【発明の詳細な説明】
容器からの極低速流体分配装置
本発明は、容器から非常に低速で流体を分配する流体分配装置に関する。
一般に、家庭や産業において用いられる液体状及び気体状物質、脱臭剤、消毒
剤等の保存容器により、限定された時間内での使用者の意図的動作に応答して、
これら物質をエアゾールの形で分配することが可能となる。この動作は、一般に
はバネ荷重弁を開機構で押圧する動作である。
これら流体物質の中には、連続的に、極少量ずつ分配することができれば有用
なものがある。例えば、消臭剤、殺虫剤、あるいは空気活性剤等である。かかる
機能を実現する、例えばガーゼ繊維のような従来の方法は、流量を制御すること
が困難であり、また、一般に、実現することが困難である。
更に、特に消臭剤、活性剤、消毒剤及び殺虫剤等の多くの実用的な用途におい
ては、物質が選択的にエアゾールの形で大気中へ注入されることにより、低速か
つ連続的な拡散が実現されることが望ましい。
本発明の目的は、静的な手段を用いて、液体を典型的には毎時20cm3とい
う非常に低い速度で分配することができ、一方、その流速は安定で一定である装
置を提供することにある。好ましくは、装置は低価格であって、消臭剤や空気活
性剤のような低価格の物質の分配に適する。
かかる目的を達成するために、本低流速液体分配装置は、
前記流体を受容するのに適した容器と;
前記流体の流れの出口と;
前記流体の流速を制御する毛管水頭損失手段であって、前記毛管
水頭損失手段は互いに接触し、互いに固定される第1及び第2の機械部品を備え
、前記機械部品はその接合面において断面積が小さく長さが大きい流路を画成し
、前記流路断面は1mm2未満である、毛管損失水頭損失手段とから構成される
ことを特徴とする。
好ましくは、前記流路の断面積は0.2mm2未満である。
このように、毛管水頭損失手段により、完全に静的な手段を用いて、容器に収
容された液体又は気体を非常に小さな流量で分配し得ることが理解されよう。
第1の実施例においては、装置は、前記毛管水頭損失手段が前記容器の出口に
配設され、かつ、前記流路は先ず前記出口に接続され、また、前記容器に接続さ
れ、これにより前記流体は前記流路に沿って流通し得ることを特徴としている。
この場合、直接制御されるのは、容器からの流体の流出量であることが理解さ
れよう。
第2の実施例において、本装置は、前記流路は前記容器の外側に接続され、ま
た前記容器の内側に接続され、これにより前記容器の外側の流体は前記流路に沿
って前記容器へ流入し、これにより流体は前記容器から流出して分配され得るこ
とを特徴としている。 第2の実施例では、外部の流体は大気に囲まれている。
第1、第2、いずれの実施例においても、流路は容器に固定された空気取入口に
接続されている。流体は加圧されてもよい。この場合、毛管水頭損失装置は、そ
の流路を介して加圧流体の外部容器に接続される。
第1の実施例の改良変形例においては、流体を間欠的に分配する装置が、流路
の出口側端部と流体分配装置の出口との間に配設される。
もう一つの改良変形例においては、流体流量を広い範囲にわたって高精度に調
整することが可能である。
かかる機能を実現するため、毛管水頭損失手段は、好ましくは、それぞれが異
なる流量に対応した、n個の独立した流路を備えてお
り、前記装置は、前記流路のうちの少なくとも一つの第1の端部を第1の静止導
管に選択的に接続する制御手段と、前記流路のすべての第2の端部を第2の静止
導管に接続する固定手段とを更に備えている。
本発明の、他の特徴及び特長は、以下のいくつかの実施例に関する記述によっ
てより明らかになるであろう。ただし、本発明はこれらの実施例に限定されるも
のではない。以下、添付した図を参照して説明する。
図1は圧縮容器を添えた液体分配装置の第1の実施例の垂直断面図である。
図2は水頭損失装置の実施例を示す図1の詳細図である。
図3は液体分配装置の第1の変形例の部分図である。
図4は水頭損失装置の他の実施例を備えた他の実施例の断面部分図である。
図5a及び図5bは水頭損失装置の第2の実施例の平面図及び垂直断面図であ
る。
図6は手動制御手段を有する他の実施例を構成する液体分配装置の部分図であ
る。
図7は第2の圧縮容器を有する他の実施例の装置の垂直断面図である。
図7aは容器を圧縮する他の方法を示す図である。
図7bは加圧液体を備えた装置の他の実施例である。
図8は空気の導入による流量制御を行う液体分配装置の他の実施例を示す図で
ある。
図9は図8の実施例の変形を示す図である。
図10は図8の装置の第2の変形例を示す図である。
図11及び図12は空気の容器への流入を制御する他の方法の垂直断面図であ
る。
図13及び図14は容器への空気の流入量を制御する方法を示す
図である。
図15は流体を間欠的に分配する手段の第1の実施例を示す液体分配装置の部
分図である。
図16及び図17は間欠的分配装置の変形例を示す部分図である。
図18a及び図18bは毛管水頭損失装置の実施例の平面図及び縦断面図であ
る。
図19及び図20は液体間欠分配装置の更に別の変形例を示す図である。
図21は容器に装着された図17の装置の一例を示す。
図22は加圧空気導入制御を備えた液体分配装置の実施例の垂直断面図である
。
図23は図22の実施例の変形例の垂直断面図である。
図24は図23の実施例の第2の変形例を示す。
図25は空気流入制御を備えた液体分配装置の他の実施例の垂直断面図である
。
図26は例えば便器に装着されて使用される、空気流入制御を備えた液体分配
装置の一例を示す。
図27及び図28は水頭損失装置の2つの変形例を示す。
