JPH08510474A - ノトジンセノシドr1(nr1)及び/又はアストラガルシド(asiv)のようなトリテルペンサポニン類を医薬の製造に使用する方法 - Google Patents
ノトジンセノシドr1(nr1)及び/又はアストラガルシド(asiv)のようなトリテルペンサポニン類を医薬の製造に使用する方法Info
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Abstract
(57)【要約】
ノトジンセノシドR1(NR1)及び/又はアストラガロシド(ASIV)のようなトリテルペンサポニン類を、繊維素溶解活性の剌激のための、及び内毒素効果の防止のための、特に内毒素ショック状態の患者及び動物を処置し、又は内毒素ショックを回避するための医薬の製造に使用する方法。対応する医薬は冠動脈性心臓疾患、抹消動脈疾患を有する患者及び心筋梗塞又は狭心症にかかっている患者の治療的処置、並びに健康な人々をそのような疾病に対して予防するためにも適している。
Description
【発明の詳細な説明】
ノトジンセノシドR1(NR1)及び/又はアストラ
ガルシド(ASIV)のようなトリテルペンサポニン
類を医薬の製造に使用する方法
背景
繊維素溶解系は、血管系内のみならず血管外系においても繊維素の沈積を制御
する基礎的防御機構の役目をする。この繊維素溶解系の正しい機能発揮は一方に
おいて出血的現象を、そして他方において血栓的現象を防止するために、また繊
維素の間質的な沈積及びそれに伴う瘢痕形成を防止するために必要である。組織
プラスミノーゲンアクチベータ(t−PA)は、プラスミノーゲンを、繊維素を
分解する活性プラスミンへ変えるチモーゲンの転化による(外部的)繊維素溶解
過程の開始において重要な役割を演ずると考えられている。従って更にまた、血
漿の繊維素溶解能は、循環しているt−PAの濃度によって大きく左右されると
考えられる。血漿中のt−PAは主として血管壁に由来するものと考えられ、こ
こでそれはその内皮細胞の中に局在している。更に、ウロキナーゼプラスミノー
ゲンアクチベータ(u−PA)が繊維素溶解全過程において或る役割を演じてい
る。このプラスミノーゲンアクチベータは(少なくとも部分的に)血管壁からも
もたらされるものと考えられている。繊維素溶解の主要インヒビターであるプラ
スミノーゲンアクチベータインヒビタ−1(PAI−1)は内皮細胞によっても
合成され、そして各PAとPAI−1との相対的量割合が繊維素溶解能、また従
って、例えば心筋梗塞におけるような血栓的過程の防止に対して重要であること
を示す種々のデータが存在する。従ってt−PA,u−PA及びPAI−1の合
成の薬学的制御は内因性の不十分な繊維素溶解を高めるのに有利である。
t−PAもPAI−1も内皮細胞によって産生されるので、これらの内皮細胞
の水準面の上での合成及び分泌を制御することは血液の繊維素溶解能に影響を与
えるための迅速で直接的な手段である。最近行われた研究は、種々の型の細胞の
中でのプラスミノーゲンアクチベータ及びインヒビターの産生が一連の因子によ
って制御されることを示した。t−PAの内皮細胞の中での合成は、例えばトロ
ンビン、ヒスタミン、ブチラート、レチノール酸及び例えばホルボール-12-ミリ
スタート-13-アセタート(PMA)のような腫瘍促進剤等の多くの剌激物によっ
て高められる。PAI−1の発現を制御する因子は、リポ多糖類、トロンビン、
インターロイキン1(IL−1)、腫瘍壊疽因子α(TNFα)、形質転換成長
因子β(TGFβ)、基本繊維芽細胞成長因子(BFGF)及びヘパリンと組み
合わせた内皮細胞成長補助物を含む。いずれにしても、上にあげた物質のいずれ
も生体内で用いることに成功することはできなかった。
細菌性内毒素(LPS)の有利による細菌性敗血症は生命を脅かす状態の1つ
であって、LPSによりもたらされる凝血及び繊維素溶解の変化が血管内凝固形
成及びその結果としての器官の障害を惹起する。この場合にLPSは内皮細胞に
作用を及ぼし、その際これはこのものの組織因子(TF)及びPAI−1の発現
を高めると考えられている。現在、LPSにより惹起された血管内凝血の症状を
呈している患者の直接の十分な処置は不可能であり、そしてLPSにより開始さ
れた、例えば過凝固のような症状の処置の手段は、一方においてヘパリンに、そ
してもう一方ではその開始された細菌性敗血症の抗生物質による処置に限定され
ている。中国においては朝鮮にんじんPanax Notoginseng又はAstragaloseのよう
な漢方薬草薬はすでに数千年以前から伝統的な漢方薬のうちで疼痛軽減及び鬱血
並びに心臓血管の疾病の処置のために用いられていた。
実際に、例えばウィーン、ニューヨークのSpringer Verlagより1984年に刊行
されたL.Zechmeisterの”Progress in the Chemistry of 0rganic Natural Pro
