JPH08509010A - 発泡性組成物およびその使用法 - Google Patents
発泡性組成物およびその使用法Info
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- JPH08509010A JPH08509010A JP6523138A JP52313894A JPH08509010A JP H08509010 A JPH08509010 A JP H08509010A JP 6523138 A JP6523138 A JP 6523138A JP 52313894 A JP52313894 A JP 52313894A JP H08509010 A JPH08509010 A JP H08509010A
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Abstract
(57)【要約】
軟質の難燃性の発泡性組成物であり、(a)発泡物質、(b)有効量の安定剤、および(c)有機バインダーからなり、該バインダー中に該発泡物質および該安定剤が分散し、該エラストマーバインダーが少なくとも部分的に架橋し、該安定剤が一般式(I)で示される化合物から成る群から選択される化合物から本質的に成り、式中、R1−R4は各々、水素および炭素原子1〜約5個を有するアルキル基から成る群から選択されるが、但し、(i)R1およびR2の両方、または、R3およびR4の両方、のいずれかが炭素1〜約5個を有するアルキル基であること、および(ii)該安定剤が約105℃〜約125℃の融点を有する、ことを条件とする。
Description
【発明の詳細な説明】
発泡性組成物およびその使用法
本発明は、建造物火災の間に起こる火、煙、および煙霧の広がりを防止する際
に、防火材として使用するのに適した軟質発泡性組成物に関する。
多層階の建造物のような閉じ込められた空間における火、煙、および煙霧は非
常に生命を脅かすものになる。火がそのような建造物の床と天井の間の空間に発
生したとき、その火、および、その結果としての煙および煙霧が、その建物の別
の開放空間、特に火災の発生地点の上方の開放空間に広がることが多い。
導管、パイプなどと、それらが通っている床、天井との間は、「貫通路」とし
て機能する。耐火材で保護されていない場合、貫通路が火、煙および煙霧に対し
て低い抵抗性の領域を提供し、本質的に熱、炎および煙霧のための煙突の役割を
果たすことになる。貫通路を、この分野で「防火材」として知られている商業的
に入手できる難燃剤および発泡パテ、コーキング剤、ラップ、材、シートまたは
マットで充填してもよい。代表的な防火材製品は、当譲り受け人の米国特許第4
273879号、第4364210号、第4467577号および第49526
15号に開示されている。商品名「Palusol」(BASFから商業的に入手)および
「Expantrol」(3M Co.から商業的に入手)として知られている他の発泡難燃物
質が使用されており、後者は珪酸アルカリ金属である。
これらの防火材製品およびその他のものが、貫通路の煙突効果を減少または除
去するために広く使用されており、また、発泡および炭化後の厳しいAmerican S
ociety of Testing and Materials(ASTM)耐火試験(ASTM E-814)に合格して
おり、この試験において消火の間に存在する水のホース圧を受けたときにその物
質は容易に貫通路から吹き出されない。従って、防火材に必須の特質は、発泡す
る能力および炭化する能力、および炭化した物質が試験要求に耐える十分な強度
を持つことである。
前記組成物にもかかわらず、長期間酸化環境に暴露された後に、発泡、低い圧
縮永久歪み、および柔軟性を維持する防火材組成物が、この分野において必要と
されている。
本発明は、熱に暴露されたときに、元の体積の何倍も(好ましくは少なくとも
8倍)発泡する能力を持つ軟質、発泡性(熱膨張)、難燃性組成物に関する。こ
の組成物は、シートまたは成形品の形態で適用することができ、また、例えば燃
えている建造物中で火に暴露されて、110℃またはそれより高いオーダーの温
