JPH08507307A - 新規o−硫酸化ガングリオシドおよびリゾ−ガングリオシド誘導体 - Google Patents

新規o−硫酸化ガングリオシドおよびリゾ−ガングリオシド誘導体

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JPH08507307A
JPH08507307A JP6520041A JP52004194A JPH08507307A JP H08507307 A JPH08507307 A JP H08507307A JP 6520041 A JP6520041 A JP 6520041A JP 52004194 A JP52004194 A JP 52004194A JP H08507307 A JPH08507307 A JP H08507307A
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ロメオ、アウレリオ
キルシュナー、ギュンター
キッツォリーニ、カルロ
マネブ、ハリ
ファッチ、ラウラ
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フィディーア・ソシエタ・ペル・アチオニ
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Abstract

(57)【要約】 GM1、GD1a、GD1bおよびGT1bガングリオシドのヒドロキシル、シアリン酸並びにセラミド基でのパ一硫酸化誘導体を除き、サッカライド、シアリン酸またはセラミド残基の少なくとも1つのヒドロキシル基が硫酸でエステル化されている、ガングリオシドの、またN−アシル−N−リゾ−ガングリオシドの、N'−アシル−N'−リゾ−ガングリオシドおよびN,N'−ジ−もしくはポリアシル−N,N'−ジリゾ−ガングリオシドの誘導体、それらの官能誘導体、およびそれらの無機または有機塩基との塩並びに酸付加塩。それらの化合物は抗神経毒性および神経突起伸長活性を有することから、医薬品製剤に使用することができる。免疫系細胞におけるCD4分子の発現に対する著しい調節効果が示された。

Description

【発明の詳細な説明】 新規O−硫酸化ガングリオシドおよびリゾ−ガングリオシド誘導体 〈発明の目的〉 本発明は、サッカライド、シアリン酸またはセラミド残基の少なくとも1つの ヒドロキシル基が硫酸でエステル化されている、ガングリオシドおよびN−アシ ル−N−リゾ(lyso)−ガングリオシド、N'−アシル−N'−リゾ−ガングリオ シド並びにN,N'−ジ−またはポリ−アシル−N,N'−ジリゾ−ガングリオシド の新規誘導体(ガングリオシドGM1、GD1a、GD1bおよびGT1bのサッカラ イド、シアリン酸並びにセラミド部分におけるヒドロキシル基でのパー硫酸化誘 導体を除く)、それらの官能誘導体、およびそれらの無機または有機塩基との塩 並びに酸付加塩に関する。 さらに、本発明は、上記ガングリオシドの新規誘導体を含んでなる医薬品製剤 、およびそれらの治療上の利用に関する。 該新規誘導体は、興味ある薬理学的特性、とりわけグルタミン酸のような興奮 性アミノ酸により誘発される神経毒性に対する保護活性を有すことから、変性ま たは病変、すなわち虚血、低酸素症、てんかん、外傷および圧迫、代謝機能不全 、老化、毒素−感染疾患、並びにアルツハイマー病、パーキンソン病またはハン ティングトン舞踏病といったような慢性神経変性に続いて起こる病態のような、 神経系の治療に使用されることが予想される。 本発明の新規化合物は、それらの神経突起伸長(neuritogenic activity)に より、神経障害、およびニューロン傷害に伴う病状といったような、神経機能の 回復を目的とする治療において有利に使用することができる。 さらに、本発明の目的である新規化合物は、免疫系に属するヒト細胞の表面に 存在するCD4のような特異的決定因子の発現調節に関し、価値ある特性を有す る。 胸腺細胞、リンパ球、単球およびマクロファージといったような種々の細胞型 で発現される、膜糖タンパクであるCD4分子の発現を調節する上記化合物の能 力には、広範囲にわたるヒト病理学において大いなる適用可能性がある。 本発明の新規化合物は、病因となる薬剤がウイルスのヒト免疫欠損(HIV) 科に属する微生物である感染のような、CD4+細胞が関与する感染を予防する、 および/または治療する必要がある、全ての状況において治療に使用されること が考えられる。 さらに、CD4の調節は、多発性硬化症、リウマチ関節炎、慢性多発関節炎、 紅斑性狼癒、若年−発生(juvenile-onset)真性糖尿病といったような、全身的 または臓器特異的自己免疫疾患において有用であり、また骨髄移植の場合、また 所望の効果が「自己」および「非自己」抗原に対して耐性を得るであろう全ての 場合において起こるような、臓器移植拒絶反応、さらにはまた宿主に対する移植 物質による拒絶反応の現象を予防するのに有用である。 前記定義中、「N,N'−ジリゾ−ガングリオシド」という用語は、ノイラミン 酸窒素(N')およびスフィンゴシン窒素(N)から天然のアシル基が取り除か れ、かくして遊離アミノ基が残っているガングリオシドを意味する。「−ジ」と いう語は、NおよびN'という2つの位置を示すことを表わすのであって、存在 するシアリン酸の数に依存して、2個以上存在し得る遊離アミノ基の実際数を表 わすものではない。「N−アシル−N'−ジ−」または「ポリ−アシル」という 表現は、NおよびN'の位置が両方置換されている合成ガングリオシド同族体の 場合に使用する。 上述の半合成ガングリオシド同族体の官能誘導体は、例えば、シアリン酸残基 のカルボキシル基のエステルおよびアミドであり、またガングリオシドの場合に 知られているものと同様に、シアリン酸カルボキシル基とオリゴサッカライドの ヒドロキシルとの間のラクトン結合を有する分子内エステルでもあり得、またあ るいは、それらのヒドロキシル基が有機酸でエステル化されている、これら全て の化合物の誘導体でもあり得る。 特に興味深いものは、ナトリウム、カリウム、カルシウム、マグネシウム、ア ンモニウム塩といったような、新規化合物の硫酸基の金属塩であり、また、遊離 シアリン酸カルボキシル基の塩でもあり得る。他の興味ある塩は、有機塩基、と りわけ治療上許容し得る塩基から誘導される。本発明にはまた、通常、治療では 使用されない、金属または塩基から誘導する塩も包含され、また、そのような塩 を新規生成物の精製に使用することができ得る。酸付加塩は、例えば、スフィン ゴシンまたはノイラミンアミノ基が遊離している誘導体において形成することが できる。 前述の半合成ガングリオシド同族体は新規である。 本発明の別の態様は、治療における、とりわけ中枢または末梢神経系もしくは 免疫系を冒す上述の障害を治療するための、これら新規化合物の用途に関する。 さらに本発明の別の態様は、所望により、医薬品賦形剤またはビヒクルと共に、 1つまたはそれ以上の該新規化合物を含む医薬品製剤に関する。 本発明のさらに別の態様は、神経毒病態、およびそれらの突起伸長を利用する ことのできる病態の治療における、および同治療に関する医薬品製剤における、 クレームしなかった化合物、すなわち、ガングリオシドGM1、GD1a、GD1b およびGT1bのサッカライド、シアリン酸並びにセラミド部分におけるヒドロキ シル基でのポリ硫酸化誘導体の用途に関する。 新規ガングリオシド誘導体のNおよびN'の位置に存在するアシル基は、ガン グリオシド自身のものであり得るし、またはそれらは、N,N'−ジリゾ−ガング リオシドまたはN−リゾ−ガングリオシドもしくはN'−リゾ−ガングリオシド へ合成的に挿入されたアシル基であり得る。N−リゾ−ガングリオシド誘導体は 、単に「リゾ−ガングリオシド」として文献に報告されることが多く、またこの 用語は、本発明の説明でもまた部分的に使用される。 スフィンゴシン(N)および/またはノイラミン酸(N')の位置をアシル化 するアシル基は、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、バレリアン酸、とりわけn −バレリアン酸、イソバレリアン酸、トリメチル酢酸、カプロン酸、イソカプロ ン酸、ヘプタン酸、カプリル酸、ペラルゴン酸、カプリン酸並びにウンデカン酸 、ジ−tert−ブチル−酢酸並びに2−プロピル−バレリアン酸、さらにまたラウ リン、ミリスチン、パルミチン、オレイン、エライジン、およびステアリン酸、 エイコ サンカルボン酸並びにドコサン酸といったような、好ましくは最高24個の炭素 原子、とりわけ12〜16個の炭素原子を有する直鎖状の脂肪族酸か、または1 〜11個の炭素原子を有する直鎖状もしくは分岐鎖状の酸から誘導することがで きる。該アシル基はまた、ハロゲン、特に塩素、臭素およびフッ素、遊離または エステル化ヒドロキシル基、ケトン、脂肪族または低級アルアリファティック( araliphatic)アルコールから誘導されるケタールおよびアセタール基、ケトキ シまたはアルドキシもしくはヒドラゾン基、低級脂肪族もしくはアルアリファテ ィック酸を有する、もしくは低級脂肪またはアルアリファティックアルコールで エーテル化されている遊離またはエステル化メルカプト基、遊離またはエステル 化カルボキシル基、低級脂肪もしくはアルアリファティックアルコールを有する 遊離またはエステル化スルホン酸基、低級アルキルまたはアラルキル基で置換さ れているスルファミド基、低級アルキルまたは低級アルキル基から誘導されるス ルホキシドまたはスルホン基、ニトリル基、遊離または置換アミノ基、およびそ のようなアミノ酸基のアンモニウム誘導体といったような、1つまたはそれ以上 の極性単位で置換されている脂肪酸からも誘導され得る。 本明細書中、「低級」という用語は、他に指示されない限り、最高6個の炭素 原子を有する基を意味する。 新規誘導体のスフィンゴシンおよびノイラミンアミノ基の1つまたは両方をア シル化する他のアシル基はまた、芳香族、アルアリファティック、脂環式、脂肪 族−脂環式または複素環式の酸のものであり得る。 