【発明の詳細な説明】
アルキル化ジアリールアミンの脱色
関連性
本出願は、1992年12月18日に出願された、米国連続番号第07/99
3,924号の一部継続出願である。
発明の分野
本発明は、クレーでジアリールアミンを処理することによる、ハロゲン化アル
ミニウム触媒を用いて製造された、アルキル化ジアリールアミン酸化防止剤の脱
色方法に関する。
背景
アルキル化ジアリールアミンは、有機物質において安定剤として用いられる酸
化防止剤と知られている。典型的には、これらのアルキル化ジアリールアミンは
、オレフィン化合物とジフェニルアミンとを塩化アルミニウム触媒の存在下に反
応させることによって製造される。得られた化合物は、おそらく触媒の強い活性
またはアミンと塩化物との間の反応により、濃く着色している。このように着色
した生成物は、ある種の酸化防止剤の用途が高度の純度または着色不純物の不在
を必要とするため、あるいは単に黒く着色した酸化防止剤が美学的にあまり魅力
がないため、工業においてそれほど魅力を有さない。
蒸留は色を改良し得るが、しばしば着色が残留不純物の酸化によって再び生じ
るので十分ではない。従って、ジアリールアミンのハロゲン化アルミニウム触媒
アルキル化から生成する着色不純物を特
定して除去することのできる吸着剤を見つけることが望ましい。これまで、種々
のアミンの脱色には、特別な吸着剤、例えば、Reagents for Or ganic Synthesis
、第1巻、第1281頁、Fiester &
Fiester、1967年に開示されるような亜鉛、Derwent Ab
stract 117:25931b、第649頁、第117巻、1992年に
開示されるような臭素、または米国特許第5,097,041号に開示されるよ
うなイオン交換樹脂を必要としていた。Kirk−Othmer、Encycl opedia of Chemical Technology
、第3版、第1
巻、第532頁(1978)によって教示されるような、着色不純物の常用の吸
着剤である炭素、モレキュラーシーブおよびシリカゲルは、少しもよく働かない
。クレーは、植物、動物および石油に対する脱色剤と知られているが、アミンに
対しては知られていない。米国特許第4,824,601号は、塩化アルミニウ
ム触媒を用いて得られたものよりも色においてより薄いアルキル化ジフェニルア
ミン液体酸化防止剤組成物を製造する活性土触媒の使用を開示している。さらに
、クレー触媒を用いて漂白およびアルキル化を達成するために、反応は、比較的
高温、160℃またはそれよりも高温で起こさなばならないが、これは実施不可
能である。また、クレーは、等しい条件下に塩化アルミニウムよりも実質的によ
り有効でない触媒であり、塩化アルミニウムと比較して実質的により少ないジフ
ェニルアミンがクレーによって生成物に転化する。これは、ここであとに述べる
例2において証明する。従って、塩化アルミニウム触媒を用いてアルキル化ジフ
ェニルアミンを製造することがより望ましい。ジアリールアミンのハロゲン化ア
ルミニウム触媒アルキル化から特に生成する着色不純物の新しい除去方法が見い
だされた。本発明の方法は、有効に製造
されたジアリールアミン酸化防止剤を工業で用いることを可能とし、着色した酸
化防止剤とクレーとを混合および加熱する簡単で有効な方法によってそれを実質
的に脱色する。
発明の概要
本発明の方法は、着色したアルキル化ジアリールアミンとクレーとを、所望に
より混合物を加熱して、混合し、次いでクレーを脱色されたアルキル化ジアリー
ルアミンから分離することによる、アルキル化ジアリールアミンの脱色方法であ
る。
発明の詳細な説明
本発明は、アルキル化ジアリールアミンの脱色方法を提供し、前記方法は、(
a)着色したアルキル化ジアリールアミンとクレーとを混合して混合物を製造し
、(b)前記混合物を加熱し、および(c)前記クレーを前記アルキル化ジアリ
ールアミンから分離することを含む。いずれの着色したアルキル化ジアリールア
ミンを本方法によって脱色することができる。ジアリールアミンは、当分野にお
いて周知であり、技術は、Kirk−Othmer、Encyclopedia of Chemical Technology
、第3版、1978年の第2
巻、第329〜337頁(これはここで参照文献として取り込まれる)において
