JPH08509734A - カプセル化による炭水化物の放出制御方法およびその構造 - Google Patents

カプセル化による炭水化物の放出制御方法およびその構造

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JPH08509734A JP6524454A JP52445494A JPH08509734A JP H08509734 A JPH08509734 A JP H08509734A JP 6524454 A JP6524454 A JP 6524454A JP 52445494 A JP52445494 A JP 52445494A JP H08509734 A JPH08509734 A JP H08509734A
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Abstract

(57)【要約】 食用コーティングをもつ炭水化物の構造であって、コーティングのなされた炭水化物は、経口投与されたときは消化システムに炭水化物の放出遅延を引き起こすものである。この方法による炭水化物の投与方法は、糖尿病患者のような疾病の処置や持続的な努力を必要とする運動プログラムにおいて有効である。

Description

【発明の詳細な説明】 カプセル化による炭水化物の放出制御方法およびその構造 技術分野 本発明は、スナック、キャンディ、デザートミックス、グラノーラバー、エネ ルギーバー、種々の飲料、貯蔵安定粉末において用いられる、カプセル化された 固体粒子状遅延放出型炭水化物構造を調製するための方法に関する。 背景技術 いろいろな食べ物、ビタミン・薬剤などのような他の摂取項目の調製に際し、 香りや、薬事作用などを遅延させるためにカプセル化が行われている。 上述したように、本発明は、摂取に際し、放出を制御し、ゆっくりと放出され 、消化器官に流れ込むように、カプセル化されて被覆せしめられ、物質交代可能 な炭水化物に関する。この遅延放出作用は、インシュリン効果の欠乏あるいは消 滅により血液中で引き起こされるグルコース集中に特徴づけられる糖尿病のよう な疾病作用に抵抗するのに極めて有効であり得る。このような疾病は繰り返し起 こり、また脂肪や蛋白質の代謝に影響を与える。一般に、ダイエットだけでコン トロールできる場合や、ダイエットとインシュリン投与とを必要とする場合もあ るが、さらに薬剤によるコントロールが必要な場合もある。 ダイエットによって糖尿病の影響をコントロールするとき、糖尿病患者は、食 事やスナックのタイミングをコントロールすること、食物成分をコントロールす ること、そして食物カロリーをモニターすることをアドバイスされる。高カロリ ー、高蛋白の食事をする糖尿病患者は、摂取後1時間までに血中グルコースレベ ルが1倍半まで上がるのを経験するであろう。この影響を小さくするため、医者 は、一般に炭水化物の量を間隔をあけて数回のスナックと食事とに分散するよう に処方する。糖尿病でない人は、高カロリー、高蛋白の食事をしたとしても、体 のインシュリンの応答は注意深く変更され、血中グルコースレベルが通常範囲で ある70〜120mg/dlに維持される。インシュリンの代謝コントロール作用を 損なった糖尿病患者は、食事のタイミングや食事構成、食事のカロリー濃度など 外的なコントロールに依存しなければならない。もっと重い糖尿病の場合には、 胃腸器官の上部で、澱粉や糖分を分解する酵素を妨害することによって、血中グ ルコースの応答を調整するような薬剤が開発されている。この効能は食物が胃腸 器官を移動する間のグルコースの消化吸収を延期するというものである。 その他、運動や栄養摂取などにおける必要性のように、血中グルコースの応答 を調整するための理由もある。 発明の開示 そこで本発明の目的は、人間の体の消化器官において炭水化物放出の時間的遅 延を引き起こすようなカプセル化された炭水化物構造を得ることにある。 また、本発明の他の目的は、より分散し易く、人間の体の消化器官に、時間を おいて放出されるべく、安定でかつ液状の溶媒中で懸濁され得る、貯蔵安定粉末 を得ることにある。 さらに、本発明の他の目的は、制御された方法において、ものを摂取消化する ための時間遅延メカニズムで代謝可能なように炭水化物をカプセル化する方法を 得ることにある。 