芳香族アシル基は主として、安息香酸、またはフェニル残基が、例えば、1〜 3つのC1-4アルキルもしくはアルコキシ基、とりわけメチルおよびメトキシ基 で、および/または脂肪族アシル基で置換基として述べた極性基、例えば、遊離 またはアルキル化アミノ基の1つで置換されている、安息香酸の同族体から誘導 される。 アルアリファティックアシル基は、脂肪族部分として、好ましくはC2-4アル キレン鎖を有し、また芳香族部分は、先に定義した芳香族基の1つであるのが好 ましい。脂環式アシル基は、シクロプロパン、シクロブタン、シクロペンタンお よびシクロヘキサンといったような、環に3〜6個の炭素原子を有する脂環式炭 化水素から誘導されるものであるのが好ましい。複素環式基は、好ましくは−O −、−N=、−NH−、または−S−といったような、ヘテロ原子結合を1つだ け有する単環式複素環式化合物から誘導され、ピリジン群の酸、例えば、ニコチ ンまたはイソニコチン酸、2−フラン酸のようなフラン群の酸、または3−チオ フェン酢酸のようなチオフェン群の酸、4−イミダゾール酢酸のようなイミダゾ ール群の酸、もしくは1−メチル−2−ピロール−カルボン酸のようなピロール 群の酸といったような、芳香族または脂肪族的性質であり得る。 本発明の新規半合成ガングリオシド誘導体の官能誘導体は、シアリン酸カルボ キシル基のエステル、分子内エステルおよびアミドである。該エステル基は、特 に脂肪族アルコールから、とりわけ最高12個、好ましくは6個の炭素原子を有 するものから、または好ましくは、場合により1〜3つのC1-4アルキル基、例 えばメチル基で置換されている1つのベンゼン環を有し、また脂肪鎖に最高4個 の炭素原子を有する、アルアリファティックアルコールから、または1つの脂環 式環および最高14個の炭素原子を有する脂環式もしくは脂肪族−脂環式アルコ ールから、または最高12個、好ましくは6個の炭素原子、および−N=、−N H−、−O−、−S−よりなる基から選択されるヘテロ原子結合を含む1つの複 素環式単環を有する複素環式アルコールから誘導される。 カルボキシル官能基のアミド基は、アンモニアから、または好ましくは最高1 2個の炭素原子を有する任意種類のアミンから誘導する。メチルアミン、エチル アミン、プロピルアミン、およびブチルアミンといったような低級脂肪族アミン について特記すべきである。 次いで、該エステル化アルコールおよびアミド化アミンは、とりわけヒドロキ シル、アミノ、最高4個の炭素原子を有するアルコキシル基、アルキル残基に最 高4個の原子を有するカルボキシルまたはカルバルコキシル、アルキル部分に最 高4個の炭素原子を有するアルキルアミノまたはジアルキルアミノよりなる基か ら選択される官能基で置換することができ、またそれらは、飽和でも不飽和でも あり得、とりわけ1つの二重結合を有し得る。該アルコールは、一価または多価 、 とりわけ二価であり得る。脂肪族アルコールのうち、メチルアルコール、エチル アルコール、プロピルアルコールおよびイソプロピルアルコール、n−ブチルア ルコール、イソブチルアルコール、tert−ブチルアルコールといったような、最 高6個の炭素原子を有する低級アルコールについて、およびエチレングリコール およびプロピレングリコール等の二価アルコールについて特記すべきである。ア ルアリファティックアルコールのうち、ベンジルアルコールおよびフェネチルア ルコールといったような、ベンゼン残基を1つだけ有するものについて特記すべ きである。脂環式アルコールのうち、シクロヘキシルアルコール(シクロヘキサ ノール)またはテルペンアルコールといったような、脂環式環を1つだけ有する ものが好ましい。複素環式アルコールのうち、テトラフラノールおよびテトラピ ラノールについて特記すべきである。 部分硫酸化誘導体、すなわち、全てのヒドロキシル基が硫酸化されているわけ ではない誘導体では、本発明により、次に他のヒドロキシル基を脂肪族、芳香族 、アルアリファティックまたは複素環式有機酸でエステル化することができ、こ の酸は、先に述べたNおよびN'アミノ基をアシル化する場合に定義したものと 同じであり得る。本発明の部分硫酸エステルは、通例、様々な位置異性体の混合 物を表す。 硫酸化化合物は、塩基または塩基性塩で、例えば、ナトリウム塩の場合には、 炭酸ナトリウムで処理することにより、それらの金属または有機塩基塩に、例え ばそれらのアルキル金属塩、とりわけナトリウム塩へ容易に転換される。とりわ け治療用利用には、硫酸エステルがそのような塩、とりわけナトリウム塩の形で 使用される。 該新規誘導体の製造に使用する最も重要な塩基性ガングリオシドのうち、例え ば、オリゴサッカライドが最高4つのサッカライド単位により形成され、またそ のサッカライド部分がユニタリー(unitary)であるものについて記述すること ができる。N−アセチルグルコサミンおよびN−アセチルガラクトサミンよりな る群からヘキソースを選択するのが好ましい。該群のガングリオシドは、例えば 、「グリコリピド・メソドロジー(Glycolipid Methodology)」[ロイド(Lloy d) A.,ウイッティング(Witting)Fd.,アメリカン・オイル・ケミスツ・ソサイ エティ(American Oil Chemists Society),シャンペイン(Champaign),III ,187−214(1976)]中の「ガングリオシドズ・オブ・ザ・ナーバス ・システム(Gangliosides of the Nervous System)」という文献に記載されて いるもの(特に図1を参照)、例えば、ガングリオシドGM4、GM3、GM2、 GM1−GlcNAC、GD2、GD1a−GalNAC、GT1c、GQ、GT1、および 特にオリゴサッカライドが少なくとも1つのグルコース残基またはガラクトース 残基および1つのN−アセチルグルコサミン残基またはN−アセチルガラクトサ ミン残基、特に以下のもの: [式中、Glcはグルコースを表し、GalNACはN−アセチルガラクトサミンを 表し、Galはガラクトースを表し、NANAはN−アセチルノイラミン酸を表す ]を含んでいるもの等、脊椎動物の脳から例えば抽出される。 本発明の新規誘導体の1つの群は、以下の式(I): [式中、R=HまたはSO3H(全てR=Hである場合を除く)、 R1=H, 2=−(CH2n−CH3(n=12〜14)、 R3=Hまたはアシル、 R4=H, (ただし、GM1、GD1a、GD1b、GT1bガングリオシドのパー硫酸化誘導体 は除く) で示され、既に記述したGM1、GD1a、GD1b、GT1bガングリオシドのパー 硫酸化(全硫酸化)誘導体を除き、式中、全ての記号Rが同時にHであり得るわ けではないことが明らかである。 除外する誘導体は、バイオケミカル・アンド・バイオフィジカル・リサーチ・ コミュニケーションズ[(Biochemical and Biophysical Research Communicati ons)第175巻,第1号,1991年2月28日]という論文で実際に記載さ れている。 特に興味深い具体的な化合物のうち、様々な位置で硫酸化された異性体の混合 物形態をとる、以下のガングリオシド誘導体: N−アセチル−リゾ−GM1 N−ジクロロアセチル−リゾ−GM1 N−フェニルアセチル−ゾ−GM1 N−プロピオニル−リゾ−GM1 N−トリメチルアセチル−リゾ−GM1 N−トリメトキシベンゾイル−リゾ−GM1 N−ニコチノイル−リゾ−GM1 N−カプロニル−リゾ−GM1 N−オクタノイル−リゾ−GM1 N−デカノイル−リゾ−GM1 N−ウンデカノイル−ゾ−GM1 N−4−クロロベンゾイル−リゾ−GM1 N−4−ベンゾイル−リゾ−GM1 N−2−ブロモアセチル−リゾ−GM1 のモノ−硫酸化誘導体、および対応するポリ−硫酸化誘導体について特記すべき である。 特に興味深いものは、前記化合物に対応するが、N'の位置でアシル化された モノ−またはポリ−硫酸化誘導体、すなわち、様々な位置で硫酸化された異性体 の混合物形態をとる、 N'−アセチル−N,N'−ジリゾ−GM1 N'−ジクロロアセチル−N,N'−ジリゾ−GM1 N'−フェニルアセチル−N,N'−ジリゾ−GM1 N'−プロピオニル−N,N'−ジリゾ−GM1 N'−トリメチルアセチル−N,N'−ジリゾ−GM1 N'−トリメトキシベンゾイル−N,N'−ジリゾ−GM1 N'−ニコチノイル−N,N'−ジリゾ−GM1 N'−カプロニル−N,N'−ジリゾ−GM1 N'−オクタノイル−N,N'−ジリゾ−GM1 N'−デカノイル−N,N'−ジリゾ−GM1 N'−ウンデカノイル−N,N'−ジリゾ−GM1 N'−4−クロロベンゾイル−N,N'−ジリゾ−GM1 N'−4−ベンゾイル−N,N'−ジリゾ−GM1 N'−2−ブロモアセチル−N,N'−ジリゾ−GM1 のモノ−またはポリ−硫酸化誘導体である。 別の興味ある化合物群は、様々な位置で硫酸化された異性体の混合物形態をと る、 N,N'−ジアセチル−N,N'−ジリゾ−GM1 N,N'−ジ(ジクロロアセチル)−N,N'−ジリゾ−GM1 N,N'−ジ(フェニルアセチル)−N,N'−ジリゾ−GM1 N,N'−ジ(プロピオニル)−N,N'−ジリゾ−GM1 N,N'−ジ(トリメチルアセチル)−N,N'−ジリゾ−GM1 N,N'−ジ(トリメトキシベンゾイル)−N,N'−ジリゾ−GM1 N,N'−ジ(ニコチノイル)−N,N'−ジリゾ−GM1 N,N'−ジ(カプロニル)−N,N'−ジリゾ−GM1 N,N'−ジ(オクタノイル)−N,N'−ジリゾ−GM1 N,N'−ジ(デカノイル)−N,N'−ジリゾ−GM1 N,N'−ジ(ウンデカノイル)−N,N'−ジリゾ−GM1 N,N'−ジ(4−クロロベンゾイル)−N,N'−ジリゾ−GM1 N,N'−ジ(4−ベンゾイル)−N,N'−ジリゾ−GM1 N,N'−ジ(2−ブロモアセチル)−N,N'−ジリゾ−GM1 といったような、GM1から誘導するN,N'−ジアシル−N,N'−ジリゾ−ガン グリオシドのモノ−またはポリ−硫酸化誘導体である。 