記載されている。しかしながら、当業者は、脱色を必要とする着色したアルキル
化ジアリールアミンは典型的にはハロゲン化アルミニウム触媒、即ち、塩化アル
ミニウムを用いて製造されたものであると認める。適当なアルキル化ジアリール
アミンには、ジフェニルアミン、N−フェニル−ナフチルアミン、およびフェノ
チアジン等からのものが含まれるが、これに限定されない。例えば、適当なアル
キル化ジアリールアミンに
は、次の一般式:
〔ここで、R1、R2、R3およびR4は独立して、H、枝分かれもしくは直鎖C1
〜C12アルキル基、ベンジル基または直鎖C1〜C4アルキルベンジル基である〕
を有するものが含まれる。
従って、適当なジフェニルアミンには、p,p’−ジオクチル−ジフェニルア
ミン、p,p’−ジノニル−ジフェニルアミン、p,p’−ジ−α−メチルベン
ジルジフェニルアミン、o,o’−ジエチル−p,p’−ジノニルジフェニルア
ミンおよびo,o’−ジエチル−p,p’−ジ−α−メチル−ベンジルジフェニ
ルアミンが含まれるが、これに限定されない。当業者は、ジアリールアミンが、
1種よりも多いジアリールアミンの物理的ブレンド、例えば、p,p’−ジ(ブ
チルおよび/またはオクチル)ジフェニルアミン、p−(ブチルまたはオクチル
)ジフェニルアミン、p−第3ブチル−p’−第3オクチル−ジフェニルアミン
およびジフェニルアミンのブレンドあるいはジフェニルアミンとジイソブチレン
およびスチレンの混合物との反応からのブレンドを含むものからなり得ることを
認める。
さらなる反応から得られる誘導アルキル化ジアリールアミン、例えば、アルキ
ル化ジアリールアミンとアルデヒドの反応から得られる米国特許第5,634,
248号により教示されるもの、または
ジアリールアミンの酸化から得られる米国特許第3,509,214号および第
3,573,206号により教示されるもの、またはジアリールアミンと滑剤の
脱水縮合から得られる米国特許第3,492,233号により教示されるもの、
または酸化防止剤としての過酸化物処理フェノチアジンに関する米国特許第3,
539,515号により教示されるもの(これら全てはここで参照文献として取
り込まれる)も含まれる。
そのほとんどがアルミノシリケートであり、脱色能力を有するいずれのクレー
も適当である。鉱物、植物および動物油の脱色に用いられる通常のクレーが本発
明の方法において適当である。これは、微粒シルトからほとんど純粋なクレー鉱
物からなるクレーまでの広い範囲のクレー物質を含む。フラー土としても知られ
る粗製クレーは適当である。好ましいクレーは、酸処理されたもの、例えば、L
aporte Industriesから商業的に入手可能な、F
iltrol(商標)またはRetrol(商標)銘柄クレーとして知られるベ
ントナイト酸漂白クレーである。それは、ほぼ97重量%のアルミニウムシリケ
ートおよびほぼ1〜3重量%の結晶シリカである。それは、製品銘柄F−6また
は銘柄F−13としてEnglehard Corporation(米国、ミ
シシッピ州、ジャクソン)から商業的に入手可能である。他の適当なクレーは、
モンモリロナイト、ハロイサイト、およびセピオライト、ならびにアタプルガイ
ト(attapulgite)からなるものを含む。
本発明の方法において、アルキル化ジアリールアミンは、通常の方法を用いて
ジアリールアミンの脱色をさせるに十分な時間クレーと混合される。典型的には
、5〜45分の混合時間が十分である。典型的には、混合物は濃く、従って、混
合物を加熱することが有利
である。混合物を少なくとも約50℃に加熱する場合に、最も良好な結果が得ら
れる。150℃を越えて混合物を加熱することが適当であるが、当業者は、15
0℃以下の温度を保持することがより能率的であると認める。望ましくは、混合
物が混合される温度は、約70℃〜約150℃、好ましくは約80℃〜約130
℃、最も望ましくは約90℃〜約120℃および所望により150℃までである
。ジアリールアミンを脱色するために必要なクレーの量は、ジアリールアミンの
合計重量に基づいて少なくとも0.5重量%が望ましくは用いられるが、重要で
はない。一般的に、より多くクレーを用いると、より良好な結果が得られる。適
当な範囲は、約2%〜10%クレーである。脱色された酸化防止剤アルキル化ジ
アリールアミンは、クレーから、いずれの通常の方法、特に濾過を用いて、好ま