図29は流量調節及び温度補償を備えた多流路水頭損失装置の垂直断面図であ
る。
図30は図29の装置の動作を示す図である。
図31は多流路水頭損失装置の平面図である。
図32は温度補償手段の一部の平面図である。
図33a及び図33bはそれぞれ閉鎖制御装置の開状態と閉状態とを示す。
先ず、図1〜図7を参照して直接制御を用いた液体分配装置の種々の実施例に
ついて説明する。
図1はシリンダとバネの間に形成された流路で生ずる層流水頭損失に基づく公
知の流量制御装置を備えた、市販の圧縮容器の頂部を
示す。
部材1は圧縮容器4のばね荷重バルブ3の支持材2に、ネジ5によって固定さ
れている。また、部材1には部材6が螺合されている。部材6は、その中心に開
口7と、部材6が螺合された際に部材6とバルブガイドの頂部との間をシールす
るガスケット8とを備えている。初期状態では、部材6をネジ込むことによって
、バルブ3が対応する出口パイプ9を押圧し、これによりバルブ3を開くことが
できる。
バルブ3、パイプ9、及び開口7を通って容器から放出される液体は、部材6
と、部材6の頂部に螺合された円筒形部材11との間に設けられたチャンバ10
に浸入する。2つの部材6と11との間には密閉用ガスケット12が設けられて
いる。
部材11の円筒形の中間部は、密着した巻線を有するバネ13により囲まれて
いる。これにより、巻線とシリンダとの間に通路14が形成されている。図2は
、かかる螺旋状通路の拡大図である。螺旋状通路は、そのサイズが非常に小さく
、従って、非常に長い流路を構成している。液体は空間10から通路15を通り
、次にバネに沿って流通し、通路16を経由して外部に噴出される。流体がゆっ
くりと拡散され得るように、例えば脱脂綿等の親水性媒質18を受容器に設ける
ことができる。脱脂綿は拡散液体を大気中に蒸発させる前に、液体で飽和状態と
なる。
かかる組立品は、液体が圧力容器から非常にゆっくりと拡散され得る独立型装
置を構成する。
本装置の重要な要素の一つは、水頭損失装置である。直径200μmの巻線で
構成された直径20mm、高さ20mmのバネを用いた場合、1barに加圧さ
れ、水と等しい粘度の液体が収容された容器からの流出流速は8×10-12m3/
s、すなわち、1ヵ月当たり20cm3である。容量が250cm3の通常の容器
の場合には、約1年以上の期間にわたって液体物質を一定に拡散することが
できる。
図3は、送出口が、上記の場合と同様の層流水頭損失装置、及び、水頭損失装
置に組み込まれたエアゾール発生器の両方からなる複合型である具体例を示す。
層流水頭損失の説明は図1の場合と同様である。第2の機能を実現するため、
バネ荷重バルブ19はバネ支持シリンダに組み込まれ、押しボタン20により制
御される。押しボタン20は液体の流れを回転させることにより小滴22の形成
を促進する、要素21を備えてもよい。制御ボタンの動きは、液体をバルブ19
の出口から伝えるパイプ23を介して伝達される。
かかる組立品は、以下のように動作する。拡散器は部材6が部材1内に螺合さ
れることにより動作状態となる。これにより、バルブ3が開く。すると液体は、
オリフィス7及び15を通り、次に、バネとシリンダ14との間の螺旋状隙間、
出口オリフィス16、及び、チューブ23とそのガイドホース24との間の隙間
を通って、浸水性媒質18を備える受容器17に向けて拡散される。ボタン21
が押下されると、バルブ19が開いて液体がホース23を介して出口20に導か
れ、これにより、高い流速を得ることが可能となる。かかる動作は、一般には、
間欠的に行われる。ボタン20への押圧力が開放されると、流れは停止され、拡
散機能のみが働き続ける。
部材6のネジ込みをゆるめることによりバルブ3が閉じられ、装置の動作を完
全に停止させることができる。
図4は、層流水頭損失により同様の拡散機能を可能にした、もう一つの実施例
を示す。図1の場合と比較した本質的な相違点は、層流水頭損失の実現方法にあ
る。シリンダと共に動作するバネを用いて狭い流路を形成する代わりに、図5a
及び図5bに詳細を示すペレット28に長い溝が形成されている。差圧1bar
の下で水の流量1ml/hを達成するために、正三角形の断面形状を有する、深
さが125μm、展開した長さが1mの溝が用いられている。
螺合によりバルブ3を開く機能を有する部材6を受容する固定部材1が設けら
れている。バルブが開かれると、流体26はオリフィス7を通過し、次に、水頭
損失ペレット28にエッチングされた溝29に浸入し、最後に、パイプ16を介
して容器17内に漏れ出る。かかる構成により、第1の装置に比して小型の装置
を提供することができる。
図6は制御された出口に組み込まれた水頭損失用ペレットを示す。バルブ19
、パイプ23、及び出口ボタン20等、図3の主要要素が示されている。実際の
操作は図3を参照して述べたのと同様である。
他の実施例を本方法の概略から外れることなく案出できる。その中には、液体
を加圧する他の方法、例えば、弾性膜を用いた方法や、加圧された柔軟チャンバ
による方法等が含まれる。
図7は組込み型流量リミッタが用いられた例を示す。容器は、互いにスライド
可能で、密閉リング38を備えた2つの要素31及び32から構成されている。
液体26が容器の部位32に注入された後、スライド要素31が組付けられ、こ
れにより、密閉性が確保される。前記した要素31を押下することにより、空気
27、従って容器全体が加圧される。要素31の最大押下位置は、弾性止め部3
3と型部35との係合により定められる。本例では、止め部33と、要素31の