ガングリオシドに関し、先に強調したようなモノ−およびポリ−硫酸化ガング リオシド誘導体、従って、ガングリオシドGM1、GD1a、GD1b、GT1b、G M2、GM3、GM4、GM1−glcNAC、GD2、GD1a−GalNAC、GT1c、 GQ、GT1のモノ−およびポリ−硫酸化誘導体について特記すべきである。 これらの化合物は全て、それらの金属塩、特にナトリウム塩へ容易に転換する ことかでき、またそれらの可能な治療への利用を考慮すると、これらには特に重 要性がある。 ガングリオシドがセラミドに結合した塩基性サッカライド構造を有するシアリ ン酸、および1つまたはそれ以上のシアリン酸分子を含むグリコスフィンゴ脂質 であることは十分に知られている。サッカライド部分は、少なくとも1つのガラ クトースまたはグルコース、および1つのN−アセチルグルコサミンまたはN− アセチルガラクトサミンを表す。 ガングリオシドの一般構造は、以下のように示され: 全ての成分がグルコシド結合により結合している。 多数のガングリオシドは、神経組織、とりわけ大脳組織において豊富であるこ とが確認されている[アンドー(Ando)S.:ガングリオシドズ・イン・ザ・ナ ーバス・システム(Gangliosides in the nervous system),ニューロケミスト リー・インターナショナル(Neurochem.Int.)5,507537,1983] 。 インビトロにおけるニューロン培養の研究から指摘されている通り、ガングリ オシドが、特異的膜機構に関与して栄養因子と相互作用することにより、病変し た末梢神経系(PNS)および中枢神経系(CNS)の両方において機能的回復 を向上することが可能であることは広く実証されている[フェラーリ(Ferrari )F.ら,ディヴェロップメンタル・ブレイン・リサーチ(Dev.Brain Res.)8 :215−221,1983;ドヘルティ(Doherty)P.ら,ジヤーナル・オブ ・ニューロケミストリー(J.Neurochem.)44:1259−1265,198 5年;スケイパー(Skaper)S.D.ら,モル・ニューロバイオル(Mol.Neurobi ol.)3:173−199,1989年]。 さらに、ガングリオシドはまた、神経毒性の原因となる機構が活性化されてい る部分で選択的に作用し得ることから、興奮性アミノ酸受容体の発作性(paroxi stic)および連続的刺激作用を拮抗するということも示されている[ファヴァロ ン(Favaron)M.ら:新生児ラット小脳のニューロン初代培養において、ガング リオシドはグルタメートおよびカイネート神経毒性を予防する(Gangliosides p revent glutamat ean dkainate neurotoxicity in primary neuronal cultures of neonatal rat cerebellum)およびコルテックス・プロシーディングス・オブ ・ネイショナル・アカデミー・オブ・サイエンシーズ(cortex.Proc.Natl.Acad. Sci.)85:7351−7355,1988]。 PNSに関して、ガングリオシド混合物の効果は、外傷性[ゴリオ(Gorio) A.ら,ブレイン・リサーチ(Brain Res.)197:236241,1980] 、代謝性[ノリド(Norido)F.ら,イクスペリメンタル・ニューロロジー(Exp .Neurol.)83:221−232,1984年]、毒性[ディ・グレゴリオ(Di Gregorio)F.ら,キャンサー・ケモテラピー・アンド・ファーマコロジー(Ca ncer Chemother.Pharmacol.)26:3136,1990年]神経障害モデルに おいて報告されている。CNSに関して、モノサイアロガングリオシドGM1に より誘発される正の回復効果は、虚血モデル[カーピアック(Karpiak)S.E. ら,シー・アール・シー・クリティカル・レヴ・イン・ニューロバイオロジー( CRC Critical Rev.in Neurobiology),第5巻,第3号(I ssue3),22 1−237頁,1990]、さらにまた外傷性[トッファノ(Toffano)GFら ,ブレイン・リサーチ296:233−239,1984]および神経毒性[シ ュナイダー(Schneider)ら,サイエンス(Science)256:843−846, 1992年]病変において広く記載されている。そのような結果は、虚血脳傷害 の病態[アルゼンチーノ(Argentino)C.ら,ストローク(Stroke)20:11 43−1149,1989]および脊髄の外傷性傷害の病態[ゲイスラー(Geis ler)F.H.,ニュー・イングランド・ジャーナル・オブ・メディシン(N.Eng l.J.Med.)324:1829−1838,1991)におけるGM1の臨床応用 へと導いた。 さらに近年、ガングリオシドが幾つかのリンパ球膜に存在するCD4と名付け られた受容体の発現調節に関与することが示され、またさらに、そのような調節 はHIVウイルスの増殖阻害に関係することが示された[オフナー(Offner)H .ら:ガングリオシドは、ヘルパーTリンパ球からCD4の選択的調節を誘発す る(Gangliosides induce selective modulation of CD4 from helper T lym phocy tes.),ジャーナル・オブ・イムノロジー(J.Immunol.)139:32 95−3305,1987;グラッシー(Grassi)F.ら:CD4マスキングお よびミトゲン増殖の抑制を導くリンパ球表面標的との相互作用に関与するガング リオシド分子の化学残基(Chemical residues of ganglioside molecules invol ved in interactions with lymphocyte surface targets leading to CD4 mas king and inhibition of mitogenic proliferation.),ヨーロピアン・ジャー ナル・オブ・イムノロジー(Eur.J.Immunol.)20:145−150,199 0;チエコ−ビアンチ(Chieco−Bianchi)ら,インビトロにおいてモノサイア ロガングリオシドGM1により誘発されるCD4調節およびHIV−1感染性の抑 制(CD4 modulation and inhibition of HIV−1 infectivity induced b y monosialoganglioside GM1 in vitro.)エイズ(AIDS)3:501−5 07,1989年]。 CD4と名付けられた分子は、胸腺細胞により、Tリンパ球の「サブセット(s ubset)」により、および低密度で、単球/マクロファージにより発現する、5 5kDaの膜糖タンパクである。該分子は、以下の3つの部分に分けることができ る:4つの領域に分けられる細胞外のもの(そのうちの3つは、それらを免疫グ ロブリンの上科(superfamily)に結合する構造を有する)、21アミノ酸(aa )よりなる膜内部分、および40塩基性アミノ酸よりなるサイトゾル内の部分。 Tリンパ球において、CD4は少なくとも2つの機能を有する。一方では、そ れがクラスIIのHLA分子の非多形領域と相互作用することから、T細胞と抗原 を発現する細胞との間の結合を安定化する(二次的役割)。他方では、最近の証 拠により、それ自身のリガンドとCD4の相互作用がCD4のサイトゾル内部と接 触する細胞質チロシンキナーゼ(p561ckと名付けられた)の活性化をどのように して誘発するかが示された。チロシンキナーゼの活性化、および続いて起こる様 々 な基質、それらのうちCD3のγ鎖のリン酸化には、抗原受容体と抗原自身との 間の相互作用に続いて起こるシグナル変換(signal transdution)を促進する役 割がある。従って、CD4には、Tリンパ球の活性化を調節する機構において積 極的役割がある。 T細胞の生理学に関するこれらの適切な機能の他に、CD4はまた、標的細胞 へ入るのにHIVウイルスにより利用される受容体でもある。 CD4+Tリンパ球は、免疫系機能化において大きい役割を果す。大抵の場合、 抗原と接触した後、適応応答の原因となる第一の細胞はCD4+T細胞であり、こ れは次に、活性化後、応答のエフェクターとなる。あるいはまた、活性化CD4+ 細胞は、サイトカインの放出により、他の細胞(B細胞、CD8+T細胞)が応答 のエフェクターになるのを助長することができる。このことは、外来抗原(非自 己)および体の抗原(自己)に対する応答の両方に有効である。従って、CD4+ T細胞は主として、幾つかの自己免疫疾患に関与する。 CD4+T細胞機能を調節する可能性は、広範囲にわたるヒト病理学において適 切である。 インビトロおよびインビボにおける様々なモデルにおいて、CD4分子をモノ クローナル抗体でブロックすることにより、CD4+T細胞の機能が阻害されるこ とが示された。このような阻害は次に、サイトカインの増殖、産生がうまくいか ず、抗体の産生がうまくいかず、および自己免疫病理学の実験モデルにおける自 己免疫症状の臨床的発現を抑制または低下させる結果となる。 本発明の新規O−硫酸化誘導体の薬理学的特性は、以下の化合物: −O−硫酸化GM1(Liga135) −O−ポリ硫酸化GM1(Liga161) −O-硫酸化GM2(Liga181) −O−硫酸化GM3(Liga182) を用いて行った実験研究により強調することができる。 Liga135、Liga161、Liga181およびLiga182は各々、実施例1、2 、3および4で記載する通り調製する。 実験モデル、および本発明の目的である本発明の幾つか例示的な化合物を用い て得られた結果を以下に記載する。 〈1〉インビトロにおける小脳顆粒細胞でのLiga135および161の抗神経毒 性効果:外因性グルタメートにより誘発される神経毒性に対する保護効果 材料および方法 細胞培養 小脳顆粒細胞の初期培養物は、8日歳のシュプラーゲ・ダウレイ(Sprague−D awley)ラットから調製した。 神経を35mmの皿で11〜13日間培養して、給湿環境(空気95%、および CO25%)に37℃で保持した。