度に曝されるときまで、その柔軟な未発泡状態を維持することができる。加熱さ
れたとき、本発明の組成物は容易に発泡(膨張)して、壁または床の貫通路の間
隙を封止し、煙、蒸気、炎、水、および水蒸気に対する封止を与える。
本発明の組成物は、優れた圧縮永久歪みおよび発泡特性と共に、炭化された物
質の優れたチャー強度を有する。これらの用語は本明細書中に明確に定義されて
いる。
本発明の難燃性組成物は、未膨張状態において優れた耐老化性(オゾンおよび
酸素による分解に高い抵抗性を有する)および低い圧縮永久歪みを示し、膨張状
態において優れたチャー強度を示し、;さらに、好ましい組成物は既知の組成物
よりも毒性が低いと考えられる成分を使用しているので、従来のものよりも優れ
ている。
従って、本発明の1つの要旨は、軟質、難燃性、発泡性組成物であって、以下
のことを特徴とする:
a)発泡物質;
b)有効量の安定剤;
c)発泡物質および安定剤が分散しているエラストマー有機バインダーであっ
て、このエラストマーバインダーは少なくとも部分的に架橋しており、この安定
剤は、一般式I:
で示される化合物から成る群から選択される化合物から本質的に成り、
式中R1−R4は各々、水素(「H」)および炭素原子1〜約5個を有するアルキル
基から成る群から独立的に選択されるが、但し、
i)R1およびR2の両方、または、R3およびR4の両方の、いずれかが、炭素
原子1〜約5個を有するアルキル基でなければならない;
ii)安定剤が約105〜約125℃の範囲の融点を有する;
ことを条件とする。
この安定剤は、酸化防止剤および/またはオゾン化防止剤であり、本発明の組
成物の酸素および/またはオゾンへの暴露による有機バインダーの分解を減少ま
たは防止することができる化合物または化合物の混合物であると定義される。「
有効量」の安定剤とは、酸化条件に長期に暴露された後の組成物の発泡特性およ
び圧縮永久歪み特性が、実質的に変化しないようにするのに十分な量で安定剤が
存在することを意味する。安定剤について言及するとき、「本質的に成る」とい
う語は、発泡特性および圧縮永久歪み特性を延長することにおいて、一般式Iの
化合物を、非効果的なものにしてしまうことがない不純物を、安定剤が含んでい
てもよいことを意味する。
驚くべきことに、本発明に有用な安定剤は予想外にも、発泡(膨張)特性を実
質的に阻害することなく、本発明の発泡性組成物に、高い圧縮永久歪み特性を与
える。膨張方向は、本発明の組成物を、アルミニウム箔またはステンレススチー
ル箔のような金属箔に積層することによって制御することができる。
本明細書で使用される「難燃剤」という語は、本発明の組成物が、熱に暴露下
の炭化による炎、煙、および/または煙霧の広がりを阻止し、従って火の熱を受
け、水のホース流に曝されても崩壊しないことを意味する。「発泡性」という語
は、火または熱への暴露条件下、一般に水蒸気の排除により、膨張または発泡す
ることを意味する。「塩素化エラストマーバインダー」という語は、多数の塩素
置換基を有する実質的に架橋されたポリマーバインダーを意味し、組成物に火の
拡がりを阻止させる。「チャー強度」という語は、約110℃より高い温度に暴
露後に本発明の組成物から形成される膨張した残留炭質物(「チャー」)の強さの
指標である。
「圧縮永久歪み」という語は、方程式(1−tf/ti)100によって定義さ
れる(tf/tiは、圧縮され解放された後の組成物の厚さと組成物の元の厚さ(
即ち圧縮前)との比である)。圧縮永久歪みは、本発明の組成物中のバインダー
の硬化程度を示す。有機バインダーが充分に硬化(即ち、架橋)していない場合
、本発明の組成物は、加えられた力が除去された後に非弾性的に変形する。本発
明の組成物が圧縮永久歪み20%未満、より好ましくは10%未満、最も好まし
くは0%であれば、その組成物は圧縮および解放後に元の厚さに実質的に戻るの
で、許容されるものとなる。
本発明の発泡性組成物に関して使用される「膨張比」という語は、膨張した体
積(加熱または熱への暴露によって生じる体積)と標準の加熱条件下における本
発明の組成物サンプルの初期体積との比である。
有機バインダーの硬化の程度が、本発明の組成物の膨張比に影響を及ぼすこと