ducts”第46巻の「ジンセン及び関連する植物のサポニン類」の章においてPanax
notogindengの強壮薬、止血剤、冠状動脈治療薬及び止血薬としての性質につい
て示唆されている。同様に、”Chemical Abstracts”119,85683には、Panax not
oginsengの抗血栓作用について、そして日本国特許要約JP Kokai No.55-127317
には抗繊維素溶解作用について、また同JP Kokai No.63-198609にはPanax noto
ginsengの種々の調剤にの血液潅流促進作用について示差されている。しかしな
がら、従来存在する刊行物のいずれにおいてもPanax notogindeng又はそれから
単離された凝塊溶解作用について示唆されていない。従ってこの、Panax notogi
nseng又はAstragalosidの凝塊溶解作用はこ
れまでまだ全く記述されたことがない。このように、内因性の繊維素溶解活性を
上昇させ、或いは種々の内毒素の凝塊形成活性及び抗繊維素溶解活性に対抗的に
作用する治療的に実用できる物質は知られていない。
発明の一般的な記述
ここではまず第一に繊維素溶解能を上昇させ、またLPSの効果を直接防止す
るために各物質を使用することを記述する。この発明の対象はノトジンセノシド
R1(NR1)及び/又はアストラガロシド(ASIV)のようなトリテルペン
サポニン類或いは側鎖残基及び/又はグリコシル化によってのみトリテルペンサ
ポニン類と異なっているような化学的に近似の構造を有する物質を、精製した物
質又はそれらの混合物の形で非経口的又は経口的に、繊維素溶解能を上昇させ、
かつ心臓血管の疾病を防止し、そして例えば敗血性ショックにおけるような内毒
素の効果を阻止するために患者を処置するように、溶液の形又はタブレット或い
はカプセルの形で投与することのできる医薬の製造に使用する方法である。
実施例
すべての実施例において下記の物質及び方法を用いた。
化学的に純粋なノトジンセノシドR1(NR1)又は化学的に純粋なアストラ
カロシド(ASIV)は中国、北京の、薬学的及び生物学的生産物の制御のため
の国立研究所より購入した。NR1又はアストラガロシドASIVは下記式を有
する物質である。
NR1又はASIVは、0.01ないし100μg/mlの最終濃度に達するようにイ
ンキュベーション媒質の中に溶解して希釈した。フェノール抽出によって調製し
たリポ多糖類(Escherichia coliリポ多糖類、抗原型026:B6)はSigma社(米国
ミズーリ州セントルイス)より入手した。蒸留水中、1ml当たり1mgの濃度を有
する溶液を-70℃において貯蔵した。モルホリノプロパンスルホン酸(ドイツ国S
erva社)、グアニジンチオシアナート(スイス国Fluka社)、ピペラジン-N,N'-
ビス(2-エタン−スルホン酸)(PIPES;Sigma社)、Seakem LEアガロース(米
国メイン州、FMC Bioproducts社)、dCTP[Aloha-32P](米国カリホルニヤ州、
ICN Radiochemicals社)はそれぞれあげた会社から入手した。それぞれの方法に
おいて記述される他の諸物質は対応する引用文の中に詳細にあげてある。
細胞培養
内皮細胞を、Jaffe等により”J.Clin.Invest.”(1973),52,2745-56に記
述されたプロトコルと同様にして新鮮なヒト臍帯静脈からコラーゲナーゼ(Sigm
a社)により分離した。4−6個の臍帯からの細胞をプールしておき、そして子
牛獣皮からの1%のゼラチン(Sigma社)で被覆された75cm2の細胞培養フラスコ
(米国ミネソタ州、Costar社)の中に播種した。それらの細胞を、加熱滅菌した
補充された20%の子牛血清(SCS:米国ユタ州、Hyclone社)、100μg/mlのス
トレプトマイシン、100IU/mlのペニシリン、250ng/mlのFungizon、1mMのグルタ
ミン(米国カンザス州、JHR Biosciences社)、2IU/mlのヘパリン(Liquemin R
oche:スイス国、Hoffmann La Roche社)、50μg/mlのECGS(オーストリア
国、Technoclone社)を添加した培地199(Sigma社)の中で、水蒸気飽和した95
%の空気と5%のC02とよりなる雰囲気の中で37℃において集密点(Konfluenz)
まで培養した。それら細胞の内皮的特性はそれらの典型的な玉石形状、抗-フォ
ンウィルブラント因子VIII抗体による蛍光抗体試験法における陽性、及びアセチ
ル化した低密度リポ蛋白質(LDL)の取り込みによって確認した。初代培養物
を集密の時点において0.05%トリプシン/0.02%EDTA(JRH Biosciences社)を用い
て捕集し、そして1:3のスプリット比で75cm2の細胞培養フラスコの中に播種
した。集密
点以前の細胞は同じ条件のもとで集密点に達するまで培養して対数曲線的細胞増