培養物(2.5×106細胞/皿)は主として 、パーセンテージの低い(<5%)グリア細胞と共に、顆粒細胞(>95%)か らなっていた[ガロ(Gallo)V.ら:培養において見分ける小脳顆粒細胞からの グルタメートの選択的放出(Selective release of glutamate from cerebellar granule cells differentiating in culuture.),プロシーディングス・オブ ・ネイショナル・アカデミー・オブ・サイエンシーズ(Proc.Natl.Acad.Sci.) ,米国79,7919−7923,1982]。グリア増殖は、サイトシンアラ ビノフラノシドにより防がれた。 Liga135および161誘導体を滅菌水に50mMの濃度で可溶化して、ロッ ク(Locke)の溶液(154mM NaCl,5.6mM KCl,3.6mM NaHCO3 ,2.3mM CaCl2,1mM MgCl2,5.6mMグルコース,4.6mMヘペス,p H7.4)に様々な濃度で溶解した。 200μM〜5μMの濃度で試験した。 外因性グルタメートにより誘発される神経毒性モデルの説明: 前処置例における化合物 細胞培養培地を皿から吸い出した(また適切に保存した)。その皿をロックの 溶 液で洗浄(3×2ml)した後、試験化合物を含む溶液(1.5ml)を加えて、イ ンキュベーター中、37℃で2時間インキュベー卜した(5%CO2)。 処理した細胞を10%熱不活性化ウシ胎児血清を加えたロックの溶液(グルタ ミン酸を除く)で洗浄(3×2ml)した後、Mg2+を含まないロックの溶液中( 3×2ml)で洗浄した。グルタメートを100μM(1.5ml)の割合でロック の溶液(−Mg2+)に加えるか、またはロックの溶液(Mg2+)を単独で使用した (対照)。グルタメート、またはロックの溶液(−Mg2+)を用い、室温(27 ℃)で60分間インキュベーションを行った。次いで、グルタメートを取り除き 、その皿をロックの溶液(+Mg2+)で洗浄(2×2ml)した後、インキュベー ター(5%CO2)中、初めの培地(適切に保存した)の存在下に、37℃で2 4時間インキュベートした。 インキュベーションが終わった時点で、MTT比色定量試験を利用することに より測定した細胞生存率を評価した[モスマン(Mosmann)T.:ラピッド・カラ ーリメトリック・アッセイ・フォー・セルラー・グロウス・アンド・サバイバル (Rapid colorimetric assay for cellular growth and survival):増殖およ び細胞毒性アッセイへの応用(application to proliferation and cytotoxicit y assay)。ジャーナル・オブ・イムノロジカル・メソッズ(J.I mmunol.Meth. )65,55−63,1983、およびスケーパー(Skaper)S.D.らにより変 更された:N−メチル−D−アスパルテート受容体の異常活性化により誘発され る培養した海馬錯体ニューロンの死は、モノサイアロガングリオシドにより減少 する(Death of cultured hippocampal pyramidal neurons induced by patholo gical activation of N−methyl-D-aspartate receptors is reduced by monos ialogangliosides)。ジャーナル・オブ・ファーマコロジー・アンド・イクスペ リメンタル・セラピューティクス(J.Pharm.and.Exp.Ther.)259,1,45 2−457,1991]。データはED50として表す。 結果 得られた結果(表1)は、両方の化合物が著しい抗神経毒性活性を有すること を示す:Liga135および161の神経保護効果(約100%)は各々、50お よ び25μMで観察された。 〈2〉インビトロにおける小脳顆粒細胞でのLiga161、181および182の 抗神経毒性効果:グルタミン酸との共処理例における化合物 材料および方法 細胞培養 上記実験(1)の材料および方法で記載されている方法により、小脳顆粒細胞 の初期培養を行った。 Liga161、181および182誘導体を滅菌水に50mMの濃度で溶解した 。このように、ロックの溶液(154mM NaCl,5.6mM KCl,3.6mM NaHCO3,2.3mM CaCl2,5.6mMグルコース,4.6mMヘペス,pH7. 4)に様々な濃度で希釈を行った。 100μM〜5μMの濃度で試験した。 外因性グルタメートにより誘発される神経毒性モデルの説明: グルタミン酸との共処理例における化合物 細胞培養培地を皿から吸い出した(また適当に保存した)。その皿をMg2+を 含んでいないロックの溶液で洗浄(3×2ml)した。次いで、グルタメート10 0μMを加えた、また加えていない、および試験化合物を加えた、また加えてい ないロックの溶液(−Mg2+)1.5mlを加えた。インキュベーションを30分間 (37℃)続けた。次いで、グルタメートおよび試験化合物を取り除いた。その 皿をMg 2+ を含んでいるロックの溶液で洗浄(2×2ml)した後、インキュベーター(5 %CO2)中、初めの培地(適当に保存した)の存在下に37℃で24時間イン キュベートした。 インキュベーションが終わった時点で、MTT比色試験法により測定した細胞 生存率を評価した[モスマンT.:ラピッド・カラーリメトリック・アッセイ・ フォー・セルラー・グロウス・アンド・サバイバル:増殖および細胞毒性アッセ イへの応用。ジャーナル・オブ・イムノロジカル・メソッズ65,55−63, 1983、およびスケーパーS.D.らにより変更された:N−メチル−D−アス パルテート受容体の異常活性化により誘発される培養した海馬錯体ニューロンの 死は、モノサイアロガングリオシドにより減少する。ジャーナル・オブ・ファー マコロジー・アンド・イクスペリメンタル・セラピューティクス259,1,4 52−457,1991]。データはED50として表した。 結果 得られたデータ(表2)は、グルタメートと同時に投与する場合(共処理)で も、新規誘導体が著しい抗神経毒性活性を有することを示す:神経保護効果は、 100μMでその最大効果(約100%)に達する。 〈3〉Liga135およびLiga161化合物の神経突起伸長活性 材料および方法 ダルベッコの修飾イーグル培地[DMEM,ジブコ(Gibco)]、10%熱不 活性化ウシ胎児血清[FCS,ロット7201セロムド(Seromed)]、ペニシ リン[100単位/ml,アービン(I rvine)]およびL−グルタミン[2mM, シグマ(Sigma)]を含む組織培養培地に、マウスの神経芽腫細胞C1300、 ニューロ(Neuro)−2Aクローン[米国細胞型培養収集物−ベゼスダ(Bethesd a),MDから得られる]を10,000細胞/ウエル[24−ファルコン(Falco n)]の密度で播種した。細胞を37℃で24時間インキュベートした後、培地 を取り除いて、試験化合物を加えた、または加えていない新しい培養培地350 μlで置き換えた。 実験を行う化合物およびそれらの溶解性 該誘導体を滅菌水に溶解した。 様々な化合物に関し、組織培養培地で連続希釈を行った(200μM〜5μM の濃度)。 パラメーター 神経突起伸長活性(光学顕微鏡下の神経突起を有する細胞の%)。 試験化合物でインキュベートした培養皿を位相差顕微鏡(250×)下に分析 した。9つの光学視野をあらかじめ決めておいた基準(coordinates)で選び、 写真をとった。次いで、全ての細胞の数を数え、さらにまた、全ての写真にある ブラインドの神経突起を有する細胞(少なくとも細胞直径の2倍の長さ)の数を 数えた。少なくとも100細胞を数えた後、神経突起を有する細胞のパーセンテ ージを測定して、そのデータを各々ED50で表した[ファッシー(Facci)L. ら:プロモーション・オブ・ニューリトゲネシス・イン・マウス・ニューロブラ ストマ・セルズ・バイ・エキソジーニアス・ガングリオシド(Promotion of neu ritogenesis in mouse neuroblastoma cells by exogenous ganglioside)GM1 .ジャーナ ル・オブ・ニューロケミストリー229−305,1984]。 結果 得られた結果(表3)は、Liga135および161誘導体がインビトロにおい て神経突起発生(neuritogenesis)を促進することを示す。特に、試験した実験 条件において、以下のことが分かった: −Liga161が有する神経突起伸長効果(neuritogenic effect)は、200 μMの用量で最大(非常に長く存在する細胞および分岐神経の約58%)となる 。 −Liga135が有する神経突起伸長効果は、200μMの用量で最大(非常に 長く存在する細胞および分岐神経の約54%)となる。 〈4〉モルト(Molt)3細胞でのCD4分子の発現に対するLiga182の効果 急性リンパ芽球性白血病から誘導されて、それらの表面にCD4を発現するT リンパ球により形成されるヒト腫瘍セルラインである、モルト3細胞[米国型培 養収集物−ロックビル(Rockville),MD,米国]を利用した。そのようなセ ルラインは、CD4分子の発現に関して、末梢血液から得られるヒトTリンパ球 を重複するという事実により選択した。モルト3細胞の100%がCD4を発現 するが、末梢血液から得られるヒトTリンパ球は、対象物から対象物まで色々変 わる割合でごく一部しかCD4を発現しない。従って、モルト3細胞には、より 良好な実験信頼性を与えるという有利点がある。 材料および方法 様々な濃度のLiga182(1μg/ml〜500μg/ml)を用い、ウシ胎児血清 (FCS)を加え、または加えないで、緩衝化食塩水(PBS)中、モルト3細 胞(1×106)を37℃で60分間インキュベートした。利用する場合は、F CSを5〜10部/パーセンテージ(体積/体積)の濃度で加えた。