JPH0853092A - 自転車用frp製前フォーク - Google Patents

自転車用frp製前フォーク

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JPH0853092A
JPH0853092A JP6211991A JP21199194A JPH0853092A JP H0853092 A JPH0853092 A JP H0853092A JP 6211991 A JP6211991 A JP 6211991A JP 21199194 A JP21199194 A JP 21199194A JP H0853092 A JPH0853092 A JP H0853092A
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fork
front fork
rigidity
vibration
frp
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JP6211991A
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English (en)
Inventor
Yoshifumi Miyata
美文 宮田
Hironori Ashida
浩規 芦田
Teruyuki Sugita
輝之 杉田
Katsuharu Akaike
克治 赤池
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Original Assignee
Mizuno Corp
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Publication date
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    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B62LAND VEHICLES FOR TRAVELLING OTHERWISE THAN ON RAILS
    • B62KCYCLES; CYCLE FRAMES; CYCLE STEERING DEVICES; RIDER-OPERATED TERMINAL CONTROLS SPECIALLY ADAPTED FOR CYCLES; CYCLE AXLE SUSPENSIONS; CYCLE SIDE-CARS, FORECARS, OR THE LIKE
    • B62K19/00Cycle frames
    • B62K19/02Cycle frames characterised by material or cross-section of frame members
    • B62K19/16Cycle frames characterised by material or cross-section of frame members the material being wholly or mainly of plastics
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B62LAND VEHICLES FOR TRAVELLING OTHERWISE THAN ON RAILS
    • B62KCYCLES; CYCLE FRAMES; CYCLE STEERING DEVICES; RIDER-OPERATED TERMINAL CONTROLS SPECIALLY ADAPTED FOR CYCLES; CYCLE AXLE SUSPENSIONS; CYCLE SIDE-CARS, FORECARS, OR THE LIKE
    • B62K21/00Steering devices
    • B62K21/02Front wheel forks or equivalent, e.g. single tine

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  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Mechanical Engineering (AREA)
  • Moulding By Coating Moulds (AREA)
  • Steering Devices For Bicycles And Motorcycles (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】曲げ振動の一次振動の振幅の大きさを制御し、
ハンドル部に伝播する衝撃を緩和すると共に、高速走行
時に発生する前フォークの捩れ振動を抑制して操作性の
良い前フォークを提供する。 【構成】軽量な芯部と、その周りに配置されたマトリッ
クス樹脂と長繊維または連続繊維からなる補強繊維との
