【発明の詳細な説明】
製本工程において特に本の背に接着材を
塗布するホイール塗布機装置
発明の背景
本発明は、ワークピースに、特に製本工程中の本の背に接着材を機械的に塗布
するホイール塗布機装置に関し、それの接着材タンクは上面が開放され、被駆動
の塗布機ホイールは水平軸のまわりに回転可能であり、塗布機ホイールの下部分
は接着材が充填された接着材タンク内に浸漬され、塗布機ホイールの上部周辺表
面の頂部線は、接着すべき本の背が製本機のコンベア及びガイドによって調整可
能な速度で前方に押し出されている平面上に位置し、これによって、接着材タン
クの下部分で取り出されて塗布機ホイールの周辺に付着した接着材が本の背に運
ばれ、塗布機ホイールの周辺速度は本本体の搬送速度と関連付けられ、ホイール
の上部の回転方向は本本体の供給方向に一致している。
この種のホイール塗布機は、公知であり、例えば革や紙や木やその他の天然又
は合成材料の加工過程及び製本過程で液体、特に接着材を塗布するのに使用され
る。
製本工程で本の背に接着材を引き延ばしそれからカバーを取付ける為に、製本
機にホイール塗布機装置を接続することができることは公知である。公知の技術
によると、このような結合は、ホイール塗布機がネジ結合具のような適宜の固定
手段を使用して、そのハウジング又はフレームによって製本機にフランジ結合さ
れることによって、行われている。塗布機ホイールの周辺速度が接着されるべき
本本体の供給速度、即ち搬送速度に一致するような速度でホイール塗布機装置の
塗布機ホイールを駆動する為に、公知の装置の塗布機ホイールは歯車によって製
本機に結合される。この目的の為に、軸
継手か又は歯車がフランジ接続部内に組み込まれる。このようにして、塗布機ホ
イールは適正な回転速度で駆動される。
ホイール塗布機装置と製本機との間のこの種の結合は、いくつかの欠点がある
。製本機とのホイール塗布機との間のフランジ結合を組立てたり分解したりする
ことは、大変な機械的作業を伴い、かつまた必要な固定手段は装置の両方に設け
なければならない。一つのホイール塗布機を種々の製本機に使用しようとした場
合には、フランジ接続部の寸法を同一にするか、又はカスタム・メイドのアダプ
タを種々のアタッチメントに用意しなければならない。また、ホイール塗布機を
駆動するのに必要な機械的動力の伝達損失を小さくし、故障を無くす為にはフラ
ンジ接続部は特別な精度で製造しなければならない。尚、上述の動力は、高精度
の位置合わせを必要となる歯車によって伝達される。また上述の高精度製造は、
塗布機ホイールを接着すべき本の背に対向して正確に位置決めする為に、必要と
される。
ホイール塗布機が本の背の接着の為にポリウレタンを使用する時には、水分に
対するポリウレタンの感度によって、かなり急速に接着材タンク内のポリウレタ
ンの分解が進んでしまう。この結果、接着材の特性の保証の為に接着材タンクの
清掃が頻繁に必要となる。塗布機ホイールにはドクター・ブレードが使用され、
このドクター・ブレードは余分な接着材を拭き取ると共に、ホイール上に均一な
接着材層を形成する。
本発明は従来の技術の欠点のほとんど全てを解決したホイール塗布機を提供す
るもので、種々の製本機と組み合わせて特に簡単な方法で使用することができ、
かつ特に接着材としてポリウレタンを使用した時に接着材塗布に関して好ましい
結果を得るものである。
本発明によると、上述の種類のホイール塗布機は塗布機ホイール
駆動用の電気モータを備えた駆動ユニットを有し、この電気モータ用の電子制御
装置をも有する。この制御装置は、製本機内に組み込まれる電気信号送信器に結
合可能である。この送信器の出力には本本体の速度に対応した信号が現れ、この
信号は制御装置によって使用される。
本発明によるホイール塗布機にあっては、駆動ホイールは製本機とは独立に駆
動ユニットによって駆動させ、その動力は電気モータによって供給される。駆動
ホイールの速度は従来の技術のように「機械的に」制御されるのではなく、本本
体の速度に対応した製本機からの電気信号によって制御される。この結果、一つ
のホイール塗布機を種々の製本機に使用することが容易となる。この理由は、塗
布機ホイールを駆動する為の複雑な機械的な動力伝達系が不要となり、又は機械
の速度を機械的に調整する為の種々の伝達系が不要となるからである。この結果
、両装置を結合することが極めて簡単となる。ホイール塗布機は製本機に対して
簡単に位置決めされ、例えば、製本機に設けられたセンサに接続された信号ケー