インキュベ ーションした後、引き続き洗浄して、CD4を発現する細胞のパーセンテージを フルオレセインを加えた(mAb)、CD4に特異的なモノクローナル[DAKO T4,ダコパッツ(Dakopatts),グロストラップ(Glostrup),デンマーク ]、および細胞蛍光計[EPICS V,コールター・エレクトロニクス(Coul ter Electronics),ヒアレス(Hialeah),フロリダ,米国]を用いるフロー細 胞蛍光定量法により測定した。 表4では、用いる様々な濃度での実験下の該化合物と共にインキュベートした 後、CD4を発現するモルト3細胞のパーセンテージに関するデータを報告する 。 表4に報告された結果は、Liga182の調節効果がどのように用量/反応曲線 の関数となっているか、また血清の用量が増大するにつれて、どのようにLiga1 82の濃度を増大する必要があるのかを示す。 Liga182化合物が、最も高い血清濃度で、CD4の発現を完全に抑制できる ことを指摘するのが重要である。 結論 先に記載した結果は、本発明の目的である新規化合物の、著しく興味ある薬理 学的プロフィールを示す。CNS細胞に対する抗神経毒性効果、および免疫系細 胞でのCD4分子の発現に対する調節効果について特記述すべきである。 抗神経毒性効果を考慮して、ノイラミン酸の新規誘導体は、興奮性アミノ酸の 興奮性活性に伴う障害において使用することができる。そのようなアミノ酸、例 えば、グルタミン酸またはアスパラギン酸は、様々な生理的過程、例えば、シナ プス発生およびニューロン形成性における、それらの主要な役割の他に、ニュー ロンの機能不全および/または死に伴う、様々な障害の原因および/または進展 に関与することが実証されている。たとえニューロン傷害に様々な原因があり得 ても、ニューロンの機能不全は、Ca2+イオンに依存する酵素反応の活性化、Ca2+ イオンの影響、第2メッセンジャーの活性化といったような細胞事象のカスケ ードのきっかけとなり、このことがニューロンの死をもたらす結果となる。興奮 性アミノ酸により引き起こされるCNSに対する傷害は、例えば、虚血、てんか ん、外傷、圧迫、代謝機能不全、老化、毒素−感染傷害、さらにはアルツハイマ ー病またはハンティング舞踏病といったような慢性神経変性障害を現す[エンゲ ルセン(Engelsen)B.,アクタ・ニューロジカ・スカンジナビカ(Acta Neurol .Scand.),「ニューロトランスミッター・グルタメート(Neurotransmitter gl utamate):イッツ・クリニカル・インポータンス(its clinical importance )」186,4,337−355;オルネイ(Olney)J.W.,アニュ・レブ・ ファーマコル・トキシコル(Annu.Rev.Pharmacol.Toxicol.),「エキサイタト トキシック・アミノ・アシッズ・アンド・ニューロサイキアトリック・ディソル ジャーズ(Excitatotoxic amino acids and neuropsychiatric disorders)」, 1990,30,47−71]。 さらに、本発明の目的である新規化合物は、それらの神経−促進(neurite-pr o moting)活性を考慮して、末梢神経障害のような神経障害に伴う、それらの病理 学での神経機能回復を目的とする療法において有利に使用することができる。 そのうえ、そのような化合物が免疫細胞表面上でのCD4分子の発現を調節す る能力は、ヒト病理学、例えば、CD4細胞が関与する感染(特に、それらの原 因となる薬剤がHIVウィルス科に属する微生物である感染)を予防するおよび /または治療する必要があるような状況の広い範囲にわたって大いに関連するも のであり得る。さらに、CD4調節は、多発性硬化症、慢性関節リウマチ、慢性 多発関節炎、紅斑性狼癒、若年−発生真性糖尿病といったような、全身的自己免 疫または臓器−特異的疾患において有用であり、また骨髄移植の場合、また所望 の効果が「自己」および「非自己」抗原に対して耐性を得るであろう全ての場合 において起こるような、臓器移植拒絶反応、さらにはまた宿主に対する移植物質 による拒絶反応の現象を予防するのに有用である。 本発明は、CD4の調節効果およびHIV−1ウイルスの増殖抑制が既に知ら れている、全てパー硫酸化されたGM1、GD1a、GD1bおよびGT1bといった ような誘導体を包含しないが、本発明は、それらの抗神経毒および突起伸長活性 を考慮して、直接治療上の処置および該化合物を含んでなる医薬組成物の製造並 びに用途の両方における、前記化合物の治療上の用途を包含する。 本発明はまた、新規化合物の製造方法も包含する。そのような方法は、ヒドキ シル基の硫酸でのエステル化に関し、十分に文書で示された従来の手法を含む。 従って、新規化合物の該製造方法は、ガングリオシド、N−アシル−N,N'−ジ リゾ−ガングリオシド、N'−アシル−N,N'−ジリゾ−ガングリオシド、また はN,N'−もしくはポリアシル−N,N'−ジリゾ−ガングリオシドを硫酸または その反応性誘導体で処理して、所望により、シアリン酸カルボキシル基または遊 離ヒドキシル基をそれらの官能誘導体に転換して、所望により、その得られた化 合物をそれらの金属塩、または有機塩基から誘導する塩に、もしくはそれらの酸 との塩に転換することからなる。 該方法はまた、該方法をある相の間に介入させ、所望ならば、残りの工程を後 で行うか、または該方法を中間体から出発して、残りの工程を行うか、もしくは 「系中の」中間体を形成させるという、変更態様を含む。 リゾ−ガングリオシドは、例えば、テトラ−アルキルアンモニウム水酸化物、 水酸化ナトリウムまたは他のものを用いてのアルカリ加水分解により、ガングリ オシドから製造することができる。 N,N'−ジリゾ−ガングリオシドからのN−またはN'−モノまたはポリ−ア シル−誘導体の製造は、文献に記載されている。 ノイラミンの窒素上にアシル基を有する化合物は、様々な方法により製造する ことができる。例えば、ジリ−ガングリオシドで開始した後、スフィンゴシンの アミノ基の中間仮保護を行うことが可能であり、このことは、例えば、ホスファ チジルコリンを用いて疎水性相互作用させるか、または適当な保護基を用いてア シル化し、続いて、この位置へ導入すべき酸の誘導体を用いてノイラミン酸の窒 素をアシル化した後、スフィンゴシンの窒素を脱保護することにより行うことが できる。最後に、ジリゾ−ガングリオシドは、同じ酸を用いて2つのアミノ基を アシル化することができ、またそのジアシル化合物は、アシルアミノ基をスフィ ンゴシンの窒素から選択的に取り除くことのできる酵素、例えば、グリコスフィ ンゴリピド−セラミド−デアシラーゼ酵素のようなガングリオシドからリゾ−ガ ングリオシドを得るために使用する酵素の作用を受けさせることができる[反応 式(1)を参照]。しかし、N−モノアシル−N,N'−ジリゾ−ガングリオシド はまた、例えば、0.1モルのアルコール性水酸化カリウムを用いる選択的化学 加水分解により、ノイラミン酸の窒素上でN,N'−ジアシル−N,N'−ジリゾ− ガングリオシドを脱アシル化することによっても得られる。 N−アシル−N,N'−ジリゾ−ガングリオシド、およびN'−アシル−N,N' −ジリゾ−ガングリオシド並びにN,N'−ジアシル−N,N'−ジリゾ−ガングリ オシドの製造方法は、導入すべきアシル基に対応する酸を用いてN,N'−ジリゾ −ガングリオシドをアシル化した後、所望により、スフィンゴシンまたはノイラ ミン酸の窒素上で適当なN,N'−ジアシル−N,N'−ジリゾ−ガングリオシドを 選択的に脱アシル化することからなる。 2つのアシル基が異なり得るN,N'−ジアシル化誘導体を製造するには、N− アシル−N,N'−ジリゾ−ガングリオシドまたはN'−アシル−N,N'−ジリゾ −ガングリオシドを導入すべきアシル基に対応する酸でアシル化することも可能 である。 前述の手順によるN−アシル化は、従来の方法で、例えば、出発物をアシル化 剤、特にその残基が導入されるべきである酸の官能誘導体と反応させることによ り行うことができる。従って、ハロゲンまたは無水物を酸の官能誘導体として使 用することが可能であり、またアシル化は、ピリジンまたはコリジンといったよ うな第三級塩基の存在下に行うのが好ましい。無水条件は、室温で、または高温 で用いることができ、また有機塩基の存在下に水性条件で操作するショッテン− バウマン法もまた、有利に用いることができる。ある場合には、酸のエステルを 反応性官能誘導体として使用することもまた可能である。アシル化するには、ペ プチド化学において使用されるような、活性化カルボキシ誘導体を用いる方法、 例えば、カルボジイミド誘導体またはイソキサゾール塩を用いて得られる混合無 水物または誘導体を使用する方法を用いることもまた可能である。全ての製造法 のうち、以下のものが最も適当である: 1.酸のアジ化物とリゾ−ガングリオシド誘導体の反応; 2.N,N'−カルボニルジイミダゾールと酸から得られる酸のアシルイミダゾ ールとリゾ−ガングリオシド誘導体の反応; 3.酸およびトリフルオロ酢酸の混合無水物とリゾ−ガングリオシド誘導体の 反応; 4.酸の塩化物とリゾ−ガングリオシド誘導体の反応; 5.(ジシクロヘキシルカルボジイミドのような)カルボジイミド、および場 合により1−ヒドロキシベンゾトリアゾールのような物質の存在下における、酸 とリゾ−ガングリオシド誘導体の反応; 6.加熱することによる、酸とリゾ−ガングリオシド誘導体の反応; 7.高温での、酸のメチルエステルとリゾ−ガングリオシド誘導体の反応; 8.酸のフェノールエステル、例えば、パラ−ニトロフェノールとのエステル とリゾ−ガングリオシド誘導体の反応; 9.酸の塩と1−メチル−2−クロロピリジニウムヨージドとの間での交換か ら誘導されるエステルとリゾ−ガングリオシド誘導体の反応。 スフィンゴシンとノイラミン酸の両方の窒素上で選択的部分アシル化を得るこ とがどのようにして可能となるかは、既に説明されている。これらの手順を反応 式(1)で説明する。 前に報告したような、スフィンゴノシンの窒素上でのN,N'−ジアシル−N, N'−ジリゾ−ガングリオシドの酵素的脱アシル化は、例えば、ジャーナル・オ ブ・バイオケミストリー[(J.Biochem.),103,1(1988)]に記載 されているような、ガングリオシドの部分脱アシル化に利用されるものと同じ条 件下に行うことができる。 