JPH08511262A - セリンプロテアーゼを含むワクチン - Google Patents

セリンプロテアーゼを含むワクチン

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JPH08511262A
JPH08511262A JP7501508A JP50150895A JPH08511262A JP H08511262 A JPH08511262 A JP H08511262A JP 7501508 A JP7501508 A JP 7501508A JP 50150895 A JP50150895 A JP 50150895A JP H08511262 A JPH08511262 A JP H08511262A
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アンドリュース,スチュアート,ジェー.
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マリンクロット ベテリナリー アイエヌシー.
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Abstract

(57)【要約】 本発明は、ジペプチジルペプチダーゼ活性を有するセリンプロテアーゼの、蠕虫属寄生虫を防除するためのワクチンの製剤化における使用に関する。プロテアーゼは ァシオラ・ヘパチカなどの吸虫類に由来することが好ましい。

Description

【発明の詳細な説明】 セリンプロテアーゼを含むワクチン 本発明は蠕虫寄生虫に対する保護抗原としてのセリンプロテアーゼのクラスの 使用に関する。 各家畜種は、いくつかの異なる種の蠕虫により寄生されることがあり、そのプ ロセスは通常疾患を引き起こす。例えば、寄生吸虫類ファシオラ・ヘパチカ(Fa sciola hepatica)は、ウシおよびヒツジのような反すう動物において、経済上 重要な疾患肝蛭症の原因であることが知られている。寄生虫は、腸壁に侵入する ことにより哺乳類宿主に入り、肝臓塊中で摂食し、かつトンネルを形成して約7 週間を過ごし、その後、胆管に移動する。感染後に、宿主中の免疫の発生が不十 分であることがあり、既に感染された宿主における再感染に対する抵抗は、部分 的であるにすぎないか、または不在であり得る。その他の寄生吸虫類として、 ァシオラ・ギガンチカ (Fasciola gigantica)およびジクロコエリウム(Dicroc oelium)spp.そしてまたパラムフィストムム(Paramphistomum)spp.が挙げら れる。 また、問題は、鉤虫の如き線虫類(例えば、アメリカ線虫属(Necator)、鉤 虫属(Ancylostoma)、ウンシナリア属(Uncinaria)およびブノストムム属(Bu nostomum))によっても引き起こされる。 血液摂食線虫類のうち、捻転胃虫属(Haemonchus)は、貧血および重量損失を 引起し、そして治療されないとしばしば死に至らせる。関連の非血液摂食線虫類 オステルタジア属(Ostertagia)で感染された動物は同様に成長できず、治療さ れないと死亡することがある。 経済上重要なその他の寄生虫として、下記のさまざまな蠕虫属種が挙げられる 。毛様線虫属(Trichostrongylus)、ネマトジルス(Nematodirus)、ディクチ オカウルス属(Dictyocaulus)、クーペリア属(Cooperia)、回虫属(Ascaris )、イヌ糸状虫属(Dirofilaria)、鞭虫属(Trichuris)および円虫属(Strong ylus)。家畜に加えて、ペットおよびヒトが、感染され、往々にして致 命的な結果を招くことがあり、こうして蠕虫属の感染および侵入がかなり世界的 に重大な問題をもたらす。 草食の家畜の蠕虫属寄生虫の防除は、現在主として牧草地管理と組み合わされ た駆虫薬の使用に頼っている。このような技術は、第一に駆虫薬が頻繁に投与さ れる必要があり得るので、第二に駆虫薬に対する耐性が次第に大きく広がってき ているので、そして第三に適当な牧草地管理がしばしば幾つかの飼育場で可能で はなく、しかもそれが可能であっても、利用できる牧草の最適な使用を拘束し得 るので、しばしば不十分である。 