JPH08508651A - 蛋白質合成用無細胞システムおよびそれにおけるシャペロン蛋白質の利用 - Google Patents

蛋白質合成用無細胞システムおよびそれにおけるシャペロン蛋白質の利用

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JPH08508651A JP6523319A JP52331994A JPH08508651A JP H08508651 A JPH08508651 A JP H08508651A JP 6523319 A JP6523319 A JP 6523319A JP 52331994 A JP52331994 A JP 52331994A JP H08508651 A JPH08508651 A JP H08508651A
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Abstract

(57)【要約】 本発明は蛋白質の無細胞合成およびリジニアリング用の新しい、高効率の方法を提供する。本発明によるこの新しい方法は、無細胞抽出物を作成するステッブと、該抽出物からリボゾームフラクションを分離するステップと、転写/翻訳用培地の存在下で該リボゾームフラクションを培養するステップと、そして合成された蛋白質の量を測定するステップとで構成される。本発明による方法は結合転写/翻訳システム、翻訳のみシステム、または無細胞継続流システムとして用いることができる。また、蛋白質合成およびシャペロン蛋白質を用いてそれらを正しく組み込む方法も提供される。

Description

【発明の詳細な説明】 発明の名称 蛋白質合成用無細胞システムおよびそれにおけるシャペロン蛋白質 の利用 発明の背景発明の分野 本発明は一般的には蛋白質合成の分野に関するものである。より具体的には、 本発明は望ましい蛋白質の無細胞翻訳、あるいは外部から付加した遺伝子の無細 胞結合転写/翻訳のための高効率システムに関するものである。関連技術の説明 プラスミドにクローンされたコード配列の無細胞転写は完全な細胞における遺 伝子表現で遭遇する多くの問題をうまく回避する。これらの問題には生成物の不 溶性、毒性、そして後での精製の難しさなどがある。無細胞蛋白質合成の主たる 欠陥は、形成される生成物の量が比較的少量であることであった。この欠陥は、 Science 242:1162(1988)に発表されている、Spirinおよびその共同研究者ら による、比較的高レベルの蛋白質合成が、例えば、24時間あるいはそれ以上とい う長い期間、リニヤーレイト(linear rate)で維持できる継続流無細胞(CF CF)翻訳および結合転写/翻訳システムの開発によって、かなり克服されたよ うに見える。例えば、大腸菌から導かれた結合転写/翻訳CFCFシステムでは 、高率の蛋白質合成が24時間維持できる。 翻訳に適した大腸菌(S30)からの無細胞抽出物はG.Zubay(1973)により開 発された(Ann.Rev.Genetics 7: 267−287)。このS30抽出物は基本的にDNAを含んでおらず、翻訳条件下での 予備培養を行うため、mRNAを含んでいないが、完全な細胞に見られる可溶性 蛋白質およびRNA類のほとんどは保持している。線形化ファージまたはプラス ミドDNAおよび線形化DNA断片の結合転写/翻訳用にS30システムを用いる ことは発表されている(J.M.Prattら(1981)Nucl.Ac.Res.9:4459−4474 ;およびJ.M.Prattら(1984)Transcription and Translation:A Practical Approach (Hames,B.D.,およびHiggins,S.J.,著 ページ179−209,IRL 発行)。 しかしながら、CFCF翻訳を行おうとした多くの研究者は、この技術的に複 雑なシステムを確立するために、多くの困難に直面してきている。結合転写/翻 訳のための最初のシステムはZubayの方法を用いた未精製S30フラクションに基 づいている。リボゾームに加えて、このフラクションは完全な大腸菌細胞内に存 在する可溶性蛋白質のほとんどすべてを含んでいる。これには、多くの、分解可 能なプロテアーゼおよびヌグレアーゼが含まれている。この未精製システムがも たらすひとつの特殊な結果は、明らかに、そして少なくとも部分的には、操作中 にS30フラクション内の可溶性蛋白質から形成される変性蛋白質により、CFC F操作中に反応室のフィルターが目づまりを起こす傾向があることである。第2 に、S30フラクションは線形DNAをその自由な端末から切り離す非常に活発な 可溶性エグゾデオキシリボヌグレアーゼ を1種以上含んでいる。第3に、酵素活性蛋白質の無細胞合成用に必要な蛋白質 および核酸ファクターの定義と特徴付けとが不十分である。これらのファクター が蛋白質合成中に、相互に、また、リボゾームとどのように反応するかについて はほとんど知られていない。 未完成蛋白質の適切な組み込みに関する情報がその遺伝子のコード配列には本 質的に備わっているということは一般的に受け入れられている。しかしながら、 未完成ポリペプチドは、その媒介物を介しての形成時に、リボゾーム上でそのN −端末からC−端末間で組み込まれているかどうか、あるいは、その自然のまま の立体配座内への組み込みは、その合成が改良した後にのみ行われるのかどうか 、つまり、その組み込みが翻訳と同時に新たに形成された、あるいは翻訳後に新 たに形成されたポリペプチドの組み込みのいずれなのかといった問題に対しては 、まだ、解答が見つかっていない。組み込みプロセスの一部が翻訳過程後に行わ れ、他の一部がリボゾームからの新しく形成されたポリペプチドの切り離し中、 あるいは切り離し後に行われているのかもしれないし、そのプロセスが他の蛋白 質とは異なっているのかもしれない。 未完成ペプチドの最初の組み込みは、それらがリボゾーム上に広げられた時に 行われている可能性がある。これらの組み込みイベントは大型リボゾーム性サブ ユニットの窪みやトンネル内の保護された場所で起きている可能性もある。シャ ペロン、DnaJ,DnaK,GrpE,GrpELおよびGroES が、リボゾーム上のある蛋白質の部分に組み込まれる。 従来の技術は、蛋白質の無細胞エンジニアリングおよび合成用高効率、結合転 写/翻訳システムにおいては不十分である。従来技術はまた、蛋白質の無細胞合 成のための高効率翻訳システムにおいても不十分である。 発明の要約 本発明は蛋白質の無細胞エンジニアリングおよび合成用の高効率、結合転写/ 翻訳システムに対する、必要性の高い、そして長い間の要望に応えるものである 。本発明はまた、蛋白質合成のための、高効率、無細胞翻訳システムに対するこ の分野での長い間の要望に応えるものである。 本発明のひとつの実施例では、無細胞抽出物を作成するステップと、該抽出物 からリボゾームフラクションを分離するステップと、転写/翻訳培地の存在下で 該リボゾームフラクションを培養するステップと、そして、合成された蛋白質の 量を測定するステップとで構成された、高効率、無細胞蛋白質合成方法が提供さ れる。 本発明の別の実施例においては、無細胞抽出物を作成するステップと、該抽出 物からリボゾームフラクションを分離するステップと、シャペロン蛋白質を含む 転写/翻訳培地の存在下で該リボゾームフラクションを培養するステップと、そ して合成された蛋白質の量を測定するステップとで構成された高効率、無細胞蛋 白質合成のための方法が提供される。 本発明のさらに別の実施例においては、大腸菌から無細胞 抽出物を調製するステップと、遠心分離によって該抽出物からリボゾームフラグ ションを分離するステップと、55mMトリス−アセテート(pH7.8),12mM Mg( OAc)2,36mM NH4OAc,72mM KOAc,2mM Ca(OAc)2,0.5mM EDTA、2%ポリエチレングリコール−6000、2mM DTT,1.2mM ATP,0 .8mM GTP,0.8mM UTP,0.8mM CTP,0.4mM cAMP,27mMピルビン酸 −2−リン酸塩(一価カリウム塩、pH7.0)、0.35μgピルビン酸キナーゼ、1 μgホリニン酸、83μM 14C−ロイシン、他の19種類のアミノ酸をそれぞれ330 μM,20μgの大腸菌、0.5μgのリファムピミシン、0.3mMのグルコース−6− ホフェート、1.2A260単位の大腸菌リボゾームフラクション、0.5μgプラスミ ドDNA、および0.5μgのSP6 RNAポリメラーゼを含む培地の存在下で該 リボゾーム・フラクションを培養するステップと、そして合成された蛋白質の量 を測定するステップとで構成された高効率、無細胞蛋白質合成のための方法が提 供される。