JPH08510340A

JPH08510340A - 抗微生物レンズおよびレンズ管理システム

Info

Publication number: JPH08510340A
Application number: JP6525515A
Authority: JP
Inventors: ジアボ、アンソニー・ジェイ; ホームズ、アリックス・エイ; アンガー、クロード・ビー; ベイカー、ジョン・シー; ペン、リン
Original assignee: Allergan Inc
Current assignee: Allergan Inc
Priority date: 1993-05-06
Filing date: 1994-05-03
Publication date: 1996-10-29
Also published as: EP0697115A1; US5515117A; CA2162148A1; WO1994027170A1; AU6905794A; US5340583A

Abstract

(57)【要約】本発明は、抗微生物特性を有するレンズ、例えばコンタクトレンズ、およびコンタクトレンズケースに関する。さらに詳しくは本発明は、高分子材料および有効な抗微生物成分を含有する材料で製造されたレンズとコンタクトレンズケースに関する。

Description

【発明の詳細な説明】抗微生物レンズおよびレンズ管理システム発明の背景本発明は、抗微生物特性を有するレンズ、例えばコンタクトレンズおよびコンタクトレンズ管理（レンズケア）システムに関する。さらに詳しくは本発明は、抗微生物材料、例えば抗微生物成分を含有する高分子材料で製造されたレンズ、およびコンタクトレンズの容器もしくはケースに関する。コンタクトレンズはこれらレンズが使用される哺乳類の眼に悪影響を与えることになる一種以上の微生物にさらされることが多い。従来のコンタクトレンズは、ユーザが定期的に消毒して、コンタクトレンズ装着に伴う感染または眼の健康に対する他の有害作用を防止しなければならない。例えば、従来、ユーザが自分のコンタクトレンズを装着期間の間に消毒できる、いくつもの異なるシステムと方法がある。コンタクトレンズ管理製品用に用いられるコンタクトレンズの容器またはケースの微生物、例えば細菌による汚染はさらに重大な問題である。コンタクトレンズのケースは、大部分のコンタクトレンズ消毒システムが、コンタクトレンズの汚染に対処して設計されコンタクトレンズケース内に存在する汚染に必ずしも対処して設計されていないため、微生物による角膜炎の要因になっている。したがって、汚染されたコンタクトレンズケースに入れた消毒済コンタクトレンズ自体が、眼に入れる前に汚染される。その結果、コンタクトレンズ消毒の有利な作用は少なくとも一部分が無効になる。コンタクトレンズケースは、コンタクトレンズ自体と同様に環境の汚染物に連続的にさらされている。かようなコンタクトレンズは、微生物に栄養を供給しかつ保護する生物膜（biofilm）を生じることが多い。 Chromecekらの米国特許第３,５９１,３２９号には、透過性の仕切り壁で分離された２室に分割された容器からなるレンズ消毒システムで、親水性ゲルコンタクトレンズを貯蔵し消毒することが開示されている。一方の室には、親水性レンズが水性液中に貯蔵され、他方の室には、表面活性銀イオンを含有する水で膨潤するポリマーが置かれ、このイオンは該ポリマー上で交換される。このポリマーからの銀イオンは周囲の水性液中に溶解し、レンズに浸透してレンズ上の出芽胞子を殺す。該ポリマーから放出される銀イオンは、室中のコンタクトレンズに有害作用をもたらす可能性が少なくともある。またポリマー上の銀は、連続的に消耗されるので、銀含有ポリマーは比較的短い期間しか有効でない。発明の要旨新規なレンズ、例えばコンタクトレンズおよびレンズ管理システムが発見されたのである。本発明のレンズとシステムは、コンタクトレンズがさらされる一種以上の微生物に対して有効な抗微生物特性を与えるものである。このような抗微生物特性を有するコンタクトレンズは、汚染される傾向が少ないので、あまり再々消毒する必要はない。ある場合には、本発明のレンズは、有効に微生物の汚染がないので、別個に消毒する必要がない。例えば本発明のレンズは、レンズを消毒することに通常ならない状態で貯蔵でき、そして本発明のレンズは抗微生物特性を有するので、消毒済の状態または微生物に汚染されていない状態のレンズが提供される。