【発明の詳細な説明】
L−アミノ酸オキシダーゼ
技術分野
本発明は、広い基質特異性をもち、そしてトリコデルマ・ハルジアナム(Tric hoderma harzianum
)種から得られる新規のL−アミノ酸オキシダーゼに関する
。本発明に係る酵素は、さまざまな文脈において過酸化水素のその場の生成のた
めに使用されることができ、そして有利には、洗浄の間に染色された布から他の
布に染料が移るのを阻止するためにペルオキシダーゼ系をも含んで成る洗剤組成
物中に、基質と一緒に取り込まれることができる。
背景技術
洗浄手順における、そして洗浄組成物の構成成分としての漂白剤の使用は、本
分野においてよく知られている。従って、漂白剤は、商業的に入手可能な洗浄組
成物のほとんどの中に取り込まれ、又は洗浄が行われるとき洗剤に添加されるよ
うに案出された別々の調製物として販売されている。
洗剤組成物中に取り込まれた漂白剤は、最も多くは、過酸化水素の前駆体であ
る。過ホウ酸塩及び過炭酸塩は、漂白剤として使用される化合物の最も重要な例
である。
洗剤に漂白剤を添加する元来の目的は、衣類の一般的な白さを達成及び維持し
、そして特に、その上のシミ、例えば茶、コーヒー、フルーツ・ジュース、赤ワ
イン、等を漂白することである。
その後、過酸化水素から誘導され又はこれを含む漂白システムは、染料の移り
を減少するために、すなわち、染色された布から溶脱
し、そして他の布にデポジットする過剰の染料から生じる変色を防止するために
引き合いにも出されてきたが、最近、過酸化水素源及びペルオキシダーゼ(及び
たぶんさらなる成分)を含むシステムが開示された。例えば国際特許出願WO 91
/05839参照。この特許出願により教示された過酸化水素源についての1の可能
性は、オキシダーゼ系、すなわち、そのための基質と一緒のオキシダーゼである
。このようなオキシダーゼは、もちろん、その洗剤マトリックス、そして特に、
そのペルオキシダーゼ・システムと適合性でなければならない。
L−リシンに対するひじょうに高い基質特異性をもつトリコデルマ・ビリデ(Trichoderma viride
)からのL−アミノ酸オキシダーゼは、GB 2015532中に報告
されている。
発明の要約
ひじょうに広い基質特異性をもつ新規のL−アミノ酸オキシダーゼがトリコデ
ルマ・ハルジアナム(Trichoderma harzianum)から得られることができること
が今般発見された。この新規の酵素は、過酸化水素のその場(in situ)の生成
についての優れた特性を有している。
従って、本発明は、(L−アルギニンの存在中20℃において20分間のインキュ
ベーションの後に測定される)pH8.5〜9.5のレンジ内の最適pH、(基質の存在中
40℃において1時間のインキュベーションの後に測定される)pH9.5における
最初の活性に対して80%以上のpH安定性、L−アルギニン,L−リシン、L−メ
チオニン、L−アスパラギン、L−フェニルアラニン、及びL−ロイシンに対す
る活性をもつL−アミノ酸オキシダーゼ(E.C.1.4.3.2)を提供する。
他の態様においては、本発明は、本発明に係るL−アミノ酸オキシダーゼの製
造方法であって、炭素及び窒素源及び無機塩を含む好適な栄養培地中でトリコデ
ルマ・ハルジアナム(Trichoderma harzianum)のL−アミノ酸オキシダーゼ生
産株を培養し、その後、所望の酵素を回収することを含んで成る方法を提供する
。
さらなる態様においては、本発明は、本発明に係るL−アミノ酸オキシダーゼ
を含んで成る洗剤添加物であって、粒状物、好ましくは非発塵性粒状物、液体、
特に安定化液体、スラリー、又は保護酵素の形態で提供されるものを提供する。
そしてさらなる態様においては、本発明は、本発明に係るL−アミノ酸オキシ
ダーゼ及びそのオキシダーゼのための基質を含んで成る洗剤を提供する。
微生物
トリコデルマ・ハルジアナム(Trichoderma harzianum)A611の株を、1993年