多くの試みが、免疫手段により家畜動物の蠕虫属寄生虫を防除するためになさ れてきた。非常にわずかな例外(例えば、ウシの肺虫であるディクチオカウルス ・ビビパルス (Dictyocaulus viviparus)はあるが、これが可能であることは証 明されていない。 抗原性物質としてF.ヘパチカからのグルタチオン-S-トランスフェラーゼを含 むF.ヘパチカに対するワクチンがWO90/08819に提案された。 Bennett(UK Patent No.2169606B)は、幼虫期および成虫期に存在する抗原か ら幼虫期に特異的な抗原を分離する方法によりファシオラ生物から種々の抗原を 抽出した。 さらに、試験管内の排出/分泌(E/S)粗製産生物が或る状況下でラットに免 疫を与えることができる(Rajasekariahら,Parasitol.79(1979),p.393-40 0)。 ここに、F.ヘパチカの排出/分泌産生物が、以下にさらに詳しく記載されるジ ペプチジルペプチダーゼ(DPP)型活性を有する新規なタンパク質を含むことが 見出された。この発見は、この酵素の抗原としての使用および/またはその他の 蠕虫属寄生虫により生産された対応する酵素の使用に基いてF.ヘパチカおよびそ の他の蠕虫属に対するワクチンの可能性を広げる。 したがって、本発明の第一の観点は、抗原性物質が、担体および/またはアジ ュバントと一緒に、少なくとも部分精製された形態のジペプチジルペプチダーゼ 様活性を有するセリンプロテアーゼ、またはその抗原性フラグメントもしくはエ ピトープを含む、哺乳類の蠕虫属寄生虫の侵入に対処するのに使用するワクチン を提供する。 また、本発明は、寄生虫の侵入を治療するのに有効な量で、先に定義された本 発明に係るワクチンを哺乳類に投与することを特徴とする哺乳類の蠕虫属寄生虫 の侵入の対処方法を提供する。 哺乳類は反すう動物、例えば、ウシまたはヒツジであることが好ましいが、本 発明のワクチンおよび方法はまたヒトにも用途があり得る。 ジペプチジルペプチダーゼ様プロテアーゼは、ファシオラまたはジクロコエリ ウム の如き吸虫類、特に、肝臓吸虫類ファシオラ・ヘパチカに由来することが好 ましい。また、ジペプチジルペプチダーゼは、ファシオラまたはジクロコエリウ 、特に、F.ヘパチカ および F.ギガンチカに対して有効である免疫応答を刺 激でき、例えば、交差保護免疫応答を与えることができ、こうして本発明の特に 好ましい観点を形成することが可能な他の種からのジペプチジルペプチダーゼ様 プロテアーゼであることが好ましい。 還元条件および非還元条件下でのドデシル硫酸ナトリウムポリアクリルアミド ゲル電気泳動およびゲル濾過クロマトグラフィーにより約200KDaの分子量を有す ることが以下に示されたF.ヘパチカジペプチジルペプチダーゼ様プロテアーゼは 、本発明のワクチンおよび方法に使用するのに特に好ましく、そして新規なタン パク質それ自体として本発明のさらに別の観点を形成する。 本発明に係るワクチンに混入されるジペプチジルペプチダーゼは、少なくとも 部分精製された形態である。ジペプチジルペプチダーゼはワクチン中に存在する 全排出/分泌タンパク質の少なくとも75%を構成することが好ましく、ジペプチ ジルペプチダーゼが少なくとも95%純粋であることがさらに好ましい。一旦純度 が少なくとも95%のジペプチジルペプチダーゼを得ると、それは一種以上のさら に別の精製された抗原性タンパク質(一種以上のさらに別の排出/分泌タンパク 質を含む)と混合されて多価ワクチンを生成し得ることが理解されるであろう。 本発明の多価ワクチンの好ましい形態は、WO94/09142にさらに詳しく記載され たようなカセプシンL−型抗原と組み合わせて上記のジペプチジルペプチダーゼ を含むであろう。このような多価ワクチンは、侵入蠕虫寄生虫の二つの別々の局 面に対して宿主種中で免疫を誘発させることにより、蠕虫に対する保護の可能性 を有意に増大させ、しかも侵入が起きる機会を有意に低減する。 