JPH08512141A - 空間光変調器 - Google Patents

空間光変調器

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JPH08512141A JP7503446A JP50344695A JPH08512141A JP H08512141 A JPH08512141 A JP H08512141A JP 7503446 A JP7503446 A JP 7503446A JP 50344695 A JP50344695 A JP 50344695A JP H08512141 A JPH08512141 A JP H08512141A
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Abstract

(57)【要約】 空間光変調器は、固定電極(12)に対向配置され、電界をあたえると所望方向に巻き込むように付勢される可動電極(30)で形成され、ライトバルブあるいはライトシャッターを生成する。一実施形態にあっては、可動電極は、一端で保持され、この固定端部の周りで所望巻込み方向に巻き上がる。可動電極に与えられる付勢は、異方性応力あるいは異方性硬化を生じさせることによって得られる。

Description

【発明の詳細な説明】 空間光変調器発明の背景 本発明は、空間光変調器およびそれを用いてつくられる表示装置やプリンター などの各種装置に関する。電気的表示装置は、電気的または電子的装置から送信 される電気信号を人が認識できる光信号に変換する。光信号は、数字、文字、あ るいは図形の形をとる映像として表示される。電気的表示装置は、能動型と受動 型に分類される。光信号が発光(emission)によって表示される場合、その表示 装置は、能動型と呼ばれ、表示装置が、外部光源を用い、反射、散乱、干渉等の 現象によって入射光を変調して機能する場合には、受動型表示装置と呼ばれる。 表示装置は、さらに、下記のようないくつかの種類に分類される場合がある。 LCD 液晶表示装置(liquid crystal display) ECD 電気化学表示装置(electrochemical display) EPID 電気泳動画像表示装置(electrophoretic image display) SPD 懸濁粒子表示装置(suspended particle display) TBD 捩じりボール表示装置(twisting ball display) PLZT 透明セラミックス表示装置(transparent ceramics display) ELVD 静電ライトバルブ表示装置(electrostatic light valve display ) ELVDには、チャールズ・G・カルト(charles G.Kalt)の1976年11 月2日付け米国特許第3989357号に記載されているものなどがある。カル トのELVDは、受動型装置で、固定電極、それに取り付けられた可動コイル弾 力性シート電極、およびこれら二つの電極を分ける絶縁層で構成される。コイル 電極は、二つの電極の間に電位をあたえると伸びる。すなわち、コイル電極は、 光シャッターとして機能する。 コイル電極の内表面は、固定電極の色または反射率とは異なる色または反射率 を有し、この場合、装置は、電位があたえられると見る人に対して色または反射 率を変える。あるいは、固定電極を電磁スペクトルのある選ばれた部分に対して 透明になるようにし、コイル電極を不透明にしてもよい。この場合には、装置が 透過モードで作動するとよい。装置の背後におかれた光源は、電位があたえられ なければ光を透過させるが、電位があたえられれば光を透過させない。 ELVDに関係する特許には、他に、米国特許第3897997号、第409 4590号、第4235522号、および第4248501号がある。 上記の各特許は、概して、可動あるいはコイル素子として金属で処理した、即 ち金属被覆したプラスチック・シートを使用することを開示している。シートは 、熱および心棒を用い、二枚のプラスチック・シートを接着することによってロ ール状に形成される。ここで、二枚のシート内の一枚には接着に先立って一方向 にプレストレスが施されている。これらの方法には、装置の製造コスト、信頼性 、温度の作用、および電荷の制御などの面で多くの問題がある。開示されている これらの方法では、ロールを形成しまたそれを固定電極に接着するために各シャ ッターを個々に処理する必要がある。処理の問題のいくつかは、米国特許第40 94590号に記載されている。ここでは、とくにしわ(wrinkle)の形成が取 り上げられている。カルトのELVDは、大きな開口部(アパーチャー)を有す る装置に関するもので、開示されている方法は、約.004”四方の小さいアパ ーチャーの装置には適さない。これらの従来技術の装置は、プラスチックの弾性 を利用するものであるが、プラスチックの弾性は、温度や湿度によって大きく異 なるし、老化または疲労によって変化する場合も多いので、これらの利用はのぞ ましいことではない。可動電極の曲げ(flexing)特性は、このような弾性によ ってきまるものであり、したがって電圧閾値も変動するおそれがある。米国特許 第4235522号および第4248501号は、絶縁体における電荷制御のい くつかの問題を記載している。これらの問題は、上記特許に示されているよりは るかに重大な問題である。記載されているプラスチック材料内で少量の電荷の蓄 積あるいはドリフトが生じても、ライトバルブ(light valve)内で閾値が大き く変動する。このような変動は、多くの用途でのぞましくないものである。 米国特許第4729636号は、静電的に移動可能なアパーチャーを有する非 回転電極が二つの固定電極の間にそれらから絶縁された状態で配置された構成の ELVDを開示している。電極構造は、可動電極の表面の色と対照的な色の液に 浸漬される。可動電極は、二つの安定した位置間、即ち所定の二つの位置間を前 後に移動させることができる。見る人には、可動電極の位置に応じて、各電極に おける画素の色が、可動電極の色から液の色に変化してみえる。発明の概要 小さなアパーチャーを有する高速ELVDの低コストな量産方法を示す。この 方法は、バルブ(valve)をつくるのに堆積成膜法とリソグラフィー技術を用い るものである。これは、すべての電極が薄膜で形成し得ることを意味する。「薄 膜」という用語は、比較的大きい粒子を積層して材料を透いたり、あるいは圧延 して生成される層ではなく、原子プロセスにより原子をあるいは分子プロセスに より分子を一つずつ堆積させる所望の方法によって所望の材料の層から形成され る膜を指す。薄膜は、小さい結晶粒の寸法(グレインサイズ)によって特性がき まりまたアモルフォスとなる場合もあるため、その性質もさまざまに異なる。 薄膜は、粒子の寸法のためにバルク材料とは異なる材料である。薄膜は、一般 に、バルク材料より引張り強さが大きい。電気めっき法を除いて、薄膜の堆積に は真空または低圧雰囲気が必要とされる。実際には、真空蒸着法、スパッタリン グ、化学気相蒸着(CVD:chemical vapor deposition)法、プラズマ堆積法 、分子ビーム・エピタキシー(MBE:molecular beam epitaxy)、イオン・ビ ーム・スパッタリング等の方法が用いられる。薄膜およびリソグラフィー技術を 用いれば、大きい面積にわたって、多数のきわめて小さいアパーチャー・シャッ ター(以下マイクロシャッターあるいはバルブと呼ぶ場合がある)を同時に形成 することができる。 小さいアパーチャー素子は、高解像度、高速性、低電圧作動性、製造の容易さ など多くの利点を有する。したがって、本発明は、広くは静電ライトバルブまた はシャッター及びこの種のバルブの形成方法を含むものである。バルブは、固定 電極、回転自在の可動電極、およびこれら二つの電極の間の絶縁体を有する。静 電力を加えて可動電極を固定電極のほうへ動かしても、金属と金属の接触は起こ らない。透過モードでは、固定電極は透明であり、可動電極は不透明でシャッタ ーのように機能する。 絶縁体は、一方の電極から他方の電極への電荷の移動を低減させる。電荷の移 動は、可動電極における電荷保持力を低減し、固定電極から自由に電荷が流出す るのを許し、その結果シャッターが開いてしまう。 好ましくは、可動電極は、形成時に応力を与えあるいは硬化させることにより 、異方性の応力を有しあるいは硬化した電極とする。この異方性は、機械的バイ アス(付勢)あるいは機械的偏り(mechanical polarization)と考えられる。 異方性応力あるいは硬さによって、電極は、選択的にある方向へすなわち応力が 大きいほうへ、または硬化の方向に対して垂直の方向へと回転する。異方性硬化 は、電極内に周期的な波形(うねり:corrugation)を形成し、電極を所望の方 向に対して直角方向に硬化させることで行なわれる。異方性応力は、異方性応力 が発生する堆積法を用いて電極を形成し、応力を蓄積させることで発生させるこ とができる。 第一の実施形態にあっては、可動電極は、一端で固定され、所望方向に巻き上 がりまたこの電極を通る電界をあたえれば伸びるコイル式電極である。他の一実 施形態にあっては、可動電極は、両端で固定された変形可能な膜である。さらに 他の一実施形態にあっては、可動電極はヒンジ止めされる。 本発明の一実施形態にあっては、異方性硬化させた複数の静電可動電極の配列 と複数の固定電極の配列が一以上の絶縁層で分離された構成がとられる。このよ うな配列は、本発明の方法にもとづけば、以下のようにしてつくられる。 例えば、ガラスなどの所望の基板上に薄い透明の導電層を形成する。この導電 層の上にフォトレジスト層を形成し、公知のリソグラフィー技術を用いてパター ニングを行なう。次に、レジストをマスクとして、個々の電極または画素部分の みを残すように露光された導電層をエッチング除去する。その後、マスクを除去 し、パターニングした固定電極の膜を薄い透明な絶縁体膜で覆う。電極の縁部は 、コンタクトが形成される部分であるため、絶縁体膜の形成に先立って適当にマ スクをしておく。 このパターニングした構造体の上に他のフォトレジスト層を形成し、個々の電 極部分の上に一連のレジスト領域が残るようにこのフォトレジスト層をパターニ ングする。次に、レジストを形成した基板を短時間加熱し、続いて第三のレジス ト層を形成し、電極領域の幅方向を横切るように一連のレジスト領域が残るよう パターニングを行なう。構造体を高温で短時間再度加熱する。一連のレジスト領 域は、その上に形成されるコイル式電極のために、異方性硬化うねりと取りはず し(レリーズ:release)層とを形成する。コイル式電極は、i)低応力絶縁膜 、ii)ある種類の応力すなわち圧縮応力を有する導電性膜、iii)反対の種 類の応力(引張り応力)を有する導電性膜の層を連続的に成膜しパターニングし て形成する。 次に、この構造体の上にオプションの低応力保護コーティングを形成し、構造 体にパターニングを行なってコンタクト領域が画定され、この領域にコンタクト 用金属膜が成膜される。次に、フォトレジストとエッチングによって画素部分を さらに画定し、またレジスト取りはずし層を完全に除去する。これによって、異 方性をもつ可動電極が意図した巻き上げ方向に巻き上がる。巻き上げは、電極が 下層の低応力絶縁層から、導電性圧縮/引張り応力絹合わせ層、そして上層の低 応力保護層へと順次形成されることによって生じる。電極内のうねりは、横方向 に硬さをあたえ、電極が意図する方向の巻き上げに対して垂直に曲がりを生じる のを防ぐ。 他に選択可能な他の製造方法についても説明する。一つの方法では、ドライエ ッチング法を用いてヒンジ止めされたシャッターを形成する。さらに他の一つの 方法では、低温フリーズドライ法を用いてコイル式ELVDが形成される。本発 明の原理は、ELVD以外の装置の形成に利用することもできる。例えば、以下 に記載されるように、マイクロ波パワーのスイッチングを行うためまたはマイク ロ−機械式リレーを形成するためにマイクロ−電気−機械式スイッチを形成する こともできる。本発明の線形マイクロシャッターアレイを用いた電子写真プリン ターについても説明する。 以下、添付の図面を参照して、本発明の上記のまた上記以外の諸特徴および効 果を詳細に説明する。図面の簡単な説明 第1(a)−1(j)図は、本発明に係る静電ライトバルブ表示装置(ELV D)用のバルブを製造する工程を示す一連の略断面図である。 第2図は、5×5マトリックス配列のELVDの略平面図であり、画素シャッ ターが開いた状態を示す図である。 第3図は、追加のカバーを取り付けた状態を示す第2図のIII−III線に 沿った断面図である。 第4図は、第2図と同様であるが、画素シャッターが閉じた状態を示す図であ る。 第5(a)−5(j)図は、本発明の他の実施形態の製造工程を示す一連の略 断面図である。 第6図は、透過モードのカラーELVDの一実施形態を示す略断面図である。 第7図は、能動型透過モードのカラーELVDの一実施形態を示す略断面図で ある。 第8図は、コントラストを高めるためのレンズレットアレイを備えたELVD の略断面図である。 第9図は、反射モードのELVDの略断面図である。 第10図は、反射モードで使用する二シャッター配列のELVDの略断面図で ある。 第11図は、ELVDの操作に必要なDC電圧を供給するタイミング図である 。 第12図は、ACモードで使用する場合の第11図と同様なタイミング図であ る。 第13図は、ELVD双安定性が、垂直方向と水平方向に加える電圧を組み合 わせて行う画素の切り替えにどのように利用できるかを示すタイミング図である 。 第14図は、ELVDを用いた投射表示装置の略図である。 第15(a)−(c)図は、本発明における電荷のいくつかのコンセプトを示 す断面図である。 第16図は、2重半径を有するELVDの断面図である。 第17図は、他の2重半径ELVDの一実施形態を示す断面図である。 第18図は、2重半径ELVDがどのように形成されるかを示す断面図である 。 第19(a)および19(b)図は、レールまたはスペーサー・ギャップ構造 を有するELVDの断面図である(第19(a)図(電圧オフ)、第19(b) 図(電圧オン))。 第20図は、巻き上げ方向に延びたバーあるいはレールを有するELVDの画 素の略平面図であり、可動電極が巻き上げられた状態を示す図である。 第21図は、第20図のXXI−XXIに沿った断面図である。 第22図は、第20図と同様であるが、電極が伸びた状態を示す図である。 第23図は、第22図のXXIII−XXIII線に沿った断面図である。 第24図は、可動電極の段付き構造を示すELVDの拡大断面図である。 第25図は、第24図と同様であるが、電極がさらに伸びた状態を示す図であ る。 第26(a)図は、マルチカラー表示装置の断面図である。 第26(b)図は、第26(a)図の表示装置の平面図である。 第27(a)および27(b)図は、反射モードで使用する変形自在な膜スイ ッチ(DMS)表示装置の一実施形態の断面図であり、スイッチ・オフの状態[ 第26(a)図]とスイッチ・オンの状態[第26(b)図]を示す図である。 