2月22日、特許手続上の微生物の寄託の国際的承認に関するブダペスト条約に従
って、Centraal Bureau voor Schimmelcultures(CBS),Oosterstraat 1,3740
AG Baarn,Netherlandに寄託番号第CBS 223.93の下、寄託した。
図面の簡単な説明
本発明を添付図面の参照によりさらに説明する。ここで、
図1は、本発明に係るL−アミノ酸オキシダーゼのpH活性特性(%活性)を示
し;
図2は、本発明に係るL−アミノ酸オキシダーゼのpH安定性(%残活性)を示
し;
図3は、本発明に係るL−アミノ酸オキシダーゼの温度安定性(%残活性)を
示し;
図4A−4Bは、本発明に係るL−アミノ酸オキシダーゼの活性に対するpHBS
(加速剤)と併合されたペルオキシダーゼの効果を示し(4AはpHBS非存在中;
4Bは50μM pHBS存在中);
図5は、35℃及びpH8.5におけるコプリナス・シネレウス(Coprinus cinereus
)ペルオキシダーゼ(Cip)及び過酸化水素又はL−アミノ酸オキシダーゼ(AAO
)による染料メチル・オレンジ(8μM)の漂白を示し(465nm、秒計測;1:1
0nM Cip、230μM H2O2;2:10nM Cip、1mM L−ロイシン、16μg/ml AAO;3
:10nM Cip、53μM pHBS、1mM L−ロイシン、16μg/ml AAO;4:10nM Cip、
53μM pHBS、230μM H2O2);そして
図6は、35℃及びpH8.5におけるコプリナス・シネレウス(Coprinus cinereus
)ペルオキシダーゼ(Cip)及び過酸化水素又はL−アミノ酸オキシダーゼ(AAO
)による染料メチル・オレンジ(8μM)の漂白を示す(465nm、秒計測;1:1
6μg/ml AAO;1mM L−ロイシン;2:32μg/ml AAO、1mM L−ロイシン;
3:230μM H2O2)。
発明の詳細な説明
本発明は、以下の特徴により説明されることができる新規のL−アミノ酸オキ
シダーゼ(E.C.1.4.3.2)を提供する。物理化学的特性
L−アミノ酸オキシダーゼ調製物を、本明細書の実施例3に従う特徴付けに供
した。
本発明に係るL−アミノ酸オキシダーゼは、7未満のpHから約12のpHまでの間
に活性を示す。本酵素は、L−アルギニンの存在中室温において20分間のインキ
ュベーション後に測定されるとき、pH8〜10のレンジ内の、より特にpH8.5〜9.5
のレンジ内の最適pHをも
つ。
本発明に係るL−アミノ酸オキシダーゼは、pH7〜9.5のレンジ内で最初の活
性に対し80%を上廻るpH安定性をもつ。pH10においては、本発明に係るL−アミ
ノ酸オキシダーゼは、基質の非存在中40℃において1時間のインキュベーション
後に測定されるとき、最初の活性に対して70%を上廻る、好ましくは80%を上廻
るpH安定性をもつ。
本発明に係るL−アミノ酸オキシダーゼは、22℃未満から60℃を超えるまでの
温度域内で安定である。本酵素は、25℃〜60℃のレンジ内で最初の活性に対して
80%を上廻る温度安定性を示す。
本発明に係るL−アミノ酸オキシダーゼは、L−アルギニン、L−リシン、L
−メチオニン、L−アスパラギン、L−フェニルアラニン、及びL−ロイシンに
対して活性を示す。免疫化学的特性
本発明に係るL−アミノ酸オキシダーゼは、トリコデルマ・ハルジアナム(T .harzianum
)A611,CBS 223.93から得られたL−アミノ酸オキシダーゼのもの
と同一の又は部分的に同一の(すなわち、少なくとも部分的に同一の)免疫化学
的特性をもつ。この免疫化学的特性は、交差反応同定テストにより免疫学的に測
定されることができる。この同定テストは、よく知られたオクタロニー二重免疫
拡散手順により又はAxelsen N.H.;Handbook of Immunoprecipitation-in-Gel
