JPH08509192A - コンタクトレンズ容器および使用方法 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 少なくとも１つの隔室を備えたベース部材を有する、コンタクトレンズおよびコンタクトレンズ処理溶液を保持するための容器を提供する。各隔室は、所定の長さおよび幅を有し、コンタクトレンズを保持する為に、間に仕切りを設けて並列に位置し、隔室の周囲に側方に突出しているフランジを有する。各隔室には、コンタクトレンズ処理溶液が充填されている。側方に突出しているフランジ上には接着剤層が形成されている。少なくとも隔室の全長および幅にわたって延びているカバーシート部材が、接着剤層によりフランジにおいてベース部材に、脱着可能に結合され、液密封止が形成される。接着剤層は、カバーシート部材とフランジベース部材とをフランジにおいて、繰り返し結合および剥離した後も、結合することができる。コンタクトレンズ手入れ溶液が予備充填された再封止可能なパウチも提供され、これは、コンタクトレンズを一回だけ洗浄、消毒、保存およびリンスするのに用いられる。

Description

【発明の詳細な説明】 コンタクトレンズ容器および使用方法 発明の分野 本発明は、改良されたコンタクトレンズ容器およびその使用方法に関する。本 発明は、コンタクトレンズ処理溶液を予備充填したコンタクトレンズ容器に関す る。より詳しくは、本発明は、コンタクトレンズ、並びに廃棄する前に１回また は複数回コンタクトレンズを清浄し、消毒しおよびリンスすることができるコン タクトレンズの処理溶液を保持する、再閉鎖再使用可能な即用コンタクトレンズ 容器に関する。 また本発明は、コンタクトレンズ手入れ溶液を予備充填したコンタクトレンズ パウチ、特に、コンタクトレンズを清浄し、保存しおよび濯ぐのに使用されるコ ンタクトレンズ手入れ溶液を予備充填した再封止／使い捨て可能なコンタクトレ ンズパウチに関する。 発明の背景 種々のコンタクトレンズ、例えばソフト、ハード、酸素透過性レンズなどの手 入れにおいて、レンズを消毒および／または保存することができる滅菌環境が必 要である。この滅菌環境は、通常、コンタクトレンズを消毒または殺菌溶液に浸 すことを意味する。このことは、親水性ポリマー材料から製造されたソフトコン タクトレンズの手入れにおいて特に重要である。この親水性ソフトレンズは、定 期的に消毒する必要がある。加えて、目から外した時、親水性ソフトレンズは、 消毒用溶液または滅菌食塩水中に保存して、その親水化状態を維持する必要があ る。コンタクトレンズ装用者が、コンタクトレンズの安全な消毒および／または 保存の為に容易に入手使用できる容器を持つことは、望ましいことである。 種々のデザインのコンタクトレンズ容器が開示されている。例えば、シーモン ズ（Seamons）らの米国特許第５,０５３,２０８号は、頂部開口レンズ容器、レ ンズ容器の内部を２つの別個のコンタクトレンズ収容部分に分けるように真っす ぐな位置でレンズ容器内に取り付けられた長い貫通部材を有する、コンタクトレ ンズ消毒用キットを開示している。シーモンズらの器具は、容器を使用する前に 区画を貫通するためにやっかいな作業を必要とし、さらに再封止可能なトップ部 分を有していない。 マルチネス（Martinez）の米国特許第４,６９１,８２０号は、直立したフラン ジにより囲まれた空洞を含む基底部および空洞を包囲するようにフランジにシー ルされたシートカバーを有する、親水性コンタクトレンズを保存および分配する ための成形ブリスター包装材を開示している。マルチネスの包装材は、コンタク トレンズを輸送し、分配するために主として使用されるが、一旦包装が開かれ、 滅菌性が失われると再封止できない。 永久性のあるコンタクトレンズ容器について、外に多くの特許、例えばアイブ ス（Ives）の米国特許第５,１３１,５３２号、ボーウェン（Bowen）の米国特許 第４,５７８,５６６号およびライダー（Ryder）らの米国特許第４,７４３,７３ ８号が発行されている。これらの永久性コンタクトレンズ容器には、加熱装置が 取り付けられており、従って使い捨てにすることができない。 また、コンタクトレンズ装用者にとって、直ちに装用できる状態でコンタクト レンズを安全に保存するための、容易に入手できる容器を持つことが望ましい。 