殖期においてトリプシン/EDTAにより捕集し、そして10%ジメチルスルホキシド
(DMSO)を含む培地199の中に各1mlの部分量づつ液体窒素の中で凍結させ
た。実験のために各細胞を37℃において解凍し、そしてSCS、ECGS及びヘ
パリンを上にあげた濃度で加えた培地199の中で6窪板(直径3.5cm、Costar社)
の中で集密点に達するまで培養した。全ての実験において各細胞は第2過程と第
3過程との間で用いた。それら細胞にはそれぞれの実験の前の日に新鮮な培地を
供給した。細胞培養に用いた全ての物質はCoatest内毒素キット(スウェーデン
国、Kabi Vitrum社)によって内毒素が存在しないことを確認した(試験の検出
限度=5pg/ml)。
ならし培地(CM)及び細胞外母質(ECM)の調製
集密点に達した培養物をハンクス平衡塩類溶液(HBSS:Sigma社)で2回
洗浄し、そして37℃において、窪1個当たり1mlの、1.25%のSCSと50μg/ml
のECGSとを加えた培地199によりNR1又はASIVとともに上記したそれ
ぞれの濃度においてインキュベートした。このインキュベーションの後でその細
胞培養上澄液を集めて遠心分離(細胞破片を除去するため)の後、-70℃におい
て使用まで貯蔵した。対応する各培養物の全細胞数はトリプシン処理の後で血球
計数板を用いて求めた。これら又は類似的に処理した培養物のECMはMimuro等
:”Blood”(1987),70,721-28の方法に従って調製した。その単分子層を燐
酸塩で緩衝された冷たい食塩溶液(PBS:燐酸ナトリウム0.01M、NaCl 0.14M
、pH7.4)で3回洗浄し、そして各細胞性成分を、0.5%トリトンX100を加えたP
BSで37℃において10分間インキュベーションすることによって抽出した。各板
をもう一度蒸留水で洗浄して残存する細胞性成分を除去し、そして次に細胞破片
の存在について顕微鏡検査により調べた。この抽出方法によって可視的細胞破片
はそれぞれの板から完全に除去され、そしてECMは30分間のインキュベーショ
ンの後で37℃において、0.1%のSDSを加えた1mlのPBSの中へ掻き取りに
よって抽出した。この抽出物を1夜4℃においてPBSに対して透析した。
CM、ECM及び血漿の中でのtPA抗原、uPA
抗原、PAI−1抗原、PAI−1活性及びtPA
/PAI−1複合体についての試験
tPA抗原、uPA抗原、PAI−1抗原及びtPA/PAI−1複合物の濃
度を、市販で入手できる酵素と結合したイムノソルベント分析法(エリザ法)(
Technoclone社)により、メーカーより添付された案内書に従い求めた。これら
の試験についての試験領域はtPAについては0.3ないし2.5ng/mlであり、uP
Aについては0.6ないし10ng/mlであり、PAIについては1.0ないし30ng/mlであ
り、そしてtPA/PAI-1複合物については0.2ないし20ng/mlである。tPAエリザ
法により、遊離のtPA及びPAI−1との複合物の中のtPAが求められた。
uPAエリザ法によって、遊離のuPA及びPAI−1との複合物の中のuPA
を決定した。PAI−1エリザ法により、遊離の、複合化した、及び潜在するP
AI−1が測定される。tPA/PAI−1複合物エリザ法は専らtPA/PA
I−1複合物の測定に用いられる。血漿の中及びCMの中のPAI−1活性は滴
定分析法(Technoclone社)により、そしてメーカーから添付された案内書に従
って求めた。
tPA及びPAI−1の機能的活性の決定
tPA及びPAI-1の活性はナトリウムドデシルサルフェートポリアクリルアミ
ドゲル電気泳動(SDS−PAGE)に従い、繊維素オートグラフィー(FA)
及び逆繊維素オートグラフィー(RFA)の使用のもとに分析した。SDSポリ
アクリルアミドゲル及び緩衝液はLaemmli:”Nature”(1970),227,680-85の
プロトコルに従って作った。FAはGranelli-Piperno等:”J.Exp.Med.”(19
78),148,223-34と同様に実施した。それぞれの対応する試料100μlを10cmの
長さの、10%のアクリルアミドを含む分解用ゲルと2cmの長さの、4%のアクリ
ルアミドを含む重ねゲルとよりなるゲルの上に導入し、そして室温において16時
間、又は着色前縁がゲルの下縁に達するまで進行させた。この電気泳動の後でそ
れらゲルをまず最初、SDSを中和するために2.5%のトリトンX100(Serva社)
を加えた250mlの水の中に90分間置き(このトリトン溶液は45分間の後に取り替
えた)、次にそれらゲルを1.5%のタイプL
アガロース(ドイツ国、Behring社)、プラスミノーゲンに富んだ2mg/mlのフィ
ブリノーゲン(オランダ国、0rganon Technika社)及び0.2IU/mlの牛トロンビン
(Sigma社)の含まれた繊維素/寒天/指示薬フィルムの上に置いた。それらの