第2の肩部34とを噛み合わせることにより、容器が不必要に開くのを防止する
ことも可能とされている。
このように、本容器の動作は上述の容器の動作に類似している。加圧状態にな
ると、流体はいかなる位置にあっても動作し得るようにおもり37がぶらさげら
れたパイプ36を通過し、その後、液体は流量リミッタ30を通過して拡散媒質
18を備えた受容器17に浸入する。
当然、かかる容器に、外部ボタンにより制御されるエアゾール発生器を付加す
ることも可能である。
低速拡散器、及び、拡散器と共に制御された出口を備えた組立品は、工場での
充填、手動動作、気体カートリッジの使用、あるいは、当業者に公知の他の任意
の機械的もしくは化学的手段により加圧される、すべてのタイプの容器に搭載す
ることができる。
図7aに示す拡散、すなわちスプレー装置は、かかる装置に用いられる圧力に
対して機械的に耐え得る材料からなる外部容器510を備えている。好ましくは
、容器は円筒形であり、生物分解可能又は容易に再使用可能な材料で製作される
。例えば、外側容器は厚紙あるいは類似の材料を用いて製作される。容器の内側
には、初期状態では推進用気体を構成する高圧気体が充填された、第1の変形可
能な密閉されたエンクロージャ512が備えられている。推進気体は、好ましく
は、非凝縮性であり、従って、温度上昇による過大な圧力に伴う事故の危険が制
限されている。容器512の内側には、拡散すなわちスプレーされる流体が収容
された、第2の変形可能な密閉されたエンクロージャ514が備えられている。
このエンクロージャ514は、上述の層流水頭損失型の拡散ヘッド518に接続
される出口パイプ516を有している。
好ましい実施例においては、圧縮気体を、推進気体が収容されるエンクロージ
ャ512内へ再注入する手段520も備えられる。
拡散装置すなわちスプレー装置の動作は明らかである。拡散ヘッド518が開
かれると、変形可能なエンクロージャ514に収容された流体は、エンクロージ
ャ512内の気体の圧力の影響により、少しずつ前記エンクロージャから推進さ
れる。このエンクロージャは、外側容器の機械的強度の高い壁510に支持され
るエンクロージャ514に圧力を付与しようとする。好ましい実施例では、変形
可能なエンクロージャ514に収容された流体の量が次第に減少する結果、エン
クロージャ512が大きくなって、再注入装置520によりエンクロージャ51
2に気体を再充填することができる。
推進気体はエンクロージャ512に封入され、また、拡散流体は
エンクロージャ514に封入されている。そして、これらのエンクロージャはい
ずれも密閉されている。このため、容器10自体は密閉される必要はなく、変形
可能なエンクロージャ512に用いられる圧力に耐えるだけでよいことが理解さ
れよう。これにより、外側エンクロージャ510を厚紙などの、再生容易で生物
分解可能でありながら、所要の機械強度を有する材料で製作することができる。
かかる材料は多孔性であっても良い。
また、気密性エンクロージャ512及び514は弾力性を有する必要はなく、
変形可能であるだけでよいことも理解されよう。このことは、特に、常に増加す
る量の圧縮気体を受け入れる必要があるエンクロージャ512に当てはまる。
図7bは流量制御が層流水頭損失装置により行われる例を示す。液体あるいは
流体は重力のみにより加圧された状態で分配される。本装置は、支持具526に
より所定の高さに保持された容器524を備えている。自立型ハウジングに装着
された流量リミッタ528は柔軟ホース545により容器の出口に接続されてい
る。容器の水頭損失装置に対する相対的な位置を変化させることにより、本装置
からの流出流量を変化させることができる。
容器から流出する液体の流量を制御する、もう一つの有利な方法は、液体出口
を規制する代わりに容器への空気入口を規制することである。図8に示す基本的
な方法では、空気流入口に層流水頭損失装置52が備えられている。これにより
、容器に浸入する空気の体積流量は、空気流入開口のサイズが大きい場合に液体
出口開口53を通って流れる量に比して、はるかに小さくなる。液体出口のサイ
ズは、当業者により、その水頭損失が空気入口の水頭損失に比して、はるかに小
さくなるように設計される。例えば、100ml/月の液体流量に対して、C点
とD点の高さの差が50mmである容器では、空気に作用する層流水頭損失は、
長さ1m,深さ110mmの螺旋をエッチングすることにより実現される。液体
出口53は、長
さ40mm,直径400mmの毛管により構成される。すると液体流量は、実際
上、液体の性質、特に、その粘度とは無関係になる。流量は空気の動的粘度に比
例するが、かかる動的粘度は通常の温度範囲ではほとんど変化せず、0°Cでの
1.4×10-5から40°Cでの1.9×10-5に変化するだけである。この結
果、液体流量の変動は温度が変動してもほとんど検知できない。
空気入口に作用するタイプの流量制御の変形例においては、図9に示す如く、
容器に浸されたチューブ54を空気入口に備えることにより、一定の流量を確保
することができる。すると、噴出口に一定の圧力が作用する。かかる圧力は
Pa−ρgΔh パスカル
に等しい。ここで、Paは大気圧であり、Δhはパイプ出口の点Eと、液体の外
部への出口の点Fの高さの差である。ρは液体の密度であり、gは重力加速度で
ある。
このように、空気の層流水頭損失の端部間の圧力差Δpは一定となり、その値
はρgΔhに等しい。従って、かかる圧力差に比例する流量も一定となる。
流量が空気入口により制御される重力型装置を適切に動作させる上での障害の
一つは、容器が倒されたり、逆さにされた場合に、液体が毛管内に浸入すること