ジペプチジルペプチダーゼは、哺乳類源から単離され(J.Biol.Chem.263( 1988),6613-6618)、ジペプチド基質を開裂する能力により特性決定された。 四つの異なる特異性が注目され、以下にさらに詳しく言及される。本発明のジペ プチジルペプチダーゼは、蛍光原結合ジペプチド基質を開裂する一方で、蛍光原 結合モノアミノ酸基質に対し活性を示さないというそれらの能力により同様に特 性決定され、こうしてその酵素が基質のN末端から対でアミノ酸を開裂すること が説明される。 本発明のワクチンは通常の担体および/またはアジュバントとともに製剤化さ れてもよく、また本発明は精製ジペプチジルペプチダーゼまたはその抗原性フラ グメントもしくはエピトープと、一種以上のアジュバントまたは担体とを混在さ せることからなるワクチンの調製方法を提供する。好適なアジュバントとしては 、一種以上の医薬上許容される担体または希釈剤の存在下の、水酸化アルミニウ ム、サポニン(ISCOM類)、キルAおよびそのさらに精製された形態、ムラミル ジペプチド、鉱油および植物油、DEAEデキストラン、非イオン性ブロックコポリ マーまたはノバソーム類(Novasomes:トレードマーク:Micro Vesicular Syste ms Inc.)等のリポソーム類が挙げられる。本発明に係るジペプチジルペプチダ ーゼのエピトープに対応するペプチド配列の担体は、B型肝炎コア抗原多重抗原 ペプチド等のタンパク質またはトリパルミトイル-S-グリセリルシステイニルセ リルセリン(P3CSS)等のリポペプチドであり得る。好適な希釈剤としては、ビ ヒクルとしての使用に適した食塩液の如き液体媒体が挙げられる。防腐剤等の付 加的な成分が含まれていてもよい。 宿主種へのワクチンの投与は、通常の経路のいずれかにより、例えば、経口ま たは筋肉注射等の非経口により、必要によって、所定の間隔、例えば、7〜35日 の間隔で2回の注射で行うことができる。注射により投与される場合に適した投 薬量は、10〜500μgの範囲内のジペプチジルペプチダーゼタンパク質量を与え るような投薬量であってもよい。 本発明のワクチンに使用するためのジペプチジルペプチダーゼは、成虫および /または幼虫の蠕虫の排出/分泌産生物からの単離により調製し得るが、組換え DNA技術によりそれを調製することは、このような技術が生産のスケールアップ および再現性に関して与える公知の利点から好都合であろう。こうしてまた、本 発明は組換えDNA技術により生産されたジペプチジルペプチダーゼ、そのプロ酵 素、あるいはこれらの抗原性フラグメントまたはエピトープを提供する。 上記に関連した本発明のさらなる観点は、ジペプチジルペプチダーゼ、または その抗原性フラグメントもしくはエピトープをコードするDNA分子;一種以上の このようなDNAシークエンスを含むベクター;このようなベクター、例えば、バ キュロウイルスベクターにより形質転換された宿主細胞、例えば、E.coliの如き バクテリアまたはさらに好ましくは真核細胞;およびこのような形質転換された 宿主細胞を培養し、このジペプチジルペプチダーゼ、フラグメントまたはエピト ープを培養細胞から単離することからなる組換ジペプチジルペプチダーゼ、また はその抗原性フラグメントもしくはエピトープの調製方法が挙げられる。 別の生ワクチン製剤または不活化ワクチン製剤は、挿入された核酸分子により コードされたポリペプチドに対し誘導される免疫応答の刺激のための本発明の核 酸分子(例えば、DNA分子)をその中に挿入して有する、弱毒化ウイルスもしく は毒性ウイルスまたは宿主細胞、例えば、バクテリアの如き微生物を含んでいて もよい。吸虫類抗原に対する局所的腸粘膜免疫を誘発し、次いで幼虫吸虫類移動 を阻止するバクテリアベクターが特に好ましく、サルモネラ種の如き侵入性種が 注目される。 また、付加的な抗原性物質がワクチン中に存在してもよく、こうして当該蠕虫 寄生虫に対する増進された保護効果または一種以上の付加的な寄生虫侵入に対す る組み合わされた保護効果を与える。 