【発明の詳細な説明】
水中の酸素−、亜硝酸塩−及び/又は硝酸塩含量を除去する方法
本発明方法は、反応ガス中でのゲル化により製造された担体を基礎とする担体
触媒の使用下での、水中の酸素−、亜硝酸塩−及び/又は硝酸塩含量の除去又は
減少に関する。
ドイツ国の地下水及び地上水中で発見された亜硝酸塩−及び/又は硝酸塩含量
は、ここ数年著しく増大している。これらは、場所によって著しく変動し、かつ
一部では許容最高限度を超えうる。飲料水に関して、最新のEG方針では、1リ
ットル当たり硝酸塩50mgの許容限界値が、亜硝酸塩については0.1mg/
lの限界値が推奨されている。多くの地下水及び地上水中の増大する亜硝酸塩及
び硝酸塩含量は、飲料水浄水の範囲で、ますます、亜硝酸塩−及び硝酸塩除去法
を必要とする。このために、生物学的方法及び物理的/化学的措置を、水の脱塩
の範囲で使用することができる。この方法の公知の欠点は、細菌又はその代謝産
物での起こりうる汚染もしくは問題の単なる転位である。
水(場合により、亜硝酸塩もしくは硝酸塩不含であってもよい)からの酸素の
除去は、多くの場合に望ま
しい。水中の酸素は、金属成分、例えば冷却装置及び熱機関装置(Waermekrafta
nlagen)の腐食を促進する。食品製造の分野において、例えば、飲料、例えばフ
ルーツジュース又はビールの製造の分野において、酸素の少ない又は酸素不含の
水が特に使用される。
欧州特許(EP−A)第0359074号明細書(米国特許(US−A)第4
990266号明細書)は、選択的窒素形成下で、亜硝酸塩及び/又は硝酸塩負
荷水から亜硝酸塩及び/又は硝酸塩を除去するための、触媒的に操作する方法を
記載している。パラジウム及び/又はロジウムから又はパラジウム及び銅族の金
属からなる金属成分を含浸させた多孔性担体から形成される担体触媒を使用する
。この担体は、全細孔容積に対して少なくとも30%の割合のマクロボア(Makr
oporen)(最小半径20nm(200Å)を有する)を有する2モード(bimoda
le)細孔半径分布を有し、かつ/又は表面範囲での濃縮を有する金属成分の不均
一な分布を有するか、又はこの担体は、粉末として存在する。
本発明の課題は、窒素への亜硝酸塩及び/又は硝酸塩の選択的変換を可能にす
る改良された方法を提供することである。この課題は、請求項に記載された方法
により解決される。
更に、本発明の課題は、方法実施のための、改良された、殊に耐摩耗性のパー
ル形担体触媒を提供するこ
とである。この担体触媒の粒子は、粒度及び組成においてできるだけ僅かなばら
つきを有するべきである。この課題は、請求の範囲に記載された担体触媒によっ
て解決される。
選択的窒素形成下で、酸素含有及び/又は亜硝酸塩及び/又は硝酸塩負荷水か
ら酸素−、亜硝酸塩−及び/又は硝酸塩含量を除去又は減少するための本発明に
よる連続的に実施可能な方法(その際、酸素含有、亜硝酸塩−及び/又は硝酸塩
負荷水中へ水素ガスを導入し、かつ水素を負荷する水を、パラジウム及び/又は
ロジウムから又はパラジウム及び銅族の金属からなる金属成分を負荷する多孔性
触媒から形成される触媒と接触させ、かつ亜硝酸塩のみを負荷する水を処理する
ためには、その金属成分がパラジウム及び/又はロジウムからなる触媒を使用し
、かつ処理すべき水が硝酸塩も含有している場合には、その金属成分がパラジウ
ム及び銅族の金属から又はロジウム及び場合によりパラジウムからなる触媒又は
その金属成分がパラジウム及び銅族の金属からなる触媒とその金属成分がパラジ
ウムのみからなる触媒との混合物を使用し、かつその際、水のpH値は8を超え
るべきでなく、かつこの方法を、場合により、水の酸素含量、亜硝酸塩含量及び
/又は硝酸塩含量が除去されるか、又は許容値まで減少されるまで何度も続けて
実施する)は、その担体が、球形ゾル粒子と反応ガスとの接触及びゾル粒子の捕
集
装置中での捕集下でのゾルの球形ゾル粒子への変換、及び引き続く、固化したゾ
ル粒子の熟成、洗浄、乾燥及びか焼下での後処理により製造される触媒を使用す
ることを意図している。
形成された球形のゾル粒子を、以降、「ゾルパール(Solperlen)」とも称す
る。
本発明の範囲において、酸素含有もしくは亜硝酸塩−又は硝酸塩負荷水及び任
意の起源の水溶液を処理することができる。本発明明細書中で、「水」なる表現
は、このような水及び水溶液を示す。本発明方法の反応条件下で精製すべき水が
還元可能な他の物質を含有する場合、これら同様に還元する。望ましいと思われ
る場合、このような還元可能な他の物質を、精製すべき水から予め除去する。
本発明方法にとって、特別に製造された担体を基礎とする触媒の使用は、決定
的な意味がある。酸化マグネシウム、酸化アルミニウム、二酸化ケイ素、アルミ
ノケイ酸塩、酸化亜鉛、二酸化チタン、酸化クロム、酸化銅、酸化マンガン、酸
化セリウム、酸化スズ、酸化鉄、酸化ニッケル、酸化鉛、酸化モリブデン、酸化
バナジウム、酸化トリウム、酸化ジルコニウム及び/又は酸化ハフニウムの群か
らなる無機酸化物を基礎とする粒子を使用することができる。その製造が次に詳
述されるアルミノケイ酸塩及び殊に酸化アルミニウムを基礎とする担体は、殊に
適当である。
前記酸化物を基礎とする球形粒子の形の担体の製法は、ゾルをゲルに変えるこ
とを意図している。ゾルとして、例えば、準安定酸性ゾル、例えば硝酸酸化アル
ミニウムゾルを使用することができる。二者選択的に、不安定ゾルを酸性及びア
ルカリ性成分を一緒にするか、又は液体アルカリ性成分、例えば水ガラスを他の
アルカリ性成分、例えばアルミン酸アルカリ溶液と、ドイツ国特許出願公開(D
E−OS)第2917313号明細書中に記載されたようにして一緒にすること
によって得ることができる。ゾル製造は、液体アルカリ性成分を液体酸性成分と
一緒にしてゾルにすることによっても達成される。ゾルを、球形をなすゾル粒子
に変え、得られたゾルパールを反応ガスとの接触及び捕集装置中への導入により
固化させ、かつ引き続く後処理工程で熟成させ、洗浄し、乾燥させ、かつここで
使用する担体に関しては、か焼し;その際、ゲルを、成形油(Formoel)と接触
させない。
このゾル−ゲル−法の意味において、ゾルとは、成分を一緒にしたすぐ後に、
もしくは反応ガスとの接触の際にゲル化する不安定なゾルも、なおも数時間流動
状態のままである準安定ゾルも意味する。
方法は、基本的に、例えば急なpH値変化又は光化学的開始により引き起こさ
れた、ゲル化可能な溶液のゲル化により製造することができる粒子を製造するた
めに適当である。本発明方法を用いて、ゾル−ゲル−
反応で重縮合により形成される、酸化アルミニウムを基礎とする粒子が殊に良好
に得られる。
酸性成分としての酸性酸化アルミニウムゾルを、ガス状のアルカリ性成分、例
えばガス状のアンモニア又は有機アミンの蒸気、例えば低級アルキルアミンの蒸
気と反応させる。適当な酸化アルミニウムゾルは、従来技術に相当して、酸化ア
ルミニウム、例えばアルミナ水和物、例えば、ベーマイト、偽ベーマイト(Pseu
do-Boehmit)、ギブス石(Hydrargillit)又はバイアーライトから、水性酸、例
えば硝酸中での分散によって製造することができる。更に、公知の方法で、水酸