また、シャペロン蛋白質DnaJ,DnaK,GrpE,GroEL,および GroESは、以下に述べるような利点を達成するために、培地に含めることもで きる。 開示のために提供される本発明の現段階での好ましい実施例についての以下の 説明と、それに添付する図面を参照すれば、他の、そしてさらなる目的、特徴、 そして利点が明らかになるであろう。 図面の簡単な説明 上に述べた本発明の特徴、利点、および目的、および以下に明らかにされる他 の特徴、利点、および目的を達成し、さらに詳しく理解するためには、上に要約 して述べた説明に加えて、以下に添付図面と合わせて述べられる一定の実施例を 参照するのが有益であろう。これら図面は本明細書の一部を形成する。なお、添 付図面は本発明の好ましい実施例を示しているが、その範囲を限定するものでは ない。これらの図面は必ずしも実寸通りではない。本発明の一定の特徴は、説明 を簡潔、明瞭にするために、寸法を誇張して示したり、図式的な形で示されてい る。 図1はジヒドロフォレート レダクターゼ生成物の酵素活性を示している。黒 丸と三角形はそれぞれ、付加されたpSP65 DHFRプラスミドを含んだ反応 混合物と、それを含んでいない反応混合物を示している。挿入字:AおよびBは 、インビトロ蛋白質分析後の同一のアリコットが分析された(Laemmli(1970)N ature 227:680−685の方法によって行われた)15%ナトリウム ドデシル ス ルフェート−ポリアグリルアミド ゲル電気泳動からのオートラジオグラムから のトラックを示している(Aはプラスミドを含んでいない場合、Bはプラスミド を含んでいる場合)。番号1−5は、ゲル上でのマーカー蛋白質の位置を示して いる。これらの番号はそれぞれ、1はホスフォリラーゼb(Mr 94,000)、2は 仔ウシ血清アルブミン(Mr 65,000)、3は卵蛋白 (Mr 43,000)、4はカルボニック アンヒドラーゼ(Mr 30,000)、および5 はリゾチーム(MR 14,000)をそれぞれ示している。 図2は継続流無細胞システムにおけるジヒドロホレートレダクターゼの合成を 示している。蛋白質合成後、一定の時間をかけて、蛋白質への14C−ロイキンの 組み込みが行われたかどうかについての判定が行われた。1時間あたり1.5mlの フラクションが集められた。挿入字A:最初の7時間の得られた個々のフラクシ ョン(それぞれ100μl)のコオマシー(CoomaSSie)ブルー染色ゲル(15%アシ ルアミド)。挿入字B:22時間をかけて集めたサンプルによる、挿入字Aに示さ れたものと同様のゲルから作成されたオートラジオグラム。 図3は、環状プラスミドとは対照的に線形化されたプラズミドの分解を示して いる。 図4は、上澄み液とリボゾーム フラクション内のロダネーゼ・ポリペプチド を示している。ロダネーゼは[14C]ロイシン(160Ci/mol)あるいは[35S]f Met-tRNAf(400Ci/mol)の存在下で合成され、次にリボゾームが遠心分離で 集められた。上澄み液および再懸濁されたリボゾーム フラクションをSDS− PAGEによって分析し、さらに続いてオートラジオグラムによって分析した。 トラック1および2は、20μlの上澄液フラクション;トラック3および4は( 30μlに再懸濁させた)リボゾーム フラクション20μl。トラック1および3 :[14C]ロイシンによる培養から。ト ラック2および4:[35S]fMet-tRNAfによる培養からのもの。左側の矢印 は仔ウシの肝臓から精製した天然のロダネーゼの移行を示している。右側の番号 は分子量マーカーの位置を示しており、1は仔ウシ血清アルブミン(Mr 64,000 );2は卵蛋白(Mr 43,000)、3はカルボニック アンヒドラーゼ(Mr 30,0 00);4は大豆トリプシン抑制因子(Mr 22,000);5はリゾチーム(Mr 14,4 00)それぞれ示している。 図5はシャペロン類によるリボゾームからの全長ロダネーゼの切り離しを示し ている。ロダネーゼ ポリペプチドを含んだ再懸濁されたリボゾームを、示され たシャペロン類(表VIIにその量を示す)が存在している状態と、存在していな い状態の両方で培養し、遠心分離を行った。この上澄液20μlのアリコット(各 セットの最初のレーン)と、30μl内に再懸濁させたリボゾーム フラクション の20ulのアリコット(各第2のレーン)をSDS−PAGEとオートラジオグラ フィーで分析した。最初からリボゾームに結合していた全長ロダネーゼの総量に 対応する上澄液内に切り離された全長ロダネーゼのフラグションを各トラックの 下のパーセンテージとして示してある。全長ロダネーゼの量はゲルからのバンド を切り離し、可溶化して、エコライト(ICN)の存在下で放射活性を計量する ことによって判定された。 本発明の詳細な説明 定義 以下の説明において、『S30』という用語は、Zubay(1973)の方法によって 作成された大腸菌からの無細胞抽出物を意味する。大腸菌からの無細胞抽出物の 調製は、先行技術において良く知られており、この研究分野に通常の技術を有し ている人であれば、誰でも簡単に行うことができる。 以下の説明において、『無細胞翻訳』とは、蛋白質のインビトロでの合成を意 味している。 以下の説明において、『継続流、無細胞あるいはCFCFシステム』とは、反 応室において蛋白質を合成し、Spirinら(1988)が述べたCFCFシステムと同 様に、継続的に生成物をとり出したり、原料溶液を注入したりする反応室内での 蛋白質の合成を意味している。要するに、アミノ酸およびヌクレオチド トリフ ォスフェートを含んだ原料緩衝液の継続流を反応混合物を通じて用いることであ る。ポリペプチド生成物が継続的に取り除かれる。無核および真核システムの両 方のテストが行われた。 以下の説明において、『結合転写/翻訳』とはプラスミドからのmRNAの合 成、つまり、このmRNAを含む同じ反応混合物における転写および翻訳のこと である。 以下の説明において、『リボゾームフラクション』という用語は、リボゾーム とある種の蛋白質、tRNAおよびその他の細胞性成分を含んだ未生成細胞抽出 物から得られるフ ラクションを意味している。 以下の説明において、『静的アッセイおよび静的システム』とは、テスト管内 で行われるアッセイを意味しており、継続流システムのことではない。 本発明の範囲および精神を逸脱せずに、ここに開示されている発明に対して種 々の置き換えや修正が可能であることは、当業者には明らかであろう。 本発明は高効率の、無細胞蛋白質合成法を提供するものである。この方法は、 (1)無細胞抽出物を調製し、(2)その抽出物からリボゾーム フラクション を分離し、(3)培地の存在下でそのリボゾーム フラクションを培養し、そし て(4)合成された蛋白質の量を測定するステップで構成されている。 本発明による方法において用いるために調製される無細胞抽出物は、多数の無 核および真核生物から調製することができる。適切な無核生物の代表例は大腸菌 である。適切な真核生物の代表例としては小麦胚種、ウサギの網状赤血球などで ある。 本発明による方法においては、リボゾーム フラクションはこの技術分野で知 られているどんな方法で、リボゾーム フラクションを無細胞抽出物から分離し てもよい。好ましくは、リボゾーム フラクションは遠心分離、またはゲルろ過 クロマトグラフイーによって分離される。 本発明の方法においては、リボゾーム フラクションは適 切な培地の存在下で培養される。本発明のひとつの実施例においては、リボゾー ム フラクションは転写/翻訳培地の存在下で培養される。一般的に、転写/翻 訳培地は緩衝液、塩類(一価または二価陽イオン)、アミノ酸、還元剤、ヌクレ オチド トリフォスフェート類、細胞抽出物(S30)またはリボゾーム、プラス ミド、RNAポリメラーゼ、そしてエネルギー再生システムを含んでいる。最も 好ましくは、転写/翻訳培地はヘペスまたはトリス緩衝液(pH7.5−7.8)、最適 Mg(OAc)2濃度,最適NH4 +および/またはK+塩濃度、2mM DTT,1.2 mM ATP,GTP,UPTおよびCTPをそれぞれ0.8mM,0.5mM CAMP、エ ネルギー再生システム(エノルピルビン酸2−リン酸塩およびピルビン酸キナー ゼ、またはリン酸クリアチンおよびリン酸クリアチン キナーゼ)、1μgホリ ニック酸(大腸菌システムの場合のみ)、25−83μM 14C−ロイシン、他の19種 類のアミノ酸をそれぞれ25−330μM、20−30μgのtRNA(大腸菌に対しては 無核tRNΛ、真核システムに対しては真核tRNA)、0.5μgリファンピシン 、1.2A260単位のリボゾーム フラクション、プラスミドDNA、およびRNA ポリメラーゼを含んでいる。 Mg(OAc)2,NH4 +、およびK+の最適濃度は、無核生物と真核生物のい ずれが用いられるかによって異なってくる。