FRP外殻とで一体に形成されたFRP製前フォークに
おいて、フォーク部3a、3bの剛性を、クラウン部4
a、4bからフォーク脚の下端6a、6bに行くに従
い、高剛性から低剛性に推移させて形成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、自転車用前フォークに
関する。
【0002】
【従来の技術】自転車の前輪系に求められる性能の主な
ものとしては、軽量であって、ある程度の強度と剛性を
有すること、路面からの衝撃が余り直接ハンドルに伝わ
らないことおよびハンドルの操作性が良く安定している
ことが重要な要因であることは公知である。自転車の前
輪系のうち、前フォークについて見ると、前フォークに
は路面からの凹凸による衝撃、ペダルを踏むことによる
乗員の踏力、ハンドルを操作するときの乗員の腕力、旋
回時の横荷重、制動時の慣性力などの種々の外力を受け
る。そしてその結果として自転車には振動や応力が発生
し、乗員の操作に影響を及ぼす。また、路面からの衝撃
などによる外力は、図1に示すように車輪10から車軸
8へ、そして前フォーク1からステム7、ハンドル9と
伝わり腕に伝わる。上記伝達経路において前フォーク1
は、路面から受ける衝撃の通過点となるため、振動減衰
をなすと共に、強度部材、舵取り機構としての役割を担
っている。そして、前記路面からの衝撃によって自転車
には、振動が生じるが、その振動の大きさは、前記前フ
ォーク自身の特性によっても変わるものである。前記前
輪系に求められる性能を満たすために、前フォークに
は、最近では、金属製と同等またはそれ以上の強度及び
弾性率を有し、かつ、金属製のものに比べて軽量で、振
動減衰性に優れていることから、FRP製の前フォーク
がみられるようになった。
【0003】前記従来のFRP製の前フォークの構成と
しては、軽量芯材の周囲に、補強繊維としてガラス繊
維、アラミド繊維、カーボン繊維、グラファイト繊維な
どを用い、前記補強繊維に含浸させるマトリックス樹脂
として、エポキシ樹脂、ポリイミド樹脂、不飽和ポリエ
ステル樹脂、フェノール樹脂等を用いて形成したFRP
層を積層したものが公知である。補強繊維の形態として
は、織布、編組、一方向引き揃え等の形態で用いられ
る。また、前記構成の前フォークの製造方法としては、
特開平2−77388号公報に開示されているように、
芯材の周囲に前記補強繊維に前記樹脂を含浸させたプリ
プレグを巻き付け、前フォーク成形用の型内に配置し、
加熱加圧して硬化成形する方法の他、特開昭63−27
86号に開示されているように、芯材に織布、編組等の
形態の補強繊維を被覆して、成形型内に配置し、閉じた
型内に樹脂を注入、含浸させて硬化成形する方法が公知
である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】前記従来の前フォーク
は、走行時に路面からの衝撃が余り直接ハンドルに伝わ
らないようにする方法として、FRP自体の振動減衰性
に依存した設計であった。即ち、前記従来の前フォーク
においては、種々の外力に耐え得る機械的強度を満足さ
せるように形成されることを第1の目的としている。そ
して、そのように形成された前フォークのフォーク部の
パイプの径を変えたり、湾曲形状を変えることにより路
面からの衝撃を緩和させようとする構造としていた。し
かし、前述したように、前フォークに生じる振動は、外
力により生じる振動及び前フォーク自体の特性により生
じる自励振動によって変化するため、この2種類の振動
を制御することがハンドルの操作性を良くすることとな
る。前フォークに加えられる外力の主なものは、前述し
たように路面からの衝撃とペダルを踏むことによる乗員
の踏力およびハンドルを操作するときの乗員の腕力など
であり、これらの外力の内の路面からの衝撃について言
えば、前記衝撃は前フォークを振動させるエネルギー
と、前フォークを介してハンドル部まで伝播するエネル
ギーとに分配される。したがって、たとえば、アルミニ
ウム合金などの剛性の低い材料等で形成された前フォー
クの場合は、前フォークを振動させる振幅が比較的大き
く、故に、ハンドル部に伝播する衝撃が小さいことは公
知である。しかし、アルミニウム合金を初めとする金属
製前フォークについては、これら金属材料が振動減衰性
に乏しいことから、ハンドル部には連続的な振動が伝播
し、ハンドルの操作性を低減させている。ここに述べる
前フォークに生じる一次振動は、車軸部と、支軸とフォ
ーク部が連結されるクラウン部で節となる振動であり、
左右のフォーク部において曲げ振動として主にとらえら
れる。
【0005】また、自励振動は、車軸部と、支軸とフォ
ーク部が連結されるクラウン部で節となる振動で、ハン
ドル部においては左右の振れとなる振動であり、フォー
ク部では、クラウン部の捩れ振動として主にとらえら
れ、高速走行時に発生する振動である。そこで本発明
は、前フォークを構成する一対のフォーク部の、曲げ振
動の一次振動の振幅の大きさを制御し、ハンドル部に伝
