JPH08511863A - プレート型熱交換器 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 入口流路（１１）を形成する入口開口部（９）を有する一群の熱伝達プレートと、プレートと一体になって交互に配置されたプレートの空隙に第１（１３）と第２の流れ通路の境界を定める密封手段とを備えたプレート型熱交換器。第１の密封領域（１７，２３）は、各入口開口部（９）の周りに配置されている。入口流路（１１）は少なくとも一個の入口通路（１５）によって各第１の流れ通路（１３）と連通し、一方第２の流れ通路とは前記第１の密封領域によって遮断されている。前記第１の流れ通路（１３）を形成するプレートは、それぞれの入口開口部（９）に連接する第２の密封領域（１６）でお互いに向き合った本質的の漏れのない接合面を有し、また前記入口通路（１５）は、前記熱伝達プレート（２）の少なくとも一つに、この熱伝達プレート（２）の第１の密封領域（１７、２３）と入口開口部（９）との間に設けられている。

Description

【発明の詳細な説明】 プレート型熱交換器 本発明は、プレート組立体を貫通して入口流路が形成された開口部を有し、か つ熱供給プレートの間には密封手段が配置され、密封手段は熱伝達プレートと一 体になって総ての他のプレートとの間に一つの流体のための第１の流れ通路を形 成する空間と、残りのそれぞれのプレートとの間に加熱流体のための第２の流れ 通路を形成する空間とを形成し、その中で入口流路は少なくとも一つの入口通路 を通ってそれぞれの第１の流れ通路と連通し、それぞれの入口開口部の周囲の密 封領域に設けられた前記密封手段によって第２の流れ通路とは遮断されている熱 伝達プレートの組立体を有するプレート熱交換器に関する。 開放可能および永久結合の両方の従来のプレート型熱交換器は、それぞれの熱 伝達媒体用に等しい寸法の入口及び出口を備えている。１つの相の熱伝達におい て、等しい寸法の入口及び出口は、流速及び圧力低下に関しては十分である。な ぜならば、媒体の比容積は、熱伝達中に媒体が受ける温度の差では余り変化しな からである。 濃縮または蒸発のような２相の熱伝達において、媒体は液相で供給され、ガス 相で排出されるが、ガス相は液相よりもかなり大きな比容積を有し、そのことに よって出口における流速及び圧力低下は、入口に比ベて大きくなる。２相の熱伝 達で使用されるとき、等しい寸法の入口および出口によってプレート型熱交換器 の異なるダクトの間にアンバランスが現れる。 この問題を避けるために、上述した種類のプレート型熱交換器がスエーデン特 許出願８７０２６０８−４に示されている。これを参照すると、流入する流体の 等しい配分を得るために２つの隣接した熱伝達プレートの間の各入口に制限手段 を有するプレート型熱交換器を提供することが知られている。この制限手段はリ ングまたはワッシャから成り、これは、貫通穴を備えており、隣接した熱伝達プ レートの各対の間に配置されている。また制限手段は、いくつかの穴を有するパ イプから成り、プレート型熱交換器の入口開口部に配置されてもよい。別の実施 例として、制限手段を熱伝達プレートそれ自身に形成することが提案され、そこ では２つの隣接する熱伝達プレートの開口部の縁部は、開口を形成するように短 い距離を残して互いに向かい合って当接するように折り曲げられている。 上述した制限手段が十分に機能することは証明されていない。プレート型熱交 換器の製造に当って問題が生じた。分離したリングまたはワッシャの使用は、か なり高価であり、交換器を組み立てるときにリングまたはワッシャを正しい位置 に配置することが困難であ ることが証明された。パイプ形状の制限手段はプレート型熱交換器に含まれる熱 伝達プレートの数に対応させなければならず、また熱伝達プレートの間の入口通 路に正しく関連するように配置しなければならない。これはこのようなパイプが プレート型熱交換器の連続的な製造において使用されない結果を生じる。開口部 の縁部の提案された折り曲げは、熱交換器プレートが薄いプレートから製造され 、プレートの相互の空隙に正確に規定された開口を得ることが困難であることが 示されたことにより、実際的ではない。 