ゲルを37℃において湿潤した室の中でインキュベートし、そして種々異なった時
間に写真撮影した。RFAは各ゲルを、基本的に上述のようにして作ったが追加
的に0.4IU/mlのウロキナーゼ(Technoclone社)を含んでいる繊維素フィルムの
上に置いた。或る特定の試料の中のtPA及びPAI−1の活性の定量はその指
示薬フィルムの上の溶解帯域のみならず溶解抵抗性帯域をも写真撮影するように
して達成された。これらの帯域は透明紙の上に記録してその描かれた面積を切り
離し、そして分析用天秤の上で秤量した。
各HUVECのの中に含まれているプラスミノーゲンアクチベータを免疫学的
に同定するために、CMの各試料を4℃においてCNBrで活性化させたセファロー
ズに結合させたモノクローナル抗tPA抗体(MPW3VPA:Technoclone社)ととも
に、又はモノクローナル抗uPA抗体(MPW5UK:Technoclone社)とともに、或
いは対照群としてセファローズ4B(スゥエーデン国、Pharmacia社)とともに24
時間インキュベートした。次にセファローズを遠心分離によって除去し、そして
その対応する試料の100μlを上記のSDS−PAGE及び引き続くFAにより分
析した。
細胞溶解物の調製及びTF活性の測定
LPS及び/又はNRIを含む培地199の中で各HUVECを37℃において6
時間インキュベートした。それらの細胞を凝固用緩衝液(NaCl 130mM、Na-バル
ビタール8mM及びNa-アセテート12mM、pH=7.4)で3回洗浄し、そして掻き取り
によって300μlの凝固緩衝液の中に取り込んだ。それら掻き取られた細胞を凍結
し、そして解凍させた。細胞溶解物を1段階凝固アセイ法でTF活性について試
験した。この細胞培養液100mlを20mMのCaCl2の100μlとともに37℃において予め
温めておいたプラスチックチューブの中で5分間にわたりコアギュロメータ(ド
イツ国、H.Amelung GmbH社)の中でインキュベートした。凝固を、予め温めて
おいた正常な人のクエン酸血漿100μlの添加により、又は因子X欠陥血漿(Sigm
a社)の添加によって開始させた。
TF活性は家兎脳トロンボプラスチン(Sigma社)を用いて作った標準曲線(log
/logプロット)を用いて定量した。100mUの活性は正常ヒト血漿を用いた標準試
験における20秒間の凝固時間として定義された。観測された凝固活性がTF活性
に相当し、というのは因子X欠陥血漿を正常血漿の代わりに用いた場合に内皮細
胞のプロ凝固活性が全く認められなかったからである。
ノーザンブロット分析法によるtPA、PAI−1及びTFの
mRNA量の定量
内皮細胞からの全細胞RNAをChomzynsky及びSacchi:”Anal.Biochem.”(
1987),162,156-9に記述された酸性グアニジンチオシアナート/フェノール/
クロロホルム抽出によって分離した。このRNA沈殿を50μlの0.5%SDSの中
に再分散させ、そしてその濃度を260nMに設定した。ノーザンブロット分析法の
ために各RNA試料を1.2%のアガロースゲルで電気泳動処理し、それにより分
画されたRNAをDuralon-UVTM膜(米国カリフォルニヤ州、Stratagene社)の上
に毛管作用により移した。各RNAのブロットをシールアミール(seal-a-meal
)バッグの中に包み込んで5%SDSを加えた50mMのPIPES、100mMのNaCl
、50mMのNa-燐酸塩、1mMのEDTAの中で57℃において少なくとも3時間にわたり
予備ハイブリダイゼーションさせた。その予備ハイブリダイゼーション緩衝液を
捨て、そしてヒトtPA、ヒトPAI−1、ヒトTF又は内部標準ゾンデとして
用いたラット−グリセルアルデヒド−3−燐酸デヒドロゲナーゼのそれぞれにつ
いて32Pで標識したcDNAゾンデの106CPM/mMを加えた新しい予備ハイブリダイ
ゼーション緩衝液で置き換えた。各cDNA断片をRandom Prime DNA Labelling
Kit(ドイツ国、Behringer Mannheim社)により放射能活性的に標識した。
動物実験
この研究においては専ら雄のBALB/cマウス(体重18-30g)のみを用いた。全て
の実験はエーテル麻酔のもとに実施した。各マウスに、尾静脈を介してLPS(
10ng/g)及び/又はNR1(1μg/g)を5μg/lの容積で静脈注射した。それぞ
れ記載した時点においてクエン酸ナトリウム(最終濃度0.13M)で抗凝集化させ
たそれぞれの血液試料を採取した。血小板を含まない血漿を30
分間にわたる2500Gでの遠心分離により4℃において採集し、そして-70℃にお
いて試験まで保存した。
人におけるNR1含有抽出物の投与
24時間の間に4×100mg当量のノトジンセンR1(NR1)を含む抽出物を6
人の任意の健康な基員において投与した。最初の投与の直前及び最後の投与の直
後にそれぞれ血液採取を行った。これらの血液試料において上記の方法と同様に