従って、本発明の１つの目的は、コンタクトレンズ装用者が容易に入手し、携 帯することができる、コンタクトレンズおよびコンタクトレンズ処理溶液を保持 できるコンタクトレンズ容器を提供することである。 本発明の他の目的は、容易に入手でき、再使用できる、コンタクトレンズおよ びコンタクトレンズ処理溶液を保持できるコンタクトレンズ容器を提供すること である。 本発明の別の目的は、コンタクトレンズ装用者がコンタクトレンズを洗浄し、 消毒し、保存するために容易に使用できる、コンタクトレンズ処理溶液が予備充 填されたコンタクトレンズ用容器を提供することである。 本発明のさらに他の目的は、容器を１回または複数回使用できるように再閉鎖 再封止できるトップ部分を有する、コンタクトレンズ処理溶液を予備充填した容 器を提供することである。 本発明のさらに別の目的は、コンタクトレンズを洗浄し、消毒し、保存するた めに装用者が使用し、１回または複数回使用された後に破棄される、コンタクト レンズ処理溶液を予備充填した容器を提供することである。 本発明の付加的な目的は、コンタクトレンズを洗浄し、保存するためのコンタ クトレンズ手入れ溶液を予備充填した、従来技術のコンタクトレンズ容器の不利 や欠点を持たないコンタクトレンズパウチを提供することである。 本発明の別の目的は、１回使用した後に破棄できる、コンタクトレンズを洗浄 し、保存するためのコンタクトレンズ手入れ溶液を予備充填したコンタクトレン ズパウチを提供することである。 本発明のさらに別の目的は、コンタクトレンズを入れるためにパウチを開き、 その後で再封止して液密封止を達成できるような再封止可能なトップ部分を有す る、コンタクトレンズを洗浄し保存するためのコンタクトレンズ手入れ溶液を予 備充填したコンタクトレンズパウチを提供することである。 本発明のさらに他の目的は、コンタクトレンズを入れるためにパウチを開き、 その後で再封止できるようなプラスチック製インターロック装置を備えた、コン タクトレンズを洗浄し保存するためのコンタクトレンズ手入れ溶液を予備充填し たコンタクトレンズパウチを提供することである。 発明の概要 本発明の１つの要旨によれば、再閉鎖および再封止できるトップ部分を利用す ることにより１回または複数回使用できるコンタクトレンズ処理溶液で予備充填 したコンタクトレンズ容器が提供される。 好ましい態様では、コンタクトレンズ処理容器が予備充填され、少なくとも１ つの隔室、より好ましくは２つの隔室をもつベース部材から構成されたコンタク トレンズ容器には、ベース部材の周囲に側方へ突出したフランジが供給され、突 出したフランジには再使用できる接着剤が堆積され、少なくとも隔室の全長およ び幅にわたって延びているカバーシート部材が、接着剤によりフランジにおいて ベース部材に離脱可能に結合されており、これにより液密封止が形成される。接 着剤層は、カバーシート部材とベース部材との間の数回の結合及び離脱操作の後 もフランジで両部材を結合することができるように選択される。 別の態様では、容器には、ベース部材から側方へ突出しているフランジに滑動 可能に係合するための手段を備え、少なくともベース部材の全長および幅にわた って延びているスライドカバーが供給され、これにより、カバーが完全に閉鎖位 置にある時ベース部材とスライドカバーとの間に液密封止が達成される。液密封 止を達成するために、柔軟なクッションライナーをカバー部材の内側に用いる。 本発明の別の要旨によれば、再封止可能なトップ部分を有し、コンタクトレン ズを洗浄、消毒、リンス及び保存するのに一回使用し、捨てられるコンタクトレ ンズ手入れ溶液が予備充填されたコンタクトレンズパウチが提供される。 好ましい態様では、コンタクトレンズ手入れ溶液が予備充填されたコンタクト レンズパウチは、プラスチック製インターロック装置を備えた再封止可能なトッ プ部分を持つように構成される。コンタクトレンズパウチには、工場でコンタク トレンズ手入れ溶液が予備充填され、薬品販売店などで販売されてよい。コンタ クトレンズ装用者は、再封止可能なトップ部分を開け、洗浄、消毒および保存の 為にコンタクトレンズをパウチに入れ、トップ部分を再封止する。コンタクトレ ンズを消毒するのに必要な所定時間の後、装用者はパウチを再び開き、コンタク トレンズを取り出し、リンスして、目にはめる。そして、パウチを廃棄する。パ ウチは柔軟であり、装用者はポケットや財布にいれて便利に持ち運ぶことができ る。