JPH08509271A - 嵩のある安定な不織織物 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 （ａ）不織繊維状層の面積をその元の面積の２５〜７５％に縮めて層の面から突出する一連の波又は隆起を形成し、そして次に（ｂ）このギャザーの付いた繊維状層を伸張性のない弾性のない糸でステッチ接合することによって、嵩のある弾力性の寸法的に安定な不織織物を製造する。これらの織物は、タオル地、断熱層、耐火布、室内装飾材料及び類似物のために特に有用である。

Description

【発明の詳細な説明】 嵩のある安定な不織織物 発明の背景 発明の分野 本発明は、ギャザーの付いた不織織物を製造するための方法及びそれによって 作られる新規な製品に関する。更に詳細には、本発明は、ギャザーの付いた繊維 状層を弾性のない糸で仕上げ縫いすることによって、ギャザーの付いた繊維状層 を寸法的に安定でかつ洗濯耐久性にするような方法に関する。生成する織物は、 タオル地、室内装飾材料、断熱材、防火層及び類似物のために特に有用である。先行技術の説明 ギャザーの付いた不織繊維状層の最後の面積が層の元の面積よりもずっと狭い ように不織繊維状層を曲げる、シャーリングする、縮める（ギャザーを付ける） 又はひだをとる（本明細書中では以後これらの術語のすべてを“縮める”と言う ）方法は知られている。このような方法は、例えば、Ｂａｓｓｅｔｔの米国特許 第３，４６８，７４８号、Ｈａｎｓｅｎの米国特許第３，５７５，７８２号、Ｗ ｉｄｅｍａｎの米国特許第４，６０６，９６４号及びＺａｆｉｒｏｇｌｕの米国 特許第４，７７３，２３８号によって開示されている。縮小は、不織繊維状層を 面から外に曲げそして層の面から突出する一連の波又は隆起を形成するようにせ しめる可能性がある。既知のギャザーの付いた織物は幾つかの用途においては有 用であるけれども、これらの織物は、しばしば、欠点を有し、例えば過度に伸縮 性であり、容易に圧縮性であり過ぎ、嵩が不十分であり及 び／又は弾力性を欠き、これらは、高い吸収性、高い断熱値、強い耐火性又は類 似のことを要求する材料における使用のためにはこれらの織物を不満足にする。 従って、本発明の目的は、上で述べた欠点を改善するギャザーの付いた不織織物 を製造するための方法を提供することである。 発明の要約 本発明は、 １５〜１００ｇ／ｍ²、好ましくは３０〜７０ｇ／ｍ²の不織繊維状層をその元 の面積の２５〜７５％、好ましくは３０〜５０％の範囲にある面積に縮めて不織 繊維状層が層の平らな面から外に曲がるようにせしめるステップ［ここで、曲が った層は層の面から全体として垂直に突出する一連の波又は隆起を形成し、曲が った繊維状層の厚さは１〜８ｍｍ、好ましくは２〜５ｍｍの範囲にあり、波又は 隆起は層の縦及び／又は横方向において１ｃｍあたり２〜８の範囲の、好ましく は１ｃｍあたり４〜６の範囲の間隔周波数を有する］、そして次に このギャザーの付いたそして曲がった繊維状層を実質的に伸張性のない弾性の ない糸で仕上げ縫いして、全体としてギャザーの付いた層の縦方向に沿って延び る、相互接続されたステッチ（縫い目）の平行な列を形成させるステップ［ここ で、ステッチは各々の列内で１〜６ｃｍの範囲で離れていてそして平行な列は１ 〜６ｃｍの範囲で離れていて、仕上げ縫いの弾性のない糸は縫われかつギャザー を付けられた不織織物の総重量の５〜５０％、好ましくは１０〜２５％にのぼる ］ を含んで成る、不織織物を製造するための方法を提供する。仕上げ縫いのための 好ましいステッチパターンは、トリコットステッチによって与えられる。 本発明の方法によって作られる新規な製品は、層の平らな面から全体として垂 直に突出する波又は隆起を有する、ギャザーの付いた曲がった繊維状不織層を含 んで成り、波又は隆起は１ｃｍあたり２〜８の範囲の、好ましくは１ｃｍあたり ４〜６の範囲の間隔周波数を有し、ギャザーの付いた層は、層を通って縫われた そしてギャザーの付いた層の縦方向に沿って全体として延びる、実質的に伸張性 のない弾性のない糸の相互接続された仕上げステッチの列を有し、仕上げステッ チは各々の列内で１〜６ｍｍの範囲で離れていてそして平行な列は１〜６ｍｍの 範囲で離れていて、弾性のない糸は縫われたギャザーを付けられた層の総重量の ５〜５０％、好ましくは１０〜２５％の範囲にのぼり、仕上げ縫いされたギャザ ーを付けられた層は１００〜２５０ｇ／ｍ²の範囲の重量、１〜８ｍｍの範囲の 全厚さ並びに２０％より大きくない、好ましくは５〜１５％の範囲の縦及び／又 は横方向における伸縮性を有する。 