本発明のさらに別の観点は、哺乳類に投与された時に哺乳類中でジペプチジル ペプチダーゼに対し免疫を誘発できるモノクローナル抗体またはポリクローナル 抗体を提供し、その抗体は一種以上のさらに別の抗体の可変領域に対するアフィ ニティーを有し、このさらに別の抗体は、ジペプチジルペプチダーゼに対するア フィニティーを有する。 このアプローチ、所謂“抗イディオタイプ”アプローチは、初期の抗原と一緒 に完全に調合し、安全性、副作用の回避および製造の便宜に関してさらに大きな 利点を与え得るワクチンの製剤化を可能にする。 本発明は、下記の実施例により説明される。 1)試験管内で放出される産生物の調製 成熟ファシオラ・ヘパチカ吸虫類をアイルランドの屠殺場で得られたウシ肝臓 の胆管から収集した。吸虫類を食塩リン酸緩衝液(PBS)、pH7.3中で6回洗浄し 、次いで2%のグルコース、30mMのHepesおよび25mg/lのゲンタマイシンを含む ロスウェル・パーク・メモリアル・インスティテュート(RPMI)中で一夜にわた って37℃に保った。次いで培地(排出/分泌産生物またはE/S産生物)を分収し 、凍結し、-20℃で貯蔵した。 2)ジペプチジルペプチダーゼ様プロテアーゼの精製 成虫吸虫類E/S産生物500mlを、UM 3膜を使用してアミコン8400限外濾過ユニッ ト中で10mlに濃縮した。その試料を分収し、15000×gで45分間遠心分離した。 次いで上澄みを、0.1Mのトリス、pH7.0中で平衡にされた300mlのセファクリル( Sephacryl)S200カラムに適用した。そのカラムを0.1Mのトリス、pH7.0で溶離し た。100mlの空隙容積が通過された後に、フラクション(5ml)を回収した。溶 離液を280nmでタンパク質含量につき監視し、そしてフラクションを、0.25MのHE PES、pH6.8中の基質Gly-Pro-AMCを使用して、ジペプチジルペプチダーゼ活性に つき分析した(図1)(AMCは7-アミノ-4-メチルクマリンである)。DPP活性を 含むフラクションを溜め(約40ml)、UM 3膜を使用してアミコン限外濾過ユニッ ト中で8mlに濃縮した。濃縮液を8つの1mlのフラクションに分け、-20℃で凍 結して貯蔵した。 濃縮液1mlを解凍し、0.025MのHEPES、pH6.8に対して透析し、同緩衝液中で平 衡にされた12mlのジエチルアミノエチルセファロースカラム(1.5×8cm)に適 用した。そのカラムを塩勾配(平衡緩衝液中0〜400mmNaCl)で溶離し、フラク ション(2.5ml)を回収した。溶離液をOD 280nmで監視し、二つのピークを得た 。フラクションを、Gly-Pro-AMC基質を使用してDPP活性につき分析した。DPP活 性が最初のピーク中に存在し、これは約100mMのNaClで溶離した(図2)。 三つのフラクションを溜め、アミコン限外濾過ユニット中で濃縮し、脱イオン水 に対し透析し、凍結乾燥し、-20℃で貯蔵した。 3)ジペプチジルペプチダーゼの分子サイズの推定 上記のセファクリルS200で行ったゲル濾過クロマトグラフィー(免疫グロブリ ン、150kDa、アルブミン、68kDa、卵白アルブミン、45kDaおよびβ−ラクトアル ブミン、18.4kDaを標準物質として使用する)は、DPP様活性のピークに対して約 200kDaの分子サイズを示した。また、精製されたプロテアーゼの試料を非還元条 件下で0.1%SDS 10%ポリアクリルアミドゲル電気泳動により分析した。分子サ イズを200kDaと推定した(図3、レーン1E/S産生物、レーン2精製プロテアー ゼを参照)。還元0.1%SDS 10%ポリアクリルアミドゲル電気泳動による分析は 、同様の分子サイズを明らかにし、プロテアーゼが単一ポリペプチド鎖からなる ことを示した。 4)ジペプチジルペプチダーゼ様活性に関するpH最適値の特性決定 gly-pro-AMC基質およびlys-ala-AMC基質の両方に関するプロテアーゼの活性を pH範囲4.5〜8.2にわたって推定した。最適活性に関するpHは、pH6.8と決定され た。また、プロテアーゼの活性はHEPES緩衝液中で最適であることが実証された 。トリス緩衝液およびリン酸緩衝液の両方は活性に悪影響した(表1を参照)。 したがって、HEPES緩衝液(50mM、pH6.8)を全ての実験および精製操作に使用す るルーチン緩衝液とした。 