そこで本発明のこれらの目的および他の目的は、食べ物あるいは調剤段階のコ ーティングにおいて、代謝可能で望ましい炭水化物(澱粉、グルコース、サクロ ース、フラクトースなど)をカプセル化することにより、人間の胃腸器官の吸収 サイトへの炭水化物の放出をコントロールすることによって達成される。 カプセル化された粒子が消化器官まで移動するに従って、コーティングは分解 し、ゆっくりと炭水化物を放出する。このように、食物粒子をコーティングする ことにより、胃腸器官上部での吸収が1.5〜4時間となり得、このことにより 、血中グルコースレベルの調整を助長することができ、糖尿病患者にとっては食 間のスナックの必要性の低減あるいは除去を助長することができる。 本発明の方法では、炭水化物は、炭水化物上でコーティングの分布が均一とな るように、コーティング用パンあるいは、流動体ベッドでスプレーコートされて もよいし、あるいは回転ディスク上で直接塗布されてもよい。また液体の炭水化 物も固体の炭水化物も適切なコーティング技術を用いて塗布され得る。そして塗 布された粒子が投与される。 図面の簡単な説明 図1は、時間関数としてグルコースの放出%を示す図である。 発明を実施するための最良の形態 本発明の方法では、一般に消化器官で吸収され代謝されるサクロース、グルコ ース、ラクトース、デキシトリン、前もってゼラチン化された澱粉、フラクトー ス、メトースおよび他のモノ、ジ、オリゴおよび多糖類(ポリサッカライド)な どの代謝可能な炭水化物は、ステアリン酸、綿の実、大豆あるいは菜種油などの 、水素化あるいは部分的に水素化されたオイル、ステアリン酸カルシウム、ステ アリルアルコールなどの食物あるいは調剤段階でコーティングされてもよい。 コーティングは、コーティング用パン、スプレー、流動体ベッドあるいは米国 特許NO−5100592号および4675140号で開示されたような回転デ ィスクを用いたコーティングを含むいろいろなプロセスの幾つかから選択可能で ある。 本発明の方法では、炭水化物は人間の体の中に摂取されたときに制御されて吸 収遅延を引き起こすようにコーティングがなされている。コーティングされた製 品は粒径30〜1000μmの貯蔵安定粒子となるはずである。粒子の実際のサ イズはそれが投与されるフードシステムにおける望ましい放出速度と感覚器官の 特性との両方に依存する。一般に飲料など滑らかな組織の食べ物が必要とされる ところでは、より小さなサイズ範囲(75〜150μm)が用いられる。また、 食物が咀噌されるような食物システムでは、より大きなサイズ(+150μm) の粒子を用いても良い。活性成分が本発明の方法によりカプセル化されているた め、コーティングされた粒子は香りも味も比較的不活性で、口当たりのいいもの である。このことによって、本発明のコーティング粒子は、食物の特性や風味に 影響を与えることなく色々な食物に組み入れることができる。 上述したようなコーティングは、食物の成分や調理に適するように選択可能で ある。例えばエチルセルロース、これは食物成分ではないが、自由脂質やオイル を含む食物に対して選択可能であり、これは100℃まで調理温度を上げること ができる。水素化された牛脂(tallow)およびステアリン酸のコーティン グは、温度か60℃を越えず、多量の自由脂質(lipid)を含まないような ところに適している。 以下の例では、炭水化物のコーティング方法の幾つかを示すと共に、このよう なコーティングで得られた製品の幾つかについてガラス内での放出速度を示す。 実施例1 コーティングパン中でのステアリン酸によるグルコースのコーテイング Dグルコースをふるいにかけ300μmのふるいは通過するが177μmのふ るい上に残る小片を250g得た。そしてこれを、錠剤をコートする調剤工場で 一般に用いられるようなコーテイングパンに移した。そして正しく混合してコー ティングするのに十分な量の物質をこのコーテイングパンに得るためには、コー ティング後にグルコースから分離可能であるようなより大きなサイズの他の固体 を添加することが必要であることがわかった。この目的のために約420〜50 0μmの食塩が500g使用される。そして375gのステアリン酸が1875m lの熱い(75℃)エタノールに溶解された。 このパンは50〜55RPMで回転するように設置されている。2つの流体ノ ズルが、15〜22psiに調整された熱空気供給器に接続されている。そして 約10ml/min.