があることである。ディップチューブ54を空気入口に装着することにより、一
定の流量を得ることが可能となるうえ、これらの危険度を抑制することができる
。容器が一杯には満たされず、装置が逆さにされた際にチューブが水面上に出る
ことを保証するだけでよい。チューブはまた、容器が横向きにされた際に、毛管
効果により液体の流れが阻害されるように十分細くなければならない。最後に、
小さな中間チャンバ55を前記チューブと層流水頭損失要素に備えることにより
、液体と層流水頭損失要素との直接の接触を防止することを可能にしてもよい。
重力の影響若しくは揺動又は攪拌により、チャンバに浸入する液滴がチャンバを
毛管に接続するチューブに導かれないように、前記チャンバの入口オリフィス5
6及び出口オリフィス57の位置はずらされるべきである。かかる配置により、
液体が水頭損失要素に浸入してその動作を妨たげる危険を抑制することができる
。
図11に示す変形例によれば、液体が毛管要素内部に戻るのを防止することが
できる。本例では、液体表面と毛管との間に非常に柔軟な膜58を配設すること
により、液体と気体とを物理的に分離している。かかる構成では、毛管を用いる
方法を実施することは不可能なので、容器の高さを制限することが望ましい。
最後に、図12は、空気取入口と液体出口とが容器底部のプラグ部に位置する
、制御された空気取入口付容器を示す。本例では、好ましくはU字型のチューブ
54と、入口56と出口57とが備えられたチャンバ55が設けられている。
繰り返すと、これらの解決手段は全て例として示したものである。当業者であ
れば本発明の技術的範囲に属する変形例を案出することができよう。
図13は、流路に沿って分布され、流路に沿った種々の点において大気との接
触を可能にするシャッター59による、螺旋型の直線型水頭損失調整装置の例を
示す。これにより、チャンネルの動作長さを変化させることは容易である。従っ
て、動作長さに比例する流量(流路の断面積は一定であると仮定する)は、本装
置においても変更することができる。すべての開口を閉じて大気と接触させるこ
とにより、新たにオン・オフ機能が上記の機能に付加されている。
図14は、円弧部62上に配設されたボール61すなわちガスケットを用いて
開口を閉じることにより、同様の機能を実現し得る装置の例を示す。カバー63
を回転することにより、開口の一方を閉じることができ、これにより、調整を行
い、オン・オフ動作を実現することができる。
これら2つのタイプは例として示したものである。流路を閉じる
方法の変形は、上述の全ての場合において可能であり、非常に多くの方法がある
。
上述の具体化において、容器から流出する液体の流量は非常に小さいが、連続
的である。用途によっては、液体流量は非常に小さいが、流体は実際には間欠的
にのみ流出し、平均流量は上述の場合と同じオーダであるような装置の方が好都
合である場合がある。図15〜図21は、液体を間欠的に分配し得る手段の種々
の例を示す。
図15は流体の連続的な、好ましくは小さな流量の流れから間欠的な流れを生
成する装置の具体例を示す。本装置は静止端壁102と、金属ベローズからなる
ほぼ円箇形の壁104からなる移動端壁103とから構成されるチャンバ101
を備えている。この組立品は、内側へ向けられたリム106を備えた円筒ケース
105により囲まれている。ケース105のリム106は、チャンバ101の移
動端壁103とリム106との間に配設されたバネ107を圧縮している。流体
はチャンバ101内へ108から制御された状態で注入される。内側へ向けられ
たリム112を備える小さな円筒チャンバ109は静止端壁102上に設けられ
ている。リム110はガスケット112を支持する円筒シャッタ111のストロ
ークを規制している。シャッタ111はチャンバ109内で軸方向に自由に移動
できる。外力が作用しない場合、シャッタは重力の影響で自然にチャンバ109
の底部に降下しようとする。移動端壁103は、出口パイプ113とパイプ11
4とを備えている。パイプ113は移動端壁103に接続されている。また、パ
イプ114は、移動端壁103に接続されると共に、端部115を備えたチャン
バ101に配設され、チャンバ109内に侵入して移動シャッタ111上のガス
ケット112に接触することが可能とされている。これら2つのパイプは共通の
内部導管116により互いに接続されている。
本装置は以下のように動作する。まず、チャンバ101は、好ましくは発散流
体で充填される。パイプ114はチャンバ109端部
のシャッタ111上のガスケット112に着座している。流体が108を経由し
てチャンバ101に侵入すると直ちに、チャンバ101の圧力は、バネ107の
動作圧に等しくなる。バネ107の発揮する力をF1チャンバの断面積をFとす
ると、チャンバの圧力はF1/Sに等しい。かかる圧力の作用によって、シャッ
タがパイプ114と係合することにより、ガスケット112がシャッタを閉じる
。シャッタに作用する垂直力F2はsPに等しい。かかる組立部品の寸法は、こ
の力がシャッタ111の重量よりも大きくなるように設けられている。流体はチ
ャンバ101へ侵入することにより、端壁103を移動させ、従って、パイプ1
14及びシャッタ111から構成される組み立て部を移動させる。シャッタがこ
のように駆動されることにより、シャッタはチャンバ109内で上昇し、リム1
10に到達する。シャッタがリム110に接触すると、パイプ114との接触状
態から外れ、シャッタは重力の影響で再びチャンバ109の底部へ降下する。す