化アルミニウム及びハロゲン化アルミニウム、例えばAlBr3、AlCl3又は
金属アルミニウムから、希釈した酸、例えばHCl、アルミニウムゾル又は本発
明方法で酸化アルミニウム含有酸性成分として使用することができる懸濁液を作
用させることにより得ることもできる。
方法により、もちろん、微細分(Feinanteile)をそれぞれ自体公知の種類、
量及び粒度で含有するゾルも使用することができる。使用技術的特徴を改善する
ために、例えば自体公知の方法で、微細分として、添加物、例えばケイ酸、アル
ミノケイ酸塩、マグネシウム化合物、例えばMgO、酸化アルミニウム、二酸化
チタン、カオリン、モンモリロン石(Montmorillonit)、ベントナイト、ゼオラ
イト、でん粉、木粉又は活性炭
の群からなる充填剤が添加されていてもよい。その際、充填剤は、ゾル、酸性及
び/又はアルカリ性成分に、結晶又は無定形の形で、又はドイツ国特許出願公開
第4216868号明細書中に記載されているような高分散性形でも供給するこ
とができる。自体公知の方法で粒子の触媒的特性を変化させる微細分も、微細に
粉砕した触媒活性金属又はその前生成物、例えば金属塩と同様に、慣例の方法で
使用することができる。
ゲル化可能な不安定ゾルへのアルカリ性成分と酸性成分との混合は、自体公知
の方法で、適当な混合装置、例えば混合ノズル中で実施されうる。引き続き、こ
うして得られたゾルもしくは準安定ゾルを、直接、それを用いて液滴状のゾル粒
子に変えかつ反応ガスと接触させることができる装置中へポンプ導入する。
酸化アルミニウムを基礎とする球形粒子は、例えば、酸化アルミニウム−ヒド
ロゾルからなる球形液滴を、振動させたノズル板によって生じ、これらを、アン
モニアガスを側面から吹き付けることにより前固化させ、次いで、アンモニア水
溶液中に捕集することによって製造することができる。より大きな直径の粒子を
製造する際に、粒子を、通常、フォーム層に通すべきである。それによって、ア
ンモニア溶液への粒子の衝撃が阻止され、従って、液滴の変形もしくはさく裂が
避けられる。使用した酸化アンモニウムゾルもしくは酸化アルミニウム懸濁液は
、この方法によれば、10〜5
00mPa・sの範囲の一定の粘度を有するべきである。
有利な実施態様によれば、ゾル粒子を、下から、反応ガス中へ噴霧導入し、か
つ今や液滴状(ゾルパール)であるゾル粒子を、曲がった飛行軌道(gekruemmte
n Flugbahn)の飛行後に、捕集装置中に捕集する。
本発明による水処理法で使用可能な担体の殊に有利な製法を次に記載する。
ゾル−ゲル−転換による、特に酸化マグネシウム、酸化アルミニウム、二酸化
ケイ素、アルミノケイ酸塩、酸化亜鉛、二酸化チタン、酸化クロム、酸化銅、酸
化マンガン、酸化セリウム、酸化スズ、酸化鉄、酸化ニッケル、酸化鉛、酸化モ
リブデン、酸化バナジウム、酸化トリウム、酸化ジルコニウム及び/又は酸化ハ
フニウムの群からなる無機酸化物を基礎とする球形粒子(パール)の形の触媒担
体の殊に良好な適当な製法は、次のようなことを意図している;ゾルが反応帯域
への導入の直前又は導入の際に初めて、個々のゾル液滴(ゾルパール)に分割し
(aufreisst)、かつ形成されたゾルパールが曲がった飛行軌道で反応帯域を飛
行し、その際、ゾルパールが球形をなしかつ前固化されるようにして、ゾルを反
応ガス含有反応帯域中へ下から噴霧導入し、かつ引き続き、前固化されたゾル粒
子を捕集装置中で捕集する。このような方法工程により、ゾルパール形成の位置
及び時点を、有利な方法で、ゾ
ルパールのゲル化(前固化)の開始に合わせる。従って、その発生の時点でなお
も液状の、十分に理想的な球形及び十分に等しい球直径を有するゾル液滴である
ゾルパールは、反応ガス中での飛行の際に、その十分に理想的な均一な球形で固
定され、すなわち前固化され、かつ前固化された球形を引き続きゾルゲル法の自
体公知の更なる処置により安定に固化する前に、変形作用に対して良好に保護さ
れる。このために、噴霧導入装置を、一定の(当業者により、下記のように容易
に測定されるべき)距離で、反応帯域中への導入口の下方に配置し、その際、そ
の距離は、噴霧装置から出発してゾルがゾルパールに分割するその距離にほぼ相
当する。付加的に、ゾルを、下から、すなわち、重力とは逆に、一定の角度αで
、噴霧装置から反応帯域中へ噴霧導入し、その際、角度αは、水平な、重力に対
して直角に存在している軸と、噴霧システムからの出口点(Austrittspunkt)に
おける噴霧されたゾルの接線とから形成される。
従って、この方法により、ゲル化可能なゾルを、下から上へ、反応帯域中へ、
殊に、角度α<90°で噴霧導入する。その際、噴霧装置としては、粒度範囲に
応じて、種々異なる直径のカニューレ又は自体公知の噴霧ノズル、スプレーター
ビン(Spruehraeder)、超音波ノズル(Ultraschallduesen)、ターボカツプ(T
urboglocken)、機械的に作動するノズル、電磁弁、又は
静電噴霧又はジェット式プリンター(例えば圧電作動ノズル(piezoerregete Du
esen))で使用される噴霧システムを有するスプレーを使用することができる。
その際、粒度範囲は、使用された噴霧装置によって変化する。0.01mm〜0
.3mmの範囲の所望された粒度においては、有利には、ターボカップ又は噴霧
ノズル、例えば自体公知のスパイラルノズル(例えばSpraybest社のスパイラル
ノズル)又は特に超音波ノズルを使用する。0.3mm〜5mm、殊に0.3m
m〜3.5mmの範囲の所望の粒度においては、有利には、スプレータービン又
は有利には相当する直径のカニューレを使用する。反応ガス含有反応帯域の導入
口への噴霧装置の非常に僅かな距離において、例えば、小さな直径を有する噴霧
ノズル又はカニューレを使用する際、洗浄ガス(例えば圧縮空気)を用いて吹き
付けることは、それによって早くゲル化しすぎるゾルによる噴霧装置の詰まりを
避けるために、有利である。
「無機酸化物」の概念下で、殊に「酸化アルミニウム」とは、ゲル形成酸化物
成分の他に、使用技術的及び/又は触媒的特性を改良する他の添加物を含有する
酸化物をも表わす。例えば、Mg、Zr、Cu、Pb又はTiのアセチルアセト
ネートを添加することができる。
噴霧ゲル化法により、その平均直径が乾燥後に0.001mm〜5mmの範囲
であってよい球形の粒子を
製造することができる。その際、粒度を、使用した噴霧装置により変化させるこ
とができる。その際、使用方法におけるAl2O3の粒度は、触媒的水処理の際に
重要でない;前記した他の酸化物の粒子は、有利には、特に0.3mmより下の
より低い前記の寸法範囲である。
噴霧ゲル化法による酸化アルミニウムを基礎とする球形粒子の製造は、場合に
より更に使用技術的特性を改良する成分を含有する自体公知の準安定酸性酸化ア
ルミニウム水和物ゾルを使用する場合にも可能である。適当な酸化アルミニウム
水和物ゾルは、技術水準に相当して、酸化アルミニウム、例えばアルミナ水和物
、例えばベーマイト、偽ベーマイト、ギブス石又はバイアーライトから、水性酸
、例えば硝酸中での分散によって製造することができる。自体公知の方法で水酸
化アルミニウム及びハロゲン化アルミニウム、例えばAlBr3、AlCl3又は
