JP3571720B2 - 1,3−ジオール及び3−ヒドロキシアルデヒドを作るための方法 - Google Patents

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Description

本発明は、選ばれたジターシャリー(二第三級)(ditertiary)ホスフィンで改良されたコバルトカルボニル触媒を使用して1,2−エポキシドをヒドロホルミル化することによって1,3−ジオール及び3−ヒドロキシアルデヒドを作るための方法に関する。
3−ヒドロキシアルデヒドは有用な化学的中間体である。それらは容易に1,3−ジオールに転換することができるが、1,3−ジオールは、凍結防止剤(1,3−プロパンジオール)として、そして繊維、添加剤、安定剤及び類似物に用途を見い出すポリエーテル、ポリエステル、ポリオキシアルカレングリコールの合成における化学的中間体として有用である。
米国特許第3,463,819号及び第3,456,017号は、ホスフィンで改良されたコバルトカルボニル触媒を使用して3−ヒドロキシアルデヒド及び1,3−ジオールを製造するためのエポキシドのヒドロホルミル化のための方法を教示している。これらの引用文献は、使用される出発エポキシドの量と比較して大量の触媒を使用する。大量の触媒の使用は、高価でありそして商業的方法を不経済にする可能性がある。エチレンオキシドよりも多い炭素数のエポキシドのヒドロホルミル化は、エチレンオキシドのヒドロホルミル化と比較する時に、より低い選択率及び収率の生成物をもたらす。
米国特許第3,687,981号は、エチレンオキシドのヒドロホルミル化において触媒として二コバルトオクタカルボニルを使用しそして触媒安定剤としてヒドロキノンを開示している。無機ハロゲン含有化合物、例えば塩化水素酸が、ヒドロホルミル化促進剤、即ち、エチレンオキシドから所望の生成物への転換を増す化合物として開示されている。痕跡量でも有用であると言われている。
米国特許第3,401,204号及び第3,527,818号においては、ジターシャリーホスフィン配位子及びそれらから製造されたコバルト触媒がオレフィンをアルコールにヒドロホルミル化するために適切であると述べられている。
本発明の一つの目的は、3以上の炭素数を有するエポキシドを高い収率で対応する3−ヒドロキシアルデヒド及び1,3−ジオール生成物にヒドロホルミル化するために、コバルト−ジターシャリーホスフィン配位子触媒から成る改善された触媒系を使用することである。従って、本発明は、
(a)少なくとも2の炭素原子を有する1,2−エポキシド、
(b)ジターシャリーホスフィンで改良されたコバルトカルボニル触媒[ここで、このホスフィンはヒドロカルビレン−ビス(モノホスファビシクロアルカン)から成り、その中で各々のリン原子はヒドロカルビレンに結合していてそして橋の頭の原子ではない橋かけ結合のメンバーであり、そしてこのヒドロカルビレン−ビス(モノホスファビシクロアルカン)は11〜300、好ましくは11〜200、更に好ましくは11〜100そして最も好ましくは18〜80の炭素原子を有し、それらの5〜12、好ましくは6〜12、更に好ましくは7〜12そして最も好ましくは8の炭素原子はリン原子と一緒に2つの二環式骨格構造の各々のメンバーである]、
(c)一酸化炭素、及び
(d)水素[ここで、一酸化炭素対水素のモル比は4:1〜1:6、好ましくは1:1〜1:4である]
を、不活性反応溶媒中の液相溶液中で30〜150℃の温度及び345〜68948kPa(50〜10,000psi)の圧力で密に接触させることから成る、1,2−エポキシドをヒドロホルミル化することによって1,3−ジオール及び3−ヒドロキシアルデヒドを作るための方法を提供する。
1,2−エポキシドを、ジターシャリーホスフィンで改質されたコバルトカルボニル触媒から成る触媒系の存在下での一酸化炭素及び水素との反応によってヒドロホルミル化する。反応生成物は、主に3−ヒドロキシアルデヒド(及びそれらのオリゴマー)並びに1,3−ジオールから成る。これらの2つの生成物の比は、反応混合物中に存在する触媒の量、反応温度及び/又は反応混合物中に存在する水素の量を調節することによって調節することができる。“3−ヒドロキシアルデヒド”という術語が本明細書中で使用される時には、3−ヒドロキシアルデヒドのモノマー並びにダイマー、トリマー及びより高次のオリゴマーを意味するものと理解される。3−ヒドロキシアルデヒド及び/又は1,3−ジオール生成物は、反応物エポキシドのものより1つ多い炭素原子を有するであろう。好ましい実施態様においては、比較的少ない量の触媒を使用して主にアルデヒド及びそのオリゴマーを製造し、そして次にこれらを慣用的な水素化触媒及び水素を使用する別の水素化ステップにおいて1,3−ジオールに水素化する。コバルト触媒のためのキレート化配位子としての特別なジターシャリーホスフィンの使用は、従来のホスフィン配位子の使用によってもたらされるものよりも高い、非常に高い収率のヒドロホルミル化生成物をもたらす触媒を結果として与える。
エポキシド反応物は、その2つの炭素が炭素−炭素単結合によってばかりかオキシ結合によって接続されている有機化合物から成る。好ましい化合物は、1,2−の位置にオキシ結合を有するものである。一般的には、これらの化合物は、少なくとも2の炭素数を有する、好ましくは2〜30、更に好ましくは2〜20、そして最も好ましくは2〜10の範囲の炭素数を有するヒドロカルビル−エポキシドから成る。ヒドロカルビル部分は、任意の非アセチレン性非環式又は環式の有機の基で良い。(非アセチレン性)非環式又は環式ヒドロカルビル基は、アリール、アルキル、アルケニル、アラルキル、シクロアルキル、直鎖、枝分れ鎖、大きい又は小さくて良いという点で広い変化が可能である。好ましい化合物は1,2−エポキシアルカン及び1,2−エポキシアルケンである。1,2−エポキシアルカンの適切な例は、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、イソブチレンオキシド、1,2−エポキシペンタン、1,2−エポキシ−4−メチルペンタン、1,2−エポキシオクタン、3−シクロヘキシル−1,2−エポキシプロパン、1,2−エポキシ−2,2,4−トリメチルヘキサン、1,2−エポキシデカン及び1,2−エポキシドデカンを含む。1,2−エポキシアルケンの適切な例は、1,2−エポキシペント−4−エン、1,2−エポキシヘキス−5−エン、1,2−エポキシ−4−メチルヘキス−5−エン、1,2−エポキシオクト−5−エン、1,2−エポキシデク−9−エン及び1,2−エポキシドデク−11−エンを含む。エチレンオキシド及びプロピレンオキシドが最も好ましい。