が見出された。硬化不足の組成物は明かに、発泡成分からの膨張ガスに対して抵
抗性がなく、膨張ガスが漏れ出る。他方、過硬化のバインダーは明かに、膨張ガ
スに過度の抵抗性を示し、膨張を起こさせない。この過程を制御することは、所
定の機能を果たし、かつ老化後も機能し続ける組成物を開発するのに非常に重要
である。
本発明の組成物に有用な安定剤は、本質的に、一般式Iで示されるジアリール
パラフェニレンジアミンから成る群から選択される化合物から本質的に成り、こ
のジアリールパラフェニレンジアミンは約105〜約125℃の範囲の融点を有
する。特に好ましい安定剤は、商品名「Wingstay」100 AZとして、Goodyear Che
mical Co.(Akron,オハイオ州在)から商業的に入手できる。これは、融点が
108−114℃である、一般式Iで示されるジアリールパラフェニレンジアミ
ンの所有混合物である。この特定の安定剤を合成するための出発原料は、オルト
トルイジン、混合キシリデン(オルト、メタ、およびパラ)、およびヒドロキノ
ンであると考えられる。従って、反応生成物は一般に、ジ−混合(オルト、メタ
、および/またはパラ)キシリデン−、ジオルトトリル−、およびオルトトリル
−
混合(オルト、メタ、またはパラ)キシリデンパラフェニレンジアミンを含む。
特定の理論に縛られるものではないが、キリシデン上のメチル基(および、存在
するとすれば長鎖アルキル基)が、反応生成物中の窒素の塩基性度を減少させ、
従って、本発明の組成物の早期硬化を明かに減少させると考えられる。
発泡物質は好ましくは、米国特許第4273879号に記載されているような
粒状水和アルカリ金属シリケートである。発泡物質の平均粒度は、約0.2mm〜
約2.0mmの範囲であってよく、粒子の約95重量%が0.2mmよりも大きい。
’879特許に記載されている好ましいアルカリ金属シリケートは、粒状のナト
リウムシリケートであり、湿分約5〜約30重量%、二酸化珪素(SiO2)と
酸化ナトリウム(Na2O)の比が約2.0:1〜約3.75:1であり、平均
粒度が約0.2mm〜2.0mm(即ち、粒子の約95%が0.2mmより大きい)で
ある。
本発明の好ましい組成物において、未結合硫黄含有量は、好ましくは5重量%
未満、より好ましくは2.5重量%未満、さらに好ましくは1重量%未満である
。商品名「Wingstay」100 AZとして知られている安定剤が本発明の組成物に含ま
れているとき、未結合硫黄が零または微量であれば、その組成物は許容される圧
縮永久歪みを示すだけでなく、その組成物の膨張も最大になることが、発明者に
よって見い出された。
ジメチルチウラムモノスルフィド(商品名「Unads」としてAkzo Chemicals(A
kron,オハイオ州在)から入手)およびジオルトトリルグアニジン(DOTG)
のような、硫黄結合を含む硬化促進剤の使用は、特に未結合硫黄が除去されるか
または微量に保持されるとき、高温で老化した物質のチャー膨張の長期保持を驚
くほど向上させることもまた発見された。
ゴム化学の分野において、成分の相対重量は「エラストマ−100重量部当た
りの重量部」、または「PHR」として表されることが多い。この様に表された
成分量を持つ本発明の組成物の例が、下記の実施例に挙げられている。重量%に
基づいて、本発明の軟質、発泡性、難燃性組成物は、好ましくは、水和アルカリ
金属シリケートを約15〜約80重量%、有機バインダーを約15〜約40重量
%、有機チャー形成成分を40重量%以下、および一般式Iで示されるジアリー
ルパラフェニレンジアミンを約0.1〜約1.5重量%含む。
有機バインダーは好ましくはエラストマーであり、より好ましくは、商品名「
Neoprene」として知られているポリクロロプレンエラストマーなどのような塩素
化エラストマーである。エラストマーバインダーは好ましくは、ポリイソプレン
およびポリクロロプレンゴムのような合成ゴムおよび天然ゴムのような有機チャ
ー形成エラストマーの種類から選択される。特に好ましいエラストマーは、ポリ
クロロプレンであるが、なぜならそれは優れた耐老化性、高い耐候性を有し、か
つ火または熱に暴露されたときに単独でチャー形成剤になるからである。