準安定アルミニウムから、希釈した酸、例えばHClの作用により得られた酸化
アルミニウム水和物ゾル又は分散液を、本発明方法で使用することもできる。こ
の際、ゾルのゲル化は、種々異なる自体公知の方法で引き起こされるか、もしく
は自己ゲル化ゾルの使用の際に支援されうる。従って、ゲル形成は、化学的にも
物理的にも、例えばpH値変化(酸性又はアルカリ性への)、温度変化(加温又
は冷却)並びに例えば光化学的開始により引き起こされ、
かつ支援されうる。
図1中に、噴霧ゲル化法の実施のための装置の構造を例示的に示す。噴霧シス
テムにより、ゲル化可能なゾルを、下から上へ、α<90°、例えば40〜89
°、特に80〜88°の角度で、反応帯域中へ、ゾルが噴霧システムから出た後
に反応帯域中への導入口の通過の直前又は通過の際に初めて十分に同じ大きさの
ゾルパールに分割するように噴霧導入し、その際、ゾルパールは、その形成の瞬
間に、実質的に即座に、反応ガスのゲル化作用にさらされる。個々のゾルパール
におけるゾルの分解の位置は、角度以外に、ゾルの粘度、それぞれ使用された噴
霧装置、並びにゾルが噴霧装置を出ていく圧力にも関連している。ゾルが個々の
ゾルパールに分割する時点を所望のように調節するために、噴霧装置と反応帯域
中への導入口との間の距離dを、噴霧工程の初めに、当業者により、検査によっ
て変える。すなわち、距離dを、個々のゾルパールへのゾルの分割点が反応帯域
への導入口の直前又は導入口中に存在するまで減少又は増大する。
反応帯域中への導入後に、形成されたゾルパールは、放物線の形に曲がった飛
行軌道を、反応帯域中に存在する反応ガスを通って飛行し、その際、ゾルパール
は、その球形で固定され、すなわち前固化される。ゾルパールがこの放物線状飛
行軌道を反応ガスを通って通過すべきであることによって、反応ガスは、本発明
方法
によって、ゾルパールの前固化のために殊に長く寄与することができ、従って、
このことにより、捕集装置での衝突の際のパールの変形は既に十分に最小限にな
る。例えば約180〜200℃まで反応帯域を付加的に加熱することにより、粒
子の前固化は、場合により、更に支援されうる。変形の危険性を更に減らすため
に、必要に応じて、高さを調節可能な捕集装置を、ゾルパールがその最も僅かな
運動エネルギーを有する、ゾルパールの放物線状飛行軌道の方向転換点(Umkehr
punkt)の近くに近づけることができる。
捕集装置として、本発明方法では、特に平らにのばした箔、例えばPVDF箔
、PE又はPVC箔、有利には平らな捕集金属板(Auffangblech)又は液体を充
填した容器を使用することができる。捕集装置は、殊に、平らな捕集金属板の使
用の際に、そのものとして冷却することができるか、又は、例えば、均一に固体
CO2で被覆されている金属板を使用することができる。特に、方法変法におい
て、固体CO2を充填した容器を使用する;この際、固体二酸化炭素に関して公
知であるライデンフロスト現象によって、衝突の際のゾルパールの運動エネルギ
ーは更に減少しうる。殊に有利な方法変法は、捕集装置として、液体、殊に反応
液を充填した捕集容器を使用する。その際、反応液とは、ゾルゲル法による粒子
の固化のために通常使用される慣例の酸性もしくはアルカリ性液体を表わす。こ
のた
めに、慣用の反応液は、例えば5〜10%アンモニア水溶液又は1〜5重量%の
濃度での酸性反応液、例えば塩酸、硫酸又は硝酸である。反応液の使用の際に、
有利には、反応帯域中で、これと同等の反応ガスを使用すべきである。反応液と
して、例えば、アンモニア水溶液を入れる場合、反応ガスとして、アンモニアガ
ス又は有機アミンの蒸気を使用すべきである。酸性反応液、例えば塩酸、硫酸又
は硝酸を使用する際、これと同等の酸性反応ガス、すなわち塩化水素、二酸化硫
黄もしくは酸化窒素を使用すべきである。
本発明による方法で使用された反応ガスを、相当する捕集装置上の閉じられた
容器の形で存在する反応帯域中に保持することができる。その際、新たな反応ガ
スを、必要に応じて、常に、反応帯域中への分離したガス供給口を通して後充填
することができる。既に前記したアルカリ性もしくは酸性反応ガスの他に、自己
ゲル化ゾルの使用の際に、反応ガスとして、不活性ガス、例えば大気又は窒素も
使用することができる。場合により、ゾル粒子の前固化を、反応ガスを通る曲が
った飛行軌道の飛行の際に、反応帯域の加熱によって支援することができる。有
利には、このために、反応帯域を、1000℃まで又はそれより高い温度、特に
500〜800℃に加熱する。冷却の際のゲルの粘度の減少も、パールの前固化
のために利用することができる。殊に、捕集装置として固体二酸化炭素を充填し
た容器を使用する際に、この方法で、粘度の低下によりゾル粒子の前固化を支援
するために、反応帯域も、室温より下の温度まで冷却することができる。
捕集装置から、前固化したゾル粒子を、ゾル−ゲル−法により製造された粒子
のために通常実施される後処理に導くことができる。この後処理は、通常、後処
理工程 洗浄、乾燥及び場合によりか焼を包含している。ゾル粒子は、通常、1
00〜200℃の範囲で、1〜24時間の時間乾燥させる。捕集装置として箔又
は固体二酸化炭素を充填した容器を使用する際に、パールを、直接、例えば吸引
装置を介して、乾燥単位(Trocknungseinheit)、例えば自体公知の噴霧乾燥器
中へ移すことができる。
殊に小さな粒子、殊に0.001mm−0.3mmの範囲の直径を有する粒子
を製造するために、噴霧ゲル化法の変化において、有利には、図2に図示した装
置を使用する。この装置は、図1中に示した装置とは、噴霧装置が霧箱(Nebelk
ammer)を包含する点で相違している。この方法変法において、ノズル、有利に
はスパイラルノズル又は特に超音波ノズルを通して小さなゾルパールを得、これ
は、まず、霧箱中で下へ沈み、かつ次いで下から上へ、運搬装置、例えば換気装
置から公知の翼式換気扇を用いて、反応ガスを含有する反応帯域中へ噴霧導入さ
れる。ゾルの噴霧導入後の更なる工程は、引き続き、図1で示した方法に関して
既に
記載した方法工程と同様にして行なわれる。
得られた球形のパールは、反応ガス中での前固化の後に、この方法のもう一つ
の態様で、捕集装置に捕集した後に、これを乾燥に至らせる前に、低級アルキル
アルコール、殊にC1〜C4−アルコール、例えばメタノール、エタノール、プロ
パノール又はイソプロパノールで又はアセトンで処理してもよい。特に、できる
だけ無水であるべきであるイソプロパノールを、この処理のために使用する。低
級アルキルアルコール又はアセトンでの粒子の処理により、一方では、得られた
粒子、殊に1mmより小さい平均直径を有する粒子の乾燥の際の粘着を有利に妨
げ、一方では、この処理により、得られた粒子の細孔容積を広げることができる
。このために、粒子を、捕集装置から容器中に移し、かつ1分〜24時間、有利
には2〜3時間の間、アルコールで何度も被覆する。例えば、この処理により、
得られた酸化アルミニウム粒子の細孔容積を変えることもできる;本発明方法に
より製造された酸化アルミニウム粒子の細孔容積は、例えば、低級アルキルアル