第28(a)および28(b)図は、DMSの他の一実施形態のそれぞれオフ 状態とオン状態を示す図である。 第29(a)−29(1)図は、本発明の他の一実施形態の製造の重要な工程 を示す一連の略断面図である。 第29(x)−29(z)および29(z’)図は、第29(a)−29(l )図の断面図の実施形態の異なる製造工程を示す上平面図である。 第30(a)−30(j)図および第30(l)−30(o)図は、本発明の ELVDの低コストの一実施形態の製造の主要な工程を示す一連の略断面図であ る。 第30(k)−30(p)図は、第30(j)−30(o)図の断面図に対応 する平面図である。 第31(a)−31(i)図は、フリーズドライ法を用いたELVD用シャッ ターの製造の重要な工程を示す一連の略断面図である。 第32(a)−32(i)図は、ELVD用のヒンジ止めシャッターの製造の 重要な工程を示す一連の略断面図である。 第33図は、ヒンジ止めマイクロシャッターの製造の一段階を示す上平面図で ある。 第34図は、ヒンジ止めマイクロシャッターの製造のその後の一段階を示す上 平面図である。 第35図は、ヒンジ止めマイクロシャッターの製造の最後の段階を示す上平曲 図である。 第36(a)および36(b)図は、ELVDの部分拡大断面図で、取りはず し前[第36(a)図]と取りはずし後[第36(b)図]の状態を示す図であ る。 第37図は、一連の応力ストリップによって生じた異方性応力を有するELV Dの一実施形態を示す斜視図である。 第38図は、シャッターが部分的に引き伸ばされた状態を示す概略図である。 第39図は、部分的に引き伸ばされたシャッターの部分分解斜視図である。 第40図は、第38図のA−A線に沿った断面図である。 第41図は、保持モードでの電極のポテンシャルを示す第38図のB−B線に 沿った断面図である。 第42図は、引伸ばしモードでの電極のポテンシャルを示す第38図のB−B 線に沿った断面図である。 第43図は、電気的フローティングシャッターを備えたELVの断面図で、ス イッチが開いた位置にある状態を示す図である。 第44図は、第43図と同様であるが、スイッチが閉じた位置にある状態を示 す図である。 第45図は、電気的フローティングELVシャッターの他の一実施形態の斜視 図である。 第46図は、本発明のシャッターアレイをプリント・ヘッドとして用いたプリ ンター・システムの概略図である。 第47図は、第45図のプリント・ヘッドの側面図である。 第48図は、第47図のA−A線の方向からみた線形マイクロシャッターの平 面図である。 第49(a)図は、本発明のDCスイッチの側面図で、開いた位置にある状態 を示す図である。 第49(b)図は、本発明のDCスイッチの側面図で、閉じた位置にある状態 を示す図である。 第50(a)−50(o)図は、DCスイッチの他の一実施形態の断面図およ び平面図で、その製造工程を示す図である。 第51図は、第50(o)図のA−A線に沿った断面図である。 第52図は、第50(o)図のB−B線に沿った断面図である。 第53図は、第50(o)図のC−C線に沿った断面図である。 第54図は、DCスイッチの4×4配列の平面図である。 第55(a)図は、本発明のマイクロ波スイッチの略断面図で、開いた位置に ある状態を示す図である。 第55(b)図は、第55(a)図と同様であるが、スイッチが閉じた位置に ある状態を示す図である。 第56図は、マイクロ波スイッチの配列の平面図で、閉じた位置にある状態を 示す図である。 第57図は、第56図のA−A線に沿った断面図である。 第58図は、マイクロ波スイッチの配列の平面図で、開いた位置にある状態を 示す図である。 第59図は、第59図のA−A線に沿った断面図である。発明の詳細な説明 まず、第1(a)−1(j)図を参照して、本発明の表示装置を形成するため の好ましい一つの方法を説明する。 この方法は、若干、使用する基板の材料に依存している。ガラスは、安価で簡 単に入手でき、また平坦で滑らかな表面を有するため、現時点では好ましい基板 であり、したがって、この基板材料を使用して以下の説明を行なう。他に等価物 として利用できるものとしては、溶融石英、あるいは反射モードで使用するもの としては、単結晶シリコン、セラミック、金属等を挙げることができる。洗浄し て基板10が十分に良好な表面品質を有することを判別する検査を行なった後、 第一工程において、基板を1000−3000オングストロームの酸化インジウ ム・スズ(ITO)のような薄い透明導電層でコーティングする。この透明な導 体膜の層12の形成には、約10%の酸化スズを含む酸化インジウムからなるス パッタリングターゲットを有するスパッタリング機械を使用することができる。 ただし、ITO膜の代わりに、金、プラチナ、銀、またはタングステン等の金属 の超薄膜透明膜を使用してもよい。ITOでコーティングしたガラスプレートは 、さらにその上からフォトレジストがコーティングされ、公知のリソグラフィー 技術を用いてこのレジストにパターニングを施し、フォトレジスト(図示せず) をマスクとして使用して露光したITOをITOエッチ液でエッチングする。こ の工程で、下部または固定電極が画定される。次に、化学気相蒸着装置を用い、 パターニングしたITO膜12を二酸化ケイ素膜などの高抵抗膜14で覆う。膜 12の厚さは、好ましくは約50オングストローム〜5000オングストローム の範囲であるが、必要な場合には25000オングストロームまでの値をとるこ とができる。あるいは、シリコンのターゲットとスパッタ・ガスとして窒素、ま たは窒素アルゴン混合気体を用いたスパッタリング機械内で堆積された窒化ケイ 素で高抵抗膜を形成することもできる。あるいは、スパッタリングまたは蒸着装 置を用いて二酸化ケイ素を堆積させることも可能である。 二酸化ケイ素膜14の成膜の前に、ガラスプレートの縁部のワイヤ・コンタク トが作られる場所をマスク用ストリップ(図示せず)で覆い、堆積を阻止する。 二酸化ケイ素膜14は、固定透明電極導体12と次に形成する上部の巻込み自在 電極との間に配置される高抵抗層となる。次に、公知の技術を用い、この構造体 を約3000オングストロームの厚さを有するフォトレジスト16でコーティン グする[(第1(b)図]。フォトレジストは、ネガ型またはポジ型のいずれの レジストでもよい。ポジ型のレジストの場合は、ベースの樹脂(ノボラック)と 光活性化合物で構成され、やはり公知の技術を用いてパターニングし、上にくる 膜の所望の取りはずし必要部分にこのレジストを残す。レジストとしては、「A Z 1350B」の商品名で市販されているフォトレジストを用いてよい結果が 得られている。次に、レジストを形成した構造体は、大気中で400℃で1分間 焼成され[第1(c)図]、レジスト層を滑らかで硬い層16’に変成させる。 この焼成工程によって、レジストが部分的に炭化し、きわめて硬く不活性となる 。焼成したレジストの上に形成される膜は、異なる成膜法を用いて各種の材料で 形成した場合でも、ガラス上の膜として同様の性質を有するものとすることがで きる。次に、上記と同様にして、うねり(波形)形成用の第二のレジスト層を形 成し、パターニングして、すでに焼成したレジスト部分の上に4ミクロンのピッ チの格子のレジスト領域を形成する[第1(d)図]。この構造体を再び400 ℃で1分間焼成して第二の滑らかで周期的に硬い領域をもつレジスト構造体18 ’を形成する[第1(e)図]。この第二レジスト層18’は、次工程でその上 層に形成される電極にうねりを与える。二つのレジスト層16’および18’は 、ともに、上にくる電極のための取りはずし層となる。次に、パターニングした 構造体は、上述のようにして二酸化ケイ素その他の高抵抗材料からなる厚さ30 0オングストロームの膜20によってコーティングされる。この膜20[第1( f)図]の応力は、上にくる層と比較して低いかあるいは圧縮応力を有するもの でなければならない。マイクロシャッターのコイルの巻きのきつさはこの応力の 量に影響されるので、応力のレベルは慎重に制御しなければならない。応力の制 御は、成膜に適当な方法および条件を慎重に選ぶことで行なうことができる。例 えば、常圧CVD反応室内では、引張り応力の大きい二酸化ケイ素膜が成膜され るが、真空蒸着法を用いれば、比較的小さい圧縮応力を有する膜が得られる。応 力の量は、成膜速度、温度、および圧力に強く依存している。次に、絶縁膜20 は、圧縮応力を有するスパッタリングされたタングステンの膜22(b)[第1 (g)図]でコーティングされ、さらに引張り応力を有する第二の膜22(a) が形成される。この二つの膜22を合わせた厚さは500オングストロームで、 実効応力は個々の膜の応力と比較して低くなる[第1(g)図]。ここでも、巻 き上げられる電極のコイルの巻きのきつさは応力の量に影響されるので、応力の レベル を慎重に制御することが必要である。スパッタされたタングステンの応力は、ス パッタリングのエネルギーとガス(アルゴン)の圧力を変えることによって調節 することができる。タングステン膜22の成膜後、構造体は、オプションでスパ ッタリングしたニッケル、アルミニウム、または二酸化ケイ素よりなる厚さ10 0オングストロームの膜24でコーティングされ[第1(g)図]、タングステ ンをその後の処理工程で使用するエッチャントから保護する。 次に、ワイヤ・ボンディングを行なうコンタクト部分を画定するために、構造 体をフォトレジストを用いてパターニングする。次に、アルミニウムをコンタク トの表面に蒸着させ、それ以外の部分をリフトオフしてボンディング・パッド2 6を形成する(第2および4図の平面図を参照)。再度、フォトレジストを塗布 し、これをパターニングして、画素部分28[第4図]を画定する。画素部分の 一部は取りはずし層に重なり、他の部分は重ならない。次に、ニッケルまたはア ルミニウムのエッチ液を用いて(ニッケルの場合は硝酸、アルミニウムの場合に リン酸/酢酸/硝酸液)パターニングされた構造体のコーティング24をエッチ ングし、さらに、構造体をフレオン(CF4)プラズマ内に導入し、タングステ ン22および二酸化ケイ素20をエッチングする。また、このプラズマによって 、その下の焼成されたフォトレジスト層18’および16’またはより厚い二酸 化ケイ素層14が約100オングストロームの深さまでエッチングされる。次に 、構造体をダウンストリームアッシャー内で300℃で原子酸素にさらす。取り はずし層内の材料を固体から気体に変化させて取りはずし層を除去するかエッチ ングする工程を含めることが好ましい。これは、ドライエッチング工程と呼ばれ る。これは、液相の介入を避けるためのものである。液体は、すべて、表面張力 面を有し、とくに液体を除去するときにこの表面張力によってシャッターが損傷 を受ける。しかし、後に述べる一実施形態にあっては、取りはずし層を液体にし て除去するときに、フリーズドライを用いることによりシャッターが損傷を受け ることなく取りはずし層を除去できることが示される。数分間で、取りはずし層 18’および16’が酸素によって除去され、可動電極30が巻き上がる[第1 (i)図]。第1(j)図は、巻き上がった後の構造体を示す。この巻き上げは 、下部の二酸化ケイ素20の応力が小さく、第一のタングステン層22(b)が 圧縮応 力を有し、第二のタングステン層22(a)が引張り応力を有し、さらにニッケ ル膜24の応力が小さいことによって生じるものである。これによって、構造体 は、気密状にパッケージされ、かつ電極の縁部でワイヤ接続できる状態となる。 うねりは、横方向の硬さをあたえ、膜が意図した巻き上げ方向に対して垂直な 方向に巻き込むのを防ぐ。うねりの周期と深さは、表示装置の製造にとって重要 なパラメーターである。このうねりを深くすると、それによる効果が得られる。 うねりが深ければ深いほど可橈性が高まり、したがって、膜により厚くより硬い 材料を使用することができる。厚い膜は丈夫である。深いうねりの他の効果とし て、入射光の反射率が低くなることが挙げられる。うねりの下端部まで通過する 光が反射される確率は、とくに膜の材料に光の吸収性がある場合に低くなる。 異方性硬化のためには、うねりを使用する代わりに、例えば蒸着またはある角 度でのイオン・ボンバード(ion bombartment)などの成膜法を使用して異方性 応力を生じさせることも可能である。 上に説明した工程では、特定の素子のデザインごとに、コイルの寸法、それを 引き伸ばすために必要な電圧、保持電圧、および応答時間が重要なパラメーター となることに注意が必要である。他のパラメーターが一定であると仮定した場合 、これらのパラメーターに適用できる一般的な法則をいくつか挙げることができ る。巻きが大きいほど、コイルを引き伸ばすために必要な電圧は低くなりまた保 持電圧も低くなる。取りはずし層が厚いほど、膜を引き伸ばすために必要な電圧 は高くなる。絶縁層が厚いほど、引き伸ばし電圧が高くなりまた保持電圧も高く なる。二つの層の応力の差が大きいほど、コイルは小さくなる。可動電極と固定 電極が引き伸ばし時にどこで接触するかにかかわらず、両電極の間の接着力が大 きいほど、保持電圧は低くなる。引き伸ばし応答時間は、引き伸ばし電圧の増大 に応じて短かくなる。 軽量のあるいは密度の低い材料を可動電極を使用すれば、その結果、応答時間 が短縮される。例えば、タングステンと二酸化ケイ素の代わりにグラファイトと ダイヤモンドまたはダイヤモンドに似た膜を使用すれば、バルブの開閉動作がき わめて速くなる。 取りはずし層の上の絶縁膜を圧縮性としまた絶縁膜の上の金属膜を引張り性と してシャッターを形成することも可能である。この二重層は、引きはずされると 、二つの反対の性質の応力をあたえたタングステン膜を使用して作られた構造体 と同様な機能を果たす。例として、圧縮性の二酸化ケイ素と引張り性のマグネシ ウムの組合わせを挙げることができる。 形成された膜は、通常、成膜条件によって方向と大きさが異なる内部応力を示 すことに注意が必要である。例えば、蒸着した純粋なチタニウムは、1000オ ングストローム以下の厚さでは圧縮性を示す。この膜に酸素を加えると、応力が 引張り性に変化する。また、スパッタリングで形成したタングステン膜は、高エ ネルギーと10ミリTorrのアルゴン圧力では圧縮性を示すが、使用する成膜 装置によっては低エネルギーと15ミリTorrのアルゴン圧力で引張り性を示 す。膜には、均等な応力を示すものもあるが、膜の中で異なる応力を示すものも ある。材料と成膜法を選ぶことによって、膜下部の第一の部分が圧縮性であり、 成膜を続けるにつれて応力が徐々に引張り性となり、取りはずしを行なうと膜が 巻き上がるような構造体を生成することが可能となる。あるいは、一つの膜中で 下部の応力が圧縮性であり上部が引張り性である膜を形成することもできる。リブ付きELVD法 以下、第5(a)−5(j)図を参照して他の一実施形態を説明する。この実 施形態にあっては、異方性硬化をつくり出すために可動電極の上にうねりの代わ りにリブが形成される。製造工程の最初の部分は、基板10の選択およびITO 12によるコーティングおよびパターニングを含めてすでに説明したうねり法の 場合と同じである[第5(a)図]。ITO12には、CVD装置を用いた成膜 により、二酸化ケイ素T4が50〜5000オングストロームの厚さにコーティ ングされる。