好ましい態様の詳細な説明 好ましい態様の以下の説明によって本発明を更に例示する。これらは例示の目 的のために含められていて、そして添付の請求の範囲によって規定される本発明 の範囲を限定することを意図しない。 上で述べたように、本発明に従って、不織繊維状層をこの層の元の平らな面積 の典型的には２５〜７５％である面積に縮める。好ましくは、この面積縮小は元 の面積の３０〜５０％にである。その後で、このギャザーの付いた層を実質的に 伸張性のない弾性のない糸によって仕上げ縫いする。 ギャザーを付けるステップの間に、繊維状層は、繊維状層の平らな面から実質 的に垂直に突出する反復する一連の波又は隆起を形成する。繊 維状層が実質的にその長さ方向（即ち縦方向）にだけ縮まる時には、形成される 波は、層の幅を横切って（即ち横方向に）延びる。繊維状層が実質的に横方向に だけ縮まる時には、形成される波は層の長さ方向に沿って延びる。繊維状層が縦 及び横の両方向に縮まる時には、一連の隆起が生成しそして層の縦及び横の両方 向に延びる。ギャザーを付けるステップにおいては、繊維状層の厚さ及び単位重 量はかなり増加する。 繊維状層を縮めた後で、このギャザーの付いた（縮めた）層を実質的に伸張性 のない弾性のない糸でステッチ（縫い目）接合する。この縫い合わせは、ギャザ ーの付いた繊維状層の厚さの減少を引き起こす可能性がある。通常は、この減少 は２０％未満であり、典型的には、５〜１５％の範囲である。ギャザーの付いた 繊維状層の縫い合わせは、織物の縦及び／又は横縫い合わせ方向における、並び に織物の厚さにおける寸法安定性を有する生成する不織織物をもたらす。かくし て、不織織物は、嵩があり、弾力性であり、繰り返しの洗濯に対して耐久性であ り、そして縦及び／又は横方向において低い伸縮性（即ち、２０％より大きくな い、通常は５〜１５％の範囲の）のものである。 本発明に従ってギャザーを付けられる予定の出発の不織繊維状層は、典型的に は、ステープルファイバー、連続的なフィラメント、プレキシフィラメント状（ ｐｌｅｘｉｆｉｌａｍｅｎｔａｒｙ）ストランド又は類似物の薄い柔軟なウェブ である。“繊維”という語は、これらの繊維状材料の各々を含めるために本明細 書中では集合的に使用される。繊維は、天然繊維でも良く、又は合成有機ポリマ ーから生成させても良い。好ましくは、繊維はお互いに接合されていない。しか しながら、不織繊維状層が短いスパンで満足に曲げることができるほどに十分に 薄くかつ 柔軟である場合には、層は接合された繊維のもので良い。好ましい出発不織繊維 状層は、以下の実施例中で示されるように、３〜１２ｍｍの範囲の間隔で曲げる ことができる。出発の層は、典型的には、１５〜１００ｇ／ｍ²、好ましくは３ ０未満ないし７０ｇ／ｍ²の範囲の重量である。 適切な出発不織繊維状層は、ある程度まで、製造する予定の不織織物のための 所望の最終用途を基にして選ばれる。例えば、吸収性織物のためには、出発不織 繊維状層は、好ましくは実質的に接合されていなくて、そして本来液体を吸収又 ははじくことができる繊維（例えば水吸収のためにはレーヨン及び木材パルプ） から作られている。同様に、耐火性織物は、本来耐火性である繊維（例えばアラ ミド）の出発繊維状層を要求する。適切な出発繊維状層は、すかれた（ｃａｒｄ ｅｄ）ウェブ、空気で嵯られた（ａｉｒ−ｌａｉｄ）ウェブ、湿式で嵯られたウ ェブ、スパンレースの付いた（ｓｐｕｎｌａｃｅｄ）織物、不織シート、フラッ シュ紡糸されたストランドのシート、及び類似物を含む。弾性的なクッション製 品のためには、その中で繊維が好ましくはお互いに幾らか接合されている幾らか より密な繊維状層が満足である。