ポリクロロプレンエラストマーおよび同様のエラストマーは、本来チャー形成
性であり、チャー形成バインダー添加剤を使用する必要はない。「Neoprene G」
および「Neoprene W」型のクロロプレンゴムはどちらも、有機バインダーとして
本発明に有用である。「Neoprene G」ゴムが「Neoprene W」型と異なるのは、G
型は硫黄と共重合しチウラムジスルフィド安定剤を含む点である。W型はクロロ
プレンのホモポリマー、またはクロロプレンおよび2,3−ジクロロ−1,3−
ブタジエンのコポリマーであり、硫黄、チウラムジスルフィド、または分解して
遊離硫黄または加硫剤促進剤のいずれかを生じることができるその他の添加剤を
含まない。本発明に使用するのに適しているNeoprene Gポリクロロプレンエラス
トマーは、数平均分子量約20,000〜約950,000である。本発明に使
用するのに適しているNeoprene Wポリクロロプレンエラストマーは、数平均分子
量約180,000〜約200,000である。商品名「Neoprene」WおよびG
型として知られているポリクロロプレンエラストマー中の塩素の重量%は、約3
5〜約37重量%である。その他の有用なポリクロロプレンエラストマーには、
商品名「Baypren」(Mobay Corp.)および「Butachlor」(A.Schulman Co.)と
して知られているものが含まれる。
有機バインダーが、非チャー形成性であれば、チャー形成添加剤が本発明の組
成物に加えられなければならない。好ましい非チャー形成ポリマーは、商品名「
Parachlor」(Uniroyal Chemicalより)および「Tyrin」(Dow Chemicalより)
として知られているもののような塩素化ポリエチレン;商品名「Hypalon」(du
Pont)
として知られているもののようなクロロスルホン化ポリエチレン;ポリブテン;
およびポリスルフィドポリマーを包含する。
本発明の組成物に有用なチャー形成樹脂は、フェノール樹脂、ポリカルボイミ
ド樹脂、ユリアアルデヒド樹脂、およびメラミンアルデヒド樹脂を含む。一般的
用語「フェノール樹脂」は、フェノールホルムアルデヒド樹脂、および他のフェ
ノール誘導化合物とアルデヒドから成る樹脂を包含する。
窒素−燐化合物、例えば、Great Lakes Chemical Corp.(West Lafayette,
インジアナ州在)の商品名「NH1197」;Albright and Wilson(Richmond,バー
ジニア州在)の「Amgard ND」、「Amgard EDAP」、「Amgard NH」;およびHoech
st Celanese Corp.(Somerset,ニュージャージー州在)の「Exolet IFR-10」
を加えることは、必須ではないが望ましい場合が多い。
加硫剤、活性剤、架橋剤がエラストマーの硬化を補助するために加えられてよ
く、促進剤は架橋反応の速度制御を補助する。好ましい架橋剤は、酸化亜鉛およ
び酸化マグネシウムのような未結合の硫黄を含まないものである。特に有用な加
硫剤の1つは、体積に対して表面積が広い、C.P.Hall(Chicago,イリノイ州在
)の商品名「Maglite D」として知られる酸化マグネシウムである。酸化マグネ
シウムは、酸化亜鉛と共に使用されると、事実上、加硫遅延剤として作用するが
、その理由は、この2つの化学物質は、好ましいクロロプレンエラストマーバイ
ンダー中の塩素または他のハロゲンに対して競合するからである。酸化亜鉛は、
加硫のための活性剤として機能するルイス酸である。
本発明の軟質、難燃性の発泡複合材料は、柔軟なパテ状組成物から硬質ゴムの
範囲に及ぶ。この硬さの範囲は、複合材料の個々の成分の量を選択的に変化させ
ることによって得られる。
例えば、有効量の可塑剤を本発明の組成物に加えて、それらが軟質、好ましく
は押出し可能になるのを補助するのが好ましい。加える可塑剤の量は、組成物の
重量に基づき約2.5〜約7.5重量%の範囲である。好ましい可塑剤は、ナフ
テン系石油(シクロパラフィン)の燐酸エステル、例えば、燐酸イソデシルジフ
ェニル、他の燐酸エステルなどである。1つの好ましい可塑剤は、Calumet