の速度で、エタノール溶液がノズルの液体側に供給された。そし てエタノールの蒸発を助長するためにパンに室温の空気が流入された。サンプル は、パン中で塗布される固体100部に対し20部、30部、40部、50部の ステアリン酸が噴霧されたのちパンから取り出された。 50部が噴霧された後、固体はふるいで分離された。75〜420μmの小片 は180〜300μmの小片が測定された最も高いコーティングレベルを除いて 測定された。放出を測定するために、塗布されたサンプルのうちの2gを容量2 50mlのプラスチックビンにいれた100mlの水中で(行程約1インチ、60サ イクル/1分)で振った。周期的に約3mlの溶液が除去され、純水に対する溶液 の屈折率(屈折率差)を測定することによって濃度が決定された。測定後、溶液 はビンに戻される。1日後、粒子が溶液から濾過され、乳鉢と乳棒とで砕かれる 。砕かれた粒子は溶液と一緒にされ、再び濃度が測定される。これは100%の 放出されたグルコースに対する濃度を示す。グルコースの放出パーセントを得る ために、いかなるときにも溶液中のグルコース濃度は、100%の放出に対する 濃度によって割られる。100ml中においてコートされない2gのグルコースに 対応する濃度によって100%の放出されたグルコースに対応する濃度を割るこ とによって負荷が算出される。 図1は時間に対する実施例1の粒子からの放出グルコースパーセントを示す。 コーティング量が増えると、放出速度が減少する。そして時間尺度はプロセス中 で適切に調整されることによって胃腸器官での滞在時間に従って時間内にグルコ ースを放出するように調整されている。 実施例2 回転ディスク上での高分子溶液を用いたコーテイング 回転ディスクによって粒子の高速塗布が可能となる。125μmのふるいは 通過するが75μmのふるい上に残る約100gのグルコースが、7.5%W/Vの エチルセルロースを含むエタノール1部に4部のアセトン溶液200ml中に懸濁 せしめられ、直ちに10000RPMで回転する(24の翼を持つ直径8インチ の)翼状ディスクの中央開口部に注ぐ。小片は乾燥しており直ちに集められた。 放出のためのテストの際、壁の厚さ平均9.6μmに対して89%の実質量(ペ イロード)(11%のコーティング)をもつ75〜300μmの小片は、5分間 に82%のグルコース濃度を放出し、20分間に97%放出する。このコーティ ングは軽く保護されているだけであることを示し、それのみでは十分でないが、 初期コートとして供することはできる。第2のコーティングは溶液から噴霧され ることによって形成されるトリステアリンを含む熱融液コーティングである。食 物や薬剤成分の一部として、木ろう、蜜ろう、カルナウバワックスおよび微結晶 ワックス同様、トリステアリン、トリパルミチン、トリラウリンあるいはグリセ リルベヘネートあるいはこれらの混合物、ジグリセライド、モノグリセライドの ようなトリグリセライドを含む、他の脂肪や脂肪のような物質もみとめられる。 プロテインもまた、第2コーティングとして使用可能であり、卵のアルブミン、 カゼイン、ゼインあるいは大豆プロテインも使用可能である。半合成高分子もま た使用可能であり、エチルセルロース、セルロースアセテートフタレート、ヒド ロキシプロピルメチルセルロースフタレートを含む。また合成高分子もまた、第 2コーティングとして使用可能であり、経口摂取のための薬状のコーティング用 に認可されているアクリレートコポリマーを含む。また一般にこれらの物質は溶 液、分散液、エマルジョンからの噴霧にも応用可能である。 実施例3 回転ディスク上での食用熱融液を用いたコーテイング 熱融液は次のようにして準備される。まず26gのステアリン酸を溶融して 150℃まで加熱する。10.5gのエチルセルロース(7cps)がその中で 溶融せしめられる。そして103gの水素化された牛脂が添加され、液体は、約 85℃まで導かれる。125μmのふるいは通過するが75μmのふるい上に残る 実施例2の生成物70gが融液に添加され、均一な混合物を形成するようにかき まぜられる。実施例2で用いられた回転ディスクは80℃まで加熱され1000 0RPMで回転するように駆動され、約300ml/min.でディスクの開口に懸濁 液が注がれる。合計して生成物の83%を構成する75〜150μmおよび15 0〜300μm2つの小片でテストを行った。有効量はそれぞれ34と44%で あった。