播する衝撃を緩和し、自転車の走行目的に応じて、容易
に設計変更可能な前フォークとするとともに、高速走行
時に発生する前フォークの捩れ振動を抑制して操作性の
良い前フォークを提供しようとするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するため
に、本発明は、以下の構成とした。即ち、支軸と、該支
軸に連結されるフォーク部とからなり、該フォーク部
は、前記支軸から略垂直方向に張り出すクラウン部と、
該クラウン部から前記支軸に略平行方向に延びるフォー
ク脚とからなる前フォークであって、軽量な芯部と、そ
の周りに配置されたマトリックス樹脂と長繊維または連
続繊維からなる補強繊維とのFRP外殻とで一体に形成
されたFRP製前フォークにおいて、該フォーク部の剛
性を、クラウン部からフォーク脚下端に行くにしたがい
高剛性から低剛性に推移させて形成した自転車用FRP
製前フォークとした。前記高剛性である部分は、曲げ剛
性が8〜15×102 N・m2の範囲の曲げ剛性を有し、
かつ、捩れ剛性が、8〜15×102 N・m2の範囲の捩
れ剛性を有するFRP層であることがこのましく、低剛
性である部分は、その曲げ剛性を1〜8×102 N・m2
の範囲で、捩れ剛性は2〜8×102 N・m2の範囲であ
ることが好ましい。前記特性を有するために、前記高剛
性である部分は、前記フォーク部の長さ方向の略中央か
ら上側部分であって、前記上側部分は補強繊維の配向角
度が前フォークの縦方向の軸に0°〜±30°となるよ
うに配置された曲げ剛性調整層と、補強繊維の配向角度
が縦方向の軸に対して±30°〜±60°となるように
配置された捩れ剛性調整層とを有する構成とした。走行
時の操作性を良好とするためには、前フォークに受ける
衝撃を緩和し、かつ、振動、即ち曲げ振動と捩れ振動の
伝播を少なくする必要があることは、前述したが、前フ
ォークに外力が加わることにより、フォーク部に生じる
振動の振幅は、フォーク部の下側部が上側部より大き
く、又、支軸とフォーク部が連結されるクラウン部の中
心が一次振動の節、即ち最も振幅の小さい、従って振動
の少ない部分、となるから、前記振動の節の部分を高剛
性として振動を起こりにくくし、また、振幅の大きい部
分を低剛性として衝撃を緩和させるようにした。たとえ
ば、フォーク部の長さの略中央より上側と下側で剛性に
差を設け、略中央より上側を高剛性、下側を低剛性とし
た構成として、振幅の大きい部分の衝撃を緩和し、振動
を抑えるものである。前記低剛性の部分は、振幅の最大
部分を含むことがより効果的であり、その長さの範囲と
しては、通常はフォーク脚の下端から1/2程度の長さ
の範囲とするか、あるいは、フォーク脚の側面形状が前
記フォーク脚の下端に行くに従い弧状に湾曲形成された
ものにあっては、前記湾曲部分であれば良い。
【0007】フォーク部の剛性の高低差や、その範囲は
路面の状況や、走行の目的に合わせて種々設計できる。
例えば、凹凸の激しい路面での走行の場合、より衝撃緩
和の効果を上げるため、低剛性の部分の範囲をフォーク
脚下端から2/3程度の長さの範囲とし、剛性の高低の
差を大きくした前フォークとしたり、ハンドル操作に敏
捷性が要求される場合には、低剛性の部分の範囲をフォ
ーク脚の下端から1/3程度の長さの範囲とし、剛性の
高低の差をあまりつけないような全体に剛性を高めて操
作性の良い前フォークとするなど、路面の状況や、走行
の目的に応じて変更することができる。本発明の目的を
達成させるための本発明の前フォークを形成する材料と
しては、金属製、FRP製、これらの複合材料製など特
に材料を限定するものではないが、繊維強化樹脂製であ
れば、設計の自由度が大きく、より効果的である。繊維
強化樹脂としては、補強繊維として炭素繊維、ガラス繊
維、アラミド繊維など通常のFRP成形品に用いられる
繊維であればよく、マトリックス樹脂としては熱硬化性
のポリエステルアミド樹脂、ポリアミノアミド樹脂、エ
ポキシ樹脂などが挙げられる。
【0008】補強繊維の含有量としては、45〜70重
量%であることが好ましく、45重量%以下であると前
フォークとして要求される機械的特性を満足することが
出来ず、70重量%以上であると、マトリックス樹脂の
含浸が充分出来ないため好ましくない。前記外殻は、前
記曲げ剛性を調整層と捩れ剛性を調整層とを所望の位置
に配置することにより剛性を強化することが出来る。
【0009】
【作用】以上説明したように、本発明は、自転車用FR
P製前フォークのフォーク部の剛性を、該フォーク部を
構成するクラウン部からフォーク脚下端行くにしたが
い、高剛性から低剛性に推移させた構成としたことによ
り、少なくとも一次振動の節に相当するクラウン部を高
剛性とし、衝撃による振動の振幅の大きいフォーク部下
端を低剛性としたことにより、低剛性部分で振動を緩和
させ、高剛性部分で振動を抑制するため、手に不快な一
次振動や、その他の振動を手に伝わりにくくする。ま
た、FRPによる曲げ剛性調整層と捩れ剛性調整層を形
成し、前記調整層をフォーク部のクラウン部を中心とす
