JPH08507048A - 1,3−ジオール及び3−ヒドロキシアルデヒドを作るための方法 - Google Patents

1,3−ジオール及び3−ヒドロキシアルデヒドを作るための方法

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Abstract

(57)【要約】 本発明は、(a)2より多い炭素原子を有する1,2−エポキシド、(b)ジターシャリーホスフィンで改質されたコバルトカルボニル触媒[ここで、このホスフィンはヒドロカルビレン−ビス(モノホスファビシクロアルカン)から成り、その中で各々のリン原子はヒドロカルビレンに結合していてそして橋の頭の原子ではない橋かけ結合のメンバーであり、そしてこのヒドロカルビレン−ビス(モノホスファビシクロアルカン)は11〜300の炭素原子を有し、それらの5〜12の炭素原子はリン原子と一緒に2つの二環式骨格構造の各々のメンバーである]、(c)一酸化炭素、及び(d)水素[ここで、一酸化炭素対水素のモル比は4:1〜1:6、好ましくは1:1〜1:4である]を、不活性反応溶媒中の液相溶液中で30〜150℃の温度及び345〜68948kPa(50〜10,000psi)の圧力で密に接触させることから成る、1,2−エポキシドをヒドロホルミル化することによって1,3−ジオール及び3−ヒドロキシアルデヒドを作るための方法に関する。

Description

【発明の詳細な説明】 1,3−ジオール及び3−ヒドロキシアルデヒドを作るための方法 本発明は、選ばれたジターシャリー(二第三級)(ditertiary)ホ スフィンで改質されたコバルトカルボニル触媒を使用して1,2−エポキシドを ヒドロホルミル化することによって1,3−ジオール及び3−ヒドロキシアルデ ヒドを作るための方法に関する。 3−ヒドロキシアルデヒドは有用な化学的中間体である。それらは容易に1, 3−ジオールに転換することができるが、1,3−ジオールは、凍結防止剤(1 ,3−プロパンジオール)として、そして繊維、添加剤、安定剤及び類似物に用 途を見い出すポリエーテル、ポリエステル、ポリオキシアルカレングリコールの 合成における化学的中間体として有用である。 米国特許第3,463,819号及び第3,456,017号は、ホスフィン で改質されたコバルトカルボニル触媒を使用して3−ヒドロキシアルデヒド及び 1,3−ジオールを製造するためのエポキシドのヒドロホルミル化のための方法 を教示している。これらの引用文献は、使用される出発エポキシドの量と比較し て大量の触媒を使用する。大量の触媒の使用は、高価でありそして商業的方法を 不経済にする可能性がある。エチレンオキシドよりも多い炭素数のエポキシドの ヒドロホルミル化は、エチレンオキシドのヒドロホルミル化と比較する時に、よ り低い選択率及び収率の生成物をもたらす。 米国特許第3,687,981号は、エチレンオキシドのヒドロホルミル化に おいて触媒として二コバルトオクタカルボニルを使用しそして触媒安定剤として ヒドロキノンを開示している。無機ハロゲン含有化合物、例えば塩化水素酸が、 ヒドロホルミル化促進剤、即ち、エチレンオキシドから所望の生成物への転換を 増す化合物として開示されている。痕跡量でも有用であると言われている。 米国特許第3,401,204号及び第3,527,818号においては、ジ ターシャリーホスフィン配位子及びそれらから製造されたコバルト触媒がオレフ ィンをアルコールにヒドロホルミル化するために適切であると述べられている。 本発明の一つの目的は、3以上の炭素数を有するエポキシドを高い収率で対応 する3−ヒドロキシアルデヒド及び1,3−ジオール生成物にヒドロホルミル化 するために、コバルト−ジターシャリーホスフィン配位子触媒から成る改善され た触媒系を使用することである。従って、本発明は、 (a)2より多い炭素原子を有する1,2−エポキシド、 (b)ジターシャリーホスフィンで改質されたコバルトカルボニル触媒[ここ で、このホスフィンはヒドロカルビレン−ビス(モノホスファビシクロアルカン )から成り、その中で各々のリン原子はヒドロカルビレンに結合していてそして 橋の頭の原子ではない橋かけ結合のメンバーであり、そしてこのヒドロカルビレ ン−ビス(モノホスファビシクロアルカン)は11〜300、好ましくは11〜 200、更に好ましくは11〜100そして最も好ましくは18〜80の炭素原 子を有し、それらの5〜12、好ましくは6〜12、更に好ましくは7〜12そ して最も好ましくは8の炭素原子はリン原子と一緒に2つの二環式骨格構造の各 々のメンバーである]、 (c)一酸化炭素、及び (d)水素[ここで、一酸化炭素対水素のモル比は4:1〜1:6、好ましく は1:1〜1:4である] を、不活性反応溶媒中の液相溶液中で30〜150℃の温度及び345〜689 48kPa(50〜10,000psi)の圧力で密に接触させることから成る 、1,2−エポキシドをヒドロホルミル化することによって1,3−ジオール及 び3−ヒドロキシアルデヒドを作るための方法を提供する。 1,2−エポキシドを、ジターシャリーホスフィンで改質されたコバルトカル ボニル触媒から成る触媒系の存在下での一酸化炭素及び水素との反応によってヒ ドロホルミル化する。反応生成物は、主に3−ヒドロキシアルデヒド(及びそれ らのオリゴマー)並びに1,3−ジオールから成る。これらの2つの生成物の比 は、反応混合物中に存在する触媒の量、反応温度及び/又は反応混合物中に存在 する水素の量を調節することによって調節することができる。“3−ヒドロキシ アルデヒド”という術語が本明細書中で使用される時には、3−ヒドロキシアル デヒドのモノマー並びにダイマー、トリマー及びより高次のオリゴマーを意味す るものと理解される。3−ヒドロキシアルデヒド及び/又は1,3−ジオール生 成物は、反応物エポキシドのものより1つ多い炭素原子を有するであろう。好ま しい実施態様においては、比較的少ない量の触媒を使用して主にアルデヒド及び そのオリゴマーを製造し、そして次にこれらを慣用的な水素化触媒及び水素を使 用する別の水素化ステップにおいて1,3−ジオールに水素化する。コバルト触 媒のためのキレート化配位子としての特別なジターシャリーホスフィンの使用は 、従来のホスフィン配位子の使用によってもたらされるものよりも高い、非常に 高い収率のヒドロホルミル化生成物をもたらす触媒を結果として与える。 エポキシド反応物は、その2つの炭素が炭素−炭素単結合によってばかりかオ キシ結合によって接続されている有機化合物から成る。好ましい化合物は、1, 2−の位置にオキシ結合を有するものである。一般的には、これらの化合物は、 少なくとも2の炭素数を有する、好ましくは2〜30、更に好ましくは2〜20 、そして最も好ましくは2〜10の範囲の炭素数を有するヒドロカルビル−エポ キシドから成る。ヒドロカルビル部分は、任意の非アセチレン性非環式又は環式 の有機の基で良い。(非アセチレン性)非環式又は環式ヒドロカルビル基は、ア リール、アルキル、アルケニル、アラルキル、シクロアルキル、直鎖、枝分れ鎖 、大きい又は小さくて良いという点で広い変化が可能である。好ましい化合物は 1,2−エポキシアルカン及び1,2−エポキシアルケンである。