しくは混合物が厚い間に分離され得る。
ジアリールアミンのさらなる脱色方法は、ジアリールアミンとクレー表面を接
触させ、クレーによって例えば、吸収または吸着(即ち、収着)で着色種を結合
させ、収着した着色種と結合したクレーからあまり着色していないジアリールア
ミンを物理的に分離(例えば、濾過あるいは単離で)することによる。クレーと
ジアリールアミンを接触させる一つの方法は、クレーで充填塔を形成することま
たは濾材または濾過床の一部としてクレーを用いることである。この方法は、微
細な粒度および高表面積の有用なクレー生成物を使用させる。クレーおよび/ま
たはアリールアミンの温度は、上記のように周囲温度よりも高く増加させ、ジア
リールアミンの粘度を減少させて、濾過時間をより短く、あるいは処理量をより
高くし得る。アリールアミンの処理量は、濾過器の投入側を加圧し得る、あるい
は、濾過器の押出側を大気圧よりも低く保持し得る装置を用いることによっても
増加させ得る。固体および液体間の高い表面接触を達
成する他の方法もジアリールアミンと有用なクレーを基材とする生成物との間の
物理的特性に対する適当な調整で用いられ得る。これらは、流動床、または不活
性支持材または構造物上に支持されたクレーの使用のようなものを含み得る。
着色されたアルキル化ジアリールアミンは、他の脱色手段、例えば、蒸留によ
ってすでに処理されたものでもよい。脱色のための装置が周囲温度(即ち、20
〜30℃)でアルキル化ジアリールアミンを取り扱い得るならば、加熱は必ずし
も必要な工程ではない。
特定の実施例
次の限定されない例は、読者に本発明のより詳細な理解を提供する。
例1
p,p’−ジ(ブチル/オクチル)ジフェニルアミン、p−(ブチル/オクチ
ル)ジフェニルアミン、p−第3ブチル−p’−第3オクチル−ジフェニルアミ
ン、およびジフェニルアミンからなる液体酸化防止剤をフラスコに入れた。Re
trol(商標)、ミシシッピ州産のクレーを酸化防止剤の約10重量%の量で
添加した。それらを混合し、120℃で30分間攪拌し、次いで熱いうちにガラ
ス濾過器を通して濾過した。脱色された油は、フィッシャー実験用ASTM D
1500比色計において、工程前の数>8と比べて、<0.5〜1.0の読みを
有していた。炭素、シリカゲルまたはモレキュラーシーブの使用は、3.5〜6
の色測定値を与えた。
例2
AlCl3がクレーよりもはるかに強い触媒であることを示すため、4%のA
lCl3(ジフェニルアミンの重量に基づく)を有する1モルのジフェニルアミ
ンおよび3モルのジイソブチレンを10
5〜110℃で2時間還流し、85%のジフェニルアミンが3:2のモノ−およ
びジ−オクチル化ジフェニルアミンの混合物に転化した。一方、同じ条件下に、
4%のAlCl3を4%のRetrol(商標)によって取り替えたところ、わ
ずか<5%のジフェニルアミンがモノ−オクチル化ジフェニルアミンに転化した
。
例3
例1と同じアルキル化ジフェニルアミンのブレンドを100℃で15分間、5
%のRetrol(商標)で処理し、次いで5mmHg減圧で蒸留し、<0.5
の色の読みを有する薄く着色した油を得た。
例4
ジフェニルアミンとジイソブチレンおよびスチレンの混合物との塩化アルミニ
ウム触媒反応から製造されたアルキル化ジフェニルアミンの蒸留ブレンドは、1
10℃で10分間、5%のFiltrol(商標)によって脱色された。色は、
>8から1〜1.5になった。
例5
200グラムの、例4に記載したのと同じアルキル化ジフェニルアミンの未蒸
留ブレンドを160℃に温め、40〜60ミクロンの細孔の大きさを有する15
0mlガラスブフナー漏斗に充填された5グラムのFiltrol(商標)銘柄
20の床を通した。ウォーターアスピレーターを用いてブフナー漏斗の受け器側
に減圧を与えた。色は、>8から3に落ちた。
例6
ジフェニルアミンとジイソブチレンおよびスチレンの混合物とのアルミニウム
触媒反応の粗生成物を例5の媒質に通した。粗生成物は、例4において初めに蒸
留されたものと同じ粗生成物であり、同
じ残留ジフェニルアミン、ジイソブチレン、およびスチレンを含んでいた。次い
で、濾液を蒸留した。最終の色は、3〜3.5の間であった。
例7
例1と同じアルキル化ジフェニルアミンのブレンドを5%のFiltrol(
商標)銘柄6で充填されたクロマトグラフカラムに通した。色は、>8から2.