5分間で放出率は51.4と20.5%になり、20分後には61.2 と34.7%が放出され、80分後には74.3と65.6%が放出された。5 時間後には両方の小片の81%が放出された。 実施例4 流動体ベッドでのエチルセルロースの溶液を用いたコーテイング 300μmのスクリーンは通過するが177μmのスクリーン上に残る750 gの無水グルコースを下から空気と共に流動せしめられている(直径6インチの )流動体ベッドに配置する。エチルセルロースが、容量で4/1のアセトン、エ タノールに溶解せしめられ3%w/v溶液となる。この溶液は25psiの空気圧 、8ml/minの液体速度で、空気を用いた2つの流体ノズルで噴霧される。そし てコーティングの5.4%が堆積されるまで噴霧がなされる。そして75〜30 0μmの小片が測定される。5分間で46.8%が放出され、20分間で72. 6%、80分間で91%が放出される。 実施例5 コーティングパン中でステアリン酸を用いたフラクトースのコーテイング フラクトースはふるいにかけられて420μmよりも小さい粒子が除去され る。そしてこのフラクトースを650g、実施例1で述べた装置に移し実施例1 におけるようなエタノール中で20%w/vの溶液を噴霧することによってステア リン酸でコーティングする。ここで得られたサンプルは、実質量すなわち75. 9%のグルコース容量をもつ。標準の放出テストにおいて10分で45.1%放 出され、1時間で48.2%、3時間で64%、19時間で91%放出した。 実施例6 回転ディスク上での水素化牛脂を用いたコーンスターチのコーテイング まず40gのステアリン酸(ビトコヒスタレーン9718)を溶融して13 5℃まで加熱する。20gのエチルセルロース(ダウ製の7のエソセル)がその 中で溶融せしめられる。そして140gの水素化された牛脂(クラフト製)が添 加され、溶融される。この融液中に、100gのコーンスターチミラーゲル46 3(スタレー製)が分散せしめられ、10000RPMで回転する8インチの翼 状のディスクを用いて噴霧される。そして、245gの生成物が収集された。 この生成物の粒子は30〜300μmの大きさの範囲にある。もとの澱粉粒は 約15μmであり、いくつかの粒が熱融液によって接着せしめられて生成物粒子 を形成する。 活性な容量を決定するために、生成物は乳鉢と乳棒で粉砕され1gが6000 分子カットオフのセロファンチューブに配置される。またこの管にも30mlの水 、0.05mlのBAN 120Lのアミラーゼ6単位(ノボノルディスク)、2 mlのAGM200 Lのアミログルコシダーゼ400単位(ノボノルディスク)が配 置される。1単位のアミラーゼは、1時間毎に5.25gの溶解可能な澱粉を3 7 ℃、PH5.6で分解する。1単位のアミログルコシダーゼが25を4.3で1 分毎に1マイクロモルのマルトースを加水分解する。セロファンの端部が結ばれ てU型に成形され、300mlのPH4.5のアセテートバッファ中に沈められる 。このバッファはマグネチックスターラーでかきまぜられ37℃に制御される。 12,24,48時間後、5mlのサンプルがバッファから取り出され、凍結され て、ヒタチ747グルコース ヘコキシナーゼ法により、分析される。酵素の存 在下におけるグルコースの調整が必要である。このサンプルから遊離されるグル コースの量は,被覆されていないミラーゲルから遊離されるグルコースの量の4 9%であり、12時間後もこの量は感知される程度には変化しなかった。 単純な消化シミュレーションで存在するグルコースの割合を決定するために、 403mgの澱粉を含む未粉砕の生成物821mgを除いて、さらに上述した測定を 実行した。 バッファから、実験開始から20分,1時間、4時間および8時間後にサンプ ルを取り出した。サンプルは凍結せしめられ、後に分析された。被覆されたミラ ーゲル澱粉は以下のような放出を示した。 他の澱粉質食物から得てあらかじめゼラチン化された澱粉からの炭水化物の制 御された放出は上記カプセル化方法によっても達成可能である。これは麦や米な どのシリアルから得られた澱粉および、じゃがいもやタピオカ等の根菜から得ら れた澱粉を含む。 インシュリンあるいは経口低血糖薬をとっている糖尿病患者は、特に運動中あ るいは運動後、あるいは活動を増大した時あるいはその後において、血糖反応を 低下する傾向にある。 低い血糖すなわち低血糖症は50mg/dl以下のグルコースレベルと規定され、 潜在的に重く激しい糖尿病の合併症である。