Lubricants(Chicago,イリノイ州在)から商業的に入手できる商品名「Calsol
」8240として知られるものである。この特定の可塑剤は、重度に水素化されたナ
フテン系石油の燐酸エステルである。
本発明の組成物は、硬度を調節し、費用を削減するために充填剤を含むことが
できる。本発明の組成物に加えることができる充填剤は、珪砂(シリカ)、着色
剤、クレー、フライアッシュ、発泡剤、パーライト、ひる石(バーミキュライト
)、ガラス繊維およびミネラルウールのような無機繊維、および有機繊維を含む
。充填剤は組成物の剛性(硬さ)を増加させる。好ましい充填剤は、アルミナ三
水和物であり、これはJ.M.Huber,Solem Division(Norcross,ジョージア州在
)から商品名「Solem」SB332として商業的に入手できる。着色剤は商品の同定に
有用であり;好ましい着色剤は、種々の形態の酸化鉄である(Fe2O、Fe3O4
、またはFe2O3)。
安定剤の有益な効果を妨げないことを条件として、通常の酸化防止剤およびオ
ゾン化防止剤を本発明の組成物に使用することができる。1つの有用な通常の酸
化防止剤は、R.T.Vanderbilt(Norwalk,コネチカット州在)から商品名「Ager
ite Stalite S」で商業的に入手できるものであり、これはオクチル化ジフェニ
ルアミンの混合物から成る。有用なオゾン化防止剤は、Uniroyal Chemical(Akr
on,オハイオ州在)から商品名「Sunproof Jr.」で商業的に入手できるワックス
オゾン化防止剤である。この特定のオゾン化防止剤は、脂肪族炭化水素のブレン
ドである。炭化水素は、膨張する組成物の外表面に上がってくる傾向があり、オ
ゾンに対するバリヤーを提供する。
本発明の硬化発泡性組成物の先駆物質ミルベース(mill base)を構成する成
分は、一般的に、かつ好ましくは、通常のゴム用ロール機またはバンバリー加工
装置を用いて混合される。配合後、この先駆物質ミルベースを0.635cmの厚
さのシートに圧延し、アルミニウム箔を積層する。別の手順において、先駆物質
ミルベースをゴム用ロール機で0.635cmの厚さのシートの形態にし、次にプ
レスで片方の側にアルミニウム箔および六角ワイヤーを積層し、他方の側に15
ミル(0.038cm)のスチール箔を積層する。次に、発泡性組成物の圧縮永久
歪みが許容されるレベルに達するまで、積層されたシートを炉の中で約90℃で
加硫するが、一般に5日または6日を要する。
本発明の好ましい物品の具体例において、発泡性組成物の膨張方向は、拘束層
をそれに積層することによって、効果的に制御される。拘束層を使用することに
よって、火および熱に対する発泡反応の間に形成されるチャーが、確実に貫通穴
を最適に充填するように発生される。約110℃よりも高い温度に暴露されると
、拘束された発泡シートは、非拘束発泡シートの場合のように全方向に膨張せず
に、拘束層に対して実質的に垂直方向に、即ち貫通部に膨張し、それによって最
適にそれを充填する。有用な拘束層は、米国特許第4467577号に開示され
ており、アルミニウム、銅、スチールおよび鉛から作られる金属箔、シートおよ
びスクリーン;クラフト紙のような厚紙および板紙;シリコーンおよびエポキシ
から作られる耐熱ゴムおよびプラスチックシート;ガラス繊維のような無機繊維
およびポリアラミドのような耐熱有機繊維から作られるスクリーンおよび布を含
む。
好ましくは、本発明の発泡性先駆物質組成物は、一方の側のアルミニウム箔に
積層されるかまたは、一方の側のアルミニウム箔および六角ワイヤーに積層され
、他方の側のスチールシート材料に積層される。発泡性先駆物質組成物は、熱風
炉のような加熱手段に暴露して加硫することによって硬化される。加硫温度は、
発泡物質の予備発泡を避けるように制御しなけらばならないが、エラストマーが
適正な圧縮永久歪みに架橋するように十分高くなければならない。硬化が増すと
、圧縮永久歪みが減少する。20%未満の圧縮永久歪みを得るためには、90℃
(194゜F)で5日または6日の加硫が好ましい。
試験方法
本発明の発泡性組成物の圧縮永久歪みを測定するために、直径1インチ(2.