一つの実施態様(modification)においては、本発明の方法は、エポキシド反応物、触媒、必要に応じた触媒促進剤及び反応溶媒をオートクレーブ又は類似の圧力反応器に仕込み、そして反応混合物を反応温度で維持しながら水素及び一酸化炭素を導入することによって実施する。その代わりに、本発明の方法は、反応物、触媒及び必要に応じた触媒促進剤を、典型的には形が管状である反応器を経る通過の間に接触させることによるような連続的なやり方で実施する。最善の結果のためには、本発明の方法は、高められた温度及び圧力の条件下で実施する。反応温度は、30〜150℃、好ましくは50〜125℃、そして最も好ましくは70〜110℃の範囲である。反応圧力は、望ましくは345〜68948kPa(50〜10,000psi)、好ましくは3447〜20684kPa(500〜3000psi)の範囲にある。本発明の方法の一つの実施態様においては、不活性ガス状稀釈剤、例えば、アルゴン、ヘリウム、メタン、窒素及び類似物が存在し、この場合には、反応圧力は適切には希釈剤以外の物質の分圧の和であると考えられる。しかしながら、本発明の方法の好ましい実施態様においては、反応は実質的に希釈剤を添加しないで実施する。
反応の経過は、その場での赤外吸収技術により反応器内の圧力低下を観察することによって、又は反応系からのサンプルの周期的な取出し及び分析によって容易に追跡される。反応が終結すると、生成物混合物は、慣用的な方法例えば選択的抽出、分別蒸留、傾斜法、選択的結晶化及び類似の方法によって分離する。未反応出発物質並びに触媒及び反応溶媒は、次の反応のために適切にリサイクルする。
本発明の方法において用いられる触媒は、ジターシャリーホスフィンで改質されたコバルトカルボニル錯体である。特に好ましいジターシャリーホスフィンは、α,Ω−ヒドロカルビレン−P,P'−ビス(モノホスファビシクロノナン)から選ばれ、この環系において、(a)各々のリン原子は橋かけ結合のメンバーであり、(b)各々のリン原子は橋の頭の位置にはなく、そして(c)各々のリン原子は他の二環式系のメンバーではなく、そして(d)最小のリン含有環は少なくとも4つの、好ましくは少なくとも5つの原子を含む。リン原子上のヒドロカルビレン置換に加えて、環の炭素もまた置換されて良い。ヒドロカルビレンは、好ましくはエチレン、プロピレン及びブチレンから選ばれる。最も好ましくはヒドロカルビレンはエチレンであり、そしてジターシャリーホスフィンのモノホスファビシクロノナン部分は独立に9−ホスファビシクロ[4.2.1]ノナン及び9−ホスファビシクロ[3.3.1]ノナンから選ばれる。本明細書中で使用する時には、“9−ホスファビシクロノナニル”又は“9−ホスファビシクロノナン”という術語は、ホスファビシクロ[4.2.1]ノナン及び9−ホスファビシクロ[3.3.1]ノナン部分及びこれらの混合物を指す。
一般には、コバルト−カルボニル−ホスフィン錯体を生成させるために使用されるジターシャリーホスフィン配位子は、二環式複素環式ジターシャリーホスフィンから成る。このような化合物の一つの種類は、11〜300、好ましくは11〜200、更に好ましくは11〜100そして最も好ましくは18〜80の炭素原子を有し、そして式
Figure 0003571720
[式中、Qは30までの炭素原子のヒドロカルビレンを表し;Rは独立に水素及び1〜30の炭素原子のヒドロカルビルを表し;y及びzはそれらの和が0〜7である0又は正の整数を表し;y'及びz'は、y及びzの値とは独立に、それらの和が0〜7である0又は正の整数を表し;好ましくはy及びzは、それらの和が1〜7、更に好ましくは2〜7そして最も好ましくは3であり、そしてそれらの各々が最小値1を有する正の整数を表し;y'及びz'は、y及びzの値とは独立に、それらの和が1〜7、更に好ましくは2〜7そして最も好ましくは3であり、そしてそれらの各々が最小値を1有する正の整数を表す]
によって表される。上述の図式的な式及び本明細書中で以後に現れる式において、構造式の線の部分は、各々の示された交差点において飽和炭素原子を有する一般的な有機共有結合を表し、そして飽和は水素原子又は低級アルキル基の必要とされる数によることが理解されなければならない。
それ故、二環式複素環式ジターシャリーホスフィンの好ましいグループは、式I[式中、Qは2〜30、殊に2〜20の炭素のヒドロカルビレンを表し;y及びzは、それらの和が3でありそしてそれらの各々が最小値1を有する正の整数を表し;y'及びz'は、y及びzの値とは独立に、それらの和が3でありそしてそれらの各々が最小値1を有する正の整数を表し;そしてRが水素及び必要に応じて1〜20の炭素のヒドロカルビルを表す]によって表されるものを含む。
“ヒドロカルビレン”という術語は、その受け入れられる意味において、炭化水素の一つの炭素原子からの二つの水素原子又は好ましくは二つの異なる炭素原子の各々からの一つの水素原子の除去によって生成されるジラジカルを表すとして使用される。上の式中でQによって表されるヒドロカルビレン基は、炭素及び水素だけから成る任意の非アセチレン性の非環式又は環式の有機の基で良い。(非アセチレン性)非環式又は環式ヒドロカルビレン基が、アレン(arene)、アルキレン、アルケニレン、アラルキレン、シクロアルキレン、直鎖、枝分れ鎖、大きい又は小さくて良いという点で広い変化が可能である。代表的なヒドロカルビレン基は、メチレン、エチレン、トリメチレン、テトラメチレン、ブチレン、ペンタメチレン、ペンチレン、メチルペンチレン、ヘキサメチレン、ヘキセニレン、エチルヘキシレン、ジメチルへキシレン、オクタメチレン、オクテニレン、シクロオクチレン、メチルシクロオクチレン、ジメチルシクロオクチレン、イソオクチレン、ドデカメチレン、ヘキサデセニレン、オクタデカメチレン、エイコサメチレン、ヘキサコサメチレン、トリアコンタメチレン、フェニレンジエチレン及び類似物を含む。二環式複素環式ジターシャリーホスフィンの特に有用な種類は、酸素、水素及びリン原子だけを含むものである。置換されたヒドロカルビレン基もまた考えられそして官能基例えばカルボニル、カルボキシル、ニトロ、アミノ、ヒドロキシ(例えばヒドロキシエチル)、シアノ、スルホニル及びスルホキシル基を含むことができる。ジターシャリーホスフィンの特に有用な基は、Qが30までの炭素原子、好ましくは2〜30の炭素原子、更に好ましくは2〜20の炭素、なお更に好ましくは2〜10の炭素原子のヒドロカルビレンであるものから成る。好ましい実施態様においては、Qは、エチレン、プロピレン又はブチレン、更に好ましくはエチレンである。
“ヒドロカルビル”という術語は、その受け入れられる意味において、炭化水素の一つの炭素原子からの一つの水素原子の除去によって生成されるラジカルを表すとして使用される。上の式中でRによって表されるヒドロカルビル基は、炭素及び水素だけから成る任意の非アセチレン性の非環式又は環式の有機の基で良い。(非アセチレン性)非環式又は環式ヒドロカルビル基が、アリール、アルキル、アルケニル、アラルキル、シクロアルキル、直鎖、枝分れ鎖、大きい又は小さくて良いという点で広い変化が可能である。代表的なヒドロカルビル基は、メチル、エチル、ブチル、ペンチル、メチルペンチル、ヘキセニル、エチルヘキシル、ジメチルヘキシル、オクタメチル、オクテニル、シクロオクチル、メチルシクロオクチル、ジメチルシクロオクチル、イソオクチル、ドデシル、ヘキサデセニル、オクチル、エイコシル、ヘキサコシル、トリアコンチル、フェニルエチル及び類似物を含む。置換されたヒドロカルビル基もまた考えられそして官能基例えばカルボニル、カルボキシル、ニトロ、アミノ、ヒドロキシ(例えばヒドロキシエチル)、シアノ、スルホニル及びスルホキシル基を含むことができる。好ましくは、Rは、水素又はヒドロカルビル、1〜30、好ましくは1〜20そして最も好ましくは8〜20の炭素原子を有する好ましくはアルキルである。