構造体の縁部からは二酸化ケイ素14が除かれ、ここにはフォトリ ソグラフィーとエッチングを用いてワイヤ・コンタクトが形成される。次に、公 知の技術を用いて、構造体に厚さ約3000オングストロームのフォトレジスト 16をコーティングする。やはり公知の技術を用いてこのフォトレジストをパタ ーニングし、上にくる膜の所望の取りはずし必要部分にレジストを残す。次に、 レジストが付いた構造体を400℃で1分間焼成する。レジスト層16’[第5 (c)図]は、上にくる膜のための取りはずし層となる。次に、パターニングさ れた構造体は、CVD成膜により、厚さ300オングストロームの二酸化ケイ素 の膜42でコーティングされる。次に、ガラスプレートをスパッタリングにより タングステンの二層40/4]でコーティングするが、第一の膜41は圧縮応力 を有し、第二の膜40は引張り応力を有する。応力の量がマイクロシャッターの コイルの巻きのきつさに影響するので、双方の膜内の応力のレベルは、慎重に制 御しなければならない[第5(d)図参照]。次に、公知の技術を用いて、構造 体に厚さ約6000オングストロームのフォトレジストをコーティングする。さ らに、やはり公知の技術を用いて、フォトレジスト44に4ミクロンのピッチで 巻き上げの方向に対して垂直に延びる線を有する格子、即ちこの線方向に延びる 格子によってパターニングし、所望のリブ形成部分にはレジスト44が残される [第5(e)図]。次に、レジストの付いた構造体を400℃で1分間焼成し[ 第5(f)図]、蒸着によって二酸化ケイ素46を300オングストロームの厚 さにコーティングする[第5(g)図]。酸化膜46の成膜後、フォトレジスト を用いて構造体をパターニングし(図示しない)、ワイヤ・ボンディングを行な うコンタクト部分を画定する。次に、蒸着によって構造体上にアルミニウム膜を 成膜し、アルミニウム膜は、ボンディング・パッドを形成所望の場所を除いてリ フトオフされる。再びフォトレジストを塗布してパターニングし、画素を画定す る[第5(h)図]。画素部分の一部は取りはずし層に重なり、他の部分は重な らない。次に、パターニングした構造体をフレオン・プラズマを用いて二酸化ケ イ素46を貫通してエッチングする。次に、構造体を酸素プラズマ内で短時間エ ッチングし、焼成したフォトレジスト44’を除去する。タングステン4T/4 0および二酸化ケイ素42は、フレオン・プラズマ内でエッチングされる。この プラズマによって、その下の焼成したフォトレジスト層16’またはより厚い二 酸化ケイ素層14を約100オングストロームの深さまでエッチングされる。次 に、この構造体をダウンストリームアッシャー内で300℃で原子酸素にさらす 。数分以内に、酸素が取りはずし層16’を除去し、画素が巻き上がる。この巻 き上げは、下端部のタングステン層41が圧縮性であるのに対して上端部のタ ングステン40が引張り性であり、また二酸化ケイ素42は引張り性であるがタ ングステンよりはるかに可橈性があることによって生じるものである。リブ46 は、横方向の硬さをあたえ、膜が巻き上げの軸に対して垂直な方向に巻き込むの を防ぐ。これによって、構造体は、気密状にパッケージしまたアレイの縁部でワ イヤ接続できる状態となる。パッケージング シャッター30は、水、湿気、および水蒸気によって大きく影響されるおそれ がある。蒸気は、シャッターの表面に固着し、逆にシャッターを張り付いた状態 にするおそれがある。シャッターは、純粋な窒素の雰囲気中で使用した場合、張 り付きを起こさず、長期間使用できることが示されている。したがって、信頼性 を維持するためには、シャッターアレイ100を第3図に示すように大気圧の窒 素などの乾燥した環境内にパッケージングする必要がある。パッケージ用の好ま しいシールとしては、ハンダ、溶接、またはハンダ・ガラスなどでつくられた気 密性シール51が挙げられる。有機材料には、湿気に対する障壁性のすぐれたも のがあり、シール材として有効である。この種のシール材にブチルゴムがある。 好ましくは、第3図に示すように、アレイ100は、例えば石英またはガラス 製のカバー50によって封じられる。配列(アレイ) 表示装置としての大部分の用途では、素子(デバイス)が行または配列を有す ることが求められる。テレビジョンでは、数百の行と列が必要である。第2−4 図には、好ましい構造の例として5×5アレイあるいはマトリックス100が示 されている。このアレイでは、固定透明導体層12が水平のストライプ52にパ ターニングされ、個々の可動シャッター・コイル30が共に列54に接続され、 水平のストライプ上に重ねられている。したがって、一本の水平電極と一本の垂 直電極の交点に各アレイ画素が形成されることになる。巻き上げた位置では、ア レイの面の片側に当たる光が、一定の割合でロールによって遮断される。例えば 、ロールの直径が40マイクロメータで全体の画素の寸法が130×130マイ ク ロメータとすると、光の約30%がロールによって遮断される。第4図に示すよ うにすべてのシャッターが引き伸ばされた位置にあるときには、シャッターの間 には小さな隙間しか残されない。基板にこれらの開口部分を遮断する不透明なス トライプを付加的に配設しなければ、光はこれらの隙間を通過することになる。 隙間の幅が4マイクロメータとすると、130×130の画素の寸法では、付加 的なマスキングを行なわない場合、シャッターが不透明であれば20対1のコン トラスト比となる。付加的なマスキングを行なった場合には、さらに高いコント ラスト比が得られる。また、ロールの直径を変えない場合でも、画素寸法を大き くするとコントラスト比は高まる。カラー表示装置 第6図に示すように、光は、表示装置のどちらの方向にも通過することができ 、また、カラー・フィルターを用いればカラー表示装置をつくることができる。 第6図では、すでに述べた表示アレイ100’が形成され、この表示アレイは下 部のガラス基板10、側壁スペーサー80、およびガラスまたは石英の上壁60 からなるガラスまたは石英の気密密閉容器内にパッケージされている。赤、緑、 および青の各フィルター72、74、76が、それぞれ壁60の下端部に接着さ れており、光は矢印の方向に通過する。第7図は、カラー表示装置の第二の構成 例を示す図であるが、ここでは、表示装置200の片側に紫外線光が供給され、 これと反対側の壁60の下部に三つの紫外線光を感知するカラー蛍光体(phoshor )84、86、88(それぞれ赤、緑、青)が配置されて能動型表示装置を構成 している。コイル式電極30は、各々が一つのカラー蛍光体を制御する。この方 法は、蛍光体の持続時間によってフリッカーの量を制御できるという効果をもつ 。この表示装置のコントラストを高めるためには、第8図に示すように、表示ア レイの紫外線または光源側に、平行光線用あるいは集光用レンズレット(lenslet )90のアレイを設ければよい。これらのレンズレットは、光源91からの光を 開口97に集光してシャッター30を介して、それぞれ蛍光体あるいはフィルタ ー72’、74’、76’に当てる働きをする。また、光吸収障壁93を使用す れば、コントラストを高め、またクロストークを減らすことができる。これらの レ ンズのデザインには、バイナリィオプティクス(2値光学)の分野の研究成果を 利用することができる。この上記アレイは、また、第9図に示すように白色の背 景95と黒色のシャッター30を用いることにより、反射モードに使用すること ができる。透明な導体の代わりに不透明な白色の導体12’を用い、ガラス基板 10の背後の白色の反射層95を除去すれば、よりシンプルな反射モードの装置 となる。非常に進んだ例では、第10図に示すように二つのシャッターアレイA およびBを積み重ね(組み合わせ)て、受動型のカラー表示装置500を構成す る。上側のアレイAは黒色のシャッター30’を有し、中間アレイは、シャッタ ーに三色(青、緑、赤)30b、30g、30r有り、背景95’は白色である 。このようにすれば、全体として受動型のマルチカラー反射表示装置が得られる 。電圧波形 本発明の表示装置の電力消費量は、きわめてわずかである。必要な電圧は、1 〜50ボルトの範囲である。基本的には、DC電流は必要としない。電流は、そ の大部分が、シャッターあるいはコイルの開閉に応じたきわめて短時間の電荷の 流れである。この電流によって、可動電極と固定電極の間の容量が充電される。 364×130マイクロメータの画素部分30を有するシャッターを一秒間閉じ るために必要な電力は、約3×10-8ワットである。1000の行列を有するカ ラーの高精細スクリーンでは、画素の数は300万に達する。14×16インチ 、対角線が21インチのカラー表示装置で、フレーム速度が毎秒30サイクルの ものでも、全画面を使った場合の電力消費量は、1ワットの約10分の1に過ぎ ない。第11図は、シャッターのオン(引き伸ばし)、保持、およびオフ(巻き 上げ)のために二つの電極にあたえる必要のある電圧の代表的なうねりを示す。 印加電圧がオン(引き伸ばし)の閾値を越えると、膜電極が引き伸ばされ、それ より低い電圧でその状態を保持することが可能となる。保持電圧が引き伸ばし電 圧より低くてすむ理由は、第24図および第25図との関係で後に説明するよう に、可動電極に段部が配設されているためである。このように、二つの電極に所 望の電圧が印加されると、電界すなわち二つの電圧の間の力は、コイル式電極が 透明電極に近づくにしたがって大きくなる。したがって、ひとたび可動電極が引 き伸 ばされると、電圧を下げても、電極を引き伸ばした状態で保持するのに十分な電 界が維持される。 事情によっては、電極を下げた状態に保持するためには第12図に示すような AC電圧を使用する必要が生じる場合も考えられる。製造した素子によっては、 毎秒1サイクルの周波数を使用してドリフトを最小限度に抑えることができた。 これは、二枚の絶縁膜T4および20[第1(h)図参照]を介して電荷の移動 が生じる場合には必要になる処置で、さもないと、膜が張り付くかあるいは閾値 が変化する現象が生じる。AC電圧を使用すると、用途によっては電力消費量が 増大する場合があるが、30サイクル/秒以下のAC周波数を使用するTVなど の用途では、実質的な増大は生じない。 マトリックスでは、素子の双安定性を利用して大きな効果を挙げることができ る。第13図は、個々の画素の切り替えのために水平方向(h)と垂直方向(v )ラインに用いられる電圧の例を示す。基本的な考え方は、各画素の二つのコイ ル式電極の間でオン閾値とオフ閾値の間にあるバイアス電圧を維持することであ る。このバイアスによって、画素がどのような状態にあってもその状態が保持さ れる。水平ラインの一本の電圧を上昇させると、その行の対の電極の間の電圧が 上昇するが、電圧がオン閾値よりわずかに低いレベルにまで上昇しても、それま でオフだった画素がオンになることはない。しかし、同時に、垂直ラインの一本 の電圧を降下させると、その列の電極の間の電圧が上昇するが、電圧がオン閾値 よりわずかに低いレベルまで上昇しても、それまでオフだった画素は、垂直ライ ンと水平ラインの交点にある一つを除いて、オンになることがない。第13図は 、マトリックス全体の3階の走査を示すチャートで、各走査ごとにいくつかの画 素がオンまたはオフにされることがわかる。投射システム 上に述べたシャッターあるいはシャッターアレイは、いずれも、第14図に示 すような投射システムに使用することができる。このようなシステムでは、光が 本発明のマトリックスアレイ100上に集光され、投影レンズ200によってス クリーン300上に投影されてイメージが形成される。画素はあまり熱に敏感で はないので、大量の熱を散逸あるいは反射させることができるため、高強度の光 を使用することができ、きわめて大きいスクリーンへの投射が可能となる。 本発明の静電ライトバルブ表示装置を適切に使用するためには、電極間に電圧 が加えられるときの容量性充電電流に加えて小さいDC電流の作用を考慮に入れ ることが重要である。この電流は、電極が一つあるいは好ましくは二つの絶縁体 によって分離されている場合でも存在する。電気的絶縁体といえば、通常、非導 電性を考えるので、ここの文脈では絶縁体という用語は誤解を招きやすいかもし れない。本発明においては、後に説明するように、可動電極と固定電極の間に最 小限度の電流が存在し、また電力の散逸を最小限度に抑えるために、この電流は 存在することがのぞましいといえる。このため、電流を完全に遮断する必要はな い。むしろ、前に説明した「絶縁体」は、実際には、電圧の間の電荷の流れを減 少させるように電極の一部として使用される高抵抗材料で形成される。この種の 材料は、二酸化ケイ素の抵抗値の範囲すなわち1010−1015オーム/cm程度 の高い抵抗値(これは、あたえられる電圧および温度によって変化する)をもつ ものもあるし、あるいは、抵抗値はかなり低いが、それでも電荷の流れを十分に 減少させるように機能するものもある。デザイン上の考慮点 ここでは、第15図を参照して、電極のデザインにあたって考慮する点及び要 因を検討する。第15図は、ロール式可動電極の構造をわかりやすくするために 平坦な電極として示した図である。ここでの検討は、本発明にもとづいて実験的 な構造体をつくり、これを観察して得られた結果をベースとして単純化した理論 的分析を基礎としていることに留意されたい。他の要因が関係することもあり得 るし、この理論の正確さを前提に本発明の妥当性および有用性を判断してはなら ない。 一般に、第15(a)−15(c)図に示すように可動電極130または固定 電極120のいずれかにのみ高抵抗層114が用いられる場合には、電極を「引 き伸ばされた:rolled out」状態に保つことは困難である。第15(a)図を参 照して、引ぎ伸ばしの期間中は、印加される電圧によって各電極における電荷の 蓄積により力があたえられる。しかし、電極が互いに接触するかあるいは100 オングストロームの範囲内にくると[第15(b)図]、電荷Qが金属から高抵 抗材料114の表面へ移動し、高抵抗材料114の表面(surface states)をある 程度満たしてしまうために、力が減少し[第15(c)図]、電極は、互いに離 れる方向へ動き、又は巻き上がることが可能となる。この電荷の移動は、きわめ て急速に起こるため、可動電極は、引き伸ばされ始めるや否や再び巻き上げられ ることになる。一般に、絶縁体114を一枚使用しただけでは、可動電極130 が引き伸ばされずまた引き伸ばされた状態が保持されることがない。 しかし、接触面の表面の粗さが十分に大きく、二つの表面を十分に広い面積に わたって十分な距離(>100オングストローム)だけ隔て、電荷の移動が広く 阻止される場合には、これらの空気の隙間を通る電界が存在し、引き伸ばされた 電極をその状態に保持する力が得られるために、素子が正しく作動して引き伸ば された状態を保つことができるようになる。空気の隙間が存在する場合にシャッ ターを引き伸ばすために必要な電圧は、空気の隙間が存在しない場合と比較して 、導体が同じであってもより高くなるであろう。これは、絶縁体の誘電率が空気 の隙間より高いためである。すなわち、空気の隙間が存在する欠点は、それが素 子の使用電圧を上昇させることである。