N,N'−ジリゾ−ガングリオシドとするN,N'−ジアシル−N,N'−ジリゾ− ガングリオシドの二重脱アシル化は、例えば、バイオケミストリー[24,52 5(1985)];ジャーナル・オブ・バイオケミストリー[255,7657 (1980)];バイオル・ケム・ホップ・セイラー[(Biol.Chem.Hoppe Seyl er)367,241(1986);カルボハイドレート・リサーチ[(Carbohyd r.Research)179,393(1988)];バイオケミカル・アンド・バイオ フィジカル・リサーチ・コミュニケーションズ[147,127(1987)] に記載されているような、脱−N−アシル−リゾ−ガングリオシドの製造と同じ 方法で行うことができる。 前述のカルボハイドレート・リサーチ179における刊行物ではまた、90% 標準ブタノール中のKOH(0.1M)をガングリオシドGM3と作用させること による、ノイラミン酸の窒素上での選択的脱アシル化のための方法も記載してい る。このタイプの脱アシル化反応をN,N'−ジアシル−N,N'−ジリゾ−ガング リオシドに適用すると、N−アシル−N,N'−ジリゾ−ガングリオシドを得るこ とができる。 本発明の方法によるヒドキシル基の好ましいエステル化方法は、硫酸の反応性 誘導体を用いて行うのが好ましく、トリエチルアミンのような塩基の存在下、三 酸化硫黄/ジメチルホルムアミド複合体で、またはジメチルホルムアミド複合体 中、三酸化硫黄/トリメチルアミンで処理した後、ジクロロメタン中、トリフル オロ酢酸で処理することより行うのが好ましい[バイオケミカル・アンド・バイ オフィジカル・リサーチ・コミュニケーションズ,第175巻,第1号,199 1年2月28日を参照]。温度条件、使用する溶媒および反応時間により色々変 えることができる、そのような方法では、ヒドロキシル基の部分硫酸エステルま たは全エステル、ゆえにパー硫酸化化合物を得ることが可能である。 所望ならば、当該硫酸誘導体を用いての転換から得られる化合物に対して最終 的に行うべき官能基変更はまた、酸薬剤を大いに必要とするようなガングリオシ ドの基本構造に影響を及ぼし得る方法、またはいずれにしろアルカリ性もしくは 酸性の臨界条件で行われるであろう方法、またさらにはサッカライド、シアリン 酸またはセラミド部分のヒドロキシル基の望ましくないアルキル化を起こすであ ろう方法を除き、周知の方法によっても行われる。 シアリン酸カルボキシル基のエステル化、またはそれらのアミドへの転換は、 例えば、1987年12月15日の米国特許第4,713,374号で記載され ているように行うことができる。 アミドは、例えば、以下の方法により製造することができる: a)アンモニアまたはアミンとカルボキシルエステルの反応; b)アンモニアまたはアミンで活性化されたカルボキシル基と本発明の誘導体 の反応。 サッカライド、シアリン酸およびセラミド部分のヒドロキシル基のアシル化は 、例えば、好ましくは第三級塩基の存在下、酸ハロゲン化物または酸酸化物によ り行うことができる。 本発明の別の態様は、1つまたはそれ以上の新規化合物、また特に、先に強調 したものを活性成分として含む医薬品製剤に関する。そのような製剤は、経口、 直腸、非経口、局所または経皮投与のために製剤化することができることから、 固体、半固体の形態、例えば、丸剤、錠剤、ゼラチンカプセル剤、カプセル剤、 坐剤、軟ゼラチンカプセル剤となり得る。非経口的用途には、筋肉内または経皮 投与のための、または注入もしくは静脈内注射に適当な、あらかじめ決められた 形態を使用することができることから、それらは、活性成分の溶液として、また はこれらの用途に適当な、また生理的流体と容量オスモル濃度−相溶性の、1つ またはそれ以上の賦形剤もしくは製薬的に許容し得る溶媒と混合すべき活性成分 の凍結乾燥形態として調製することができる。 局所投与製剤には、局所的用途のための、スプレー剤、例えば、鼻腔スプレー 剤、クリーム剤および軟膏剤、または経皮投与のために適切に製造される包帯剤 (bandages)の形態が考えられる。 本発明の製剤は、ヒトと動物の両方に投与することができる。該製剤は、溶液 剤、スプレー剤、軟膏剤およびクリーム剤の場合、活性成分を0.01%〜0.1 %含有するのが好ましく、また固体製剤の場合、活性成分を1〜100%、好ま しくは5〜50%含有する。用量は、適応症、望ましい効果、および好ましい投 与経路に依存する。 本発明はまた、上述の適応症に対する新規半合成類似化合物の治療上の用途に も関する。非経口経路(皮下または筋肉内)で、または皮下もしくは経口経路で ヒトに投与すべき1日量は、通例、体重1kgにつき活性成分を0.5〜5mgであ る。以下に報告されている該製剤では、1単位につき150mgの用量が到達し得 る。1日量は、間隔をおいて投与されるべき2またはそれ以上の部分用量に分け ることができる。 以下の実施例は、本発明の目的である新規半合成類似化合物の製造、さらには それらを活性成分として含む製剤を説明する。 実施例1:O−硫酸化GM1(Liga135) GM1500mg(0.31mmoles)を無水ジメチルホルムアミド5mlに溶解する 。次いで、トリエチルアミン0.44ml(3.2mmoles)および三酸化硫黄/ジメ チルホルムアミド複合体245mg(1.6mmoles)を加える。 攪拌しながら室温で5時間反応させた後、アセトン10体積に沈殿させる。粗 化合物を1%Na2CO350mlに溶解し、H2Oに対して透析した後、凍結乾燥さ せる。 得られた生成物:460mg。 クロロホルム/メタノール/CaCl20.3%60/35/8を用い、シリカゲ ル板上でクロマトグラフィーを行うと、該生成物は、0.3〜0.4のRfを示す 。硫酸/ノイラミン酸基のモル比は1/1である(イオンクロマトグラフィーに よる硫酸基の測定およびレゾルシノール法を利用するノイラミン酸の測定)。 特性吸収I.R.S=O基:1260cm-1(KBr)。 実施例2:O−ポリ硫酸化GM1(Liga161) GM1500mg(0.32mmoles)を無水ジメチルホルムアミド5mlに溶解する 。次いで、トリエチルアミン0.88ml(6.37mmoles)および三酸化硫黄/ジ メチルホルムアミド複合体976mg(6.37mmoles)を加える。 攪拌しながら室温で5時間反応させた後、アセトン10体積に沈殿させる。粗 化合物を1%Na2CO350mlに溶解し、H2Oに対して透析した後、凍結乾燥さ せる。 得られた生成物:650mg。 クロロホルム/メタノール/CaCl20.3%60/35/8を用い、シリカゲ ル板上でクロマトグラフィーを行うと、該生成物は、0.01〜0.05のRfを 示す。硫酸/ノイラミン酸基のモル比は5/1である(イオンクロマトグラフィ ーによる硫酸基の測定およびレゾルシノール法を利用するノイラミン酸の測定) 。 特性吸収I.R.S=O基:1260cm-1(KBr)。 実施例3:O−ポリ硫酸化GM2(Liga181) GM2100mg(0.07mmoles)を無水ジメチルホルムアミド1mlに溶解する 。次いで、トリエチルアミン100μl(0.7mmoles)および三酸化硫黄/ジメ チルホルムアミド複合体54mg(0.35mmoles)を加える。 攪拌しながら室温で5時間反応させた後、アセトン10体積に沈殿させる。粗 生成物を1%Na2CO310mlに溶解し、H2Oに対して透析した後、凍結乾燥さ せる。 得られた生成物:126mg。 クロロホルム/メタノール/CaCl20.3%60/35/8を用い、シリカゲ ル板上でクロマトグラフィーを行うと、該生成物は、0.01〜0.1のRfを示 す。硫酸/ノイラミン酸基のモル比は4/1である(イオンクロマトグラフィー による硫酸基の測定およびレゾルシノール法を利用するノイラミン酸の測定)。 特性吸収I.R.S=O基:1260cm-1(KBr)。 実施例4:O−硫酸化GM3(Liga182) GM3100mg(0.08mmoles)を無水ジメチルホルムアミド1mlに溶解する 。次いで、トリエチルアミン0.11ml(0.8mmoles)および三酸化硫黄/ジメ チルホルムアミド複合体62.4mg(0.41mmoles)を加える。 攪拌しながら室温で5時間反応させた後、アセトン10体積に沈殿させる。粗 生成物を1%Na2CO350mlに溶解し、H2Oに対して透析した後、凍結乾燥さ せる。 得られた生成物:116mg。 クロロホルム/メタノール/CaCl20.3%60/35/8を用い、シリカゲ ル板上でクロマトグラフィーを行うと、該生成物は、0.05〜0.15のRfを 示す。硫酸/ノイラミン酸基のモル比は3/1である(イオンクロマトグラフィ ーによる硫酸基の測定およびレゾルシノール法を利用するノイラミン酸の測定) 。 特性吸収I.R.S=O基:1260cm-1(KBr)。 実施例5:O−硫酸化N−アセチル−リゾGM1 N−アセチル−リゾGM1500mg(0.37mmoles)を無水ジメチルホルムア ミド5mlに溶解する。次いで、トリエチルアミン0.5ml(3.7mmoles)および 三酸化硫黄/ジメチルホルムアミド複合体283mg(1.85mmoles)を加える 。 攪拌しながら室温で5時間反応させた後、アセトン10体積に沈殿させる。粗 生成物を1%Na2CO350mlに溶解し、H2Oに対して透析した後、凍結乾燥さ せる。 得られた生成物:500mg。 クロロホルム/メタノール/CaCl20.3%60/35/8を用い、シリカゲ ル板上でクロマトグラフィーを行うと、該生成物は、0.15〜0.28のRfを 示す。硫酸/ノイラミン酸基のモル比は1/1である(イオンクロマトグラフィ ーによる硫酸基の測定およびレゾルシノール法を利用するノイラミン酸の測定) 。 特性吸収I.R.S=O基:1260cm-1(KBr)。 実施例6:O−硫酸化N−ジクロロアセチル−リゾGM1 N−ジクロロアセチル−リゾGM1500mg(0.35mmoles)を無水ジメチル ホルムアミド5mlに溶解する。