ジターシャリーホスフィン配位子及びそれらから製造されるコバルト触媒は当該技術において知られていて、そしてそれらの製造方法は米国特許第3,401,204号及び第3,527,818号中に詳細に述べられている。
一般に、ジターシャリーホスフィンで改質されたコバルト錯体は、キレート化された分子内に存在するコバルトの各々の原子のために一つのリンキレート化原子を供給するのに十分な、付加的に存在するジターシャリーホスフィン配位子の二コバルトヘキサカルボニル錯体として特徴付けられる。
ホスフィン配位子はまた、コバルト配位子錯体の活性を増進するために部分的にホスフィンオキシドに酸化することができる。この酸化は、酸素がリンに結合するであろうが、リン−炭素、炭素−炭素及び炭素−水素結合が分裂しないであろうような温和な酸化条件下で酸化剤によって実施する。温度、酸化剤及び酸化剤濃度の適切な選択によって、このような温和な酸化が起こり得る。ホスフィン配位子の酸化は、触媒錯体の生成に先立って実施する。
適切な酸化剤は、ペルオキシ化合物、過硫酸塩、過マンガン酸塩、過クロム酸塩及びガス状酸素を含む。好ましい化合物は、制御の容易さのために、ペルオキシ化合物である。ペルオキシ化合物は、ペルオキシ(−O−O−)基を含む化合物である。適切なペルオキシ化合物は無機又は有機で良い。適切な無機化合物は、過酸化水素並びに水と接触すると過酸化水素を放出する無機化合物を含み、そしてこのような化合物は、一価、二価及び三価の金属ペルオキシド並びに過酸化水素付加化合物を含む。また適切であるのは、有機ペルオキシ化合物、例えばヒドロペルオキシド;α−オキシ−及びα−−ペルオキシ−ヒドロペルオキシド及びペルオキシド;ペルオキシド;ペルオキシ酸;ジアシルペルオキシド;並びにペルオキシエステルである。適切なペルオキシ有機化合物は、t−ブチルヒドロペルオキシド、クメンヒドロペルオキシド、ジベンゾイルペルオキシド及びペルオキシ酢酸を含む。前記酸化方法を実施するために適切なペルオキシ化合物は当該技術において知られていて、そして適切な例はThe Encyclopedia of Chemical Technology、17巻、1〜89頁、第3版(John Wiley & Sons、1982)中に見い出すことができる。
典型的には、酸化は、必要とされる程度の酸化を実施するために十分な測定された量の酸化剤を配位子に添加することによって実施する。配位子は適切な溶媒中に溶かすことができる。酸化剤は、典型的には、酸化条件を制御するために、時間の期間にわたってゆっくりと添加する。温度は、温和な酸化条件を与えるように維持する。酸化剤として過酸化水素を使用する時には、温度は、典型的には、室温に維持する。
配位子の酸化は、酸化された配位子生成物中に、平均で、リン原子あたり0.5よりも多くない酸素原子を供給するように実施する。好ましくは、酸化された配位子中の酸素原子対リン原子の比は、平均で、0.01:1〜0.5:1、そして更に好ましくは0.05:1〜0.3:1の範囲であろう。
本発明のコバルト触媒は多様な方法によって製造することができる。好都合な方法は、有機又は無機コバルト塩を所望のホスフィン配位子と、例えば、液相中で合わせ、引き続いて還元及びカルボニル化することである。適切なコバルト塩は、例えば、コバルトのカルボン酸塩、酢酸塩、オクタン酸塩など[これらが好ましい]、並びに鉱酸のコバルト塩例えば塩化物、フッ化物、硫酸塩、スルホン酸塩などを含む。これらのコバルト塩の混合物もまた使用できる。しかしながら、混合物を使用する時には、混合物の少なくとも一つの成分が6〜12の炭素原子のアルカン酸コバルトであることが好ましい。コバルトの原子価状態は還元することができ、そしてコバルト含有錯体は、水素及び一酸化炭素の雰囲気中で溶液を加熱することによって生成させることができる。この還元は触媒の使用に先立って実施することができるか、又はそれはヒドロホルミル化ゾーン中でのヒドロホルミル化方法と同時に達成することができる。その代わりに、触媒は、コバルトの一酸化炭素錯体から製造することができる。例えば、二コバルトオクタカルボニルから出発することが可能でありそして、この物質を適切なホスフィン配位子と加熱することによって、この配位子が1つ以上の、好ましくは少なくとも2つの一酸化炭素分子と置き換わり、所望の触媒を生成させる。この後者の方法を炭化水素溶媒中で実施する時には、熱い炭化水素溶液を冷却することによって、錯体を結晶の形で沈殿させることができる。この方法は、触媒中の一酸化炭素分子及びホスフィン配位子分子の数を制御するために非常に好都合である。かくして、二コバルトオクタカルボニルに添加するホスフィン配位子の割合を増すことによって、より多くの一酸化炭素分子が置換される。
1,2−エポキシド供給物対ホスフィンで改質されたコバルトカルボニル錯体の最適な比は、用いられる特定のコバルト錯体に部分的には依存する。しかしながら、2:1〜10,000:1の1,2−エポキシド対コバルト錯体のモル比が一般には満足であり、そして50:1〜500:1のモル比が好ましい。バッチ方法を使用する時には、上の比は初期の出発条件のことを言うことが理解される。一つの実施態様においては、ジターシャリーホスフィンで改質されたコバルトカルボニル錯体を予備生成された物質として用いるが、これは、ジターシャリーホスフィン配位子の存在下でコバルト塩と一酸化炭素及び水素との反応によって製造され、次に単離されそして引き続いて本発明の方法において利用される。代わりの実施態様においては、ジターシャリーホスフィンで改質されたコバルト錯体を、触媒錯体中へのその導入が望ましいジターシャリーホスフィン配位子と一緒のコバルト塩又は二コバルトオクタカルボニルの反応混合物への添加によってその場で製造する。
実際には、ジターシャリーホスフィンで改質されたコバルト錯体を、コバルト錯体のジターシャリーホスフィン配位子と同一であるか又はそれとは異なる少ない割合の過剰のジターシャリーホスフィン配位子と共に用いることが好ましい。過剰のホスフィンの役割は確かには知られていないけれども、反応系中でのその存在は、触媒活性を促進又はその他のやり方で改質するように見える。触媒錯体に関連して利用されるリン:コバルトの原子比は、0.1:1〜3:1、好ましくは0.5:1〜2:1、更に好ましくは1:1〜1.5:1の範囲であろう。約1.25:1の比が特に好ましい。