例えば、バクテリア システムと共 に用いられるK+の濃度は72mMであるが、小麦胚種システム内では112mMである。 同様に、Mg2+の濃度は、バクテリア システム内では14mMであ るのに対して、小麦胚種システム内では4mMである。この技術分野の通常の技術 と経験を有する人であれば、種々の塩の濃度が実験室によって多少異なることは すぐ認識するであろう。 本発明の別の実施例においては、リボゾーム フラクションは翻訳メディアの 存在下で培養される。一般的に、翻訳メディアは緩衝液、塩類、例えばATPお よびGTPなどのエネルギー源、例えばエノルピルビン酸2−リン酸塩、ピルビ ン酸キナーゼなどのエネルギー再生システム、アミノ酸、tRNA,および単離 mRNAを含んでいる。 本発明のさらに別の実施例においては、無細胞抽出物を作成するステップと、 該抽出物からリボゾーム フラクションを分離するステップと、シャペロン蛋白 質を含んでいる転写/翻訳培地の存在下で該リボゾーム フラクションを培養す るステップと、合成された蛋白質の量を測定するステップとで構成された、蛋白 質の無細胞合成のための効率の高い方法が提供される。一般的に、この培地に含 まれていることが好ましいシャペロン類はDnaJ,DnaK,GrpE,GroELお よびGroESである。 本発明の方法においては、無細胞抽出物のリボゾーム・フラクションは、37℃ 程度の温度下で、20分から60分程度、培地内で培養される。好ましくは、培養時 間は37℃の温度下で30分程度である。 本発明による方法で合成された蛋白質の判定は、公知のい ずれの技術で行ってもよい。好ましくは、蛋白質の測定は、トリクロロ酢酸沈殿 を行い、次に、蛋白質に組み込まれたアミノ酸の量を定量するか、あるいは硫酸 ドデシルナトリウムポリアクリルアミド ゲル電気泳動を行い、その後でオート ラジオグラフィーを行うことによって測定される。また、可能な場合は(酵素活 性)などの生物学的活性を判定して、特殊な抗体(それらがあれば)との反応を 行ってもよい。 いくつかの場合、合成された蛋白質の生物学的活性を測定することによって、 蛋白質レベルの判定を行うことが必要で有ったり、あるいは望ましいかもしれな い。言い換えれば、蛋白質の自然な立体配座は、その蛋白質の生物学的活性を測 定することによって判定してもよい。蛋白質の生物学的活性を調べることで測定 できる蛋白質の代表例としては、ロダネーゼ、クロラムフェニコル アセチル トランスフェラーゼ、そしてジヒドロホレート レダクターゼなどがある。S30 大腸菌抽出物から分離されたリボゾームは適切なプロモータの存在下で暗号配列 を含んだプラスミドからの結合転写/翻訳の行うために必要なすべての成分を保 持している。非線形化プラスミドからはかなり多量の合成量が得られ、過去に最 も多く用いられた線形化形態はこのシステムでは急速に分解された。このシステ ムの有用性は無核蛋白質と真核蛋白質の両方に対して示された。本発明は先行技 術に基づくどのようなシステムよりも重要な利点を有している。 プラスミド調製は、CsCl遠心分離ステップの代わりに Qカートリッジ(Bio-Rad)クロマトグラフィーを用いたことを除けば、標準的 な手順(J.Sambrookら(1989)、Molecular Cloning,Cold Spring Harbor Lab oratory発行)によってつくられた。SP6およびT7 RNAポリメラーゼは 市販されている。用いられたプラスミドは以下の文献に示されている。(1)コ ード配列:β−ラクタマーゼ/DHFR;プラスミドpDF34−DHFR(Bara novら(1989)Gene 84:463−466);(2)コード配列:DHFR;プラスミド SP65−DHFR;(MurzinaおよびGudkov(1990)Prot.Engineering3:709 −712);(3)コード配列:CAT;プラスミドSP65−CAT;A.Spirinお よびその共同研究者らから提供;(4)コード配列:PPI−C;プラスミドp GEM−3Z−PP1−C;(Baiら,(1988)FASEB J.2:3010−301 6;(5)コード配列;STNV、プラスミドpTZ19R−STNV、(Brownin gら(1988)J.Biol.Chem.263:8380−8383);(6)コード配列:ロダネー ゼ;プラスミド pETlld−rho,(Millerら(1991)J.Biol.Chem.266:46 86−4691);(7)コード配列:hTFIID−180C,プラスミド pAR−1 80C,(Petersonら(1991)、Science 248:1625−1630);(8)コード配列 ;β−グロブイリン;プラスミド pUC18,(Fletcherら(1990)J.Biol.C hem.265:19582−19587) 実施例1 リボゾーム・フラクションの分離 結合転写/翻訳に用いられるリボゾームフラグションはG.Zubayの方法に従っ て大腸菌K12(A19)から分離された。細胞はLB(Sigma)ブロス内で37℃で培 養され、20%グルコース(2リットル培地あたり10ml)が加えられた。細胞は37 ℃でmid-logフェーズで採取され、圧力セル内で溶解させた。次にこれらのセル を30,000×gで30分遠心分離にかけ、S30抽出物を作成した。プロターゼ抑制因 子であるフッ化フェニルメチルスルホニルを溶解緩衝液に加えて、最終的な濃度 を0.5mMとした。S30のアリコット(各9ml)をBeckmanTi 50ローター内で、47, 000rpmで4時間遠心分離にかけた。分離したリボゾームを1.0mlの20mMトリス− HCl(pH7.5)、10mM Mg(OAc)2、および1mM DTT内に再懸濁させ、 1200A260単位/ml程度の懸濁液を得た。このリボゾーム・フラクションは−70℃ の温度下、小さなアリコットで保存された。 実施例2 合成システム 結合転写/翻訳を実施するために用いられたシステムは、全体としてで30μl で、50mMトリス−アセテート(pH7.8)、14mM Mg(OAc)2,36mM NH4 O Ac,72mM KOAc,2mM Ca(OAc)2,0.5mM EDTA、2%ポリエチ レングリコール−6000、2mM DTT,1.2mM ATP,GTP, UTPおよびCTPをそれぞれ0.8mM、0.5mM cAMP,27mMエノルピルビン酸2 −リン酸塩、0.35μgピルベート・キナーゼ、1μgホリニッグ酸、83μM 14C −ロイシン、他の19種類のアミノ酸をそれぞれ330μM、20μgの大腸菌(Boehri ng)、0.5μgリファムピシン、0.3mMグルコース−6−フォスフエート、1.2A2 60 単位の大腸菌リボゾーム フラクション、0.5μgプラスミドDNA、および0 .5μg SP6 RNAポリメラーゼを含んでいた。14C−ロイシンは静的テスト 管アッセイのために40Ci/moleに希釈され、また、継続流無細胞システムのため には10Ci/moleに希釈された。培養は37℃の温度下で30分間行われた。継続流無 細胞システムのために、このフラグション混合物を1.0mlに拡大した。合成はY M100(amicon)メンブレンを有する反応室内で、その上部で生成物を1.5ml/hr の割合で底部から頂部までくみ上げて実施した。溶出物を、反応混合物のすべて の低分子量とtRNAを含んだ原料溶液と3μg/mlの割合で交換した。培養はそ れぞれ指定された時間、37℃の温度で行われた。 実施例3 蛋白質生成物の分析 形成された生成物は以下の方法のいずれかによって分析された。30−μlテス ト管アッセイでの、あるいは継続流システムから集めたフラクションの100−μl からの14Cでラベルされた生成物をトリクロロ酢酸沈殿させ、さらに、前に述べ た手順(W.Kudlickiら(1987)J.Biol.Chem.262:9695 −9701)で判定した。放射活性は液体シンチレーション カウンティングによっ て測定した。また、反応混合物、あるいは溶出物のアリコットはSDS内でポリ アクリルアミド ゲル電気泳動にかけ、その後、オートラジオグラフィー(W.K udlickiら(1987)J.Biol.Chem.262:9695−9701)によって分析を行った。 ジヒドロホレート レダクターゼ(DHFR)の酵素活性はBaccanariら(1981 )Biochemistry 20:1710−1716の方法に従って、340nmでの吸光度低下によって 示されるNADPHの酸化によって行われた。DHFR活性の1単位は、12.3× 103のNADPHに関して、モル吸光係数に基づいてジヒドロホレートを1μmol /minの割合で減少させるのに必要な酵素の量と定義されている(B.L.Hillcoat ら(1967)Anal.Biochem.21:178-189)。 