また本発明のレンズケースは、これらケース自体だけでなく、このようなケースに時々入れられるレンズ、例えばコンタクトレンズの汚染を減少させる有利な抗微生物特性をもっている。このようにして、レンズが汚染される機会または確率が減らされ、実質的になくなることさえある。本発明に有用な抗微生物成分は、所望の抗微生物特性を与えるために液体媒体中にまたは該媒体を通じて移行する必要がなく、そして実際には、通常の使用条件下で、例えば眼液中もしくは液体媒体中に好ましくは実質的に浸出しないことが重要である。したがって、本発明に有用な抗微生物成分は、レンズもしくはレンズケースに結合されて保持され、そしてかなり長期間にわたってまた無期限にさえも有効であることが好ましい。本発明は以下に説明するように、実施することが比較的容易であり、例えばコンタクトレンズの装着者に対して実質的に有利になる。一つの広い要旨において、本発明は、哺乳類の眼に用いるよう形成されたレンズ、好ましくは角膜コンタクトレンズまたは簡単に述べればコンタクトレンズに関する。このレンズは、レンズ本体、好ましくは光学的に透明なレンズ本体を有して成り、この本体は高分子材料と有効量の抗微生物成分を含んでなり、その抗微生物成分は好ましくは、レンズの通常の使用条件下では実質的に非浸出性であり、そして例えば眼の外側および／または内側でレンズがさらされる微生物の少なくとも一つ、好ましくは複数およびさらに好ましくは実質的にすべてに対して有効である。この抗微生物成分は、該高分子材料の成分もしくは一部であってもよく、または例えば高分子材料が形成された後に、物理的に、化学的にもしくは他の方法で高分子材料に結合されていてもよい。この抗微生物成分は主として（すなわちその少なくとも約５０％）または実質的に全体的にレンズ本体の外表面もしくはその近傍に存在しているか、またはレンズ本体全体にわたって実質的に均一に分布している。一実施態様で、この抗微生物成分は実質的に金属を含有せず、例えば銀を含有していない。別の広い要旨で、本発明は、レンズが眼に使用されていないとき、レンズ、好ましくはコンタクトレンズを保持するための空間を形成する大きさに構成された、少なくとも一つの容器部分、好ましくは二つの容器部分を有するレンズケース、好ましくはコンタクトレンズケースに関する。この容器部分は、高分子材料と抗微生物成分を含有する材料で、少なくとも一部分そして好ましくは実質的に全体が製造され、そしてその抗微生物成分は好ましくは、通常の使用条件下で実質的に非浸出性であり、レンズ、例えばコンタクトレンズが例えば眼の内側および／または外側でさらされる少なくとも一つの好ましくは複数のそして一層好ましくは実質的にすべての微生物に有効である。その容器部分は、この容器部分に保持されたコンタクトレンズが容器部分を構成する材料に接触するように形成されていることが好ましい。特に有用な実施態様では、レンズケースが、液体、例えば食塩水を中に入れて容器部分が形成する空間に保持されているレンズが接触できるように形成されている。抗微生物成分は、主にまたは実質的に全体的に、容器部分の外表面もしくはその近傍に、好ましくは容器部分が形成する空間に保持されているレンズに接触する外表面に存在しているか、または容器部分全体にわたって実質的に均一に分布していてよい。一実施態様で、抗微生物成分は実質的に金属を含有せず、例えば銀を含有していない。本発明で有用な抗微生物成分は好ましくは実質的に非浸出性である。したがって本発明で有用な抗微生物成分としては、例えば該成分が初めから組み込まれているレンズもしくはレンズケースから、通常の使用条件下で、抗微生物成分に接触する液体中に移行しないようなものが好ましい。このように実質的に非浸出性の抗微生物成分は、通常の使用条件下で、眼のなかの流体またはコンタクトレンズを管理するのに用いる液体を汚染しない。「〜に対する有効量」という用語は、本明細書で用いる場合、特例の微生物に関連するとき、この用語が用いられる抗微生物成分は、該成分が組み込まれている製品中に、製品に対する微生物の負荷量を、約２０時間で、好ましくは１５時間でさらに好ましくは約１０時間で１の対数オーダーで減少させるのに有効な量で存在していることを意味する。本発明のレンズと容器部分は好ましくは、大部分が高分子材料で構成され、好ましくは少なくとも約９０重量％が高分子材料で構成されている。