してプラスミノーゲンアクチベータインヒビター1(PAI−1)抗原、組織プ
ラスミノーゲンアクチベータ(tpA)抗原及びウロキナーゼ−プラスミノーゲ
ンアクチベータ(uPA)抗原のそれぞれの含有量を求めた。
統計的分析
結果は平均値±標準偏差としてあげてある。シグニフィカンスを確認するため
に非対のスチューデントt−検定を用いた。例1
培養したヒト請静脈内皮細胞中のtPA、uPA及びPAI−1
の産生に対するNR1の効果
培養したHUVECにおけるtPA抗原(領域A)、
t−PA/PAI−1複合物(領域B)及びPAI
−1抗原(領域C)の産生に対するノトジンセノシ
ドR1(NR1)の効果
いくつかのHUVECを種々の濃度のNR1(0.01-100μg/ml)とともに24時
間にわたりインキュベートし、そしてそのCMをtPA抗原、PAI−1抗原及
びtPA/PAI−1複合物について、物質及び方法のところで記述したと同様
に試験した。結果はそれぞれ3重に行った3つの実験の平均値である。各値は平
均値±標準偏差として図1に示してある。シグニフィカンスは対照群と比較して
あげてある(*p<0.05、**p<0.01、***p<0.001)。図1Aに示すように、次第
に上昇する濃度のNR1によるHUVECの24時間にわたる処置はそのような類
の処理された細胞のCMの中のtPA抗原の投与量に依存する上昇をもたらした
。100μg/mlNR1により最大の効果に達した(100mg/ml NR1:9.6±0.7ng/
105個の細胞/24時間、対照群:5.8±0.4ng/105個/24時間、n=9、p<0.05)。
図1Bに示すように、次第に上昇する濃度の
NR1の存在のもとでCM中のtPA/PAI−1複合物も同様に上昇した(10
0μg/ml NR1:63.5±2.6ng/105個の細胞/24時間、対照群:40.2±7ng/105
個の細胞/24時間、n=9、p<0.01)。
培養したHUVECのECMの中のPAI−1抗原産生
に対するノトジンセノシド(NR1)の効果
いくつかのHUVECを種々の濃度のNR1(0.01-100μg/ml)とともに24時
間にわたりインキュベートした。そのECMを、物質及び方法のところで記述し
たと同様に採取し、そしてPAI−1抗原について試験した。それらの値は6つ
の独立の窪からの平均値±標準偏差である。NR1で処理したHUVECのCM
の中及びECMの中のPAI−1抗原は対照群に比してそれほど大きくは変化し
なかった(CM:100μgNR1/ml:2.92±0.32μg/105個の細胞/24時間、対
照群:2.78±0.45μg/105個の細胞/24時間、n=9、ECM:100μg/ml NRI
:42.55±3.15ng/24時間、対照群:42.27±1.66ng/ml/24時間、n=6)(図1
C、図2)。
ノトジンセノシドR1(NR1)による処理の後の培養
したHUVECのtPA抗原(領域A)及びPAI−1
抗原(領域B)の産生の時間的経過(図3)
いくつかのHUVECをそれぞれ記載した時間にわたり、NR1の非存在のも
とに(白丸)、又はその100μg/mlの存在のもとに(黒丸)インキュベートした
。それぞれ記載した時点において対応するCMを採取し、そしてtPA抗原及び
PAI−1抗原について、物質及び方法のところで記述したと同様にして試験し
た。それぞれの結果はそれぞれ3重に行った3つの実験の平均値である。各値は
平均値±標準偏差であり、対照群と比較して*p<0.05、**p<0.01であげてある
。図3に示すように、100μg/mlNR1でそれぞれ6、12又は24時間にわたり処
理した各HUVECの中のtPA抗原は対照群に比して時間依存的に上昇し、こ
れに対してそのような類の処理された細胞のCMの中のPAI−1抗原はあまり
大きくは変化しなかった。
ノトジンセノシドR1は、培養したHUVECのuPA抗原分泌に影響を及ぼ
す。
100μg/mlNR1の存在のもとにインキュベートした各HUVECのCMをu
PA抗原について試験したときに、これらの細胞により産生されたuPA抗原の
量が、対照群の条件のもとで培養した各HUVECのCMに比して重大に変化す
ることが見出された(100μg/ml NR1:2.9±0.6ng/106個の細胞/24時間、
対照群:2.5±0.8ng/106個/24時間、n=9)。例2
培養したヒト請静脈内皮細胞の中のtPA活性
及びPAI−1活性に対するNR1の効果
ノトジンセノシドR1は培養したHUVECの中のtPA活性を上昇そせ、そ
してPAI−1活性を低下させる。HUVECのCM試料の繊維素オートグラフ
ィー(FA):(図4)
いくつかのHUVECのCMを24時間後に捕集し、そしてSDS−PAGE及
び引き続いてのPAによって、物質及び方法のところで記述したと同様にして試
験した。レーン1:各HUVECの非処理のCM、レーン2:セファロースに結