Techniques;Blackwell Scientific Publications(1983),Chapters 5 and 1
4に従うタンデム交差免疫電気泳動により、行われることができる。用語“抗原
の同一(antigenic identity)”及び“部分的な抗原の同一”は、同一本、Chap
ter 5,9及び20中に記載されている。
モノ特異的抗血清は、精製された本発明に係るL−アミノ酸オキ
シダーゼによりウサギを免疫感作させることにより上述の文献に従って生成され
る。免疫原をFreund’dアジュバントと混合し、そして2週間毎にウサギに皮下
注射する。抗血清を8週間の全免疫感作期間の後に得て、そして免疫グロブリン
をAxelsen N.H.,前掲により記載されたようにそれから調製する。酵素の調製
本発明に係るL−アミノ酸オキシダーゼを、酵素及び窒素源及び無機塩を含む
好適な栄養培地中でトリコデルマ・ハルジアナム(Trichoderma harzianum)の
L−アミノ酸オキシダーゼ生産株を培養し、その後、所望の酵素を回収すること
により得ることができる。
好ましい態様においては、株トリコデルマ・ハルジアナム(T.harzianum)A6
11,CBS 223.93、又はその突然変異体又は変種を培養する。
本発明に係るL−アミノ酸オキシダーゼは、組換えDNA技術により得られるこ
ともできる。工業的用途
本発明に係るL−アミノ酸オキシダーゼは、その基質との組合せにおいて、過
酸化水素のその場の生成が要求される工程内で履行されることができる。
従って、好ましい態様においては、本発明に係るL−アミノ酸オキシダーゼは
、有利には、洗剤組成物中に、特に、例えば洗濯の間の染料移りの阻止のために
又は洗濯洗剤における改良された漂白のために、ペルオキシダーゼ・システムを
含んで成る洗剤組成物中に取り込まれることができる。
他の好ましい態様においては、本発明に係るL−アミノ酸オキシダーゼは、歯
磨粉中に取り込まれ、又は化粧品の保存のために使用されることができる。
さらに他の態様においては、本発明に係るL−アミノ酸オキシダーゼは、廃水
の処理のための工程において、製紙のためのパルプの漂白のために、パルプ製造
からの廃水の処理において、そしてリグニン修飾のために、例えばパーティクル
・ボード製造において履行されることができる。PODシステム
過酸化水素形成のためのペルオキシダーゼ・システム(PODシステム)内で本
発明に係るL−アミノ酸を使用することが望ましい。
本発明の文脈中、PODシステムは、ペルオキシダーゼ活性を示す酵素、過酸化
水素の源、及び場合によりペルオキシダーゼ強化剤を含んで成るシステムである
。このようなペルオキシダーゼ・システムは、染料移り阻止を得るために使用さ
れており、そして、例えば国際特許出願WO 92/18687及びWO 92/18683中に記載
されている。
このようなペルオキシダーゼ・システム内では、ペルオキシダーゼ活性を示す
酵素は、酵素分類EC.1.11.1.7に含まれるいずれかのペルオキシダーゼ酵素
、又はペルオキシダーゼ活性を示す、それらから得られるいずれかの断片(例え
ば、ポルフィリン環系又はマイクロペルオキシダーゼ、例えば国際特許出願WO 9
1/05858及びWO 92/16634参照)であることができる。このような酵素は、微生
物、植物及び動物起源から知られている。
ペルオキシダーゼは、植物により(例えば西洋ワサビ・ペルオキシダーゼ)又
は微生物、例えば真菌又はバクテリアにより生産されることができる。好ましく
は、ペルオキシダーゼは、コプリナス(Coprinus)、例えばコプリナス・シネレ
ウス(C.cinereus)又はコプリナス・マクロリザス(C.macrorhizus)、又は
バチルス(Bacillus)、例えばバチルス・プミラス(B.pumilus)から得られ、
特
に国際特許出願WO 91/05858に係るペルオキシダーゼである。