抗微生物成分は、レンズ本体もしくは容器部分の好ましくは少なくとも約０.００５重量％で約１０重量％未満の量で存在し、一層好ましくは約５重量％未満の量で、そしてさらに一層好ましくは約１重量％未満の量で存在している。本発明を、以下にコンタクトレンズおよびコンタクトレンズのケースによって説明するが、本発明は、眼内レンズ、角膜インレイレンズ、角膜オンレイレンズなどのような他の種類のレンズ、およびこれらレンズ用の容器にも利用できることに留意すべきである。しかし本発明は特に、コンタクトレンズおよびコンタクトレンズのケースもしくは容器に適用できる。本発明のこれらのおよび他の要旨を、添付図面（同じ部分には同じ参照番号を付けてある）を特に参照して、以下の詳細な説明と特許請求の範囲で述べる。図面の簡単な説明図１は本発明のコンタクトレンズの平面図である。図２は図１に示すコンタクトレンズの側面図である。図３は本発明のコンタクトレンズケースの一実施態様を示す部分的に断面である側面図である。発明の詳細な説明図１と２は本発明のコンタクトレンズ１０を示す。コンタクトレンズ１０は光学的に透明なコンタクトレンズ本体１２からなり、ヒトの眼の視力を矯正するため、ヒトの眼の角膜の上に配置する通常のコンタクトレンズとして有用である。コンタクトレンズ本体１２は、適切な高分子材料および有効である実質的に銀を含有せず実質的に非浸出性の抗微生物成分を含有する材料で製造される。この抗微生物成分は、高分子材料に共有結合されていることが好ましい。この抗微生物成分は、コンタクトレンズ１０がさらされる微生物の少なくとも一つ、好ましくは複数および実質的にすべてに対して有効な量で存在している。コンタクトレンズ本体１２に用いる材料を配合する場合、材料は光学的に透明で、眼に使用するのに適しており、その外にコンタクトレンズ製造用材料として適切なことが重要である。コンタクトレンズ１０に含有されている抗微生物成分は、眼に対して許容できるものでなければならない。すなわち、この抗微生物成分は、特にこの成分を含有するコンタクトレンズの装着者の眼の健康について、装着者に重大な悪影響を与えないかまたは起こさないように選択しなければならない。コンタクトレンズ１０に有用な高分子材料は、角膜コンタクトレンズ、例えば通常の角膜コンタクトレンズの成分として有用な実質的にすべての材料である。この高分子材料は、合成ポリマー、天然産ポリマーまたはその組合わせ、例えば合成ポリマーおよび天然産ポリマーの混合物でもよい。コンタクトレンズ本体１２が含有していてもよい高分子材料の例としては、ポリシロキサン類などのようなシリコーンポリマー類；ポリエチレン、ポリプロピレンなどのようなポリオレフィン類；ポリエステル類；ポリウレタン類；ポリアクリレート類およびポリメタクリレート類のようなアクリルポリマー類；ヒドロゲル生成ポリマー類；ポリカーボネート類などがある。コンタクトレンズ１０は、適切な方式で実質的に非浸出性抗微生物成分を含有させることができる。一つの実施態様では、予備形成されたコンタクトレンズ、すなわち予め形成されたコンタクトレンズを、コンタクトレンズ本体１２のようなコンタクトレンズ本体に含有されている高分子材料に好ましくは共有結合された実質的に非浸出性抗微生物成分の有効量を含有するコンタクトレンズ１０のようなコンタクトレンズを形成するのに有効な条件で抗微生物性物質と接触させる。この実施態様では、抗微生物成分は、好ましくは主としておよび実質的に全部が、コンタクトレンズの本体の外表面またはその近傍、例えば外表面全体に存在している。有効な抗微生物成分を付与するため、予備形成されたコンタクトレンズを接触させ、例えば処理するシステムの場合、反応性成分を利用することが好ましい。このような反応性成分は、活性部分（抗微生物剤として活性な部分）と官能部分をもっている。その反応性成分の活性部分は、その官能部分と共有結合していることが好ましい。反応性成分の活性部分とは、抗微生物活性の大部分および実質的に全量を抗微生物成分に付与する部分である。有用な活性部分の例としては、抗微生物性第四級アンモニウム含有基、抗微生物性アミン含有基、抗微生物性ペプチド含有基、抗微生物性ホスファゼン含有基などおよびその混合物がある。抗微生物性第四級アンモニウム含有基とその混合物が特に有用である。