3.82( dd, 1H, J
3,4=9.2Hz, J5,4=9.6Hz, H-4 ), 3.60( ddd, 1H,J5,4=
9.6Hz, J5,6b=5.1Hz, J5,6a=2.2Hz, H-5 ), 3.55( ddd,
1H, Jgem=Jvic=9.8Hz, Jvic'=6.6Hz, CHCH2Si ), 2.1
5, 2.11, 2.05, 2.03, 2.02, 1.97( 6s, 18H, OCOCH
3 ), 0.91( m, 2H, CCH2Si ), 0.00( s, 9H, SiMe3 ); 質量分析: m/z C29H46O16SiFについての計算値 697.254 (M+H) ;
測定値 697.254.
【0030】実施例4 2,3,6−トリ−O−アセチル−4−O−(2,3,4−
トリ−O−アセチル−6−デオキシ−6−フルオロ−β
−D−ガラクトピラノシル)−D−グルコピラノース
(以下、化合物(5)と略す。)の合成 無水ジクロロメタン6ml に化合物(4)200mg( 0.193mm
ol ) を溶解し、アルゴン雰囲気下、0℃に冷却しなが
ら、三フッ化ホウ素・エーテル錯体0.3ml( 2.44mmol )
を滴下した。10〜20℃で1時間45分撹拌後、ジク
ロロメタン50mlで希釈し、5%炭酸水素ナトリウム水溶
液、次いで水で洗浄した。有機層を硫酸ナトリウムで乾
燥後、減圧濃縮し、残渣をフラッシュクロマトグラフィ
ー(充填剤:シリカゲル60K230, 溶出液:酢酸
エチル/ヘキサン=2/1)に供して化合物(5)119m
gを得た。収率69.3%
【0031】[α]D 25=+38.3o ( c 1.00, CHCl3); IRmaxKBr(cm-1):3430, 1750, 1370, 1240, 1140, 1045; 1H-NMR(CDCl3, TMS):δ 5.37( d, 0.7H, J1a,2=3.6H
z, H-1a ), 4.50( d, 0.3H, J1b,2=8.0Hz, H-1b), 4.53
( d, 1H, J1',2'=7.9Hz, H-1' ), 4.44( ddd, 1H, J6'
a,6'F= 48.1Hz, J6'a,6'b=9.7Hz, J5',6'a=6.5Hz, H-6'
a ), 4.41( ddd, 1H, J6'b,6'F=46.2Hz, J6'a,6'b=9.7H
z, J5',6'b=4.9Hz, H-6'b ); 質量分析: m/z C24H34O16Fについての計算値 597.183 (M+H); 測
定値 597.186. C24H33O16NaFについての計算値 619.165 (M+Na); 測定
値 619.165.
【0032】実施例5 2,3,6−トリ−O−アセチル−4−O−(2,3,4
−トリ−O−アセチル−6−デオキシ−6−フルオロ−
β−D−ガラクトピラノシル)−α−D−グルコピラノ
シルトリクロロアセトイミデート(以下、化合物(6)
と略す。)の合成 無水ジクロロメタン6ml に化合物(5)115mg( 0.193mm
ol ) を溶解後、アルゴン雰囲気下、−10℃に冷却
し、トリクロロアセトニトリル0.6ml( 5.98mmol) 次い
で1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデス−7−
エン16μl( 0.11mmol ) を加えた。0℃で2時間撹拌
後、減圧濃縮し、残渣をフラッシュクロマトグラフィー
(充填剤:シリカゲル60K230, 溶出液:酢酸エ
チル/ヘキサン=1/1)に供して化合物(6)125mg
を得た。収率87.5%
【0033】[α]D 25=+ 57.7o ( c 0.77, CHCl3); IRmaxKBr(cm-1):3470, 3345, 1755, 1680, 1370, 1230,
1060, 800; 1H-NMR(CDCl3, TMS ):δ 8.66( s, 1H, NH ), 6.49
( d, 1H, J1,2=3.8Hz, H-1 ), 5.58( dd, 1H, J2,3=J3,
4=9.7Hz, H-3 ), 5.40( d, 1H, J3',4'=3.4Hz, H-4' ),
5.16( dd, 1H, J1',2'=7.9Hz, J2',3'=10.4Hz, H-2'
), 5.07( dd, 1H, J1,2=3.8Hz, J2,3=9.7Hz,H-2 ), 4.