さらにペルオキシダーゼは、組換えDNA技術により生産されることができるも
のであることができる。特に、組換えにより生産されたペルオキシダーゼは、コ
プリナス種(Coprinus sp.)、特に国際特許出願WO 92/16634に係るコプリナ
ス・マクロリザス(Coprinus macrorhizus)又はコプリナス・シネレウス(Copr inus cinereus
)から得られるペルオキシダーゼである。
ペルオキシダーゼ・システム内では、過酸化水素の源は、過酸化水素又は過酸
化水素前駆体、例えば過炭酸塩又は過ホウ酸塩、又は過酸化水素生成酵素システ
ム、例えばオキシダーゼ及びそのオキシダーゼのための基質であることができる
。
ペルオキシダーゼ・システム内では、例えば、国際特許出願WO92/18683及びW
O 92/18687、及びKato M and Shimizu S,Plant Cell Physiol.1985 26(7)
,pp.1291-1301(特に表1参照)、又はSaunders B C,et al.,Peroxidase,L
ondon,1964,p.141 ff中に記載された、酸化性基質、例えば金属イオン又はフ
ェノール性化合物、例えば7−ヒドロキシクマリン(7HCm)、バニリン(VAN)
、及びp−ヒドロキシベンゼンスルホネート(pHBS)であることができる。洗剤組成物
本発明に従えば、L−アミノ酸オキシダーゼは、典型的には洗剤組成物の成分
であることができる。このとき、それは、非発塵粒状物、安定化液体、又は保護
酵素の形態で洗剤組成物中に含まれることができる。非発塵粒状物は、例えば米
国特許第4,106,991号及び第4,661,452号(両方Novo Industri A/Sに付与された
)中に記載されたように調製され、そして本分野において公知の方法により場合
によりコートされることができる。ワックス状コーティング材
料の例は、ポリ(エチレン−オキシド)製品(ポリエチレングリコール、PEG)
であって1000〜20000の平均モル重量をもつもの:16〜50エチレン・オキシド単
位をもつエトキシル化ノニルフェノール;エトキシル化脂肪アルコールであって
、そのアルコールが12〜20炭素原子を含むもの及び15〜80のエチレン・オキシド
単位が存在するもの;脂肪酸;並びに脂肪酸のモノ−及びジ−及びトリグリセリ
ドである。流動床技術による適用に好適なフィルム形成コーティング材料の例は
、特許GB 1483591中に与えられている。例えば、液体酵素調製物は、確立された
方法に従って、ポリオール、例えばプロピレン・グリコール、糖又は糖アルコー
ル、乳酸又はホウ酸を添加することにより安定化されることができる。他の酵素
安定化剤が本分野においてよく知られている。保護酵素は、EP 238,216中に開示
された方法に従って調製されることができる。
本発明に係る洗剤組成物は、いずれかの便利な形態、例えば粉末、粒状物、ペ
ースト又は液体として存在することができる。液体洗剤は、水性であり、典型的
には、70%までの水、及び0−30%の有機溶媒を含み、又は非水溶性であること
ができる。
洗剤組成物は、1以上の界面活性剤であって、その中のそれぞれがアニオン性
、非イオン性、カチオン性、又は両イオン性であることができるものを含んで成
る。洗剤は、普通には、0−50%のアニオン性界面活性剤、例えば線状アルキル
ベンゼンスルホネート(LAS)、アルファ−オレフィンスルホネート(AOS)、ア
ルキル・スルフェート (脂肪アルコール・スルフェート)(AS)、アルコール
・エトキシスルフェート(AEOS又はAES)、第2アルカンスルホネート(SAS)、
アルファ−スルホ脂肪酸メチル・エステル、アルキル−又はアルケニルスクシン
酸又は石けんを含むであろう。それはまた、0−40%の非イオン界面活性剤、例
えばアルコール・エトキシレート(A