本発明の方法のもう一つの実施態様においては、付加的なルテニウム触媒が、本発明の方法において用いられる触媒系中に存在する。このルテニウムは、主要なコバルト成分の濃度に依存した濃度で存在しなければならない。それは、1000:1〜1:100、好ましくは100:1〜1:10そして更に好ましくは50:1〜1:5の範囲のCo:Ruの原子比で存在しなければならない。
ルテニウムの形態は重要ではない。かくして、それは、可溶性の均一な成分の形で若しくは細かく分割された金属として存在しても良く、又は反応混合物中に懸濁される担体の上に支持されても良く又は固定床中で利用されても良い。
可溶性ルテニウム成分は、多数の形態例えば無機塩例えば硝酸ルテニウム、硫酸ルテニウム、フッ化ルテニウム、塩化ルテニウム、臭化ルテニウム。ヨウ化ルテニウム、酸化ルテニウム及びリン酸ルテニウム、又は有機ルテニウム塩例えばギ酸ルテニウム、酢酸ルテニウム、プロピオン酸ルテニウム、酪酸ルテニウム、ルテニウムアセトニルアセトナートなど、又は芳香族ルテニウム塩例えば安息香酸ルテニウム、フタル酸ルテニウム、ナフテン酸ルテニウムなど、又はカルボニル例えばビス−[ルテニウムトリカルボニルジクロリド]若しくはビス−[ルテニウムトリカルボニルジブロミド]などの任意の形態で添加することができる。
ルテニウム錯体は、しばしば塩よりも可溶性であり、そしてそれ故、高濃度の均一なルテニウム溶液が望まれる場合には一層望ましい。これらの錯体は、ルテニウム(III)トリス−(2,4−ペンタンジオナート)、三ルテニウムドデカカルボニル、ルテニウム(II)ジクロロトリス−(トリフェニルホスフィン)、ルテニウム(II)ジクロロテトラキス−(トリフェニルホスフィン)、ルテニウム(II)ヒドリドクロロトリス−(トリフェニルホスフィン)、又はこのグループの趣旨内のその他の可溶性ルテニウム錯体を含む。コバルトカルボニル錯体を生成させるために使用される上で述べたホスフィンのルテニウム錯体が特に適切である。
不溶性の又は不均一なルテニウムの形態も、十分に水素に富んだ雰囲気又は還元性環境の下で細かく分割されたルテニウムを与えるであろう上で述べた形態の任意のものとして導入することができる。その代わりに、適切な支持体の存在下で可溶性ルテニウム形態を還元し、支持体例えば活性炭、アルミナ、シリカゲル又はゼオライトの上に堆積された細かく分割されたルテニウムを与えることによって、不活性ルテニウムを製造することもできる。その他の形態例えばルテニウム粉末、インゴット、ショット、スポンジ又はワイヤもまた、それらが機械的手段によって十分に細かく分割することができる場合には含めることができる。
本発明の方法は、不活性溶媒中の液相溶液中で実施する。反応物及び触媒に対して不活性でありそして反応温度及び圧力において液体である多様な溶媒が幾分使用できる。適切な溶媒の例は、炭化水素、特に16までの炭素原子の芳香族炭化水素例えばベンゼン、トルエン、キシレン、エチレンベンゼン及びブチルベンゼン;アルカン例えばヘキサン、オクタン、ドデカンなど;アルケン例えばヘキセン、オクテン、ドデセンなど;アルコール例えばt−ブチルアルコール、ヘキサノール、ドデカノール更にアルコキシル化アルコール;ニトリル例えばアセトニトリル、プロピオニトリルなど;ケトン、特に16までの炭素原子の全体が脂肪族のケトン、即ち、アルカノン例えばアセトン、メチルエチルケトン、ジエチルケトン、メチルイソブチルケトン、エチルヘキシルケトン及びジブチルケトン;16までの炭素原子のエステル、特に1以上、好ましくは1〜2のカルボキシル基を有する脂肪族又は芳香族カルボン酸であるカルボン酸の低級アルキルエステル例えば酢酸エチル、プロピオン酸メチル、酪酸プロピル、安息香酸メチル、グルタル酸ジエチル、フタル酸ジエチル及びテレフタル酸ジメチル;並びに環式又は非環式エーテルであるそして全体が脂肪族のエーテルである、16までの炭素原子び4までのエーテル酸素原子のエーテル例えばジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、ジブチルエーテル、エチルヘキシルエーテル、メチルオクチルエーテル、ジメトキシエタン、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールジブチルエーテル、テトラグリム、グリセロールトリメチルエーテル、1,2,6−トリメトキシヘキサン、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン、1,3−ジオキサン、1,3−ジオキソラン及び2,4−ジメチル−1,3−ジオキサン、又は少なくとも部分的に芳香族であるエーテル例えばジフェニルエーテル、フェニルメチルエーテル、1−メチルナフタレン、フェニルイソプロピルエーテル;ハロゲン化炭化水素例えばクロロベンゼン、ジクロロベンゼン、フルオロベンゼン、塩化メチル、二塩化メチレンである。溶媒の混合物もまた利用することができる。
用いられるべき溶媒の量は重要ではない。反応溶媒対エチレンオキシド反応物の典型的なモル比は、5:1〜150:1で変わる。
溶媒の適切な選択は生成物回収を増す可能性がある。適切な極性を有する溶媒を選択することによって、反応混合物の冷却に際して2相系が生成し、そして一つの相中には触媒及び配位子がそして第二相中には生成物である3−ヒドロキシプロパナール及び1,3−プロパンジオールが選択的に分配されるであろう。これは、触媒及び配位子の一層容易な分離並びにそれらの反応器へのリサイクル戻しを可能にするであろう。2相分離方法を使用する時には、反応混合物中では望ましくないであろう溶媒例えば水及び酸を、一つの相への生成物のそして他の一つの相への触媒/配位子の分配を増すために使用することができる。
1相系における使用のための例示の溶媒は、ジエチレングリコール、テトラグリム、テトラヒドロフラン、t−ブチルアルコール及びドデカノールである。冷却に際して2相系を与えるための使用のための例示の溶媒は、トルエン、1−メチルナフタレン、キシレン、ジフェニルエーテル及びクロロベンゼンである。
本発明の方法は、1,2−エポキシド反応物及び触媒を一酸化炭素及び分子状水素と接触させることから成る。最も適切に用いられる一酸化炭素対水素のモル比は4:1〜1:6であり、そして1:1〜1:4の比を利用する時に最善の結果が得られる。一酸化炭素及び水素に関しては何ら特別な注意を払う必要はなく、そして市販のグレードのこれらの反応物で満足である。一酸化炭素及び水素は適切には別々の物質として用いるが、これらの物質の市販の混合物、例えば合成ガスを用いることがしばしば有利である。
ヒドロホルミル化反応混合物への小量の酸及び促進金属塩の添加は、触媒の活性を増すことによってエチレンオキシドの転換を更に増す又は促進することができる。酸は、本明細書中では、反応条件下でプロトンを供与することができる化合物を意味すると定義される。