本発明の目的は、前述した公知のプレート熱交換器の欠点を避けること、及び 流入する流体を制限するためにかなり正確に規定された開口が得られ、プレート 型熱交換器の製造及び組立に当って前記の制限部が低いコストで行われるように プレート型熱交換器の熱伝達プレートが成形される、導入部で説明したような種 類のプレート型熱交換器を達成することである。 これらの目的は、前記第１の流れ通路を形成する熱伝達プレートが、それぞれ 入口開口部に連接する第２の密封領域にお互いに向き合った本質的に漏れのない 接合面を有し、また前記入口通路が前記伝熱プレートの少なくとも一つにこの伝 熱プレートの第１の密封領域と入口開口部との間に設けられていることを特徴と する本発明によって達成される。 本発明によれば、特別の部品の必要性は除去され、制限手段をプレートのパタ ーンに一体化することによって、その形状は制限のニーズに対応して変更するこ とができる。本発明が有する一つの基本的な利点は、本発明によって構成された 熱伝達プレートが蒸発以外の目的に対しても使用できることであり、すなわち、 開口部を大口径の開口部に切断することによって他の制限手段を必要とすること なく、従来の熱伝達プレートが得られる。現在のプレス工具を変形することによ り、プレートの簡単な切断を通して公知の種類の熱伝達プレートの主要部分が蒸 発用にでも、または従来の１相の熱伝達用にでも使用されるようにできる。蒸発 用を目的とする熱伝達プレートのプレス用にプレス工具を追加して製造する必要 はなく、従って、このようなプレートの製造用の追加コストは公知の技術と比較 して非常に低くなる。 次に本発明を添付図面を参照してさらに詳細に説明する。 第１図は、プレート型熱交換器の斜視図である。 第２図は、第１図のラインＡ−Ａに沿って切断した従来のプレート型熱交換器 の断面図である。 第３図は、第１図のラインＡ−Ａに沿って切断した本発明の第１の実施例によ るプレート型熱交換器の部分断面図である。 第４図は、第１図のラインＡ−Ａに沿って切断した本発明の第２の実施例によ るプレート型熱交換器の部分断面図である。 第５図は、第４図によるプレート型熱交換器の熱伝達プレートの一部を示す図 面である。 第６図は、プレート型熱交換器の追加的な実施例による熱伝達プレートの一部 を示す図面である。 第７図は、第６図の線Ｂ−Ｂに沿った断面図である。 第１図において、熱伝達プレート２の組立体と、組立体の上側及び下側のそれ ぞれに配置された外側カバープレート３及び４とを有するプレート型熱交換器１ が示されている。プレート型熱交換器１は、２つの熱伝達媒体のための第１と第 ２の入口５及び６と、第１と第２の出口７及び８とを有する。 第２図において、第２の入口パイプ６と第１の出口パイプ７を有する熱交換器 の一部分に沿って延長された第１図のプレート型熱交換器の断面が示されている 。 プレート型熱交換器１は、上方の外側カバープレート４及び下方の外側カバー プレート３の間で互に重なるように配置されている１０個の熱伝達プレート２を 有する。熱交換器の熱伝達プレートの数は、所望の能力に対応して変更すること ができる。 熱伝達プレート２には、開口部９及び１０が設けら れている。開口部９及び１０は、開口部９が組立体を通じて入口流路１１を形成 し、開口部１０を通じて出口流路を形成するようにそれぞれ一列に配置されてい る。二つの流路の下側は、カバープレート３が境界となって塞がれている。入口 流路１１は上方が入口パイプ６に接続されており、出口流路１２は出口パイプ７ に接続されている。 従来例のプレート型熱交換器１は、熱伝達プレート２の間に密封手段を備えて おり、この密封手段は各熱伝達プレートと一体となって総ての他のプレートの空 隙毎に、１つの流体の第１の流れ通路１３の境界を形成し、残りのプレートの空 隙が加熱流体の第２の流れ通路の境界を形成する。 熱伝達ブレート２は、２つの隣接する熱伝達プレート２が互いに交差するよう に、平行した隆起部１４の形状が波形パターンを備えていることが好ましい。 