合させたモノクローナル抗tPA抗体とともに予備インキュベートした各HUV
ECのCM、レーン3:セファロースに結合させたモノクローナル抗uPA抗体
とともに予備インキュベートした各HUVECのCM、レーン4:セファロース
4Bとともに予備インキュベートした各HUVECのCM、レーン5:精製した
ヒトtPA、レーン6:精製したヒトuPA。24時間にわたり対照群の条件のも
とでインキュベートした各HUVECから得られたCMをSDS−PAGE及び
引き続くFAにより分析したときに、70,000又は120,000の明瞭な分子量を有す
る2つの主要な溶解帯域が見出された。これらの溶解帯域はモノクローナル抗−
tPA抗体を用いての予備インキュベーションによっては除去できなかったけれ
ども、モノクローナル抗−uPA抗体を用いての予備インキュベーションによっ
て除去できた(図4)。従ってこの溶解帯域は70kDaにおける遊離のtPAによ
りもたらされたものであり、そしてPAI−1との複合物の中のtpAによって
そのより分子量の高い方の溶解帯域がもたらされたものであることを結論するこ
とができる。
培養された各HUVECの中のtPA活性及びtPA/PAI−1
複合物と組み合わされた活性(領域A)及びPAI−1活性に対す
る(領域B)繊維素オートグラフィー(FA)及び逆繊維素オート
グラフィー(RFA)を用いた分析によるノトジンセノシドR1
(NR1)の効果(図5)
集密状態のHUVECを種々の濃度のNR1(0.001-100μg/ml)を用いてイ
ンキュベーションした後でそのCMをSDS−PAGE及び引き続くFA又はR
FAにより、物質及び方法のところで記述したと同様にして処理した。これらの
図における溶解帯域及び溶解抵抗性帯域を透明紙の上に移し、切り抜いて分析用
天秤の上で秤量した。これら透明紙の重量をNR1の濃度に対してプロットした
(下方の部分)。各データはそれぞれ独立の、類似の結果を示した3つの実験の
結果である。レーン1:対照群、レーン2:0.01μg/mlNR1、レーン3:0.1
μg/ml NR1、レーン4:1.0μg/ml NR1、レーン5:10μg/ml NR1、レ
ーン6:100/ml NR1。NR1を含まないか、又はこれを次第に上昇する濃度
で含んで24時間培養した各HUVECのCMをFA又はRFAで分析したときに
、溶解帯域の大きさの投与量に依存する上昇を確認することができたが、これに
対して、溶解抵抗性帯域の大きさはNR1の量の上昇とともに減少した(図5A
及びB)。溶解帯域又は溶解抵抗性帯域の大きさを、物質及び方法のところで記
述したと同様に定量したときに、そのtPAに依存する溶解の3倍までに達する
上昇を確認することができたが、これに対して、PAI−1に依存する溶解抵抗
性は対照群に比して100μg/ml NR1の存在において20%に低下した(図5A及
びB)。例3
培養したヒト請静脈内皮細胞の中のtPA及び
PAI−1のmRNAに対するNR1の効果
いくつかのHUVECにおけるtPA及びPAI−1のmRNA
発現に対するノトジンセノシドR1(NR1)の効果
集密状態におけるHUVECをNR1の非存在のもとで(C)又は存在(100
μg/ml)のもとに(T)12時間にわたりインキュベートした。非処理の、及びR
N1で処理した各HUVECのRNA抽出物のノーザンブロット分析法を32P
で標識したいくつかのcDNA−ゾンデを用いてtPA、PAI−1及びGAP
DHのmRNAについて実施した。オートラジオグラムの上に存在するバンドの
強度をデンシトメトリーにより評価し、そしてtPA又はPAI−1に対する特
異的mRNAを、負荷量の差を補償するためにGAPDH−mRNAに対して標
準化した。信号強度を、非処理の対照群細胞からの信号に比してのNR1で処理
した各HUVECの信号の割合として比較した。これらのデータは類似の結果を
示した2つの独立の実験の結果を表わす。図6に示すように、NR1の各HUV
ECの中のtPAの分泌に対する剌激効果はその特異的mRNA発現の水準にも
反映されていた。tPA特異的mRNAは100μg/mlのNR1で12時間にわたり
処理したHUVECにおいては2倍の値にまで上昇したが、これに対し、PAI
−1に特異的なmRNAの発現はNR1によっては制御されなかった(3.2kb:
対照群の82%値 2.2kb:対照群の86%)。10μg/mlのシクロヘキシミドの存在の
もとにノーザンブロット分析法の試験を行った場合には、NR1のtPA特異的
mRNAに対する剌激効果が阻止された(データは示していない)。例4
試験管内でのPAI−1抗原、活性及びPAI−1
のmRNAの、内毒素によりもたらされる制御作用
に対するNR1の効果
図7に示すように、各細胞のLPS(1μg/ml)による12時間の処理によって
もたらされるPAI−1抗原の制御は、種々異なった濃度のRN1により同時的
に処理することにより拮抗される。この拮抗作用の大きさはそのNR1濃度(0.