5)プロテアーゼの基質特異性 哺乳類ジペプチジルペプチダーゼI、II、IIIおよびIVをカテゴリー化するの に従来使用されていた数種の蛍光原ペプチド基質(J.Biol.Chem.263(1989) ,6613-6618頁)を使用してペプチド結合特異性を調べた。これらの基質として 、gly-arg-AMC(DPP-I)、lys-ala-AMC(DPP-II)、arg-arg-AMC(DPP-III)お よびgly-pro-AMC(DPP-IV)を挙げられる。 アッセイ混合物は、20μMの基質200μl、酵素溶液100μlおよび50mMのHepes 、pH6.8 900μlを含んでいた。その反応を、37℃で進行させ、次いで1.7Mの酢 酸200μlを添加して停止した。遊離AMCを各々370nmおよび440nmの励起波長およ び発光波長で蛍光光度計中で測定した。 肝臓吸虫類プロテアーゼは、lys-ala-AMCおよびgly-pro-AMCを選択的に開裂し 、これらの基質に関するミカエリス−メントン定数(Michealis-Mentonconstant s:Km)は各々58μMおよび25μMであった。プロテアーゼは基質gly-arg-AMCお よびarg-arg-AMCを開裂しなかった。これらのデータは、プロテアーゼが新規で あることを実証する。これらの2種の基質につきこのような同様のアフィニティ ー(Km)を有するDPP様酵素は従来記載されていなかった。吸虫類酵素は、哺乳 類DPP類に適用される分類が使用される場合にDPP-II型およびDPP-IV型の活性の 両方を示す。その酵素は、lys-AMC、ala-AMC、leu-AMCおよびpro-AMCを含む種々 のアミノペプチダーゼ基質に対して活性を示さなかった。これらのデータはジペ プチド基質に関する酵素の特異性を実証する。 6)ポリアクリルアミドゲル中のDPP様活性の直接的視覚化 DPP2様活性およびDPP4様活性の両方を有する単一プロテアーゼが肝臓吸虫類E/ S産生物中に存在することを確かめるために、E/Sの試料を10%の天然ポリアクリ ルアミドゲル(SDSを試料またはゲルに添加しなかった以外は上記のようにして 調製した)中での電気泳動により分離し、電気泳動後に、ゲルを種々の蛍光原結 合基質の溶液(50mMのHEPES中50μM)に浸漬した。インキュベーション後に、ゲ ルをUVトランスイルミネーターに入れ、ポラロイドフィルムを使用して写真撮影 した。基質gly-pro-AMCおよびIys-ala-AMCを使用して、単一バンドのみを同 じ移動度で視覚化した。gly-arg-AMC、arg-arg-AMC、ala-AMCおよびpro-AMCを使 用して、バンドは視覚化されなかった(下記の図4および表2)。また、精製さ れたDPP様プロテアーゼはこれらのゲル中で同様に移動することが示され、同様 の基質特異性G-R、K-A、R-R、G-P、AおよびPが各々Gly-Arg-AMC、Lys-Ala- A MC,Arg-Arg-AMC、Gly-Pro-AMC、Ala-AMCおよびPro-AMCであることを示した。Km 値は先の項目に示されたとおりである。 7)インヒビター研究 酵素の加水分解活性に関する種々の金属イオンの効果を、上述のアッセイにお いてgly-pro-AMCおよびlys-ala-AMCの両方を基質として使用して調べた。カルシ ウム、マグネシウムおよびマンガンのような金属イオンは酵素活性に殆ど効果を 有しないが、1mMの濃度の亜鉛は85%より大きく活性を抑制するという結果が示 された。重金属の鉄、水銀、カドミウムおよびコバルトの全てが5mMの濃度で90 %より大きく酵素活性を抑制し、一方、鉛はこの濃度で20%未満の抑制を示した 。酵素はプロテイナーゼインヒビターEDTA、ペプスタチンおよびアプロチニンに より抑制されず、これは酵素がメタロプロテアーゼまたはアスパルチルプロテア ーゼではないことを示す。その酵素はセリンプロテイナーゼおよびシステイニ ルプロテイナーゼのインヒビターであるフェニルメチルスルホニルフルオリド( PMSF)により抑制される。