この好ましい態様は、コンタクトレンズの洗浄、消毒、保存、リンスおよび 潤滑を単一の溶液で行う「オール−イン−ワン（all-in-one）」型のコンタクト レンズ手入れ溶液と共に使用するのに適している。 第１の変形態様では、コンタクトレンズパウチは、間に液密シールを備えた２ つの隔室を有するように構成される。第１隔室は、装用者が好ましい態様のとこ ろで記載したのと同じ方法でコンタクトレンズの洗浄、消毒および保存操作を行 えるように、再封止可能なトップ部分を有している。第２隔室は、第１隔室と並 列に配置され、その上部には再封止できない切取ミシン目が入れられている。こ の第２隔室は、コンタクトレンズをリンスし潤滑する溶液を含む。適当な溶液は 塩水である。コンタクトレンズ装用者が第１隔室でコンタクトレンズを消毒した 後、コンタクトレンズはパウチから取り出され、装用者の手のひらに乗せられる 。第２隔室の上部のミシン目に沿って裂くことにより、リンス溶液をコンタクト レンズの上に注ぎ、リンス操作を完了する。その後、レンズを目にはめる。 この態様は、洗浄および消毒用溶液並びにリンスおよび潤滑用の別の溶液を使 用する用途で用いるのにより適している。 第２の変形態様では、３つの独立した隔室を有するパウチが構成されてよい。 最初の２つの隔室は、右目用コンタクトレンズと左目用コンタクトレンズとをそ れぞれ保存するように設計された再封止可能なトップ部分を有している。リンス 溶液を含んでいる第３隔室には、開けるために、上部に再封止できない切取ミシ ン目が入れられている。第３隔室中のリンス溶液は、右目用と左目用のコンタク トレンズが第１隔室および第２隔室で洗浄および消毒された後、２つのレンズ両 方をリンスするのに使用することができる。 本発明はさらに、再封止可能なトップ部分を有する、コンタクトレンズ手入れ 溶液が予備充填されたコンタクトレンズパウチを、コンタクトレンズの洗浄、消 毒、保存およびリンスの為に使用する方法にも関する。パウチは、柔軟で、コン タクトレンズ装用者が便利に持ち運べ、１回使用した後に廃棄できる。 図面の簡単な説明 本発明の他の目的、特徴および利点は、明細書および添付の図面を参照するこ とにより、明らかになるであろう。 図面中、 図１は、カバーシート部材が部分的に剥離されてベース部材および隔室が見え ている、好ましい態様を示す斜視図である。 図２は、ベース部材の後部フランジにおけるカバーシート部材のラップアラウ ンド配置を示す図１の２−２線に沿った断面図である。 図３は、１つの隔室に対応するカバーシート部材の半分のみが剥離されている 好ましい態様の変形例を示す斜視図である。 図４は、スライドカバーがベース部材の上面を部分的に閉じている、別の態様 を示す斜視図である。 図５は、滑動可能に係合するための手段および柔軟なライナー封止手段を備え たスライドカバー部材を示す、図４の５−５線に沿った断面図である。 図６は、コンタクトレンズパウチが再封止可能なトップ部分を有している好ま しい態様の正面図である。 図７は、図６のＡ−Ａ線に沿った拡大断面図である。 図８は、２つの隔室を持つ第１の変形態様の正面図である。 図９は、３つの隔室を持つ第２の変形態様の正面図である。 態様の詳細な説明 図１には、ベース部材１４および部分的に剥離されたカバーシート部材１８を 有する容器１０が図示されている。ベース部材１４は、２つの隔室２０および２ ２と、それらの間に仕切り２４を有する。２枚のコンタクトレンズ１２は、隔室 の中に描かれている。レンズ手入れ溶液は、同じでも異なっていてもよく、隔室 ２０および２２に満たされている。ベース部材１４は１つの隔室のみを有し、従 って１種類の溶液で満たされていてもよい。溶液の代わりに、隔室２０および２ ２の中で粉末剤、ピルなどを適当に使用することも考えられる。隔室２０および ２２は、各隔室に間違いなく右目用レンズと左目用レンズを入れるように、成型 により形成された印しにより右および左のマークが付されていてよい。 カバーシート部材１８は、２つの隔室の少なくとも全長および幅にわたって延 びている。側方に突出しているフランジ２６は、その上に配置された接着剤層２ ８によりカバーシート部材１８とフランジ２６との間に適切な接着を形成するの に適した幅を有する必要がある。接着剤層２８は、中央フランジ領域３０を含め て隔室２０および２２の周囲のフランジ領域２６の大部分を覆うことに注意しな ければならない。 