1,2−エポ キシアルカンの適切な例は、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、イソブチ レンオキシド、1,2−エポキシペンタン、1,2−エポキシ−4−メチルペン タン、1,2−エポキシオクタン、3−シクロヘキシル−1,2−エポキシプロ パン、1,2−エポキシ−2,2,4−トリメチルヘキサン、1,2−エポキシ デカン及び1,2−エポキシドデカンを含む。1,2−エポキシアルケンの適切 な例は、1,2−エポキシペント−4−エン、1,2−エポキシヘキス−5−エ ン、1,2−エポキシ−4−メチルヘキス−5−エン、1,2−エポキシオクト −5−エン、1,2−エポキシデク−9−エン及び1,2−エポキシドデク−1 1−エンを含む。エチレンオキシド及びプロピレンオキシドが最も好ましい。 一つの実施態様(modification)においては、本発明の方法は、 エポキシド反応物、触媒、必要に応じた触媒促進剤及び反応溶媒をオートクレー ブ又は類似の圧力反応器に仕込み、そして反応混合物を反応温度で維持しながら 水素及び一酸化炭素を導入することによって実施する。その代わりに、本発明の 方法は、反応物、触媒及び必要に応じた触媒促進剤を、典型的には形が管状であ る反応器を経る通過の間に接触させることによるような連続的なやり方で実施す る。最善の結果のためには、本発明の方法は、高められた温度及び圧力の条件下 で実施する。反応温度は、30〜150℃、好ましくは50〜125℃、そして 最も好ましくは70〜110℃の範囲である。反応圧力は、望ましくは345〜 68948kPa(50〜10,000psi)、好ましくは3447〜206 84kPa(500〜3000psi)の範囲にある。本発明の方法の一つの実 施態様においては、不活性ガス状希釈剤、例えば、アルゴン、ヘリウム、メタン 、窒素及び類似物が存在し、この場合には、反応圧力は適切には希釈剤以外の物 質の分圧の和であると考えられる。しかしながら、本発明の方法の好ましい実施 態様においては、反応は実質的に希釈剤を添加しないで実施する。 反応の経過は、その場での赤外吸収技術により反応器内の圧力低下を観察する ことによって、又は反応系からのサンプルの周期的な取出し及び分析によって容 易に追跡される。反応が終結すると、生成物混合物は、慣用的な方法例えば選択 的抽出、分別蒸留、傾斜法、選択的結晶化及び類似の方法によって分離する。未 反応出発物質並びに触媒及び反応溶媒は、次の反応のために適切にリサイクルす る。 本発明の方法において用いられる触媒は、ジターシャリーホスフィンで改質さ れたコバルトカルボニル錯体である。特に好ましいジターシャリーホスフィンは 、α,Ω−ヒドロカルビレン−P,P’−ビス(モノホスファビシクロノナン) から選ばれ、この環系において、(a)各々のリン原子は橋かけ結合のメンバー であり、(b)各々のリン原子は橋の頭の位置にはなく、そして(c)各々のリ ン原子は他の二環式系のメンバーではなく、そして(d)最小のリン含有環は少 なくとも4つの、好ましくは少なくとも5つの原子を含む。リン原子上のヒドロ カルビレン置換に加えて、環の炭素もまた置換されて良い。ヒドロカルビレンは 、好ましくはエチレン、プロピレン及びブチレンから選ばれる。最も好ましくは ヒドロカルビレンはエチレンであり、そしてジターシャリーホスフィンのモノホ スファビシクロノナン部分は独立に9−ホスファビシクロ[4.2.1]ノナン 及び9−ホスファビシクロ[3.3.1]ノナンから選ばれる。本明細書中で使 用する時には、“9−ホスファビシクロノナニル”又は“9−ホスファビシクロ ノナン”という術語は、ホスファビシクロ[4.2.1]ノナン及び9−ホスフ ァビシクロ[3.3.1]ノナン部分及びこれらの混合物を指す。 一般には、コバルト−カルボニル−ホスフィン錯体を生成させるために使用さ れるジターシャリーホスフィン配位子は、二環式複素環式ジターシャリーホスフ ィンから成る。このような化合物の一つの種類は、11〜300、好ましくは1 1〜200、更に好ましくは11〜100そして最も好ましくは18〜80の炭 素原子を有し、そして式 [式中、Qは30までの炭素原子のヒドロカルビレンを表し;Rは独立に水素及 び1〜30の炭素原子のヒドロカルビルを表し;y及びzはそれらの和が0〜7 である0又は正の整数を表し;y’及びz’は、y及びzの値とは独立に、それ らの和が0〜7である0又は正の整数を表し;好ましくはy及びzは、それらの 和が1〜7、更に好ましくは2〜7そして最も好ましくは3であり、そしてそれ らの各々が最小値1を有する正の整数を表し;y’及びz’は、y及びzの値と は独立に、それらの和が1〜7、更に好ましくは2〜7そして最も好ましくは3 であり、そしてそれらの各々が最小値を1有する正の整数を表す] によって表される。上述の図式的な式及び本明細書中で以後に現れる式において 、構造式の線の部分は、各々の示された交差点において飽和炭素原子を有する一 般的な有機共有結合を表し、そして飽和は水素原子又は低級アルキル基の必要と される数によることが理解されなければならない。 それ故、二環式複素環式ジターシャリーホスフィンの好ましいグループは、式 I[式中、Qは2〜30、殊に2〜20の炭素のヒドロカルビレンを表し;y及 びzは、それらの和が3でありそしてそれらの各々が最小値1を有する正の整数 を表し;y’及びz’は、y及びzの値とは独立に、それらの和が3でありそし てそれらの各々が最小値1を有する正の整数を表し;そしてRが水素及び必要に 応じて1〜20の炭素のヒドロカルビルを表す]によって表されるものを含む。 “ヒドロカルビレン”という術語は、その受け入れられる意味において、炭化 水素の一つの炭素原子からの二つの水素原子又は好ましくは二つの異なる炭素原 子の各々からの一つの水素原子の除去によって生成されるジラジカルを表すとし て使用される。上の式中でQによって表されるヒドロカルビレン基は、炭素及び 水素だけから成る任意の非アセチレン性の非環式又は環式の有機の基で良い。( 非アセチレン性)非環式又は環式ヒドロカルビレン基が、アレン(arene) 、アルキレン、アルケニレン、アラルキレン、シクロアルキレン、直鎖、枝分れ 鎖、大きい又は小さくて良いという点で広い変化が可能である。代表的なヒドロ カルビレン基は、メチレン、エチレン、トリメチレン、テトラメチレン、ブチレ ン、ペンタメチレン、ペンチレン、メチルペンチレン、ヘキサメチレン、ヘキセ ニレン、エチルヘキシレン、ジメチルヘキシレン、オクタメチレン、オクテニレ ン、シクロオクチレン、メチルシクロオクチレン、ジメチルシクロオクチレン、 イソオクチレン、ドデカメチレン、ヘキサデセニレン、オクタデカメチレン、エ イコサメチレン、ヘキサコサメチレン、トリアコンタメチレン、フェニレンジエ チレン及び類似物を含む。二環式複素環式ジターシャリーホスフィンの特に有用 な種類は、炭素、水素及びリン原子だけを含むものである。置換されたヒドロカ ルビレン基もまた考えられそして官能基例えばカルボニル、カルボキシル、ニト ロ、アミノ、ヒドロキシ(例えばヒドロキシエチル)、シアノ、スルホニル及び スルホキシル基を含むことができる。ジターシャリーホスフィンの特に有用な基 は、Qが30までの炭素原子、好ましくは2〜30の炭素原子、更に好ましくは 2〜20の炭素、なお更に好ましくは2〜10の炭素原子のヒドロカルビレンで あるものから成る。好ましい実施態様においては、Qは、エチレン、プロピレン 又はブチレン、更に好ましくはエチレンである。 “ヒドロカルビル”という術語は、その受け入れられる意味において、炭化水 素の一つの炭素原子からの一つの水素原子の除去によって生成されるラジカルを 表すとして使用される。