54cm)のディスクを先駆物質組成物のシートから打ち抜いた。MTS(材料
試験システム)装置を用いてサンプルを圧縮した。サンプルの初期厚さ(ti)
を測定した。サンプルを最初の厚さの1/2に圧縮し、30秒間圧縮状態に維持
した。力を開放し、サンプルを除去した。5分以上、10分以下経過後、最終厚
さ(tf)を測定した。
圧縮永久歪み%を下記方程式によって計算した:
圧縮永久歪み% = (1 − tf/ti) x 100
圧縮永久歪みの高い数値は、サンプルの元の厚さへの回復が悪いことを意味し
;一方低い数値は、良好な回復を示す。圧縮永久歪みは、硬化の程度を示す。架
橋が浅いポリマー(硬化が最小)は、低い回復および高い圧縮永久歪みを示す。
一方、十分に架橋されたポリマー(硬化が進行している)は、高い回復および低
い圧縮永久歪みを示す。好ましい圧縮永久歪み値は20%未満である。
膨張比を測定するために、打ち抜いたディスクを蝋引きし、冷却し、水中での
重量損失から初期体積を測定した。次にこのディスクを予熱した炉の中に350
℃で15分間置いた。このサンプルを取り出し、膨張物質の体積(最終体積)を
、アルキメデスの排水量の原理を用いて測定した。膨張は次のように表される:
X = 最終体積/初期体積
高い体積膨張が最も望ましい。従って、膨張比少なくとも8が、本発明に好まし
い。
物質の説明
「Neoprene W」は、E.I.DuPont de Nemours(Wilmington,デラウェア州在)
から入手されるポリクロロプレン,35−37%塩素化エラストマーの商品名で
ある。
「Wingstay」100AZは、Goodyear Chemical Co.(Akron,オハイオ州在)
から商業的に入手されるオゾン化防止剤および酸化防止剤の商品名であり、融点
約108〜114℃のジアリールパラフェニレンジアミンの混合物である。
「Wingstay」29は、Goodyear Chemical Co.(Akron,オハイオ州在)から商
業的に入手されるオゾン化防止剤の商品名であり、ヒュームドシリカが30重量
%になるようにヒュームドシリカに吸着されたスチレン化ジフェニルアミン液で
あ
る。
「BriteSil HS−240」はPhiladelphia Quartz Co.(Valley Forge,ペン
シルバニア州在)から商業的に市販される水和ナトリウムシリケートの商品名で
ある。
「Solem」SB332は、J.M.Huber,Solem Division(Norcross,ジョージア
州在)から商業的に入手されるアルミナ三水和物の商品名である。
「Agerite Stalite S」は、R.T.Vanderbilt(Norwalk,コネチカット州在)か
ら商業的に入手される酸化防止剤の商品名であり、オクチル化ジフェニルアミン
の混合物から成る。
「Sunproof Jr.」は、Uniroyal Chemical(Akron,オハイオ州在)から商業的に
入手される脂肪族炭化水素の蝋状ブレンドから成るオゾン化防止剤の商品名であ
る。
「Maglite D」はC.P.Hall(Chicago,イリノイ州在)から商業的に入手される
体積に対する表面積率が高い酸化マグネシウムから成る加硫剤の商品名である。
「Mag Beads」は、Elastochem(Chardon,オハイオ州在)から商業的に入手され
る水素化されたシクロパラフィン油中の酸化マグネシウムの分散液から成る加硫
剤の商品名である。
「Iron Oxide PF−95」は、Bailey Engineers(Fairfield,アラバマ州在)
から商業的に入手される酸化鉄の商品名である。
「Calsol」8240は、Calumet Lubricants(Chicago,イリノイ州在)から商
業的に入手される可塑剤の商品名であり、強度に水素化したシクロパラフィン油
である。
「Elastozinc」は、Elastochem(Chardon,オハイオ州在)から商業的に入手さ
れる加硫剤の商品名であり、水素化シクロパラフィン油中の酸化亜鉛の分散液か
ら成る。
「DOTG」はAmerical Cyanamid(Charlotte,ノースカロライナ州在)から商業的
入手される促進剤、ジオルトトリルグアニジンの商品名である。
「Unads」は、Akzo Chemicals(Akron,オハイオ州在)から商業的に入手される
ジメチルチウラムモノスルフィド促進剤の商品名である。
「PB−RM−S−80」は、Elastochem(Chardon,オハイオ州在)からのエ
チレンコポリマーバインダー中の硫黄の分散液の商品名である。
極微小湿潤性硫黄は、George Gulf Sulfur(Valdosta,ジョージア州在)の製品
である。
下記の実施例において、全ての部およびパーセンテージは、特に記載のない限
り、重量に基づく。
実施例実施例1−13および比較例A−E
実施例1−13(本発明)の組成物の膨張および圧縮永久歪み特性を、比較例