ブルが塗布機にプラグ結合される。
本発明の利点のある実施例は、駆動ユニットによって駆動されるスピナー・ロ
ールが塗布機ホイールに平行にかつ塗布機ホイールの背後に、即ち、本本体の搬
送方向について背後に、組み込まれることを特徴とするものである。このスピナ
ー・ロールは、本の背に搬送された接着材層に接触することができる。このスピ
ナー・ロールの機能は、本の背に塗布された接着材を本の個々のページの間の間
隙に押し込むこと、及び本の背から余剰の接着材を取り除くことである。この場
合において、スピナー・ロールが塗布機ホイールとは反対の方向に回転し、かつ
スピナー・ロールと本の背の平面との間の距離が調整可能であることが好ましい
。これによって、接着材の
塗布を改善でき、かつ接着材結合の品質を改善することができる。
ホイール塗布機の上述の部品がスタンドに高さ調整可能に取付けられたフレー
ムに保持された実施例は、特に利点がある。従って、同一のホイールを異なった
機械に使用したい場合には、ホイール塗布機装置と特に塗布機ホイール自体とを
製本機に対して容易に位置決めすることができる。フレームの実際の高さ及び/
又は塗布機ホイールの実際の高さが迅速かつ正確に調整できるようにそれらの高
さを表示ユニットに視覚的に表示することが好都合である。
別の特別な利点を有する実施例にあっては、ホイール塗布機装置全体が、スタ
ンドに取付けられたローラによって移動可能である。こうして、装置は所望の位
置まで移動され、ローラを係止するクランプの使用によって固定することができ
る。この点は、ホイール塗布機を異なった製本機の所へ非常に迅速かつ簡便に位
置決めすることができるので、非常に有効である。ホイール塗布機の水平位置は
単にスタンドを押すだけで調整することができ、鉛直方向の位置合わせは調整装
置の手動操作によって調整することができる。
有効な実施例によると、本装置の適用分野は、製本機のコンベア及びガイドの
下方に移動することができるフレームの露出部分に塗布機ホイールとスピナー・
ホイールとを取付けることによって、尚一層拡大することができる。この結果、
種々の大きさの開口を有する種々の製本機に塗布機を使用することが可能になる
。
塗布機ホイール及び/又は接着材タンクは、電気的に又は流体熱搬送媒体によ
って、加熱することが好ましく、これによって、使用する接着材の流体動特性を
熱エネルギーの入力によって制御することができる。こうして、接着材を少なく
とも塗布すること、又は塗布の品質を改善することが可能になる。
この点については別の実施例が有効であり、この実施例は塗布機
ホイールの下部分の近傍において接着材タンクの底に設けられた作り付け式(ビ
ルトイン式)のドクター・ブレード装置に特長を有するものでこのドクター・ブ
レード装置は、ほぼホイール周辺の最下点に位置し、かつホイールに対して軸方
向に延在するステップ(段部)から成り、このステップは、ホイールの周辺表面
からかなり離れた接着材タンクの第1の湾曲部分と、上述の周辺表面にかなり接
近した回転方向に続く第2の湾曲部分との間に位置する。このような構成によっ
て達成される成果は、本の背に塗布するのに実際に必要な接着材の量だけが実際
に回転中の塗布機ホイールに運ばれること、及び開放された接着材タンク内には
極く少量の接着材を用意しておくだけでよい点である。尚、この後者の利点は、
或る条件の下で分解してしまう、特にポリウレタンのような接着材を問題を起こ
すことなくうまく使用することができることを意味している。また、入口開口及
び出口開口を上述のドクター・ブレード装置に関連して接着材の底に適正に配置
することによって、接着材タンクに供給された新しい接着材が直ちに塗布機ホイ
ールの周辺表面に運ばれて、更にそこから本の背に運ばれると言った利点が得ら
れる。
この実施例は、上面の方に開口した細長窪み状のドクター・ブレードが実現さ
れると、尚一層改良される。円錐状の端表面を有する塗布機ホイールもまた有効
であり、この円錐状端表面にはドクター・ブレードの細長窪みの両側壁が倣って
おり、これらの両側壁は、上記円錐状端表面に非常に近接しかつ塗布機ホイール
の直径のほぼ1/3に対応するレベルの所で終了している。
塗布機ホイールとスピナー・ホイールとが共に一つの別のフレームに取付けら
れ、この別のフレームは上方に持ち上げられるように主フレームに取付けられる
本発明の実施例は、特に有効である。その理由は、塗布機ホイールとスピナー・