上の式中でRによって表されるヒドロカルビル基は、炭 素及び水素だけから成る任意の非アセチレン性の非環式又は環式の有機の基で良 い。(非アセチレン性)非環式又は環式ヒドロカルビル基が、アリール、アルキ ル、アルケニル、アラルキル、シクロアルキル、直鎖、枝分れ鎖、大きい又は小 さくて良いという点で広い変化が可能である。代表的なヒドロカルビル基は、メ チル、エチル、ブチル、ペンチル、メチルペンチル、ヘキセニル、エチルヘキシ ル、ジメチルヘキシル、オクタメチル、オクテニル、シクロオクチル、メチルシ クロオクチル、ジメチルシクロオクチル、イソオクチル、ドデシル、ヘキサデセ ニル、オクチル、エイコシル、ヘキサコシル、トリアコンチル、フェニルエチル 及び類似物を含む。置換されたヒドロカルビル基もまた考えられそして官能基例 えばカルボニル、カルボキシル、ニトロ、アミノ、ヒドロキシ(例えばヒドロキ シエチル)、シアノ、スルホニル及びスルホキシル基を含むことができる。好ま しくは、Rは、水素又はヒドロカルビル、1〜30、好ましくは1〜20そして 最も好ましくは8〜20の炭素原子を有する好ましくはアルキルである。 ジターシャリーホスフィン配位子及びそれらから製造されるコバルト触媒は当 該技術において知られていて、そしてそれらの製造方法は米国特許第3,401 ,204号及び第3,527,818号中に詳細に述べられている。 一般に、ジターシャリーホスフィンで改質されたコバルト錯体は、キレート化 された分子内に存在するコバルトの各々の原子のために一つのリンキレート化原 子を供給するのに十分な、付加的に存在するジターシャリーホスフィン配位子の 二コバルトヘキサカルボニル錯体として特徴付けられる。 ホスフィン配位子はまた、コバルト配位子錯体の活性を増進するために部分的 にホスフィンオキシドに酸化することができる。この酸化は、酸素がリンに結合 するであろうが、リン−炭素、炭素−炭素及び炭素−水素結合が分裂しないであ ろうような温和な酸化条件下で酸化剤によって実施する。温度、酸化剤及び酸化 剤濃度の適切な選択によって、このような温和な酸化が起こり得る。ホスフィン 配位子の酸化は、触媒錯体の生成に先立って実施する。 適切な酸化剤は、ペルオキシ化合物、過硫酸塩、過マンガン酸塩、過クロム酸 塩及びガス状酸素を含む。好ましい化合物は、制御の容易さのために、ペルオキ シ化合物である。ペルオキシ化合物は、ペルオキシ(−O−O−)基を含む化合 物である。適切なペルオキシ化合物は無機又は有機で良い。適切な無機化合物は 、過酸化水素並びに水と接触すると過酸化水素を放出する無機化合物を含み、そ してこのような化合物は、一価、二価及び三価の金属ペルオキシド並びに過酸化 水素付加化合物を含む。また適切であるのは、有機ペルオキシ化合物、例えばヒ ドロペルオキシド;α−オキシ−及びα−ペルオキシ−ヒドロペルオキシド及び ペルオキシド;ペルオキシド;ペルオキシ酸;ジアシルペルオキシド;並びにペ ルオキシエステルである。適切なペルオキシ有機化合物は、t−ブチルヒドロペ ルオキシド、クメンヒドロペルオキシド、ジベンゾイルペルオキシド及びペルオ キシ酢酸を含む。前記酸化方法を実施するために適切なペルオキシ化合物は当該 技術において知られていて、そして適切な例はThe Encyclopedi a of Chemical Technology、17巻、1〜89頁、第 3版(John Wiley & Sons、1982)中に見い出すことがで きる。 典型的には、酸化は、必要とされる程度の酸化を実施するために十分な測定さ れた量の酸化剤を配位子に添加することによって実施する。配位子は適切な溶媒 中に溶かすことができる。酸化剤は、典型的には、酸化条件を制御するために、 時間の期間にわたってゆっくりと添加する。温度は、温和な酸化条件を与えるよ うに維持する。酸化剤として過酸化水素を使用する時には、温度は、典型的には 、室温に維持する。 配位子の酸化は、酸化された配位子生成物中に、平均で、リン原子あたり0. 5よりも多くない酸素原子を供給するように実施する。好ましくは、酸化された 配位子中の酸素原子対リン原子の比は、平均で、0.01:1〜0.5:1、そ して更に好ましくは0.05:1〜0.3:1の範囲であろう。 本発明のコバルト触媒は多様な方法によって製造することができる。好都合な 方法は、有機又は無機コバルト塩を所望のホスフィン配位子と、例えば、液相中 で合わせ、引き続いて還元及びカルボニル化することである。適切なコバルト塩 は、例えば、コバルトのカルボン酸塩、酢酸塩、オクタン酸塩など[これらが好 ましい]、並びに鉱酸のコバルト塩例えば塩化物、フッ化物、硫酸塩、スルホン 酸塩などを含む。これらのコバルト塩の混合物もまた使用できる。しかしながら 、混合物を使用する時には、混合物の少なくとも一つの成分が6〜12の炭素原 子のアルカン酸コバルトであることが好ましい。コバルトの原子価状態は還元す ることができ、そしてコバルト含有錯体は、水素及び一酸化炭素の雰囲気中で溶 液を加熱することによって生成させることができる。この還元は触媒の使用に先 立って実施することができるか、又はそれはヒドロホルミル化ゾーン中でのヒド ロホルミル化方法と同時に達成することができる。その代わりに、触媒は、コバ ルトの一酸化炭素錯体から製造することができる。例えば、二コバルトオクタカ ルボニルから出発することが可能でありそして、この物質を適切なホスフィン配 位子と加熱することによって、この配位子が1つ以上の、好ましくは少なくとも 2つの一酸化炭素分子と置き換わり、所望の触媒を生成させる。この後者の方法 を炭化水素溶媒中で実施する時には、熱い炭化水素溶液を冷却することによって 、錯体を結晶の形で沈殿させることができる。この方法は、触媒中の一酸化炭素 分子及びホスフィン配位子分子の数を制御するために非常に好都合である。かく して、二コバルトオクタカルボニルに添加するホスフィン配位子の割合を増すこ とによって、より多くの一酸化炭素分子が置換される。 1,2−エポキシド供給物対ホスフィンで改質されたコバルトカルボニル錯体 の最適な比は、用いられる特定のコバルト錯体に部分的には依存する。しかしな がら、2:1〜10,000:1の1,2−エポキシド対コバルト錯体のモル比 が一般には満足であり、そして50:1〜500:1のモル比が好ましい。バッ チ方法を使用する時には、上の比は初期の出発条件のことを言うことが理解され る。一つの実施態様においては、ジターシャリーホスフィンで改質されたコバル トカルボニル錯体を予備生成された物質として用いるが、これは、ジターシャリ ーホスフィン配位子の存在下でコバルト塩と一酸化炭素及び水素との反応によっ て製造され、次に単離されそして引き続いて本発明の方法において利用される。 代わりの実施態様においては、ジターシャリーホスフィンで改質されたコバルト 錯体を、触媒錯体中へのその導入が望ましいジターシャリーホスフィン配位子と 一緒のコバルト塩又は二コバルトオクタカルボニルの反応混合物への添加によっ てその場で製造する。 実際には、ジターシャリーホスフィンで改質されたコバルト錯体を、コバルト 錯体のジターシャリーホスフィン配位子と同一であるか又はそれとは異なる少な い割合の過剰のジターシャリーホスフィン配位子と共に用いることが好ましい。 過剰のホスフィンの役割は確かには知られていないけれども、反応系中でのその 存在は、触媒活性を促進又はその他のやり方で改質するように見える。