5になった。
本発明を実施し得る、方法の特定の実施例によって本発明を記載してきたが、
これは例示のみとしてであり、別の実施態様および操作技術が当業者に明らかと
なるため、本発明は必ずしもそれに限定されない。さらに、記載された本発明の
精神から逸脱せずになし得る変更が考慮される。
【手続補正書】特許法第184条の8
【提出日】1994年11月29日
【補正内容】
補正された明細書
アルキル化ジアリールアミンの脱色
発明の分野
本発明は、クレーでジアリールアミンを処理することによる、ハロゲン化アル
ミニウム触媒を用いて製造された、アルキル化ジアリールアミン酸化防止剤の脱
色方法に関する。
背景
アルキル化ジアリールアミンは、有機物質において安定剤として用いられる酸
化防止剤と知られている。典型的には、これらのアルキル化ジアリールアミンは
、オレフィン化合物とジフェニルアミンとを塩化アルミニウム触媒の存在下に反
応させることによって製造される。得られた化合物は、おそらく触媒の強い活性
またはアミンと塩化物との間の反応により、濃く着色している。このように着色
した生成物は、ある種の酸化防止剤の用途が高度の純度または着色不純物の不在
を必要とするため、あるいは単に黒く着色した酸化防止剤が美学的にあまり魅力
がないため、工業においてそれほど魅力を有さない。
蒸留は色を改良し得るが、しばしば着色が残留不純物の酸化によって再び生じ
るので十分ではない。従って、ジアリールアミンのハロゲン化アルミニウム触媒
アルキル化から生成する着色不純物を特定して除去することのできる吸着剤を見
つけることが望ましい。これまで、種々のアミンの脱色には、特別な吸着剤、例
えば、Reagents for Organic Synthesis、第1
巻、第1281頁、Fiester & Fiester、196
7年に開示されるような亜鉛、Derwent Abstract 117:2
5931b、第649頁、第117巻、1992年に開示されるような臭素、ま
たはUS−A−5,097,041に開示されるようなイオン交換樹脂を必要と
していた。Kirk−Othmer、Encyclopedia of Che mical Technology
、第3版、第1巻、第532頁(1978)
によって教示されるような、着色不純物の常用の吸着剤である炭素、モレキュラ
ーシーブおよびシリカゲルは、少しもよく働かない。クレーは、植物、動物およ
び石油に対する脱色剤と知られているが、アミンに対しては知られていない。
US−A−2,833,824は、N,N’−ジフェニル−p−フェニレンジ
アミンを精製する方法を開示しているけれども、アルキル化ジフェニルアミンの
脱色については何ら教示していない。
米国特許第4,824,601号は、塩化アルミニウム触媒を用いて得られた
ものよりも色においてより薄いアルキル化ジフェニルアミン液体酸化防止剤組成
物を製造する活性土触媒の使用を開示している。さらに、クレー触媒を用いて漂
白およびアルキル化を達成するために、反応は、比較的高温、160℃またはそ
れよりも高温で起こさなばならないが、これは実施不可能である。また、クレー
は、等しい条件下に塩化アルミニウムよりも実質的により有効でない触媒であり
、塩化アルミニウムと比較して実質的により少ないジフェニルアミンがクレーに
よって生成物に転化する。これは、ここであとに述べる例2において証明する。
従って、塩化アルミニウム触媒を用いてアルキル化ジフェニルアミンを製造する
ことがより望ましい。ジアリールアミンのハロゲン化アルミニウム触媒アルキル
化から特に生成する着色不純物の新しい除去方法が見いだされた。本発明の方法
は、有効に製造されたジアリールアミン酸化防止剤を
工業で用いることを可能とし、着色した酸化防止剤とクレーとを混合および加熱
する簡単で有効な方法によってそれを実質的に脱色する。
発明の概要
本発明はアルキル化ジアリールアミンの脱色方法に関し、この方法は
(a)1種またはそれ以上のオレフィン化合物と1種またはそれ以上のジアリ
ールアミンとの塩化アルミニウムの存在下における反応生成物であり、着色した