98( dd, 1H, J2',3'=10.4Hz, J3',4'=3.4Hz, H-3' ),
4.55(d, 1H, J1',2'=7.9Hz, H-1' ), 4.48( dd, 1H, J6
a,6b=11.9Hz, J5,6a=2.1Hz, H-6a ), 4.45( ddd, 1H, J
6'a,6'F=45.8Hz, J6'a,6'b=9.8Hz, J5',6'a=6.5Hz, H-
6'a ), 4.41( ddd, 1H, J6'b,6'F=46.3Hz, J6'a,6'b=9.
8Hz, J5',6'b=4.0Hz, H-6'b ), 4.16( dd, 1H, J6a,6b=
11.9Hz, J5,6b=4.4Hz, H-6b ), 4.15( m, 1H, H-5 ),
3.92( ddd, 1H, J5',6'F=11.9Hz, J5',6'a=6.5Hz, J5',
6'b=4.0Hz, H-5' ), 3.91( dd, 1H, J3,4=9.7Hz, J4,5=
9.6Hz, H-4 ), 2.16, 2.11, 2.06, 2.05, 2.01, 1.98(
6s, 18H, OCOCH3 ); 質量分析: m/z C26H34NO16Cl3Fについての計算値 740.093 (M+H);
測定値740.095. C26H33NO16NaCl3Fについての計算値 762.075 (M+Na);
測定値762.080.
【0034】実施例6 2,3,6−トリ−O−アセチル−4−O−(2,3,4−
トリ−O−アセチル−6−デオキシ−6−フルオロ−β
−D−ガラクトピラノシル)−β−D−グルコピラノシ
ル−(1→1)−(2S,3R,4E)−2−アジド−3
−O−ベンゾイル−4−オクタデセン−1,3−ジオ−
ル(以下、化合物(8)と略す。)の合成 無水ジクロロメタン7ml に化合物(6)172mg( 0.233mm
ol ) と(2S,3R,4E)−2−アジド−3−ベンゾ
イルオキシ−4−オクタデセン−1−オ−ル(化合物
(7))238mg( 0.492mmol ) をアルゴン雰囲気下溶解
後、活性化した粉末モレキュラシーブ4A4.9g を加
え、室温で30分撹拌した。0℃に冷却し、三フッ化ホ
ウ素・エーテル錯体70μl ( 0.569mmol )を加えて、同
温度で2時間撹拌した。不溶部をセライト層を通して濾
過し、ジクロロメタンで洗浄した。濾液及び洗液を合し
て、5%炭酸水素ナトリウム水溶液、次いで水で洗浄、
硫酸ナトリウムで乾燥後、減圧濃縮した。この残渣をフ
ラッシュクロマトグラフィー(充填剤:シリカゲル60
K230, 溶出液:ヘキサン/酢酸エチル=2/1)
に供して化合物(8)174mgを得た。収率74.2% 1H-NMR(CDCl3, TMS): δ ( ラクトース ユニット ); 5.41( d, 1H, J3',4'=
3.3Hz, H-4' ), 5.21( dd, 1H, J2,3=J3,4=9.1Hz, H-3
), 5.14( dd, 1H, J1',2'=7.7Hz, J2',3'=10.4Hz,H-2'
), 4.97( dd, 1H, J2',3'=10.4Hz, J3',4'=3.3Hz, H-
3' ), 4.94( dd, 1H, J1,2=7.9Hz, J2,3=9.1Hz, H-2 ),
4.53( d, 1H, J1,2=7.6Hz, H-1 ), 4.51( d, 1H, J1',
2'=7.7Hz, H-1' ), 4.49( dd, 1H, J6a,6b=12.1Hz, J5,
6a=2.8Hz, H-6a ), 4.6〜4.2( m, 2H, H-6' ), 4.06( d
d, 1H, J6a,6b=12.1Hz, J5,6b=5.1Hz,H-6b ), 3.89( dd
d, 1H, J5',6'F=11.9Hz, J5',6'a=6.7Hz, J5',6'b=5.4H
z, H-5' ), 3.80( dd, 1H, J3,4=9.1Hz, J4,5=9.6Hz, H
-4 ), 3.62( ddd, 1H, J4,5=9.6Hz, J5,6b=5.1Hz, J5,6
a=2.8Hz, H-5 ); ( アジドスフィンゴシン ユニット ); 8.2〜7.4( m, 5
H, Ph-H ), 5.93( dt, 1H, J4,5=15.1Hz, J5,6=6.8Hz,
H-5 ), 5.59( dd, 1H, J2,3=4.2Hz, J3,4=8.1Hz,H-3 ),
5.53( dd, 1H, , J3,4=8.1Hz, J4,5=15.1Hz, H-4 ),
3.92( br dd, 1H,J1,2=6.0Hz, J2,3=4.2Hz, H-2 ), 3.8
6( dd, 1H, J1a,1b=10.4Hz, J1a,2=6.7Hz, H-1a ), 3.5
8( dd, 1H, J1a,1b=10.4Hz, J1b,2=5.9Hz, H-1b ), 2.1
6, 2.09,2.06, 2.05, 2.05, 1.98( 6s, 18H, OCOCH3 ),
1.5〜0.9( m, 22H, CH2 ), 0.88( t, 3H, J=6.8Hz, CH
3 ); 19F-NMR(CDCl3, CFCl3):δ- 230( dt, JH6',F=51.4
Hz, JH5',F=11.9Hz, F-6' ); 質量分析: m/z C49H70N3O18NaFについての計算値 1030.454 (M+N
a); 測定値 1030.455.