触媒錯体 に関連して利用されるリン:コバルトの原子比は、0.1:1〜3:1、好まし くは0.5:1〜2:1、更に好ましくは1:1〜1.5:1の範囲であろう。 約1.25:1の比が特に好ましい。 本発明の方法のもう一つの実施態様においては、付加的なルテニウム触媒が、 本発明の方法において用いられる触媒系中に存在する。このルテニウムは、主要 なコバルト成分の濃度に依存した濃度で存在しなければならない。それは、10 00:1〜1:100、好ましくは100:1〜1:10そして更に好ましくは 50:1〜1:5の範囲のCo:Ruの原子比で存在しなければならない。 ルテニウムの形態は重要ではない。かくして、それは、可溶性の均一な成分の 形で若しくは細かく分割された金属として存在しても良く、又は反応混合物中に 懸濁される担体の上に支持されても良く又は固定床中で利用されても良い。 可溶性ルテニウム成分は、多数の形態例えば無機塩例えば硝酸ルテニウム、硫 酸ルテニウム、フッ化ルテニウム、塩化ルテニウム、臭化ルテニウム。ヨウ化ル テニウム、酸化ルテニウム及びリン酸ルテニウム、又は有機ルテニウム塩例えば ギ酸ルテニウム、酢酸ルテニウム、プロピオン酸ルテニウム、酪酸ルテニウム、 ルテニウムアセトニルアセトナートなど、又は芳香族ルテニウム塩例えば安息香 酸ルテニウム、フタル酸ルテニウム、ナフテン酸ルテニウムなど、又はカルボニ ル例えばビス−[ルテニウムトリカルボニルジクロリド]若しくはビス−[ルテ ニウムトリカルボニルジブロミド]などの任意の形態で添加することができる。 ルテニウム錯体は、しばしば塩よりも可溶性であり、そしてそれ故、高濃度の 均一なルテニウム溶液が望まれる場合には一層望ましい。これらの錯体は、ルテ ニウム(III)トリス−(2,4−ペンタンジオナート)、三ルテニウムドデカ カ ルボニル、ルテニウム(II)ジクロロトリス−(トリフェニルホスフィン)、ル テニウム(II)ジクロロテトラキス−(トリフェニルホスフィン)、ルテニウム (II)ヒドリドクロロトリス−(トリフェニルホスフィン)、又はこのグループ の趣旨内のその他の可溶性ルテニウム錯体を含む。コバルトカルボニル錯体を生 成させるために使用される上で述べたホスフィンのルテニウム錯体が特に適切で ある。 不溶性の又は不均一なルテニウムの形態も、十分に水素に富んだ雰囲気又は還 元性環境の下で細かく分割されたルテニウムを与えるであろう上で述べた形態の 任意のものとして導入することができる。その代わりに、適切な支持体の存在下 で可溶性ルテニウム形態を還元し、支持体例えば活性炭、アルミナ、シリカゲル 又はゼオライトの上に堆積された細かく分割されたルテニウムを与えることによ って、不溶性ルテニウムを製造することもできる。その他の形態例えばルテニウ ム粉末、インゴット、ショット、スポンジ又はワイヤもまた、それらが機械的手 段によって十分に細かく分割することができる場合には含めることができる。 本発明の方法は、不活性溶媒中の液相溶液中で実施する。反応物及び触媒に対 して不活性でありそして反応温度及び圧力において液体である多様な溶媒が幾分 使用できる。適切な溶媒の例は、炭化水素、特に16までの炭素原子の芳香族炭 化水素例えばベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼン及びブチルベンゼ ン;アルカン例えばヘキサン、オクタン、ドデカンなど;アルケン例えばヘキセ ン、オクテン、ドデセンなど;アルコール例えばt−ブチルアルコール、ヘキサ ノール、ドデカノール更にアルコキシル化アルコール;ニトリル例えばアセトニ トリル、プロピオニトリルなど;ケトン、特に16までの炭素原子の全体が脂肪 族のケトン、即ち、アルカノン例えばアセトン、メチルエチルケトン、ジエチル ケトン、メチルイソブチルケトン、エチルヘキシルケトン及びジブチルケトン; 16までの炭素原子のエステル、特に1以上、好ましくは1〜2のカルボキシル 基を有する脂肪族又は芳香族カルボン酸であるカルボン酸の低級アルキルエステ ル例えば酢酸エチル、プロピオン酸メチル、酪酸プロピル、安息香酸メチル、グ ルタル酸ジエチル、フタル酸ジエチル及びテレフタル酸ジメチル;並びに環式又 は非環式エーテルであるそして全体が脂肪族のエーテルである、16までの炭素 原子及び4までのエーテル酸素原子のエーテル例えばジエチルエーテル、ジイソ プロピルエーテル、ジブチルエーテル、エチルヘキシルエーテル、メチルオクチ ルエーテル、ジメトキシエタン、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエ チレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールジブチルエーテル、 テトラグリム、グリセロールトリメチルエーテル、1,2,6−トリメトキシヘ キサン、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン、1,3−ジオキサン、1, 3−ジオキソラン及び2,4−ジメチル−1,3−ジオキサン、又は少なくとも 部分的に芳香族であるエーテル例えばジフェニルエーテル、フェニルメチルエー テル、1−メチルナフタレン、フェニルイソプロピルエーテル;ハロゲン化炭化 水素例えばクロロベンゼン、ジクロロベンゼン、フルオロベンゼン、塩化メチル 、二塩化メチレンである。溶媒の混合物もまた利用することができる。 用いられるべき溶媒の量は重要ではない。反応溶媒対エチレンオキシド反応物 の典型的なモル比は、5:1〜150:1で変わる。 溶媒の適切な選択は生成物回収を増す可能性がある。適切な極性を有する溶媒 を選択することによって、反応混合物の冷却に際して2相系が生成し、そして一 つの相中には触媒及び配位子がそして第二相中には生成物である3−ヒドロキシ プロパナール及び1,3−プロパンジオールが選択的に分配されるであろう。こ れは、触媒及び配位子の一層容易な分離並びにそれらの反応器へのリサイクル戻 しを可能にするであろう。2相分離方法を使用する時には、反応混合物中では望 ましくないであろう溶媒例えば水及び酸を、一つの相への生成物のそして他の一 つの相への触媒/配位子の分配を増すために使用することができる。 1相系における使用のための例示の溶媒は、ジエチレングリコール、テトラグ リム、テトラヒドロフラン、t−ブチルアルコール及びドデカノールである。冷 却に際して2相系を与えるための使用のための例示の溶媒は、トルエン、1−メ チルナフタレン、キシレン、ジフェニルエーテル及びクロロベンゼンである。 本発明の方法は、1,2−エポキシド反応物及び触媒を一酸化炭素及び分子状 水素と接触させることから成る。最も適切に用いられる一酸化炭素対水素のモル 比は4:1〜1:6であり、そして1:1〜1:4の比を利用する時に最善の結 果が得られる。一酸化炭素及び水素に関しては何ら特別な注意を払う必要はなく 、そして市販のグレードのこれらの反応物で満足である。一酸化炭素及び水素は 適切には別々の物質として用いるが、これらの物質の市販の混合物、例えば合成 ガスを用いることがしばしば有利である。 ヒドロホルミル化反応混合物への小量の酸及び促進金属塩の添加は、触媒の活 性を増すことによってエチレンオキシドの転換を更に増す又は促進することがで きる。酸は、本明細書中では、反応条件下でプロトンを供与することができる化 合物を意味すると定義される。 