A−Eの組成物と比較した(これらの組成物は表1−3に示されている)。これ
らの組成物は、カム混合羽根のついた350mL容量の小型ミキサーを用いて実
験室で配合した。このミキサーは、C.W.Branbender Instruments,Inc.(Sout
h
Hackensack,ニュージャージー州在)から商業的に入手される「Plasticorder」
Model DR-2071として知られるトルクレオメーターによって動力を供給される。
これは「Brabender」ミキサーと呼ばれる。
混合およびサンプル製造手順は以下の通りであった。:
1.エラストマーをミキサーに入れ5分間混合した。
2.水和ナトリウムシリケートを除き、残りの成分を加えさらに15分間以内
混合した。
3.水和ナトリウムシリケートを加え、この組成物を5分間混合した。
4.この物質をミキサーから取り出し、厚さ0.25インチ(0.635cm)
のシートにプレスし、片側に厚さ0.002インチ(0.127mm)のアルミニ
ウム箔を積層した。この物質をプレスおよび積層するために、Wabashプレス、Mo
del 7S-1818-2TMを、60℃(140F゜)で使用した。
5.次にこのアルミニウム箔積層シートを90℃(194F゜)に加熱した炉
の中に35日間置いた。
6.シートから直径1インチ(2.54cm)のディスクを打ち抜くことによっ
て、サンプルを35日間定期的に取り出した。
7.圧縮永久歪みおよび膨張比を、実施例1−13および比較例A−Eの組成
物について測定した。表4−6に示されるデータによって、エラストマーの架橋
の進行、および組成物の加速された耐老化性(圧縮永久歪みおよび膨張比)を評
価することができる。本発明の組成物(商品名「Wingstay」100 AZとして知られ
る安定剤を含有する組成物)を比較組成物(「Wingstay」100 AZを含有しない組
成物)と比較することによって、優れた膨張および圧縮永久歪みが得られたこと
が分る。
表7に詳細に記載するように、実施例13の組成物を、既知の通常の成分を使
用する以外は同じ種類である組成物と比較した。膨張比および圧縮永久歪みのデ
ータを、表8に示す。
実施例14−16:ラップ/ストリップおよび複合シート
これらの実施例の難燃性組成物の製造のために、水冷F−80バンバリーミキ
サーを使用した。エラストマー、可塑剤、および発泡剤以外の全ての成分をドラ
イブレンドによって予備回分処理した。エラストマー予備バッチ、可塑剤および
発泡剤を低速のバンバリーミキサーに入れた。ラムを下げ、ラム圧50psiを維
持した。温度が82℃(180゜F)に達したとき、バッチを落し、押出し、0
.635cm(0.25インチ)シートに圧延し、実施例14および15について
はアルミニウム箔を片側に積層した。このシートを炉で、90℃で5〜6日間硬
化した。
実施例16の積層物を製造するために、バンバリーミキサーからの押出物質を
2ロールのゴム用ロール機に載せ、厚さ0.635cm(0.25インチ)に圧延
し、寸法に切断し、片方の側に厚さ0.015インチ(0.38mm)の亜鉛めっ
きステンレス六角ワイヤースクリーンを、他方の側に、0.0025インチ(0
.00635cm)のアルミニウム箔を積層した。
実施例14の積層物は、アルミニウム箔に積層された実施例13として表7中
に示された軟質難燃発泡性組成物を使用した。この積層物を、ASTM試験法E
814に従って、拘束カラーおよびプラスチックパイプ装置で評価した。これら
の積層物を直径10.2cmのポリ塩化ビニルパイプのまわりに取り付けた。比較
のために、表7に「現FS−195製品」として示された組成物と同様の組成物
から成る積層物を、アルミニウムに積層し、ASTM試験法に従って、拘束カラ
ーおよびプラスチックパイプ装置で試験した。この比較製品と比べて、本発明の
積層物は、火炎通過時間を約1時間超過した。即ち、本発明の組成物を含有する
実施例14の積層物の平均火炎通過時間は約3時間半であり、一方、比較製品積
層物は、約2時間半であった。
実施例15は、前記実施例14に関する記載のように、実施例13の組成物を
アルミニウム箔支持体に適用した。実施例15の積層物を、前記ASTM試験法
E814に従って、2時間火炎通過、1時間温度、および1時間バックアップホ
ース流試験にかけた。実施例15の積層物を、2.5インチ(6.35cm)コン
クリートスラブの29インチ(73.7cm)直径の開口部に置いた20インチ(
50.8cm)直径のスチールパイプに巻き付けた。この積層物の4ラップを、ガ
ラス繊維絶縁材3インチ(7.62cm)で絶縁したスチールパイプ上で使用した
。本発明の積層物は、2時間の火炎通過、1時間の温度、1時間のバックアップ
ホース流試験に合格した。
実施例16では、実施例13の軟質発泡難燃性組成物を、前記のようにアルミ
ニウム箔および亜鉛めっき六角ステンレススチールワイヤースクリーンの間に積
層し、4.5インチ(11.4cm)コンクリートスラブ中の32インチ(81.