反応性成分の官能部分は、予備形成されたコンタクトレンズの材料と相互に作用し好ましくは化学的に反応して、抗微生物成分をコンタクトレンズに結合させ、好ましくは化学的に結合させ一層好ましくは共有結合させる部分である。したがって官能部分は、予備形成されたコンタクトレンズの材料と反応性で好ましくは化学的に反応性であるように選択される。選択される特定の官能部分は勿論、使用される特定の予備形成されたコンタクトレンズの材料によって決まる。有用な反応性成分の官能部分の例としては、オルガノシラン基、エポキシド基、アジリジン基、スルフヒドリル基、活性化エステル基、トシレート基、ビニルスルホン基などおよびその混合物がある。反応性成分の非常に有効な種類には、第四級アンモニウム含有オルガノシラン類、好ましくは第四級アンモニウム含有オルガノシロキサン類がある。コンタクトレンズ１０に有効な抗微生物成分を付与するため使用するのに特に有用な反応性成分、すなわち抗微生物材料は、下記の構造のすなわち式：および、［各式中、ＹはＲまたはＲＯであり、そして各Ｒは１〜約４個の炭素原子を含有するアルキル基および水素から独立的に選択され；ａは０、１または２の値であり；Ｒ¹はメチルまたはエチル基であり；Ｒ²は１〜約４個の炭素原子を有するアルキレン基であり；Ｒ³、Ｒ⁴およびＲ⁵は各々、１〜１８個の炭素原子を有するアルキル基、 −ＣＨ₂Ｃ₆Ｈ₅、−ＣＨ₂Ｃ₂ＯＨ、−ＣＨ₂ＯＨおよび−(ＣＨ₂)_xＮＨＣ(Ｏ)Ｒ⁶ からなる群から独立的に選択され、（式中のｘは２〜約１０の数値であり、Ｒ⁶ は１〜１２個の炭素原子を有するペルフルオロアルキル基である）；ならびにＸは塩素、臭素、フッ素、ヨウ素、アセテートまたはトシレート（tosylate）である。］で表される一種の化合物およびその混合物からなる群から選択される第四級アンモニウム含有オルガノシラン成分である。上記の抗微生物成分は、Gettingsらの米国特許第５,０１３,４５９号に詳しく記載されている。なおこの文献は全体を本願に援用するものである。本発明の目的を達成するために、これらのシラン類は、本発明で有用な高分子材料、例えばこのような高分子材料を含有する予備形成されたコンタクトレンズに接触させる場合、そのまま（neat）用いるか、または溶媒の溶液もしくは水性溶媒の溶液で用いることができる。シラン類をそのままで使用する場合、少量の水とともに用いることが好ましい。少量の水を用いることができない場合は、シランの、水溶性もしくは水に分散性で低分子量の加水分解生成物を使用できる。大切なことは、例えばコンタクトレンズ１０を形成する高分子材料の一部としてシランによって生成される抗微生物作用の耐久性を得るには、シラン分子が、高分子材料と、特に予備形成されたコンタクトレンズの外表面もしくはその近傍の高分子材料と、或る程度に反応する必要があるということである。シラン類に関する限り、最も反応性の高い種は、シランの加水分解、例えばシランに存在するアルコキシ基の加水分解によって生成する＝ＳiＯＨである。この＝ＳiＯＨ基は、高分子材料とその表面もしくはその近傍で反応して、シラン部分を、高分子材料にその表面もしくは近傍で結合させる性能がある。ケイ素原子に結合したアルコキシ基も独自に、表面への結合に参加する。一つの実施態様で、少量の水を含有する反応性高分子材料の表面が提供される。「反応性の」という用語は、高分子材料の表面が、一つ以上の基、例えばシラン類の加水分解によって生成したシラノール基と反応するいくつかの基を有していることを意味する。シラン類のＲ基は、１〜約４個の炭素原子を含有するアルキル基である。したがってＲとして有用な基としては、メチル、エチル、プロピルおよびブチル基がある。上記式においてＲＯはＲであってもよい。Ｒは水素でもよく、したがってシラノール形すなわち加水分解された形態を示していてよい。ａの値は０、１または２であり、そしてＲ¹はメチルまたエチル基である。このようなアルキル基が存在しているので、これらシラン類は対応する溶媒によって安定化され得る。したがって例えばメトキシ基はメタノールを要求しそしてエトキシ基はエタノールを要求する。Ｒ²基は１〜４個の炭素原子を有するアルキレン基である。したがってＲ²はメチレン、エチレン、プロピレンおよびブチレンのようなアルキレン基でもよい。