適切な酸は、痕跡量ないし利用される触媒のモル量の2倍までの範囲の量の無 機酸例えばHCl、HBr、HI、ホウ酸及び有機酸を含むことができる。適切 な有機酸は、1〜16の炭素数を有する有機酸、例えばカルボン酸、スルホン酸 、ホスホン酸、ホスフィン酸並びに反応条件下でプロトンを供与するであろうそ の他の有機化合物例えばイミダゾール、ベンゾイミダゾール、ピリジニウム塩、 ピラジニウム塩、ピリミジニウム塩、特に上で述べた酸の塩を含む。有機酸の非 限定的な例は、酢酸、プロピオン酸、ヘキサン酸、2−エチルヘキサン酸、オク タン酸、3−(フェニルスルホニル)−プロピオン酸、p−トルエンスルホン酸 、2−カルボキシエチルホスホン酸、エチルホスホン酸、n−ブチルホスホン酸 、t−ブチルホスホン酸、フェニルホスホン酸、フェニルホスフェン酸(phe nylphosphenic acid)、フェニルホウ酸、p−トルエンスル ホン酸ピリジニウム及びオクタン酸ピリジニウムを含む。 促進剤の酸を供給するためのもう一つの適切な方法は、反応条件下でコバルト カルボニル及び有機酸に転換するであろう、有機酸のコバルト塩を触媒前駆体と して使用することである。このような前駆体の塩は、酢酸コバルト、2−エチル ヘキサン酸コバルト、安息香酸コバルト、ギ酸コバルト及びオレイン酸コバルト を含む。反応混合物中に存在する触媒中の酸促進剤のグラム当量対コバルトのグ ラム原子の比は、一般に0.001:1〜4:1、好ましくは0.01:1〜2 :1の範囲であろう。 なお一層増進された促進効果を与えるために、促進量の酸と一緒に促進量の金 属塩もまた反応混合物に添加することができる。元素の周期表(CAS版)のI A族、IIA族、IIB族、IIIB族及び希土類周期の金属の塩から選ばれた促進量 の 一種以上の金属塩もまた、促進量の酸と一緒に反応混合物に添加することができ る。IA族は、リチウムからセシウムまでのアルカリ金属から成る。IIA族は、 カルシウムからバリウムまでのアルカリ土類金属から成る。IIB族は、亜鉛、カ ドミウム及び水銀から成る。IIIB族は、スカンジウム、イットリウム及びラン タンから成る。希土類族は、セリウムからルテチウムまでから成る。反応混合物 中に少なくとも部分的に可溶性である上で述べた族からの任意の金属塩が適切で ある。無機塩及び有機塩の両方が適切である。無機塩中に含まれるのは、ハロゲ ン化物、クロム酸塩、硫酸塩、ホウ酸塩、炭酸塩、重炭酸塩、塩素酸塩、リン酸 塩などである。特に望ましい有機塩は、1〜20の範囲の炭素数を有するカルボ ン酸の塩である。共促進剤として適切であると見い出された金属塩の例は、ハロ ゲン化物例えば臭化物、ヨウ化物及び塩化物、カルボン酸塩例えば酢酸塩、プロ ピオン酸塩及びオクタン酸塩、ホウ酸塩、硝酸塩、硫酸塩及び類似物を含む。一 般に、1,2−エポキシド、反応溶媒又はヒドロホルミル化生成物と反応しない 金属塩が、酸との共促進剤として適切である。反応混合物中に存在する触媒中の 塩促進剤の金属のグラム当量対コバルトのグラム原子の比は、一般に0.001 :1〜2:1、好ましくは0.01:1〜1:1、そして更に好ましくは0.1 :1〜0.5:1の範囲であろう。 好ましい実施態様においては、ヒドロホルミル化反応の生成物を更に水素化し て、実質的に1,3−ジオールから成る生成物を製造する。好ましくは、ヒドロ ホルミル化生成物を、水素化する前に触媒から分離する。水素化に先立って生成 物に不活性溶媒を添加しても良く、又は、ヒドロホルミル化反応において不活性 な(水素化に対して)溶媒を使用した場合には、それを生成物と共に分離しそし て水素化反応器に移しても良い。水素化触媒は、当該技術において使用される良 く知られた水素化触媒の任意のもの例えばラネーニッケル、パラジウム、白金、 ルテニウム、ロジウム、コバルト及び類似物で良い。容易にそして経済的に製造 することができ、高度の活性を有し、そしてこの活性を長期間の間保留する金属 又は金属の化合物を水素化触媒として用いることが望ましい。水素化触媒は、均 一に、細かく分割された形でそして反応混合物全体に分散させて用いることがで き、又は好ましくはそれは、支持体又は担体物質例えばアルミナ、カーボン又は 類似物の上で用いることができる。好ましい触媒は、ラネーニッケル及び支持さ れた白金、特にカーボン上の白金である。水素化条件は、345〜68948k Pa(50〜10,000psi)の範囲の圧力及び30〜175℃の範囲の温 度を含む。使用される水素化ガスは、分子状水素又はヒドロホルミル化反応のた めに使用されるもののような水素及び一酸化炭素の混合物である。 本明細書及び請求の範囲中で与えられる範囲及び限定は、本発明を特に指摘し そして明確に特許請求すると信じられる範囲及び限定である。しかしながら、同 一の又は実質的に同一の結果を得るために実質的に同一のやり方で実質的に同一 の機能を果たす他の範囲及び限定もまた、本明細書及び請求の範囲によって規定 される本発明の範囲内にあることが意図されていることが理解される。例示の実施態様I 実施例及び表において、以下の略号を使用する: EO/PDO/3−HPA エチレンオキシド/1,3−プロパンジオール/3 −ヒドロキシプロパノール、 PO/BDO/3−HBA プロピレンオキシド/1,3−ブタンジオール/3 −ヒドロキシブタノール、 9−PHOSPHA 1,2−ビス(9−ホスファビシクロノニル)エタ ン、 DIPHOS 1,2−ビス(ジフェニルホスフィノ)エタン、 BDCHP 1,2−ビス(ジシクロヘキシルホスフィノ)エタ ン、 TBP トリ−n−ブチルホスフィン、及び TPP トリフェニルホスフィン。 “EO転換速度”とは、1時間あたりに転換されたEOのグラムでの速度を指す 。“PDO前駆体”は、水素化するとPDOを生成させる化合物であり、そして 主に3−HPAを含み、そして小量の3−HPAのダイマー、トリマー及びその 他のオリゴマーが存在する。小量のアクロレイン及びプロピオンアルデヒドもま た含まれる。殆どのアクロレインは、分析の間の3−HPAの分解の結果として のガスクロマトグラフ(GC)測定方法の人為的な結果である。ヒドロホルミル 化反応の完結後のその場での赤外分光分析は、生成物中にアクロレインが存在し ないことを示した。温度を下げること及びGC機器の注入口を化学的にパシファ イすること(passifying)は、これらの人為的なピークの高さを劇的 に低くしたが、これはそれが精々小量の生成物(1〜2%)に過ぎないことを示 す。 この例示の実施態様においては、好ましい配位子によってキレート化された触 媒を製造し、そしてエチレンオキシドのヒドロホルミル化に関して試験し、そし て好ましくない配位子から製造された触媒と比較する。その場での触媒製造及びヒドロホルミル化: 実施例1〜2 不活性雰囲気中で、100mlの空気撹拌Parrオートクレーブに、228 mg(0.66ミリモル)のオクタン酸コバルト、155mg(0.50ミリモ ル)の9−PHOSPHA([4.2.1]及び[3.3.1]異性体の混合物 として)並びに23mlの乾いた窒素パージしたトルエン−クロロベンゼン溶液 (5:1体積比)を仕込んだ。このオートクレーブを、密封しそして水素−一酸 化炭素ガス混合物(1:1のモル比)で9065kPa(1300psig)ま で加圧した。反応物を撹拌しそして10443kPa(1500psig)で3 0分間130℃で加熱した。次に反応器を5℃の内部温度まで冷却し、そしてガ スを抜いてオートクレーブを周囲圧力にした。 