可動電極を引き伸ばして保持するために DC電圧ではなくAC電圧を使用することによって、電荷の移動に基づいて電界 が減少するという問題も避けることができる。引き伸ばされた電極を平坦な状態 に保持するためには、十分に高い周波数を用いることが要求される。この十分高 い周波数を用いれば、少量の電荷の移動が生じても電界がすぐ反転し、また各電 界の反転の間にコイルが有意な程度まで再び巻き上げられることがない。ACモ ードでの使用には、DCモードより電力を必要とし、また、コイルの各部分が適 用周波数の二倍で振動しようとするためにより磨耗を起こしやすいという欠点が ある。磨耗によって可動電極から出てきた金属原子が、高抵抗材料の上にとどま って、表面充電効果を高めるおそれもある。2重半径(dual radius)シャッター ここまでは、シャッター電極は、すべて一定の半径を有し、したがって、巻き 上げられると円筒を形成するものとして説明してきた。シャッター30’がきわ めて長くあるいは円筒の半径がきわめて小さい場合には、コイル電極30は一巻 き以上に巻き込まれ、それ自身と接触するようになる。このように場合には、電 極が自身で擦り合う部分が生じ、損傷を受けたり磨耗したるするため、信頼性の 問題が生じる。この問題は、第16図に示すように曲率半径の異なるシャッター を設け、ガラス基板10が絶縁体14より下の固定電極12を支持するようにす ることで克服することができる。可動電極30’は、基板への取付け部分の近く では小さい半径R1を有し、そこから離れたところではより大きい半径R2を有 する。この素子では、大きい半径R2のために自身が接触することなく長い巻き 上げ距離が得られる。第17図の第二の素子では、基板への取付け部分近くの半 径R2が大きく、そこから離れた所では半径R1が小さくなっている。この第二 の素子も巻き上げ距離が長いが、渦巻き状に巻き上がって自身の接触を防いでい る。 上に示した構成は、実際には、第18図に示すように三つのレベルのシャッタ ー30’を形成し、可動電極は二枚の絶縁体20および24(以下に詳細に説明 する)の間にはさまれた金属電極22で形成される。上部の絶縁体24は、取付 け部分40の近くで部分的に除去されている。このような構造とすることで、可 動電極30が巻き上げられたとき、可動電極30は大きい半径R2の部分が取付 け部分40から隔てられ、小さい半径R1の部分が取付け部分40の近くに配置 され、2重半径を有することとなる。レールの実施形態 第19(a)および19(b)図は、高抵抗材料がほとんど用いられていない 実施形態を示す。スタンドオフあるいはレール420は、SiO2または他の高 抵抗材料でつくられ、このスタンドオフ又はレール420は、可動電極130が 引き伸ばされた状態[第19(b)図]にあるときにはそれを支持する。このた め両電極の間に隙間が形成される。この隙間は、ガスを満たすかまたは真空とす る。この場合、空気の隙間は均一で慎重に制御され、その結果界面において表面 (surface state)の帯電(charging)がほとんど起こらない接触面が得られ、固体 の絶縁体の場合の充電の問題が軽減される。スタンドオフ420は、巻込みの方 向に対して垂直に伸びる窒化ケイ素または二酸化ケイ素からなる細いリブで構成 される。減衰(damping)効果を高めるために、絶縁性のリブは、二酸化ケイ素ま たは窒化ケイ素より可橈性の高いプラスチック材料でつくってもよい。固体の絶 縁体にまつわる充電の問題をさらに軽減するために、固体の絶縁体420の上部 を金属422でコーティングしてもよい[第19(a)、(b)図]。この場合 、金属は、可動電極130が引き伸ばされるたびに可動電極の電位まで充電され 、それによって電圧のドリフトを除去する。また、レール部の金属が、可動電極 と電気的に常時接続された構成としてもよい。用途によっては、レールの間およ び可動電極上の少なくとも一方に特別な高抵抗材料を配設することもできる。レ ールの隙間を保つために、レールの間に配置される材料は、レールより薄くする 必要があることに留意されたい。 第20−23図は、構成の異なるスタンドオフの他の実施形態を示す。ここで は、レール420’は、ガラス基板110の上の固定電極112に添って巻込み の方向に伸びている。この構成では、可動電極130は、引き伸ばしの運動を円 滑に行ない摩擦を少なくするために、固定電極の側では平滑(planar)に形成され ている。 多くの用途では、「保持(hold on)」電圧が、最初にシャッターをオンにする ために必要な電圧より低い双安定表示装置が求められる。これは、例えば、テレ ビジョン表示スクリーンの形成に用いられるようなxy走査式アレイの場合にと くに有用である。この双安定性は、第24図に示すように、可動電極30の可動 部分(応力をあたえた導体22と絶縁体20で形成する)であって、固定電極1 2上の絶縁体に接着される場所付近にステップ(段部)Sを形成することによっ て得ることができる。このステップSは、電極間の距離「x」を増大させ、電極 の引伸ばしを開始するために必要な電圧を増大させる。必要な電圧の量は、ステ ップの高さによって制御することができる。ひとたびコイルの引伸ばしが始まる と、第25図に示すように、電極の間の距離「x」が短くなり、電極を引き伸ば すために必要な電圧も低下する。したがって、コイルを引き伸ばすためには、す でに第11図に示したようにパルスを用い、パルスの最初の部分の電圧を高くし 、 その他の部分では低くなるようにしてもよい。同図では、引伸ばしを開始するた めに必要な最低電圧がVt1であり、引伸ばしを継続するために必要な電圧がV t2である。電極の間の電圧がVt2以上に保たれているかぎり、コイルは、ほ ぼ引き伸ばされた状態にとどまる。Vt2とVt1の間の電圧では、コイルの位 置は、巻き上げられた状態と引き伸ばされた状態の間でほとんど動かない。なん らかの時点で電圧がVt2以下になると、コイルは巻き上げられる。もちろん、 コイルに添ってさらに他のステップを配設することもできるが、その場合、その ステップを越えてコイルが巻き上げられるためには、そのための大きな閾値が必 要となる。 双安定な装置を生成するための第二の方法は、二つの材料が接触すると発生す る自然の吸着力(ファンデルワールス力)を利用するものである。この吸着力の 大きさは、材料と表面の滑らかさによってきまる。材料を適当に選んで表面の状 態を制御することによって、ステップがないと仮定すると、加える電圧がゼロの ときにはシャッターが巻き上がることができるが、同時に、引伸ばし電圧以下の 保持電圧を十分に低くできるような十分に小さい吸着力を得ることもできる。そ の結果、ステップを組み込んだ場合と同様に、同じ電圧でシャッターを開閉する ことのできる双安定性を得ることができる。後に説明するように、この吸着力を 利川して、部分的に引き伸ばしたシャッターに安定性をあたえることも可能であ る。 シャッターを部分的に引き伸ばずことにより、あるいは時間多重(time multip lex)および人間の目の自然の残像性を利用して、見せ掛けの灰色を示すグレース ケールを提供することもできる。例えば、TVに適用する場合には、1フレーム の時間は1/30秒である。これに対して、シャッターはきわめて高速で切り替 えを行なうことができ、オン・オフ動作を1/10000秒以下で行なうことが できる。1フレームの時間の何分の一かの間だけシャッターをオンにしておけば 、各画素で見せ掛けのグレースケールを得ることができる。 後段では、グレースケールを得るための他の方法についても説明する。受動型マルチカラー双安定ELVD 第26aおよび26b図の実施形態は、受動型マルチカラー双安定静電ライト バルブ表示装置を示す図で、すでに述べた種類の複数のコイル式可動電極30a −30dが中央の表示部分510の周囲に対称的に配置されている。 各可動電極30a−30dは、一端で、絶縁性基板10上に形成された白色の 電気導体12上に形成された絶縁体層14に貼り付けられている。 個々の可動電極30a−30dは、一回ごと、選ばれた電極に電圧源Vから電 圧を印加して選択的に作動させ、基板側で反射され観察者に帰る光の色を変える ことができる。このような表示装置のアレイによって受動型カラー表示装置を形 成することができる。変形自在の膜スイッチ 第27(a)および27(b)図は、他の実施形態として、反射モードで作動 する変形自在な膜スイッチ(DMS:Deformable Membrance Switch)900の略 断面図を示す。膜902は、「上方」位置では上方に湾曲している。膜902は 、透明な導体901で形成され、絶縁体920の上に配置されてその二つの側縁 部でオプションの絶縁性支持体916に接着されている。支持体916は、ガラ ス基板910上に堆積させた不透明の導電層912上に形成される絶縁体914 上に配置されている。この「上方」位置では、膜902は、上から見ると白色ま たは導体層912の色に見えるようにすることができる。第27(b)図におい て、所定の電圧例えば、20ボルトが電極902と912との間にあたえられ、 膜902の大部分が絶縁層914の上に平坦に横たわって、上から見ると青色ま たは黒色に見えるようになる。これは、電極902が、不透明な導電層912の 上で反射防止用コーティングを形成するためである。膜電極902は、巻上げ自 在の電極に関してすでに説明した原理を用いた異方性応力または異方性硬化によ って上方位置に付勢されている。これまでの実施形態と同様に、変形自在の膜ス イッチ900の動作は、二つの電極にあたえられる電圧によってきまる。一方の 電極は、膜902であり、他方の電極は導電層912である。あたえる電圧がゼ ロから始まると、膜は、膜自身の中に組み込まれた応力あるいは硬化のため、又 はそのような形状につくられているために、「上方」位置にあり、上方に向かっ て湾 曲している。電圧がオン閾値を越えると、膜は、下方に動いて絶縁面914と接 触する。膜がひとたび下方位置にくると、電圧を下げても、電圧がオフ閾値より 高いレベルにあるかぎり、膜902は「下方」位置にとどまっている。これまで の実施形態と同様に、このDMSは、双安定素子である。この素子は、透明な基 板とともに透明モードで使用して、誘電率の差と干渉作用のために膜の動きによ って色が変化する効果を生成することができる。第28(a)および28(b) 図は、第二の実施例を示す。この実施例では、素子は、背後から照明できるよう になっている。透明な下方電極912の上の絶縁体914上には、不透明なスト ライプ940のアレイが形成され、可動電極902の上には第二の不透明なスト ライプ930のアレイが形成されている。これらのアレイは、互い違いにされ、 上方電極904上のストライプは下方電極912の隙間にはまり込むようになっ ている。膜902が上方位置にあるときには、光は、スリットを通って、回折と 反則によってバルブを通過することができ、膜が下方位置にあるときには、光は 、ほぼ遮断される。DMSの膜902および他の要素は、ELVDの実施形態に 関連してすでに述べた材料および方法を用いて形成することができる。ELVD形成のためのドライ・ロールアップ法 第29(x)および29(y)図の平面図および第29(a)−29(t)図 の断面図を参照して、ELVD用静電ライトバルブの圧力を製造するための他の ドライ・ロールアッブ法を説明する。単純化のために、これらの図では、一つの ELVDの製造のみを示すことに留意されたい。また、線形あるいは二次元アレ イも同様な方法でつくれることも理解されたい。工程1[第29(x)図]では 、例えばガラスでつくられた適当な基板10上に、例えば酸化インジウム・スズ (ITO)等の透明層のコーティング12が約2000オングストロームの厚さ に形成される。次に、第29(x)図の構造体の上にフォトレジスト(図示せず )をコーティングし、公知のリソグラフィー法でパターニングする。露光したI TO12は、次に、フォトレジストをマスクとしてエッチングする。次に、レジ ストを除去し、第29(x)図に示すように隣接する固定電極からストリップで 分離された下方固定電極10(a)が残されるようにする。 次に、第29(x)図のA−A線で切った断面を示す第29(a)図に示され るように、ITOコーティング12の上に例えば酸化アルミニウム(Al23) の絶縁層14を約2000オングストロームの厚さに形成する。内部応力を高め また接着性を弱めるために、オプションとして、層14の上に薄いポリテトラフ ルオロエチレン(PTFE)の層を形成してもよい。 PTFE層の目的は、接着力を制御し、それによってすでに述べた双安定性を 制御することである。のぞむレベルの接着性を得るために、PTFEの代わりに 他の材料を用いることもできる。 第29(b)図に示すように、絶縁体層14/15の上に、選好ドライ・エッ チングに適した所望のシリコンまたはゲルマニウムなどの材料からなる取りはず し層16を形成する。層16の厚さは、ライトバルブのデザイン・パラメーター に依存するが、通常約5000オングストロームの厚さである。 工程3[第29(c)図]では、公知の方法を用いて、層16の上に、第1( b)図に関連して説明した種類のフォトレジスト・パターン18を形成する。パ ターン18は、取りはずし部分を画定するためのマスクとして用いられる。この レジスト・パターン18を約170℃で焼成する。次に、第二の層18’を第一 のレジスト部分18の上の格子の形状にパターニングする。 上程5[第29(e)図]では、反応性イオン・エッチャーの中にサンプルを 置き、フォトレジスト領域18/18’がシリコン層16とほぼ同じかまたはそ れよりやや速い速度でエッチングされるような条件に設定する。例えば、10ミ リTorrのCF4ガスを使用し、エッチング電圧を500ボルトとした場合、 残るシリコン層16’にもフォトレジストのプロファイルが複製されて丸いうね り17が形成される。得られる可動電極内に高応力線が生じるのを最小限に抑え るためには、焼成したフォトレジストが丸い形状を有することがのぞましい。第 29(y)図は、第29(e)図の構造体の上面図を示す。 工程6[第29(f)図]では、ウエハーにPTFEのオプション層15’を コーティングする。この層は、単純化のために第29(f)図にしか示されてい ない。繰り返すが、PTFEの目的は、すでに述べたように接着力を制御して双 安定性を制御することである。所望のレベルの接着性を得るために、PTFEの 代わりに他の材料を用いることもできる。次に、ウエハーに、圧縮応力を有する 約300オングストロームの厚さの酸化アルミニウムのコーティングを施す。圧 縮応力を有する酸化アルミニウムのコーティングは、酸化アルミニウムのターゲ ットを用いたスパッタリングで生成することができる。圧縮応力は、5”のター ゲットを用い、10MTorrの圧力、100ワットの電力で、アルゴンをスパ ッタリング・ガスとして使用して酸化アルミニウムをスパッタリングしたとき、 通常のスパッタリング条件下で発生する。それに続いて、工程7[第29(g) 図]では、酸化アルミニウムよりはるかに低い応力を有するアルミニウムの低応 力層22を形成する。工程8[第29(h)図]では、引張り応力を有する酸化 アルミニウムの第二の層24を約300オングストロームの厚さに形成する。