コールでの処理後に、0.4〜2.5ml/gの範囲である(乾燥後に測定)。
噴霧ゲル化法により、本発明による使用法のために著しい利点をもたらす特性
である非常に均一な球構造、狭い分布の細孔径並びに非常に狭い粒子スペクトル
(Kornspektrum)を有する無機酸化物を基礎とする粒子を有利に得ることができ
る。更に、大部分の数量の過小もしくは過大粒子を十分に避けることができる。
「狭い」粒子スペクトルとは、粒子の80%が次表に示した範囲内でそれぞれ平
均直径に±した直径を有する粒子スペクトルを表わす;
記載した方法で、成形油を使用する必要はないので、こうして製造された粒子
は、更なる汚染又は変色もない。乾燥の前のアセトン又は低級アルキルアルコー
ルでの処理により、製造された粒子において、細孔容積を、有利な方法で広げる
こともできる。更に、記載された方法により製造された球形粒子は、意外にも、
高い耐摩耗性を示し;従って、本発明による使用法のための触媒担体として非常
に適当である。
方法において、殊に酸化アルミニウムを基礎とする球形粒子が得られ、これら
は、
a)0.01〜5mm、特に0.02〜3.5mmの範囲の直径、
b)1〜900m2/g、特に100〜800m2/gの範囲の比表面積、
c)0.1〜1.0g/mmの範囲の嵩重量、
d)0.25〜2.5ml/gの範囲の細孔容積、
e)一つの最大値(1.5〜200nm(15〜2000Å)、特に1.5〜4
0nm(15〜400Å)の範囲の1モード(monomodale)細孔分布)を有する
細孔径の分布
を有する。
本発明による粒子の比表面積、細孔容積及び細孔分布は、水銀細孔計又は写真
及び窒素吸着曲線の評価により、自体公知の方法で測定することができる。次い
で、細孔径及び平均細孔径の最大を、これから測定することができる。
細孔径の80%、特に95%が、式0.8R≦R≦1.2R(ここで、Rは、
1.5〜40nm(15〜400Å)の範囲の平均細孔径に相当する)に相当す
る1モード細孔分布を示す粒子は、使用法のために非常に適当である。
その際、0.5〜2.5ml/g、特に0.7〜2.5ml/gの範囲の細孔
容積及び6〜38nm(60〜380Å)の範囲の平均細孔径Rを有する酸化ア
ルミニウムを基礎とする粒子は、殊に適当である。
殊に均一な球形及び狭い粒子スペクトルの他に、得られた粒子は、細孔径の異
例に狭い分布における高い細孔容積により優れている。この際、粒子の少なくと
も80%、特に95%は、既に前記した0.8R≦R≦1.2Rの許容範囲であ
る細孔径を有することが殊に有利である。その際、マクロポア、すなわち20n
m(200Å)より大きい直径を有する細孔の割合は、5%より低い。図3A及
び3Bは、均一で均等な表面構造を例示する(電子顕微鏡写真)。パールは、殊
に均一な構造及び殊に均一な表面を有し、このことは、水処理法における触媒担
体としての本発明によるその使用のために殊に有利である。その際、粒子の特異
な特徴は、その高い細孔容積において、意想外に高い耐摩耗性を示すことであり
、このことにより、粒子は、高い嵩密度と関連して、流動床−(Fliessbett-)
もしくは流動層(Wirbelschicht)反応器中で、触媒による水処理の際に、触媒
担体として本発明により使用するために殊に適当になる。
前記した方法のうちの一つにより製造された粒子を更に乾燥させ、かつか焼さ
せ、かつこれを本発明による水処理法で使用することができるように、前記の触
媒活性成分(ロジウム、パラジウム、場合により銅族の金属)で被覆する。乾燥
は、通常、100℃〜200℃の範囲の温度で、1〜24時間の間行なう。引き
続き、粒子を、場合により自体公知の方法で、400
〜1200℃、特に550〜900℃、殊に590〜650℃でか焼することが
できる。その後、使用した温度を、その多孔度が望ましくなるように調節する。
より低い温度では、小さい細孔径及びより大きい表面積を有する担体が得られ、
より高い温度では、より小さな表面積でより大きな細孔径を有する担体が得られ
る。
特に、本発明による水処理法で、触媒成分としてパラジウム又はパラジウム及
び銅及び担体材料としてAl2O3を有する担体触媒を使用する。
金属の含有率は、通常、得られた触媒担体に対して、0.1〜5重量%の範囲
である。本発明による触媒の製造は、自体公知の方法で行なうことができる。例
えば、金属塩又は錯金属化合物を、含浸法、噴霧法又は沈殿法で、粒子上へ施与
し、かつ乾燥及びか焼後に、所望に応じて還元することができる。有利には、金
属を、含浸法で、例えば、水又は有機溶剤中の金属塩又は錯金属化合物の溶液又
は懸濁液で粒子上へ施与する。その際、本発明により製造された粒子が、この含
浸で、エッジ増加(Randanreicherung)する傾向があり、すなわち、含浸法で使
用された金属が、エッジ領域において、粒子の内部よりも著しく堆積することを
確認することができる。このことは、殊に有利である。それというのも、これに
よって、触媒の製造のために、相当して、少ない金属を使用すべきだからである
。触媒活
性金属は、シェル触媒(Schalenkatalysatoren)において、短い拡散過程(Diff
usionswege)により、より入手ししやすい。本発明により製造された粒子を基礎
として得られた触媒の更なる利点は、その意外にも高い耐摩耗性である。
触媒製造のために、0.05〜1mm、特に0.4〜0.6mmの範囲の直径
を有する酸化アルミニウムを基礎とする球形粒子の形の担体は、殊に適当である
。5〜250m2/g、特に100〜200m2/gの範囲の比表面積は、殊に有
利である。0.3〜1.2g/ml、殊に0.3〜0.7g/mlの範囲の嵩重
量及び0.6〜1.2ml/gの範囲の細孔容積は、有利である。その際、平均
細孔径は、10〜20nm(100〜200Å)の範囲である。
噴霧ゲル化により製造された担体を使用する場合、触媒は、担体材料に相当し
て、狭い粒子スペクトルを有する。
本発明方法のもう一つの目的は、特別な、本発明方法で使用可能な担体触媒で
ある。酸素含量、亜硝酸塩−及び/又は硝酸塩含量を減少するために適当な担体
触媒は、酸化マグネシウム、酸化アルミニウム、二酸化ケイ素、アルミノケイ酸
塩、酸化亜鉛、二酸化チタン、酸化クロム、酸化銅、酸化マンガン、酸化セリウ
ム、酸化スズ、酸化鉄、酸化ニッケル、酸化鉛、酸化モリブデン、酸化バナジウ
ム、酸化トリウム、酸化ジ
ルコニウム及び/又は酸化ハフニウムの群からの無機酸化物を基礎とする担体上
のパラジウム、ロジウム又はパラジウム及び銅族の金属を包含し、その際、担体
は、ゾル粒子と反応ガスとの接触及び飛行後のゾル粒子の捕集装置中での捕集下
でゾルを球形のゾル粒子に変え、固化したゾル粒子を熟成、洗浄、乾燥及びか焼
により後処理することにより製造することができるが、但し、担体は、5〜25
0m2/mgの範囲の比表面積を有するべきである。Al2O3は有利な担体であ
る。
その担体が、触媒活性金属成分の施与の前に600〜1200℃の温度でか焼
された触媒担体は、殊に適当であることが判明した。0.3〜1.2g/mlの
嵩重量及び0.4〜1.2g/mlの嵩重量及び0.4〜1.2ml/gの細孔
容積を有する担体触媒は、殊に良好な方法結果をもたらす。本発明による担体触