不純物を含む、1種またはそれ以上のアルキル化ジアリールアミンをクレー表面
と接触させ、
(b)前記着色した不純物を前記クレー表面と会合させ、
(c)前記アルキル化ジアリールアミンを前記クレー表面から分離させる
ことを特徴とする。
発明の詳細な説明
本発明は、アルキル化ジアリールアミンの脱色方法を提供し、前記方法は、(
a)着色したアルキル化ジアリールアミンとクレーとを混合して混合物を製造し
、(b)前記混合物を加熱し、および(c)前記クレーを前記アルキル化ジアリ
ールアミンから分離することを含む。いずれの着色したアルキル化ジアリールア
ミンを本方法によって脱色することができる。ジアリールアミンは、当分野にお
いて周知であり、技術は、Kirk−Othmer、Encyclopedia of Chemical Technology
、第3版、1978年の第2
巻、第329〜337頁に記載されている。しかしなから、当業者は、脱色を必
要とする着色したアルキル
化ジアリールアミンは典型的にはハロゲン化アルミニウム触媒、即ち、塩化アル
ミニウムを用いて製造されたものであると認める。適当なアルキル化ジアリール
アミンには、ジフェニルアミン、N−フェニル−ナフチルアミン、およびフェノ
チアジン等からのものが含まれるが、これに限定されない。例えば、適当なアル
キル化ジアリールアミンには、次の一般式:
〔ここで、R1、R2、R3およびR4は独立して、H、枝分かれもしくは直鎖C1
〜C12アルキル基、ベンジル基または直鎖C1〜C4アルキルベンジル基である〕
を有するものが含まれる。
従って、適当なジフェニルアミンには、p,p’−ジオクチル−ジフェニルア
ミン、p,p’−ジノニル−ジフェニルアミン、p,p’−ジ−α−メチルベン
ジルジフェニルアミン、o,o’−ジエチル−p,p’−ジノニルジフェニルア
ミンおよびo,o’−ジエチル−p,p’−ジ−α−メチル−ベンジルジフェニ
ルアミンが含まれるが、これに限定されない。当業者は、ジアリールアミンが、
1種よりも多いジアリールアミンの物理的ブレンド、例えば、p,p’−ジ(ブ
チルおよび/またはオクチル)ジフェニルアミン、p−(ブチルまたはオクチル
)ジフェニルアミン、p−第3ブチル−p’−第3オクチル−ジフェニルアミン
およびジフェニルアミンのブレンドあるいはジフェニルアミンとジイソブチレン
およびスチレ
ンの混合物との反応からのブレンドを含むものからなり得ることを認める。
さらなる反応から得られる誘導アルキル化ジアリールアミン、例えば、アルキ
ル化ジアリールアミンとアルデヒドの反応から得られるUS−A−5,634,
248により教示されるもの、またはジアリールアミンの酸化から得られるUS
−A−3,509,214および3,573,206により教示されるもの、ま
たはジアリールアミンと滑剤の脱水縮合から得られるUS−A−3,492,2
33により教示されるもの、または酸化防止剤としての過酸化物処理フェノチア
ジンに関するUS−A−3,539,515により教示されるものも含まれる。
そのほとんどがアルミノシリケートであり、脱色能力を有するいずれのクレー
も適当である。鉱物、植物および動物油の脱色に用いられる通常のクレーが本発
明の方法において適当である。これは、微粒シルトからほとんど純粋なクレー鉱
物からなるクレーまでの広い範囲のクレー物質を含む。フラー土としても知られ
る粗製クレーは適当である。好ましいクレーは、酸処理されたもの、例えば、L
aporte Industriesから商業的に入手可能な、F
iltrol(商標)またはRetrol(商標)銘柄クレーとして知られるベ
ントナイト酸漂白クレーである。それは、ほぼ97重量%のアルミニウムシリケ
ートおよびほぼ1〜3重量%の結晶シリカである。それは、製品銘柄F−6また
は銘柄F−13としてEnglehard Corporation(米国、ミ
シシッピ州、ジャクソン)から商業的に入手可能である。他の適当なクレーは、
モンモリロナイト、ハロイサイト、およびセピオライト、ならびにアタプルガイ
ト(attapulgite)からなるものを含む。
本発明の方法において、アルキル化ジアリールアミンは、通常の方法を用いて