Ｒ³、Ｒ⁴およびＲ⁵の基は各々独立して、１〜１８個の炭素原子を有するアルキル基、−ＣＨ₂Ｃ₆Ｈ₅、−ＣＨ₂ＣＨ₂ＯＨ、−ＣＨ₂ＯＨおよび−(ＣＨ₂)_xＮＨＣ (Ｏ)Ｒ⁶からなる群から選択され、式中のＸは２〜約１０の数値であり、Ｒ⁶は１〜１２個の炭素原子を有するペルフルオロアルキル基である。Ｘは塩素、臭素、フッ素、ヨウ素、アセテートまたはトシレートである。本発明にとって好ましいのは、式：［式中、Ｒはメチルまたはエチルであり；ａはゼロの値であり；Ｒ²はプロピレンであり；Ｒ³はメチルまたはエチルであり；Ｒ⁴とＲ⁵は１〜約１８個の炭素原子を有するアルキル基から選択され、その少なくとも一つの基は８個より多い炭素原子を有し；およびＸは塩素、アセテートまたはトシレートである］で表されるシランである。本発明に有用な特定のシランは下記式で表されるシランである。 (ＣＨ₃Ｏ)₃Ｓi(ＣＨ₂)₃Ｎ⁺(ＣＨ₃)₂ＣＨ₁₈Ｈ₃₇Ｃl^-、 (ＣＨ₃Ｏ)₃Ｓi(ＣＨ₂)₃Ｎ⁺(ＣＨ₃)₂ＣＨ₁₈Ｈ₃₇Ｂr^-、 (ＣＨ₃Ｏ)₃Ｓi(ＣＨ₂)₃Ｎ⁺(Ｃ₁₀Ｈ₂₁)₂ＣＨ₃Ｃl^-、 (ＣＨ₃Ｏ)₃Ｓi(ＣＨ₂)₃Ｎ⁺(ＣＨ₁₀Ｈ₂₁)₂ＣＨ₃Ｂr^-、 (ＣＨ₃Ｏ)₃Ｓi(ＣＨ₂)₃Ｎ⁺(ＣＨ₃)₃Ｃl^-、 (ＣＨ₃Ｏ)₃ＳiＣＨ₂ＣＨ₂ＣＨ₂Ｎ⁺(Ｃ₆Ｈ₅)₃Ｃl^-、 (ＣＨ₃Ｏ)₃ＳiＣＨ₂ＣＨ₂ＣＨ₂Ｎ⁺(Ｃ₆Ｈ₅）₃Ｂr^-、 (ＣＨ₃Ｏ)₃ＳiＣＨ₂ＣＨ₂ＣＨ₂Ｎ⁺(ＣＨ₃)₃Ｃl^-、 (ＣＨ₃Ｏ)₃ＳiＣＨ₂ＣＨ₂ＣＨ₂Ｎ⁺(Ｃ₆Ｈ₁₃)₃Ｃl^-、 (ＣＨ₃)₃ＳiＣＨ₂)₃Ｎ⁺(ＣＨ₃)₂Ｃ₁₂Ｈ₂₅Ｃl^-、 (ＣＨ₃)₃ＳiＣＨ₂)₃Ｎ⁺(Ｃ₁₀Ｈ₂₁)₂ＣＨ₃Ｃl^-、 (ＣＨ₃)₃ＳiＣＨ₂)₃Ｎ⁺(ＣＨ₃)₂Ｃ₁₈Ｈ₃₇Ｃl^-、 (ＣＨ₃Ｏ)₃Ｓi(ＣＨ₂)₃Ｎ⁺(ＣＨ₃)₂Ｃ₄Ｈ₉Ｃl^-、 (ＣＨ₃Ｏ)₃Ｓi(ＣＨ₂)₃Ｎ⁺(ＣＨ₃)₂ＣＨ₂Ｃ₆Ｈ₅Ｃl^-、 (ＣＨ₃Ｏ)₃Ｓi(ＣＨ₂)₃Ｎ⁺(ＣＨ₃)₂ＣＨ₂ＯＨＣl^-、 (ＣＨ₃Ｏ)₃Ｓi(ＣＨ₂)₃Ｎ⁺(ＣＨ₃)₂(ＣＨ₂)₃ＮＨＣ(Ｏ)ＣＦ₂)₆ＣＦ₃Ｃl^-、 (ＣＨ₃Ｏ)₃Ｓi(ＣＨ₂)₃Ｎ⁺(ＣＨ₂Ｈ₅)₃Ｃl^-。他の実施態様で、コンタクトレンズ本体１２のようなコンタクトレンズ本体は、高分子材料と抗微生物成分を与えるよう選択された一種以上のモノマーを重合することによって製造される。このようにして、得られたポリマーまたはコポリマーは、そのポリマー構造に固有の、実質的に非浸出性で共有結合された抗微生物成分を含有している。その抗微生物成分は該ポリマーまたはコポリマー全体にわたって実質的に均一に分布されていることが好ましい。このポリマーまたはコポリマーは次にコンタクトレンズ１０のようなコンタクトレンズに形成される。勿論、コポリマーが用いられる場合は、抗微生物成分が誘導されるモノマーは、使用される他のモノマーの一種以上と相溶性であり（例えば反応性であり）かつコンタクトレンズ１０のごときコンタクトレンズを製造できる所望の組合わせの特性を有するコポリマーを与えるように選択しなければならない。そのポリマーまたはコポリマーは、光学的に透明でかつほかの点でもコンタクトレンズ材料として有用でなければならない。加えて、そのポリマーまたはコポリマーは、抗微生物成分（ポリマーもしくはコポリマーを製造するのに用いられる抗微生物性モノマーから誘導される）を、コンタクトレンズ１０がさらされる微生物の少なくとも一種、好ましくは複数および実質的にすべてに対して有効な量で含有していなければならない。コンタクトレンズ１０に含有させるのに特に有用な種類の抗微生物成分は、抗微生物性プロトン化アミン含有物質（好ましくはモノマー）、抗微生物性ポリペプチド生成物質（好ましくはモノマー）、抗微生物性ポリホスファゼン生成物質（モノマー）などおよびその混合物から誘導される抗微生物成分である。例えば、特に高分子材料が実際にアクリル性である場合、抗微生物成分は、一種以上のアクリルモノマーおよびアクリルプロトン化アミンのコモノマーを共重合させることによっておよび／または高分子材料にプロトン化アミンの末端基を含有させることによって誘導することができる。いずれにせよ、そのプロトン化アミン部位（「抗微生物成分」とみなされる）はポリマー鎖の一部分であり、すなわちこのような部位はポリマー鎖に共有結合しており、好ましくはポリマー全体にわたって実質的に均一に分布している。このような材料とその製造方法は米国特許第４,７０８,８７０号に一層詳しく記載されている。