図１の２−２線に沿った断面図が図２に示されている。カバーシート部材１８ が後部フランジ３２を包み込んで後縁包囲３４を形成していることに注意された い。この後部フランジ３２における後縁包囲３４により、装用者がベース部材１ ４からカバーシート部材１８を誤って完全に剥がしてしまうのを防止できる。 図３は、図１の好ましい態様からわずかに変形した例を示す。この図３から分 かるように、カバーシート部材１８は、ベース部材１４の中央フランジ３０に重 なる部材の中央線にそってミシン目３６を有している。ミシン目３６により、カ バーシート部材１８の一方の側を他方の側とは独立にベース部材１４から剥離す るように中央線に沿ってカバーシート部材１８を裂くことができる。これにより 、他方の隔室を開いて汚染してしまうことなく、一時に一方の隔室のみを使用す ることができる。 ベース部材１４は、１つ、２つ、３つまたはそれ以上の隔室を含むことができ 、プラスチック材料の射出成形により、または押出プラスチックシートからの熱 成形により製造することができる。適当なプラスチック材料は、ポリプロピレン 、ポリエチレン、高密度ポリエチレン、超高分子量ポリエチレン、ポリアミド、 ＡＢＳ、ポリスチレン、無水マレイン酸変成ポリスチレン、およびポリカーボネ ートである。プラスチック材料は、寸法安定性、そりおよび収縮の物理的性質の 実質的な低下なしに（好ましくは２０％以上の低下なしに）、１２０℃で消毒で きなければならない。プラスチック材料は、レンズ処理溶液の蒸発を防ぐ為、低 い水および蒸気透過性を有すべきである。プラスチック材料は、汚染を防止する 為、バクテリアを通過させてはならない。 カバーシート部材１８は、延伸時に小さい延びを示すプラスチック材料、また は溶液に面する側にプラスチック被覆を有する金属箔、または金属箔／プラスチ ックフィルム積層体から作られてよい。プラスチック材料または金属箔は、レン ズ手入れ溶液中に通常含まれる化学薬品に対する耐薬品性を有していなければな らない。 フランジ２６上で使用される接着剤層２８は、カバーシート部材１８とベース 部材１４との間に液密封止を形成でき、さらに２つの部材を繰り返し結合、剥離 した後も液密封止を形成できるように、選択しなければならない。これにより、 カバーシート部材１８を剥離した後にベース部材１４の上面で再閉鎖および再封 止して、レンズ容器１０を廃棄前に数回使用できるようにする。この目的に適し た接着剤は、感圧接着剤であると考えられ、例えば、ポリブタジエン、ポリイソ プレン、天然ゴム、ニトリルゴム、エポキシ−ナイロン、ニトリルフェノール系 、 ネオプレン−フェノール系、およびビニル−フェノール系の感圧接着剤である。 接着剤を用いない他の封止手段、例えばジップ−ロック型のアレンジメントも、 液密封止が形成できる限り、使用することができる。接着剤層の適当な厚さは、 約０.０００１インチから約０.１２５インチの間の任意の厚さである。 本発明によれば、コンタクトレンズおよびコンタクトレンズ処理溶液を保持す るために容器を使用する方法は、まず、それぞれが所定の長さおよび幅を持ち、 仕切り２４をはさんで相互に隣接して配置されている少なくとも２つの隔室２０ および２２と、隔室の周囲から側方に突出しているフランジ２６および３０とを 有するベース部材１４を供給することにより実施することができる。次いで、十 分な厚さを持つ適当な接着剤の層をフランジ２６および３０上に塗布する。隔室 に、少なくとも１種のコンタクトレンズ処理溶液を１種の溶液が各隔室を満たす ように、充填する。次に、カバーシート部材１８を、接着剤層２８によりベース 部材１４に結合して、液密封止を形成する。接着剤層２８は、カバーシート部材 １８とベース部材１４とを繰り返し結合、剥離した後でも、両部材を結合して、 液密封止を形成することができる。 図４は、本発明の別の態様の１つを示し、この態様では、スライドカバー部材 ４０を用いてベース部材１４上に液密封止を提供する。図４の５−５線に沿った 断面図を図５に示す。スライドカバー４０はその後縁４２に停止機構４４を有し ている。この機構を、図４の切り欠き部分に示す。停止機構４４は、スライドカ バー部材４４がベース部材４４から誤って外れてしまわないように、フランジ２ ６に沿ってベース部材１４上にスライドカバー部材を閉鎖するのに便利なガイド を提供する。 