ると、チャンバ101内の流体はパイプ113及び114に設けられた貫通孔1
16を通じて流出することができる。この結果、チャンバ101の容積はシャッ
タ111のガスケット112が再びパイプ114の端部と接触することにより液
体の流出を阻止する状態に達するまで減少を続ける。かかる過程は何度でも繰り
返される。図1の装置のかかる方式は、装置は垂直に設置され、シャッタ112
はチャンバ109の底部に向けて自然に降下するとの前提に立つものである
図16は本発明のもう一つの具体例を示す。本例においては、シャッタ112
は剛性が非常に小さなバネ117によって静止端102に接続されている。本装
置の他の要素は、回転流を用いることにより微細粒での発散を実現する装置10
8が出口パイプ113に備えられている点を除いて、図15の装置と同様である
。回転流を用いた方法はエアゾール缶で商業的に利用されている。
図17においては、チャンバ101はバネ107の代わりに設け
られた弾性膜19により加圧される。力Fは前記膜が拡がった状態で生成される
。また、シャッタ装置は静止端壁102に固定された膜120により実現されて
いる。図3において、シャッタ装置はストロークの途中の状態が示されている。
シャッタ装置は上述した加圧の効果によりパイプ114に接続されている。移動
端壁103が動く際、膜120は緊張され、引張力は、チャンバ101とパイプ
114の出口断面との間の圧力差に起因する力F2を丁度補償する状態に達する
。この時点で、膜はパイプ114を突然開放しチャンバ101の底部へ再び落下
する。チャンバが空にされた後、パイプ114は膜120と再び接触し、吸引力
により付着する。こうして、サイクルを再び開始することが可能となる。図17
において、平面ペレット123とエッチングにより螺旋状の溝が形成されたペレ
ット124との組により構成された螺旋流路122からなる層流水頭損失装置1
21を介して、チャンバ101に流体が供給される。図4はかかる供給の詳細を
示す。図3の場合と同様に液体供給部127に接続され、シリンダ128が備え
られた部材126に溝がエッチングされている。シリンダ128はチャンバ10
1の端壁103及び弾性力膜119の変位をガイドする。さらに、この図37に
は、小滴を発散するための、端壁103に固定された流体出口129が示されて
いる。かかる機能を実現するため、円筒チャンバ130には、チューブ116か
ら、前記チャンバにその接線方向に侵入する2つの液体入口131を介して供給
される。こうして、流体はチャンバ130の中で回転され、小径のオリフィス1
32を通って、小滴へ分解する円錐のシート状となって流出する。
例として、図17に関連するいくつかの数値を示す。チャンバ101の直径は
20mmであり、その高さは30mmである。端壁103の最大ストロークは3
mmである。従って、各サイクルで排出される流体の堆積は940mm3である
。溝の全長は1mであり、その断面形状は深さ0.2mmの正三角形である。弾
性膜の耐力
は5kgである。従って、チャンバ101内の圧力は1.6barsである。組
立品には4bars、20°Cの水が供給される。チャンバ内の平均流速は4×
10-9m3/s、すなわち、13.5cm3/hである。従って、1サイクルの所
要時間は4.4分である。これらの数値は一例として示したものであり、これら
の値とは大きく異なる他の値を用いることもできる。
図18a及び18bはチャンバ101への供給用螺旋層流水頭損失装置の斜視
図である。理解を容易にするために、部材102及び126は2つの円筒形ペレ
ットとして概略的に示されている。流体は127で部材126を貫通し、螺旋に
流入する。ただし、螺旋の一周のみを示している。この後、チャンバ101へ供
給する開口133を経由して流出する。
特許出願PCT/FR 92/01075はシリンダとその回りに巻かれた螺
旋バネを組み合わせることにより実現される、非常に小さな流通断面を有する流
路の他の具体例について述べている。かかる極小流量装置は図17及び図18に
示す装置と置き換えることができる。
図19は、シャッタが板バネ134の動作により外されることを特徴とする上
記装置の変形例を示す。かかる方式を助力装置と呼ぶ。上記の例と同様に、シャ
ッタは突起135を備えたパイプ114により駆動される。充填の最初の段階で
は端部136が突起の上方に位置するバネは、パイプ114が上昇すると前記突
起に着座し、上方へ徐々にたわむ。最大ストロークに一致する臨界点において、
バネのたわみは、突起135がこれ以上バネを支持することはできない量に達す
る。すると、バネは下方に開放され、シャッタを駆動し、これにより、開動作の
信頼性が向上されている。パイプ114の下降中には、突起はバネの端部136
は再び反らさせながら、バネの端部136を再び通過する。パイプはシャッタを
吸い上げ、再びサイクルが開始される。
図20にはチャンバ101の内部に設けられた空圧圧縮装置が示されている。
チャンバ138は圧縮気体を収容しており、装置の円筒形側壁を構成する弾性膜
136が存在するため、変形することができない。チャンバ138の剛性移動端
壁137には、バネ117により、剛性内部円筒隔壁139を介して接続された
シャッタ111が備えられている。チャンバ101の壁は剛体である。動作は以
下の通りである。装置が動作状態に入ると、液体は108からチャンバ101に
浸入する。その結果、チャンバ138の容積は減少し、端壁137は静止端壁3
から離れる方向に変位する。この時、シャッタ111はパイプ114と係合して
いる。かかる変位によりバネ117は緊張状態に置かれる。引張力が十分大きく