なおこの特許は全体を本願に援用するものである。本発明に用いるのに適切な材料は、（１）アクリロニトリル、（２）一種以上の中性ビニルモノマーおよび（３）プロトン化アミンモノマーのコポリマーである。プロトン化アミンの抗微生物成分を誘導できるアミンモノマーの例としては、ジエチルアミノエチルメタクリレート、２−メチル−５−ビニルピリジン、ジメチルアミノプロピル−メタクリロアミドなどがある。上記のコポリマーから製造されるコンタクトレンズ１０は、例えば従来のコンタクトレンズ形成法を用いて、モノマー混合物を重合しながら、またはコポリマーから製造することができる。一旦コンタクトレンズ１０が形成されると、そのコンタクトレンズは、レンズ消毒の時間間隔を少なくとも延長するのに充分な抗微生物活性を有している。この特徴によって、コンタクトレンズ１０を別個に消毒する必要が少なくとも減少するので、管理の量が減少し、コンタクトレンズ装着者は、自らの眼の健康に悪影響を与えたり危険にさらしたりすることなしに、それほど注意する必要がなくなる。一つの実施態様で、コンタクトレンズ１０はレンズを別個に消毒する必要がないよう充分な抗微生物活性を有している。この実施態様で、コンタクトレンズ１０は、眼に使用していない間、市販されているような、保存コンタクトレンズ浸漬溶液中に貯蔵することができる。このような浸漬は、例えばコンタクトレンズ１０を過酸化水素と接触させる別個の消毒を行う必要なしに、コンタクトレンズ１０を適切に微生物なしの状態に維持するのに満足すべき方法である。コンタクトレンズ１０は、コンタクトレンズに一つ以上の所望の特性を与えるのに有効な量でコンタクトレンズ中に従来存在している紫外線吸収剤、染料などのような他の成分を含有していてもよい。一般に番号２０で図３に示すコンタクトレンズケースは、レンズ容器１２、蓋２４およびレンズバスケット２６を備えている。レンズ容器２２は、透明な熱可塑性高分子材料、例えばポリメチルメタクリレートなどで製造され、例えば従来の方法を用いて単一ユニットとして形成される。レンズ容器２２は底壁２８と側壁３０を備えている。側壁３０の頂部３４には、ねじをきった外表面３６がある。レンズ容器２２の底壁２８に平行な断面は一般に円形である。レンズ容器２２は、従来のコンタクトレンズ浸漬組成物、例えば保存食塩溶液を入れる内部空間３８を形成している。レンズバスケット２６は、ポリマー材料および実質的に非浸出性の抗微生物成分を含有する不透明な材料で製造される。レンズバスケット２６に有用な高分子材料は、例えば従来のコンタクトレンズケースのコンタクトレンズホルダーに成分として有用な実質的にすべての材料でよい。レンズバスケット２６を製造することができる高分子材料の例としては、ポリエチレン、ポリプロピレンなどのようなポリオレフィン類；ポリエステル類；ポリウレタン類；ポリアクリレートおよびポリメタクリレートのようなアクリルポリマー類；ポリカーボネート類などが挙げられる。レンズバスケット２６が含有している抗微生物成分は、コンタクトレンズ１０について先に述べたような抗微生物性物質から誘導することができる。この抗微生物成分は、レンズバスケット２６が形成する空間中に保持されるコンタクトレンズがさらされる微生物の少なくとも一種、好ましくは複数および実質的にすべてに対して有効な量で存在している。抗微生物成分は実質的に金属を含有せず、例えば銀を含有しなくてよいが、一つの有用な実施態様で、実質的に非浸出性で金属を含有する抗微生物成分が用いられる。このような金属成分としては、例えば銀成分、銅成分などの抗微生物性金属成分がある。銀成分は、抗微生物成分としてレンズバスケット２６に含有させるのに特に有用である。このような金属成分は、周囲の液体媒体中に実質的に浸出することなく、抗微生物活性を有している。すなわち、例えばこのような金属成分を含有するレンズバスケット２６の抗微生物活性は、液体媒体中に浸出されるあらゆる金属イオンによってもたらされる抗微生物活性より大きい。このことは、銀イオンがポリマーから連続的に放出され（浸出され）て抗微生物作用を与えるChromecekらの米国特許第３,５９１,３２９号のシステムとは対照的である。適切な実質的に非浸出性の抗微生物金属成分を含有する本発明のレンズバスケット２６は、抗微生物活性を保持しながら、長期間また無限の期間でも使用するのに有効である。