適切な酸は、痕跡量ないし利用される触媒のモル量の2倍までの範囲の量の無機酸例えばHCl、HBr、HI、ホウ酸及び有機酸を含むことができる。適切な有機酸は、1〜16の炭素数を有する有機酸、例えばカルボン酸、スルホン酸、ホスホン酸、ホスフィン酸並びに反応条件下でプロトンを供与するであろうその他の有機化合物例えばイミダゾール、ベンゾイミダゾール、ピリジニウム塩、ピラジニウム塩、ピリジニウム塩、特に上で述べた酸の塩を含む。有機酸の非限定的な例は、酢酸、プロピオン酸、ヘキサン酸、2−エチルヘキサン酸、オクタン酸、3−(フェニルスルホニル)−プロピオン酸、p−トルエンスルホン酸、2−カルボキシエチルホスホン酸、エチルホスホン酸、n−ブチルホスホン酸、t−ブチルホスホン酸、フェニルホスホン酸、フェニルホスフェン酸(phenylphosphenic acid)、フェニルホウ酸、p−トルエンスルホン酸ピリジニウム及びオクタン酸ピリジニウムを含む。
促進剤の酸を供給するためのもう一つの適切な方法は、反応条件下でコバルトカルボニル及び有機酸に転換するであろ、有機酸のコバルト塩を触媒前駆体として使用することである。このよな前駆体の塩は、酢酸コバルト、2−エチルヘキサン酸コバルト、安息香酸コバルト、ギ酸コバルト及びオレイン酸コバルトを含む。反応混合物中に存在する触媒中の酸促進剤のグラム当量対コバルトのグラム原子の比は、一般に0.001:1〜4:1、好ましくは0.01:1〜2:1の範囲であろう。
なお一層増進された促進効果を与えるために、促進量の酸と一緒に促進量の金属塩もまた反応混合物に添加することができる。元素の周期表(CAS版)のI A族、II A族、II B族、III B族及び希土類周期の金属の塩から選ばれた促進量の一種以上の金属塩もまた、促進量の酸と一緒に反応混合物に添加することができる。I A族は、リチウムからセシウムまでのアルカリ金属から成る。II A族は、カルシウムからバリウムまでのアルカリ土類金属から成る。II B族は、亜鉛カドミウム及び水銀から成る。III B族は、スカンジウム、イットリウム及びランタンから成る。希土類族は、セリウムからルテチウムまでから成る。反応混合物中に少なくとも部分的に可溶性である上で述べた族からの任意の金属塩が適切である。無機塩及び有機塩の両方が適切である。無機塩中に含まれるのは、ハロゲン化物、クロム酸塩、硫酸塩、ホウ酸塩、炭酸塩、重炭酸塩、塩素酸塩、リン酸塩などである。特に望ましい有機塩は、1〜20の範囲の炭素数を有するカルボン酸の塩である。共促進剤として適切であると見い出された金属塩の例は、ハロゲン化物例えば臭化物、ヨウ化物及び塩化物、カルボン酸塩例えば酢酸塩、プロピオン酸塩及びオクタン酸塩、ホウ酸塩、硝酸塩、硫酸塩及び類似物を含む。一般に、1,2−エポキシド、反応溶媒又はヒドロホルミル化生成物と反応しない金属塩が、酸との共促進剤として適切である。反応混合物中に存在する触媒中の塩促進剤の金属のグラム当量対コバルトのグラム原子の比は、一般に0.001:1〜2:1、好ましくは0.01:1〜1:1、そして更に好ましくは0.1:1〜0.5:1の範囲であろう。
好ましい実施態様においては、ヒドロホルミル化反応の生成物を更に水素化して、実質的に1,3−ジオールから成る生成物を製造する。好ましくは、ヒドロホルミル化生成物を、水素化する前に触媒から分離する。水素化に先立って生成物に不活性溶媒を添加しても良く、又は、ヒドロホルミル化反応において不活性な(水素化に対して)溶媒を使用した場合には、それを生成物と共に分離しそして水素化反応器に移しても良い。水素化触媒は、当該技術において使用される良く知られた水素化触媒の任意のもの例えばラネーニッケル、パラジウム、白金、ルテニウム、ロジウム、コバルト及び類似物で良い。容易にそして経済的に製造することができ、高度の活性を有し、そしてこの活性を長期間の間保留する金属又は金属の化合物を水素化触媒として用いることが望ましい。水素化触媒は、均一に、細かく分離された形でそして反応混合物全体に分散させて用いることができ、又は好ましくはそれは、支持体又は担体物質例えばアルミナ、カーボン又は類似物の上で用いることができる。好ましい触媒は、ラネーニッケル及び支持された白金、特にカーボン上の白金である。水素化条件は、345〜68948kPa(50〜10,000psi)の範囲の圧力及び30〜175℃の範囲の温度を含む。使用される水素化ガスは、分子状水素又はヒドロホルミル化反応のために使用されるもののような水素及び一酸化炭素の混合物である。
本明細書及び請求の範囲中で与えられる範囲及び限定は、本発明を特に指摘しそして明確に特許請求すると信じられる範囲及び限定である。しかしながら、同一の又は実質的に同一の結果を得るために実質的に同一のやり方で実質的に同一の機能を果たす他の範囲及び限定もまた、本明細書及び請求の範囲によって規定される本発明の範囲内にあることが意図されていることが理解される。
例示の実施態様I
実施例及び表において、以下の略号を使用する:
EO/PDO/3−HPA エチレンオキシド/1,3−プロパンジオール/3−ヒドロキシプロパナール、
PO/BDO/3−HBA プロピレンオキシド/1,3−ブタンジオール/3−ヒドロキシブタナール、
9−PHOSPHA 1,2−ビス(9−ホスファビシクロノニル)エタン、
DIPHOS 1,2−ビス(ジフェニルホスフィノ)エタン、
BDCHP 1,2−ビス(ジシクロヘキシルホスフィノ)エタン、
TBP トリ−n−ブチルホスフィン、及び
TPP トリフェニルホスフィン。
“EO転換速度”とは、1時間あたりに転換されたEOのグラムでの速度を指す。“PDO前駆体”は、水素化するとPDOを生成させる化合物であり、そして主に3−HPAを含み、そして小量の3−HPAのダイマー、トリマー及びその他のオリゴマーが存在する。小量のアクロレイン及びプロピオンアルデヒドもまた含まれる。殆どのアクロレインは、分析の間の3−HPAの分解の結果としてのガスクロマトグラフ(GC)測定方法の人為的な結果である。ヒドロホルミル化反応の完結後のその場での赤外分光分析は、生成物中にアクロレインが存在しないことを示した。温度を下げること及びGC機器の注入口を化学的にパシファイすること(passifying)は、これらの人為的なピークの高さを劇的に低くしたが、これはそれが精々小量の生成物(1〜2%)に過ぎないことを示す。
この例示の実施態様においては、好ましい配位子によってキレート化された触媒を製造し、そしてエチレンオキシドのヒドロホルミル化に関して試験し、そして好ましくない配位子から製造された触媒と比較する。
その場での触媒製造及びヒドロホルミル化:
実施例1〜2
不活性雰囲気中で、100mlの空気撹拌Parrオートクレーブに、228mg(0.66ミリモル)のオクタン酸コバルト、155mg(0.50ミリモル)の9−PHOSPHA([4.2.1]及び[3.3.1]異性体の混合物として)並びに23mlの乾いた窒素パージしたトルエン−クロロベンゼン溶液(5:1体積比)を仕込んだ。このオートクレーブを、密封しそして水素−一酸化炭素ガス混合物(1:1のモル比)で9065kPa(1300psig)まで加圧した。反応物を撹拌しそして10443kPa(1500psig)で30分間130℃で加熱した。次に反応器を5℃の内部温度まで冷却し、そしてガスを抜いてオートクレーブを周囲圧力にした。