一般の血糖範囲は通常70〜120 mg/dlである。低血糖症の症状は、震え、ふらつき(light−headed ness),心悸高進から、頭痛、かすみ、不調、そしてついには意識喪失から 死に至る。体が糖尿病から回復するのを助ける、2つの主たる反調整ホルモン、 グルカゴンおよびエピネフリンがある。数年間糖尿病を病んでいる人に対してホ ルモン分泌物を低減すると、より頻繁に低血糖反応を引き起こし、血糖が下がる ことに気付くのがさらに困難になり得る。 安全に運動するためには、糖尿病患者は、運動前、運動中あるいは運動後のい ずれかに食物摂取量を増加しなければならない。程よい運動(ダブルスのテニス 、軽いサイクリング、ゴルフ)は、1時間の運動で10〜15gの炭水化物を必 要とする。そして1〜2時間の激しい活動は25〜50gの炭水化物の追加を必 要とするかもしれない。炭水化物の放出制御のなされた飲料やスナックバーは運 動中あるいは運動後に低血糖となるのを防ぐのに役立つ。 放出制御炭水化物(CRC)は30〜1000μmの粒子サイズをもつ保存安 定粉末ということができる。滑らかでざらざらしない組成をもつ必要がある製品 には、より小さいサイズの粒子が用いられる。粒状で大きな粒径をもつ製品には より大きなサイズの粒子が用いられる。 本発明により活性成分がカプセル化されるとき、CRC粉末は比較的香りも味 も不活性で口当たりのいいものである。このことからCRC粉末は食物の特性や 風味に影響を与えることなくいろいろな食物に取り入れるれことができる。逆に 、消費者の受容度を高めるために着色剤や風味剤をコーティングに添加すること も可能である。食物の中における分散を助けるために、コーティン乳化剤を添加 することも可能である。 コートされた炭水化物が速やかに水に解けるようなCRC粉末は、消化システ ムに送られる際に、拡散プロセスでその負荷を放出する。したがってこの製品は 液体システムや、ヨーグルトなどの粘性(ビスコース)システムなどにおいて混 合することにより調合され、調合後5〜15分で消費される。 CRC粉末は、コーティングされる炭水化物があらかじめゼラチン化された澱 粉であるように調整されても良い。炭水化物の負荷は、水和作用、膨脹および消 化液アミラーゼとの反応で放出される。したがって、澱粉粒をベースとするCR C粉末は、液体システムにおいて長期安定化をはかることができる。これにより 、食品における適用範囲を、RTE食品(プディング、ヨーグルト、フローズン 食品)および飲料に拡張することになる。 CRC粉末は、水活性の低い、乾燥飲料、栄養飲料粉末、デザートミックスの ような食物に添加される。製品はレシピにしたがって調合され、消費される。 CRC粉末は、単独の炭水化物源としてあるいは急速に吸収されるコーティン グのない炭水化物との組み合わせで用いても良い。 CRC粉末は摂取後約4時間以内に炭水化物の実質量の固まりを放出するよう に設計されている。4時間より放出時間が長くなると大腸で炭水化物の異常放出 を引き起こす。これは浸水バランスに影響を与えバクテリアの発酵によりガスの 発生や下痢を起こすという危険が増大する。 CRC物質のカロリー放出計算 CRC製品は、実施例1におけるようなステアリン酸でグルコース粒をコーテ ィングすることによって製造される。グルコース実質量は約75%であり、コー ティングの厚さは、摂取後1〜4時間以内に80%放出するように調整される。 上記パラメータによれば、グルコースから100kcalのエネルギーが放出 されるごとに、41.7gの物質が必要となる。 計算 100Kcal/(4Kcal/グラムグルコース)=25.0gグルコース 25g/0.75 実質量放出=100%放出で33.3gCRC 33.3g/0.80放出率=80%放出で41.7gCRC 炭水化物負荷および放出速度は個々の栄養の必要性と製品の使用法とによって 調整可能である。 上記実施例で用いたのとは異なるカロリー放出例を以下に示す。 炭水化物の放出制御のための製品使用方法 1.25gのCRCが15gのCHOと60Kcalのエネルギーを放出する 。 2.41.7gのCRCが25gのCHOと100Kcalのエネルギーを放 出する。 3.50.0gのCRCが30gのCHOと120Kcalのエネルギーを放 出する。 