レンズバスケット２６には、例えば、コンタクトレンズ１０に実質的に非浸出性の抗微生物成分を付与することについて先に述べたのと類似のしかたで、該抗微生物成分を適切な方式で付与することができる。したがって、予備形成したレンズバスケット（またはレンズバスケットの予備形成された部品）は、適切な抗微生物性物質と接触させて、例えば主として、レンズバスケット（またはその部品）の単一もしくは複数の外面またはその近傍に有効な抗微生物成分を付与することができる。予備形成されたレンズバスケットに抗微生物金属成分を付与する非常に有用な方法は、予備形成されたレンズバスケットを、一つ以上の金属付着法、例えば金属イオンビーム利用付着法に付す方法である。あるいはレンズバスケット２６（またはレンズバスケットの部品）は一つ以上の抗微生物性モノマーを含有するモノマーから誘導されたコポリマーで製造することができる。この実施態様において、抗微生物成分は好ましくは、レンズバスケット２６（またはレンズバスケットの部品）全体にわたって実質的に均一に分布されている。レンズ容器２２および蓋２４と同様に、レンズバスケット２６は、例えば通常の方法を用いて製造、例えば成形することができる。レンズバスケット２６は、その蓋２４に取付け部材５４が取付けられ、その取付け部材５４から下方にバスケット本体６０が延在し、該本体６０は左レンズ台６２と右レンズ台６４を備えている。バスケット本体６０は、液体をバスケット本体を自由に通過させる一連の通孔を備えている。左バスケット蓋６６と右バスケット蓋６８が両者ともにバスケット本体６０に蝶番式に取付けられ、そしてそれぞれ所望の場合左レンズ台６２と右レンズ台６４のまわりに「スナップクローズ」されてそれぞれ左レンズ室７０と右レンズ室７２を形成する構造になっている。バスケット蓋６６と６８は、レンズバスケット２６の他の部品とは別個に製造される。バスケット蓋６６と６８は各々、液体を自由に流通させる一連の通孔を備えている。しかし、これらの通孔の大きさは、レンズの蓋６６と６８が閉じられているとき、レンズ室７０と７２の中のコンタクトレンズを取り出すことができない大きさである。左レンズ蓋には「Ｌ」のマークがつけられ、左のコンタクトレンズ用に使用されることを示す。同様に、右レンズ蓋６８には「Ｒ」のマークが付けられ、右のコンタクトレンズ用に使用されることを示す。各レンズ室６０と６２の中に配置されたコンタクトレンズは、レンズバスケット２６の少なくとも一点に接触している。したがって各レンズ室６６と６８内に保持されているこのようなコンタクトレンズは、有効な抗微生物成分を含有する材料と接触している。レンズ容器装置２０は以下のようにして使用される。すなわち、蓋２４をレンズ容器２２から取り外し、眼に使用し消毒したコンタクトレンズを、適正な左と右のレンズ台６２と６４の上に置き、次に左と右のレンズバスケットの蓋６０と６８をスナップクローズする。例えば約１０mlの量の通常の保存食塩水をレンズ容器２２の内部空間に入れる。このようにして、レンズバスケット２６内に保持されたコンタクトレンズは、たとえ長期間にわたって貯蔵されても、消毒された状態が維持される。レンズバスケット２６の中に保持されているコンタクトレンズを使用したい場合は、バスケットの蓋６６と６８を単にスナップをはずしてレンズを取出すことによって、レンズバスケット２６からレンズを取出すことができる。取出したレンズは、直接眼に装着して安全かつ快適に装着できる。本発明は、各種の特定の実施例と実施態様によって説明してきたが、本発明は、これら実施例と実施態様に限定されることなく、以下の特許請求の範囲の範囲内で変形して実施できると解すべきである。

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者アンガー、クロード・ビーアメリカ合衆国90815カリフォルニア州ロング・ビーチ、ドリスコル・ストリート 6551番 (72)発明者ベイカー、ジョン・シーアメリカ合衆国92715カリフォルニア州アーヴィン、シエラ・チューラ19481番 (72)発明者ペン、リンアメリカ合衆国92680カリフォルニア州タスティン、ナンバー37、タスティン・イースト・ドライブ13922番

Claims