EO又はAE)、カルボキシル化アルコール・エトキシレート、ノニルフェノール・
エトキシレート、アルキルポリグリコシド、アルキルジメチルアミンオキシド、
エトキシル化脂肪酸モノエタノールアミン、脂肪酸モノエタノールアミド、又は
ポリヒドロキシ・アルキル・脂肪酸アミド(例えば、WO 92/06154中に記載され
たもの)を含むこともできる。
洗剤組成物は、さらに、1以上の他の酵素、例えばアミラーゼ、リパーゼ、ク
チナーゼ(cutinases)、プロテアーゼ、セルラーゼ、ペルオキシダーゼ、及び
他のオキシダーゼを含んで成ることができる。
特定の態様においては、本発明は、洗剤添加物を提供する。上記酵素は、1以
上の酵素を含む別個の添加物を添加することにより、又は、これらの酵素のすべ
てを含んで成る併合添加物を添加することにより洗剤組成物中に含まれることが
できる。
さらに特定の態様においては、本発明は、洗剤添加物及び洗剤組成物であって
、L−アミノ酸オキシダーゼのための基質をさらに含んで成るものを提供する。
好適な基質は、1以上のL−アルギニン,L−リシン、L−メチオニン、L−
アスパラギン、L−フェニルアラニン、及びL−ロイシンであることができる。
洗剤は、1−65%の洗剤ビルダー又は錯体形成剤、例えばゼオライト、ジホス
フェート、トリホスフェート、ホスホネート、シトレート、ニトリロトリ酢酸(
NTA)、エチレンジアミンテトラ酢酸(EDTA)、ジエチレントリアミンペンタ酢
酸(DTMPA)、アルキル−又はアルケニルスクシン酸、可溶性シリケート又は層
状シリケート(例えばHoechstからのSKS-6)を含むことができる。洗剤は、ビル
ドされない、すなわち洗剤ビルダーを本質的に含まないこともできる。
洗剤は、1以上のポリマーを含んで成ることができる。例は、カルボキシメチ
ルセルロース(CMC)、ポリ(ビニルピロリドン)(PVP)、ポリエチレングリコ
ール(PEG)、ポリ(ビニル・アルコール)(PVA)、ポリカルボキシレート、例
えばポリアクリレート、マレイン酸/アクリル酸コポリマー、及びラウリル・メ
タクリレート/アクリル酸コポリマーである。
洗剤は、過酸形成漂白活性剤、例えばテトラアセチルエチレンジアミン(TAED
)又はノナノイルオキシベンゼンスルホネート(NOBS)と併合されることができ
るH2O2源、例えば過ホウ酸塩又は過炭酸塩を含んで成ることができる漂白システ
ムを含むことができる。あるいは、漂白システムは、例えばアミド、イミド、又
はスルホン型のペルオキシ酸を含んで成ることができる。
本発明に係る洗剤組成物の酵素は、慣用の安定化剤、例えばポリオール、例え
ばプロピレン・グリコール又はグリセロール、糖又は糖アルコール、乳酸、ホウ
酸、あるいはホウ酸誘導体、例えば芳香族ホウ酸エステルを使用して安定化され
ることができ、そしてこの組成物は、例えばWO 92/19709及びWO 92/19708中に
記載されたように配合されることができる。
洗剤は、他の慣用の洗剤成分、例えば、粘土、発泡剤、泡抑制剤、抗腐食剤、
土壌懸濁剤、抗−土壌脱沈着剤、染料、殺菌剤、光学的ブライトナー、又は芳香
剤を含む織物コンディショナーをも含むことができる。
(使用濃度における水性溶液中で測定された)pHは、普通、中性又はアルカリ
性、例えば7−11であろう。
本発明の範囲内の洗剤組成物の特定の形態は、以下のものを含む:
1)少なくとも600g/lのバルク密度をもつ粒状物として配合
された洗剤組成物であって、
を含んで成るもの。
2)少なくとも600g/lのバルク密度をもつ粒状物として配合された洗剤組
成物であって、
を含んで成るもの。
3)少なくとも600g/lのバルク密度をもつ粒状物として配合された洗剤組成
物であって、
を含んで成るもの。
4)少なくとも600g/lのバルク密度をもつ粒状物として配合された洗剤組
成物であって、
を含んで成るもの。
5)水性液体洗剤組成物であって、
を含んで成るもの。
6)水構成洗剤組成物であって、