ジアリールアミンの脱色をさせるに十分な時間クレーと混合される。典型的には
、5〜45分の混合時間が十分である。典型的には、混合物は濃く、従って、混
合物を加熱することが有利である。混合物を少なくとも50℃に加熱する場合に
、最も良好な結果が得られる。150℃を越えて混合物を加熱することか適当で
あるが、当業者は、150℃以下の温度を保持することがより能率的であると認
める。望ましくは、混合物が混合される温度は、70℃〜150℃、好ましくは
80℃〜130℃、最も望ましくは90℃〜120℃および所望により150℃
までである。ジアリールアミンを脱色するために必要なクレーの量は、ジアリー
ルアミンの合計重量に基づいて少なくとも0.5重量%が望ましくは用いられる
が、重要ではない。一般的に、より多くクレーを用いると、より良好な結果が得
られる。適当な範囲は、2%〜10%クレーである。脱色された酸化防止剤アル
キル化ジアリールアミンは、クレーから、いずれの通常の方法、特に濾過を用い
て、好ましくは混合物が厚い間に分離され得る。
ジアリールアミンのさらなる脱色方法は、ジアリールアミンとクレー表面を接
触させ、クレーによって例えば、吸収または吸着(即ち、収着)で着色種を結合
させ、収着した着色種と結合したクレーからあまり着色していないジアリールア
ミンを物理的に分離(例えば、濾過あるいは単離で)することによる。クレーと
ジアリールアミンを接触させる一つの方法は、クレーで充填塔を形成することま
たは濾材または濾過床の一部としてクレーを用いることである。この方法は、微
細な粒度および高表面積の有用なクレー生成物を使用させる。クレーおよび/ま
たはアリールアミンの温度は、上記のように周囲温度よりも高く増加させ、ジア
リールアミンの粘度を減少
させて、濾過時間をより短く、あるいは処理量をより高くし得る。アリールアミ
ンの処理量は、濾過器の投入側を加圧し得る、あるいは、濾過器の押出側を大気
圧よりも低く保持し得る装置を用いることによっても増加させ得る。固体および
液体間の高い表面接触を達成する他の方法もジアリールアミンと有用なクレーを
基材とする生成物との間の物理的特性に対する適当な調整で用いられ得る。これ
らは、流動床、または不活性支持材または構造物上に支持されたクレーの使用の
ようなものを含み得る。
着色されたアルキル化ジアリールアミンは、他の脱色手段、例えば、蒸留によ
ってすでに処理されたものでもよい。脱色のための装置が周囲温度(即ち、20
〜30℃)でアルキル化ジアリールアミンを取り扱い得るならば、加熱は必ずし
も必要な工程ではない。
特定の実施態様
次の限定されない例は、読者に本発明のより詳細な理解を提供する。
例1
p,p’−ジ(ブチル/オクチル)ジフェニルアミン、p−(ブチル/オクチ
ル)ジフェニルアミン、p−第3ブチル−p’−第3オクチル−ジフェニルアミ
ン、およびジフェニルアミンからなる液体酸化防止剤をフラスコに入れた。Re
trol(商標)、ミシシッピ州産のクレーを酸化防止剤の約10重量%の量で
添加した。それらを混合し、120℃で30分間攪拌し、次いで熱いうちにガラ
ス濾過器を通して濾過した。脱色された油は、フィッシャー実験用ASTM D
1500比色計において、工程前の数>8と比べて、<0.5〜1.0の読みを
有していた。炭素、シリカゲルまたはモレキュラーシーブの使用は、3.5〜6
の色測定値を与えた。
例2
AlCl3かクレーよりもはるかに強い触媒であることを示すため、4%のA
lCl3(ジフェニルアミンの重量に基づく)を有する1モルのジフェニルアミ
ンおよび3モルのジイソブチレンを105〜110℃で2時間還流し、85%の
ジフェニルアミンが3:2のモノ−およびジ−オクチル化ジフェニルアミンの混
合物に転化した。一方、同じ条件下に、4%のAlCl3を4%のRetrol
(商標)によって取り替えたところ、わずか<5%のジフェニルアミンがモノ−
オクチル化ジフェニルアミンに転化した。
例3
例1と同じアルキル化ジフェニルアミンのブレンドを100℃で15分間、5
%のRetrol(商標)で処理し、次いで666.6Pa(5mm Hg)減