【0035】実施例7 2,3,6−トリ−O−アセチル−4−O−(2,3,4−
トリ−O−アセチル−6−デオキシ−6−フルオロ−β
−D−ガラクトピラノシル)−β−D−グルコピラノシ
ル−(1→1)−(2S,3R,4E)−3−O−ベンゾ
イル−2−テトラコサミド−4−オクタデセン−1,3
−ジオ−ル(以下、化合物(9)と略す。)の合成 無水ベンゼン1ml に化合物(8)72mg( 0.071mmol ) を
溶解後、アルゴン雰囲気下、45℃に加温しながらトリ
フェニルホスフィン37mg( 0.14mmol ) を加え、同温度
で30分撹拌した。水22μl ( 0.122mmol ) を加えた
後、さらにアルゴン雰囲気下、同温度で4時間撹拌し
た。放冷後、酢酸エチルで希釈し、飽和塩化アンモニウ
ム水溶液で洗浄、硫酸マグネシウム乾燥を行い、減圧濃
縮した。残渣をフラッシュクロマトグラフィー(充填
剤:シリカゲル60K230, 溶出液:ヘキサン/酢
酸エチル=1/2)に供し、Rf = 0.20 (ヘキサン/酢
酸エチル=1/2)のフラクションを合して、減圧濃縮
を行った。白色の残渣76mg を無水ジクロロメタン6mlに
溶かし、アルゴン雰囲気下0℃に冷却した後、リグノセ
リン酸55mg( 0.15mmol ) 次いで1−エチル−3−(3
−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩(W
SCと略称)45mg( 0.23mmol ) を加えた。室温に昇温
し、12時間撹拌してから、ジクロロメタンで希釈、水
で洗浄、乾燥(硫酸ナトリウム)を経て減圧濃縮を行っ
た。残渣をフラッシュクロマトグラフィー(充填剤:シ
リカゲル60K230, 溶出液:ヘキサン/酢酸エチ
ル=3/2)に供して化合物(9)59mgを得た。収率6
2.1% IRmaxKBr(cm-1):3325, 2920, 2850, 1755, 1655, 1470,
1370, 1235, 1070, 965, 715; 1H-NMR(CDCl3, TMS): δ ( ラクトース ユニット ); 5.39( d, 1H, J3',4'=
3.4Hz, H-4' ), 5.18( dd, 1H, J2,3=J3,4=9.2Hz, H-3
), 5.11( dd, 1H, J1',2'=7.9Hz, J2',3'=10.3Hz,H-2'
), 4.96( dd, 1H, J2',3'=10.3Hz, J3',4'=3.4Hz, H-
3' ), 4.88( dd, 1H, J1,2=7.8Hz, J2,3=9.2Hz, H-2 ),
4.48( d, 1H, J1',2'=7.9Hz, H-1' ), 4.45( d, 1H, J
1,2=7.8Hz, H-1 ), 4.5〜4.3( m, 3H, H-6' and H-6a
), 3.98( dd,1H, J6a,6b=11.5Hz, J5,6b=5.7Hz, H-6b
), 3.89( ddd, 1H, J5',6'F=11.9Hz, J5',6'a=6.7Hz,
J5',6'b=5.4Hz, H-5' ), 3.80( dd, 1H, J3,4=9.2Hz, J
4,5=9.5Hz, H-4 ), 3.57( ddd, 1H, J4,5=9.5Hz, J5,6b
=5.7Hz, J5,6a=1.9Hz, H-5 ); ( セラミド ユニット ); 8.1〜7.4( m, 5H, Ph-H ),
5.86( dt, 1H, J4,5=15.2Hz, J5,6=6.8Hz, H-5 ), 5.74
( d, 1H, JNH,2=9.2Hz, NHCO ), 5.54( dd, 1H, J2,3=
7.0Hz, J3,4=7.5Hz, H-3 ), 5.46( dd, 1H, J3,4=7.5H
z, J4,5=15.2Hz, H-4 ), 4.47( m, 1H, H-2 ), 3.99(
m, 1H, H-1a ), 3.63( dd, 1H, J1a,1b=10.0Hz, J1b,2=
4.5Hz, H-1b ), 2.14, 2.03, 2.02, 2.01, 1.96, 1.96
( 6s, 18H, OCOCH3 ), 1.5〜1.1( m, 62H, CH2 ), 0.87