これらの適切な材料は、出発繊維状層のために 単独で又は一般的な又は特別な目的のために意図された他の層と組み合わせて使 用することができる。フェルト状にされている、熱若しくは接着剤によって強く 接合されている、又は類似のウェブは、しばしばギャザーを付けそして曲げるこ とが困難であり、そしてそれ故通常は本発明における使用のための出発繊維状層 としては適切ではない。 繊維状層のギャザー付け及び曲げは、数種の既知のやり方の任意のもので実施 することがてきる。一つの方法においては、収縮性要素（ｅｌ ｅｍｅｎｔ）又は一列の収縮性要素を間欠的に繊維状層に取り付ける。次に、要 素又は一列の要素を収縮せしめると、その結果繊維状層は面から外に曲がりそし て層の突出した平らな面積は顕著に減少する。収縮性要素を取り付ける前に、収 縮性要素を取り付けるために用いられている装置に層を過剰供給することによっ て、追加のギャザー付けを繊維状出発層に賦与することができる。 多くのタイプの収縮性要素が、本発明に従ってギャザーの付いた繊維状層を製 造する際の使用のために適切である。例えば、不織繊維状層は、張力下で弾性糸 によってステッチ接合することができる。被覆された又は裸のスパンデックス糸 、織って作られた伸縮糸、弾性的フィラメント及び非弾性的繊維の合成糸、及び 類似物が適切な弾性的糸である。張力下で縫った後で、弾性糸から張力を解放し て糸を収縮せしめそして繊維状層にギャザーを付けそして曲げるようにせしめる ことができる。弾性糸によって縫う代わりに、張力をかけそして延ばした弾性要 素の経糸又は交差（ｃｒｏｓｓ）経糸を、例えば、液圧もつらせ（ｅｎｔａｎｇ ｌｅｍｅｎｔ）、接着剤又は熱的点接合又は類似のことによって不織繊維状層に 間欠的に取り付けることができ、そしてその後で、延ばした要素の上の張力を解 放して取り付けられた不織繊維状層にギャサーを付けそして曲げるようにせしめ ることができる。ステッチの慣用的なステッチ接合パターンは、ギャザーの付い た繊維状不織層を製造するために用いることができる。通常は、弾性糸ステッチ は縦方向に（即ち、ステッチの列内で）１〜１２ｍｍの範囲で離れて間隔を開け られていて、そしてステッチの平行な列は約１〜２５ｍｍ離れて間隔を開けられ ている。張力をかけた弾性糸のチェーンステッチは、縦方向に繊維状層にギャザ ー を付けるために適切である。トリコットステッチは、縦及び横の両方の方向に繊 維状層にギャザーを付けるために適切である。 熱、湿気、化学薬品又は類似物で処理されると収縮する他のタイプの収縮性要 素は、要素における最初の張力又は延びなしで不織繊維状層に間欠的に取り付け ることができる。取り付けの後で、収縮性要素の収縮は、適切な処理によって行 うことができる。典型的には、収縮性要素として使用される弾性糸の弾性的フィ ラメント含量は、それに糸が縫われる又は取り付けられる繊維状層の重量の約３ 〜１０％の範囲にのぼる。 不織繊維状層のギャザー付け及び曲げを達成するもう一つのやり方は、繊維状 層を伸縮性基体に間欠的に取り付けることを含み、この基体は、基体が張力をか けられる方向に対して垂直な方向に細くなる。例えば、ある種の基体は、一つの 方向に１５％だけ伸ばされる時には、パーセント伸びの２又は３倍である量だけ 、伸びの方向に対して垂直な方向に実質的に不可逆的な収縮を自動的に経験する （即ち、細くなる）ことができる。かくして、伸ばし及び細くなる操作の前に伸 張性基体に繊維状層を間欠的に取り付け、そして次に組み立てられた繊維状層及 び伸張性基体に伸張力をかけることは、繊維状層の面積を顕著に減らしそして本 発明の方法によって必要とされるような繊維のグループの曲がりを引き起こすこ とができる。 不織繊維状層にギャザーを付けるなおもう一つの方法は、張力をかけた伸ばし た弾性的シートに層を間欠的に取り付け、そして次に張力を解放せしめそれによ って繊維状層にギャザーを付けることである。 ギャザー付けステップを達成するための好ましい方法は、繊維状基体を張力下 の弾性糸によって縫いそして次に糸から張力を解放することで ある。