ロダネーゼの酵素活性は、Sorbo(1953)、Acta ChemScand.7:1137−114 5の方法に従って、カロリメトリックアッセイで判定された。このアッセイでは 、基質としてS23 2-を用いて、酵素によるCN-のSCN-への転換の測定が行 われる。形成されたSCN-は、この生成物と鉄イオンとの間の複合体の、460nm での吸光を測定して検出、定量が行われた。1単位はこのアッセイ システムで 、37℃の温度下で生成物を1μmol/分の割り合で発生させるのに必要な酵素の量 と定義されている。クロラムフェニコール アセチルトランスフェラーゼ(CA T)活性はアセチル−CoAからの[3H]アセチルがアガロース ビーズに取り ついたクロラ ムフェニコールに転移することによって測定された。酵素反応後のビーズに関連 した放射活性の定量も行われた。1単位は1pmol 3H−アセチルのクロラムフェ ニコールへの転移と定義された。 実施例4 これらの実験で用いられたリボゾーム フラクションは、大腸菌S30フラクシ ョンから得られたものであった。特に他の指定がない場合、S30、あるいはリボ ゾーム フラクションの培養は、SP6またはP7プロモータの存在下で暗号配 列を含んだプラズミドを用いて行った。それぞれのプロモータからの転写を行う ために、SP6あるいはT7 RNAポリメラーゼを添加した。30μlの転写/ 翻訳反応混合物にはtRNAおよびRNAおよび蛋白質合成を行うのに必要な低 分子量成分も加えられた。静的アッセイが用いられた場合、培養は37℃の温度下 で30分間行われた。 蛋白質合成は以下のように行われた。反応混合物は10μlのS30、あるいは1 μlのリボゾーム フラクションを含んでいた。表1の2−4行に示されている 遺伝子が得られたプラスミド2,3および4の転写が行われ、それぞれのコード 配列はSP6プロモータの下である。これらの場合,SP6RNAポリメラーゼ およびリファムピシンが加えられた。プラスミド5では、DHFR fol A遺伝 子がプラスミド(pDF34−(V.I.Baranovら(1989)、Gene 84:463−466) )に挿入された。この遺伝子およびβ−ラクタマーゼの転写は 大腸菌プロモータによって行われるので、RNAポリメラーゼ、あるいはリファ ムピシンの添加は行われなかった。6−8行に記載されている遺伝子を有するプ ラスミドはT7プロモータの下でのコード配列を有している。これらの場合、T 7 RNAポリメラーゼおよびリファムピシンの添加が行われた。合成された蛋 白質の量は14C−ロイシンの取り込みによって分析された。 静的システムで合成されたDHFR蛋白質を(蛋白質内に組み込まれた14C− ロイシンの量から判定して)50ng含有している反応混合物のアリコットを用いて 、酵素活性を測定した。平行培養混合物から等しい分量のアリコットを取り出し 、それからプラスミドを取り除いた。酵素活性を判定するために、このアッセイ 混合物は総量で1.0ml,100mMのイミダゾール−HCl(pH7.6)、10mMの2−メ ルカプトエタノール、75μMのジヒドロホレート、および80μMのNADPHで構 成されていた。30℃で反応を行った後、キュベットで340nmでの吸光度の低下を 調べた。 ロダネーゼは合成された反応混合物のアリコットを用いてその活性を調べた。 (蛋白質内に組み込まれた14C−ロイシンの量から判定して)150ng程度のロダ ネーゼを0.15Mのチオサルフェート、0.15M KCNおよび0.12M KH2PO4( pH5)の1:1:1混合物(最終体積0.5ml)に添加した。反応は37℃の温度下 で行われた。反応は0.25mlの18%ホルムアルデヒドを添加して終了した。かくし て得られた生成物を 33%HNO3中0.75ml 0.15M Fe(NO33と混合し後判定した。最終反応混 合物の460nmでの吸光度を用いて、その活性を判定した。[3H]アセチル−Co A(3000Ci/mol)とアガロース ビーズに結合したグロラムフェニコールを含 んだ混合物に(蛋白質内に組み込まれた14C−ロイシンの量から判定して)約30 ng CATを添加した。このアッセイを25℃で行った。ビーズを洗浄して、その 放射活性を判定した。また、Sleighらによって述べられた条件下で、37℃で1時 間培養した後、14Cアセチル−CoAのクロラムフェニコールへの移転を測定す るために、Sleighらによる、Analyt.Biochem.156:251−256(1986)の方法を 用いた。 実施例5 蛋白質への14C−ロイシンの組み込みは、培養の全期間を通じてほぼ直線的に 行われたが、30分程度で急激に停止し、その時聞をもって最大、あるいはほぼ最 大合成とした。反応速度が急激に低下する理由は分からない。S30またはリボゾ ームフラクションのいずれかで、異なったプラスミドから、この期間中に合成さ れた蛋白質の量を表Iに示す。分画された(fractionated)システムでは、バッ クグラウンド合成は、テストされたほとんどすべてのプラスミドで低かった。 以下のコード配列を挿入されたプラスミドのデータを表Iに大腸菌ジヒドロホ レート ダクターゼ(DHFR)、大腸菌クロラムフェニコール アセチル ト ランスフェラーゼ(CAT)、およびウサギ骨格筋ホスファターゼ(タイプ1ホ スホプロテイン ホスフォターゼ、PP1−Cの触媒サブ単位)。これら3つの 蛋白質の暗号配列は異なったプラスミドにグローンされていたが、これらはすべ てSP6プロモータの下で行われる。これらプラスミドに、転写のためにSP6 RNAポリメラーゼを添加した。これらの場合、内因性大腸菌RNAポリメラ ーゼの発生を抑制するために、リファムピシンを反応混合物に加えた。また、表 Iには大腸菌プロモータの下でDHFR遺伝子を挿入したプラスミドによる結果 も示されている。この場合、転写はRNAポリメラーゼの添加なしで行われた。 DHFRと、分子量が30,000ドルトンで、β−ラクタマーゼのように見えるポリ ペプチドの2つの生成物が合成された。後者の生成物は、他のSP65プラスミド がリファンピシンの不在下で転写、翻訳された場合にも得られた。表Iに示すT 7プロモータの存在下で挿入されたコード配列を有するプラスミドは、仔ウシ ローダネーゼ、先端を切った形のヒトTATAボックス結合蛋白質(TFIID −180C)、およびSatellite Tobacco Necrosis Virus(STNV)からの植物 ウィルス性RNAである。これらのプラスミドに、転写のためT7 RNAポリ メラーゼおよびリファムピシンを添加した。 実施例6 最も重要なことは、表1の実験で用いられたプラスミドはSP6、あるいはT 7ポリメラーゼ、または内因性大腸菌RNAポリメラーゼの添加による転写のた めの線形化が行われなかったことである。プラスミドの3′を適切な制限酵素を 用いて切断した場合には、低いレベルの、ある場合にはかなり低いレベルの転写 が行われた(表II)。(切断されなかったプラスミドとは対照的に)線形化され たプラスミドの場合、 (図1に示すような)アガロース ゲル電気泳動による分析で、培養時間中に分 解が観察された。 蛋白質は分画されたシステム内で合成された。PP1−CはNot I(制限箇所 はBaiら(1988)が述べているように、停止コドンから約240塩基対下側であった )によって線形化された。DHFR(短い)とDHFR(長い)の両方ともHind IIIで線形化された。 転写された配列の3′未翻訳領域の影響も認められた。DHFR“Short”プ ラスミドは停止コドンと線形化のために用いられた制限箇所(Hind III)との間 に165塩基対しか含んでいなかった。DHFR“long”プラスミドの方は、この 3′未翻訳領域に350塩基対(全部で515)を有している。翻訳レベルが低いのは 、プラスミドを分解させ、リボゾームフラクションにも存在している3′エグゾ ヌクレオリティック(Exonucleolytic)活性によるものかも知れない。 実施例7 本発明による方法は、真核生物から得られた無細胞抽出物を用いても実施する ことができる。S30かからS30抽出物(表III)のリボゾーム・フラクションか 、あるいはウサギ網状赤血球溶解物(表IV)のいずれかから、蛋白質が合成され た。 結合転写/翻訳を実施するために用いられた小麦胚種は総量が50μlで、25mM Hepes−KOH(pH7.6)、2.4mM DTT,0.1mMスペルミン、1.2mM ATP,1. 