JPH08507895A - 外部短絡装置を備えた過電圧避雷器 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 中央電極（３）が半径方向に突出する接続導体（６）を備え、、かつ外部短絡装置を備えた３電極過電圧避雷器において、短絡装置は双腕状のばね板（２０）からなり、このばね板のアームが両側電極の両端を軸方向に越えて延びかつ絶縁箔（２１）を介挿してそれぞれの両側電極（１、２）の外周縁に接している。ばね板（２０）は屋根状の湾曲部（２４）を備え、この湾曲部の範囲に打ち抜き開口部を備える。この打ち抜き開口部は中央電極（３）の接続導体（６）にばね板を固定する作用をする。

Description

【発明の詳細な説明】 外部短絡装置を備えた過電圧避雷器 この発明は、電気機器の分野における外部短絡装置を備えたガス充填形３電極 過電圧避雷器の構造上の構成に適用される。このような短絡装置は長時間負荷の 際における過電圧避雷器の保護のためのものであり、一般に比較的高い温度で溶 融し、これにより中央電極と両側の電極の１つ或いは両方と短絡する構造要素を 含んでいる。 この種の公知の３電極避雷器においては中央電極に側方のアームを備えたリン グ状のばねが取り付けられている。これらの両アームは２つの両側電極にまで突 出しており、中央電極とばねとの間に配置されている絶縁板によって両側電極に 対する距離を保っている。絶縁板は熱で溶融する物質からなり、そのため長時間 負荷の際に絶縁板が溶融し、これにより両アームの端部が両側電極と接触する（ アメリカ合衆国特許第４９８４１２５号明細書）。 他の公知の過電圧避雷器においては双腕状のばね板が中央電極の中央に固定さ れている。このばね板のアームの両側の自由端は両側電極の周囲に絶縁されて載 置されている。この過電圧避雷器においてはばね板は短絡装置を構成するため及 び並列接続される気中火花間隙を構成するために使われている。この場合ばね板 の両アームの両端にそれぞれ約２０乃至４０μｍの厚さの例えばポリウレタン樹 脂からなる絶縁層が取り付けられている。ばね板の中央部分は中央電極の半径方 向に突出する接続導体と結合されている（アメリカ合衆国特許第４９１２５９２ 号明細書）。 その他に公知の過電圧避雷器においては外部短絡装置として同様にばね板が設 けられている。ばね板のアームはその場合避雷器の両側電極を軸方向に越えて延 びており、その両端が絶縁箔を介挿して両側電極の端面側に、即ち軸方向に接し ている。翼状に形成されたばね板を固定するためにばね板はその中央部分にＨ状 の打ち抜きの形をした開口部を備え、その舌片の間に中央電極の接続導体が通さ れている。弾力性の舌片によりばね板は接続導体に予圧を加えられた状態で固定 されている（国際特許出願公開第９０／１３９０４号明細書）。 この発明の課題は、請求項１の前段部分の特徴を備えたガス充填形過電圧避雷 器を基本として、ばね板が容易に組み立て得るようにかつ両側電極への確実な接 触が保証されるようにばね板の構造上の構成を選定することにある。 この課題を解決するために、この発明によれば、ばね板は屋根状に湾曲され、 ばね板の両アームがそれらの間で鈍角に交差しかつそれぞれの両側電極の外周の 稜に接するようにされる。 このように形成された短絡装置においてはばね板が充分大きな予圧を備える。 ばね板のアームが点状に両側電極に載置されるから、絶縁層が溶融した際確実な 接触が保証される。 点状の載置の確実性は、ばね板のアームの両端に両側電極の外周縁に接するそ れぞれ２つの舌片が形成されることにより向上する。これにより同時にばね板の 捩じれ防止ができる。ばね板のこのような構成は全ての電極の接続導体が半径方 向に同方向に延びるような避雷器において特に適している。ばね板の湾曲は、、 アームが付勢されていない状態においてそれらの間に約１１０乃至１５０°の鈍 角で交差するように選定するのが好ましい。ばね板の中央電極もしくはその接続 導体或いは接続ピンへの固定は簡単に物質結合或いは特に形状結合により行うこ とができる。ばね板がその湾曲部分に接続導体の直径に相当する直径の孔を備え 、中央電極の接続導体に軟ろうにより予圧を加えられた状態で固定されるろう結 合の他に、中央電極の接続導体の上に嵌め合わされた圧潰ブッシュにより固定す ることも考えられる。この場合ばね板は湾曲部分に同様に孔を備え、予圧を加え られた状態で圧潰ブッシュにより固定される。ばね板がその湾曲部分に２つの弾 力性の舌片を形成するためにＨ状の打ち抜き部を備え、しかもこの２つの舌片の 間隔を中央電極の接続導体の直径よりも小さくし、かつばね板をこの舌片により 接続導体に予圧を加えられた状態で挟圧固定するのが組み立て技術上特に好まし い。この場合ばね板の捩じれ防止として一方の或いは両方の舌片の接続導体と接 触する箇所にプラスチック或いはろうの滴玉を装着することができる。 この発明の３つの実施例を図１乃至７において説明する。