次いで、トリエチルアミン0.48ml(3.5mmol es)および三酸化硫黄/ジメチルホルムアミド複合体268mg(1.75mmoles )を加える。 攪拌しながら室温で5時間反応させた後、アセトン10体積に沈殿させる。粗 生成物を1%Na2CO350mlに溶解し、H2Oに対して透析した後、凍結乾燥さ せる。 得られた生成物:480mg。 クロロホルム/メタノール/CaCl20.3%60/35/8を用い、シリカゲ ル板上でクロマトグラフィーを行うと、該生成物は、0.15〜0.31のRfを 示す。硫酸/ノイラミン酸基のモル比は1/1である(イオンクロマトグラフィ ーによる硫酸基の測定およびレゾルシノール法を利用するノイラミン酸の測定) 。 特性吸収I.R.S=O基:1260cm-1(KBr)。 実施例7:O−硫酸化N−フェニルアセチル−リゾGM1 N−フェニルアセチル−リゾGM1500mg(0.35mmoles)を無水ジメチル ホルムアミド5mlに溶解する。次いで、トリエチルアミン0.48ml(3.5mmol e s)および三酸化硫黄/ジメチルホルムアミド複合体268mg(1.75mmoles) を加える。 攪拌しながら室温で5時間反応させた後、アセトン10体積に沈殿させる。粗 生成物を1%Na2CO350mlに溶解し、H2Oに対して透析した後、凍結乾燥さ せる。 得られた生成物:470mg。 クロロホルム/メタノール/CaCl20.3%60/35/8を用い、シリカゲ ル板上でクロマトグラフィーを行うと、該生成物は、0.15〜0.30のRfを 示す。硫酸/ノイラミン酸基のモル比は1/1である(イオンクロマトグラフィ ーによる硫酸基の測定およびレゾルシノール法を利用するノイラミン酸の測定) 。 特性吸収I.R.S=O基:1260cm-1(KBr)。 実施例8:O−硫酸化N,N'−ジ(ジクロロアセチル)−ジリゾGM1 N,N'−ジ(ジクロロアセチル)−ジリゾGM1500mg(0.34mmoles)を 無水ジメチルホルムアミド5mlに溶解する。次いで、トリエチルアミン0.46m l(3.4mmoles)および三酸化硫黄/ジメチルホルムアミド複合体260mg(1 .7mmoles)を加える。 攪拌しながら室温で5時間反応させた後、アセトン10体積に沈殿させる。粗 生成物を1%Na2CO350mlに溶解し、H2Oに対して透析した後、凍結乾燥さ せる。 得られた生成物:465mg。 クロロホルム/メタノール/CaCl20.3%60/35/8を用い、シリカゲ ル板上でクロマトグラフィーを行うと、該生成物は、0.12〜0.25のRfを 示す。硫酸/ノイラミン酸基のモル比は1/1である(イオンクロマトグラフィ ーによる硫酸基の測定およびレゾルシノール法を利用するノイラミン酸の測定) 。 特性吸収I.R.S=O基:1260cm-1(KBr)。 実施例9:O−硫酸化N'−トリメトキシベンゾイル−N'−リゾGM1 N'−トリメトキシベンゾイル−N'−リゾGM1500mg(0.29mmoles)を 無水ジメチルホルムアミド5mlに溶解する。次いで、トリエチルアミン0.39m l(2.9mmoles)および三酸化硫黄/ジメチルホルムアミド複合体222mg(1 .45mmoles)を加える。 攪拌しながら室温で5時間反応させた後、アセトン10体積に沈殿させる。粗 生成物を1%Na2CO350mlに溶解し、H2Oに対して透析した後、凍結乾燥さ せる。 得られた生成物:455mg。 クロロホルム/メタノール/CaCl20.3%60/35/8を用い、シリカゲ ル板上でクロマトグラフィーを行うと、該生成物は、0.20〜0.35のRfを 示す。硫酸/ノイラミン酸基のモル比は1/1である(イオンクロマトグラフィ ーによる硫酸基の測定およびレゾルシノール法を利用するノイラミン酸の測定) 。 特性吸収I.R.S=O基:1260cm-1(KBr)。 実施例10:注射用医薬品製剤 〈製剤第1番〉 2mlバイアル1本に以下のものが含まれる: 活性成分 5mg 塩化ナトリウム 16mg クエン酸緩衝液pH=6 注射用水を適宜加えて2mlとする。 〈製剤第2番〉 2mlバイアル1本に以下のものが含まれる: 活性成分 50mg 塩化ナトリウム 16mg クエン酸緩衝液pH=6 注射用水を適宜加えて2mlとする。 〈製剤第3番〉 4mlバイアル1本に以下のものが含まれる: 活性成分 100mg 塩化ナトリウム 32mg クエン酸緩衝液pH=6 注射用水を適宜加えて4mlとする。 実施例11:バイアル2本の医薬品製剤 これらの製剤は、2本のバイアルに調製する。1本目のバイアルは、グリシン またはマンニトールといったような製薬的に許容し得る賦形剤と共に、凍結乾燥 粉末の形態をとる活性成分を10%から90%まで色々変えた量で含む。2本目 のバイアルは、塩化ナトリウムおよびクエン酸緩衝液といったような溶媒を含む 。 両方のバイアルの含有物を投与する直前によく混合して、凍結乾燥させた活性 成分を素早く溶解すると、結局的に注射用溶液が得られる。 〈方法第1番〉 a.凍結乾燥粉末の入った2mlバイアル1本に以下のものが含まれる: 活性成分 5mg グリシン 30mg b.溶媒の入った2mlバイアル1本に以下のものが含まれる: 塩化ナトリウム 16mg クエン酸緩衝液 注射用水を適宜加えて2mlとする。 〈方法第2番〉 a.凍結乾燥粉末の入った3mlバイアル1本に以下のものが含まれる: 活性成分 5mg マンニトール 40mg b.溶媒の入った2mlバイアル1本に以下のものが含まれる: 塩化ナトリウム 16mg クエン酸緩衝液 注射用水を適宜加えて2mlとする。 〈方法第3番〉 a.凍結乾燥粉末の入った3mlバイアル1本に以下のものが含まれる: 活性成分 50mg グリシン 25mg b.溶媒の入った3mlバイアル1本に以下のものが含まれる: 塩化ナトリウム 24mg クエン酸緩衝液 注射用水を適宜加えて3mlとする。 〈方法第4番〉 a.凍結乾燥粉末の入った3mlバイアル1本に以下のものが含まれる: 活性成分 50mg マンニトール 20mg b.溶媒の入った3mlバイアル1本に以下のものが含まれる: 塩化ナトリウム 24mg クエン酸緩衝液 注射用水を適宜加えて3mlとする。 〈方法第5番〉 a.凍結乾燥粉末の入った5mlバイアル1本に以下のものが含まれる: 活性成分 150mg グリシン 50mg b.溶媒の入った4mlバイアル1本に以下のものが含まれる: 塩化ナトリウム 32mg クエン酸緩衝液 注射用水を適宜加えて4mlとする。 〈方法第6番〉 a.凍結乾燥粉末の入った5mlバイアル1本に以下のものが含まれる: 活性成分 100mg マンニトール 40mg b.溶媒の入った4mlバイアル1本に以下のものが含まれる: 塩化ナトリウム 32mg クエン酸緩衝液 注射用水を適宜加えて4mlとする。 〈方法第7番〉 a.3mlバイアル1本に以下のものが含まれる: 活性成分 超微粉滅菌剤(Micronized sterile) 40mg b.溶媒の入った3mlバイアル1本に以下のものが含まれる: ツイーン80(商標) 10mg 塩化ナトリウム 24mg リン酸緩衝液 注射用水を適宜加えて3mlとする。 〈方法第8番〉 a.5mlバイアル1本に以下のものが含まれる: 活性成分 超微粉滅菌剤(Micronized sterile) 100mg b.溶媒の入った4mlバイアル1本に以下のものが含まれる: ツイーン80(商標) 15mg 大豆レシチン 5mg 塩化ナトリウム 36mg クエン酸緩衝液 注射用水を適宜加えて4mlとする。 実施例12:経皮投与のための医薬品製剤 〈製剤第1番〉 包帯剤(bandage)に以下のものが含まれる: 活性成分 100mg グリセロール 1.6g ポリビニルアルコール 200mg ポリビニルピロリドン 100mg 経皮透過を増大するための賦形剤 20mg 水 1.5g 〈製剤第2番〉 軟膏剤100gに以下のものが含まれる: 活性成分(リン脂質リポソーム5g中) 4.0g ポリエチレングリコールモノステアレート 1.5g グリセロール 1.5g β−オキシ安息香酸エステル 125mg 水 72.9g 実施例13:経口投与のための医薬品製剤 〈製剤第1番〉 錠剤に以下のものが含まれる: 活性成分 20mg 単結晶セルロース 150mg ラクトース 20mg デンプン 10mg ステアリン酸マグネシウム 5mg 〈製剤第2番〉 丸剤に以下のものが含まれる: 活性成分 30mg カルボキシメチルセルロース 150mg デンプン 15mg ラクトース 10mg スクロース 35mg 着色剤 0.5mg 〈製剤第3番〉 ゼラチンカプセル剤に以下のものが含まれる: 活性成分 40mg ラクトース 100mg 胃耐性被覆剤(Gastroresistant covering) 5mg 〈製剤第4番〉 軟ゼラチンカプセル剤に以下のものが含まれる: 活性成分 50mg 植物油 200mg ミツロウ 20mg ゼラチン 150mg グリセロール 50mg 着色剤 3mg 本発明をこのように記載したが、これらの方法を様々な方法で変更することが できることは明らかである。そのような変更態様は、本発明の精神および目的そ のものから逸脱するものとして見なされるべきではない。該分野の専門家に明白 であろうと思われる全ての変更態様は、以下の請求の範囲内に含まれる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (81)指定国 EP(AT,BE,CH,DE, DK,ES,FR,GB,GR,IE,IT,LU,M C,NL,PT,SE),AT,AU,BB,BG,B R,BY,CA,CH,CN,CZ,DE,DK,ES ,FI,GB,HU,JP,KP,KR,KZ,LK, LU,LV,MG,MN,MW,NL,NO,NZ,P L,PT,RO,UR,SD,SE,SK,UA,US ,UZ,VN (72)発明者 マネブ、ハリ アメリカ合衆国ペンシルバニア15228、ピ ッツバーグ、クレセント・ドライブ2番 (72)発明者 ファッチ、ラウラ イタリア36100ビツェンツァ、ビアーレ・ リビエラ・ベリカ203エー番