EO(4.5g、102ミリモル)を反応器に添加し、そして次に反応器を加 熱しそして水素−一酸化炭素ガス(1:1のモル比)の9754〜10443k Pa(1400〜1500psig)の圧力で105℃で3時間撹拌した。 5℃に冷却後、反応器を窒素でパージし、そして2相生成物混合物を収集し、 約29gの溶媒相及び約2gの油相を得た。これらの2相を独立にガスクロマト グラフィーによって分析した。結果を実施例1として表1中に示す。 水素/一酸化炭素比を4:1に変えた以外は実施例1を繰り返した。結果を実 施例2として表1中に提示する。 実施例3〜6 種々の値の9−PHOSPHA配位子対コバルトのモル比を使用した以外は、 実施例1中で述べた手順、触媒及び条件を使用してエチレンオキシドのヒドロホ ルミル化を繰り返した。結果を表2中に示す。 実施例7〜11 実施例1中で述べた手順を使用してEOのヒドロホルミル化を繰り返したが、 以下の差があった:反応温度及び配位子を異なる実施例において変えそして表3 中に示した。結果を表3中に示す。本発明のものではないホスフィン配位子もま た試験したが、結果を表3中に示す(C−1〜C−8)。 実施例12〜15 二コバルトオクタカルボニル(0.33ミリモル)をコバルトソースとして使 用しそして種々のモル比の9−PHOSPHA対コバルトを使用した以外は、実 施例1の手順を使用して、エチレンオキシドのヒドロホルミル化を繰り返した。 結果を表4中に示す。 実施例16〜18 コバルトオクタカルボニルをコバルトソースとして使用した以外は、実施例1 の手順(及び配位子)を使用して、EOのヒドロホルミル化を繰り返した。酸を 使用しなかった対照実験以外は、促進剤として種々の酸を使用した。結果を表5 中に示す。 上の反応において促進剤として使用する時には以下の酸もまた、転換されるE Oの量(モル%)を増すことが見い出された:2−カルボキシエチルホスホン酸 (13%)、n−ブチルホスホン酸(16%)、フェニルホスホン酸(14.5 %)、t−ブチルホスホン酸(18.5%)、3−(フェニルスルホニル)−プ ロピオン酸(22%)、フェニルホウ酸(18%)、フェニルホスフェン酸(3 6%)及びイミダゾール(26%)。実施例19及び20 90℃の反応温度を使用した以外は、実施例1の手順(及び配位子)を使用し て、EOのヒドロホルミル化を繰り返した。実施例19においては、2−エチル ヘキサン酸コバルトをコバルトソースとして使用し、そして0.21ミリモルの 酢酸ナトリウムを触媒共促進剤として触媒製造ステップにおいて添加した。実施 例20においては、二コバルトオクタカルボニルをコバルトソースとして使用し 、そして0.21ミリモルの酢酸ナトリウムを触媒促進剤として添加した。結果 を表6中に示す。 例示の実施態様II:ヒドロホルミル化生成物の水素化: 実施例21 上の実施例1のようなEOヒドロホルミル化反応からの反応生成物の10gを 、40gの脱イオン水及び2gのラネーニッケル触媒と一緒に300mlのオー トクレーブに仕込んだ。オートクレープを水素でフラッシュし、水素で6996 kPa(1000psig)に加圧し、そして110℃で5時間加熱した。オー トクレーブを室温に冷却し、過剰のガスを抜き、そしてガスクロマトグラフィー 及び質量分光による分析のためにサンプルを取り出した。この分析は、水溶液中 の主な生成物としてPDOを示した。PDOへの選択率は約90%であると推定 され、そして80%を越える3−HPAがジオールに転換した。実施例22 18gのヒドロホルミル化生成物、42gの水及び1.5gのモリブデン促進 ラネーニッケルをオートクレーブに仕込み、そして4137kPa(600ps i)の反応圧力及び60℃の反応温度を使用した以外は、実施例21を繰り返し た。水素化生成物の分析は、3−HPAが主な生成物としてのPDOに転換され たことを示した。例示の実施態様III この例示の実施態様においては、本発明の酸/塩促進剤によって促進された好 ましい配位子でキレート化された触媒を製造し、そしてEOのヒドロホルミル化 に関して試験し、そして本発明の促進剤系によって促進されていない触媒と比較 する。その場での触媒製造及びヒドロホルミル化: 実施例23、24 113mg(0.33ミリモル)の二コバルトオクタカルボニル及び117m g(0.21ミリモル)の酢酸ナトリウムを使用した以外は、実施例1を繰り返 した。結果を表7中に示す。 228mg(0.66ミリモル)の2−エチルヘキサン酸コバルトをコバルト ソースとして使用した以外は、実施例23を繰り返した。結果(実施例24)を 表7中に提示する。コバルトとしての酢酸コバルトの使用は類似の結果を与える 。実施例25〜34、C−9〜C−13 表7中の実施例25〜34は、実施例23と同じ様式で、しかし0.66ミリ モルの2−エチルヘキサン酸コバルトをコバルトソースとしてそして異なる塩を 塩促進剤として使用して実施した実施例である。 表7中の実施例C−9〜C−13は、実施例23と同じ様式で、しかし酸促進 剤、塩促進剤、又は酸と塩の両方の促進剤なしで実施した、実施態様IIIに関す る比較例である。実施例35〜41 異なる量の塩促進剤を使用して実施例24を繰り返した。これらの結果を表8 中に示す。実施例42〜43 表9中に示した温度でそして4:1の水素対一酸化炭素の比及び1.25:1 の触媒中のリン対コバルトの比で、実施例24を繰り返した。結果を表9中に示 す。 実施例44〜46 80℃でそして表10中に示した圧力で実施例24を繰り返した。 例示の実施態様IV この例示の実施態様においては、キレート化ホスフィン配位子の酸化を例示す る。 ゴム隔膜、温度計及びガスストップコックを備えた100mlの三ッ口丸底フ ラスコ中に1.56gの9−PHOSPHAを仕込んだ。撹拌棒を加え、そして 25mlのエタノールをフラスコ中に注いだ。次に混合物をアルゴンで脱気した 。アルゴンを満たした風船をガス入り口に取り付け、そして混合物を室温で15 分間撹拌した。0.36gの(30容量%)水性過酸化水素溶液を、ゴム隔膜及 びガスストップコックを備えた10mlの二ッ口フラスコ中に量り込んだ。5m lのエタノールをシリンジによって隔膜を通して添加し、そして次にこの混合物 をアルゴンで脱気した。カニューレのための長さのテフロンチューブを切り、そ して各々の端に12ゲージの針を糸で取り付けた(threaded)。小さな 方のフラスコのゴム隔膜を1本の針で貫き、そして次にこの針を引き出して、チ ューブを液体レベルよりも上の所定の場所に残した。アルゴンの流れを開始して 、チューブ全体をフラッシュした。大きい方のフラスコの隔膜をもう1本の針で 貫き、次に針を取出し、チューブを液体レベルよりも約0.5インチ上の所定の 場所に残した。小さなフラスコ中のチューブをできる限り液体中に注意深く挿入 しそしてアルゴンの流れを使用して、ペルオキシド混合物から配位子混合物中へ の液体の流れを、それが一滴一滴移動するように調節した。この溶液を室温で1 時間撹拌した。 次にこの溶液を、脱気したエタノールを使用して固体を濯ぎ出しながら、窒素 雰囲気中で250mlの丸底フラスコに移した。ロータリーエバポレーター(r otovapor)を使用してエタノールを溶液から除去し、次に固体を真空下 で数時間乾燥した。酸素:リンの比を測定するために、生成した酸化されたホス フィン配位子をリン−31NMRによって分析した。