る範囲に配置し、一次振動の節に相当する部分の剛性を
高くし、前記調整層を有しない部分との剛性に差を設け
て、衝撃を緩和させ、振動を抑制する。また、FRP製
の補強繊維からなる調整層の繊維の種類や配向角度、前
記調整層の配置する位置や範囲などを設計することによ
り、自転車の走行目的や、路面の状態に合わせた構造を
有する前フォークを設計することが出来る。
【0010】
【実施例】以下、本発明の具体的実施例を図面により詳
細に説明する。各部の符号は、従来図の部分と一致する
ものは同じ符号を用いた。図1は本実施例の前フォーク
を装着した自転車の前輪系の説明図であり、自転車は、
前フォーク1により、ステム7を介してハンドル9に連
結され、車軸8を介して車輪10に連結されている。前
フォーク1は図2に示すようにステム7に連結される支
軸2と該支軸2に連結されるフォーク部3a、3bとか
らなり、該フォーク部は、支軸2に略垂直方向に延びる
クラウン部4a、4bと前記クラウン部から支軸に平行
に延びるフォーク脚5a、5bから構成され、前記フォ
ーク脚の下端6a、6bは車軸に連結されている。図3
は、図2の前フォークのA−A’線切断断面図であり、
図4〜図5は、試験方法の説明図で、図6〜図8は、そ
の結果を表す。図2に示す前フォークの左右各々のフォ
ーク部3a、3bは、その各々の長さを約350mmと
し、クラウン部4a、4bでの長径が約32mm、短径2
0mmの楕円形で、フォーク脚の下端6a、6b付近では
ф16mmの管状体とした。
【0011】そして、前記前フォーク1の構成として
は、図3に示すように、軽量の材料で形成された芯部1
1と、その外周に複数層積層されたFRP製の外殻12
からなる。前記芯部11は、硬質発泡ウレタン樹脂で略
前フォーク形状に形成してなり、前記外殻12はカーボ
ン繊維の長繊維または連続繊維でブレード状に形成して
補強繊維とし、マトリックス樹脂として架橋ポリエステ
ルアミド樹脂を用いたFRPの積層構造とした。補強繊
維の含有量は60重量%とした。前記FRP層には捩れ
剛性調整層Aと、曲げ剛性調整層Bとを含み、前記捩れ
剛性調整層Aは捩れ剛性を高める層であり、曲げ剛性調
整層Bは曲げ剛性を高める層である。本実施例において
は、前記捩れ剛性調整層Aとしては、前記炭素繊維より
なるブレードを前フォークの縦方向の軸に対して繊維配
向角度が±45°となる様に配設したFRP層であり、
前記ブレードを前フォーク部芯材のフォーク部と支軸が
接続する部位から左右のクラウン部4a、4bを含み、
フォーク脚の長さ方向の2/3の位置まで被覆して形成
した。曲げ剛性調整層Bとしては、前記ブレードを縦方
向の軸に対して繊維配向角度が±10゜になる様に配設
したFRP層であり、前記ブレードを前フォーク芯材の
フォーク部3a、3bの内側であって、該フォーク部の
支軸2に接続する部分から左右のクラウン部4a、4b
を含み、フォーク脚の長さ方向略中央部まで伸張しなが
ら配設し、その他の規定の構成材料を積層配置後、それ
を前フォーク成形用の金型に配置し、マトリックス樹脂
を注入・含浸させ加熱硬化して形成した。本実施例の前
フォークは、高剛性である部分は、捩れ剛性が10×1
2 N・m2で、曲げ剛性が15×102 N・m2であり、
低剛性である部分は、捩れ剛性が6×102 N・m2で、
曲げ剛性が4×102 N・m2であった。前記構成の前フ
ォークは、走行時の路面からの衝撃により生じる一次振
動の振幅の大きいフォーク脚下端近傍を低剛性として衝
撃を緩和し、振動の節となるクラウン部の剛性を高くし
たことにより、振動を抑制できるので手に伝わる振動を
低減できる。高剛性である範囲、即ち、曲げ剛性、捩れ
剛性ともに高い値である範囲は、少なくとも左右のフォ
ーク部3a,3bのクラウン部4a、4bである必要が
あるが、前記範囲は走行しようとする路面の状況や走行
目的に応じて、フォーク部の長さの略中央部にまで広げ
るなど、種々設計可能である。このようにして得られた
前フォークと比較例について、振動の振幅、振動減衰状
態を調べた結果を表1〜3に示す。これらの図におい
て、は本発明品であり、は比較例1で、エポキシ樹
脂をカーボン繊維よりなる編組で、繊維の配向角度が±
40〜±60°となるように配置して強化形成した前フ
ォーク、は比較例2でクロム・モリブデン鋼製の前フ
ォークである。
【0012】図6はフォーク部の曲げ振動の最大振幅の
比較図であり、図7はフォーク部の捩れ振動の最大振幅
の比較図である。試験方法は、図4に示すように前フォ
ークの点23カ所を指定し、図5に示すように、車輪を
連結した状態で上方より吊るし、インパルスハンマーで
図4に示す前フォークの点「1」〜「23」を打撃し、
各点の入力と点「12」に取り付けた加速度計からの出
力により伝達関数を求めた上で、車軸に衝撃が入力され
た時(点「1」または点「23」)の振動モードを数値
解析した。図8は振動の減衰状態の比較図で、(A)は
本発明品であり、(B)はクロム・モリブデン鋼製の比
較品である。振動減衰波形は、車輪を連結した状態の前