を含んで成るもの。
7)少なくとも600g/lのバルク密度をもつ粒状物として配合された洗剤組
成物であって、
を含んで成るもの。
8)粒状物として配合された洗剤組成物であって、
を含んで成るもの。
9)粒状物として配合された洗剤組成物であって、
を含んで成るもの。
10)水性液体洗剤組成物であって、
を含んで成るもの。
11)水性液体洗剤組成物であって、
を含んで成るもの。
12)少なくとも600g/lのバルク密度をもつ粒状物として配合された洗剤組
成物であって、
を含んで成るもの。
13)線状アルキルベンゼンスルホネートの内容部−又はその一部−がアルキル
・スルフェート(C12-18)により置換されている1)−12)に記載したような
洗剤配合品。
14)追加の成分又は既に特定した漂白システムのための代替物のいずれかとし
て安定化され又はカプセル化された過酸を含む1)−13)に記載したような洗剤
配合品。
15)過ホウ酸塩の内容物が過炭酸塩により置換されている3),7)、及び12
)に記載したような洗剤組成物。
16)非水性洗剤液体として配合された洗剤組成物であって、例えば線状アルコ
キシル化第一アルコールのような液体非イオン界面活性剤、ビルダー・システム
(例えば、ホスフェート)、酵素及びアルカリを含んで成るもの。この洗剤は、
アニオン界面活性剤及び/又は漂白システムを含んで成ることもできる。
本発明に係るL−アミノ酸オキシダーゼは、洗剤中に便利に使用
される濃度において取り込まれることができる。目下、本発明に係る洗剤組成物
中、本L−アミノ酸オキシダーゼが洗浄液1リッター当り0.001〜100mgの酵素に
一致する量において添加されることができる。
以下の実施例は、さらに本発明を説明し、そしてそれらは、請求されたものと
しての本発明の範囲をいかなる方法によるかを問わず限定することを意図されな
い。
実施例1培養実施例
本実施例は、L−アミノ酸オキシダーゼのための本発明に係る方法について説
明する。
種母培養を、500mlのバッフル付振とうフラスコ内で増殖させた。これに、2.4
%コーン・スティープ・リカー、2.4%グルコース及び0.4%のCaCO3を含む250ml
の培地をチャージした。滅菌後、この培地を、株トリコデルマ・ハルジアナム(T.harzianum
)A611,CBS 223.93の寒天スラント培養からの菌糸により接種した
。この振とうフラスコを、その後、26℃において約70時間振とう台の上でインキ
ュベートした。
この種母培養からの接種物を、無菌空気源及びインペラ撹拌手段をもつ2リッ
ターの発酵槽内に接種した。この発酵槽に、10%のコーン・スティープ・リカー
、0.5%のグルコース、0.5%の(NH4)2SO4、0.07%のKH2PO4、0.2%のL−アル
ギニン及び1.0%のCaCO3を含む1.2リッターの培地をチャージした。
接種後、この培地の温度を28℃に維持し、そして発酵の間1分当り培地容量当
り0.8空気容量の通気速度において通気した。このイペラ速度は900rpmであった
。最初の24時間以内に、この発酵培地のpHを、25%のグルコース及び2.5%のH3P
O4の溶液による滴定によ
り、6.0に維持した。24時間目から、pH設定値を5.8に変更し、そして発酵の間、
そこに維持した。この発酵を、約96時間進行せしめた。このとき、リッター当り
約250mgの酵素タンパク質の収率を得た。
実施例2精製実施例
実施例1に従って得られた2.7リッターの培養ブロスをpH 5.0に調整し、そし
て不溶性物質を濾過により取り出した。L−アミノ酸オキシダーゼは、50mMアセ
テート・バッファー、pH 5.0の1l中に懸濁された約270gの固体Ca3(PO4)2に
吸着された。室温において2時間撹拌した後、このスラリーを濾過し、そして、
吸着されたタンパク質をpH 8.0における約750mlの0.1Mリン酸ナトリウムにより
溶出した。この溶出液のバッファーを、限外濾過により、20mMリン酸ナトリウム