引 張り応力は、同じ条件下で少量の酸素を添加することで得られる。例えばスパッ タリングあるいは蒸着法を用いたコーティングの工程で正確な応力を得たい場合 には、正しい条件設定のために試運転を行なって応力の評価を行なうこともでき る。応力測定法は、D.R.クックおよびJ.M.ウエスト「電気成膜における 内部応力の測定」(金属仕上加工研究学会会報;1963年、第40巻)("The Measure-ment of Intenal Stress in Electrodeposits",D.R.Cook and J.M.Wes t,Transactionsof the Institute of Metal Finishing,1963,Vol.40)に示さ れている。成膜層内に正しい応力を確立する目的の一つは、対称性の構造を形成 して、温度の変化がロールの寸法に及ぼす影響を最小限度に抑えることにある。 アルミニウムは20×10-6/℃で膨張するのに対して酸化アルミニウムは約6 ×10-6/℃で膨張するため、可動電極の内部応力は温度によって変化する。し かし、アルミニウム層の両側に酸化アルミニウムの層が同じ厚さで形成されてい るため、温度変化によってコイル式電極の引伸ばしまたは巻上げが生じることは ない。 好ましくは、上表面は不透明または黒色で、下表面は反射性とする。そのため 、この時点[第29(i)図]で、付加的な層26が配設されて黒い表面が生成 される。層26は、直径1500オングストロームより小さいきわめて微細な粒 子を含むカーボンブラックを溶剤および樹脂中に分散させたものを用いて形成す ることができる。このような材料は、フォトレジストのようにスピンさせるかあ る いはスプレーすることによってコーティングして使用することができる。この材 料は、ヤング係数が小さくきわめて可橈性の高い材料である。したがって、かな り厚くしないかぎり、可動電極の機械的性質には有意な影響を及ぼさないであろ う。 この時点で、層20、22、24、および26で形成される可動電極30は、 フォトレジストをマスクとして使用し、またカーボンブラック層26と酸化アル ミニウム層20、24のために反応性イオン・エッチングを用い、またアルミニ ウム層22のために化学エッチングを用いこれらを組み合わせて用いることによ ってパターニングすることができる。オプションのPTFE層15’は、反応性 イオン・エッチング(RIE)で除去することができる。次に、ウエハーを、フ ッ素またはハロゲン化物を有するガスを用いたプラズマ・エッチング装置内に配 置する。プラズマのないハロゲン・ガスを用いてシリコンを除去し、可動電極3 0を取りはずすこともできる。パターニングした第29(j)図の構造体は、巻 き上げられる前は第29(z)図に示される形状を示し、巻き上げられた後は第 29(z’)図に示される形状となる。第29(j)図は、第29(z)図のC −C線に沿った断面図である。第29(k)および29(l)図は、第29(j )図と同様な拡大側面図で、それぞれ、シリコン取りはずし層16’を除去する 前(第29k図)とシリコン取りはずし層16’を除去した後(第291図)の 完成した電極構造を示す略図である。低コストのシャッター製造 次に、第30(a)−30(p)図および第36(a)および36(b)図を 参照して低コストのシャッター製造方法を説明する。この方法では、透明な基板 10からスタートして、その上に連続的に導電性透明電極膜12(例、ITO) 、絶縁体膜14(例、酸化アルミニウム)を形成する[第30(z)図]。絶縁 体14の上にはシリコンの取りはずし層16が形成される[第30(b)図]。 第30(c)図では、取りはずし層16の上にレジスト層が形成され、格子18 状にパターニングされ、この格子18がシリコン層16の表面にうねりを生成す るために用いられる。 第30(d)図では、反応性イオン・エッチング(RIE)チャンバー内にサ ンプルを入れ、CF4ガスでエッチングし、レジストをほぼエッチングで除去し 、シリコン層内にシリコンのうねり16’を残しつつエッチングにより層16が 貫通してしまわないようにする。第30(e)図では、他の実施形態ですでに述 べたようにして、サンプルに、酸化アルミニウム層20、アルミニウム層22、 および酸化アルミニウム層24を連続してコーティングする。これら三つの層は 、基板から取りはずしたときに静電的に回動自在なシャッター30を形成するた めに必要な応力を有している。 第30(f)図は、第30(e)図と同様であるが、他の実施形態ですでに説 明したようにオプションの層15を付加して一体構造となったシャッター30を 単純化した形で示している。 次に、第30(f)図の構造体をフォトレジスト34を用いてパターニングし 、行アドレスラインのためのストライプのみを形成する。ストライプのみのため にパターニングが必要であれば、より複雑なパターンを形成するために必要とな る公知のきわめて高価なマスク位置合わせ法あるいはステッパー法などの代わり に、走査式レーザーあるいはレーザー・ホログラフィー法などきわめて低コスト のリソグラフィー機械を使用することができる。 第30(g)図に示すように、行アドレスラインのためのストライプあるいは 溝32は、フォトレジスト34をマスクとして用い、RIEと化学エッチングを 組み合わせて使用し、ITO層12に達するまでエッチングを行なうことで形成 される。 次の工程では[第30(h)図]、ITOをエッチングして二酸化ケイ素の4 4部分をアンダーカットする。その理由は、次の工程で[第30(i)図]、I TOが除去された開口部に黒色または不透明層40が形成され、また、この黒色 層は、ほとんど常にやや導電性があるためである。44部分でアンダーカットを 行うことによって絶縁性の隙間が配設され、列アドレス線と黒色層の間が絶縁さ れる。 第30(i)図に示す工程では、ウエハーが真空蒸着装置内に置かれ、酸素の 存在下でクロムが蒸着され、黒色または濃い灰色の外見を有するサーメット層4 0が生成される。クロムの蒸着は、蒸着ビームが、第30(k)図に示すサンプ ルに対して側部と側部が向き合う方向で、サンプルに対しての垂直方向にかなり 平行となるようにして行なう必要がある。これは、サンプルをビームに対して垂 直に保持し、エッチングでサンプルに形成したスロット32に平行なスリットを 通して蒸着させるようにすれば行なうことができる。次に、同様にして、酸化ア ルミニウム層42を蒸着させる。その目的は、これら二層40/42全体の厚さ を、最初から下にあるITOおよび酸化アルミニウム膜12/14にオプション の層15を加えた全体の厚さとほぼ等しくなるようにすることである。スロット 32の側壁には不可避的に少量の膜が形成されるが、それは、短時間のウエット 化学エッチングまたはガス・クリーナップ・エッチングで除去することができる 。 次に[第30(j)図]、フォトレジスト層34をフォト・レジスト・ストリ ッパーに溶解させる。したがって、フォトレジスト34は、上端にあるが最終の 製品には必要のない金属のための取りはずし層を形成する。 この段階で、第30(k)図の上面図および第30(d)および30(j)図 の断面図に示すように、ITO層12と可動電極30の列パターニングが完了す る。ここで、第30(l)および30(m)図のB−B線に沿った断面図で示す ように行アドレスラインを形成することができるようになる。第30(m)図の 工程では、二つのレジスト層50および52が形成され、下方の層50は62部 分で上の層の下をえぐる(アンダーカット)形にされる。このような二層構造は 、例えば、PMMAの上にAZ1370というフォトレジストを用いて形成する ことができる。あるいは、フォトレジスト層の上にパターニングした金属層を配 置して形成することもできる。この二層構造の目的は、次の工程のシャドー蒸着 の後で行なうリフトオフに必要なアンダーカット部分を配設することである。次 に、この多層レジスト層50/52をエッチング・マスクとして使用し、PTF E15または酸化アルミニウム層14に達するまで可動電極層30とシリコン層 16を貫通してエッチングすることで、行溝60を形成する。 次に、第30(n)図に示すように、ウエハーを再び真空蒸着装置内に入れ、 アルミニウムを蒸着させるが、今回は、アルミニウム領域70aおよび70bを 形成するために前のように蒸着ビームを平行とし、アルミニウムは所定の角度で 蒸着される。アルミニウム層の厚さは、好ましくは約2000オングストローム である。領域70bの角度蒸着によって、シャッターとサンプルの縁部まで伸び る行ライン80[第30(p)図]の間の行溝内で電気的接続が行なわれる。ア ルミニウムは、また、コイルが巻き上げられた後のコイルの機械的支持体となる 。この点は、シャッター・コイル30が基板の絶縁体に直接取り付けられる他の 実施形態とは大きく異なる。 第30(o)図の工程では、フォトレジスト50/52が溶解され、また金属 層70(a)がアンダーカットされたレジスト層50によって不連続となるため 、必要のない金属層70(a)も溶剤に溶解して除去される。第30(p)図は 、この時点出の構造体の上面図である。 ここで、ウエハーは、フッ素エッチングを行なって下層のシリコン16を除去 することができる状態となり[第30(o)図]、その結果、可動電極30の巻 上げが可能となる。 ここで注意しなければならないのは、第29(a)−29(l)および30( a)−30(f)図において形成されるシャッターあるいは可動電極30は、電 極30が材料が交互に配置された三層構造を有する点で、これまでの実施形態と は異なることである。第36(a)[取りはずし前]および36(b)[取りは ずし後]の図に示されるように、電極30は、第一(下方)圧縮性絶縁層20( 矢印90で示される)、応力の低いまたはゼロの第二の中間金属層22、および 引張り応力(欠印92で示される)で形成される第三の(上方)絶縁層24によ って形成される。可動電極30のこの構造は、これまでの実施形態と比較してい くつかの利点を有する。複合/多層構造30内の実効応力の程度は、制御が容易 であり、三層構造の電極は、光学的により高密度にまたより可橈性をもたせてつ くることができる。また、以下の説明からわかるように、低温工程で製造するこ とができる。フリーズドライを用いたELVDシャッターの製造方法 この節では、第31(a)図−第31(i)図を参照して、シャッターの他の 低温製造法を説明する。この方法では、すでに述べたような透明固定電極を形成 するためのITO層12を有するガラス基板からスタートする。これまでの実施 形態で説明したようにして、エッチングでストライプが形成される。さらに、絶 縁層14およびそれに続いてオプションのPTFE層15(単純化のために第3 1(a)図にのみ示す)が形成される。この例では、二酸化ケイ素は、絶縁層1 4に用いられる。ガラスの代わりに研磨したセラミックを基板10として使用す ることもできる。 フォトレジストのパターンを用いて取りはずし層18を形成する[第31(b )図]。レジストは、二重露光され、第31(c)図に示すようなうねり電極構 造19が形成される。最初の露光によってレジストパターンが得られ、4μmピ ッチの格子を通して行なわれる二回目の露光は、それよりはるかに軽い露光とな る。さらに、慎重に制御しながら現像することによって、フォトレジストは、露 光した部分のみをレジストの中間まで除去することができるようになる。この処 理の結果、レジスト層18に図示のようなうねりが生じる。また、このレジスト を約120℃の低温で焼成すると、いぜん、アセトンなどの溶剤にとける性質を 保持している。 第31(d)図では、ウエハーの表面がスパッタリングによってオプションの PTFE層(図示せず)でコーティングされる。次に、二酸化ケイ素の最初のコ ーティングを行ない、約300オングストロームの厚さと圧縮応力を有する絶縁 層20を得る。これまでと同様に、応力を評価する試験を行なって、例えばスパ ッタリングあるいは蒸着法を用いたコーティング法で所望の応力を得るための正 しい条件を設定することができる。 第31(e)図では、蒸着またはスパッタリング法を用いて、低応力のアルミ ニウムのコーティング22を行なう。 第31(f)図では、二酸化ケイ素から始めて二酸化ケイ素とクロムの層を交 互に成膜し、第三のコーティング24とする。二酸化ケイ素の厚さは約100オ ングストローム、クロムの厚さは約50オングストロームである。この一連のコ ーティング24においては、二酸化ケイ素は低応力とし、クロムは引張り性とす る。クロム層は、光を吸収し、表面がクロム・ブラックのようにほぼ黒色となる 。このコーティングは、数を多くするほど色が黒くなる。 次の工程[第31(g)図]では、フォトレジスト(図示せず)を塗布して公 知の方法でパターニングし、シャッター30の下のレジスト18をエッチングす るためのマスクを形成する。これによって、RIEおよびウエット化学アルミニ ウム・エッチングを組み合わせて用いてレジスト18をエッチングすることがで きる。 第31(h)および31(i)図では、単純化のために断面の寸法を縮小して 示してある。第31(h)図は、取りはずし層18が除去される前の構造体を示 している。また、第31(i)図は、レジストを除去するためにウエハーをアセ トンの中に入れた後の構造体を示す。この結果、膜30は巻き上がる。次に、サ ンプルをおだやかに水でリンスし、サンプルとその周囲の水を水が凍るまで冷却 する。この段階で、ウエハーは氷に埋め込まれた状態になるが、約−10℃の温 度に保持し、数Torrの圧力でオプションとして窒素のガス流が存在する真空 チャンバー内に入れる。氷は、15または20分後に蒸発(昇華)し、製造工程 が完了する。このフリージング工程は、それによって水が固体の状態から蒸発し 、液体の状態から乾燥させる他の場合のように液体の表面張力によってシャッタ ーが破壊されることがない点で重要である。ELVD用ヒンジ止めシャッター 次に、第32(a)−32(i)図および第33−35図を参照して、ELV D用ヒンジ止めシャッターの製造方法を説明する。この方法は、上に透明な導電 性コーティング12(例、ITOコーティング)を施した透明な基板10(例、 ガラス)からスタートする。標準リソグラフィー法を用いて、コーティング12 を点線で示す部分13[第32(a)図]のところでエッチングし、シャッター 操作用の二つの基板電極12(a)と12(b)を形成する。次の工程[第32 (b)図]では、ウエハーに絶縁層14(例、酸化アルミニウム層)のコーティ ングを行なう。第B2(c)図では、標準リソグラフィー法を用いて酸化アルミ ニウム層14をパターニングし、一方の電極12(b)に絶縁用コンタクト面1 5’を形成する。次に、ウエハーは、選択的に溶解する(例、シリコン)取りは ずし層16[第32(d)図]を形成するための材料の層によってコーティング される。第32(e)図では、ウエハーは、引張り応力層18(例、酸化アルミ ニウム層)でコーティングされる。この層18をエッチングして、第32(f) 図に示すような(第33図の上面図を参照)矩形の環18’を形成する。この環 は、その形状と応力のため、最終的なヒンジ止めシャッターを若干湾曲させ、シ ャッターをボウル状にする。