スライドカバー４０には、それぞれの端にスライド係合手段４６および４８が 設けられ、これら係合手段は、ベース部材１４のフランジ２６に対するスプリン グ封止作用を提供し、これによりスライドカバー部材４０は、フランジ２６に対 して緊密に押し付けられ、液密封止を形成する。液密封止を促進するために、柔 軟なクッションライナー５０がスライドカバー４０の内側に用いられる。この柔 軟なクッションライナーは、弾性材料（例えばネオプレンゴム、ニトリルゴム、 ウレタンゴムなど）、発泡材料（例えば、発泡ポリウレタン、発泡ポリエステル 、発泡ネオプレンなど）または他の柔軟で曲げやすいシート状材料から、適当に 作成することができる。このような材料は、コンタクトレンズを洗浄、消毒、リ ンスおよび湿潤するレンズ処理溶液に通常含まれる化学薬品に対して適当な耐性 を有する必要がある。 スライドカバー４０は、ベース部材４１に使用されたようなプラスチック材料 から適当に成形することができる。 図４は、スライドカバー４０がベース部材１４から半分外されて、隔室２０お よび２２の半分が開いている状態を示す。右目用および左目用レンズに使用する のを容易にする為、２つの隔室それぞれに右および左のマークを付けることがで きる。 別の態様に描かれたスライドカバー４０は、ベース部材１４上に液密封止を達 成する好ましい手段の１つにすぎないことに注意すべきである。プレス−オン（ 押し込み）蓋などを含む他の閉鎖手段も満足に機能する。 本発明の利用をさらに容易にする為、複数のレンズ容器を、それらの側部で、 簡単に分離できるようにしながら、相互に接続して１つのストリップとしてパッ クすることもできる。使用者は、１週間、２週間または１ケ月の使用に対応して ストリップパッケージを適当に選択し、すぐに使用できる状態で便利に持ち運ぶ ことができる。 本発明の第２の態様が、まず図６に示されており、この図には、再封止可能な トップ部分６２を有するコンタクトレンズパウチ６０が描かれいる。再封止可能 なトップ部分６２には、再封止可能な封止手段７０が備えられている。この好ま しい態様では、再封止可能な封止手段７０は、プラスチック製インターロック装 置である。このプラスチック製インターロック装置の拡大断面図を図７に示す。 このプラスチック製インターロック装置は、一般にジップ−ロック（Zip-Lock） バッグとして知られている食品保存バッグに使用されている装置と同様のもので ある。 パウチ６０には、消費者に販売される前に、レンズ手入れ溶液６４が予め充填 されている。そのような溶液の適当な容量は、約４〜１０mlである。 パウチ６０は、実質的に柔軟な適当なプラスチック材料から作ることができる 。プラスチック材料は、まずシート状に押し出され、ついでバッグ状に熱成形さ れる。プラスチック製インターロック装置は、多くの場合、第２工程でシートに 結合される。インターロック装置は、プラスチックの押出工程において、シート と共に押出成形されてよい。 プラスチック材料は、寸法安定性、そりおよび収縮の物理的性質の実質的な低 下なしに、１２０℃で消毒できなければならない。プラスチック材料は、レンズ 処理溶液の蒸発を防ぐ為、低い水および蒸気透過性を有すべきである。プラスチ ック材料は、汚染を防止し、溶液の有効性を維持する為、バクテリアを通過させ てはならない。 ほとんどのレンズ手入れ溶液に対して不活性であるプラスチック材料は、ポリ エチレンである。ポリエチレンシートは、非常に薄い場合、酸素および光透過に 対する良好なバリアではない。好ましくは、ポリエチレンは、光透過性を減少す るように光学的透明性を変えることができる充填材を配合して使用される。 ポリエチレン薄フィルムには、薄い金属箔、例えばアルミニムム箔を積層する こともできる。積層フィルムは、ポリエチレン側を溶液に向けるようにしてパウ チ材料として使用することができる。金属箔は、酸素の拡散および光の透過をブ ロックするように機能する。プラスチック製インターロック装置は、高密度ポリ エチレン材料から押出成形することができる。このような場合、インターロック 装置は、別の製造工程でポリエチレンフィルムに積層することができる。 単一の隔室を図示している好ましい態様では、単一の溶液で洗浄、消毒、保存 、リンスおよび潤滑のすべての機能を達成することができる「オール−イン−ワ ン」型のレンズ手入れ溶液を使用するのが最も適している。そのような溶液の１ つは、アラーガン・インコーポレイテッド（Allergen Inc.）