、pH7に変更した。最後に、この溶出液を120mlに濃縮した。膜カット・オフは1
0,000Daであった。
このサンプルを、20mMリン酸ナトリウム、pH 7.0中で平衡化されたQ Sepharos
e Fast Flowカラム上にロードした。このカラムを2カラム容量の同一バッファ
ーにより洗浄し、そして20mMリン酸ナトリウム、pH 7.0中0から1MまでのNaCl
のグラジエントにより溶出させた。L−アミノ酸オキシダーゼ活性を含む画分を
プールした。このプールされたタンパク質は、SDS-PAGEにより判断されるとき純
粋である。
精製されたL−アミノ酸オキシダーゼの比活性は、基質として1mM L−アルギ
ニンにより、pH 8.5、20℃における50mMホスフェート・バッファー中で16U/mg
と測定された。酵素の1ユニットは、1分当り1μモルの過酸化水素を形成する
であろう。280nmにおいて測定された1の吸光度をもつL−アミノ酸オキシダー
ゼの溶液が1
mgタンパク質/mlを含むと仮定して、タンパク質の量を定量した。このL−アミ
ノ酸オキシダーゼの収率は、培養基1リッター当り約50mgの純粋タンパク質であ
った。
実施例3特徴付け実施例
先の実施例に従って得られたL−アミノ酸オキシダーゼの特徴付けをマイクロ
タイター・プレートを使用して実施した。このマイクロタイター・プレートを以
下に示す温度及び時間間隔においてインキュベートした。
ペルオキシダーゼ活性を、ペルオキシダーゼ・ユニット(PODU)において表し
、1ユニットは、標準条件(すなわち、pH 7.0;温度30℃;反応時間3分間)の
下、1分当り1μモルの過酸化水素の変換を触媒する酵素量として定義される。
活性は、発色団としてABTS(2,2′−アジノビス(3−エチルベンゾチアゾリ
ン−6−スルホネート))に基づく検定を使用して測定され、生じた緑青色は41
8nmにおける吸収により測定される。
以下の特徴付け実験において、H2O2の検出を、pH 7.0におけるホスフェート・
バッファー中、4.5 PODU/ml、及び0.4mM ABTSのレベルにおいて、WO 92/16634
に従って得られたコプリナス・シネレウス(Coprinus cinereus)ペルオキシダ
ーゼ(CiP)を使用して行われた。過酸化水素濃度を、新たに調製した過酸化水
素の標準溶液と比較して測定した。最適pH
検定を2段階で行った。第1段階においては、L−アミノ酸オキシダーゼを、
さまざまなpHにおける100mMのホスフェート・バッファー中の1mMのL−アルギ
ニンと共に20分間インキュベートした。第2段階においては、生成した過酸化水
素を先に記載したように検
出した。
結果を図1中に表す。このテストにより測定されるように、本発明に係るL−
アミノ酸オキシダーゼは、7未満のpHから約12のpHまでの間に活性を示す。酵素
はpH8〜10のレンジ内に最適pHをもつ。pH安定性
L−アミノ酸オキシダーゼを、50mMのホスフェート・バッファー中40℃におい
て1時間さまざまなpH値においてインキュベートした。希釈後、残活性を先に記
載したような2段階手順を使用して測定した。
これらの結果を図2中に表す。このテストにより測定されるように、本発明に
係るL−アミノ酸オキシダーゼは、pHレンジ7−9.5内に最初の活性に対して80
%を上廻るpH安定性をもつ。pH10において、本発明に係るL−アミノ酸オキシダ
ーゼは、最初の活性に対し70%を上廻る、好ましくは80%を上廻るpH安定性をも
つ。温度安定性
L−アミノ酸オキシダーゼを、さまざまな温度において1時間pH8.5において
ホスフェート・バッファー中インキュベートした。希釈後、残りの活性を、先に
記載したような2段階手順を使用して測定した。
これらの結果を図3中に表す。このテストにより測定されるように、本発明に
係るL−アミノ酸オキシダーゼは、22℃未満〜約60℃の温度域内で安定である。