しかしながら、酵素の活性化がチオール活性化剤、例 えば、システイン、ジチオスレイトールおよびメルカプトエタノールで観察され ないので、酵素がシステイニルプロテイナーゼではないことは明らかである。セ リンプロテイナーゼのインヒビターであるベンズイミジンはDPPの活性を抑制す る。その結論は、肝臓吸虫類酵素がセリンプロテイナーゼであることである。ま た、これらの抑制研究は、gly-Pro-AMC基質またはlys-Ala-AMC基質のいずれを用 いた場合も同様のインヒビタープロフィールが得られたため、単一の酵素が両方 の基質を開裂するという本発明者らの結論を支持する。 8)プロマイシンおよびバシトラシンによる抑制研究 インヒビタープロマイシンおよびバシトラシンを使用して、哺乳類DPP2および DPP4を区別することができる。プロマイシンはDPP2のみを抑制し、一方、バシト ラシンはDPP4のみを抑制するであろう(J.Biol.Chem.263(1988),6613-661 8)。これらの基質の両方を吸虫類酵素を用いて抑制研究において試験した場合 、いずれもが抑制効果を示さず、これは哺乳類DPP類と吸虫類酵素の別の差異を 強調する(上記の表3を参照)。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (81)指定国 EP(AT,BE,CH,DE, DK,ES,FR,GB,GR,IE,IT,LU,M C,NL,PT,SE),OA(BF,BJ,CF,CG ,CI,CM,GA,GN,ML,MR,NE,SN, TD,TG),AU,BB,BG,BR,BY,CA, CN,CZ,FI,GE,HU,JP,KE,KG,K P,KR,KZ,LK,LV,MD,MG,MN,MW ,NO,NZ,PL,RO,RU,SD,SI,SK, TJ,TT,UA,US,UZ,VN (72)発明者 アンドリュース,スチュアート,ジェー. 英国 ミドルセックス ユービー9 6エ ルエス,アックスブリッジ,ヘアーフィー ルド,ブレイクスペア ロード サウス, マリンクロット ベテリナリー リミテッ ド

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1.抗原性物質が、担体および/またはアジュバントと一緒に、少なくとも部分 精製された形態のジペプチジルペプチダーゼ様活性を有するセリンプロテアーゼ 、またはその抗原性フラグメントもしくはエピトープを含むことを特徴とする哺 乳類の蠕虫属の寄生虫の侵入を治療するのに使用するためのワクチン。 2.抗原性物質が、ファシオラ種またはジクロコエリウム種に由来する請求項1 に記載のワクチン。 3.抗原性物質がファシオラ・ヘパチカに由来する請求項2に記載のワクチン。 4.抗原性物質が、還元条件および非還元条件下でのドデシル硫酸ナトリウムポ リアクリルアミドゲル電気泳動により200KDaの分子量を有するジペプチジルペプ チダーゼである請求項3に記載のワクチン。 5.前記抗原性物質が、存在する全蠕虫属排出/分泌タンパク質の75%〜100% を構成する上記請求項のいずれかに記載のワクチン。 6.カセプシンL−型抗原をさらに含む上記請求項のいずれかに記載のワクチン 。 7.還元条件および非還元条件下でドデシル硫酸ナトリウムポリアクリルアミド ゲル電気泳動により200KDaの分子量を有するジペプチジルペプチダーゼ。 8.前記抗原性物質と一種以上のアジュバントおよび/または担体とを組み合わ せることを特徴とする請求項1に記載のワクチンの調製方法。 9.寄生虫の侵入を治療するのに有効な量で請求項1に記載のワクチンを哺乳類 に投与することを特徴とする哺乳類中の蠕虫属寄生虫の侵入の対処方法。 10.前記有効量が10〜500μgの範囲である請求項9に記載の方法。 11.組換えDNA技術により生産されたジペプチジルペプチダーゼ酵素活性を有す るセリンプロテアーゼ、そのプロ酵素、あるいはこれらの抗原性フラグメントま たはエピトープ。 12.請求項11に記載のプロテアーゼ、プロ酵素、フラグメントまたはエピトープ をコードするDNA分子。
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