EO(4.5g、102ミリモル)を反応器に添加し、そして次に反応器を加熱しそして水素−一酸化炭素ガス(1:1のモル比)の9754〜10443kPa(1400〜1500psig)の圧力で105℃で3時間撹拌した。
5℃に冷却後、反応器を窒素でパージし、そして2相生成物混合物を収集し、約29gの溶媒相及び約2gの油相を得た。これらの2相を独立にガスクロマトグラフィーによって分析した。結果を実施例1として表1中に示す。
水素/一酸化炭素比を4:1に変えた以外は実施例1を繰り返した。結果を実施例2として表1中に提示する。
Figure 0003571720
実施例3〜6
種々の値の9−PHOSPHA配位子対コバルトのモル比を使用した以外は、実施例1中で述べた手順、触媒及び条件を使用してエチレンオキシドのヒドロホルミル化を繰り返した。結果を表2中に示す。
Figure 0003571720
実施例7〜11
実施例1中で述べた手順を使用してEOのヒドロホルミル化を繰り返したが、以下の差があった:反応温度及び配位子を異なる実施例において変えそして表3中に示した。結果を表3中に示す。本発明のものではないホスフィン配位子もまた試験したが、結果を表3中に示す(C−1〜C−8)。
Figure 0003571720
実施例12〜15
二コバルトオクタカルボニル(0.33ミリモル)をコバルトソースとして使用しそして種々のモル比の9−PHOSPHA対コバルトを使用した以外は、実施例1の手順を使用して、エチレンオキシドのヒドロホルミル化を繰り返した。結果を表4中に示す。
Figure 0003571720
実施例16〜18
コバルトオクタカルボニルをコバルトソースとして使用した以外は、実施例1の手順(及び配位子)を使用して、EOのヒドロホルミル化を繰り返した。酸を使用しなかった対照実験以外は、促進剤として種々の酸を使用した。結果を表5中に示す。
Figure 0003571720
上の反応において促進剤として使用する時には以下の酸もまた、転換されるEOの量(モル%)を増すことが見い出された:2−カルボキシエチルホスホン酸(13%)、n−ブチルホスホン酸(16%)、フェニルホスホン酸(14.5%)、t−ブチルホスホン酸(18.5%)、3−(フェニルスルホニル)−プロピオン酸(22%)、フェニルホウ酸(18%)、フェニルホスフェン酸(36%)及びイミダゾール(26%)。
実施例19及び20
90℃の反応温度を使用した以外は、実施例1の手順(及び配位子)を使用して、EOのヒドロホルミル化を繰り返した。実施例19においては、2−エチルヘキサン酸コバルトをコバルトソースとして使用し、そして0.21ミリモルの酢酸ナトリウムを触媒共促進剤として触媒製造ステップにおいて添加した。実施例20においては、二コバルトオクタカルボニルをコバルトソースとして使用し、そして0.21ミリモルの酢酸ナトリウムを触媒促進剤として添加した。結果を表6中に示す。
Figure 0003571720
例示の実施態様II:ヒドロホルミル化生成物の水素化:
実施例21
上の実施例1のようなEOヒドロホルミル化反応からの反応生成物の10gを、40gの脱イオン水及び2gのラネーニッケル触媒と一緒に300mlのオートクレーブに仕込んだ。オートクレーブを水素でフラッシュし、水素で6996kPa(1000psig)に加圧し、そして110℃で5時間加熱した。オートクレーブを室温に冷却し、過剰のガスを抜き、そしてガスクロマトグラフィー及び質量分光による分析のためにサンプルを取り出した。この分析は、水溶液中の主な生成物としてPDOを示した。PDOへの選択率は約90%であると推定され、そして80%を越える3−HPAがジオールに転換した。
実施例22
18gのヒドロホルミル化生成物、42gの水及び1.5gのモリブデン促進ラネーニッケルをオートクレーブに仕込み、そして4137kPa(600psi)の反応圧力及び60℃の反応温度を使用した以外は、実施例21を繰り返した。水素化生成物の分析は、3−HPAが主な生成物としてのPDOに転換されたことを示した。
例示の実施態様III
この例示の実施態様においては、本発明の酸/塩促進剤によって促進された好ましい配位子でキレート化された触媒を製造し、そしてEOのヒドロホルミル化に関して試験し、そして本発明の促進剤系によって促進されていない触媒と比較する。
その場での触媒製造及びヒドロホルミル化:
実施例23、24
113mg(0.33ミリモル)の二コバルトオクタカルボニル及び117mg(0.21ミリモル)の酢酸ナトリウムを使用した以外は、実施例1を繰り返した。結果を表7中に示す。
228mg(0.66ミリモル)の2−エチルヘキサン酸コバルトをコバルトソースとして使用した以外は、実施例23を繰り返した。結果(実施例24)を表7中に提示する。コバルトとしての酢酸コバルトの使用は類似の結果を与える。
実施例25〜34、C−9〜C−13
表7中の実施例25〜34は、実施例23と同じ様式で、しかし0.66ミリモルの2−エチルヘキサン酸コバルトをコバルトソースとしてそして異なる塩を塩促進剤として使用して実施した実施例である。
表7中の実施例C−9〜C−13は、実施例23と同じ様式で、しかし酸促進剤、塩促進剤、又は酸と塩の両方の促進剤なしで実施した、実施態様IIIに関する比較例である。
実施例35〜41
異なる量の塩促進剤を使用して実施例24を繰り返した。これらの結果を表8中に示す。
実施例42〜43
表9中に示した温度でそして4:1の水素対一酸化炭素の比及び1.25:1の触媒中のリン対コバルトの比で、実施例24を繰り返した。結果を表9中に示す。
Figure 0003571720
Figure 0003571720
Figure 0003571720
Figure 0003571720
実施例44〜46
80℃でそして表10中に示した圧力で実施例24を繰り返した。
Figure 0003571720
例示の実施態様IV
この例示の実施態様においては、キレート化ホスフィン配位子の酸化を例示する。
ゴム隔膜、温度計及びガスストップコックを備えた100mlの三ッ口丸底フラスコ中に1.56gの9−PHOSPHAを仕込んだ。撹拌棒を加え、そして25mlのエタノールをフラスコ中に注いだ。次に混合物をアルゴンで脱気した。アルゴンを満たした風船をガス入り口に取り付け、そして混合物を室温で15分間撹拌した。0.36gの(30容量%)水性過酸化水素溶液を、ゴム隔膜及びガスストップコックを備えた10mlの二ッ口フラスコ中に量り込んだ。5mlのエタノールをシリンジによって隔膜を通して添加し、そして次にこの混合物をアルゴンで脱気した。カニューレのための長さのテフロンチューブを切り、そして各々の端に12ゲージの針を糸で取り付けた(threaded)。小さな方のフラスコのゴム隔膜を1本の針で貫き、そして次にこの針を引き出して、チューブを液体レベルよりも上の所定の場所に残した。アルゴンの流れを開始して、チューブ全体をフラッシュした。大きい方のフラスコの隔膜をもう1本の針で貫き、次に針を取出し、チューブを液体レベルよりも約0.5インチ上の所定の場所に残した。小さなフラスコ中のチューブをできる限り液体中に注意深く挿入しそしてアルゴンの流れを使用して、ペルオキシド混合物から配位子混合物中への液体の流れを、それが一滴一滴移動するように調節した。この溶液を室温で1時間撹拌した。