9オンスの調合された飲料が、22gの速やかに吸収可能なコーティングのな されていない炭水化物に加えて30gの放出制御された炭水化物を提供するよう に作られている。CRC物質は以下のように放出するようにカプセル化されてい る。 この放出制御のなされた飲料は2時間の激しい運動を支える。糖尿病患者が仮 に、ゴルフの1ラウンドのような3時間の穏やかな運動を支えたい場合には、6 オンスの飲料を飲むだけでよい。これは次のようになる。 常に個人差はあるが、この製品によれば、一般にこの範囲でスタートするなら ば糖尿病で運動する人が、100〜180mg/dlの間の血糖レベルを維持するよ うにすることができる。 CRCを“エネルギーバー”や“グラノーラバー”のようなスナックバーに組 み込むことにより同様の放出速度を得ることができる。噛むことによってCRC 粒の一部が砕かれることがあるかもしれないが、多くのものは、飲み込まれたか たまりの一部としてそのままで摂取される。噛むことによって放出される速やか に吸収可能な炭水化物の量は運動開始時に必要とされるカロリーに付加される。 上記9オンスの飲料サンプルにおけるカロリ量が3つに区切られた1本のバー に組み込まれ得る。2時間の激しい運動の間、すべてのバーを食する。3時間の 穏やかな運動の間、後の消費に残るように追加の炭水化物を含めて3分の2を食 する。代わりに同量の炭水化物量を3つの小さなバーで放出するようにしてもよ い。 糖尿病患者にとって夜間から通常は午前3時ごろまでの間、低血糖症は深刻な 問題となり得る。就寝前半時間に摂取されるベッドタイム飲料は15gの通常の 吸収をするコーティングされていない炭水化物と放出の遅い15gのCRCとを 与えるように処方されている。 これにより、1日中激しく運動し、かつ運動後30時間までの間低血糖症の危 険がある人にとっては、夜間に血糖が下がるのが防止される。もし血糖値が十分 に制御されるならば、夜中の血糖が70〜140mg/dlの許容できる範囲で残留 するであろう。個々人に違いがあり、放出曲線やレベルは個々の人の医学的必要 性に基づいて調整される。 CRCとともに製造される製品は、繊維、ビタミン、他の付加的な栄養的利点 を与えるミネラルなどの他の栄養を含むようにすることも可能である。 実施例7 8オンスの飲料中に42gのコーティングされたグルコースを含有する、人工 的に甘みを付加した粉末ソフトドリンク 8flオンスの冷水に粉末を添加し、振るか完全に掻き混ぜて飲む。 *グルコースから100Kcal−25gのグルコース 上記例を用いて、フラクトース、グルコースあるいはサクロースなどの被覆さ れていない糖分を必要カロリー量の一部(10〜50%)を放出するように添加 し、これによって、コーティングされたグルコースのレベルは減少せしめられる 。 実施例8 計算式ではCRCからの炭水化物12.6gと、グルコースからの炭水化物2 2gとを放出する。 実施例9 インスタントチョコレートプディング レシピ ボールにミックスを注ぐ。そして2カップの冷たいスキムミルクを加えビータ ーで2〜3分間混ぜる。そしてサービングカップに注ぎ冷やす。このようにして 半カップを4つ作る。 実施例10 スナック・バー 計算式ではCRCからの炭水化物15gと、グルコースとグラノーラシリアル ブレンド(押し大麦、小麦、グルコースシロップ)からの処理されていない炭水 化物15gとを放出する。 実施例11 ダークチョコレート・バー 計算式ではCRCからの炭水化物15gと、サクロースおよびチョコレートリ キュールからの炭水化物33gとを放出する。 本発明は選択された実施例について説明したが、本発明の範囲を逸脱しない範 囲で種々変更したり、エレメントを同等のもので置換したりすることができるこ とはあきらかである。 加えて、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で特別の状態や物質を加えるように変 更することも可能である。 従って、本発明はこの発明を実施するにあたり熟慮されたベストモードとして 開示された実施例に限定されるべくなされたものではなく、クレームの範囲内の すべての例および等価なものを含む。 本発明のいろいろな態様を以下のクレームで開示する。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI // A23L 1/22 9359−4B A23L 1/29 1/29 9548−4B 2/00 F