圧で蒸留し、<0.5の色の読みを有する薄く着色した油を得た。
例4
ジフェニルアミンとジイソブチレンおよびスチレンの混合物との塩化アルミニ
ウム触媒反応から製造されたアルキル化ジフェニルアミンの蒸留ブレンドは、1
10℃で10分間、5%のFiltrol(商標)によって脱色された。色は、
>8から1〜1.5になった。
例5
200グラムの、例4に記載したのと同じアルキル化ジフェニルアミンの未蒸
留ブレンドを160℃に温め、40〜60マイクロメーターの細孔の大きさを有
する150mlガラスブフナー漏斗に充填された5グラムのFiltrol(商
標)銘柄20の床を通した。ウォーターアスピレーターを用いてブフナー漏斗の
受け器側に減圧を与えた。色は、>8から3に落ちた。
例6
ジフェニルアミンとジイソブチレンおよびスチレンの混合物とのアルミニウム
触媒反応の粗生成物を例5の媒質に通した。粗生成物は、例4において初めに蒸
留されたものと同じ粗生成物であり、同じ残留ジフェニルアミン、ジイソブチレ
ン、およびスチレンを含んでいた。次いで、濾液を蒸留した。最終の色は、3〜
3.5の間であった。
例7
例1と同じアルキル化ジフェニルアミンのブレンドを5%のFiltrol(
商標)銘柄6で充填されたクロマトグラフカラムに通した。色は、>8から2.
5になった。
補正された請求の範囲
1.(a)1種またはそれ以上のオレフィン化合物と1種またはそれ以上のジ
アリールアミンとの塩化アルミニウムの存在下における反応生成物であり、着色
した不純物を含む、1種またはそれ以上のアルキル化ジアリールアミンをクレー
表面と接触させ、
(b)前記着色した不純物を前記クレー表面と会合させ、
(c)前記アルキル化ジアリールアミンを前記クレー表面から分離させる
ことを特徴とするアルキル化ジアリールアミンの脱色方法。
2.前記アルキル化ジアリールアミンがアルキル化ジフェニルアミンである、
請求項1記載の方法。
3.前記アルキル化ジアリールアミンがp,p’−ジ(ブチルおよび/または
オクチル)ジフェニルアミン、p−(ブチルまたはオクチル)ジフェニルアミン
、p−第3ブチル−p’−第3オクチル−ジフェニルアミンおよびジフェニルア
ミンの物理的ブレンドである、請求項1記載の方法。
4.前記クレー表面が酸処理されたクレーの表面である、請求項3記載の方法
。
5.1種またはそれ以上のアルキル化ジアリールアミンのクレー表面との接触
がクレーを前記1種またはそれ以上のアルキル化ジアリールアミンとの混合によ
り行われる、請求項1〜4のいずれかに記載の方法。
6.前記クレーが前記1種またはそれ以上のアルキル化ジアリールアミンの合
計量の少なくとも0.5重量%であり、前記1種またはそれ以上のアルキル化ジ
アリールアミンが1種またはそれ以上のアルキル化ジフェニルアミンである、請
求項1〜5のいずれかに記
載の方法。
7.前記クレーが酸処理されたクレーである、請求項1〜6のいずれかに記載
の方法。
8.前記クレーおよび前記1種またはそれ以上のアルキル化ジフェニルアミン
が混合物を形成しており、前記混合物が90℃〜150℃の温度に加熱される、
請求項1〜7のいずれかに記載の方法。
9.前記1種またはそれ以上のアルキル化ジフェニルアミンがスチレン、ジイ
ソブチレンおよびジフェニルアミンの塩化アルミニウム触媒の存在下における反
応生成物である、請求項1〜8のいずれかに記載の方法。
10.前記1種またはそれ以上のアルキル化ジフェニルアミンがp,p’−ジ
オクチル−ジフェニルアミンを含む、請求項1〜9のいずれかに記載の方法。
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(81)指定国 EP(AT,BE,CH,DE,
DK,ES,FR,GB,GR,IE,IT,LU,M
C,NL,PT,SE),CA,JP
(72)発明者 ショウ,チョン−クワン
アメリカ合衆国,オハイオ 44147,ブロ
ードビュー ハイツ,ウエスト リッジ
ドライブ 7980
(72)発明者 フィラ,デボラ スーザン
アメリカ合衆国,オハイオ 44087,ツイ
ンズバーグ,#10,ラベンナ ロード
10540