次にこの溶液を、脱気したエタノールを使用して固体を濯ぎ出しながら、窒素雰囲気中で250mlの丸底フラスコに移した。ロータリーエバポレーター(rotovapor)を使用してエタノールを溶液から除去し、次に固体を真空下で数時間乾燥した。酸素:リンの比を測定するために、生成した酸化されたホスフィン配位子をリン−31NMRによって分析した。
その場での触媒製造及びヒドロホルミル化:
実施例47,48〜59
113mg(0.33ミリモル)の二コバルトオクタカルボニル、及び0.20の酸素対リンを与えるように上で述べたようにして酸化された204mg(0.66ミリモル)の9−PHOSPHAを使用した以外は、実施例1を繰り返した。結果を表11中に示す。
配位子対二コバルトオクタカルボニルの異なる値、異なる反応温度及びホスフィン配位子の酸化の異なる程度を使用した以外は、実施例47を繰り返した。結果を実施例48〜59として表11中に提示する。
Figure 0003571720
例示の実施態様V
その場での触媒製造及びヒドロホルミル化:
実施例60
実施例1を繰り返したが、228mg(0.66ミリモル)の2−エチルヘキサン酸コバルト、221mg(0.66ミリモル)の9−PHOSPHA及び74mgの[Ru(CO)3Cl2(0.29ミリモルのルテニウム、金属基準)を使用した。結果を実施例60として表12中に示す。
比較例C−14
ルテニウム共触媒を使用することなく、上の実施例を繰り返した。結果を実施例C−14(実施態様Vに関する比較例)として表12中に示す。
実施例61〜67
使用する促進剤塩、使用するホスフィン配位子及び使用するルテニウム化合物を変えて、実施例65を繰り返した。これらの変化部分及び結果を表12中に示す。
実施例68〜74
異なる促進剤金属塩及び1.5時間の反応時間を使用して、実施例60を繰り返した。三ルテニウムドデカカルボニルをルテニウムのソースとして使用した。結果を表13中に示す。
実施例75
130mg(0.42ミリモル)の9−PHOSPHA、17mg(0.21ミリモル)の酢酸ナトリウム、及びその表面上に5重量%のルテニウム金属が堆積された1.0gの細かく分割された活性炭を使用した以外は、実施例60を繰り返した。転換されたEOは63.2モル%であり、そして3−HPAへの選択率は5.0モル%、PDOへの選択率は54.9モル%であった。
Figure 0003571720
Figure 0003571720
例示の実施態様VI
この例示の実施態様においては、本発明の酸/塩促進剤によって促進された好ましい配位子でキレート化された触媒を製造し、そしてEOのヒドロホルミル化に関して試験し、そして本発明の促進剤系によって促進されていない触媒と比較する。
その場での触媒製造及びヒドロホルミル化:
実施例1の繰り返しが、228mg(0.66ミリモル)の2−エチルヘキサン酸コバルト、155mg(0.50ミリモル)の9−PHOSPHA及び33mg(0.21ミリモル)の酢酸カルシウムを使用した。結果を実施例80として表14中に示す。
上の実施例を繰り返したが、異なる量の促進剤塩及び異なる促進剤塩を使用し、そして実施例82〜87に関しては3時間ではなく1.5時間の反応時間を使用した。結果を表14中に示す。
表14中の実施例C−16は、上と同じ様式で、しかし塩促進剤なしで実施した、実施態様VIに関する比較例である。
Figure 0003571720
例示の実施態様VII
この例示の実施態様においては、好ましい配位子でキレート化された触媒を製造し、そしてPOのヒドロホルミル化に関して試験し、そして好ましくない配位子から製造された触媒と比較する。
その場で触媒製造及びPOのヒドロホルミル化:
実施例88
実施例1を繰り返したが、EOの代わりに6.6g(0.11モル)のPOを使用しそして反応混合物を3時間90℃に加熱した。均一な反応混合物をオートクレーブから取り出すと、29.7gの透明な液体が得られた。反応混合物をガスクロマトグラフィー及びGC/質量分光法によって分析すると、81.0%の3−HBA及び小量の2−ブテナール副生成物へのPOの4.7%の転化率が示された。この2−ブテナールは、GCカラムの上での3−HBAの分解から生じる、GC分析の人為的な結果であると考えられる。分析に際して観察された小量の2−ブテナールは、表15中に表示した3−ヒドロキシブタナール選択率に加算した。
実施例89〜97、C17−C18
POヒドロホルミル化の追加の実施例を、異なるコバルト前駆体、異なる塩及び酸触媒促進剤、並びに異なる温度を使用して実施した。これらを表15中に示す。実施例C17−C18は実施態様VIIに関する比較例である。
実施例98〜106
実施例1を繰り返したが、62mg(0.097ミリモル)の三ルテニウムドデカカルボニル、18mg(0.21ミリモル)の酢酸ナトリウム、207mg(0.66ミリモル)の9−PHOSPHA及び6.6g(0.11モル)のPOを使用した。反応混合物を90℃で3時間撹拌しそして加熱した。反応混合物をオートクレーブから取り出すと、25.6gの透明で低粘度の上相液体及び3.1gの透明でもっと粘性の下相液体が得られた。これらの2相をガスクロマトグラフィー及びGC/質量分光法によって分析すると、POから生成物への19%の転化率が示された。反応生成物分布は、2%のアセトン(POの転位生成物)、9%の3−HBA、87%の1,3−ブタンジオール、及びその大半がプロペンである2%の雑多な生成物であった。これらの結果を実施例99として表16中に要約する。比較実験も含む一連の他の実験を類似の条件下で実施したが、それらを表16中に示す。
例示の実施態様VIII
その場での触媒製造、並びに1,2−エポキシヘキス−5−及び1,2−エポキシヘキサンのヒドロホルミル化:
実施例107
実施例1を繰り返したが、EOの代わりに11.4g(0.11モル)の1,2−エポキシヘキス−5−エンを使用しそして反応器を3時間90℃に加熱した。反応混合物をオートクレーブから取り出すと、38.6gの均一で透明で琥珀色の液体が得られた。反応混合物をガスクロマトグラフィー及びGC/質量分光法によって分析すると、81.0%の3−ヒドロキシヘプト−6−エナール及び幾つかの小量の未同定副生成物への9.2%の転化率が示された。
実施例108及び109