0mM GTP,0.8mM CTP,0.8mM UTP,1.0mM GMP,6mM硫酸グレアチン 、28Uクレアチン ホスホキナーゼ、215μMの各アミノ酸(ロイシンを除く)、 15μg小麦胚種tRNA、112mM KOAc,4mM Mg(OAc)2、50Uヒト胎 盤リボヌクレアーゼ抑制因子、0.1μgの各プロターゼ抑制剤(アブロチニン、 ロイペチン、およびペプスタチン)、2−2.2μgのプラスミド、27U(−0.5μ g)T7 RNAポリメラーゼ、40Ci/molに希釈された25μM[14C]ロイシン、 12μlの小麦胚種S30または1.5A260単位のリボゾームで構成されていた。 マイクロコッカル ヌクレアーゼで措置したウサギ網状赤血球溶解物は、Pelh amおよびJackson(1976)Eur.J.Biochem.67:247−256の記載により調製され た。4時間の超遠心分離を行った後、リボゾームを20mMトリス−HCl(pH7.5 )、1.2mM MgCl2,100mM KCl、および1mM DTEに再懸濁させた。25μ lの反応混合物は約50%(V/V)のヌクレアーゼで処理した溶解物、あるいはそ の溶解物から分離された1.5A260単位のリボゾーム、および以下の濃度の添加物 を含んでいた:10mMトリス−HCl(pH7.5)、1.0mM ATP,0.8mM GTP, CTPおよびUTP,5mM硫酸クレアチン、75μg/mlのグレアチン ホスホキ ナーゼ、0.05mMのラベルしていない各アミノ酸(ロイシンを除く)、3.3mM Mg Cl2,80mM KCl,500単位/ml T7 RNAポリメラーゼ、15μg/mlプラス ミドDNA、[14C]ロイシン(10−40Ci/mol)、50Uヒト胎盤リボヌタレアー ゼ抑制剤。培養は35℃の温度で 30−60分間行われた。 表IV 表IIIおよびIVの結果は、ウサギ網状赤血球溶解物および小麦胚種から得られ るリボゾームフラクションから合成される蛋白質の量がS30抽出物から合成され る蛋白質と比較して、多少量的に少ないことを示している。しかしながら、本発 明の方法では、いくつかの理由から真核システムでリボゾームフラクションを用 いるのが望ましい。まず最初に、本発明による方法でリボゾームフラクションを 用いると、蛋白質のイン・ビトロでの合成のための『よりクリーン』なシステム が提供される。つまり、そのシステムは蛋白質を含んだS30抽出物による汚染さ れていない。したがって、リボゾームフラクションの使用は、CFCFシステム における本発明の方法を大幅に改善してくれる。第2に、この技術分野で通 常の技術と経験を有する人であれば、真核生物からのリボゾームフラクションの 使用における諸要素は合成される蛋白質の量によって変更可能であることはすぐ 分かるであろう。 実施例8 『短い』DHFRを含んでいるプラスミドは、以下の実験では切断されない形 状で用いられた。結合転写/翻訳は静的システム内で14C−ロイシンの存在下で 行われた。反応混合物のアリコットはSDS−ポリアクリルアミド ゲル電気泳 動と、その後のオートラジオグラフィーで分析された。別のアリコットは、翻訳 生成物の酵素活性を判定するために用いられた。その結果を図2に示す。インサ ートは、オートラジオグラムで認められた唯一の放射活性帯としての全長生成物 を示している。酵素活性はNADPHの酸化による、340nmでの吸光度の低下に よって判定した。 一定時間における翻訳生成物の酵素活性を図2に示す。他の実験から、イン ビトロで合成したDHFRの特異活性が約55単位/mg蛋白質程度と計算され、こ れは分離された均一なDHFRとほぼ同様である。背景DHFR活性は分画され た転写/翻訳システムでは低く、それに対し元のS30抽出物では10倍も高かった 。このレベルでは、イン ビトロで合成されたDHFRの酵素活性の測定は困難 であった。これらの実験は30μlの静的転写/翻訳システムで行われた。 表Vは、イン ビトロで合成されたロダネーゼとCATの酵素活性に関するデ ータを示している。両方のケースで、蛋 白質合成システムがそれぞれのアッセイに干渉するような活性を含んでいないこ とを示すために、バックグランド値を示してある。 実施例9 CFCFシステム内での非線形化SP6プラスミドからのDHFRの合成を図 3に示す。用いられたセルの反応室は、生成物および使われた反応物質が、通常 1.5ml/hrの速度でポンピングされ、ヌクレオチド トリホスフェート、アミノ酸 、tRNA、および適切な濃度の塩を含む原料溶液と継続的に 交換されるようになっている。反応混合物は体積が1mlであることを除けば、30 μl静的アッセイにおいて用いられたものと同じである。図3は、14C−ロイシ ンの総蛋白質への取り込みを基準として判断した場合、テストの全期間(22時間 )を通じて蛋白質合成が継続されたことを示している。この期間に採取されたア リコットのSDSポリアクリルアミド ゲル電気泳動とオートラジオグラフィー による分析を、図2のインサートAおよびBとして示す。このゲルをコオマシー (Coomassie)ブルー染色すると、リボゾーム フラクション内に残留している S30からの大腸菌蛋白質の高い割合が3時間の培養期間中に反応室から取り除か れる。オートラジオグラムでも分かる通り、その後の培養期間中にほとんど純粋 な生成物が得られる。 本発明は、蛋白質のリボゾーム性合成はCFCFシステム内でかなり長い培養 期間中、リニヤーレイト(linear rate)線形速度での維持が可能であることを 示している。本発明で行われているZubayによる古典的な大腸菌S30の修正は、 静的システムとCFCFシステムのいずれでも結合転写/翻訳による遺伝子表現 にとって2つの大きな利点を有している。 S30の分画化によって、その後に行われる生成物の生成またはアッセイを複雑 化してしまう大腸菌抽出物の可溶性成分の大部分を取り除いてくれる。また、転 写または翻訳を直接抑制する可能性もある。分画されたシステムは、S30抽出物 より粘性がかなり低い。この反応物混合物内の変性蛋白質に よる濁りは、CFCF反応室において長時間培養を行った後でも、分画されたシ ステムで大幅に低くなる。CFCFシステムにおいては、変性蛋白質および分解 した核酸によるメンブレンの詰まりも大幅に低下する。 第2に、環状プラスミドによって、転写システムの安定性が大幅に向上する。 プラスミドを線形化するために制限酵素を使用する必要性がなくなる。大腸菌か ら得られた結合システムはテストされた真核蛋白質に対してはうまく機能する。 真核蛋白質にmRNA2をキャッピングすることは、大腸菌システムの場合には 不必要なように思われる。 さらに、真核細胞を含まないシステムは、小麦胚種抽出物あるいは網状赤血球 溶解物からのリボゾーム フラクションの分離によって同様の方法で調製するこ とができる。つまり、これらの真核細胞から得られたリボゾーム フラクション (表IIIおよびIV)は、結合転写/翻訳合成に必要なすべての必要成分を含んで いる。大腸菌から得られたシステムとは対照的に、真核細胞抽出物あるいはそれ らから得られたリボゾーム・フラクションを用いることによって、反応混合物に 直接添加したmRNAによって、つまり、結合転写を行わなくても、効率的な翻 訳ができる(表VI)。 表VIの小麦胚種翻訳システムを用いる場合、反応混合物は総量で50μlとして 、25mM Hepes−KOH(pH7.6);2.4mM DTT;0.1mMスペルミン、1.2mM AT P,1.0mM GTP;6mM硫酸クレアチン;28Uタレアチン ホスホキナーゼ;25 uMアミノ酸(ロイシンを除く);15μg小麦胚種tRNA、112mM KCl;2mM Mg(OAc)2;2−2.5μg mRNA;および12μl小麦胚種S30または1.5 −1.7A260単位のリボゾームによって構成されている。培養は27℃の温度下で、 30分間行われた。 表VIの網状赤血球転写システムを用いる場合、反応混合物は10mMトリス−HC l(pH7.5);1.2mM MgCl2;90mMKCl;5mM DTT;0.5mM ATP;0.2 mM GTP;50μMの各アミノ酸(ロイシンを除く);3mM硫酸クリアチン;0.2m g/mlクレアチンホスホキナーゼ;8.5pmol mRNA;12.5μl網状赤血球溶解物 、あるいは1.7A260単位のリボゾームを含んでいる。培養は35℃の温度下、30分 間行われた。 uMアミノ酸(ロイシンを除く);15μg小麦胚種tRNA、112mM KCl;2mM Mg(OAc)2;2−2.5μgmRNA;および12μl小麦胚種S30または1.5− 1.7A260単位のリボゾームによって構成されている。培養は27℃の温度下で、30 分間行われた。 表VIの網状赤血球転写システムを用いる場合、反応混合物は10mMトリス−HC l(pH7.5);1.2mM MgCl2;90mM KCl;5mM DTT;0.5mM ATP;0. 