この層18と同じ酸化アルミニウム層は、また、シ ャッターの二つの接触点にも配置される。第32(g)図では、ウエハーを、ア ルミニウム層20でコーティングし、この層をパターニングして[第32(h) 図]、ヒンジ止めシャッター20’の最終の形状とする(第34図)。次に、フ ッ素ガスを用いてシリコンの取りはずし層16をエッチングし[第32(i)図 ]、ヒンジ止めシャッターが降りてきてウエハーの表面に載り、ファン・デル・ ワールスの力で所定の位置に保持され、少なくとも三隅で接触するようにする。 第35図の平面図に示されるように、接触する隅部の二つ30(a)および30 (b)は、電気的導体間の接触であり、接触部の二つ30(c)および30(d )は、電気的絶縁体間の接触である。導体の接触は、本来、絶縁体の接触より粘 着性が高いため、電界によってシャッターに本来の力が加えられると、絶縁体の 接触部が離れて、シャッターが二つの導電性接触部を通る軸Aの周りを回転する 。異方性応力ストリップ シャッター電極が一方向にのみ巻き込まれるようにするためには、異方性硬さ または異方性応力が必要となる。異方性応力を得るための一つの方法は、第37 図に示すように応力ストリップを形成することである。この実施形態では、すで に説明したスパッタリングまたは蒸着法を用いて、低応力Al23の下部層20 、低応力Alの中間層22、高応力Al23の上部層24からなる三層電極構造 30を形成する。上部膜24を貫通してカットライン33がエッチングされ、こ の上部膜がエッチングされて格子状あるいは一連のストリップ31となるように する。膜24は、きわめて異方性が強く、膜の応力も異方性となる。また膜は、 矢印Aの方向に対しては依然として引張り性を示し、最初の膜と同程度の応力を 示すが、ストリップ31に対して垂直な応力は、はるかに弱くなる。もちろん、 硬さも異方性を有し、巻き込みの方向に垂直に巻き込まれる場合には硬さが弱く なる。ただし、応力のほうが硬さよりさらに異方性が強いため、応力が巻き込み の方向を支配する。膜24内の応力は、膜の面内では等方性である。うねりの主 な目的が巻き込みの方向を制御するための異方性の硬さであるため、この実施形 態ではうねりの必要性はない。その代わりに、巻き込みの方向に設けられた応力 ストリップ31が巻き込みの方向を制御する。グレースケール TVなど多くの用途では、単にオンとオフ、すなわち黒と白だけが可能なライ トバルブではなく、少なくとも20、好ましくはそれ以上のグレーの濃淡の表示 が可能なように強度をかえることのできる変調器として機能することが求められ る。人間の目は、平均化装置であり、空間的および時間的に平均化しようとする 傾向があるため、この平均化の機能を利用してグレースケールを提供する方法は 数多く知られている。白ではなくグレーを示す一つの方法は、シャッターをある 時間ずっと開いておく代わりにその半分の時間だけ開いておくことである。シャ ッターを毎秒少なくとも30ないし60回オン−オフすると、目は、光を平均化 して白ではなくグレーとして見るようになる。このように電子装置を駆動してグ レースケールが得られることは、すでにシャッターを用いて実験的に実証されて いる。この方法には、いくつかの欠点があるが、その一つは、このモードを利用 すると、グレーの濃さの番号が多くなるにしたがって必要なシャッター・スピー ドが増大することである。 第二の方法は、シャッターを全部ではなく半分だけ開くことである。画素が十 分に小さいと、目は、空間的な平均化を行ない、半分開いたシャッターではなく 灰色を「見る」ことになる。TVに用いた場合、多数の画素を構成する素子アレ イがあるため、これらのアレイを一回に一行ずつ走査することが必要となり、し たがって各画素が走査の対象となる時間は、1フレームの全時間の何分の一にし か過ぎない。このことは、各画素に用いられる素子は、走査の対象とならない間 もその状態を保持することができる記憶性を備えていなければならないことを意 味する。 以下では、第38−42図を参照して、部分的に引き伸ばした位置にロックす ることができる素子の特殊な電極構造を説明する。第38図は、基板10、固定 電極12、絶縁体14、およびコイル電極30を有する個々のシャッター300 を単純化して示す側面図である。第40図は、コイル電極30が引き伸ばされて 絶縁体14の表面と接触した状態を示すA−A線に沿った第一の断面図である。 第41および42図は、電極電位の異なるモードで電極30がまだ表面に下りき っていない状態を示すB−B線に沿った第二の断面図である。 グレースケール機能を有するこの実施形態独特の特徴は、第30図の斜視図に より明確に示されるように下方すなわち固定電極12がセグメントに分けられて いることである。これまでは一個のシャッター30のために一つだけの固定電極 があっただけなのに対して、この固定電極は、さらに五つの個別に充電可能な電 極12(a)−12(e)に分割されており、これらは、互いに、シャッター3 0の巻込み運動の方向と平行に伸びている。五つの固定電極がともに電気的に接 続されて同じ電位にある場合には、第39図の素子は、すでに説明した素子とほ ぼ同じに作動する。シャッター30を引き伸ばしながら、いくつかの固定電極に おける電位を適当に操作することによって、電極の動作を停止させてその状態を 保持する、あるいはその位置でロックすることが可能になる。電極30上の電位 が若干変化しても、膜をそのロック位置に保持できることが重要である。これは 、固定電極が行をなし、可動電極が列をなす配列で、ある与えられた行のすべて の電極が行電極における固定電位を用いて所定の位置にロックされている場合で も、他の行が走査の対象となっているときに可動電極の列の範囲内で電位にわず かな変動が起こり得るからである。 第42図は、第38図のB−B線に沿った断面図で、シャッターが引き伸ばさ れたモードにある状態を示し、すべての固定セグメント電極30は同じ電位E1 にあり、膜電極30はそれとは異なる電位E3にあり、それによって、シャッタ ー30は、セグメント化されない固定電極の場合と同様に方法で絶縁体14の上 に引き伸ばされる。 可動電極30を所定の位置にロックするためには、膜を巻き上げようとするば ね力に対抗するために、第40図に示すように可動電極が固定電極と接触してい るすべての場所で可動電極30と固定電極14の間にある高い電界Eが維持され る必要がある。電界Eの大きさは、引伸ばしの電界の閾値より大きくなければな らない。 例えば第40図では、第38図のA−A線で示す電極30の部分を下方に保持 するために(下方保持モード)、三つのセグメント電極、すなわち保持電極12 (a)、12(c)、および12(e)がすべて同じ電位E1’にあり、この電 位は、電位E1と等しいかそれより大きく、他方、残る二つのセグメント12( b)および12(d)(引伸ばし電極)は、対の電位E2=−E1’にあり、こ の電位は電位E1と等しいかそれより大きく、さらに、可動電極30は、ゼロす なわち接地電位にある。第40図における力は、電極30を引き伸ばすために必 要な力と等しいかまたはそれより大きい。これによって、電極30は、巻き上げ られずにとどまっている。隣り合う電極の電位は反対であるため、第41図に示 すように膜が固定電極に接触していないときには、フリンジ(fringing)電界効 果によって、電界が引伸ばしのための電界閾値以下となる。三つの固定電極で電 位を反対の極性に変え、他の二つを同じ電位にしておくと、このフリンジ電界効 果のため、保持電極と可動電極の間の電界は、ずべての電位が同じ場合と比較し て、断面B−Bでは低下し、断面A−Aでは低下しない。したがって、引伸ばし の力も減少する。隣接する電極が反対の電位のときには、五つの固定電極すべて の電圧を高めても可動電極は巻き上げられないが、この電圧をあまり高くするこ とはできない。なぜならば、そうすると、断面B−Bでの電界が高くなり過ぎて 膜の引き伸ばしができなくなるからである。五つの電極には、電極をロックする 最適の電圧があると考えられる。幅が狭く間隔が縮められたより多くの電極を用 いれば、ロック効果がより強くなり、フリンジ効果も高まることになる。例えば 、固定電極をさらに七つの電極に小分割し、その三つを保持電極とし、四つを引 伸ばし電極とすれば、保持効果はさらに強まることとなろう。 上に述べた原理は、固定電極の代わりに可動電極をセグメントに分割する場合 にも等しく当ではまることに留意されたい。 部分的に引き伸ばされた状態を保持するシャッターを得る第二の方法は、可動 電極と固定電極(または固定電極上の絶縁)の接触面に特定のレベルの接着性を もたせることである。任意の二つの材料がきわめて接近すると、そこには、通常 、 引き合う力(ファン・デル・ワールスの力)が生じる。 この力の大きさは、材料と表面の構造に左右される。接触する材料を適当に選 べば、可動電極と固定電極の間の接着性を電極巻き上げを行うことができるよう に十分に低く制御可能で、また一方で巻上げ閾値電圧VRUTを有意に低くするよ うに十分に高く制御可能である。 このように構成されたマイクロシャッターでは、短時間だけ引伸ばし閾値電圧 VROTとして用いる電圧を高くしてシャッターを部分的に引き伸ばし、次にこの 電圧を低いレベル(ゼロではない)まで落として接着力でシャッターを部分的に 引き伸ばされた状態に保持することが可能である。コイルがこの状態にあるとき には、シャッターを有意に動かすことなく、可動電極と固定電極の間の電圧をVRUT とVROTの間で変化させることができる。 接着性を慎重にデザインし制御すれば、この運用モードでは、TVに適用する ようにX−Y走査式アレイでのグレースケールを実現することができる。 オプションのPTFEあるいはすでに説明した実施形態に関して述べた他の材 料を接着性制御用の層として用いることも可能である。フローティング電極素子 可動電極30が電気的接触を必要としないシャッター・ライトバルブの他の実 施形態である。可動電極は、電気的に分離され、あるいはフローティングにされ 、それを引き伸ばすための力を得るために必要な電荷は、二またはそれ以上の固 定電極で電荷を誘起させることによって生成される。第43図(開位置)と第4 4図(閉位置)は、このような電極構成の一例を示す図で、可動電極30には電 気的接触は行なわれないが、可動電極30の固定部分の下には第一の固定電極1 2(a)があり、この第一の電極のすぐ隣には第二の固定電極12(b)があっ て、その間には小さな隙間Gが設けられている。これら二つの固定電極の間の電 圧によって、電極30が引き伸ばされる。電極を引き伸ばすために必要な電圧を 最小限度に抑えるためには、二つの電極の重なり合う部分を大きくして第一の電 極と膜の間の容量を最大にしなければならない。 フローティング電極素子を形成する第二の方法は、第45図に示すように、固 定電極を半分に分割して、絶縁体14(部分断面図で示されている)の下に二つ の隣接する電極12(c)と12(d)を形成するものである。これら二つの電 極12(c)および12(d)の間に適切な電圧V1をあたえれば、電極30が 引き伸ばされる。プリンター 線形または二次元のシャッターアレイを用いて、一般に空間光変調器と呼ばれ る種類の素子をつくることができる。この種の素子を用いた用途としては、光相 関、スペクトル分析、クロスバー・スイッチ、投射表示、プリント、およびニュ ーラル・ネットワークなどを挙げることができる。一例として、電子写真プリン ターについて第46−48図を参照して詳細に説明する。このプリンター402 は、レーザー・プリンターと同じ基礎技術を用いるものであるが、プリント・ヘ ッド404が走査式レーザーの代わりに光源406と線形マイクロシャッター配 列408で構成されている点が異なる。レーザーと走査レンズを用いないために 、プリンター402は、構成が単純で安価に製造することができる。マイクロシ ャッター・プリント・ヘッド404は、シャッター430の線形アレイ408で 構成され、各シャッター430の大きさは、約80μm四方である。この小さい 寸法のために一インチ当たり300ドットの解像度が得られるが、これは、文字 の印刷にはきわめてすぐれまた写真の印画にも十分な値である。マイクロシャッ ター430の切り替え速度は、約10000Hz以上で、したがって、プリント 速度は、一インチ当たり300ドットの解像度で毎秒30インチ以上に達する。 より小さいシャッターを用いれば、写真の品質をさらによくするために必要なよ り高い解像度が得られるが、シャッターを小さくすれば究極的に周波数も高くな るため、プリント速度はほぼ同じレベルに維持される。好ましくは、光源406 は、マイクロシャッター430の真上に近接して配置される真空蛍光素子とする 。マイクロシャッターアレイ408は、.003”以下の薄いガラス基板上に形 成して、あれいを受光器ベルト410にきわめて近接して配置でき、平行光線の 使用の必要性を最小限度に抑えられるようにする。シャッター430の各画素を イメージデータソース407からのイメージ化すべきデジタル・データに対応さ せ、 または電気的に接続するために、ワイヤ・ボンド・バッド416が配設される。 このデータは、データ源407から一回に一行分づつ送られてくる入力データで ある。 線形アレイ408は、プリント・ヘッド404を回転して通過する感光性受光 ベルト410に画素イメージを一行づつプリントするために用いられる。受光器 ベルト410は、コロナ装置452からのコロナによって充電される。シャッタ ー30のある一つの画素は、シャッターに対向するスポットでこのコロナを選択 的に放電させる。これによって得られる電荷イメージは、現像器440から供給 されて充電スポットに付着するトナーで現像される。このトナーイメージは、転 送コロナ・ステーション436でベルト410から紙434へ転送され、溶融ロ ーラー438で紙にトナーを溶着しプリントイメージを形成する。イメージは、 クリーナー453でベルトから除去される。DCスイッチ 本発明の原理を用いて各種のスイッチを形成することができる。第49−53 図は、この種のスイッチの一つであるDCスイッチ502を示す。このスイッチ は、金属と金属、または導体と導体の接触を可能にする電流キャリヤ電極という 特別の電極504(a)および(b)を有する。導体と導体の接触によって、容 量型スイッチ(次節で説明するマイクロ波スイッチを参照のこと)と比較して開 位置から閉位置への移動に際し大きなインピーダンスの変化が得られるが、実際 、このインピーダンスの変化は、トランジスターよりかなり大きくすることがで きる。このような性能上の利点のためまたこのスイッチはトランジスターと同程 度に製造が容易なため、多くの用途でトランジスターにとって代わる可能性があ る。 DCスイッチ502の第一の実施形態が、第49(a)図では開位置でまた第 49(b)図では閉位置で示されている。このスイッチは、セラミックまたはガ ラスの基板10の上に形成されるが、あるいは上に絶縁層14が成膜された導体 を用いて形成してもよい。次に、この絶縁体の上にアルミニウムなどの金属膜が コーディングされ、パターニングによってプルダウン電極12(a)とコンタク ト・メタライズ(contact metallization)部(図示せず)が形成される。