実施例1を繰り返したが、62mg(0.097ミリモル)の三ルテニウムドデカカルボニル、18mg(0.21ミリモル)の酢酸ナトリウム、207mg(0.66ミリモル)の9−PHOSPHA及び11.4g(0.11モル)の1,2−エポキシヘキサンを使用した。反応物を90℃で3時間撹拌しそして加熱した。反応混合物をオートクレーブから取り出すと、33.15gの均一で透明な液体が得られた。反応混合物をガスクロマトグラフィー及びGC/質量分光法によって分析すると、1,2−エポキシヘキサンから生成物への8%の転化率が示された。反応生成物分布は、5%の2−ヘキサノン(1,2−エポキシヘキサンの転位生成物)、50%の3−ヒドロキシヘプタナール、18%の1,3−ヘプタンジオール、並びに1−ヘキセン、ペンタナール及びその他の未同定生成物から成る27%の雑多な生成物であった。
もう一つの実験を、酢酸ナトリウムを削除した以外は同じ条件下で実施した。分析は、1,2−エポキシヘキサンから生成物への5%の転化率を示した。反応生成物分布は、3%の2−ヘキサノン(1,2−エポキシヘキサンの転位生成物)、78%の3−ヒドロキシヘプタナール、0%の1,3−ヘプタンジオール、並びに1−ヘキセン、ペンタナール及びその他の未同定生成物から成る19%の雑多な生成物であった。
Figure 0003571720
Figure 0003571720
Figure 0003571720

Claims (30)

  1. (a)少なくとも2の炭素原子を有する1,2−エポキシド、
    (b)ジターシャリーホスフィンで改質されたコバルトカルボニル触媒[ここで、このホスフィンはヒドロカルビレン−ビス(モノホスファビシクロアルカン)から成り、その中で各々のリン原子はヒドロカルビレンに結合していてそして橋の頭の原子ではない橋かけ結合のメンバーであり、そしてこのヒドロカルビレン−ビス(モノホスファビシクロアルカン)は11〜300の炭素原子を有し、それらの5〜12の炭素原子はリン原子と一緒に2つの二環式骨格構造の各々のメンバーである]、
    (c)一酸化炭素、及び
    (d)水素[ここで、一酸化炭素対水素のモル比は4:1〜1:6である]
    を、不活性反応溶媒中の液相溶液中で30〜150℃の温度及び345〜68948kPa(50〜10,000psi)の圧力で密に接触させることから成る、1,2−エポキシドをヒドロホルミル化することによって1,3−ジオール及び3−ヒドロキシアルデヒドを作るための方法。
  2. 前記一酸化炭素対水素のモル比が1:1〜1:4である請求の範囲第1項に記載の方法。
  3. 前記触媒が触媒促進剤を含む、請求の範囲第1項又は第2項に記載の方法。
  4. 触媒促進剤が酸から成る、請求の範囲第3項に記載の方法。
  5. 触媒中の酸のグラム当量対コバルトのグラム原子の比が0.001〜4:1の範囲にある、請求の範囲第4項に記載の方法。
  6. 前記酸のグラム当量対コバルトのグラム原子の比が0.01〜2:1の範囲にある、請求の範囲第5項に記載の方法。
  7. 触媒促進剤が元素の周期表(CAS版)のI A族、II A族、II B族、III B族及び稀土類周期の金属の塩から選ばれた金属促進剤から成る、請求の範囲第2〜6項のいずれか一項に記載の方法。
  8. 触媒中の金属塩のグラム当量対コバルトのグラム原子の比が0.001:1〜2:1の範囲にある、請求の範囲第7項に記載の方法。
  9. 前記金属塩のグラム当量対コバルトのグラム原子の比が0.01〜1:1の範囲にある、請求の範囲第8項に記載の方法。
  10. 前記金属塩のグラム当量対コバルトのグラム原子の比が0.1:1〜0.5:1の範囲にある、請求の範囲第9項に記載の方法。
  11. 付加的なルテニウム触媒が存在する、請求の範囲第1〜6項のいずれか一項に記載の方法。
  12. CO:Ruの原子比が1000:1〜1:100の範囲にある、請求の範囲第11項に記載の方法。
  13. CO:Ruの原子比が100:1〜1:10の範囲にある、請求の範囲第12項に記載の方法。
  14. CO:Ruの原子比が50:1〜1:5の範囲にある、請求の範囲第13項に記載の方法。
  15. 前記コバルトカルボニル触媒とキレート化する前に、0.5よりも大きくない酸素対リンの比を与えるようにホスフィンを部分的に酸化する、請求の範囲第1〜14項のいずれか一項に記載の方法。
  16. 0.01:1〜0.5:1の範囲の酸素対リンの比を与えるようにホスフィンを部分的に酸化する、請求の範囲第15項に記載の方法。
  17. 前記酸素対リンの比が0.05:1〜0.3:1の範囲である、請求の範囲第16項に記載の方法。
  18. 1,2−エポキシドが、2〜30の範囲の炭素数を有する1,2−エポキシアルカン又は1,2−エポキシアルケンから選ばれる、請求の範囲第1〜17項のいずれか一項に記載の方法。
  19. 前記1,2−エポキシアルカン又は1,2−エポキシアルケンの炭素数が、2〜20の範囲である、請求の範囲第18項に記載の方法。
  20. 前記1,2−エポキシアルカン又は1,2−エポキシアルケンの炭素数が、2〜10の範囲である、請求の範囲第19項に記載の方法。
  21. 1,2−エポキシドがエチレンオキシド又はプロピレンオキシドである、請求の範囲第18〜20のいずれか一項に記載の方法。
  22. 1,2−エポキシドがエチレンオキシドである、請求の範囲第21項に記載の方法。
  23. ホスフィンがα,Ω−ヒドロカルビレン−P,P'−ビス(モノホスファビシクロノナン)であり、この環系において、(a)各々のリン原子は橋かけ結合のメンバーであり、(b)各々のリン原子は橋の頭の位置にはなく、そして(c)各々のリン原子は他の二環式系のメンバーではなく、そして、(d)最小のリン含有環は少なくとも4つの原子を含む、請求の範囲第1〜22のいずれか一項に記載の方法。
  24. 前記(d)最小のリン含有環は少なくとも5つの原子を含む、請求の範囲第23項に記載の方法。
  25. ホスフィンが式
    Figure 0003571720
    [式中、Qは30までの炭素原子のヒドロカルビレンを表し、y及びzはそれらの和が0〜7である0又は正の整数を表し、y'及びz'はy及びzの値とは独立に、それらの和が0〜7である0又は正の整数を表し、そしてRは独立に水素及び1〜30の炭素原子のアルキルを表す]
    のものである、請求の範囲第1〜24のいずれか一項に記載の方法。
  26. ホスフィン中で、Qがエチレン、プロピレン及びブチレンから選ばれる、請求の範囲第1〜25のいずれか一項に記載の方法。
  27. ホスフィン中で、モノホスファビシクロノナンが9−ホスファビシクロ[4.2.1]ノナン、9−ホスファビシクロ[3.3.1]ノナン及びこれらの混合物から選ばれる、請求の範囲第1〜26のいずれか一項に記載の方法。
  28. 触媒中のリン対コバルト原子の比が0.1:1〜3:1の範囲にある、請求の範囲第1〜27のいずれか一項に記載の方法。
  29. 前記リン対コバルト原子の比が0.5:1〜2:1の範囲にある、請求の範囲第28項に記載の方法。
  30. 前記リン対コバルト原子の比が1:1〜1.5:1の範囲にある、請求の範囲第29項に記載の方法。
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