なると、シャッタはパイプ114を開放し、チャンバ138の端壁137に備え
られたハウジングヘ再び降下する。端壁137がパイプ114に近づくように移
動することにより排出が行われる。そして、シャッタ11が前記パイプに付着す
ることにより、サイクルを再開することが可能となる。
これらの図は装置の単なる具体例であり、種々の機械式あるいは空圧式方法に
より実現され得るチャンバ101の加圧方法、及び、シャッタの緩みを補助の有
無に関わらず可能にするシャッタ及び装置の実現方法の詳細の、いずれの点に関
しても、他の同様の装置を案出することが可能である。
図21は、螺旋流路121を用いることにより充填流量を制御する装置を、小
滴の生成を可能にする出口ヘッドと共に示す。本例においては、発散流体は、発
散流体を収容する市販の圧力缶134から供給される。本装置は、缶を部位13
5を切り取るだけで動作状態にすることができる組立品に組み込まれている。動
作状態では、缶の出口パイプを押下することにより缶のバルブを開かれる。この
ように、自立式容器から、間欠的に動作するエアゾール発生器を実現することが
できる。本実施例において、本発明の装置は部材14
1にネジにより結合されている。前記装置の中間部材126を部材141に螺合
することにより、エアゾール缶のパイプ142は押下されると共にガススケット
143が押圧され、これにより、密閉性が確保される。かかる動作により、装置
か動作状態になる。部材126を緩めることにより装置の動作は停止される。
本発明のかかる実現例において、必要ならば、任意の場所で動作可能で、非常
に広い範囲の流量を扱うことができ、市販のエアゾール缶等の自立式容器に、そ
の設計を変更することなく装着可能な装置を用いて、連続流体流量を、その平均
値に等しい間欠流量に変換することができる。
以上は流体一般について述べたものである。当然、流体は浄化剤、消毒剤等の
液体であり、家屋の湿度を制御するための水である場合もある。しかし、流体は
気体であってもよい。
図8〜図15を参照して述べた実施例において、容器からの液体の流出速度は
、容器へ導入される空気の流量を制御することにより制御される。より正確には
、空気は外気であり、従って、その圧力は大気圧である。用途によっては、すで
に圧縮された流体の流量を制御する方が好都合の場合がある。かかる場合が図2
2〜図24に示されている。
図22において、耐圧容器200及び前記容器からの出口毛管202が、容器
200を、その出口がその底端に位置し得るように、垂直方向に支持するための
支持構造204と共に示されている。また、液体拡散器206が略図的に示され
ている。容器200の内部には、拡散流体を収容した変形可能な密閉袋208が
備えられている。袋208は当然、出口202に接続されている。容器200に
はまた、初期状態ではほぼ空で、袋208と同様に密閉され変形可能な袋210
が備えられている。袋210は容器の端部214に形成されたオリフィス212
を介して、例えばエッチング溝型の毛管水頭損失装置216に接続されている。
水頭損失装置216の上方
には、水とグリコールの混合物のような中間流体を収容した、変形可能な密閉エ
ンクロージャ218が設置されている。エンクロージャ218は毛管水頭損失装
置216の入口220に接続されている。袋216の圧縮手段は、例えば、袋2
18を囲み、容器200の外壁上をスライド可能なカバー222により構成され
る。224のような弾性装置はカバー222をエンクロージャ218に向けて押
圧させようとし、従って、袋218に収容される中間液体を構成する。液体は制
御された流量で水頭損失装置216を通って流出し、袋210を徐々に充填する
。これにより、拡散流体を収容する袋208に作用する圧力を増加させ、従って
、流体が出口毛管202により制御された流量で送出されることが可能とされて
いる。
図23に示す実施例においては、耐圧容器230は、拡散流体が格納された密
閉柔軟袋232を備えている。本実施例においては、袋232からの出口は、比
較的小さな水頭損失を発生する水頭損失装置234に接続されている。容器23
0の上方には、出口236aが容器230の内部に開口する、例えば、エッチン
グ溝型の第2の水頭損失装置236が設けられている。装置236は装置234
が発生する水頭損失に比してかなり大きな水頭損失を発生する。水頭損失手段の
入口236bは、駆動気体を収容する高圧圧力容器238に接続されている。か
かる高圧容器により、水頭損失装置236を通過する流体の圧力をほぼ一定に維
持することが可能とされている。このように、気体は制御された流量で容器23
0に充填され、これにより、変形可能な袋232に圧力を付与し、次に、第2の
水頭損失装置234の存在によりさらに強化された制御状態で液体が流出する。
図24に示す変形例において、装置はその内部に、発散流体を収容した袋23
2を有する容器230を備えている。本実施例において、袋232は出口毛管2
40に直接接続されている。水頭損失装置236には、以下のようにして得られ
る加圧気体が供給される。
装置236の上方には加圧気体の容器242が備えられている。容器242には
、注射器型装置244により気体が周期的に注入される。気体が一定の圧力で供
給されることを保証するため、容器242に収容された加圧気体と水頭損失装置
の入口236bとの間に膨張器246が配設されている。
以下、図25を参照して、大気圧空気の導入量を制御することにより流量が制
御される液体分配装置の、更にもう一つの実施例について説明する。本装置は出