高い除重（ｕｎｌｏａｄ）力を有する被覆又は裸エラストマー糸が特に好 ましい。ナイロン−若しくはポリエステル−被覆スパンデックス糸又はスパンデ ックス含有合成糸が、この目的のために特に適切である。出発繊維状ウェブが重 量が十分に軽い（例えば、２０〜４０ｇ／ｍ²）場合には、ナイロン又はポリエ ステルの織られた（ｔｅｘｔｕｒｅｄ）糸は、出発繊維状基体にギャザーを付け るのに十分な除重力を供給することができる。 最初のギャザー付けステップが完了した後で、ギャザーの付いた不織繊維状層 を一般的な実質的に伸張性のない弾性のない糸（本明細書中では以後時々“堅い 糸”とも呼ぶ）によって、好ましくはステッチ接合機械、例えばＬＩＢＡ又はＭ ａｌｉ又はＡｒａｃｈｎｅ機械によって仕上げ縫いする。伸張性のない弾性のな い糸は、列内で１〜６ｍｍの範囲の間隔及び１〜６ｍｍの範囲の平行な列の間の 間隔を有する織物の長さ方向に沿った仕上げステッチの平行な列を形成する。ス テッチ間隔及び列間隔は、機械ゲージ（即ち、針バー（竿）の２５．４ｍｍあた りの縫い合わせ針の数）及び機械を通して供給される単位長さあたりに挿入され るステッチの数によって決定される。その代わりに、列及びステッチ間隔は、好 都合には約３〜５Ｘの倍率の下での仕上げ縫いされた不織織物の表面の視覚的な 観察から決定することができる。このような倍率の下では、縦方向の単位長さあ たりの仕上げステッチの数及び横方向の単位幅あたりの仕上げステッチの列の数 は容易に測定することができる。典型的には、ステッチ及び列間隔は、各々、１ 〜６ｍｍの範囲にある。 ナイロン、ポリエステル、綿又は類似物の慣用的な堅い糸は、伸張性のない弾 性のない仕上げ縫い糸としての使用のために適切である。慣用 的なステッチ接合ステッチパターンが、仕上げ縫いのために適切である。チェー ンステッチは、チェーンステッチの列の方向における寸法安定性を与える。トリ コットステッチは、列の中のステッチの間隔と比較した浮糸の長さに依存して、 ２方向寸法安定性を与える。典型的には、仕上げ縫い糸は、仕上げ縫いされたそ してギャザーを付けられた不織織物の総重量の５〜５０％、通常は１０〜２５％ の範囲にのぼる。 本発明のギャザーを付けられたそして仕上げ縫いされた織物の種々の特性を測 定するために、以下の方法及び手順を使用する。 織物又は繊維状層の単位重量は、ＡＳＴＭ方法Ｄ ３７７６−７９に従って測 定する。ｃｍ³／ｇでの織物の嵩は、織物の厚さ及び単位重量から決定する。厚 さは、Ｓｔａｒｒｅｔｔゲージ、モデル２５−６３１によって測定する。このゲ ージは、測定の間、織物の表面の上への０．０３ｐｓｉ（０．２１キロパスカル ）の圧力に等しい１インチ（２．５４ｃｍ）径の円筒状の足への１０ｇの荷重を かける。 織物の伸縮性は、（ａ）２インチ（５．１ｃｍ）幅ｘ４インチ（１０．２ｃｍ ）長さの寸法のサンプルを織物から切ること、（ｂ）サンプルの長い寸法に対し て平行に標準長さ、Ｌ_oを印すこと、（ｃ）５ポンド（２．２７Ｋｇ）の重りを サンプルから２分間吊るすこと、（ｄ）サンプルから重りをまだ吊るしたまま、 “標準長さ”を再測定すること［再測定された長さをＬ_fと名付ける］、及び（ ｅ）式、％Ｓ＝１００（Ｌ_f−Ｌ_o）／Ｌ_oによってパーセント伸縮性、％Ｓを計 算することによって決定する。何本かのサンプルを縦方向（“ＬＤ”）にそして 他のものを横方向（“ＴＤ”）に切り、そしてこれらのサンプルに関してステッ プ（ｂ）〜（ｅ）を実施することによって、サンプルのＬＤ及びＴＤ伸縮性を測 定する。 織物の弾性は、（ａ）上で述べたようなＳｔａｒｒｅｔｔゲージによる０．０ ３ｐｓｉ（０．２１ＫＰａ）の圧力下で織物の厚さ、ｔ_oを測定すること、（ｂ ）織物を平らな表面の上に置き、そして次に５ポンドの重りで荷重された２イン チ径のプレートを織物の頂上に置くこと［これは、３．２ｐｓｉ（２２ＫＰａ） の圧力下で織物を圧縮することに等しい］、（ｃ）約１０秒後に重りを取り除き そして織物を約１分間回復せしめること、（ｄ）０．０３ｐｓｉ（０．２１ＫＰ ａ）の圧力下で織物の厚さ、ｔ_rを再測定すること、及び（ｅ）式、％Ｒ＝１０ ０（ｔ_r／ｔ_o）によって％弾性、％Ｒを計算することによって本明細書中では決 定する。 