2mM GTP;50μMの各アミノ酸(ロイシンを除く);3mM硫酸クリアチン;0.2 mg/mlクレアチンホスホキナーゼ;8.5pmol mRNA;12.5μl網状赤血球溶解物 、あるいは1.7A260単位のリボゾームを含んでいる。培養は35℃の温度下、30分 間行われた。 訳はロダネーゼ・ポリペプチド類に限られていた。結合転写/翻訳のために非線 形形態で用いられた場合は、このプラスミドからβ−ラクタマーゼを合成するこ とができる。 分析を目的として、ロダネーゼの合成は5mM Na223を含む30μlの反応 混合物内で行われた。大規模に調製するために、反応混合物は0.9mlに拡大され た。これらの反応混合物は約60A260単位の未精製大腸菌リボゾームおよび約10 −15μgの非線形化プラスミドを含んでいた。[14C]ロイシンは40Ci/molまた は160Ci/molで用いられた。培養は37℃の温度下で40分間行われた。ある実験( 図4)では、放射性前駆物資として、予め付加されたホルミレート化[35S]M et−tRNAf(400Ci/mol)が用いられた。この場合、ギ酸は用いられなかった 。培養後、反応混合物を結合転写/翻訳で用いられたのと同じ濃度の塩を含んだ 0.6ml緩衝蔗糖溶液に付加し、その後、Ti50ロータ(Beckman)で45,000rpmの回 転速度で45分間遠心分離にかけた。遠心分離後、上澄液(0.9ml)を取り出し、 蔗糖層を排除した後、同じ溶液でリボゾーム性ペレットをすすいだ後、その溶液 内に再懸濁させた(この溶液は、60μlの20mMトリス−HCl、pH7.5,10mM M g(OAc)2,30mM NH4OAc,1mM DTT,5mM Na223で構成され る溶液A)。この上澄液から25μlおよび再懸濁されたペレットから2μlのア リコットを取り出して、蛋白質への[14C]ロイシンの取り込みの判定と、SD S−PAGEおよびオートラジオグラフィーによる分析を行 った。また、上澄液から15μlおよびリボゾーム・フラクションから1.5μlを 取り出して、酵素活性の判定を行った。 実例11 再懸濁させたリボゾーム フラクションの活性化および/または結合ロダネー ゼの放出について、以下の方法でテストを行った。30μlの反応混合物、55mMト リス アセテート(pH7.8)、2mM DTT,1.2mM ATP,0.8mM GTP,36mM NH4OAc、72mM KOAc、12mM Mg(OAc)2、2mM Ca(OAc)2 、5mM Na223,1.9%ポリエチレン グリコール(Mr:6,000)、27mMエ ノルピルビン酸−2−リン酸塩(一価カリウム塩)、0.33mMグルコース−6−ホ スフェート、0.5mM EDTA,0.3μgピルビン酸キナーゼ、および3μlの再 懸濁させたリボゾームを含んでいた。シャペロン類あるいは抗生物質は以下のよ うに添加された。GroEL−2.1μg、 GroES−0.8μg、Dnak−1.5μg、DnaJ− 0.5μg,GrpE−1μg。仔ウシの肝臓から分離した自然のロダネーゼの特異酵 素活性は684単位/mg蛋白質であった。培養は37℃の温度下で30分間行われ、次に 同じサンプルを、エアフュージ(Beckman)内で、104,000rpmの回転速度で30分 間遠心分離にかけた。遠心分離後、上澄液を慎重に取り出し、リボゾーム性ペレ ットをすすいだ後、30μlの溶液Aに再懸濁させた。この上澄液とリボゾーム・ フラクションのアリコットをそれぞれ分析して、ロダネーゼの量については[14 C]ロイシンの蛋白質への取り込みを判定することによって、ロ ーゼのサイズについてはSDS−PAGEおよびオートラジオグラフィーで、さ らに酵素活性をそれぞれ求めた。 SDS−PAGEは12%ゲル内で実行された。乾燥されたゲルはハイパーフィ ルム(Amersham)に48時間程度露出した。ロダネーゼの酵素活性は、前に述べた のと同様の方法(Tsalkovaら、1993)によって判定された。基本的に、定量は生 成物、チオシアネート、および鉄イオンとの間で形成される複合体からの460nm (=4200)での吸光度によって行われた。酵素活性の1単位は、25℃で1分間あ たりに形成される1μmolの生成物と定義された。培養は25℃で10分間行われた 。活性化および放出についての分析、あるいはプラスミドを除外した結合転写/ 翻訳用の反応混合物を含んだブランクは、460nmで0.03−0.04の吸光度を示した 。 混合無水活性化法を用いて、予め、N−カルボベンゾキシフェニルアラニンを プロミシン アミノヌクレオシドと反応させることによって、プロミシンのフェ ニルアラニン アナログを作成した。フェニルアラニンのアミノ酸を保護するた めにカルボベンゾキシではなくフルオレニルメチル−オキシカルボニル(FMO C)部を用いて、ジシクロヘキシルカルボジイミドを用いて、更に後にカルボキ シル基をサクシンイミジル エステルに転換することによって活性化させた。前 に述べたのと同様の方法で(CarpinoおよびHan、1972,J.Org.Chem.37:3404 −3409)、(3H)−L−フェニルアラニンをFMOC誘導体に転換した。最終 的な生成物の純度は、 クロロホルム:メタノール(9:1)のシリカゲルでの薄膜クロマトグラフィー によって約95%程度を推定された。この溶媒内の主要生成物のRfは0.55程度で 、プロミシンのそれとほぼ同じであり、プロミシン アミノヌクレオチドのそれ のほぼ2倍であった。この生成物は274nmで最大吸光度を示し、プロミシンに対 して認められたものと同じである。プロミシンについて報告されている分子死滅 係数(molar extinctioncoefficient)を用いれば、生成物の収率は、フェニル アラニンをベースとして約50%であった。 実例12 リボゾーム結合ロダネーゼは酵素的に不活性である。 ロダネーゼを、上に述べた結合転写/翻訳によって無細胞システムで、大腸菌 リボゾーム上で合成した。その結果を表VIIを示す。37℃で30分間培養を行った 後、反応混合物のアリコットを取り出して、合成された蛋白質の量を定量すると 同時に、その酵素活性の判定を行った。後者のパラメータは1分間あたりに形成 されるチオシアネートのμmolを基準とした酵素単位で表現される。用いられた 条件の下で、たったひとつだけの暗号配列,つまりロダネーゼに対するmRNA だけがプラスミド(pS P65)から転写された。プラスミドを取り除いた反応 混合物内でのペプチドへの[14C]ロイシンの取り込みは、プラスミドの存在下 での取り込みの5%以下であり、ブランクとして、差し引かれた。したがって、 ロダネーゼのアミノ酸配列(1鎖あたり24のロイシン残基)、分 子量(33,000)および全長生成物(上澄みフラクションのほぼ100%:図4)に 関する知識に基づいて、合成された全長蛋白質の分子量が取り込まれた[14C] ロイシンから計算された。この値を用いて、ロダネーゼの酵素活性、酵素単位/m gを計算した。 培養後、反応混合物を遠心分離にかけて、可溶性フラクションからリボゾーム を分離した。ポリペプチド内に組み込まれた[14C]ロイシンの約50%がリボゾ ーム・フラクション内に回収された。上澄みフラクションでは、酵素活性のすべ てが認められた。この上澄液フラクションの酵素活性はロダネーゼ1mgあたり56 4単位で(表VII A、シャペロン蛋白質の添加なし)、予め他によって仔ウシ肝 臓から分離された自然の酵素に対するものと同じ条件の下で判定された値(特異 活性:684単位/mg)の82%であった。表VII Aおよび図4は、新たに形成された ポリペプチドのほぼ半分が30分間培養した後、リボゾームと結合したままであっ た。この時間は用いられた条件の下でポリペプチドへのロイシンの線形的な取り 込みの時期の終わりの頃であった。こうした結果は、それらリボゾーム上で見か け上全長であるが、不活性なロダネーゼの蓄積が行われるのかどうかという問題 を提起する。また、可溶性フラクション中に放出された全長ペブチド類の約15% 程度は酵素的に不活性である。生成されたシャペロン類のシステムへの添加影響 をテストし、表VII Bに示す結果が得られた。新たに形成された物質のより多く の部分(シャペロン類が添 加されない場合の55%に比べて、76%)が可溶性フラクションに放出され、放出 された物質(681単位/mg)の比活性は実験的には肝臓から分離されたロダネーゼ のそれとほぼ等価であった。しかしながら、総合成量は、取り込まれたロイシン が98pmolから57pmolに減少した。 上澄液と再懸濁されたリボゾームの両方で回収された新たに形成されたポリペ プチドをSDS−PAGEと、オートジオグラフィーで分析した。図4は両方の フラクションとも、自然のロダネーゼ(Mr=33,000)にほぼ対応するシングル バンドとして移行する新たに形成された物質のかなりの割合を含んでいることを 示している。