1-100μg/ml)について投与量依存性であり、そしてLPSによって惹起された
PAI−1抗原の増加はそれら細胞の100μg/mlNR1による共インキュベーシ
ョンにより重大に低下した(対照群細胞:347±34ng/105個の細胞/12時間、L
PSで処理した細胞:946±42ng/105個の細胞/12時間、LPS及びNR1で処
理した細胞:469±29ng/105個の細胞/12時間)。各細胞のPAI−1活性の変
化はPAI−1抗原の変化に対して平行していた(対照群細胞:5.48±0.78U/1
05個の細胞/12時間、NR1で処理した細胞:4.77±0.26U/105個の細胞/12時
間、LPS及びNR1で処理した細
胞:4.77±0.26U/105個の細胞/12時間、n=6)。PAI−1のmRNAは1μg
/ml LPS及び/又は100μg/ml NR1で処理した細胞において測定した。PA
I−1に特異的なmRNAの量(3.2kb)の、LPSにより引き起こされた2倍
までの上昇はLPSの存在のもとでのみならずNR1の存在のもとでも1.37倍の
上昇に低下した(図8)。例5
試験管内でのPAI−1活性の、LPSにより惹起
される制御に対するNR1の効果
試験管内のいくつかの研究はマウスにおけるLPSの注入が血漿/PAI−1
活性の迅速な上昇をもたらすことを示した。10ng/g(体重)のLPSの投与によ
って注入の2時間後に対照群の値を7倍までに超える重大な上昇を確認すること
ができたが、最高値には注入の4時間後に達した。より後の時点においてそのP
AI−1活性はゆっくりと正常値にもどった。これに対して、同時的にLPSと
NR1(1μg/g)とで処理した動物においてはそのPAI−1活性は注入の4
時間後に照合群の値に戻った(LPSで処理した群:11.3±3.IH/mL、LPSと
NR1とで処理した群:4.3±1.0U/mL、対照群:4.9±0.3U/ml、n=5-8)(図9
)。例6
培養したHUVECにおける内毒素(LPS)に
よりもたらされるTF活性及びmRNAの誘導に
対するNR1の効果
非処理のHUVECにおいては非常にわずかな量のTF活性しか見出されなか
った(0.78±0.15mU/106個の細胞、n=9)。このTF活性はLPSによる処理(
1μg/ml、6時間)によってHUVECの中で88.6±6.5mU/106個の細胞(n=6
)の値に上昇した。1μg/mlのLPSで6時間処理した後に測定したHUVEC
の中のTF活性は、同様にNR1による共インキュベーションによって大きく拮
抗された(LPSとNR1とで処理した細胞:56.0±1.9mU/106個の細胞)。こ
の拮抗作用の大きさはNR1濃度に関して同様に投与量に依存したが、その際10
0μg/mlのNR1によって約36.8%の阻害に達した(図10)。TFのmRNA
の重大な上昇がLPSによるHUVECの処理によって観測され、これは2時間
後で照合値を9倍超える上昇(2.4±3.1±3.5
kb)に達した。LPSによって高められたTF−mRNAの値はNR1との共イ
ンキュベーションにより同様に拮抗された。TF−mRNA値は対照群を約4倍
超える値に低下した。細胞を100μg/mlのNR1だけで処理した場合に、そのT
F−mRNAの値は対照値の40%に低下した(図11)。例7
ヒト内皮細胞培養物におけるtPA及びPAIの
抗原的濃度に対するアストラガメシドの作用
培養したHUVECにおけるtPA抗原及びPAI−1抗原
の産生に対するアストラガロシドIV(ASIV)の効果
HUVECを種々の濃度のASIV(0.01-100μg/ml)とともに24時間にわた
りインキュベートし、そしてそのCMを、物質及び方法のところで記述したと同
様にtPA抗原及びPAI−1抗原について試験した。それぞれの結果はそれぞ
れ3重に行なった3つの実験の平均値である。それらの値は平均値±標準偏差と
して図12及び13に示してある。シグニフィカンスは対照群と比較してあげて
ある(*p<0.05、**p<0.01、***p<0.001)。図12に示すように、各HUVE
Cを、次第に上昇する濃度のASIVを用いて24時間処理した場合に、そのよう
に処理された細胞のCMの中のtPA抗原の投与量に依存する上昇がもたらされ
た。100μg/mlのASIVにより最高の効果に達した。
図13は培養した種々のHUVECの中でのPAI−1抗原産生に対する効果
を示す。HUVEC(図13)は種々異なった濃度のASIV(0.01-100μg/ml
)とともに24時間インキュベートした。そのCMは、物質及び方法のところで記