からコンプリート （Complete。登録商標）として市販されている。もちろん、他のレンズ手入れ溶 液も、図示したパウチに使用して、レンズ手入れ方法、すなわち洗浄、消毒、リ ンスまたは潤滑を単一機能で達成することができる。 予め充填したレンズ手入れ溶液を含む図６のパウチは、１回の使用後に廃棄せ ずに、再利用することもできる。しかし、コンタクトレンズ装用者は、溶液の汚 染を避け、したがって清潔性を損なわないようにしなければならない。 ポリエチレン／金属箔積層体の代わりに、蒸着または金属熱スプレーのいずれ かで金属粒子を堆積させたポリエチレンフィルムを用いることもできる。ポリエ チレンフィルムを通しての酸素の拡散および光の透過を最小にする為には、非常 に薄い厚さのフィルムで十分である。 図７に、プラスチック製インターロック装置７０の拡大断面図を示す。インタ ーロック装置の雄部分６６は、雌部分６８と平行した位置に示されている。フィ ルム７２および７４を押しつけて雄部分６６および雌部分６８に圧力を加えると 、雄部分６６が雌部分６８に係合して液密封止が完成される。 図６のパウチを使用する方法において、コンタクトレンズ装用者は、トップ部 分６２にあるプラスチック製インターロック装置７０を外してパウチを開き、コ ンタクトレンズをパウチに入れる。そして、プラスチック製インターロック７０ を係合してパウチを再封止し、液密封止を形成する。コンタクトレンズを一定時 間（すなわち一般にレンズ消毒に推奨されている最小時間は４時間）パウチ中に 浸した後、インターロック装置７０を開き、コンタクトレンズをパウチ６０から 取り出し、リンスした後、目にはめる。 図８に示す第１の別の態様では、コンタクトレンズパウチ７６には２つの隔室 ８６および９０が設けられている。液密シール８８が、熱成形工程において２つ の隔室８６および９０の間に形成される。隔室８６には、その上部８４にプラス チック製インターロック装置８４が設けられている。隔室８６には、コンタクト レンズ洗浄消毒溶液８２が予備充填されている。隔室９０には、上部に切取ミシ ン目７８が入れられいる。隔室９０には、リンス溶液８０が予備充填されている 。そのようなリンス溶液の適当な容量は、約２〜４mlである。リンス溶液８０は 、ミシン目７８に沿って破って隔室を開くことにより取り出せ、コンタクトレン ズが適切に消毒された後に溶液をレンズに注いで使用する。切取線７８は、破り やすいようにミシン目により形成され、一旦破ると再封止できない。 パウチ７６の隔室８６および９０に使用する材料は、好ましい態様で記載した パウチ６０に使用した材料と同様である。隔室９０に充填する典型的なリンス溶 液は、塩水である。 図８に示したコンタクトレンズパウチを使用する方法において、まずコンタク トレンズは、洗浄、消毒および保存溶液を含む隔室８６に、レンズを洗浄および 消毒するのに十分な時間入れられる。次に、隔室８６をプラスチック製インター ロック装置の部分で再度開き、コンタクトレンズを取り出す。隔室９０上部の切 取線７８を破って開き、リンス溶液をコンタクトレンズ上に注ぎ、レンズを目に 入れる前に最終的にリンスする。 第２の別の態様では、図９に示すように、コンタクトレンズパウチ９８には、 ３つの別個の隔室が設けられている。隔室９２および９４は、それぞれ右目用お よび左目用コンタクトレンズを洗浄、消毒および保存する為に使用される。２つ の隔室には、それぞれ右（Ｒ）および左（Ｌ）のマークが付され、それぞれにプ ラスチック製インターロック装置が隔室上部に備えられている。上部に切取線を 備えた隔室９６は、リンス溶液を保持する為に使用される。 第２の別の態様を使用する方法は、隔室９２および９４中でそれぞれ右目用お よび左目用コンタクトレンズを十分な時間洗浄消毒し、次いで隔室上部のプラス チック製インターロック装置を開いて隔室９２および９４からコンタクトレンズ を取り出すことを含んでいる。次に、リンス隔室９６を開き、含まれているリン ス溶液を２つのレンズ上に注ぎ、最終的にレンズをリンスおよび湿潤し、その後 レンズを目にはめる。 本発明を例によって説明してきたが、使用した用語は説明の為に用いたのであ って、発明を限定するものではない。 さらに、本発明を好ましい態様およびその代替態様により説明してきたが、当 業者ならそのような教示を本発明の他の変形例に容易に応用することができるで あろう。