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 (1) 食物や、飲料に用いられる食用成分であって、 a)代謝可能な炭水化物からなるコアと、 b)前記コアが時間遅延放出コーティングを有し、 c)前記コーティングされるコアのサイズは、約30〜1000μmであり、 前記コーティングがコア上で均一に分布せしめられており、 d)コーティングされたコアが安定に保存可能で、消化システムにおいて前記 炭水化物が遅延して放出され得るようにしたことを特徴とする食用成分。 (2) 前記コーティングされたコアは75〜500μmの大きさであることを 特徴とする請求の範囲第1項に記載の食用成分。 (3) 前記コーティングされたコアは150〜300μmの大きさであること を特徴とする請求の範囲第1項に記載の食用成分。 (4) 前記コアは、サクロース、グルコース、ラクトース、デキシトリン、前 もってゼラチン化された澱粉、フラクトース、マルトース、モノサッカライド、 ジサッカライド、オリゴサッカライドおよびポリサッカライドからなるグループ から選択されていることを特徴とする請求の範囲第1項に記載の食用成分。 (5) 糖尿病患者の処置方法であって、 a)サクロース、グルコース、ラクトース、デキシトリン、前もってゼラチン 化された澱粉、フラクトース、マルトース、モノサッカライド、ジサッカライド 、オリゴサッカライドおよびポリサッカライドからなるグループから選択された 炭水化物を食用のコーティングによって被覆する被覆工程と、 b)前記コーティングのなされた炭水化物を糖尿病患者に経口投与して、前記 コーティングのなされた炭水化物が消化器官で放出制御せしめられ、消化器官内 でゆっくり放出する工程を含むことを特徴とする糖尿病患者の処置方法。 (6) 前記被覆工程は、約30〜約1000μmの粒子サイズになるようにコ ーティングする工程を含むことを特徴とする請求の範囲第5項に記載の糖尿病患 者の処置方法。 (7) 前記被覆工程は、約75〜約500μmの粒子サイズになるようにコー ティングする工程を含むことを特徴とする請求の範囲第5項に記載の糖尿病患者 の処置方法。 (8) 前記被覆工程は、約150〜約300μmの粒子サイズになるようにコ ーティングする工程を含むことを特徴とする請求の範囲第5項に記載の糖尿病患 者の処置方法。 (9) 前記被覆工程は、噴霧、パンコーティング、流動体ベッドコーティング 、回転ディスクを用いるもののグループから選択されたコーティング手順を含む ことを特徴とする請求の範囲第5項に記載の糖尿病患者の処置方法。 (10) 消化器官において代謝される炭水化物の投与制御方法であって、 a)炭水化物粒子を準備する工程と、 b)被覆された粒子のサイズが約30〜約1000μmとなるように前記粒子 に食用のコーティングを形成する工程と、 c)前記コーティングのなされた炭水化物が、消化器官でゆっくり放出し、制 御された方法で吸収および消化するように前記炭水化物を放出するように、前記 コーティングのなされた炭水化物を人に投与する工程とを含むことを特徴とする 消化器官において代謝される炭水化物の投与制御方法。 (11) 前記被覆工程は、約75〜約500μmの粒子サイズになるようにコ ーティングする工程を含むことを特徴とする請求の範囲第10項に記載の消化器 官において代謝される炭水化物の投与制御方法。 (12) 前記被覆工程は、約150〜約300μmの粒子サイズになるように コーティングする工程を含むことを特徴とする請求の範囲第10項に記載の消化 器官において代謝される炭水化物の投与制御方法。 (13) 前記被覆工程は、噴霧、パンコーティング、流動体ベッドコーティン グ、回転ディスクを用いるもののグループから選択されたコーティング手順を含 むことを特徴とする請求の範囲第10項に記載の消化器官において代謝される炭 水化物の投与制御方法。 (14) 前記コアが、サクロース、グルコース、ラクトース、デキシトリン、 前もってゼラチン化された澱粉、フラクトース、マルトース、モノサッカライド 、ジサッカライド、オリゴサッカライドおよびポリサッカライドからなるグルー プから選択されていることを特徴とする請求の範囲第10項に記載の消化器官に お いて代謝される炭水化物の投与制御方法。
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