媒の更に有利な実施態様は、有利なものとして使用可能な前記の担体触媒に相当
する。完全に均一な担体の構造(噴霧ゲル化法の際に得られたような)を有する
が、触媒活性成分の不均一な分布を有する担体触媒(すなわち触媒活性成分の濃
度が中心から周囲にむかって増大する(シェル触媒))は、殊に有利である。
このような担体触媒の製造は、自体公知の方法により可能である。パラジウム
又はロジウムを含有する担体触媒を製造するために、有利には、担体を、可溶性
パラジウム−又はロジウム化合物の水溶液で含浸し、引き続き乾燥及びか焼する
。パラジウム及び銅を含有する担体触媒を製造するために、有利には、担体を先
ずパラジウム化合物の水溶液、特にNa2PdCl4溶液で含浸し、引き続き乾燥
させ、かつ場合によりか焼し、かつ場合により還元し、かつその後に、パラジウ
ム含有担体を銅化合物の水溶液で含浸し、かつ引き続き、もう1度か焼し、かつ
還元するようにして行なわれる。殊に、パラジウム及び銅を含有する触媒は、パ
ラジウムを含有する担体を塩基性溶液、例えば炭酸ナトリウム水溶液と接触させ
、かつ引き続き銅化合物での含浸を行なうようにして製造された。もちろん、金
属を担体上へ同時に施与することもできる。
反応ガスとの接触によりパール形に前安定された前記の酸化物触媒を基礎とす
る担体触媒は、これが高い均一性を、つまり、一方ではその外形(球形、粒度分
布の狭いスペクトル)に関しても、全ての粒子における担体材料の物質的品質を
考慮しても有するという利点を有する。この担体触媒は、高い機械的安定性を有
し、かつ有利な実施態様で、表面における触媒活性成分の濃縮により優れている
。このことから、殊に、担体材料としてのAl2O3において、N2への還元に関
する高い選択性及び触媒粒子の高い分解率が得られる。
高い表面積(>140m2/g)及び相当して小さ
な細孔径を有する担体触媒を使用する場合、シェル触媒において、物質拡散は、
技術水準による触媒よりも限定が少ない。
本発明方法を用いて特別な担体触媒の使用下で除去することができるか又は許
容可能な濃度まで減少することができる亜硝酸塩−及び/又は硝酸塩含量並びに
酸素含量は、広い範囲で変化しうる。本発明方法を用いて、0.1mg/l〜1
l当たり数gで亜硝酸塩−及び/又は硝酸塩負荷を有する水を処理することがで
きる。殊に、本発明は、例えば亜硝酸塩0.1mg〜2g/l及び/又は硝酸塩
1mg〜10g/lの範囲の僅かな亜硝酸塩−及び/又は硝酸塩負荷を有する水
から、亜硝酸塩−及び/又は硝酸塩含量を除去するために殊に適している。
当業者にとって、本発明方法を、亜硝酸塩も硝酸塩も含有しない水から酸素を
除去するために使用することができることは明らかである。方法を、もちろん、
酸素を含有しない水から亜硝酸塩及び/又は硝酸塩を除去するためにも使用する
ことができる。最後に、方法を、他の変法により、同時に酸素を含有する水から
亜硝酸塩及び/又は硝酸塩を除去するためにも使用することができる。この場合
、亜硝酸塩並びに硝酸塩と共に酸素も除去される。
殊に、本発明方法は、その純度において、自然の濾過(natuerliche Filtrati
on)を通った水に相当する
水を処理するために使用される。このような水は、水溶性物質、例えば無機塩を
、地下水中で発見できるような割合で、すなわち、例えば1l当たり数gまで含
有していてもよい。本発明方法を用いて処理すべき水の例は、例えば、次のもの
である;地下水、井戸水、わき水又は岸濾液(Uferfiltrate)又は予め相応して
前精製された他の排水、例えば、そこで酸素、亜硝酸塩及び/又は硝酸塩の含量
が減少されうる煙道ガス洗浄からの例えば工場排水。本発明方法を用いて処理さ
れる水の他の例は、飲料水、例えばミネラルウォータ、レモネード及びフルーツ
ジュース、並びに飲料、例えばミネラルウォータ、レモネード及びフルーツジュ
ースを製造するために又はビール製造のために使用される水である。
本発明は、例えば、飲料水の後処理の範囲で、並びに食料品−又は飲料産業用
の並びに酸素−、亜硝酸塩−及び/又は硝酸塩が僅少か又は含まない水が必要で
ある他の目的用の水もしくは使用水の後処理の範囲で使用するために適当である
。
水が亜硝酸塩及び場合により酸素のみを含有する場合、その金属成分がパラジ
ウム及び/又はロジウムからなる担体触媒を使用することができる。処理すべき
水が硝酸塩も含有する場合、その金属成分がパラジウム及び銅族の金属から又は
ロジウム及び場合によりパラジウムからなる担体触媒を使用する。処理すべき水
が硝酸塩を含有する場合、本願発明による触媒系、有利には金属成分としてパラ
ジウムのみを含有する触媒粒子と金属成分としてパラジウム及び銅族の金属、殊
に銅を含有する担体触媒粒子とからの触媒系も使用することができる。パラジウ
ム含有触媒粒子対パラジウム/銅含有触媒粒子の重量比は、水の亜硝酸塩−及び
硝酸塩含量及び触媒の金属成分の量及び組成に応じて変化しえ、かつ1:5〜5
:1、特に1:2〜2:1である。種々異なる粒子は、有利には、互いに別々に
存在する。処理すべき水を、先ずパラジウム/銅族金属含有粒子に、かつ次いで
パラジウムのみを含有する粒子に、特にそれぞれ流動層中で通す。
有利には、水のpH値を、反応に条件付けられた上昇がpH8より上の値にな
らないよう調節する。pH値の調節は、例えば酸の水溶液、例えば希釈した無機
酸、例えば塩酸又はCO2の添加により行なうことができる。
水中への水素ガスの導入及び場合により必要なpH調節は、所望により、水が
触媒と接触している間に行なうことができる。しかしながら、有利には、水が触
媒と接触する前に、水素ガスを、別の装置で水中へ導入する。所望に応じて、そ
の際、処理すべき水のpH値を、引き続くpH上昇が所望の範囲にとどまるよう
に調節する。
処理すべき水のpH値は、約4〜8、殊に6〜8の
範囲であるべきである。
通常、その亜硝酸塩−及び/又は硝酸塩含量を本発明方法を用いて還元すべき
水は、酸素も溶かされて含有している。従って、水の亜硝酸塩−及び/又は硝酸
塩含量の完全な除去のために、水の酸素含量及び亜硝酸塩−及び/又は硝酸塩含
量の還元のために化学量論的に必要な量に少なくとも相当するような量の水素ガ
スが合計して必要になる。硝酸塩100mgの還元のために、理論上、水素約9
mgが必要であり、酸素8mgの除去のためには水素約1mgが必要である。処
理すべき水が僅少量の亜硝酸塩及び/又は硝酸塩を含有する場合、少なくとも化
学量論的に計算された量に、かつ多くともこの計算された量の20%過剰に相当
するような量の水素を導入することは有利であることが分かる。
水素での水のガス処理は、特に透過型ガス処理(Permeationsbegasung)の方
法により行なわれる。この際、水中へのガス取り込みは、固体膜、例えばシリコ
ーンゴム膜を介して行なわれる。インテグラル非対称(integralasymmetrischem
)構造を有する膜、及び殊に複合膜は殊に非常に適当である。これらの膜は、1
つの多孔性の耐水性担体構造、及びガス処理すべき液体を通す耐水性の無孔性ポ
リマーからなる少なくとも1つの層を包含する。例えばシリコーンポリマーから
なるこの無孔性層は、非常に薄く、これは、例えば0.