コン タクト・メタライズ部とは、イリジウム等の特別の下方コンタクト504(a) が形成される場所である。次に、蒸着などによって構造体の上に取りはずし層が 形成され、パターニングして可動電極300を形成するアタッチメント部Aを得 る。取りはずし層の上には、下部コンタクト504(a)に対向して上部コンタ クト504(b)が形成される。次に、取りはずし層の上にすでに述べたように して可動電極が形成され、取りはずし層は、溶解またはドライ・エッチングによ って除去される。 プルダウン電極16(a)、下方コンタクト504(b)、および可動部材3 00には、それぞれ、電気リード線L1、L2、およびL3が取り付けられる。 L1とL3にDC電圧(例、図示のように10ボルト)をあたえると、第49( b)図に示すように可動電極が閉じ、コンタクト504(a)と504(b)を 介して線L2とL3とを接続する。 この種のスイッチの問題は、すべての機械的リレーに共通していえることであ るが、電気のアークが発生してコンタクトを変化させあるいは損傷し、ときには 溶接を起こす場合さえあることである。アークの発生を避けるために、この素子 の用途は、コンタクトに電圧がかかっていないときのみにスイッチの開閉動作を 行なうような特殊な用途に限られる傾向がある。一旦、スイッチが閉じられれば 、コンタクトを損傷することなく電流が流れることができる。あるいは、アーク によるコンタクトの損傷を制御するために一般に用いられる水銀ウエット法を使 用することもできる。 次にコンタクト破壊の問題を解決する他の方法を説明する。しかし、まず、二 つのコンタクトが開かれているかまたは閉じられているときの電気的破壊効果に ついて若干詳細に説明する必要がある。電圧がかけられて互いに近づく方向の移 動を開始する二つのコンタクトの場合を考える。電圧が100ボルト以下であれ ば、二つのコンタクトの間隔が約1マイクロメートル以下となったときに有意の 電流が流れ始める。この間隔では、電界は、1センチメートル当たり100万ボ ルト以上のレベルに達している。電流が流れるか否かは、コンタクトの状態に大 きく左右される。コンタクトは、通常、完全に滑らかではないので、小さい突起 部では電界がはるかに高いレベルに達するおそれがある。電界が高くなれば、電 気的に負のコンタクトからの電子の電界放出を発生させ、その電子が加速され、 正の電気コンタクトと衝突したときには100エレクトロンボルトのエネルギー ・レベルに達する。この電子の流れは、隣接のコンタクトに蓄えられているエネ ルギーのために、コンタクトが互いに接近するのに応じて急速に増大し、電流密 度は、コンタクト金属を急速に加熱して溶解するのに十分な高さのレベルに達す るおそれがある。損傷は、きわめて狭い隙間の間で加速される電子によって起こ される。 損傷が発生するおそれのある第二のケースは、コンタクトが最初から接触して いてその間に電流が流れ、コンタクトの間の電圧がきわめて低くて互いに離れ始 める場合である。コンタクトの分離が10あるいは20オングストロームに達す ると、抵抗も高いレベルに達するようになり、またすべての回路で発生する自然 のインダクタンスのために、コンタクトにかかる電圧が急速に上昇する。回路に よっては、電圧が電源電圧のレベルより高いレベルに達することがある。上に述 べた第一の場合と同様に、電圧が十分に高くなると、電界放出が発生し、コンタ クトの間の電界が十分に高くまた十分に長くなると、正電極の溶解も発生する。 この問題を避けるために、第50(o)、51、52、および53図に示す本 発明のスイッチ502は、その動作がきわめて高速に行なわれ、コンタクトが接 触状態から1マイクロメータ離れるまでに要する時間は、きわめて短い。この時 間が十分に短ければ、電子が放出され加速されて正のコンタクトを溶解するのに 十分な時間は生じなくなる。これらのスイッチは、きわめて小さくまたきわめて 軽量の材料から形成されるため、その動作はきわめて速い。最も小さいスイッチ 構造では、共振周波数が10メガヘルツに達するものもあり、100ナノ秒以下 の時間での切り替え動作が可能である。 コンタクトの損傷を最小限度に抑えるためには、また、スイッチができるだけ 迅速に1マイクロメータの隙間から隙間ゼロの状態まで、またその逆に移動する 必要がある。二つのスイッチを直列に接続して同時に作動させる場合、隙間の合 計は、一つのスイッチが1マイクロメータ移動するのと同じ時間内に2マイクロ メータからゼロまでまたその逆へと変化しなければならない。直列した二つのス イッチでは、隙間の変化は約2倍の速さで起こることになる。多くのスイッチが 直列に配列されるマルチセル装置では、コンタクトが開く速度はスイッチの数と ともに増大する。高信頼性スイッチでは、100のスイッチ・コンタクトあるい は要素が直列に配列され、その各々が0.1マイクロ秒に1マイクロメータの速 度で開くものがある。その場合、全体の開く速度は、1ナノ秒で1マイクロメー タとなり、エネルギーの放散レベルがきわめて低く、損傷を起こすことはなくな る。本発明のスイッチ要素は、きわめて小さく、したがって、一つのウエハーの 上に多数の要素をつくることができる。また、これら100の要素の直列のグル ープの多くは、電流容量を高めるために並列に連結することもできる。一つの要 素が5×5マイクロメータの面積を占めるとすると、1ミリメートル平方のチッ プの上には10000個の要素の素子を配置することができる。このようなチッ プは、そのデザインおよび並列と直列の組合わせにもよるが、100ボルトで1 0mAまたは10ボルトで100mAの切替えを行なう容量をもつことになる。 第54図は、スイッチ要素502の4つの並列ストリング410を有する4×4 アレイ520を示す。 第50−53図は、スイッチの他の実施形態502のアレイ520の製造の詳 細を示す図である。絶縁性基板10または絶縁層で覆われた導電性基板からスタ ートし、すでに述べた成膜法およびフォトリソグラフィー技術を用いてアルミニ ウムなどの金属膜が形成されパターニングされて、プルダウン電極12(a)お よび12(b)ならびに電流キャリヤ電極512[第50(a)および50(b )図]がともに形成される。すでに述べた成膜法とフォトリソグラフィー技術を 用いてコンタクト部分にはイリジウムなどのコンタクト金属504が形成される 。第50(c)図に示すように、すでに述べた蒸着法を用いて、サンプルをシリ コンなどの取りはずし層18で覆う。この取りはずし層をパターニングして、第 50(d)図に示すように、スイッチ502の可動部材300のための取付け部 を形成する。第50(e)図に示すように、酸化アルミニウムなどの絶縁層20 のコーティングおよびパターニングを行なう。この層は、下部の絶縁層となるも のである。また、インジウムでコーティングおよびパターニングして上部コンタ クトを形成する[第50(f)図]。アルミニウムまたは他の金属の層22のパ ターニングおよびコーティングによって、可動部材の上に導電電極530および プ ルダウン電極532を形成する[第50(g)、(h)、および(i)図]。第 50(l)図に示すように、最後の絶縁層24のコーティングを行なう。第50 (m)図に示すように、可動部材をパターニングして可動部材の輪郭を画定する 。サンプルをフッ素ガスの中に入れてシリコンを除去し、可動部材を取りはずす [第50(n)図]。第50(o)および51−53図の実施形態で示すように 、基板10上の二つのプルダウン電極12(a)、12(b)は、二つの電流キ ャリヤ電極530、512をまたいでいる(はさんでいる)。プルダウン電極5 32は、電流キャリヤ電極530上を架橋し(bridge)、プルダウン電極12( a)、T2(b)上に形成されている。電極532上の絶縁層536は、酸化ア ルミニウムでつくられる。電流キャリヤ電極は、アルミニウムでつくられ、コン タクト自身は、イリジウムでつくられる。このようなデザインによって、電流キ ャリヤ電極とプルダウン電極の間の容量が最小限度に抑えられ、また、電流コン タクトが開いたときのコンタクト自身の間の容量も最小限度に抑えられる。した がって、このスイッチ素子は、線LT−L2によってアドレスされるプルダウン 回路と電流キャリヤ回路線L3−L5の間の絶縁(isolation)を良好に保つこ とができるが、これは、これらの線を直列で使用する場合に重要なことである。マイクロ波スイッチ すでに述べたマイクロシャッター電極は、わずかな変更を加えるだけで、マイ クロ波または高周波スイッチをつくるために使用することができる。このスイッ チは、容量が開と閉の間で約3桁の大きさで変化する可変コンデンサーを形成す るものである。低容量では、電気的スイッチの高インピーダンスを生じ、高容量 では、低インピーダンスを生じる。容量の大きさは、どれだけ多くの小さい巻込 み式シャッターが並列に接続されるかによってきまる。10GHzでスイッチと して作動するためには、巻上げから引伸ばしまでの容量範囲が、公称設計値で0 .02から20pfの範囲となる。周波数がこれより低いかあるいは高い場合に は、有効に作動するスイッチとするために、容量もそれに比例して高くあるいは 低くしなければならない。 第54図および第55図は、単一要素のスイッチの略図で、基板10上には固 定電極12が、また絶縁性基板上には可動電極30が配設され、開および閉位置 にある状態を示す。高周波数での使用に好都合とするため、基板の背面側にも導 体すなわち電極31が配設され、この電極は接地されている。したがって、最初 の二つの電極30および12は、マイクロストリップ伝送線として用いることが できる。スイッチを操作するために用いられる信号Vsは、切替え信号HFより はるかに低い周波数すなわちDC電圧であり、したがって、操作信号Vsは、高 周波数遮断フィルター(インダクタL1)を介し、またコイル電極30および固 定電極12を通って直接導入することができる。高周波(マイクロストリップ) 線には、DC低周波数遮断フィルター・コンデンサーC1も配設され、このコン デンサーC1は、第55図に示すようにVsが0ボルトから+20ボルトに上昇 して電極力引き伸ばされたときに、低周波切替え信号Vsがマイクロストリップ 伝送線を下方に電送されるのを阻止する。したがって、スイッチを操作するため に用いられる信号Vsは、すでに述べた実施形態でマイクロシャッターを操作す るために用いられる信号ときわめてよく似ている。 第56−59図は、1.0GHzで作動するようにデザインされたマルチエレ メントスイッチSmを示す。容量は、0.03から300pfまで変化し、イン ピーダンスは、0.5から500オームまで変化する。側部からくる切替え信号 は、小さい線L1内へ送られる。遮断用インダクタとコンデンサーから伸びるこ の小さい線L1は、図の外部にあって図示されない。可動電極30は、スイッチ が閉じられたとき[第56および57図]マイクロストリップの形状の変化量が 最小となるように特別に設計され、信号の反射が最小限度に抑えられる。このス イッチが開くと[第58および59図]、線を下方に移動する信号に対し、隙間 Gが大きなインピーダンスを示し、したがって信号を反射するようになる。等価物 当業者は、本明細書に記載した本発明の具体的な実施形態に対する多くの等価 物を同様に実施できることを認識するであろうし、また、通常の実験を行なえば そのことを確認できるであろう。この種の等価物も、当然、以下の請求の範囲に 含まれるものである。 その低応力性のために、アルミニウムが可動電極として使用するのに好ましい 材料であることを示してきた。十分な低応力で形成するならば、他の多くの材料 をこれに代えて使用することができる。重要なことは、形成時に応力を組み込ん だ形で可動電極を形成することである。応力は、電極を付勢して適切な方向へ回 転させる。うねりは、与えられた方向に硬さをあたえ、可動電極が巻き上がると きによれたりねじれたりするのを防ぐ。うねりの代わりに、電極膜内に異方性応 力をあたえたり、あるいは第20−23図または第37図に示すように応力スト リップを使用したりすることもできる。 好ましい実施形態にあっては、可動電極は、三層構造とし、応力が、上部の酸 化アルミニウム層での引張り応力から、中間アルミニウム層でのほぼゼロ応力へ 、さらに下部酸化アルミニウム層での圧縮応力へと変化する構成とされる。これ らの応力は、すべて、層の成膜時に組み込まれる。平均の応力は、かなり低いレ ベルである。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1.素子において、 a)固定電極、 b)前記固定電極上の第一の高抵抗層、 c)応力をともなって形成され、一端で貼り付けられ、前記素子に所望の電圧 を加えることによって単一の軸の周りを前記固定電極に向かって回転移動可能で あり、前記電圧の除去によって反対方向に回転可能な可動電極、を有し 前記応力が前記可動電極を付勢して前記反対方向へ動かすことを特徴とする素 子。 2.請求の範囲第1項に記載の素子において、 前記可動電極は、その回転方向に対して横方向によれることを避けるために硬 化されていることを特徴とする素子。 3.請求の範囲第1項に記載の素子において、 前記可動電極は、回転してロールとなり、巻き込み方向に異方性応力が与えら れていることを特徴とする素子。 4.請求の範囲第1項に記載の素子において、 前記可動電極は、回転方向に対して横方向に異方性硬化されていることを特徴 とする素子。 5.請求の範囲第1項に記載の素子において、 前記可動電極は、前記固定電極に対向する側で圧縮応力を有し、前記対向側の 反対側では引張り応力を有する膜で形成され、 前記可動電極の実効応力は低いことを特徴とする素子。 6.請求の範囲第5項に記載の素子において、 前記可動電極は、絶縁材料からなる複数の外側層と、内側の導電層とで形成さ れていることを特徴とする素子。 7.請求の範囲第6項に記載の素子において、 前記可動電極は、約3000オングストローム未満の厚さを有することを特徴 とする素子。 8.請求の範囲第1項に記載の素子において、 前記可動電極は、光を変調することを特徴とする素子。 9.請求の範囲第1項に記載の素子において、 前記可動電極は、電気を切り替えることを特徴とする素子。 10.請求の範囲第1項に記載の素子において、 前記可動電極は、光シャッターを形成することを特徴とする素子。 11.素子において、 a)基板、 b)前記基板上の固定電極、 c)前記基板への対向側の固定電極表面を覆う第一の高抵抗体、 d)一端で貼り付けられ、巻き上がってコイルとなるように形成時に応力があ たえられる可動電極と、を有し 前記素子に電位を加えると、前記可動電極は、所望の巻き込み方向に沿って引 き伸ばされて固定電極をほぼ覆うことを特徴とする素子。 12.請求の範囲第11項に記載の素子において、 前記固定電極は、酸化インジウム・スズ、金、銅、銀、白金、またはタングス テンからなるグループから選ばれる材料の薄い透明層からなり、 前記可動電極、前記基板、および前記高抵抗体は、透明であり、 前記可動電極の上に非透明層が形成され、前記可動電極の前記固定電極に近接 する面側に第二の高抵抗体が形成されていることを特徴とする素子。 13.