織物の圧縮性は、Ａｍｅｓ Ｃｏｍｐａｒａｔｏｒ モデル２４によって測定 して２．３ｐｓｉ（１５．８ＫＰａ）の圧縮力の下での織物の厚さの測定によっ て本明細書中では示す。 織物の耐火性は、ｔｈｅ Ｎａｔｉｏｎａｌ Ｆｉｒｅ Ｐｒｏｔｅｃｔｉｏ ｎ Ａｓｓｏｃｉａｔｉｏｎの方法ＦＳ−５９０３の垂直炎試験に従って測定す る。織物の熱的保護値は、ＡＳＴＭ Ｄ４１０８−８７の熱的保護性能試験に従 って測定する。 実施例 以下の実施例は、本発明のギャザーを付けられたそして仕上げ縫いされた不織 織物の製造を例示し、そして本発明の外側にある類似の従来の方法で作られた織 物を凌ぐこれらの織物の利点を示す。本発明の各々のサンプル及び各々の比較サ ンプルの単位重量、厚さ、嵩、弾性、及び伸縮性及びその他の特性は、実施例に 伴う表中に要約する。本発明のサン プルはアラビア数字によって名付ける。比較サンプルは大文字で名付ける。報告 される結果は本発明を十分に代表すると信じられるが、示された糸及び繊維状材 料を含むすべての試験を構成はしない。実施例Ｉ この実施例は、吸収性タオルとしてのそして病院の失禁パッド中の吸収性層と しての使用のために適切である本発明のギャザーを付けられたそして仕上げ縫い された織物の製造を例示する。嵩、安定性、圧縮性、弾性及び吸収容量における 利点を、同じ重量及び同じ繊維状層のものであったがギャザーの付いていなかっ た２つの比較サンプルを凌ぐ、本発明の不織織物、サンプル１について示す。比 較サンプルＡは、サンプル１と同じ仕上げ縫いを有していた。比較サンプルＢに 関しては、仕上げ縫いはキルト入り製品に関して典型的なものであった。即ち、 繊維状層を、２インチ（５．１ｃｍ）長さのステッチの２インチ（５．１ｃｍ） 離れた平行な列を形成する糸で仕上げ縫いした。サンプルの特性を表１中に要約 する。 本発明のサンプル１は以下のようにして製造した。出発繊維状層は、７０％の １．５デニール（１．６７ｄｔｅｘ）のレーヨン繊維及び３０％の１．３５デニ ール（１．５ｄｔｅｘ）のポリエステル繊維［両方のタイプの繊維とも７／８イ ンチ（２．２ｃｍ）の長さであった］から成る液圧でからませた繊維の１．１ｏ ｚ／ｙｄ²（３７．３ｇ／ｍ²）のスパンレース（ｓｐｕｎｌａｃｅ）織物（“Ｓ ｏｎｔａｒａ”スタイル８４１１）であった。このスパンレース層を、弾性糸を 糸かけされた単一のバーを有するＬｉｂａ機械に供給した。弾性糸は、７０ｄｅ ｎ（７８ｄｔｅｘ）の３４本のフィラメントが織られた（ｔｅｘｔｕｒｅｄ）ポ リエステルで包まれた１４０ｄｅｎ（１５６ｄｔｅｘ）の“Ｌｙｃｒａ”スパン デックスであった。“Ｓｏｎｔａｒａ”及び“Ｌｙｃｒａ”は、Ｅ．Ｉ．ｄｕ Ｐｏｎｔ ｄｅ Ｎｅｍｏｕｒｓ ａｎｄ Ｃｏｍｐａｎｙによって製造されそ して販売されている。長い開いたチェーンステッチ（即ち、慣用の編み物命名法 においては１−０，０−１）を、糸をその緩んだ長さの４６０％に延ばす張力下 で糸に関して１インチあたり４ステッチ（１．６／ｃｍ）６番ゲージ（２５．４ ｍｍあたり６針）で“Ｓｏｎｔａｒａ”中に縫い込んだ。張力を解放すると、繊 維状層は縦方向に縮んで、層の幅を横切って延びる一連の波を形成した。合計さ れたギャザーの付いた面積は元の面積の約２６％であり、そして５．５ｏｚ／ｙ ｄ²（１８６ｇ／ｍ²）の重量であった。繊維状層の厚さは０．０１８インチ（０ ．４６ｍｍ）から０．１２０インチ（３ｍｍ）に増加した。前の節のギャザーの 付いた繊維状層は、縦方向（“ＬＤ”）に少なくとも２００％だけ弾性的に伸ば すことができ、そして横方向（“ＴＤ”）に容易かつ永久的に変形可能であった 。このようにしてギャザーを付けた層を、次に、ＬＩＢＡ機械で仕上げ縫いして 前のバー（線）が１−０，０−１のチェーンステッチを形成しそして後ろのバー が１−０，２−３のトリコットステッチを形成するようにした。両方のバーは、 ７０ｄｅｎ（７８ｄｔｅｘ）の織られたポリエステル糸で１２番ゲージ（２５． ４ｍｍの幅あたり１２針）で糸をかけ、そして縦方向に１４ステッチ／インチ（ １ｃｍあたり５．