第１の流れ通路１３は、互いに隣接する熱伝達プレート２の開口部９の間の少 なくとも１つの入口通路１５によって入口流路１１に接続されている。 プレート型熱交換器は矩形の熱伝達プレート２で構成されることが望ましいが 、円形の熱伝達プレートのような形状も考慮できる。 プレート型熱交換器は、２つの熱伝達媒体の各々に対し１つの入口流路１１及 び１つの出口流路１２を有 しており、この入口及び出口流路は、熱伝達プレート２の端部に配置されている 。勿論、プレート型熱交換器は、いくつかの入口及び出口流路を備えていてもよ く、それ故に流路の形状や位置は自由に選択できる。 プレート型熱交換器は、はんだ付け、張り合わせまたは溶接によって開放可能 か永久に結合することができる。はんだ付けによって結合する間、適当な数の熱 伝達プレートは、隣接する熱伝達プレートの間に配置されている薄いディスク形 状のはんだで互いに積み重ねられ、前記はんだが溶けるまで組立体全体が炉内で 加熱される。 開放可能なプレート型熱交換器の組み立て中、適当な数の熱伝達プレートは隣 接するプレートとの間に配置されたゴムのガスケットまたは同様な形状の封止部 材と共に互いに積み重ねられ、組立体全体がボルト（図示せず）または同種品を 用いて一緒に固定される。 第３図に、本発明の第１の実施例が示されており、第２図に示すものと比較す ると流体用の入口流路１１の収縮部が設けられている。開口部９の直径は小さく 、開口部９の周りのプレート材料は、熱伝達プレート２が開口部９の縁部に沿っ て互いに向き合って密着するように形成されている。 熱伝達プレート２は、第２と第１の流れ通路を遮断している第１の外側の密封 領域１７と第２の内側の密 封領域１６との双方を有する。第２の密封領域１６は、入口開口部９の周りに入 口流路と長手方向に交差する延長部を有する。勿論、この第２の密封領域１６は 入口流路１１と同じ方向に向いている。本発明の本質は熱伝達プレート２が第２ の密封領域１６に互いに向かい合う１つの表面当接部を有することである。 第１の流れ通路１３と入口流路１１の間に連通を行うために、各入口通路１５ が、熱伝達プレート２を貫通する穴１８として形成されている。穴１８の数とそ れらの寸法は入口通路の所望の制限に適合させることができる。穴１８は、２つ の隣接する熱伝達プレート２の一方または双方に配置されている。開口部９の周 りの穴の配分は、所望の流れ特性に従って変えることができるが、プレート型熱 交換器に沿った異なるプレートの空隙の配分も変化させることができる。 本発明によって穴１８を適当な寸法に随意に選択することが可能になり、これ により流入する媒体を制限するための正確に決められた入口通路を形成すること ができる。本発明の本質は、入口通路１５が、熱伝達プレート２少なくとも一つ のに、熱伝達プレート２の第１の密封領域１７と入口開口部９との間に設けられ ることである。 プレート型熱交換器の熱伝達プレート２は前記制限部が前記プレートと一体に なるように形成されること によって、プレート型熱交換器の製造及び組立に関するコストが低くなる。 第４図及び第５図は、本発明の第２の実施例を示し、この実施例においては、 熱伝達プレート２には、第２図に示すものと比較すると収縮部が設けられている 。開口部９の周りには、基本的には平坦な環状の第２の密封領域１６と第１の密 封領域１７が設けられ、そこで熱伝達プレート２が互いに密接に当接している。 第２の密封領域内において多数の突出部１９が形成され、この外側に多数の突 出部２０が形成されている。突出部１９及び２０は、熱伝達ブレート２の下側の 端部平面から上方の端部平面に延びている。一方のプレートの突出部１９及び２ ０は他のプレートの突出部１９及び２０に対して当接している。互いに向かい合 って当接している突出部は、入口流路１１に沿って２つの熱伝達プレートの開口 部分を一緒に保持するユニット化手段を形成する。 少なくとも１つの流路２１で突出部１９及び２０は、熱伝達プレート２の間の 第１の流れ通路１３と接続される。流路２１は、第２の密封領域１６のプレート の突出部を通って形成される。