請求の範囲第12項に記載の素子において、 前記第一および第二の高抵抗体は、酸化アルミニウム、二酸化ケイ素、または 窒化ケイ素からなるグループから選ばれる材料で形成されていることを特徴とす る素子。 14.請求の範囲第11項に記載の素子において、 前記可動電極は、巻き込み方向に対する横方向に硬化され、 前記可動電極は所定の巻き込み方向に沿って引き伸ばされることを特徴とする 素子。 15.請求の範囲第14項に記載の素子において、 前記硬化は、巻き込み方向に対する横方向に伸びるうねりを形成することによ って得られることを特徴とする素子。 16.請求の範囲第11項に記載の素子において、 前記可動電極は、金属の中間層、および絶縁体の外側層を含む三層で形成され る素子。 17.請求の範囲第16項に記載の素子において、 前記三層の実効応力は低いことを特徴とする素子。 18.請求の範囲第11項に記載の素子において、 前記電極は、電気を切り替えることを特徴とする素子。 19.請求の範囲第16項に記載の素子において、 前記二つの絶縁体の層は、酸化アルミニウムで形成され、 前記金属層は、アルミニウムで形成されていることを特徴とする素子。 20.請求の範囲第11項に記載の素子において、 前記可動電極は、光を変調することを特徴とする素子。 21.一以上の光変調器を形成する方法において、 a)基板上に固定電極を形成する工程、 b)前記固定電極の上に絶縁体層を形成する工程、 c)前記絶縁体層の一部分の上に取外し自在層を形成する工程、 d)前記取外し自在層と露出した絶縁体領域の上に、形成時に応力をあたえて 膜を形成することによって可動電極を形成し、前記応力が、膜厚方向に、前記取 外し自在層との近接面側における圧縮応力から引張り応力へと変化するように形 成する工程、および、 e)前記可動電極がその一端で貼り付いているように前記取外し自在層を除去 し、前記可動電極の膜内に与えられた応力によって前記可動電極を前記固定電極 から離れる方向に巻き込ませる工程、 を有することを特徴とする光変調器の形成方法。 22.請求の範囲第21項に記載の方法において、 前記可動電極は、導電性膜の上下に設けられる応力を有する絶縁体膜で形成さ れることを特徴とする光変調器の形成方法。 23.請求の範囲第22項に記載の方法において、 形成時に前記可動電極内に硬化部が形成されることを特徴とする光変調器の形 成方法。 24.請求の範囲第22項に記載の方法において、 前記基板は、透明な材料で形成され、 前記取外し自在層は、フォトレジストで形成され、 前記絶縁体膜は、酸化アルミニウムで形成され、 前記導電性膜は、アルミニウムで形成されることを特徴とする光変調器の形成 方法。 25.請求の範囲第21項に記載の方法において、 前記取外し自在層は、ハロゲン化物を含むガス、またはプラズマによって除去 されることを特徴とする光変調器の形成方法。 26.請求の範囲第24項に記載の方法において、 前記可動電極の上に光吸収膜が形成されることを特徴とする光変調器の形成方 法。 27.請求の範囲第21項に記載の方法において、 さらに、変調器を内部にガスが入った湿気障壁パッケージ内に封入する工程を 含むことを特徴とする光変調器の形成方法。 28.請求の範囲第21項に記載の方法において、 さらに、変調器を気密密閉された真空パッケージ内に封入する工程を含むこと を特徴とする光変調器の形成方法。 29.請求の範囲第27項に記載の方法において、 前記ガスは、ヘリウム、アルゴン、キセノン、または窒素からなるグループか ら選ばれることを特徴とする光変調器の形成方法。 30.一以上の光変調器を形成する方法において、 a)基板上に固定電極を形成する工程、 b)前記固定電極上に絶縁体層を形成する工程、 c)前記絶縁体層上の一部に第一の取外し自在層を形成する工程、 d)うねりを持たせてパターニングした前記第一の取外し自在層上に、第二 の取外し自在層形成し、その一端に露出した第一の絶縁体層の一部分を残す工程 、 e)パターニングした前記第二の取外し自在層および前記第一の取外し自在 層の所定部分を除去し、うねりを前記第一の取外し自在層内に転写し、その一端 に前記絶縁体層が露出した領域を配置する工程、 f)うねりを持たせた前記第一の取外し自在層と、露出した前記絶縁体層上 に、うねりを有する電極を形成する工程、および、 g)残された前記第一の取外し自在層を除去し、一端が絶縁体部分に貼り付 けられたうねりを有する電極を残し、前記うねりを有する電極を前記固定電極か ら離れる方向に巻き込ませる工程、 を有する光変調器の形成方法。 31.一以上の光変調器を形成する方法において、 a)基板上に固定電極を形成する工程、 b)前記固定電極上に第一の絶縁体層を形成工程、 c)前記第一の絶縁体層上に取りはずし層を形成する工程、 d)前記取りはずし層上に可動電極を形成する工程であって、前記可動電極に はその形成時に応力があたえられ、前記応力が圧縮応力から引張りへと変化する ように形成する工程、および、 e)前記取りはずし層を除去して、前記電極を前記応力のために前記固定電極 から離れるように巻き込ませる工程、 を有することを特徴とする光変調器の形成方法。 32.請求の範囲第31項に記載の方法において、 前記取りはずし層は、フォトレジストによって形成されることを特徴とする光 変調器の形成方法。 33.請求の範囲第32項に記載の方法において、 前記可動電極は、うねりを付けて形成され、 前記フォトレジスト層は二重露光プロセスによって形成され、 前記二重露光プロセスでは、 前記フォトレジスト層の第1の厚みが、光変調器が画定される部分に照射され る第一の光のみによって露光されて形成され、 前記第一の厚み上の第二の厚みが、前記第一の光より強度の低い第二の光であ って、前記うねりの間の隙間を画定する格子を通って照射される第二の光によっ て露光されて形成され、 前記第二の光によって露光された部分において、該フォトレジスト層の除去は 、前記第一の厚みのレベルまでだけ行なわれることを特徴とする光変調器の形成 方法。 34.請求の範囲第21項に記載の方法において、 前記可動電極は、第二の絶縁体層と第三の絶縁体層の間に設けられた導電層を 有し、 前記取外し自在層は、フォトレジスト、シリコン、またはゲラニウムからなる グループから選ばれる材料で形成されることを特徴とする光変調器の形成方法。 35.請求の範囲第34項に記載の方法において、 前記固定電極は、酸化インジウム・スズで形成され、 前記第一、第二、および第三の絶縁体層は、酸化アルミニウムで形成され、 前記導電層は、アルミニウムで形成されることを特徴とする光変調器の形成方 法。 36.請求の範囲第34項に記載の方法において、 前記第二の絶縁体は、圧縮応力を加えて形成され、 前記第三の絶縁体層は、引張り応力を加えて形成され、 前記導電層は、ゼロ応力で形成されることを特徴とする光変調器の形成方法。 37.請求の範囲第31項に記載の方法において、 前記取りはずし層は溶剤内で溶解され、構造体を水でリンスして前記溶剤を除 去し、前記水を凍結させ、前記凍結した水を真空チャンバー内で蒸発させ、前記 構造体を非液体状態で乾燥させて前記取りはずし層を除去することを特徴とする 光変調器の形成方法。 38.請求の範囲第31項に記載の方法において、 前記基板および前記固定電極は、所定波長の光に対して透明であり、前記可動 電極は、その光に対して非透明であることを特徴とする光変調器の形成方法。 39.請求の範囲第31項に記載の方法において、 前記固定電極は、所定波長の光を反射し、前記可動電極は、その光に対して透 明であることを特徴とする光変調器の形成方法。 40.請求の範囲第31項に記載の方法において、 さらに、前記変調器に異なる色の発光素子を形成する工程を含むことを特徴と する光変調器の形成方法。 41.一以上の光変調器を形成する方法において、 a)基板上に固定電極を形成する工程、 b)前記固定電極の上に第一の絶縁体層を形成する工程、 c)前記絶縁体上にうねりを有する取りはずし層を形成する工程、 d)うねらせて硬化させた前記取りはずし層上にうねりによってプレストレス を施した電極を形成する工程、および、 e)前記取りはずし層を除去して、前記うねりを有する電極を前記プレストレ スにより前記固定電極から離れて巻き込ませる工程、 を有することを特徴とする光変調器の形成方法。 42.光変調器において、 a)固定電極、 b)前記固定電極上の絶縁体、および、 c)前記固定電極に近接配置され、また一端が前記絶縁体に取り付けられた可 動電極であって、この可動電極は、前記一端の周りで回動自在であり、形成時に 可動電極が前記固定電極から離れる方向に巻き込むように付勢された可動電極、 を有することを特徴とする光変調器。 43.請求の範囲第42項に記載の光変調器において、 前記付勢は、前記可動電極の形成時に生成される異方性応力によって生じるこ とを特徴とする光変調器。 44.請求の範囲第42項に記載の光変調器において、 第一の抵抗層が前記可動電極と対向する前記固定電極の表面に形成され、 第二の抵抗層が前記固定電極と対向する前記可動電極の表面に形成されている ことを特徴とする光変調器。 45.請求の範囲第42項に記載の光変調器において、 前記付勢は、前記可動電極の異方性硬化によって生ずることを特徴とする光変 調器。 46.請求の範囲第42項に記載の変調器において、 前記付勢は、巻込み運動の方向に対して横方向に伸びるうねりによってあたえ られる異方性硬化によって生ずることを特徴とする光変調器。 47.請求の範囲第42項に記載の光変調器において、 前記うねりは、非均等なうね状間隔形状であることを特徴とする光変調器。 48.光変調器において、 a)固定電極、 b)前記固定電極に近接する可動電極であって、形成時に、所望の巻込み方向 に巻き込むように異方性硬化させた可動電極、 を有することを特徴とする光変調器。 49.請求の範囲第48項に記載の光変調器において、 前記可動電極は、所望巻込み方向に対して横方向に伸びるうねりを形成するこ とで硬化された可動電極であることを特徴とする光変調器。 50.ライトバルブにおいて、 a)基板、 b)前記基板上の固定電極、 c)一端で固定され、所望方向にコイル状に巻き上がるように異方性付勢され た可動電極、を有し 前記電極間に電位をあたえると、前記可動電極が巻き込み方向の反対方向に引 き伸ばされ、前記固定電極をほぼ覆うことを特徴とするライトバルブ。 51.請求の範囲第50項に記載のバルブにおいて、 前記固定電極は、酸化インジウム・スズ、金、銅、銀、白金、またはタングス テンからなるグループから選ばれる材料の薄層から形成されていることを特徴と するライトバルブ。 52.請求の範囲第50項に記載のバルブにおいて、 前記可動電極は、巻込み方向に対して横方向に硬化させて付勢され、前記可動 電極が巻込み方向に対して横方向によれることが防止されていることを特徴とす るライトバルブ。 53.請求の範囲第50項に記載のバルブおいて、 前記硬化は、巻込み方向に対して横方向に伸びるうねりを設けることによって 得られることを特徴とするライトバルブ。 54.請求の範囲第50項に記載のバルブにおいて、 前記可動電極は、両側に絶縁層が設けられた中間導電層によって形成されてい ることを特徴とするライトバルブ。 55.請求の範囲第54項に記載のバルブにおいて、 前記可動電極の実効応力は低いことを特徴とするライトバルブ。 56.ライトバルブにおいて、 a)基板、 b)前記基板上の固定電極、 c)一端で固定され、所望方向にコイル状に巻き上げるように異方性付勢され た可動電極、 を有し 前記電極の一つは、互いに隔てられた導電性ストリップに分割され、前記固定 および可動電極に第一の電位を与えると、前記可動電極は前記固定電極を覆う方 向の反対方向に引き伸ばされ、一つの前記電極と一以上の導電性ストリップに第 二の電位をあたえると、前記可動電極が固定位置をとることを特徴とするライト バルブ。 57.空間光変調器において、 a)ライトバルブアレイであって、各バルブは、固定電極および可動電極を有 し、可動電極は、一端で固定されて所望方向にコイル状に巻き上がるように異方 性付勢され、前記二つの電極に電位をあたえると、前記可動電極が反対方向に引 き伸ばされて可動電極をほぼ覆うライトバルブアレイ、 b)アドレス・パッドアレイであって、それぞれ前記バルブの一つに連結され て前記電極に前記電位を与えるアドレス・パッドアレイ、 c)前記ライトバルブアレイに光を投射して空間に画素イメージを形成するた めに前記ライトバルブアレイに近接される光源、を有し 各画素イメージは、前記電極に与えられるそれぞれの電位に応じて形成される ことを特徴とする空間光変調器。 58.プリンターにおいて、 a)ライトバルブアレイであって、各バルブは、固定電極および可動電極を有 し、可動電極は、一端で固定されて所望方向にコイル状に巻き上がるように異方 性付勢され、前記二つの電極に電位をあたえると、前記可動電極が反対方向に引 き伸ばされて前記固定電極をほぼ覆うライトバルブアレイ、 b)アドレス・パッドアレイであって、それぞれ前記バルブの一つに連結され て前記二つの電極に前記電位をあたえるアドレス・パッドアレイ、 c)前記ライトバルブアレイに光を投射して、空間に、前記電極に与えられる それぞれの電位に応じて形成される画素イメージを形成するために、前記ライト バルブアレイに近接される光源、 d)前記電荷イメージに対して相対運動し、コロナによって充電される受光部 であって、各画素の画素イメージに対応した電荷イメージをその表面に形成する 受光部、 e)電荷イメージを現像するための現像装置、 f)電荷イメージを紙に転写してプリントイメージを形成するための転写手段 、 を有することを特徴とするプリンター。 59.マイクロ波スイッチにおいて、 a)固定導電部および可動導電部であって、両部の間に形成される絶縁体を有 し、可動導電部は、一端が固定されて所望方向にコイル状に巻き上がるように異 方性付勢され、この導電部間に電位を与えると、可動導電部が巻き込み方向の反 対方向に引き伸ばされて固定導電部の相当部分と接触する固定導電部および可動 導電部、 b)マイクロ波エネルギー源を所定部材に接続する入力リード線、および、 c)他の部材に接続される出力リード線、を有し、 前記可動導電部が引き伸ばされると、スイッチに大きな容量が形成され、前記 マイクロ波エネルギー源から出力リード線までがマイクロ波エネルギーの低イン ピーダンス結合を構成することを特徴とするマイクロ波スイッチ。 60.DC電圧切り替え用DCスイッチにおいて、 a)スイッチアレイであって、各スイッチは、基板上の固定電流キャリヤ電極 と、および一端が固定された可動片持ち梁型の可動電極を有し、前記可動電極と 前記固定電流キャリヤ電極上には、対向したコンタクト部分が形成されたスイッ チアレイ、 b)少なくとも一つの電位供給電極、を有し、 前記電位供給電極に電位を与えると、前記可動電極が前記コンタクト部分を接 触する方向に移動することを特徴とするDC電圧切り替え用DCスイッチ。 61.請求の範囲第60項に記載のスイッチにおいて、 前記電位供給電極は、基板上に形成され、二つの互いに隔てられた導電性スト リップから構成されることを特徴とするDC電圧切り替え用DCスイッチ。
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