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1.GM1、GD1a、GD1bおよびGT1bガングリオシドのヒドロキシル、シ アリン酸並びにセラミド基でのパー硫酸化誘導体を除き、サッカライド、シアリ ン酸またはセラミド残基の少なくとも1つのヒドロキシル基が硫酸でエステル化 されている、ガングリオシドおよびN−アシル−N−リゾ−ガングリオシド、N '−アシル−N'−リゾ−ガングリオシド並びにN,N'−ジ−またはポリ−アシル −N,N'−ジリゾ−ガングリオシドの誘導体、それらの官能誘導体、およびそれ らの無機または有機塩基との塩並びに酸付加塩。 2.硫酸との部分エステルまたはそれらのナトリウム塩である、請求項1に記 載の誘導体。 3.様々な位置異性体の混合物形態をとるモノ−硫酸化エステルである請求項 2に記載の誘導体およびそれらのナトリウム塩。 4.ポリ−硫酸化誘導体である、請求項1に記載の誘導体。 5.N−アシル−N,N'−ジリゾ−ガングリオシドまたはN'−アシル−N,N '−ジリゾ−ガングリオシドのアシル基が最高24個の炭素原子を有する脂肪族 酸から誘導される、請求項1に記載の誘導体。 6.該アシル基がハロゲン化物、遊離またはエステル化ヒドロキシル基、およ び遊離またはエステル化メルカプト基よりなる群から選択される極性単位で置換 されている、請求項5に記載の誘導体。 7.N−アシル−N,N'−ジリゾ−ガングリオシドまたはN'−アシル−N,N '−ジリゾ−ガングリオシドの該アシル基が安息香酸またはそれらの同族体から 誘導され、そのフェニル基が1〜3つのC1-4アルキルもしくはアルコキシ基で 、および/または遊離アミノ基もしくはC1-4アルキルアミノ基で置換されてい ることのある、請求項1に記載の誘導体。 8.N−アシル−N,N'−ジリゾ−ガングリオシドまたはN'−アシル−N,N '−ジリゾ−ガングリオシドのアシル基がC2-4アルキレン−脂肪族鎖を有するア ルアリファティック酸から誘導され、そのフェニル基が1〜3つのC1-4アルキ ルもしくはアルコキシ基で、および/または遊離アミノ基もしくはC1-4アルキ ルアミノ基で置換されていることのある、請求項1に記載の誘導体。 9.該アシル基がシクロプロパン、シクロブタン、シクロペンタンまたはシク ロヘキサンカルボキシル酸から誘導される、請求項5に記載の誘導体。 10.請求項1に記載の誘導体であって、該誘導体において、N−アシル−N ,N'−ジリゾ−ガングリオシドまたはN'−アシル−N,N'−ジリゾ−ガングリ オシドのアシル基が、唯一の複素環を有し、−O−、−N=、−NH−、および −S−よりなる群から選択されるヘテロ原子結合を1つだけ有する複素環の酸か ら誘導され、該誘導体が芳香族的または脂肪族的性質を有する誘導体。 11.最高12個の炭素原子を有する脂肪族アルコールから、または置換され ていない、もしくは1〜3つのC1-4アルキル基で置換されているベンゼン環を 有し、脂肪鎖に最高4個の炭素原子を有するアルアリファティックアルコールか ら誘導されるカルボン酸エステルである、請求項1〜10のいずれかに記載の官 能誘導体。 12.アンモニアから、または最高12個の炭素原子を有する脂肪族アミンか ら誘導されるカルボキシルアミドである、請求項1〜10のいずれかに記載の官 能誘導体。 13.部分硫酸エステルまたはそれらのナトリウム塩である、請求項5〜12 のいずれかに記載の誘導体。 14.モノ−硫酸化エステルまたはそれらのナトリウム塩である、請求項13 に記載の誘導体。 15.ポリ−硫酸化エステルである、請求項13に記載の誘導体。 16.以下の式(I): [式中、R=HまたはSO3H(全てR=Hである場合を除く)、 R1=H, 2=−(CH2n−CH3(n=12〜14)、 R3=Hまたはアシル、 R4=H, (ただし、ガングリオシドGM1、GD1a、GD1b、GT1bのパー硫酸化誘導体 は除く) で示される化合物。 17.請求項16に記載の化合物のナトリウム塩。 18.様々な位置で硫酸化された異性体の混合物形態をとる、以下のもの: N−アセチル−リゾ−GM1、 N−ジクロロアセチル−リゾ−GM1、 N−フェニルアセチル−リゾ−GM1、 N−プロピオニル−リゾ−GM1、 N−トリメチルアセチル−リゾ−GM1、 N−トリメトキシベンゾイル−リゾ−GM1、 N−ニコチノイル−リゾ−GM1、 N−カプロニル−リゾ−GM1、 N−オクタノイル−リゾ−GM1、 N−デカノイル−リゾ−GM1、 N−ウンデカノイル−リゾ−GM1、 N−4−クロロベンゾイル−リゾ−GM1、 N−4−ベンゾイル−リゾ−GM1、および N−2−ブロモアセチル−リゾ−GM1 のモノ−硫酸化誘導体よりなる群から選択される化合物。 19.以下のもの: N−アセチル−リゾ−GM1、 N−ジクロロアセチル−リゾ−GM1、 N−フェニルアセチル−リゾ−GM1、 N−プロピオニル−リゾ−GM1、 N−トリメチルアセチル−リゾ−GM1、 N−トリメトキシベンゾイル−リゾ−GM1、 N−ニコチノイル−リゾ−GM1、 N−カプロニル−リゾ−GM1、 N−オクタノイル−リゾ−GM1、 N−デカノイル−リゾ−GM1、 N−ウンデカノイル−リゾ−GM1、 N−4−クロロベンゾイル−リゾ−GM1、 N−4−ベンゾイル−リゾ−GM1、および N−2−ブロモアセチル−リゾ−GM1 のポリ−硫酸化誘導体よりなる群から選択される化合物。 20.以下のもの: N'−アセチル−N'−リゾ−GM1、 N'−ジクロロアセチル−N'−リゾ−GM1、 N'−フェニルアセチル−N'−リゾ−GM1、 N'−プロピオニル−N'−リゾ-GM1、 N'−トリメチルアセチル−N'−リゾ−GM1、 N'−トリメトキシベンゾイル−N'−リゾ−GM1、 N'−ニコチノイル−N'−リゾ−GM1、 N'−カプロニル−N'−リゾ−GM1、 N'−オクタノイル−N'−リゾ−GM1、 N'−デカノイル−N'−リゾ−GM1、 N'−ウンデカノイル−N'−リゾ-GM1、 N'−4−クロロベンゾイル−N'−リゾ−GM1、 N'−4−ベンゾイル−N'−リゾ−GM1、および N'−2−ブロモアセチル−N'−リゾ−GM1 のモノ−およびポリ−硫酸化誘導体よりなる群から選択される化合物。 21.以下のもの: N,N'−ジアセチル−N,N'−ジリゾ−GM1、 N,N'−ジ(ジクロロアセチル)−N,N'−ジリゾ−GM1、 N,N'−ジ(フェニルアセチル)−N,N'−ジリゾ−GM1、 N,N'−ジ(プロピオニル)−N,N'−ジリゾ−GM1、 N,N'−ジ(トリメチルアセチル)−N,N'−ジリゾ−GM1、 N,N'−ジ(トリメトキシベンゾイル)−N,N'−ジリゾ−GM1、 N,N'−ジ(ニコチノイル)−N,N'−ジリゾ−GM1、 N,N'−ジ(カプロニル)−N,N'−ジリゾ−GM1、 N,N'−ジ(オクタノイル)−N,N'−ジリゾ−GM1、 N,N'−ジ(デカノイル)−N,N'−ジリゾ−GM1、 N,N'−ジ(ウンデカノイル)−N,N'−ジリゾ−GM1、 N,N'−ジ(4−クロロベンゾイル)−N,N'−ジリゾ−GM1、 N,N'−ジ(4−ベンゾイル)−N,N'−ジリゾ−GM1、および N,N'−ジ(2−ブロモアセチル)−N,N'−ジリゾ−GM1 のモノ−およびポリ−硫酸化誘導体よりなる群から選択される化合物。 22.GM1、GD1a、GD1b、GT1b、GM2、GM3、GM4、GM1−G1c NAC、GD2、GD1a−GalNAC、GT1c、GQ、およびGT1よりなる群か ら選択されるガングリオシドのモノ−およびポリ−硫酸化誘導体。 23.神経系の治療に対する、請求項1に記載の化合物の治療上の使用。 24.神経系障害を患っている患者に少なくとも1つの化合物を投与する、請 求項23に記載の治療上の使用。 25.抗神経毒性および神経突起伸長活性を必要とする神経系の治療における 、GM1、GD1a、GD1bおよびGT1bガングリオシドのヒドロキシル、シアリ ン酸並びにセラミド基でのパー硫酸化誘導体の治療上の使用。 26.CD4+細胞が関与する感染の予防または治療に対する、請求項1〜22 に記載の化合物の治療上の使用。 27.病因となる薬剤がウイルスのヒト免疫欠損(HIV)科に属する微生物 である全ての感染における、および全身的または臓器−特異的自己免疫疾患にお ける、請求項26に記載の化合物の治療上の使用。 28.医薬組成物の製造のための、請求項1に記載の化合物の使用。 29.請求項1に記載の化合物の製造方法であって、該方法が、ガングリオシ ド、N−アシル−N−リゾ−ガングリオシドまたはN'−アシル−N'−リゾ−ガ ングリオシドまたはN,N'−ジ−もしくはポリアシル−N,N'−ジリゾ−ガング リオシドを硫酸またはその反応性誘導体で処理して、所望により、シアリン酸カ ルボキシル基または遊離ヒドキシル基をそれらの官能誘導体に転換して、所望す るならば、その得られた化合物をそれらの金属塩、または有機塩基から誘導する 塩に、もしくはそれらの酸付加塩に転換することを含んでなる製造方法。 30.製薬的に許容し得る賦形剤と共に、請求項1に記載の化合物を活性成分 として含む医薬品製剤。 31.製薬的に許容し得る賦形剤と共に、 −O−硫酸化GM1、 −O−ポリ硫酸化GM1、 −O−硫酸化GM2、および −O−硫酸化GM3 よりなる群から選択される化合物を活性成分として含む医薬品製剤。 32.神経機能回復が望まれる末梢神経障害を治療する方法であって、請求項 1に記載の1つまたはそれ以上の化合物を必要とする患者に投与する方法。 33.興奮性アミノ酸により誘発される神経毒性に伴う障害を治療する方法で あって、請求項1に記載の少なくとも1つの化合物を必要とする患者に投与する 方法。 34.患者におけるCD4分子の発現を調節するための方法であって、請求項 1に記載の少なくとも1つの化合物を必要とする患者に投与することからなる方 法。 35.ヒト細胞の表面に存在するCD4決定因子を調節するための方法であっ て、請求項1に記載の1つまたはそれ以上の化合物を含む組成物を用いて該細胞 を処理することからなる方法。
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