５）とした。仕上げ縫いは、生成したギャザーを付けられたそ して仕上げ縫いされた不織織物の総重量の１３％にのぼった。この不織織物、サ ンプル１は、６．２ｏｚ／ｙｄ²（２１０ｇ／ｍ²）の重量であり、０．０８５イ ンチ（２．２ｍｍ）厚さであり、 １００％の弾性を有し、それが織物の縦方向に８％のそして横方向に５％の伸縮 性を有するという点で寸法的に安定であり、そして家庭用洗濯機における２５回 のＣ洗濯サイクルにおいて１０％より多くは寸法を変えなかった。サンプル１は 、織物の７．８倍の重量にのぼる水を吸収する能力を示した。水吸収は、１５． ２ｘ１５．２平方ｃｍのサンプルを水の中に浸し、次にサンプルを水から取出し 、サンプルの一つの隅から空気中にサンプルを吊るして保持しながら１分間サン プルから水がしたたるようにせしめ、そして次に湿ったサンプルの重量をその元 の乾いた重量と比較して吸収された水の量を決定することによって測定した。 ２つの比較サンプルは慣用的なやり方で作った。比較サンプルはギャザーの付 いた繊維状層を含んでいなかった。比較サンプルＡは、同じポリエステル糸と一 緒にそしてサンプル１と同じステッチパターンで縫われた“Ｓｏｎｔａｒａ”８ ４１１の３つの公称１．１ｏｚ／ｙｄ²（３７．３ｇ／ｍ²）の層の積み重ねから 製造され、７．１ｏｚ／ｙｄ²（２４１ｇ／ｍ²）の重量で０．０５７インチ（１ ．４ｍｍ）の厚さの寸法である製品を生成させた。比較サンプルＢは、サンプル １及び比較サンプルＡのために使用されたのと同じ縫い糸と一緒に、しかし各々 ２インチ（５ｃｍ）であるステッチ間隔及び列間隔でキルトされた“Ｓｏｎｔａ ｒａ”８４１１の５つの層の積み重ねから製造された。比較サンプルＡは手でＬ Ｄ及びＴＤの両方に２５％よりも多く容易に伸びた。比較サンプルＡは水の中で それ自体の重量の僅かに４．３倍を吸収することができたに過ぎず、そしてただ １回のＣ洗濯の結果としてＬＤ及びＴＤの両方に約２５％縮んだ。６．０ｏｚ／ ｙｄ²（２０４ｇ／ｍ²）の重量でありそして０．０６インチ（１．５ｍｍ）厚さ の寸法であった比較サン プルＢは、比較サンプルＡよりも更にもっと伸縮性であり、そして劣化の証拠及 び織物における引裂及び／又は穴の開始を示すことなく１回のＣ洗濯にさえ耐え ることができなかった。サンプル１並びに比較サンプルＡ及びＢの特性に関する 付加的なデータを以下の表中に要約する。記録されたデータは、殊に伸縮性、嵩 、弾性及び荷重下での厚さに関して比較サンプルＡ及びＢを凌ぐ本発明のサンプ ル１の付加的な利点を明確に示す。実施例II この実施例においては、消防士のジャケットの内張りとして適切である織物、 サンプル２を、本発明に従って製造し、そしてサンプル２のと同じ材料から従来 のやり方でしかしギャザー付けのステップなしで製造した比較サンプルＣ及びＤ と比較する。 サンプル２は以下のようにして作った。“Ｋｅｖｌａｒ”アラミド繊維から成 る“ｓｏｎｔａｒａ”タイプＺ−１１の１．１ｏｚ／ｙｄ²（３７．３ｇ／ｍ²） のスパンレース層を、２００ｄｅｎ（２２２ｄｔｅｘ）の“Ｎｏｍｅｘ”アラミ ド糸の１インチあたりほぼ６包み（２．４／ｃｍ）によって空気包みされた１４ ０ｄｅｎ（１５６ｄｔｅｘ）の“Ｌｙｃｒａ”スパンデックスの糸によって最初 に縫った。縫う間は、糸は、糸をその緩められた長さの３５０％に延ばす張力下 にあった。一連の１−０，０−１のチェーンステッチを、６番ゲージ及び１イン チあたり４．５ステッチ（１．８／ｃｍ）でスパンレース層中に張力をかけた糸 で挿入した。縫い糸への張力を解放すると、繊維状層は、その元の平らな面積の 約３３％である面積に縮んでそして層の幅を横切って延びる一連の波を形成した 。“Ｓｏｎｔａｒａ”、“Ｋｅｖｌａｒ”、“Ｎｏｍｅｘ” 及び“Ｌｙｃｒａ”は、Ｅ．Ｉ．ｄｕ Ｐｏｎｔ ｄｅ Ｎｅｍｏｕｒｓ ａｎ ｄ Ｃｏｍｐａｎｙによって作られそして販売されている製品の登録商標である 。次に、ギャザーの付いた繊維状層を、２本バーのＬｉｂａ機械を使用して２０ ０ｄｅｎ（２２２ｄｔｅｘ）の“Ｎｏｍｅｘ”アラミドフィラメント糸によって 仕上げ縫いしたが、この機械は１２番ゲージで糸を通されそしてＬＤにおいて１ インチあたり９ステッチ（３．