フォークを上方より吊るし、フォーク脚の下端の点
「1」部分に衝撃を与えた時の振動の減衰を、フォーク
部の左右のクラウン部中心に取り付けた加速度計で受信
し、その受信した加速度の振動波形である。図6に示さ
れるように、フォーク脚の長さ方向下側の低剛性の部分
の振幅が大きく、振動が緩和されていることが分かる。
また、図7に示されるように、振動の節であるクラウン
部を中心にフォーク部の長さ方向略中央まで高剛性の部
分としたことにより捩れ振動の振幅が全体的に小さく抑
制され、振動がハンドルに伝わり難くなっている。図8
は、前フォークの振動減衰波形の比較であり、図に示さ
れているように、振動減衰性能が向上していることが分
かる。そのほか、曲げ剛性調整層及び捩れ剛性調整層を
形成する補強繊維としては、前記したカーボン繊維を用
いるほか、金属繊維、ボロン繊維、アラミド繊維、ガラ
ス繊維等を単体でまたは組み合わせて用いることが出来
る。また、積層する繊維量はそれら補強繊維の特性によ
り異なるが、成形後のFRPとしての特性が、高剛性の
部分では、曲げ剛性が8〜15×102 N・m2の範囲
で、捩れ剛性が8〜15×102 N・m2の範囲となるよ
うに積層すれば、本発明の目的を達成することが出来
る。
【0013】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の前フォー
クは、一次振動の節となるクラウン部を中心に高剛性部
分と、振動の振幅の大きいフォーク脚下端を中心に低剛
性部分とした構成としたことにより、振幅の大きい振動
を緩和させ、振動の節となる部分を高剛性として一次振
動とともに他の振動も抑制するため、振動が手に伝わり
にくく、自転車の操作性が向上する。本発明の前フォー
クは、FRPで形成し、剛性を補強繊維からなる調整層
の配置する範囲、位置により分布させることにより、路
面からの衝撃などの外力による振動を抑制し、手に伝わ
りにくくするため、自転車の操作性が向上する。また、
調整層を構成している補強繊維の配向角度、種類、配置
する範囲などを種々設計することにより、自転車の走行
目的や、路面の状況に応じた性能を有する前フォークが
成形できるなど設計の自由度が向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】自転車の前輪系の概略説明図。
【図2】前フォークの説明斜視図。
【図3】実施例の説明断面図。
【図4】測定方法の説明図。
【図5】測定方法の説明図。
【図6】フォーク部の曲げ振動の最大振幅の比較図。
【図7】フォーク部の捩れ振動の最大振幅の比較図。
【図8】振動の減衰状態の比較図。
【符号の説明】
1 前フォーク 2 支軸 3a フォーク部 3b フォーク部 4a クラウン部 4b クラウン部 5a フォーク脚 5b フォーク脚 6a 下端 6b 下端 7 ステム 8 車軸 9 ハンドル 10 車輪 11 芯部 12 外殻 A 捩れ剛性調整層 B 曲げ剛性調整層
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 // B29K 105:08 (72)発明者 赤池 克治 大阪府大阪市住之江区南港北1丁目12番35 号 美津濃株式会社内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 支軸と、該支軸に連結されるフォーク部
    とからなり、該フォーク部は、前記支軸から略垂直方向
    に張り出すクラウン部と、該クラウン部から前記支軸に
    略平行方向に延びるフォーク脚とからなる前フォークで
    あって、かつ、前記前フォークは、軽量な芯部と、その
    周りに配置されたマトリックス樹脂と長繊維または連続
    繊維からなる補強繊維とのFRP外殻とで一体に形成さ
    れたFRP製前フォークにおいて、該フォーク部の剛性
    を、クラウン部からフォーク脚下端に行くにしたがい高
    剛性から低剛性に推移させて形成したことを特徴とする
    自転車用FRP製前フォーク。
  2. 【請求項2】 前記高剛性である部分は、曲げ剛性が8
    〜15×102 N・m2の範囲の曲げ剛性を有し、かつ、
    捩れ剛性が、8〜15×102 N・m2の範囲の捩れ剛性
    を有するFRP層であることを特徴とする請求項1記載
    の自転車用FRP製前フォーク。
  3. 【請求項3】 前記高剛性である部分は、前記フォーク
    部の長さ方向の略中央から上側部分であって、前記上側
    部分は補強繊維の配向角度が前フォークの縦方向の軸に
    略平行となるように配置された曲げ剛性調整層と、補強
    繊維の配向角度が縦方向の軸に対して±30°〜±60
    °となるように配置された捩れ剛性調整層とを有する構
    成としたことを特徴とする請求項1または2記載の自転
    車用FRP製前フォーク。
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