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (81)指定国 ＥＰ(ＡＴ，ＢＥ，ＣＨ，ＤＥ， ＤＫ，ＥＳ，ＦＲ，ＧＢ，ＧＲ，ＩＥ，ＩＴ，ＬＵ，Ｍ Ｃ，ＮＬ，ＰＴ，ＳＥ)，ＡＵ，ＣＡ，ＪＰ (72)発明者 グラウ、ローリー・シー アメリカ合衆国92647カリフォルニア州ハ ンティントン・ビーチ、ナンバー１、グレ ンコー7891番

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １．コンタクトレンズ、およびコンタクトレンズ処理溶液を保持する容器であ って、 （ａ）コンタクトレンズを保持するための所定の長さおよび幅を持つ隔室、並 びに該隔室の周囲から側方に突出しているフランジを有するベース部材であり、 該隔室は、底面および該底面と該側方に突出しているフランジとの間に延びる側 壁により規定され、該隔室にはコンタクトレンズ処理容器が充填されている、ベ ース部材； （ｂ）該フランジ上に乗せられた接着剤層；および （ｃ）少なくとも該隔室の全長および幅にわたって延び、該接着剤層により該 側方に突出しているフランジにおいて該ベース部材に脱着可能に結合されて液密 封止を形成するカバーシート を有してなり、該接着剤層は、側方に突出しているフランジにおいて該カバーシ ート部材と該ベース部材との間に、繰り返し結合および剥離を行った後にも液密 封止を形成できる容器。 ２．該ベース部材は、物理的性質の実質的な損失なしに、１２０℃で消毒でき る材料で作られている請求の範囲１に記載の容器。 ３．該ベース部材は、低い水透過性を有する材料で作られている請求の範囲１ に記載の容器。 ４．該ベース部材は、バクテリアを透過しない材料で作られている請求の範囲 １に記載の容器。 ５．該コンタクトレンズ処理溶液は、コンタクトレンズ洗浄溶液、コンタクト レンズ消毒溶液、コンタクトレンズリンス溶液およびコンタクトレンズ湿潤溶液 からなる群から選択される請求の範囲１に記載の容器。 ６．コンタクトレンズ、およびコンタクトレンズ処理溶液を保持する容器であ って、 （ａ）コンタクトレンズを保持するための所定の長さおよび幅を持つ隔室、並 びに該隔室の周囲から側方に突出しているフランジを有するベース部材であり、 該隔室は、底面および該底面と該側方に突出しているフランジとの間に延びる側 壁により規定され、該隔室にはコンタクトレンズ処理容器が充填されている、ベ ース部材；および （ｂ）該ベース部材から側方へ突出している該フランジに滑動可能に係合する ための手段を備え、該容器に液密封止を形成するように該隔室の全長および幅に わたって延びているカバー部材であって、該カバー部材を開放および閉鎖するこ とにより、該隔室へコンタクトレンズを入れ、または該隔室からコンタクトレン ズを取り出すことができる、カバー部材 を有してなる容器。 ７．コンタクトレンズ、およびコンタクトレンズ処理溶液を保持する容器であ って、 （ａ）コンタクトレンズを保持するための所定の長さおよび幅を持つ隔室、並 びに該隔室の周囲から側方に突出しているフランジを有するベース部材であり、 該隔室は、底面および該底面と該側方に突出しているフランジとの間に延びる側 壁により規定され、該隔室にはコンタクトレンズ処理容器が充填されている、ベ ース部材； （ｂ）該ベース部材から側方へ突出している該フランジに滑動可能に係合する ための手段を備え、該容器に液密封止を形成するように該隔室の全長および幅に わたって延びているカバー部材であって、該カバー部材を開放および閉鎖するこ とにより、該隔室へコンタクトレンズを入れ、または該隔室からコンタクトレン ズを取り出すことができる、カバー部材；および （ｃ）該カバー部材の内側に配置された柔軟なクッションライナー を有してなる容器。 ８．コンタクトレンズ、およびコンタクトレンズ処理溶液を保持する容器であ って、 （ａ）コンタクトレンズを保持するための所定の長さおよび幅を持つ隔室、並 びに該隔室の周囲から側方に突出しているフランジを有するベース部材であり、 該隔室は、底面および該底面と該側方に突出しているフランジとの間に延びる側 壁により規定され、該隔室にはコンタクトレンズ処理容器が充填されている、ベ ース部材；および （ｂ）該隔室の全長および幅にわたって延びているカバー部材 を有してなり、該カバー部材および該ベース部材の該フランジは、該隔室に対し て再封止可能な液密封止を形成するように共動する容器。 ９．コンタクトレンズ、およびコンタクトレンズ処理溶液を保持する容器を製 造する方法であって、 （ｉ）所定の長さおよび幅を持つ隔室、並びに該隔室の周囲から側方に突出し ているフランジを有するベース部材であり、該隔室は、底面および該底面と該側 方に突出しているフランジとの間に延びる側壁により規定される、ベース部材を 供給し、 （ii）該フランジ上に十分な厚さの接着剤層を設け、 （iii）該隔室にコンタクトレンズ処理溶液を充填し、 （iv）該接着剤層により、少なくとも該隔室の全長および幅にわたって延びて いるカバーシート部材を該ベース部材に結合して液密封止を形成する ことを含んでなり、 該接着剤層は、該カバーシート部材と該ベース部材との間に、繰り返し結合およ び剥離を行った後にも液密封止を形成できる方法。 １０．コンタクトレンズ、およびコンタクトレンズ処理溶液を保持する容器を 製造する方法であって、 （ｉ）所定の長さおよび幅を持つ隔室、並びに該隔室の周囲から側方に突出し ているフランジを有するベース部材であり、該隔室は、底面および該底面と該側 方に突出しているフランジとの間に延びる側壁により規定される、ベース部材を 供給し、 （ii）該隔室にコンタクトレンズ処理溶液を充填し、 （iii）該ベース部材から側方へ突出している該フランジに滑動可能に係合す るための一体になった手段を備え、該隔室の全長および幅にわたって延びるのに 十分な寸法のカバー部材を供給し、 （iv）該カバー部材を、該ベース部材の該側方に突出しているフランジに滑動 的に係合させて、該カバー部材が該ベース部材上の完全に閉鎖位置にある時に液 密封止を形成する ことを含んでなる方法。 １１．コンタクトレンズ、およびコンタクトレンズ処理溶液を保持する容器を 製造する方法であって、 （ｉ）所定の長さおよび幅を持つ隔室、並びに該隔室の周囲から側方に突出し ているフランジを有するベース部材であり、該隔室は、底面および該底面と該側 方に突出しているフランジとの間に延びる側壁により規定される、ベース部材を 供給し、 （ii）該隔室の全長および幅にわたって延びているカバー部材を提供し、該カ バー部材および該ベース部材の該フランジは、該隔室に対して再封止可能な液密 封止を形成するよう共動するようにになっており、 （iii）該隔室にコンタクトレンズ処理溶液を充填し、 （iv）該カバー部材と該ベース部材のフランジとの間で、該隔室に対して再封 止可能な液密封止を形成する ことを含んでなる方法。 １２．コンタクトレンズを洗浄および保存する為のコンタクトレンズ手入れ溶 液が予め充填された、柔軟な再封止可能なパウチ。 １３．該パウチは、その上部に、該上部を封止する為の再封止可能な封止手段 を備えたトップ部分を有する請求の範囲１２に記載の再封止可能なパウチ。 １４．該再封止可能な封止手段は、プラスチック製インターロック装置である 請求の範囲１３に記載の再封止可能なパウチ。 １５．コンタクトレンズを洗浄および保存する為のコンタクトレンズ手入れ溶 液を予め充填した少なくとも１つの隔室を有する、柔軟な再封止可能なパウチで あって、 （ａ）液密封止を形成する為のプラスチック製インターロック装置を備えたト ップ部分；および （ｂ）該トップ部分に接続され、液絡された、該コンタクトレンズおよび該コ ンタクトレンズ手入れ溶液を含む為の下部部分 を有してなる、柔軟な再封止可能なパウチ。 １６．間に液密シールを持つ相互に並列した２つの隔室を有する請求の範囲１ ５に記載の再封止可能なパウチ。 １７．該パウチが熱可塑性材料で作られている、請求の範囲１１に記載の再封 止可能なパウチ。 １８．該熱可塑性材料はポリエチレンである請求の範囲１７に記載の再封止可 能なパウチ。 １９．該パウチが熱可塑性材料と金属箔との積層フィルムから作られている請 求の範囲１１に記載の再封止可能なパウチ。 ２０．コンタクトレンズを保存するためのコンタクトレンズ手入れ溶液を予備 充填した再封止可能なパウチの使用方法であって、 （ｉ）コンタクトレンズ手入れ溶液が予備充填され、再封止可能な封止手段を 備えたパウチを供給し、 （ii）該封止手段を脱係合して、コンタクトレンズを該パウチに入れ、 （iii）該封止手段を係合して液密封止を形成し、該コンタクトレンズを該コ ンタクトレンズ手入れ溶液に十分な時間浸し、 （iv）該封止手段を脱係合して、該コンタクトレンズを取り出す ことを含んでなる方法。