図面において、図１ 及び２は短絡装置を載置した３電極過電圧避雷器を２つの面で示し、この場合中 央電極の接続導体は両側電極の接続導体に対して半径方向に逆方向に配置されて いる。図３及び４はＨ状の打ち抜き部を備えたばね板を２つの面で示し、図５及 び６は短絡装置を備え電極の接続導体が半径方向に同方向に延びている３電極過 電圧避雷器を、図７はばね板と接続導体との接続の変形例を示す。 図１及び２に示す過電圧避雷器は、公知の如く、２つの両側電極１及び２と、 中央電極３及びこれらの電極を間隔をもって保持する２つのセラミックス絶縁体 ４及び５よりなっている。中央電極３には上方に突出する接続導体６が溶着され ている。両側電極４及び５にはその側面に半径方向に下に延びる接続導体７及び ８が溶着されている。 過電圧避雷器はさらに外部短絡装置を備え、これはばね板２０と、このばね板 と両側電極１及び２との間に配置された絶縁箔２１とからなる。 ばね板２０を形成するために、図３に示すように、その中央に配置されＨ状に 対称的に形成された打ち抜き部２１を備えた板片２０が使われている。この打ち 抜き部により舌片２２及び２３が形成され、それらの間隔Ａは接続導体６の直径 Ｄより小さい。図３による板片２０は図４のように、屋根状の湾曲が生ずるよう に曲げられて弓形のばね板を形成している。ばね板の２つのアーム２５及び２６ はその場合約１２０°の角度αで交差している。 ばね板２０を接続導体６に装着するために舌片２２及び２３はその安定状態か ら弾力的に曲げられる。その場合舌片の縁部が接続導体６の表面にくい込み、こ れによりばね板２０は所定の位置、即ち両アーム２５、２６の端部が予圧を受け た状態に固定される。この予圧の基準は、その場合その湾曲部を備えたばね板２ ０がどの程度離れて中央電極に押しつけられるかによって決まる。ばね板は所望 の位置においで、舌片が接続導体に接触する位置にろう或いはプラスチックの滴 玉を取り付けることによって捩じれに対して保護される。 図５による過電圧避雷器においては中央電極に対する接続導体６と両側電極に 対する接続導体９及び１０とが半径方向に同方向に延びている。この場合ばね板 ２７が接続導体９及び１０に接触しないように、図６に示されるように、その両 端に切り込みを備えている。これによりそれぞれ２つの突出片２８及び２９が形 成され、これがそれぞれの両側電極１、２の外周縁に点状に接触する。この構成 はまた同時に捩じれ止めを形成している。 図７はばね板３０を接続導体６に圧潰ブッシュ３１により固定した状態を示し 、この場合ばね板はその湾曲部に孔を備えている。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １．軸方向に相対している２つの円筒状の両側電極と、１つのリング状の中央電 極と、これらの電極間に配置された２つの中空円筒状の絶縁体とを備え、さらに 中央電極に固定され軸方向に延びる双腕状のばね板の形をした外部短絡装置を備 え、このばね板の自由端が両側電極を軸方向に越えて延びかつ絶縁層を差し挟ん で両側電極に接しており、しかも中央電極は半径方向に突出する接続導体を備え 、ばね板（２０）はその中央部分に打ち抜き開口（２１）を備え、これを通して 中央電極（３）の接続導体（６）が挿通され、その結果ばね板（２０）が予圧を 加えられた状態で中央電極（３）の接続導体（６）に固定されているガス充填形 過電圧避雷器において、ばね板（２０）が、その両方のアーム（２５、２６）が それらの間で鈍角（α）で交差しかつそれぞれの両側電極（４、５）の外周縁に 接するように屋根状に曲げられていることを特徴とする外部短絡装置を備えた過 電圧避雷器。 ２．ばね板（２７）の両端にそれぞれ両側電極の外周縁に接する２つの突出片（ ２８、２９）が形成されていることを特徴とする請求項１記載の過電圧避雷器。 ３．ばね板（３０）がその湾曲部に１つの孔を備え、中央電極（３）の接続導体 （６）に嵌め合わされた圧潰ブッシュ（３１）により予圧を加えられた状態で固 定されていることを特徴とする請求項１又は２記載の過電圧避雷器。 ４．ばね板がその湾曲部にその直径が接続導体（６）の直径に相当する１つの孔 を備え、ろう接合により中央電極の接続導体に予圧を加えられた状態で固定され ていることを特徴とする請求項１又は２記載の過電圧避雷器。 ５．ばね板（２０）がその湾曲部に２つの弾力性舌片（２２、２３）を形成する ためにＨ状の打ち抜き部（２１）を備え、両弾力性舌片の間隔（Ａ）が中央電極 （３）の接続導体（６）の直径より小さく、またばね板（２０）がこの弾力性舌 片（２２、２３）により接続導体（６）に予圧を加えられた状態で狭持固定され かつ弾力性舌片（２２、２３）が接続導体（６）に物質結合により固定されてい ることを特徴とする請求項１又は２記載の過電圧避雷器。 ６．ばね板（２０）と両側電極（１、２）との間に絶縁箔（２１）が配置されて いることを特徴とする請求項１乃至５の１つに記載の過電圧避雷器。