口毛管ホース262を備えた密閉耐圧容器260から構成されている。容器26
0は支持要素264におより垂直位置に維持されている。支持要素264は円筒
スカート形の形状を有しており、その周辺部266は、例えばスナップ固定手段
268により固定された容器260の円筒壁と係合している。容器260の端壁
は、好ましくはエッチング溝型の水頭損失装置270から構成されている。水頭
損失装置の流路への入口270aは、例えば、容器260本体と防熱スカート2
74との間の隙間により形成された空気取入口272に接続されている。水頭損
失装置の出口270bは垂直かつ軸状の出口毛管276に接続されている。毛管
276はオーバフロー生成容器278内に開口している。容器278はオーバフ
ローエッジ282を介して出口チューブ280に結合されている。チューブ28
0の端部280aは容器260に収容された液体中へ開口している。エンクロー
ジャ278により、液体が水頭損失制御装置へ、必要時以外に浸入するのを防止
することが可能とされている。図25からわかるように、支持要素262はその
基礎板283上にブレーカ284を備えている。ブレーカ284は、出口毛管2
62に対向し、毛管262の自由端262aがブレーカ284内に侵入している
。かかる配置によれば、温度変化、すなわち、液体の体積変化の影響により、液
体が上昇して、毛管262を介して、必要時以外に流出することを防止すること
ができる。ブレーカ284の底部には、好ましくは、ガスケット286が備えら
れている。従って、容器260を支持手段のスカート264内に押下することに
より、出口毛管の端部262aはガスケット286に着座し、これにより、容器
260が閉鎖される。当然、支持装置の基礎板283には液体出口用開口288
が設けられている。
かかる実施例は、特に、便器等のような水が充満する環境で液体が分配される
場合に特に好適である。
次に図26を参照して、図25に示す装置の変形例を、その好ましい使用法と
共に述べる。本実施例の本質は、空気流入を制御する水頭損失装置302から分
配液体を収容する容器300を分離し、これら2つの構成要素を柔軟パイプ30
4により結合した点にある。かかる構成は、特に、便器内で防臭剤又は殺菌剤を
分配するのに好適である。例えば、容器300は水洗流306を受けるように置
かれるのに対して、水頭損失装置302は当然外部に置かれる。水頭損失装置は
基本的には、水頭損失装置本体314の流路312の入口に接続された空気取入
口310を有するハウジング308を備えている。流路312の出口316は出
口開口318に接続されており、出口開口318自体が柔軟ホース304の一端
に接続されている。容器300は、端壁320が閉塞され、端壁320を貫通し
ホース304に接続される端部材322が端壁320に備えられた点を除いて、
図25を参照して述べた装置と全く同一である。従って、水頭損失装置314に
より制御される流量の空気は分配液体を収容する容器260の中に侵入する。
以上の記述において、個々の実施例の水頭損失装置は対向する2つの平面から
構成されるものと仮定した。対向面の一方の面内には、微細な垂直断面を有する
長い溝が形成されており、これにより水頭損失装置の流路が構成されている。図
27及び図28には、水頭損失装置の2つの変形例が示されている。いずれの例
においても、中央部400が設けられている。中央部400は、例えば、2つの
平面402及び404を有し、そのいずれの面にも、例えば螺旋状の
溝406、408が形成された円盤である。図27の実施例では、水頭損失装置
は装置の外部ハウジング412に形成された入口410を備えている。かかる入
口410は、流路406及び408の各々の入口に流体を供給する。本装置の中
央領域には、溝406に対応する第1の出口414と、溝408に対応する第2
の出口416とが設けられている。これにより、一つの入口410から始まり、
例えば空気等の流体を2つの制御された流量で送出する役割を有する装置が提供
される。これにより、各出口を、それぞれパイプを介して、それぞれの液体容器
(図26)に接続することにより、2つの容器に収容された2つの流体の分配を
制御することが可能となる。図27は、第2の面と、溝がエッチングされた部材
400との間の密閉性が改善された改良例を示す。この改良は、変形可能なシー
ト418、420を、溝を備える面と、その面に対向する面との間に設けること
により実現されている。シート418又は420が変形することにより溝が部分
的に塞がれることを防止するため、対向面は平面ではなく、例えば、溝の対応す
る寸法に比してかなり大きな寸法の同心のリブを備えている。これにより、リブ
422は密閉シート418を溝形成面に効果的に押圧しつつ、第1には溝の表面
積が小さいことにより、また、第2にはリブ間の間隔が設けられていることによ
り、シートが溝に侵入することが防止されている。シート418(又は420)
を、溝と接触する比較的硬い材料の薄層と、変形がより容易でリブに対向する、
より厚い層とで構成してもよい。
図28に示す実施例において、中央部400には、その両面にそれぞれ溝40
6、408が設けられている。溝408で構成される流路は軸状の入口430を
備えている。ハウジング412′には環状溝432が設けられている。環状溝4
32により溝408の第2の端部と溝406の第1の端部とが連通している。溝
406の第2の端部は出口開口434に接続されている。このように、上述の型
の流路の場合に比して2倍の長さの流路が得られている。
次に、図29〜図33を参照して、水頭損失装置からの流量を非常に高精度に