５／ｃｍ）を形成した。前のバーは１−０，０− １のチェーンステッチを形成し、そして後ろのバーは１−０，２−３のトリコッ トステッチを形成した。このようにして製造された不織織物は、０．０８５イン チ（２．２ｍｍ）厚さであり、７．２ｏｚ／ｙｄ²（２４４ｇ／ｍ²）の重量であ り、寸法的に安定であり、５回のＣ洗濯後に劣化を示さず、垂直炎試験に簡単に 合格し、そして２２．３ｃａｌ／ｃｍ²のＴＰＰ値を有して熱的保護において非 常に効果的であった。 ２つの比較サンプルＣ及びＤもまた製造した。サンプルＣに関しては、サンプ ル２を製造するために使用されたのと同じ出発不織繊維状層の３層の積み重ねを 、両方ともサンプル２の繊維状層を縫うための第一ステップにおいて使用された のと同じ縫い糸で糸を通されたバーを有する２本バーのＬｉｂａ機械によって縫 った。両方のバーともに１２番ゲージで糸を通され、そして各々は積み重ねられ た層の長さに沿って１インチあたり９ステッチ（３．５４／ｃｍ）を形成した。 前のバーは１−０，０−１のチェーンステッチを形成し、そして後ろのバーは１ −０，２−３のパターンのトリコットステッチを形成した。生成した縫われた組 立品（ａｓｓｅｍｂｌｙ）は、７．２ｏｚ／ｙｄ²（２４４ｇ／ｍ²）の最後の重 量及び０．０５１インチ（１．３ｍｍ）の厚さを達成するためにＬ Ｄ及びＴＤ方向の各々に約１０％収縮した。比較製品は垂直炎試験に合格したけ れども、ＴＰＰ試験におけるその性能は、僅かに１７．８ｃａｌ／ｃｍ²の値を 示したに過ぎなかった。比較サンプルＤは、各々が公称１．８ｏｚ／ｙｄ²（６ １ｇ／ｍ²）の重量の、比較サンプルＢと同じパターンでしかしサンプル２のた めに使用されたのと同じ糸でキルトされた、４つの“Ｓｏｎｔａｒａ”Ｚ−１１ 層の積み重ねであった。本発明のサンプル２並びに比較サンプルＣ及びＤの特性 を、以下の表中に要約しそして比較する。実施例１におけるように、再び、デー タは、特に織物伸縮性、厚さ、弾性、嵩、及び耐圧縮性に関して比較サンプルを 凌ぐ本発明のサンプル織物の利点を示す。実施例III この実施例は、繊維状層の曲がりを引き起こす収縮性要素が液圧もつらせ技術 によって繊維状層に取り付けられた本発明の織物、サンプル３の製造を示す。７ ０ｄｅｎ（７８ｄｔｅｘ）の織られたポリエステル糸によって包まれた２８０ｄ ｅｎ（３１１ｄｔｅｘ）のスパンデックス糸の予め張力をかけた１２番ゲージの 経糸を、それらの緩められた長さの３５０％にまで延ばし、そして２０％の開い た面積を有する２４メッシュの篩の上に置いた。１．５ｄｅｎ（１．７ｄｔｅｘ ）の１．５インチ（３．９ｃｍ）長さのレーヨン繊維の１．１ｏｚ／ｙｄ²（３ ７．３ｇ／ｍ²）の空気で縒られたウェブを経糸の頂上に置いた。このようにし て生成された組立品を、ウェブの約１インチ（２．５ｃｍ）上に位置付けられた 液圧０．００５インチ（０．１２７ｍｍ）径オリフィスを通して供給された水の 一連のカラム状ジェットを通して１０ヤード／分（９．１ｍ／分）で前進させそ してウェブの幅を横切って１インチに対して４ ０（１５．７／ｃｍ）で間隔を開けた。ジェットの下に４つのパスを作り、オリ フィスへの供給圧力を各々のパスにおいて増加させ、その結果各々のパスにおけ る圧力は、順次１００、３００、１０００及び１５００ｐｓｉ（６９０）２０７ ０、６８９０及び１０，３００ＫＰａ）となった。生成した空気乾燥された製品 は、収縮性要素への張力の解放に際して０．１０９インチ（２．８ｍｍ）の厚さ に縮んだ。この中間織物は、収縮性でありそしてＣ洗濯耐久性を欠いていた。し かしながら、次に、この織物を、実施例Ｉのサンプル１を製造するために使用さ れたのと同じゲージ、同じステッチ周波数そして同じステッチパターンで同じ縫 い糸によって仕上げ縫いした。最後のギャザーを付けられたそして仕上げ縫いさ れた不織織物は、５．３ｏｚ／ｙｄ²（１８０ｇ／ｍ²）の重量であり、０．０７ ５インチ（１．９ｍｍ）の厚さを有し、寸法的に安定であり、そして１０％未満 のＬＤ及びＴＤの収縮で少なくとも１０回のＣ洗濯を通して耐久性であった。