この酵素は、25℃〜60℃のレンジ内で最初の活性に対して80%を上廻る温度安定
性を示す。基質特異性
L−アミノ酸オキシダーゼの活性を、基質としてさまざまなL−アミノ酸を用
いて測定した。L−アミノ酸オキシダーゼを、20分間pH 8.5及び室温においてホ
スフェート・バッファー中で基質と共に
インキュベートした。生成した過酸化水素を先に記載したようにABTS及びCiPを
用いて検出した。比活性を先の実施例2中に記載したように測定した。
さまざまな基質についてのKm値を、1/V対1/Sの値をプロットすることに
より決定した(Lineweaver-Burkプロット)。
これらの結果を以下の表1中に表す。
表1から、アルギニン及びリシンが最低のKm−値を示し、そしてそれ故、表1
に掲げる比活性からも立証されるように、低い基質濃度における高い比活性とい
う関点から好ましい基質であると予想される。
実施例4加速されたPODシステムの適合性
加速されたペルオキシダーゼ・システム(PODシステム)との本発明に係るL
−アミノ酸オキシダーゼの適合性を検査するために、pH8.5における酵素活性を
、過酸化水素の同時検出により10分間モニターした。
実施例2に従って得られた8μg/mlのL−アミノ酸オキシダーゼを、5PODU
/mlの量において、WO 92/16634に従って得られたコプリナス・シネレウス(Co prinus cinereus
)ペルオキシダーゼ(Cip)、及びpH 8.5におけるホスフェート
・バッファー中の1.7mMABTS±加速剤としての50μMのp−ヒドロキシベンゼン
スルホネート(pHBS)から成り、そして1mM L−ロイシンを含むPODシステムに
添加した。
これらの結果を、図4A−4B中に示す(4AはpHBSの非存在中;4Bは50μ
M pHBSの存在中)、ここで、418nmにおける吸収を周囲温度においてモニターし
た。これらの図により立証されるように、本発明に係るL−アミノ酸オキシダー
ゼの活性は、pHBSの添加により影響されない。
実施例5漂白実施例
本実施例は、(Merckから得られた)染料メチル・オレンジの漂白工程におけ
る、実施例1−2に従って得られたL−アミノ酸の使用を立証する。
メチル・オレンジの漂白を、pH8.5及び35℃においてホスフェート・バッファ
ー中で行った。漂白効果を、465nmにおける吸収によりモニターした。比較のた
めに、この実験を、H2O2の最初の添加により、並びにL−アミノ酸オキシダーゼ
及びL−ロイシンにより実施した。両実験を、加速剤としてpHBSの存在中並びに
非存在中、行った。
すべての実験を、WO 92/16634に従って得られた10nMのコプリナス・シネレウ
ス(Coprinus cinereus)ペルオキシダーゼ(CiP)により行った。
これらの結果を、図5−6中に表す。これらの図から、本発明に
係るL−アミノ酸オキシダーゼ(及びその基質)の使用により、230μMの過酸
化水素の添加により得られた結果と同様の漂白効果が達成されることができると
いうことが明らかである。
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(51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI
C12R 1:885)
(81)指定国 EP(AT,BE,CH,DE,
DK,ES,FR,GB,GR,IE,IT,LU,M
C,NL,PT,SE),OA(BF,BJ,CF,CG
,CI,CM,GA,GN,ML,MR,NE,SN,
TD,TG),AU,BB,BG,BR,BY,CA,
CN,CZ,FI,HU,JP,KP,KR,KZ,L
K,LV,MG,MN,MW,NO,NZ,PL,RO
,RU,SD,SK,UA,US,UZ,VN
(72)発明者 ハンセン,スベン アーゲ
デンマーク国,デーコー―3660 ステンレ
ーセ,ダンケウォ 6