調整することが可能で、かつ、温度変化の、水頭損失装置を流通する液体の粘度
への温度変化の影響、従って、流量変化への影響を補償することが可能な、水頭
損失装置の改善例について説明する。特に医療分野において、温度変化の補償を
確保することにより、分配される薬剤の流量が温度変化に関わらず一定に維持さ
れることが最も重要な場合があり、また、必要な場合には、この装置を用いて患
者に注入される流量を変化できることが重要であることが理解されよう。
本実施例において、多数の分離された溝、すなわち流路450a、450b、
450c、及び、450dが部材452の上面にエッチングされている。各流路
aは、好ましくは、部材450の所定の直径に対する流路の長さを増加させるよ
うに波状形状を有している。各流路は入口A及び出口Bを備えている。流路は、
好ましくは、異なる垂直断面形状を有し、従って、異なる流量を有するが、これ
ら流路の一般的定義の範囲内にある。例えば、流路の断面積の比は1:2:4:
8とすることができる。
部材450は、固定流体供給パイプ456を種々の流路の任意の組に接続する
ことを可能にする回転式入口多岐管454と係合している。これにより、全流量
を1対15の範囲で連続的に調整することが可能とされている。多岐管を制御可
能なシャッタに置き換えてもよい。この場合、各シャッタは供給パイプ456と
、流路450のうちいずれか一つの入口との間に配設される。
良く知られているように、種々の流路に沿って流れる液体の粘度は周囲温度に
依存する。水性溶液では、動的粘度は0°Cでの1.8×10-3Pa・sから、
40°Cにおける0.7×10-3Pa・の範囲で変化する。装置が温度の影響を
受けないようにすることが望まれる場合には、流路の実効長を温度変化による粘
度変化に適合
させることが必要である。より正確には、温度が上昇すると流路の実効長を減少
させる必要がある。
かかる目的のため、n個のオリフィスが、部材452の各流路450に対して
設けられている。各オリフィス孔は、対応する流路に、行うべき温度補正に応じ
た出口Bからの流路距離の位置に開口している。例えば、増加する温度T1、T2
、T3、及び、TMに応じて4つのオリフィスが設けられる。温度TFでは全ての
流路が閉鎖され、これにより、使用温度範囲外では装置は閉鎖される。
所定の温度に対応して設けられた流路のオリフィス458は、部材452の底
面452aに形成された通路460により互いに接続されている。調節温度に対
応する各流路460には、制御可能なシャッタ462が設けられている。通路4
60はシャッタ462を介して部材466に形成された出口パイプ464に接続
されている。シャッタ462は対応する調節温度に達すると直ちに閉鎖される。
例えば、調節器4621は温度T1で閉鎖され、調節器4622は温度T2で閉鎖さ
れる。
図33は、シャッタ462の制御法の好ましい実施例を示す。各シャッタ46
2は、第1の面472と第2の面474とを備えた空洞470から構成されてい
る。2つのオリフィス476及び478は第1の面472に開口し、それぞれ、
通路460の一つ及び出口パイプ464に接続されている。面474上には、変
形可能なダイヤフラム480が配設されている。ダイヤフラム480はその周縁
部により面474に固定されている。制御部は、アルコール等の高い熱膨張率を
有する液体から構成されている。かかる液体はエンクロージャ482に収容され
ている。エンクロージャ482はオリフィス484を介して膜480の背面に連
通している。温度上昇中は、エンクロージャ482に収容された液体は膨張し、
その膨張によりダイヤフラム480の中央部に変形が生ずる。ダイヤフラムは空
洞470の面472へ押圧され、これにより、オリフィス476
及び478を閉じる。各エンクロージャ482の容積は、対応する温度T1より
低温ではダイヤフラム480はオリフィス476及び478を閉じず、前記温度
T1以上では、ダイヤフラムが図33bに示す如く持ち上げられることにより、
オリフィスを閉じるように設定される。
当然、シャッタを調整温度に応じて制御する他の方法を実現することもできる
。例えば、膜の代わりにベローズを用いてもよい。
流量を調整する方法及び流量を温度の関数として補償する方法は、上述した以
外の液体分配装置に用いることができることも明らかである。しかしながら、こ
れらの構成は、液体を非常に厳しく制限された流量で分配する必要がある場合に
のみ妥当であることが理解されよう。
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フロントページの続き
(31)優先権主張番号 93/08449
(32)優先日 1993年7月7日
(33)優先権主張国 フランス(FR)
(31)優先権主張番号 93/11137
(32)優先日 1993年9月10日
(33)優先権主張国 フランス(FR)
(81)指定国 EP(AT,BE,CH,DE,
DK,ES,FR,GB,GR,IE,IT,LU,M
C,NL,PT,SE),OA(BF,BJ,CF,CG
,CI,CM,GA,GN,ML,MR,NE,SN,
TD,TG),AT,AU,BB,BG,BR,BY,
CA,CH,CN,CZ,DE,DK,ES,FI,G
B,GE,HU,JP,KP,KR,KZ,LK,LU
,LV,MG,MN,MW,NL,NO,NZ,PL,
PT,RO,RU,SD,SE,SI,SK,UA,U
S,UZ,VN
(72)発明者 ボナジ,ザビエル
フランス国 38610 ジエレ リュ―ドゥ
―ラ―フォンテン 21