5〜10マイクロメータの厚さを有する。このような膜は、欧州特許(EP−A
)第291679号明細書(米国特許(US−A)第4933085号明細書)
中に記載されている。例えばガス飽和機(Gassaettiger)による他の方法は、同
様に、H2取り込みのために適当である。
本発明方法は、常圧又は僅かに過圧で、例えば10気圧まで又はそれ以上で操
作することができる。水中での水素ガスの溶解性は、常圧及び10〜25℃の間
の温度で1.7mg/lであり、かつ操作圧力に比例して高まる。より高い亜硝
酸塩−及び/又は硝酸塩量を還元するために、相当してより多量の水素が必要で
ある場合、圧力下でガス処理を行なうことは望ましい。酸素のみを含有する水の
ガス処理において、操作は環境圧で非常に良好に可能である。
有利には、本発明方法を、膨張層(expandiertes Bett)、流動層、懸濁層又
は流動床として行なう。
酸素、亜硝酸塩並びに硝酸塩の高い含量において、本発明方法は、万一の場合
には、十分な減少、例えば飲料水のための許容値又は完全な除去が達成されるま
で、何度も連続して実施するか、又は操作圧力を高めることができる。その際、
予め処理した水の一部を反応器中へ戻すことができ、又はガス処理装置及び反応
器を有する複数の反応単位(Reaktionseinheit)を意図している。使用した水素
量もしくは水の繰返し処理に
よって、処理した水中の、酸素もしくは亜硝酸塩又は硝酸塩の元々の含量のそれ
ぞれの任意の残留濃度を調節することができる。
処理の際の温度は、5℃〜95℃、特に8℃〜25℃の間であってよい。
亜硝酸塩−及び/又は硝酸塩分解効率は、硝酸塩−及び/又は亜硝酸塩濃度、
水素ガス濃度のpH値もしくは水素ガス処理速度及び温度に応じて変化しうる。
パラジウム1又は2重量%を有するパラジウム触媒を用いて、不連続実験室試験
で、例えば、1時間及び触媒1g当たり亜硝酸塩40mgより上の亜硝酸塩分解
効率を得ることができる。酸化アルミニウム上のパラジウム1.0重量%及び銅
0.25重量%を有する、パラジウム及び銅をドープした触媒を用いて、例えば
、1時間及び触媒1g当たり硝酸塩15mgの硝酸塩分解効率が得られる。
連続的に実施可能な固定層法及びそのために使用可能な装置は、欧州特許(E
P−A)第0359074号明細書中に記載されている。水を先ず、pH値を測
定することができる供給容器中へ導き、次いで、殺菌装置に通し、最後にポンプ
を介して、水素−ガス処理容器及び固定層反応器からなる1個以上の反応単位に
通す。装置は、更に他の測定装置、例えば流量測定装置、圧力測定装置、pH測
定装置、温度測定装置を包含していてよい。次いで、処理された水を、更にpH
調節させることができる。
流動層又は懸濁層中で本発明方法を実施するために、次に記載の装置は殊に非
常に適当である。この装置は、水を前記の特別な酸化アルミニウム−担体触媒を
含有する流動層−、懸濁層−又は流動床反応器中へ導く水素−取り込み装置と連
結している、圧力上昇装置を包含する。特に、装置は、圧力上昇装置の前もしく
は反応器の後に設置されている2つの濾過装置を有する。装置は、更に、圧力上
昇装置の前及び/又は後ろに設置されている供給容器 pH測定装置及び調節装
置を有していてよい。所望により、管路もしくは装置部分において、水の分析デ
ータを測定するための測定箇所、例えば圧力測定装置、流量測定装置及び/又は
温度測定装置を備えていてよい。
ガス処理単位は、特に、水素取り込みのための透過膜を有する。1つの多孔性
の耐水性ポリマーから形成された担体構造及び耐水性の無孔性ポリマーからなる
少なくとも1つの層を包含する透過膜も適当であり、その際、処理すべき水を、
耐水性の無孔性ポリマーからなる層の側面で膜と接触させる。例えばポリエーテ
ルイミドからなるインテグラル非対称膜は例えば非常に適当である。付加的に耐
水性の、疎水性の、無孔性ポリマー、特にシリコーンポリマーで被覆されている
膜も殊に適当である。このような膜は複合膜として公知である。ガス処理単位(
Begasungseinheit)は、例え
ば中空糸モジュールとして形成されていてよい。
本発明方法は、著しい利点を有する。使用すべき担体触媒の高い選択性に基づ
いて、環境を汚染する副産物は生じず、この触媒の高い機械的安定性及び耐摩耗
性に基づいて、本発明方法は、長時間にわたって、触媒活性の損失なしに、かつ
触媒の交換の必要なしに記載されうる。経済的並びに衛生的観点において、流動
層中で球形担体触媒を使用する際に、本発明方法の実施は殊に有利である。
使用すべき担体触媒は、特に、触媒活性成分としてパラジウム又はパラジウム
及び銅を含有する。パラジウム含有率は、得られた担体触媒の全重量に対して有
利には0.1〜4重量%、殊に0.5〜2.5重量%である。金属成分がパラジ
ウム及び銅からなる場合、パラジウム対銅の重量比は、特に2:1〜8:1、特
に3:1〜5:1、殊に4±0.1:1である。
本発明を、次の例に基づいて詳述するが、これは、その範囲を制限するもので
はない。
図1:
担体製造法の図示:
(1):ゾル、(2):ポンプ、(3):噴霧装置、(4):ゾル流、(5):
ゾル液滴、(6):反応ガスとの反応帯域、(7):反応ガス供給口、(8):
反応液を有する捕集装置、(9):反応液を粒子から
分離するための篩(自由選択的)、(10):粒子の収容容器、(11):ポン
プ、(12):捕集容器中への反応液の還流、α:角度α、d:噴霧装置と反応
帯域中への導入口との間の変動しうる距離。
加工すべきゾル(1)を、圧力下に、ポンプ(2)及びカニューレ(3)並び
にカニューレ(3′)(3″)…を介して、ゾル流(4)で、反応ガス(6)を
有する反応帯域中へ、ゾル流(4)が反応帯域(6)中への導入後にゾルパール
(5)に分割されるように噴霧導入する。反応帯域(6)中への反応ガスを通る
曲がった飛行軌道の飛行後に、ゾルパール(5)を反応液を充填した捕集装置(
8)中に捕集した。反応ガスとして、反応ガス供給口(7)を介して常に反応帯
域(6)中へ後充填されるアンモニアガスを使用した。反応液として、アンモニ
ア溶液を使用した。次いで、粒子を、アンモニア水溶液中で熟成させ、引き続き
篩(9)を介して反応液を分離し、かつ収容容器(10)中へ移した。反応液を
、ポンプ(11)を介して、還流(12)により、再び捕集装置(8)中へポン
プ導入した。
図2:
小さな粒子(0.001〜0.3mm)のための本発明方法を実施するための
もう一つの装置の図による構造:
(1):ゾル、(2):噴霧ノズルを有する噴霧装置、
(3):ゾルパールからならない霧、(4):反応ガスとの反応帯域、(5):
捕集装置、(6):反応ガス供給口、(7):篩(自由選択的)、(8):収容
容器、(9):ポンプ、(10)自由選択的:捕集装置中への反応液の還流(自
由選択的)
図3:
噴霧ゲル化により製造された担体粒子の表面性質に関する電子顕微鏡写真:
図3A:直径2.5〜3.5mmを有するアルミノケイ酸塩を基礎とする粒子、
加速電圧:5KV×14.8