上澄液フラクションから得られたバンドの位置は仔ウシの肝臓から 得られたロダネーゼとは区別できなかった。しかしながら、オートラジオグラム の結果では、リボゾーム フラクションからの対応する、35,000分子量のポリペ プシドに対応するバンドの移行速度はやや遅いことが示されている。 新しく形成されたより短いペプチドの数は、リボゾーム フラクションのレー ンに認められた。そして、ゆっくり移動するバンドの部分をカウントして、リボ ゾーム フラクション内に存在する取り込まれた[14C]ロイシンの60%程度を 含んでいると判定された。残りの40%は多数のより小さなペプチド類の間に分散 して存在しており、その一部は、かすか な、あるいは曖昧なバンドとして認めることができた。上澄液フラクションは、 仔ウシの肝臓から分離されたロダネーゼではなく、ほとんど全長ロダネーゼのみ を含んでいる。上澄液フラクションとリボゾーム フラクションにおける全長ロ ダネーゼの移行速度になぜ違いがあるのかについては、分かっていない。自然の ロダネーゼの処理、移送、および組み込みのためのN−端末単一シーケンスの取 り出しはインビトロでは行われない。N−端末メチオニンがインビトロで加水分 解されないということは、ラベルされたアミノ酸の唯一の供給源としての[35S ]fMet−tRNAからラベルされたポリペプチドが形成されたことによって確認 された。(図4に比較のために示してある)結果は[14C]ロイシン−ラベルし たロダネーゼで得られた結果と同様であった。上澄液内で活性を示す、移行速度 がより速い形状のロダネーゼはそのN−端末に[35S]メチオニンを保持してい る。それは同じ電気泳動移動性を有しており、仔ウシの肝臓から分離された自然 のロダネーゼのそれと比較して区別がつかなかった。図4に示されているサイズ 上の違いを説明し得る恐らくは唯一の理由は、大腸菌における弱いターミネータ であるUGAが読み込まれたからであろう。ロダネーゼmRNAのコード配列は 、その後に13のコドンが続き、さらにイン−フェーズUAG−末端コドンが続い ているUGA末端コドンを含んでいる。ここでは、ポリペプチドが大腸菌リボゾ ームから放出される際、16個のアミノ酸が蛋白質分解的に放出されるのでは ないかと想定する。 実例13リボゾーム結合ロダネーゼの活性化 添加シャペロン類(表VII A参照)が存在しない条件の下で合成された反応混 合物から遠心分離で分離されたリボゾームを、活性化プロセスを特徴づける目的 で、蛋白質合成に必要な成分を欠いた第2の反応混合物内で培養した。培養後、 これらの反応混合物を再び遠心分離にかけて、可溶性フラクションからリボゾー ムを分離した。上澄液フラクションでは、最初の培養後に観察されたすべての酵 素活性が認められた。表VIIIに示されている明瞭な、しかし驚くべき結果は、シ ャペロン類がリボゾームに結合したポリペプチドの放出を促進し、活性酵素がこ れら不活性ロダネーゼポリペプチドから発生できることを示している。すべての 条件下で、ATPが存在しない場合、放出も活性化も遅い。これらシャペロン類 のすべてが存在している下で放出される物質の特異酵素活性は、ほとんどすべて のロダネーゼ分子が酵素的に活性を持っていることを示している。遊離アミノ酸 、tRNAおよび活性化酵素とペプチド延長ファクターを含んでいる酵素フラク ションは、この反応混合物には加えられなかった。これら構成要素の痕跡はリボ ゾーム フラクション内に存在している可能性もあるが、ペプチド延長は第2の 培養中観察できなかった。 結合転写/翻訳(『方法』の項参照)後に分離されたリボゾーム性フラクショ ン(3μl、蛋白質中に60pmol[14C]ロイシン)のアリコットを、示されてい る添加物を用いて(添加量は上に示す通り)と、同様に上に示した低分子量成分 を用いて培養した。特に示してある場合、プロマイシンを1mM、そしてスパルソ マイシンを4μM添加した。すべての混合物は、特に注記している場合を除いて 、ATPとGTP を含んでいた。この反応混合物には、アミノ酸を含む蛋白質合成に必要な他の化 合物は加えられなかった。30分間培養した後、遠心分離で上澄液からリボゾーム を分離した。上澄液内に放出されたロダネーゼの量とその酵素活性の判定を行っ た。 個々のシャペロン類のテストは図5に示されているような異なった濃度と、表 VIIIに示されているような組み合わせで行った。GroESまたはDnakを用いた 培養中、高い割合の全長ロダネーゼ分子がリボゾームから放出されて、より移行 速度が速い形態に転化されたが、DnaJはその放出を抑制した。しかしながら、 GroESまたはDnaKだけで放出された物質は、それが移行速度の速い形態であ っても酵素的には不活性であった。したがって、活性化と、そして恐らくは自然 の立体配座中への組み込みを遂行するために、すべてのシャペロン類が必要であ った。図5に示されているすべての状況で、可溶性フラクション内の分子は図4 との関連で述べたように、より移行速度の速い形態である。しかしながら、酵素 活性はすべてのシャペロン類の存在下で培養されたアンブルでだけ検出された。 したがって、移行速度が速いポリペプチド種の発生は酵素活性の発生とは関連性 が認められなかった。上記条件のいずれにおいても移行速度の遅い種では酵素活 性は観察されなかった。 実例14プロマイシンおよびスパルソマイシンによる活性化の抑制 本発明は、移行速度の遅い、見かけ上の全長のロダネーゼポリペプチドがなぜ リボゾーム上に蓄積するのか、そして、それらがどのようにリボゾームと結合す るのかなど、いくつかの問題を提起する。それらの放出には通常の末端が必要な のであろうか? 翻訳がペプチド延長中に、放出コドンのすぐ前の休止部位で遅 らせられるのであれば、それらはペプチジル−tRNAとして存在するはずであ る。リボゾームのP部位にペプチドが存在しているのであれば、それらはA部位 アミノアシル−tRNAを模倣する抗生物質であるプロマイシンと反応して、ペ プチジルトランスフェラーゼ反応中に純粋のペプチドと共有結合をする筈である 。放出と活性化がペプチジル トランスフェラーゼ反応に依存しているのであれ ば、その場合、これらのプロセスは大型のリボゾームサブ単位と結合してこれら の反応を阻止するスパスロマイシンなどの抗生物質による抑制作用の影響を受け る筈である。放出および活性化に対するプロマイシンおよびスパスロマイシンの 影響をテストしたところ、表VIIIに示す結果が得られた。ポリペプチドが結合し たリボゾームを抗生物質と共に培養し、シャペロン類を時間的に遅らせて添加し た場合とそうでない場合とに分け、さらに上に述べたような遠心分離にかけた。 結合転写/翻訳後にリボゾームと共に分離されたロダネーゼ ポリペプチドの40 %程度は、プロマイシンによって培養を行った後、可溶性フラクション内で分離 された。放出された大型のポリペプチドは移行速度が速いタイプであったが、こ れらは酵素活性を有していなかった(表VIII)。 リボゾーム・フラクションでは酵素活性は認められなかった。すべてのシャペロ ン類とATPとを用いて、放出されたポリペプチドをプロマイシンと共に更に培 養したところ、活性酵素はつくりだされなかった。 放射能でラベルしたプロマイシンの類似物を化学的に分析して(上記参照)、 リボゾームに結合したぺプチドの反応性を直接調べた。3Hでラベルしたプロマ イシンのペブチドへの取り込みについて判定し、上に述べた手順で平行サンプル 内に取り込まれた放射性ロイシンから計算して、存在しているペブチドのモル量 と比較した。最初の培養を行い、遠心分離で処理した後、リボゾームに結合した 全長ポリペプチドの89%はプロマイシンとの反応性を示し、この物質はリボゾー ム上ではペピチジル−tRNAとして存在していた。プロマイシンとの反応後、 可溶性フラグションにはこれらペプチドの36%だけが見いだされたが、これはプ ロマイシンを放出したポリペプチドが団粒化するのか、あるいは遠心分離中、リ ボゾームと結合したままであることを示している。プロマイシンで得られた結果 とは対照的に、スパスロマイシンを用いた場合、放出はいちじるしく抑制された 。この抗生物質が存在している場合、上澄液フラグション内では酵素活性は検出 されず、すべてのシャペロン類とATP(表VIII)の存在下で培養を行った後で も、リボゾームフラクション内のロダネーゼポリペプチドは酵素的に不活性なま まであった。 実例15シャペロン効果に対する温度の影響 シャペロン類によるリボゾームに結合したロダネーゼの活性化および放出に関 する温度上の必要条件を表IXに示す。4pmol程度のリボゾームに結合したロダネ ーゼを、シャペロン類の存在する条件と存在しない条件の両方で、非翻訳条件下 で(ただしATPおよびGTPの存在下で)総量30ul内で培養した。