こ の材料は、ギャザーを付けられたそして仕上げ縫いされた不織織物がその乾燥重 量の７倍よりも多い量まで水を吸収したという点でタオル地として特に有用であ った。付加的なデータを以下の表中に含める。サンプル３が本発明の他のサンプ ルと比較していかに望ましいか、そしてそれが厚さ、嵩、弾性、荷重に対する耐 性及び収縮性において比較サンプルをいかに完全に上回るかに注目せよ。 本発明を別々の織物としてギャザーを付けられそして次に仕上げ縫いされる繊 維状層に関して説明したけれども、本発明のこのようなギャザーを付れられたそ して仕上げ縫いされた織物はまた、多重に重ねられた層として又は他のギャザー の付いた織物、平らな織物又はシートと組み合わせて使用することもできること は明らかである。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １． １５〜１００ｇ／ｍ²の不織繊維状層をその元の面積の２５〜７５％の範 囲にある面積に縮めて不織繊維状層が層の平らな面から外に曲がるようにせしめ るステップ［ここで、曲がった層は層の面から全体として垂直に突出する一連の 波又は隆起を形成し、曲がった繊維状層の厚さは１〜８ｍｍの範囲にあり、波及 び隆起は層の縦及び／又は横方向において１ｃｍあたり２〜８の範囲の間隔周波 数を有する］、そして次に このギャザーの付いた繊維状層を実質的に伸張性のない弾性のない糸で仕上げ 縫いして、全体としてギャザーの付いた層の縦方向に沿って延びる、相互接続さ れたステッチの平行な列を形成させるステップ［ここで、各々の列内のステッチ は１〜６ｃｍの範囲で離れていてそして平行な列は１〜６ｃｍの範囲で離れてい て、仕上げ縫いの糸は縫われかつギャザーを付けられた不織織物の総重量の５〜 ５０％にのぼる］ を含んで成る、不織織物を製造するための方法。 ２． 繊維状層が３０〜７０ｇ／ｍ²の範囲の重量があり、ギャザーの付いた面 積が元の面積の３０〜５０％であり、曲がった層の厚さが２〜５ｍｍの範囲であ り、波又は隆起が１ｃｍあたり４〜６の範囲の間隔周波数を有し、そして仕上げ 縫いが不織織物の総重量の１０〜２５％にのぼるトリコットステッチの形である 、請求の範囲第１項に記載の方法。 ３． ギャザーを付けるステップが繊維状層を予め張力をかけた弾性糸によって ステッチ接合することそして次に弾性糸の上の張力を解放することを含んで成る 、請求の範囲第１項又は第２項に記載の方法。 ４． ギャザーを付けるステップが予め張力をかけた弾性混成糸を繊維状層に取 り付けることそして次に弾性混成糸から張力を解放することを 含んで成る、請求の範囲第１項又は第２項に記載の方法。 ５． 層の面から全体として垂直に突出する一連の波又は隆起を有する、ギャザ ーの付いた曲がった不織繊維状層を含んで成る不織織物であって、波又は隆起が １ｃｍあたり２〜８の範囲の間隔周波数を有し、ギャザーの付いた層が、層を通 って縫われたそしてギャザーの付いた層の縦方向に沿って全体として延びる、実 質的に伸張性のない弾性のない糸の相互接続された仕上げステッチの平行な列を 有し、仕上げステッチが各々の列内で１〜６ｍｍの範囲で離れていて、平行な列 が１〜６ｍｍの範囲で離れていて、伸張性のない弾性のない糸が縫われたギャザ ーを付けられた層の総重量の５〜５０％の範囲にのぼり、仕上げ縫いされたギャ ザーを付けられた層が１００〜２５０ｇ／ｍ²の範囲の総重量、１〜８ｍｍの範 囲の全厚さ並びに２０％より大きくない縦及び／又は横方向における伸縮性を有 する不織織物。 ６． 波又は隆起の間隔周波数が１ｃｍあたり４〜６の範囲にあり、伸張性のな い弾性のない仕上げ縫い糸が織物の総重量の１０〜２５％にのぼりそしてトリコ ットステッチの形であり、そして不織織物の伸縮性が５〜１５％の範囲にある、 請求の範囲第５項に記載の不織織物。 ７． 繊維状層及び仕上げステッチが不燃性繊維から成る、請求の範囲第５項又 は第６項に記載の不織織物。 ８． 繊維状層及び仕上げステッチが吸収性繊維から成る、請求の範囲第５項又 は第６項に記載の不織織物。