図3B:直径0.4〜0.6mmを有する二酸化ケイ素を基礎とする粒子、
加速電圧:5KV×71.1
得られた粒子を、引き続き、自体公知の塩基交換に作用させ、乾燥させ、かつ
熱処理した。
例
次の例1〜4は、アルゲル(Alugel)担体の製造を記載する。これらを、図1
による装置で実施した。
例1
アルゲル粒子の製造
酸化アルミニウムを基礎とする球形粒子を、次のようにして製造した:
Al2O314.19重量%及び水85.81重量%からなる組成を有する準安
定酸性酸化アルミニウムゾル(Condea Disperal(登録商標)30/2)を、図
1による装置で、ポンプ(2)を用いて、6バールの圧力で、カニューレ10本
(直径:0.77mm;長さ:3.2cm)を介して、0.75l/分の流量で
、下から上へ噴霧した。
ゾル流(Solstrahlen)は、全部で約75cmの飛行距離後に、同じ大きさの
ゾル液滴に分かれ、その際、ゾル流は、既に、約25cm後に、アンモニアガス
で満たした落下塔(Faellturm)中へ達した。次に、他の反応条件を示す;
捕集装置:5%アンモニア溶液
熟成:1h
乾燥:8h 120°
熱処理:4h 600°
直径:0.4〜0.6mm
嵩重量:0.71g/ml
比表面積:287m2/g
細孔容積:0.44ml/g。
例2:
イソプロパノール処理下での担体の製造
2.1 Al2O3を基礎とする担体
酸化アルミニウムを基礎とする球形粒子を、例1中に記載されたようにして製
造した。付加的に、この粒子を、無水イソプロパノール(密度:0.785g/
ml)で更に処理した。このために、乾燥前に、得られた粒子を、2時間の間、
粒子1リットル当たリイソプロパノール各1リットルで被覆した。粒子のいくつ
かにおいては、粒子からイソプロパノール溶液をデカンテーションし、かつ引き
続き、再び、同じ時間の間、同じ方法で、イソプロパノールで被覆することによ
り、イソプロパノール処理を何度も実施した。このイソプロパノール処理を、い
くつかの粒子においては、8回まで連続して実施した。例1に既に記載した乾燥
及びか焼後に、次表に示した特性を有する粒子が得られた。
第1表から、本発明方法により製造された酸化アルミニウム粒子の細孔容積、
嵩重量並びに平均細孔径は、付加的アルコール処理により広い範囲で変化しうる
ことが分かる。
例2.2
SiO2を基礎とする担体
硝酸を用いてpH4まで酸性化した準安定シリカゾル(Bayer 200S,30% SiO2
)を、図1による装置で、ポンプ(2)を用いて、6.5バールの圧力で、カニ
ューレ(直径:0.70;長さ3.20cm)10本を介して、0.73l/分
の流量で、下から上へ噴霧し、その際、アンモニアガスで満たした反応帯域中へ
のゾル流は、同じ大きさのゾルパールに分かれる。次に、他の反応条件並びに得
られた粒子の特性を示す;
捕集装置:5%アンモニア溶液
熟成:0.5h
アルコール処理:2時間2回、イソプロパノール
乾燥:8h 120°
熱処理:4h 200°
直径:0.4〜0.6mm
嵩重量:0.49g/ml
比表面積:297m2/g
細孔容積:0.80ml/g
表面性質:図3Bに示す。
例2.3.:
SiO2を基礎とする担体
このために、酸性溶液A及びアルカリ性ケイ酸塩溶液Bをそれぞれ別々に製造
した;
溶液A
H2SO4 9.49重量%
H2O 90.51重量%
d2o. 1.065g/ml
溶液B
Na2O 5.49重量%
SiO2 18.53重量%
H2O 75.98重量%
d2o. 1.226g/ml
酸性溶液A及びアルカリ性溶液Bを、自体公知の混合ノズルで約25℃で一緒
に混合し、かつ図1による装置で、即座にかつ連続的に更に加工した。
このために、少なくとも2バールの差圧下で、pH8.3で、双方の成分の組
成混合物から得られたゾルを、慣用の市販で得られるスパイラルノズル(Sprayb
est社,Greenfield USA)を介して、1.2l/分で、ゾル流(4)で、落下塔(
6)中へ、ゾル流(4)が落下塔(6)中への導入の際にゾルパール(5)に分
割するようにして噴霧導入した。
落下塔(6)中の反応ガスを通る曲がった飛行軌道の飛行後に、ゾルパール(
5)を、反応液を充填した捕集装置(8)中に捕集した。反応ガスとして、HC
lガスを使用し、これを、反応ガス供給口(7)から、落下塔(6)中へ常に後
充填した。反応液として、2.5%HCl水溶液を使用した。
粒子を、塩酸水溶液中で約30分間熟成させ、引き続き篩(9)を介して反応
液を分離し、かつ収容容器(10)中へ移した。反応液を、ポンプ(11)を介
して還流管(12)を通して、再び捕集装置(8)中へポンプ導入した。
引き続き、得られた粒子を、自体公知の方法で、0.5%硫酸溶液を用いて塩
基交換させ、硫酸塩が遊離するまで洗浄し、180℃で18時間乾燥させ、かつ
次いで次の第6表に示したように種々に更に加工した。0.9〜1.5mmの範
囲の直径を有する球形アルミノケイ酸塩粒子が得られ、その特性を、同様に、第
6表中に示す。
例2.4:
アルミノケイ酸塩を基礎とする担体
このために、酸性溶液A及び及びアルカリ性ケイ酸塩溶液Bをそれぞれ別々に
製造した;
溶液A
H2SO4 9.05重量%
Al2(SO4)3 0.89重量%
H2O 90.06重量%
d20. 1.065g/ml
溶液B
Na2O 5.49重量%
SiO2 18.53重量%
H2O 75.98重量%
d20. 1.226g/ml
この酸性溶液A及びアルカリ性溶液Bを、自体公知の混合ノズル中で、約7℃
の温度で一緒に混合し、かつ図1による装置中で、即座にかつ連続的に更に加工
した。
このために、双方の成分の組成混合物から、少なくとも2バールの差圧下で、
pH8.3で得られるゾルを、直径3.7mm及び長さ10cmのカニューレ1
本を介して、3.9l/分の量で、ゾル流(4)で、反応帯域(6)中へ、ゾル
流(4)が反応帯域(6)中への導入の際にゾルパール(5)に分割するように
噴霧導入した。
反応ガスを通る曲がった飛行軌道の飛行後に、ゾルパール(5)を、反応液を
充填した捕集装置(8)に捕集した。反応ガスとして、HClガスを使用し、こ
れを、反応ガス供給口(7)を介して反応帯域(6)中へ常に後充填した。反応
液として、2.5%HCl水溶液を使用した。
粒子を、塩酸水溶液中で約30分間熟成させ、引き続き篩(9)を介して反応
液を分離し、かつ収容容器(10)中へ移した。反応液を、ポンプ(11)を介
して還流管(12)により再び捕集装置(8)中へポンプ導入した。
引き続き、得られた粒子を、自体公知の方法で、0.5%硫酸溶液を用いて塩
基交換させ、硫酸塩が遊離するまで洗浄し、180℃で18時間乾燥させ、かつ
200℃で4時間熱処理した。
2.5〜3.5mmの範囲の直径を有する球形アルミノケイ酸塩粒子が得られ
、その嵩密度、比表面積及
び細孔容積を、次の第3表中に示す。
第3表:例2により得られた方法生成物の特性:
直径:2.5〜3.5mm
嵩重量:0.77g/ml
比表面積:741m2/g
細孔容積:0.35ml/g
表面性質:図3Aに示す。
例3