( t, 6H, J=6.6Hz, CH3 ); 19F-NMR(CDCl3, CFCl3):δ - 230( dt, JH6',F=49.5
Hz, JH5',F=11.9Hz, F-6' ); 質量分析: m/z C73H119NO19Fについての計算値 1332.836 (M+H);
測定値 1332.835. C73H118NO19NaFについての計算値 1354.818 (M+Na); 測
定値 1354.819.
【0036】実施例8 4−O−(6−デオキシ−6−フルオロ−β−D−ガラ
クトピラノシル)−β−D−グルコピラノシル−(1→
1)−(2S,3R,4E)−2−テトラコサミド−4−
オクタデセン−1,3−ジオ−ル(別称 6'−フルオロ
ラクトシルセラミド)(以下、化合物(10)と略
す。)の合成 無水メタノール3ml に化合物(9)59mg( 0.044mmol )
を溶解後、アルゴン雰囲気下、ナトリウムメトキシド22
mg( 0.41mmol ) を加え、室温で2時間撹拌した。アン
バーライトIR120(H+)カラムクロマトグラフィ
ー(溶出液:メタノール)に供して、溶出部を減圧濃縮
後、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(充填
剤:シリカゲル60(7734), 溶出液:クロロホル
ム→20:1 クロロホルム−メタノール→10:1 ク
ロロホルム−メタノール)に供して化合物(10)35mg
を得た。収率85.4%
【0037】融点 213〜216℃(分解); [α]D 25=+ 7.46o(c 0.134, 1:1 CH3OH-CHCl3); IRmaxKBr(cm-1):3425, 2920, 2850, 1635, 1465, 1385,
1265, 1135, 1035, 725; 1H-NMR(CDCl3, TMS): δ ( ラクトース ユニット ); 4.38( d, 1H, J1',2'=
7.1Hz, H-1' ), 4.30( d,1H, J1,2=7.7Hz, H-1 ); ( セラミド ユニット ); 5.70( dt, 1H, J4,5=15.0Hz,
J5,6=6.0Hz, H-5 ), 5.45( dd, 1H, J4,5=15.0Hz, J3,
4=7.5Hz, H-4 ), 4.05( dd, 1H, J2,3=J3,4=7.5Hz, H-3
), 2.09( br t, 2H, J=7.4Hz, H-6 ), 2.00( m, 2H, N
COCH2 ), 1.57( m, 2H, COCH2CH2 ), 1.4〜1.2( m, 62
H, CH2 ), 0.89( t, 6H, J=6.6Hz, CH3 ); 19F-NMR( 1 : 1 CD3OD-CDCl3 , CFCl3 ) : δ - 229( dt, JH6',F=47.5Hz, JH5',F=13.2Hz, F-6'
); 質量分析: m/z C54H103NO12Fについての計算値 976.746 (M+H);
測定値 976.748. C54H102NO12NaFについての計算値 998.728 (M+Na); 測
定値 998.727. 元素分析: C54H102NO12F ・8 H2Oとして 計算値(%) C 57.88 H 10.61 N 1.25 F 1.70 測定値(%) C 58.22 H 9.49 N 1.55
F 1.75
【0038】実施例9並びに比較例1および2 上記実施例で合成した化合物10の6’−フルオロラク
トシルセラミドのβ−ガラクトシダーゼの活性阻害効果
を次のようにして測定した。ラットの肺細胞の遠心沈査
に2倍量の0.2Mクエン酸−リン酸緩衝液(pH4.2)
を加えてホモゲナイズし、11.000×g 30分間遠
心し、上澄み液を酵素源として使用した。基質として1
0μgのラクトシルセラミド、阻害剤として50μgの
化合物10の6’−フルオロラクトシルセラミド(6
‘−F体と略す)および200μgのタウロコール酸ナ
トリウムを含む0.2Mクエン酸−リン酸緩衝液(pH
4.2)100μlに上記の細胞粗抽出液200μlを加え