述したと同様に捕集してPAI−1抗原について試験した。それぞれの値はそれ
ぞれ3重に行なった3つの実験からの平均値±標準偏差である。ASIVで処理
したHUVECのCMの中の抗原は対照群に比して重大に変化した。例8
ヒト内皮細胞の中のtPA及びPAI−1のメッ
センジヤーリボ核酸(mRNA)に対するアスト
ラガロシドの作用
HUVECにおけるtPA及びPAI−1のmRNA発現に対する
アストラガロシドASIVの効果(図14)
集密状態におけるHUVECを、それぞれ6、12及び24時間にわたりAS
IVの非存在のもとで、又はその存在(100μg/ml)のもとでインキュベートし
た。非処理のHUVEC及びASIVで処理したHUVECのRNA抽出物のノ
ーザンブロット分析を32Pで標識したいくつかのcDNA−ゾンデを用いてtP
A、PAI−1及びGAPDHのmRNAについて行なった。オートラジオグラ
ムの上に存在しているバンドの強度をデンシトメトリーによって評価し、そして
tPA又はPAI−1に対する特異的mRNAを、負荷量の差を補償するために
GAPDHのmRNAに対して標準化した。信号強度は非処理対照群細胞の信号
と比較ししての、NR1で処理したHUVECの信号の割合として比較した。こ
れらデータは、類似の結果を示した2つの独立の実験の結果を表わす。図14に
示すように、HUVECにおける、ASIVのtPA分泌に対する剌激効果及び
PAI−1分泌に対する阻害効果は特異的mRNA発現の水準にも反映されてい
た。例9
内毒素で処理した内皮細胞培養物におけるPAI−1
及び組織因子発現に対するアストラカロシテドAIV
の作用
図15に示すように、それら細胞を種々の濃度でLPSで12時間にわたり処理
することによりもたらされたPAI−1抗原の制御はASIVによる同時的処理
によって大きく低下する(**p<0.01、***p<0.001)。この拮抗作用の大きさは
ASIVの濃度(0.1-100μg/ml)に関して投与量依存性であった。それら細胞
のPAI−1活性の変化はPAI−1抗原の変化と平行であった(データは示し
ていない)。図16は内毒素により惹起された組織因子(TF)のHUVECに
おける発現に対するASIVの効果を示す。ASIVはLPSにより誘発される
TF制御をほとんど完全に拮抗する。
TFのmRNAの重大な上昇がLPSによるHUVECの処理の後で観測され
た。LPSにより高められたTFのmRNAの値はASIVとの組み合わせによ
り類似的な態様で拮抗された(図17)。例10
ヒトにおけるノトジンセンR1の含まれた種々の
抽出物の繊維素溶解活性に対する作用
図18、19及び20には、健康な基員におけるtPA、PAi及びuPAに
対するNR1含有抽出物の効果があげられている。tPAの上昇及びPAI−1
の低下がもたらされ、これは組織培養におけるNr−1又はASIVの効果に相
当する。
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 1.ノトジンセノシドR1(NR1)及び/又はアストラガロシド(ASIV) のようなトリテルペンサポニン類を繊維素溶解活性の低下した状態又は内毒素効 果の処置のための医薬の製造のために使用する方法。 2.ノトジンセノシドR1(NR1)及び/又はアストラガロシド(ASIV) のようなトリテルペンサポニン類を内毒素ショック状態の患者又は動物の処置の ため、又は内毒素ショックの防止のための医薬の製造に使用する、請求の範囲1 に従う方法。 3.ノトジンセノシドR1(NR1)及び/又はアストラガロシド(ASIV) のようなトリテルペンサポニン類を、冠状動脈性心臓疾患、抹消動脈疾患を有す る患者及び心筋梗塞又は狭心症にかかった患者をその繊維素溶解能を高めるよう に予防し、又は処置するための医薬の製造に使用する、請求の範囲1に従う方法 。 4.ノトジンセノシドR1(NR1)及び/又はアストラガロシド(ASIV) のようなトリテルペンサポニン類を、低下した繊維素溶解能、又は健康な人の内 毒素効果の防止のための医薬の製造にも使用する、請求の範囲1に従う方法。 5.ノトジンセノシドR1(NR1)及び/又はアストラガロシド(ASIV) のようなトリテルペンサポニン類を、種々の添加剤、安定化剤又は生体能力を高 める物質の存在のもとにNR1又はASIVを活性物質として含む、溶液、タブ レット又はカプセルの形の調剤としての医薬の製造に使用する、請求の範囲1な いし4の1つに従う方法。
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