ロールと全部のドクター・
ブレード装置とを上部位置に持ち上げた後に、それらを非常に簡単に清掃するこ
とができるからである。また、この状態では、接着材タンクの清掃も非常に容易
となる。
以下に、本発明を図面に示した実施例に基づき説明する。
図1はホイール形の塗布機装置の正面図である。
図2は図1によるホイール塗布機装置の側面図である。
図3は図1及び図2のホイール塗布機装置の上面図である。
図4はビルトイン形のドクター・ブレード装置を備えた接着材タンクの実施例
の断面図で、塗布機ホイール及びスピナー・ロールの外形も示されている。
図5は塗布機ホイール及びスピナー・ロールを取除いた状態における図4に示
した接着材タンクの上面図である。
図6は電気モータを有する駆動ユニットと伝達ユニットと塗布機ホイールとス
ピナー・ロールとの実施例を示した部分断面図である。
図1、図2及び図3の三つの異なった図面から分かるように、フレーム2が本
質的に水平面内に延在しており、このフレーム2はホイール塗布機の本実施例で
は、鉛直方向に向いた歯付の支柱6に接続され、この支柱6は機械スタンド4の
一部を構成している。歯付の支柱6の下端部は、2本の水平方向の横支え8に強
固に接続され、これらの横支え8は中空部分として構成され、夫々の端部におい
て2本の梁10に溶接されている。これらの2本の梁10の各々の底には2個の
ローラーが設けられ、このような構成によって、ホイール塗布機装置1の全体が
機械スタンド4に載った状態で周囲を移動可能となる。各梁10に支持されたロ
ーラーのうちの一つは、鉛直軸のまわりに回転可能であり、かつクランプ(不図
示)によって係止可能である。こうして、ホイール塗布機1は、所望の位置に固
定可能となる。このような構成の代りとして、梁10の端部に鉛直方
向のネジ付の孔を穿孔して、これらのネジ付の孔に、本装置をシフトすることな
しに位置決めできかつ上述のローラーの支持機能に取って代わる脚状端部を備え
た回転可能なネジ付のボルトを挿入することによって、本装置を所定位置に保持
することもできる。
歯付の支柱6の上端部は、その外側に歯付ラックの形の歯を有すると共に、軸
方向に摺動も回転もできないようにベアリング・ブロック14内に保持されてい
る。このベアリング・ブロックはフレーム2の底部に強固に接続され、歯付支柱
6の複数の歯はベアリング・ブロック14内に支持されたピニオン(不図示)に
係合している。このピニオンは、手動クランクによって回転され、この手動クラ
ンクはベアリング・ブロック14内に取付けられた歯車箱を操作する。従って、
手動クランク16が回転されると、フレーム2は手動クランク16の時計方向回
転又は反時計方向回転に応じて鉛直方向に上下動する。またフレームは、ベアリ
ング・ブロック14の一構成部品であるクランプ装置(不図示)によって、所望
の高さに係止することができる。手動クランク16の代りに、駆動モータを使用
してフレームの高さを調整することもできる。好適な実施例では、フレームの調
整可能な範囲は約100mmである。ベアリング・ブロック14には距離ピック
アップが取付けられ、このピックアップは、磁気的にコード化されたテープの形
の送信器のような、歯付の支柱6に取付けられたパルス送信器と協働して、歯付
の支柱6に対するフレームの相対位置を測定し、これにより床に対するフレーム
の相対高さを測定することが可能となる。この高さの値は表示ユニット26に示
される。
図2及び図3から特に明らかなように、電気モータ18と送信ユニット20と
から成る駆動ユニット22と、表示ユニット26を有する電子制御装置24と、
制御パネル28と、塗布機ホイール30
と、スピナー・ロール32と、接着材タンク34とがフレーム2に取付けられて
いる。電気モータ18は、フレーム2の上方において、モータ・ハウジング36
内に水平に内蔵され、このモータ・ハウジング36は通気孔38を有する。回転
運動は、モータの出力軸を介して伝達ユニット20に伝達することができる。更
に、このモータは電子制御装置24に電気的に接続され、この電子制御装置24
はモータ・ハウジング36に隣接したハウジングに内蔵されている。電気モータ
18はこのコントローラーによって、外部から電圧が供給される。このコントロ
ーラはモータの回転数を制御することもできる。表示ユニット26は上述のコン
トローラに電気的に接続され、電子コントローラ24のハウジングの両端部の一
方に内蔵されている(これは図1では制御パネル28の一以上のディジタル・デ