この突出部は、流路２１が突出部１９に入り込む ように形成されるが、それは２つの互いに隣接して配置された突出部１９の間に 入り込むようにすることもできる。勿論、１つのこのよ うな流路２１は、このような突出部１９のない第３図に示した種類の熱伝達プレ ートに形成してもよい。 流路２１の底部は、熱伝達プレート２の下端平面と上端平面との間に配置され ている。流路２１の寸法は、底部の位置を変化することによって、またその幅を 変化することによって簡単に入口通路１５の所望の制限に適合させられる。流路 ２１の数やその配置は図３に対する説明と同様に決めることができる。 流路２１は、２つの隣接した熱伝達プレート２の一方または双方に配置するこ とができる。 第５図において、点線２２が示されているが、従来の熱伝達プレートを得るた めにはそれに沿って熱伝達プレート２の開口部９が切断されるか、またはパンチ 加工される。 第６図及び第７図において、本発明の他の実施例が示されており、この実施例 は、第２の密封領域に沿って溶接された結合部と、２つの隣接する対の溶接され た熱伝達プレートの間のゴムのガスケット２３とを有する部分的に開放可能なプ レートに適合される。このゴムのガスケット２３は、上述した第１の密封領域に 対応して、開口部９の周りの１つのガスケット溝２４に配置されている。 この入口通路１５は、穴１８と突出部１９の間の流路２５とによって形成され る。溶接された熱伝達プレ ートの対は、更にプレートの縁部に配置された密封領域２６に沿って溶接された 結合部を有する。またこれらの熱伝達プレートは従来の熱伝達プレートを得るた めにライン２２に沿って切断するか、パンチ加工することができる。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １．プレート組立体を貫通して入口流路（１１）が形成された開口部（９）を 有し、かつ熱供給プレート（２）の間には密封手段が配置され、密封手段は熱伝 達プレート（２）と一体になって総ての他のプレートとの間に一つの流体のため の第１の流れ通路（１３）を形成する空間と、残りのそれぞれのプレートとの間 に加熱流体のための第２の流れ通路を形成する空間とを形成し、その中で入口流 路（１１）は少なくとも一つの入口通路（１５）を通ってそれぞれの第１の流れ 通路（１３）と連通し、それぞれの入口開口部（９）の周囲の密封領域（１７、 ２４）に設けられた前記密封手段によって第２の流れ通路とは遮断されている熱 伝達プレート（２）の組立体を有するプレート熱交換器において、前記第１の流 れ通路（１３）を形成する熱伝達プレート（２）は、それぞれ入口開口部（９） に連接する第２の密封領域（１６）にお互いに向き合った本質的に漏れのない接 合面を有し、また前記入口通路（１５）は前記伝熱プレート（２）の少なくとも 一つにこの伝熱プレート（２）の第１の密封領域（１７、２４）と入口開口部（ ９）との間に設けられていることを特徴とするプレート型熱交換器。 ２．前記入口通路（１５）は、前記第１の流れ通路（１３）を形成する２つの 互いに向かう当接熱伝達プ レート（２）の内少なくとも１つのプレートを通る１つまたはいくつかの穴（１ ８）として形成されていることを特徴とする請求項１に記載のプレート型熱交換 器。 ３．前記入口通路（１５）は、前記第１の流れ通路（１３）を形成する２つの 互いに向かう当接熱伝達プレート（２）の第２の密封領域（１６）を通る１つま たはいくつかのダクト（１８）として形成されていることを特徴とする請求項１ に記載のプレート型熱交換器。 ４．前記第２の密封領域（１６）が、前記入口流路（１１）の縦方向を横切っ て延びていることを特徴とする請求項１から３のいずれか１項に記載のプレート 型熱交換器。 ５．前記第２の密封領域（１６）は、前記入口流路（１１）の縦方向に沿って 延びていることを特徴とする請求項１から４のいずれか１項に記載のプレート型 熱交換器。 ６．長軸方向に入口流路の縦方向を横切る第２の密封領域（１６）が第１の密 封領域（１７，２４）内に配置されていることを特徴とする請求項１から５のい ずれか１項に記載のプレート型熱交換器。