その場での触媒製造及びヒドロホルミル化: 実施例47、48〜59 113mg(0.33ミリモル)の二コバルトオクタカルボニル、及び0.2 0の酸素対リンを与えるように上で述べたようにして酸化された204mg(0 .66ミリモル)の9−PHOSPHAを使用した以外は、実施例1を繰り返し た。結果を表11中に示す。 配位子対二コバルトオクタカルボニルの異なる値、異なる反応温度及びホスフ ィン配位子の酸化の異なる程度を使用した以外は、実施例47を繰り返した。結 果を実施例48〜59として表11中に提示する。 例示の実施態様V その場での触媒製造及びヒドロホルミル化: 実施例60 実施例1を繰り返したが、228mg(0.66ミリモル)の2−エチルヘキ サン酸コバルト、221mg(0.66ミリモル)の9−PHOSPHA及び7 4mgの[Ru(CO)3Cl22(0.29ミリモルのルテニウム、金属基準 )を使用した。結果を実施例60として表12中に示す。比較例C−14 ルテニウム共触媒を使用することなく、上の実施例を繰り返した。結果を実施 例C−14(実施態様Vに関する比較例)として表12中に示す。実施例61〜67 使用する促進剤塩、使用するホスフィン配位子及び使用するルテニウム化合物 を変えて、実施例65を繰り返した。これらの変化部分及び結果を表12中に示 す。実施例68〜74 異なる促進剤金属塩及び1.5時間の反応時間を使用して、実施例60を繰り 返した。三ルテニウムドデカカルボニルをルテニウムのソースとして使用した。 結果を表13中に示す。実施例75 130mg(0.42ミリモル)の9−PHOSPHA、17mg(0.21 ミリモル)の酢酸ナトリウム、及びその表面上に5重量%のルテニウム金属が堆 積された1.0gの細かく分割された活性炭を使用した以外は、実施例60を繰 り返した。転換されたEOは63.2モル%であり、そして3−HPAへの選択 率は5.0モル%、PDOへの選択率は54.9モル%であった。 例示の実施態様VI この例示の実施態様においては、本発明の酸/塩促進剤によって促進された好 ましい配位子でキレート化された触媒を製造し、そしてEOのヒドロホルミル化 に関して試験し、そして本発明の促進剤系によって促進されていない触媒と比較 する。その場での触媒製造及びヒドロホルミル化: 実施例1を繰り返したが、228mg(0.66ミリモル)の2−エチルヘキ サン酸コバルト、155mg(0.50ミリモル)の9−PHOSPHA及び3 3mg(0.21ミリモル)の酢酸カルシウムを使用した。結果を実施例80と して表14中に示す。 上の実施例を繰り返したが、異なる量の促進剤塩及び異なる促進剤塩を使用し 、そして実施例82〜87に関しては3時間ではなく1.5時間の反応時間を使 用した。結果を表14中に示す。 表14中の実施例C−16は、上と同じ様式で、しかし塩促進剤なしで実施し た、実施態様VIに関する比較例である。 例示の実施態様VII この例示の実施態様においては、好ましい配位子でキレート化された触媒を製 造し、そしてPOのヒドロホルミル化に関して試験し、そして好ましくない配位 子から製造された触媒と比較する。その場での触媒製造及びPOのヒドロホルミル化: 実施例88 実施例1を繰り返したが、EOの代わりに6.6g(0.11モル)のPOを 使用しそして反応混合物を3時間90℃に加熱した。均一な反応混合物をオート クレーブから取り出すと、29.7gの透明な液体が得られた。反応混合物をガ スクロマトグラフィー及びGC/質量分光法によって分析すると、81.0%の 3−HBA及び小量の2−ブテナール副生成物へのPOの4.7%の転化率が示 された。この2−ブテナールは、GCカラムの上での3−HBAの分解から生じ る、GC分析の人為的な結果であると考えられる。分析に際して観察された小量 の2−ブテナールは、表15中に表示した3−ヒドロキシブタナール選択率に加 算した。実施例89〜97、C17−C18 POヒドロホルミル化の追加の実施例を、異なるコバルト前駆体、異なる塩及 び酸触媒促進剤、並びに異なる温度を使用して実施した。これらを表15中に示 す。実施例C17−C18は実施態様VIIに関する比較例である。実施例98〜106 実施例1を繰り返したが、62mg(0.097ミリモル)の三ルテニウムド デカカルボニル、18mg(0.21ミリモル)の酢酸ナトリウム、207mg (0.66ミリモル)の9−PHOSPHA及び6.6g(0.11モル)のP Oを使用した。反応混合物を90℃で3時間撹拌しそして加熱した。反応混合物 をオートクレーブから取り出すと、25.6gの透明で低粘度の上相液体及び3 .1gの透明でもっと粘性の下相液体が得られた。これらの2相をガスクロマト グラフィー及びGC/質量分光法によって分析すると、POから生成物への19 %の転化率が示された。反応生成物分布は、2%のアセトン(POの転位生成物 )、9%の3−HBA、87%の1,3−ブタンジオール、及びその大半がプロ ペンである2%の雑多な生成物であった。これらの結果を実施例99として表1 6中に要約する。比較実験も含む一連の他の実験を類似の条件下で実施したが、 それらを表16中に示す。例示の実施態様VIII その場での触媒製造、並びに1,2−エポキシヘキス−5−エン及び1,2−エ ポキシヘキサンのヒドロホルミル化:実施例107 実施例1を繰り返したが、EOの代わりに11.4g(0.11モル)の1, 2−エポキシヘキス−5−エンを使用しそして反応器を3時間90℃に加熱した 。反応混合物をオートクレーブから取り出すと、38.6gの均一で透明で琥珀 色の液体が得られた。反応混合物をガスクロマトグラフィー及びGC/質量分光 法によって分析すると、81.0%の3−ヒドロキシヘプト−6−エナール及び 幾つかの小量の未同定副生成物への9.2%の転化率が示された。実施例108及び109 実施例1を繰り返したが、62mg(0.097ミリモル)の三ルテニウムド デカカルボニル、18mg(0.21ミリモル)の酢酸ナトリウム、207mg (0.66ミリモル)の9−PHOSPHA及び11.4g(0.11モル)の 1,2−エポキシヘキサンを使用した。反応物を90℃で3時間撹拌しそして加 熱した。反応混合物をオートクレーブから取り出すと、33.15gの均一で透 明な液体が得られた。反応混合物をガスクロマトグラフィー及びGC/質量分光 法によって分析すると、1,2−エポキシヘキサンから生成物への8%の転化率 が示された。反応生成物分布は、5%の2−ヘキサノン(1,2−エポキシヘキ サンの転位生成物)、50%の3−ヒドロキシヘプタナール、18%の1,3− ヘプタンジオール、並びに1−ヘキセン、ペンタナール及びその他の未同定生成 物から成る27%の雑多な生成物であった。 もう一つの実験を、酢酸ナトリウムを削除した以外は同じ条件下で実施した。 分析は、1,2−エポキシヘキサンから生成物への5%の転化率を示した。反応 生成物分布は、3%の2−ヘキサノン(1,2−エポキシヘキサンの転位生成物 )、78%の3−ヒドロキシヘプタナール、0%の1,3−ヘプタンジオール、 並びに1−ヘキセン、ペンタナール及びその他の未同定生成物から成る19%の 雑多な生成物であった。