ィスプレイの形で示されている。)。距離ピックアップからの信号は、電気モー
タ18の速度を制御する信号(それの信号源)に接続されている。
図2及び図3において、上部が開口した接着材タンク34と塗布機ホイール3
0とスピナー・ロール32とが、電子制御装置4及び電気モータ18の反対側の
フレーム2の端部に取付けられている。塗布機ホイール30とスピナー・ロール
32は、水平軸(図6参照)のまわりを回転できるように、伝達ユニット20の
内部に片持状に取付けられ、伝達系によって駆動される。塗布機ホイール30と
スピナー・ロール32との周辺表面は、プラズマ・コーティングによって作られ
るような特に高品位の表面とすることができる。塗布機ホイール30の両端面は
、外方に湾曲した円錐形状である。接着材タンク34の一部には接着材が満たさ
れており、塗布機ホイール30の下部がその接着材内に浸漬されている。主ドク
ター・ブレード40(図3及び図4参照)は、一部が接着材の表面の上方に位置
し、残部が接着材タンク34内に延在し、この主ドクター・ブレード40は塗布
機ホイール30の周辺表面に直接に隣接するように取付けられている。このドク
ター・ブレードの機能は、塗布機ホイール30に付着した過剰の接着材を拭き取
り、搬送すべき接着材の量を制限することである。主ドクター・ブレード40は
、水平方向に対して約45°の角度に設定され、主ドクター・ブレード40と塗
布機ホイール30との間に形成される間隙の幅が可変となるように、空気作動式
のピストンによって移動可能である。別のドクター・ブレード42が塗布機ホイ
ール30とスピナー・ロール32との間に取付けられ、塗布機ホイール30から
接着材を拭い取る。スピナー・ロール32の背後、即ち接着すべきワークピース
の移動方向に対して「背後」には別のドクター・ブレード44が取付けられてい
る。これらのドクター・ブレード42,44も調整可能である。
接着すべきワークピースの移動方向は、塗布機ホイール30に描いた矢印によ
って図3に示した。
ドクター・ブレード40,42,44は、塗布機ホイール30及びスピナー・
ロール32が接続されている伝達ユニット20と共に別のフレーム46に取付け
られ、このフレーム46は、旋回できるようにその一方の側部48によってヒン
ジ状にフレーム2に取付けられている。こうして、フレーム46の全体が、フレ
ームの反対側の側部50の上昇によって、上方に変位され係止ボルトによってそ
の上昇位置に保持されることができる。フレーム46がこの上昇位置にある時に
は接着材タンク34やドクター・ブレード40,42,44に接近可能となるの
で、例えばそれらの清掃等を行うことができる。
図4に示したように、塗布機ホイール30の下部は、接着材が充満している接
着材タンク34に浸漬されている。尚、タンク内の接
着材の高さは適宜のマーク52によって示されている。塗布機ホイール30及び
スピナー・ロール32の上方には、接着すべき本の本体54が破線で示されてい
る。この本本体の移動方向が矢印56によって示されている。図4において、図
示のスピナー・ロール32は下位置の状態であり、この時、スピナー・ロール3
2と本の背55との間の距離は塗布機ホイール30と本の背55との間の距離よ
りも大きい。しかしながら、スピナー・ロール32と本の背との間の距離は、不
図示の手段によって減少させることができる。従って、本本体54は(図4及び
図5に示したように)左から塗布機ホイールの方に供給されて、接着材タンクの
領域を通って右の方へ送られる。塗布機ホイール30の回転方向とスピナー・ロ
ール32の回転方向とは矢印58,60によって示されている。接着材タンク3
4は、図5では矩形として示された上部外側エッジ62を有し、このエッジ62
よりも内方かつ多少下方に位置する上部内側エッジ64は僅かに丸められたコー
ナー65を有する。接着材タンク34の内側領域では、送られて来る本本体54
に対して前方端部において、接着材タンク34のほぼ鉛直の前方端部壁66が底
部まで延在し、他方、後方端部では勾配の弱い後方端部壁68が底部まで延在し
ている。これらの前方及び後方の端部壁66,68は二つの側壁70,72によ
って接続されている。接着材タンクの外側に通ずる水平入口孔74が、側壁70
と端部壁68との間の移行領域において、開口し、この入口孔には、接着材導入
用の供給ライン(不図示)が接続され、この供給ラインの開口は外観が図5に示