その後、こ れらの培養から得られた20ulのアリコットを用いて、酵素活性を判定した。ロダ ネーゼは上記の方法で判定した。添加されたシャペロンは以下の通りである:D naJ=1μg;DnaK=2μg;GrpE=1.5μg;GroEL=3.2μg;および GroES=0.9μg。表IXが示すように、リボゾームをすべてのシャペロン類を 用い、ATPの存在下で培養した場合だけ、活性化が起きる。そして、この反応 には25℃あるいは37℃の温度が必要である。 本発明は、新たに形成されるロダネーゼポリペプチドが組み込まれ、酵素活性 的な状態に転化されるプロセスの少なくとも一部がリボゾーム上で起きることを 示している。このプロセスには、5種類のシャペロン:DnaK,DnaJ,GrpE ,GroEL、およびGroESと、ATPを必要とし、それが形成されるリボゾー ム上でのペプチジル−tRNAからの純粋な蛋白質の放出と一時的に関連性を持 つ。プロマイシンとの反応は、リボゾームに結合した新たに形成されるペプチド はリボゾーム内の翻訳装置内のP部位にペプチジル−tRNAとして存在してい る。スパスロマイシンによるその放出の抑制がこのことを裏づけており、ペプチ ジル トランスフェラーゼ反応が、十分に特徴づけが行われている放出ダクター によるコドン指示末端の場合と同様、その放出に関与していることを示している 。リボゾームに結合した物質とそのプロマイシン放出対応物の両方が検出できる レベルの酵素活性を持っていないということは、組み込みおよび活性化プロセス の一部がリボゾーム上に蓄積される全長ポリペプチドによって遂行されるのでは ないことを示唆している。本発明は、その生成物の高い特異酵素活性が追加アミ ノ酸の取り込みなしで、転化シャペロンの存在下で放出されるという事実によっ て裏付けられている。したがって、本発明は、リボゾーム上での全長ポリペプチ ドの蓄積が酵素の最終的な組み込みおよび活性化に結合した終止および放出メカ ニズムの一部の失敗から発生するものであることを示している。ペブチド類の 終止および放出は精製DnaJの、ATPを含んだ反応システムへの添加によって 抑制され、反対に、GroESあるいはDnaKのいずれかは放出を促進したので、 シャペロン類による組み込みの最後の段階とその上で形成されるリボゾームから の純粋な蛋白質の終止−放出との間には密接な関係が存在している。 本明細書で触れたすべての特許および出版物は、本発明が関連する技術分野に 通じている人々が理解できるレベルのものである。ここに取り上げたすべての特 許および出版物は、各個々の出版物が個別、具体的に引例として組み入れられて いるのと同じレベルで、引例として組み入れられている。 本発明がここに述べられている目的を達成し、また、ここに述べられている、 またそれに本質的に関連している課題と利点を獲得するのによく適合しているこ とは当業者なら、すぐ分かるであろう。ここに示されている実例は、その方法、 手順、措置、分子、および具体的な化合物は、現段階で好ましい実施例の代表的 なものであり、例示として示されるものであって、本発明の範囲の限定を意図し たものではない。特許請求の範囲に定義されるような精神内に含まれる技術分野 に通じたものであれば、その変更や他の利用法は容易に想到するであろう。
【手続補正書】特許法第184条の7第1項 【提出日】1994年9月6日 【補正内容】 1. 無細胞抽出物を作成するステップと、 該抽出物からリボゾームフラグションを分離するステップと、 蛋白質および核酸を分解させる可溶性酵素を基本的に含んでいない該リボゾー ムフラグションを、転写/翻訳用培地の存在下で培養するステップと、そして 合成された蛋白質の量を測定するステップ とで構成される、無細胞蛋白質合成の効率の高い方法。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (81)指定国 EP(AT,BE,CH,DE, DK,ES,FR,GB,GR,IE,IT,LU,M C,NL,PT,SE),AU,CA,CN,FI,J P,KR,NO,NZ,RU,US (72)発明者 クレイマー,ギーザラ アメリカ合衆国 78756 テクサス,オー スティン,ロウザヴァルト アヴァニユー 5404 (72)発明者 ハーディスティ,ボイド アメリカ合衆国 78757 テクサス,オー スティン,ハーバー ヴィユ ロウド 1502

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1.無細胞抽出物を調製するステップと、 該抽出物からリボゾームフラクションを分離するステップと、 転写/翻訳培地の存在下で、基本的に蛋白質および核酸を分解させない可溶 性酵素を含まない該リボゾームフラクションを培養するステップと、そして 合成された蛋白質の量を測定するステップ とで構成された、蛋白質の無細胞合成のための効率の高い方法。 2.上記無細胞抽出物が大腸菌、小麦胚種および網状赤血球で構成されるグルー プから選択される請求項1の方法。 3.該リボゾームフラクションが、遠心分離、およびゲルろ過クロマトグラフィ ーによって構成される方法によって該無細胞抽出物から分離されることを特徴と する請求項1の方法。 4.該培地が結合転写/翻訳用培地であることを特徴とする請求項1の方法。 5.該転写/翻訳用培地がプラスミドDNA、RNAポリメラーゼ、ヌクレオシ ド トリフォスフェート、エネルギー再生システム、およびアミノ酸を緩衝食塩 水内に含んでいることを特徴とする請求項4の方法。 6.該プラスミドDNAが線形化されていないことを特徴とする請求項5の方法 。 7.該培養が約37℃の温度下で30分間程度行われることを特徴とする請求項1の 方法。 8.該培地が翻訳用培地であることを特徴とする請求項1の方法。 9.該翻訳用培地がmRNA,ATP,GTP,エネルギー再生システム、およ びアミノ酸を緩衝食塩水内に含んでいることを特徴とする請求項8の方法。 10.該蛋白質が、トリクロロ酢酸沈殿とそれに続いて行われる蛋白質に取り込ま れたアミノ酸の定量化、および硫酸ドデシルナトリウム−ポリアグリルアミドゲ ル電気泳動とそれに続いて行われるオートラジオグラフィーによって構成される グループから選択される方法によって測定される請求項1の方法。 11.該蛋白質の自然の立体配座がその蛋白質の生物学的活性の測定によって判定 される請求項1の方法。 12.該無細胞抽出物が初期ログ フェーズで収穫された細胞から作成される請求 項1の方法。 13.該培養混合物が継続流システムの一部であることを特徴とする請求項1の方 法。 14.大腸菌から無細胞抽出物を作成するステップと、 該抽出物から遠心分離によってリボゾームフラクションを分離するステップ と、 55mMトリスーアセテート(pH7.8),14mM Mg(OAc)2,36mM NH4O Ac,72mM KOAc,2mM Ca (OAc)2,0.5mM EDTA,2%ポリエチレン グリコール−6000,2mM DT T,1.2mM ATP,0.8mM GTP,0.8mM UTP,0.8mM CTP,0.4mM cAM P,27mMエノルピルビン酸−2−リン酸塩、0.35μgピルビン酸キナーゼ、1μ gホリン酸、83μg14C−ロイシン、他の19種類のアミノ酸のそれぞれを330μM ,20μgの大腸菌tRNA、0.5μgリファアムピシン、0.3mMグルコース−6− フォスフェート、1.2A260の大腸菌リボゾーム・フラクション、0.5μgプラス ミドDNA、および0.5μgSP6 RNAポリメラーゼで構成される培地の存 在下で該リボゾームフラクションを培養するステップと、そして合成された蛋白 質の量およびその生物学的活性を測定するステップ とで構成される、蛋白質無細胞合成のための効率の高い方法。 15.無細胞抽出物を作成するためのステップと、 該抽出物からリボゾームフラクションを分離するステップと、 シャペロン蛋白質類を含んでいる転写/翻訳用培地の存在下で該リボゾーム フラクションを培養するステップと、そして 合成された蛋白質の量を測定するステップ とで構成される、蛋白質無細胞合成用の効率の高い方法。 16.該シャペロン類が、DnaJ,DnaK,GrpE,GroE L、およびGroESで構成されるグループから選択される請求項15の方法。 17.該翻訳用培地が、さらにシャペロン蛋白質を含んでいることを特徴とする請 求項9の方法。 18.該シャペロン類がDnaJ,DnaK,GrpE,GroEL、およびGroESで構 成されるグループから選択される請求項17の方法。
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