【手続補正書】特許法第184条の7第1項 【提出日】1994年5月5日 【補正内容】 補正請求の範囲 1.(a)少なくとも2の炭素原子を有する1,2−エポキシド、 (b)ジターシャリーホスフィンで改質されたコバルトカルボニル触媒[ここ で、このホスフィンはヒドロカルビレン−ビス(モノホスファビシクロアルカン )から成り、その中で各々のリン原子はヒドロカルビレンに結合していてそして 橋の頭の原子ではない橋かけ結合のメンバーであり、そしてこのヒドロカルビレ ン−ビス(モノホスファビシクロアルカン)は11〜300の炭素原子を有し、 それらの5〜12の炭素原子はリン原子と一緒に2つの二環式骨格構造の各々の メンバーである]、 (c)一酸化炭素、及び (d)水素[ここで、一酸化炭素対水素のモル比は4:1〜1:6、好ましく は1:1〜1:4である] を、不活性反応溶媒中の液相溶液中で30〜150℃の温度及び345〜689 48kPa(50〜10,000psi)の圧力で密に接触させることから成る 、1,2−エポキシドをヒドロホルミル化することによって1,3−ジオール及 び3−ヒドロキシアルデヒドを作るための方法。 2. 前記触媒が触媒促進剤を含む、請求の範囲第1項に記載の方法。 3. 触媒促進剤が酸から成る、請求の範囲第2項に記載の方法。 4. 触媒中の酸のグラム当量対コバルトのグラム原子の比が0.001〜4: 1、好ましくは0.01〜2:1の範囲にある、請求の範囲第3項に記載の方法 。 5. 触媒促進剤が元素の周期表(CAS版)のIA族、IIA族、IIB族、III B族及び希土類周期の金属の塩から選ばれた金属塩促進剤から成る、請求の範囲 第2〜4項のいずれか一項に記載の方法。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI C07C 47/19 // C07B 61/00 300 (31)優先権主張番号 013,836 (32)優先日 1993年2月5日 (33)優先権主張国 米国(US) (31)優先権主張番号 091,107 (32)優先日 1993年7月13日 (33)優先権主張国 米国(US) (31)優先権主張番号 091,108 (32)優先日 1993年7月13日 (33)優先権主張国 米国(US) (31)優先権主張番号 130,258 (32)優先日 1993年10月1日 (33)優先権主張国 米国(US) (31)優先権主張番号 130,260 (32)優先日 1993年10月1日 (33)優先権主張国 米国(US) (81)指定国 EP(AT,BE,CH,DE, DK,ES,FR,GB,GR,IE,IT,LU,M C,NL,PT,SE),AU,BR,CA,CN,J P,KR,NO (72)発明者 アーハンセツト,ジユアン・ペドロ アメリカ合衆国テキサス州77450 ケイテ イー、キヤツスル・ベンド・ドライヴ 20667 (72)発明者 リン,ジヤン−ジエン アメリカ合衆国テキサス州77083 ヒユー ストン、ロツク・ノール・ドライヴ 15031

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1.(a)2より多い炭素原子を有する1,2−エポキシド、 (b)ジターシャリーホスフィンで改質されたコバルトカルボニル触媒[ここ で、このホスフィンはヒドロカルビレン−ビス(モノホスファビシクロアルカン )から成り、その中で各々のリン原子はヒドロカルビレンに結合していてそして 橋の頭の原子ではない橋かけ結合のメンバーであり、そしてこのヒドロカルビレ ン−ビス(モノホスファビシクロアルカン)は11〜300の炭素原子を有し、 それらの5〜12の炭素原子はリン原子と一緒に2つの二環式骨格構造の各々の メンバーである]、 (c)一酸化炭素、及び (d)水素[ここで、一酸化炭素対水素のモル比は4:1〜1:6、好ましく は1:1〜1:4である] を、不活性反応溶媒中の液相溶液中で30〜150℃の温度及び345〜689 48kPa(50〜10,000psi)の圧力で密に接触させることから成る 、1,2−エポキシドをヒドロホルミル化することによって1,3−ジオール及 び3−ヒドロキシアルデヒドを作るための方法。 2. 前記触媒が触媒促進剤を含む、請求の範囲第1項に記載の方法。 3. 触媒促進剤が酸から成る、請求の範囲第2項に記載の方法。 4. 触媒中の酸のグラム当量対コバルトのグラム原子の比が0.001〜4: 1、好ましくは0.01〜2:1の範囲にある、請求の範囲第3項に記載の方法 。 5. 触媒促進剤が元素の周期表(CAS版)のIA族、IIA族、IIB族、III B族及び希土類周期の金属の塩から選ばれた金属塩促進剤から成る、請求の範囲 第2〜4項のいずれか一項に記載の方法。 6. 触媒中の金属塩のグラム当量対コバルトのグラム原子の比が0.001: 1〜2:1、好ましくは0.01〜1:1、更に好ましくは0.1:1〜0.5 :1の範囲にある、請求の範囲第5項に記載の方法。 7. 付加的なルテニウム触媒が存在する、請求の範囲第1〜4項のいずれか一 項に記載の方法。 8. Co:Ruの原子比が1000:1〜1:100、好ましくは100:1 〜1:10、更に好ましくは50:1〜1:5の範囲にある、請求の範囲第7項 に記載の方法。 9. 前記コバルトカルボニル触媒とキレート化する前に、約0.5よりも大き くない酸素対リンの比を与えるようにホスフィンを部分的に酸化する、請求の範 囲第1〜8項のいずれか一項に記載の方法。 10. 0.01:1〜0.5:1、好ましくは0.05:1〜0.3:1の範 囲の酸素対リンの比を与えるようにホスフィンを部分的に酸化する、請求の範囲 第9項に記載の方法。 11. 1,2−エポキシドが、2〜30、好ましくは2〜20、更に好ましく は2〜10の範囲の炭素数を有する1,2−エポキシアルカン又は1,2−エポ キシアルケンから選ばれる、請求の範囲第1〜10項のいずれか一項に記載の方 法。 12. 1,2−エポキシドがエチレンオキシド又はプロピレンオキシド、好ま しくはエチレンオキシドである、請求の範囲第11項に記載の方法。 13. ホスフィンがα,Ω−ヒドロカルビレン−P,P’−ビス(モノホスフ ァビシクロノナン)であり、この環系において、(a)各々のリン原子は橋かけ 結合のメンバーであり、(b)各々のリン原子は橋の頭の位置にはなく、そして (c)各々のリン原子は他の二環式系のメンバーではなく、そして(d)最小の リン含有環は少なくとも4つの、好ましくは少なくとも5つの原子を含む、請求 の範囲第1〜12項のいずれか一項に記載の方法。 14. ホスフィンが式 [式中、Qは30までの炭素原子のヒドロカルビレンを表し、y及びzはそれら の和が0〜7である0又は正の整数を表し、y’及びz’は、y及びzの値とは 独立に、それらの和が0〜7である0又は正の整数を表し、そしてRは独立に水 素及び1〜30の炭素原子のアルキルを表す] のものである、請求の範囲第1〜13項のいずれか一項に記載の方法。 15. ホスフィン中で、Qがエチレン、プロピレン及びブチレンから選ばれる 、請求の範囲第1〜14項のいずれか一項に記載の方法。 16. ホスフィン中で、モノホスファビシクロノナンが9−ホスファビシクロ [4.2.1]ノナン、9−ホスファビシクロ[3.3.1]ノナン及びこれら の混合物から選ばれる、請求の範囲第1〜15項のいずれか一項に記載の方法。 17. 触媒中のリン対コバルト原子の比が0.1:1〜3:1、好ましくは0 .5:1〜2:1、更に好ましくは1:1〜1.5:1の範囲にある、請求の範 囲第1〜16項のいずれか一項に記載の方法。
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