されたように、細長形状である。
ドクター・ブレード装置78は、塗布機ホイール30の下部部分の近傍で接着
材タンク34の底76内に、作り付けとして形成されている。このドクター・ブ
レード装置はステップ80から成り、ス
テップ80はホイールの周辺の最低点にほぼ位置し、ホイールに対して軸方向に
延在している。このステップは、ホイールの周辺表面から比較的離れた接着材タ
ンク34の第1の底部分82と、回転方向に続く上述の周辺表面に比較的接近し
た第2の底部分84との間に位置しており、これによって、塗布機ホイール30
と第2の底部分84との間に間隙86が形成される。ステップの高さはほぼ1〜
2mmであり、ステップと塗布機ホイール30の周辺表面との間の距離は約5/
10mm〜7/10mmである。間隙86は、エッジ88で終了し、両側部が二
つの壁90によって規定されている。接着材タンク34の前方領域では、ドクタ
ー・ブレード装置78がエッジ92から下降し、前方端部壁66として左方に向
って延在している。
底76の最深部には、鉛直の出口孔94が設けられ、この出口孔94はメネジ
によって出口ライン(不図示)に接続することができる。収集用の窪み96が出
口孔94の近傍において、底76に形成されている。側壁90は最高点でほぼ水
平であり、即ちエッジ88からエッジ98までずっと水平に延在し、それから、
後方領域で底部82まで降下して、終点が接着材タンク34の床76の折り目部
100に達している。
図6から分かるように、電気モータ18は、中間伝動装置102を使用して不
図示の方法で伝達ユニット20の中間軸104を駆動する。この中間軸104の
一端には歯車106が設けられ、この歯車106は塗布機ホイール軸110の歯
車108に噛み合っている。塗布機ホイール軸110には更に、歯車112も取
付けられ、この歯車112はピニオン114に係合し、このピニオン114は第
2の中間軸116を駆動する。この第2の中間軸116にはホイール118が取
付けられ、このホイール118は、歯付のベルト120
と別のホイール121とによってスピナー・ロール軸122を駆動する。塗布機
ホイール30とスピナー・ロール32の両方とも、片持式に支持されている。
本発明によるホイール塗布機装置の作用を以下に説明する。
まず、塗布機ホイール30とスピナー・ロール32が製本機(不図示)のコン
ベアとガイド(不図示)との下方に位置するように、ホイール塗布機装置1が製
本機の近傍の所定位置に押し出される。それから、塗布機ホイール30とスピナ
ー・ロール32は、手動クランク16の回転によるフレームの上昇又は下降によ
って、鉛直方向に調整される。コンベアとガイドとが接着すべき本本体54を調
整可能な速度で前方に搬送する。この本本体は、本の背55の長さ方向が塗布機
ホイール30の軸に垂直となりかつその背が塗布機ホイール30の周辺表面頂部
線を通過するように、位置合わせされる。こうして、接着すべき本の背55が、
接着材タンクの下部から取り出されかつ塗布機ホイール30の周辺表面に付着し
た接着材に接触するようになる。このようにして、接着材が本の背55に送られ
る。本の背に付着した余分の接着材は、塗布機ホイール30と反対方向に回転す
るスピナー・ロール32によって、取り除かれるか、又は本のページの間の中間
空隙内に押し込まれる。塗布機ホイール30の周辺速度は、本本体の搬送速度と
正確に同一であり、これは、制御装置24とセンサーを備えた電気信号送信器と
の結合によって達成される。尚、この信号送信器は、そのセンサーが本本体54
の移動を検出できるように、製本機の内部にしっかりと取付けられている。この
結果、本本体54の速度に対応する信号が信号送信器の出力から送出され、制御
装置24によって使用される。尚、この信号は、信号送信器によってワイヤーレ
スの形で、又は制御装置24のジャックに差し込み可能なケーブルを用いて、送
信することができ
る。
製本機のコンベアとガイドは、本の背55が水平面53内に位置するように、
本本体54を一定速度で前方へ押し出す。塗布機ホイール30とスピナー・ロー
ル32の周辺表面の2個の頂部線59,61は、面53に直接隣接している。塗
布機ホイール30によって接着材を塗布された本の背55に対するスピナー・ロ
ール32の動作が塗布される接着材の量の変化に応じて変化できるように、スピ
ナー・ロール32と面53との間の距離及びこれに応じた頂部線61と面53と
の間の距離は、スピナー・ロール軸122の高さを調整する手段(不図示)によ