3cm)正方形開口部の2分の1に設置した。表7に「FS−195」として示さ
れた組成物を使用し、アルミニウム箔および亜鉛めっき六角ステンレススチール
ワイヤースクリーンの間に積層された比較製品の積層物を、前記正方形開口部の
他の半分に設置した。各半分において、4インチ(11.4cm)直径の銅パイプ
が設置された。この設置は要求条件を満たし、ボトムアプリケーションのための
アンダーライター実験室のシステム93に相当する。本発明の積層物は、1時間
火
炎通過試験およびホース流試験に合格した。
本発明の様々な修正および変更は、当業者に明かである。前記開示および実施
例は、意図する請求の範囲を制限するためのものではなく、単にそれを説明する
ためのものである。
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 1.軟質の難燃性の発泡性組成物であって、 a)発泡物質; b)有効量の安定剤; c)該発泡物質および安定剤が分散しているエラストマー有機バインダーを含 んで成り、 該エラストマーバインダーは少なくとも部分的に架橋しており、該安定剤は、一 般式I: で示される化合物から成る群から選択される化合物から本質的に成り、 式中R1−R4は各々、水素および炭素原子1〜約5個を有するアルキル基から成 る群から独立的に選択されるが、但し i)R1およびR2の両方、または、R3およびR4の両方、のいずれかが炭素原 子1〜約5個を有するアルキル基である; ii)該安定剤が約105℃〜約125℃の範囲の融点を有する; ことを条件とする、 ことを特徴とする組成物。 2.該安定剤が、融点約108℃〜約114℃である一般式Iで示される化合 物の混合物であることをさらに特徴とする請求項1に記載の組成物。 3.該エラストマー有機バインダーが、少なくとも部分的にハロゲン化されて いることをさらに特徴とする請求項1に記載の組成物。 4.該有機バインダーが非チャー有機バインダーであること、および該組成物 がさらにチャー形成物質を含むことをさらに特徴とする請求項1に記載の組成物 。 5.該チャー形成物質が、フェノール樹脂、ポリカルボイミド樹脂、ユリアア ルデヒド樹脂、メラミンアルデヒド樹脂、および窒素−燐化合物から成る群から 選択される物質から成ることをさらに特徴とする請求項4に記載の組成物。 6.該発泡物質が、熱に暴露時に該組成物を原体積の少なくとも約8倍に膨張 させるのに十分な量で存在することをさらに特徴とする請求項1に記載の組成物 。 7.未結合の硫黄が実質的に存在しないことをさらに特徴とする請求項2に記 載の組成物。 8.硫黄結合を含むが未結合の硫黄を含まない硬化促進剤を含むことをさらに 特徴とする請求項2に記載の組成物。 9.該硬化促進剤が、ジメチルチウラムモノスルフィドであることをさらに特 徴とする請求項8に記載の組成物。 10.発泡物質が、水和アルカリ金属シリケートであることをさらに特徴とす る請求項1に記載の組成物。 11.第一面および第二面を有し、第一面が金属箔に積層されているシートの 形態である請求項1に記載の組成物を含んで成る物品。 12.該金属箔が、アルミニウム箔およびステンレススチール箔から成る群か ら選択されることをさらに特徴とする請求項11に記載の物品。 13.該シートの第二面が、亜鉛めっきステンレススチールワイヤースクリー ンに積層されていることをさらに特徴とする請求項12に記載の物品。
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