【特許請求の範囲】１．哺乳類の眼に使用するよう形成されたレンズであって、高分子材料；および通常の使用条件下では実質的に非浸出性でありかつレンズがさらされる一種以上の微生物に対して有効な量で存在している抗微生物成分を含んで成るレンズ本体を有して成るレンズ。２．前記レンズ本体が光学的に透明でかつその大部分が前記高分子材料で構成され、そして前記抗微生物成分が実質的に金属を含有していない請求の範囲第１項記載のレンズ。３．前記レンズ本体が、前記抗微生物成分を、少なくとも約０.００５重量％でかつ約１０重量％未満の量で含有している請求の範囲第１項記載のレンズ。４．前記抗微生物成分が前記高分子材料に共有結合されている請求の範囲第１項記載のレンズ。５．角膜コンタクトレンズである請求の範囲第１項記載のレンズ。６．前記抗微生物成分が、抗微生物性第四級アンモニウム含有基、抗微生物性アミン含有基、抗微生物性ペプチド含有基、抗微生物性ホスファゼン含有基およびその混合物からなる群から選択される構成要素から誘導される請求の範囲第１項記載のレンズ。７．前記抗微生物成分が主として前記レンズ本体の外表面またはその近傍に存在している請求の範囲第１項記載のレンズ。８．前記抗微生物成分が前記レンズ本体全体にわたって実質的に均一に分布されている請求の範囲第１項記載のレンズ。９．哺乳類の眼に使用するよう形成されたレンズであって、高分子材料；および実質的に銀を含有せず、かつレンズがさらされる一種以上の微生物に対して有効な量で存在している抗微生物成分を含有するレンズ本体で構成されているレンズ。１０．コンタクトレンズが使用されていないときにコンタクトレンズを保持するための空間を形成する大きさに構成された少なくとも一つの容器部分を有するコンタクトレンズケースであって、前記の少なくとも一つの容器部分が、その少なくとも一部分を、高分子材料；および通常の使用条件下では実質的に非浸出性でかつコンタクトレンズがさらされる一種以上の微生物に対して有効な量で存在している抗微生物成分を含んで成る材料で製造されているコンタクトレンズケース。１１．前記の少なくとも一つの容器部分が、その中に保持されているコンタクトレンズに通常接触する一つ以上の接触部分を有し、前記一つ以上の接触部分が前記材料を含有している請求の範囲第１０項記載のコンタクトレンズケース。１２．コンタクトレンズが使用されていない場合に、単一のコンタクトレンズを保持するように各々構成された前記容器部分を二つ備えている請求の範囲第１０項記載のコンタクトレンズケース。１３．前記少なくとも一つの容器部分が、液体がその中に入って、その少なくとも一つの容器部分内に保持されている前記コンタクトレンズに接触するように形成されている請求の範囲第１０項記載のコンタクトレンズケース。１４．前記抗微生物成分が前記高分子材料に共有結合されている請求の範囲第１０項記載のコンタクトレンズケース。１５．前記少なくとも一つの容器部分が、大部分を前記高分子材料で構成され、かつ少なくとも約０.００５重量％の前記抗微生物成分を含有している請求の範囲第１０項記載のコンタクトレンズケース。１６．前記少なくとも一つの容器部分が、約１０重量％未満の前記抗微生物成分を含有している請求の範囲第１０項記載のコンタクトレンズケース。１７．前記抗微生物成分が、抗微生物性第四級アンモニウム含有基、抗微生物性アミン含有基、抗微生物性ペプチド含有基、抗微生物性ホスファゼン含有基およびその混合物からなる群から誘導される請求の範囲第１０項記載のコンタクトレンズケース。１８．前記抗微生物成分が金属成分である請求の範囲第１０項記載のコンタクトレンズ管理ケース。１９．前記抗微生物成分が銀成分である請求の範囲第１０項記載のコンタクトレンズケース。２０．前記抗微生物成分が、主として、前記少なくとも一つの容器部分の外表面またはその近傍に存在している請求の範囲第１０項記載のコンタクトレンズケース。２１．前記抗微生物成分が前記容器部分全体にわたって実質的に均一に分布されている請求の範囲第１０項記載のコンタクトレンズケース。２２．コンタクトレンズが使用されていないときにコンタクトレンズを保持するための空間を形成する大きさに構成された少なくとも一つの容器部分を有するコンタクトレンズケースであって、前記の少なくとも一つの容器部分が、その少なくとも一部分を、高分子材料；および実質的に銀を含有せずかつコンタクトレンズがさらされる一種以上の微生物に対して有効な量で存在する抗微生物成分を含有する材料で製造されているコンタクトレンズケース。