って、調整することができる。尚、これらの手段は伝達ユニット20内に設けら
れ、例えば空気シリンダを含み、この空気シリングのピストン・ロッドはガイド
・シューに作用しこれらのガイド・シューは、ハウジング壁の内部で鉛直方向に
摺動できるように、支持されている。スピナー・ロール軸122用の軸受がこれ
らのシュー内に組み込まれている。図6にとくに示した駆動ユニット22の代表
的な実施例にあっては、スピナー・ロール32の速度と回転方向とは、塗布機ホ
イール30の速度に「しっかりと」結合されているが、しかしながら、スピナー
・ロール32用の独立の駆動系を設けることももちろん可能である。
新しい接着材が接着材供給装置(不図示)から入口孔74(図4及び図5)を
介して接着材タンク34内に、流量計測された状態で、導入される。このタンク
に供給された比較的大量の接着材は、接着材タンク内において、塗布機ホイール
30の回転によって生ずる流れに影響されて、第1の底部82とこの底部に対向
する塗布機ホイール30の周辺表面の部分との間に形成された狭い間隙の方へ運
ばれる。ドクター・ブレード装置78の一部を構成するステップ80において、
接着材は間隙86に入り込み、その間隙を通って運ばれ
る。ドクター・ブレード装置78がこのような特別な設計であるので、間隙に導
入された接着材の大部分は直接間隙を通り、塗布機ホイール30の周辺表面への
付着によって、その間隙から主ドクター・ブレード40を通過して、接着すべき
本の背55に運ばれる。主ドクター・ブレード40と塗布機ホイール30との間
の距離を変えることによって塗布機ホイール30に付着する接着材フィルムの厚
さを変化させることが可能である。尚、このように接着材フィルムの厚さの変化
は、接着材の塗布が接着すべき一つの本本体54とその次の本本体との間の間隔
に適合する及び本の背55の長さに適合することができる為に、必要な事項であ
る。この為に別のセンサが設けられ、このセンサは本本体が接着材タンクの前方
領域の上方に到達したことを示す信号を発生する。
製本機内部の上述した信号送信器は、上述のように製本機の速度に比例する周
波数信号を発生する。この信号は主ドクター・ブレード40の制御用の距離信号
としても使用される。このようにして、接着材を塗布機ホイール30に間欠的に
塗布し、それからその接着材を本の背に搬送することが可能となる。主ドクター
・ブレード40は、図4の矢印41に示したように、本の各々がホイールの所を
通過する毎に開閉する。制御システムは、前方供給速度の変化にもかかわらず接
着材の塗布長さが一定に保たれるように、設定されている。主ドクター・ブレー
ド40を矢印41に示す方向に移動させるのに、電磁駆動式の空気シリンダ(図
面の明瞭化の為に不図示)が使用される。
前端部壁66の近傍の接着材タンク34の前方領域に存在する過剰の接着材の
一部は、側壁90の所を通って接着材タンク34の後方領域に流れることができ
、この接着材の一部が出口孔94を通って接着材供給装置に戻ることができる。
ドクター・ブレード42,
44はまた、夫々塗布機ホイール30とスピナー・ロール32から過剰の接着材
を拭き取る働きを行う。ドクター・ブレード装置78のステップ80は高さが約
1mmであり、このステップ80と塗布機ホイールとの間には、約5/10〜7
/10mmの幅の間隙が形成される。
塗布機ホイール30とスピナー・ロール32と接着材タンク34は、接着材の
特性が加熱を必要とする場合には、電気的に又は熱搬送流体によって、加熱する
ことができる。電気的加熱システムの場合には、複数個の加熱用ワイヤを接着材
タンク34の壁に設け、これらのワイヤは、タンクの内側表面に接近させ、また
塗布機ホイール30とスピナー・ロール32との周辺表面の直ぐ内側かつそれに
沿って配置される。接着材タンク34内の加熱ワイヤには、電気端子124から
電流が供給され、他方、塗布機ホイール内側の加熱ワイヤは塗布機ホイールの軸
110に作用する炭素ブラシによって給電される。接着材の加熱に熱搬送流体を
使用する場合には、加熱ワイヤの代りに導路が設けられる。加熱される部品の温
度は制御装置の内部に組込まれたコントローラによって調整することができる。
過加熱に対する保護手段を設けることもできる。
電気モータ18は不図示の方法で高アンペア・ラインに接続される。
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