37℃で2時間インキュベートした。100℃、10分
処理により反応を停止後、1mlのH2Oを添加し、C1
8逆相カラムにて生成したグルコシルセラミドを分離、
精製した。その後シリカゲルTLCに供し、クロロホル
ム/メタノール/水(65/45/3)にて展開した。展
開後、オルシノール−硫酸で発色させ、2波長クロマト
スキャナー(CS9300PC、島津製作所)を用い、発
色したスポットの540nmでの吸光度を測定して、生
成したグルコシルセラミドを定量した。阻害効果は、阻
害剤を用いない場合のガラクトシダーゼの活性値を10
0%として、阻害剤を加えた場合の活性値によって示し
た。比較のために化合物10において6'位の代わりに
3'位がフルオロ化された3'−F体、および4'位がフ
ルオロ化された4'−F体についてもそれぞれ上記酵素
の活性阻害効果を測定した。結果を併せて表1に示す。
【0039】
【表1】
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C12N 9/99

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一般式: 【化1】 (式中、mは0〜25までの整数であり、nは0〜15
    までの整数であり、R1〜R7は独立に水素原子または水
    酸基の保護基を表す。)で表される6'−フルオロラク
    トシルセラミド。
  2. 【請求項2】 一般式: 【化2】 (式中、nおよびR1〜R7は上に定義したとおりであ
    る)。で表される化合物。
  3. 【請求項3】 一般式: 【化3】 (式中、R8は水素原子またはトリアルキルシリルエチ
    ル基(アルキル基は1〜4個の炭素原子を有する。)を表
    し、R1〜R6は上に定義したとおりである。)で表され
    る6'−フルオロラクトース誘導体。
  4. 【請求項4】 一般式: 【化4】 (式中、R4a〜R6aは水酸基の保護基を表し、Xは水酸
    基の活性化基を表す。)で表される化合物と、一般式: 【化5】 (式中、R1a〜R3aは水酸基の保護基を表し、TASは
    トリアルキルシリル基(アルキル基は1〜4個の炭素原
    子を有する。)を表す。)で表される化合物とを縮合さ
    せ、次に場合によりトリアルキルシリルエチル基および
    水酸基の保護基を脱離させることを含んでなる、一般
    式: 【化6】 (式中、R1〜R6は水素原子または水酸基の保護基を表
    し、R8は上に定義したとおりである。)で表される6'
    −フルオロラクトース誘導体の製造方法。
  5. 【請求項5】 一般式: 【化7】 (式中、R1a〜R6aは水酸基の保護基を表し、Xは水酸
    基の活性化基を表す。)で表される化合物と、下記一般
    式: 【化8】 (式中、nは0〜15までの整数であり、R7aは水酸基
    の保護基を表す。)で表される化合物とを縮合させ、場
    合により水酸基の保護基を脱離させることを含んでな
    る、一般式: 【化9】 (式中、R1〜R7は水素原子または水酸基の保護基を表
    し、nは上に定義したとおりである。)で表される化合
    物の製造方法。
  6. 【請求項6】 一般式: 【化10】 (式中、nは0〜15までの整数であり、R1a〜R7a
    水酸基の保護基を表す。)で表される化合物のアジド基
    を還元してNH2基を形成させ、次に一般式: 【化11】CH3(CH2)mCOOH (VIII) (式中、mは0〜25の整数である。)で表される化合
    物のカルボキシル基と縮合させてアミド化し、場合によ
    りOH基の保護基を脱離させることを含んでなる、一般
    式: 【化12】 (式中、R1〜R7は水素原子または水酸基の保護基を表
    し、mおよびnは上に定義したとおりである。)で表さ
    れる6'−フルオロラクトシルセラミドの製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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