酸化アルミニウムを基礎とする球形粒子を次のようにして製造した:
Al2O318.00重量%及び水82.00重量%からなる組成を有する準安
定酸性酸化アルミニウムゾル(Condea Disperal(登録商標)30/1)を、図
1による装置で、電気的に作動するスプレーガン(Bullcraft N,80W)を用いて
、0.060l/分の流量で、下から上へ、アンモニアガスで満たした充填塔中
へ噴霧導入した。次に、他の反応条件並び得られた粒子の特性を示す:
捕集装置:5%アンモニア溶液
熟成:0.5h
アルコール処理:2時間2回、イソプロパノール
乾燥:8h 120°
熱処理:4h 600°
直径:0.02〜0.05mm
嵩重量:0.43g/ml
比表面積:291m2/g
細孔容積:1.19ml/g。
例4
酸化アルミニウムを基礎とする球形粒子を次のようにして製造した:
準安定硝酸酸化アルミニウムゾル(Condea Disperal(登録商標)30/1)
を、図1に記載したようにして、カニューレ4本を介して、図1による装置で、
アンモニアガスで満たした落下塔の反応帯域中へ噴霧した。次に、他の反応条件
を示す:
捕集装置:3%アンモニア溶液
アルコール処理:2時間3回、イソプロパノール
乾燥:8h 120°
熱処理:4h 900℃
直径:0.4〜0.6mm
嵩重量:0.58g/ml
比表面積:180m2/g
細孔容積:0.68ml/g。
例5:
酸化アルミニウムを基礎とする球形粒子を、次のようにして製造した;
Al2O315.35重量%、HNO30.38重量%及び水84.27重量%
からなる組成を有する準安定酸性アルミニウム水和物ゾル(Versal(登録商標)
900)を、図1による装置で、ポンプ(2)を用い
て、6バールの圧力で、カニューレ(直径:0.70mm;長さ:3.2cm)
10本を介して、例3に既に記載したようにして、0.75l/分の流量で、下
から上へ噴霧した。
次に、他の反応条件を示す:
捕集装置:5%アンモニア溶液
熟成:1h
乾燥:10h 180℃
熱処理:6h 600℃
直径:0.4〜0.6mm
嵩重量:0.66g/ml
比表面積:190m2/g
細孔容積:0.58ml/g
細孔分布:(水銀細孔計)。
耐摩耗性の測定
例1〜5により製造された粒子の耐摩耗性を、相対的耐摩耗性の測定のための
次の方法により試験した:試験すべき粒子それぞれ1.0gを、10mlスナッ
プ式蓋付きガラス(45×22mm)中へ入れ、かつ場合により付着しているダ
ストを除去するために、完全脱塩水(VE水)5mlで2回すすいだ。その際、
表面に付着している水を、毛管を用いて吸い取り、従って、細孔中に存在する水
のみが粒子において残留する。次いで、新たに、VE水5mlを添加し、かつ蓋
をしたガラスを、1分間、試薬ガラス振盪器(Heidol
f社、Reax 1R)で2400U/分で振盪した。次いで、上澄み溶液2mlを、即
座に、10mmキュベット中へ移し、かつ吸光度Eを、繰り返し振盪後に、何度
も、波長500μm(分光光度計CADAS100、Dr.Lange社)で測
定した。1より大きいE値で、試料を相当して希釈し、その際、測定値の直線性
が得られた。
機械的に安定性でかつそれによって耐摩耗性の粒子は、この実験条件下で、0
.1〜0.7の範囲のE値を示す。
次の第2表は、例1〜5により製造された粒子の相対的耐摩耗性に関してこの
試験で得られた値を示す。
例6:
パラジウムを含有するアルゲル担体触媒の製造
一般的製造工程:
6.1.:Pd1重量%を含有する担体触媒の製造
確証のために意図された担体材料10kgを、脱イオン水60l中で洗浄した
。水を注ぎ捨てた後に、前処理した担体材料に脱イオン水50lを加え、その中
に、PdCl2168.21g及びNaCl109.85gを加えた。含浸時間
は、通常、約45分であった。
パラジウム塩を担体材料中へ入れた後に、上澄み澄明液を注ぎ捨て、この湿潤
含浸担持材料を水で洗浄し、かつ引き続き還元溶液を加えた。この還元溶液を製
造するために、NaBH418.24gを脱イオン水60l中に溶かした。担体
触媒と還元溶液との接触の約15分後に、この還元溶液を注ぎ捨て、担体触媒を
洗浄し、かつ乾燥させた。
マイクロゾンデ(Mikrosonden)試験は、パラジウム金属が担体の表面範囲に
濃縮されて存在していることを明らかにした。表皮厚さ(Eindringtiefe)は、
約50μmまでであった。
6.2.パラジウム1.5重量%を含有する担体触媒の製造
例6.1.を繰り返した。今度は、PdCl2252.32g及びNaCl1
64.78gを含有する含浸溶液を使用した。還元溶液は、脱イオン水60l中
に溶かされたNaBH467.36gからなった。
マイクロゾンデ試験は、このような担体触媒においても、パラジウム金属が表
面範囲に濃縮されて存在し
ていることを明らかにした。
パラジウムで、例1〜5の球形酸化アルミニウム粒子を被覆した。使用試験は
、このようにして製造されたパラジウム−アルゲル−担体触媒が、水素の添加下
で水溶液から酸素を除去するために、還元材料として適当であることを明らかに
した。これは、水中での連続的亜硝酸塩還元のためにも適している。Pd1重量
%を有するパラジウム−アルゲル−担体触媒の亜硝酸塩−分解率は、連続法で、
触媒1g及び1時間当たり亜硝酸塩約8〜約10mgであり、アンモニウム形成
は通常5モル%より少なかった。
例7:
Pd/Cu−アルゲル−担体触媒の製造
7.1.塩基前処理なしの担体触媒の製造
7.1.1.Pd1重量%及びCu0.25重量%を有する担体触媒の製造
例6と同様にPd1重量%で被覆された例4により製造された担体を使用した
。このパラジウム含有担体5kgに、脱イオン水中で酢酸銅−一水和物39.2
8gを溶解することによって得られた銅含浸溶液24.5lを加えた。含浸時間
は約45分であった。次いで、上澄みを注ぎ捨てた。次いで、銅で含浸された担
体を、脱イオン水で何度も洗浄した。引き続き、まだ湿った担体に、脱イオン水
30l中でのNaBH427.36gの溶解により得られた還元溶液を加えた。
担体と
還元溶液との接触の約15分後に、上澄みを注ぎ捨てた。次いで、湿った担体触
媒を120℃で乾燥させた。
7.1.2.Pd1.5重量%及びCu0.375重量%を有する担体触媒の製
造
例7.1.1.を同様に繰り返した。今度は、パラジウムを含有する担体5k
gのために、脱イオン水中での酢酸銅−一水和物58.91gの溶解により得ら
れた銅含浸溶液24.5lを使用した。還元溶液として、脱イオン水30l中の
NaBH441.04gの溶液を使用した。
7.2.塩基前処理を用いるPd及びCuを含有するアルゲル−担体触媒の製造
7.2.1.Pd1重量%及びCu0.25重量%を有する担体触媒の製造
例7.1.1.中で使用したパラジウムを含有する担体触媒5kg(乾燥重量
)を、先ず、脱イオン水で洗浄した。次いで、担体材料を、炭酸アンモニウム溶
液(炭酸アンモニウムの濃度:5g/l)約6lを加え、かつ一晩放置した。そ
の際、炭酸アンモニウム溶液は、担体材料を被覆した。
引き続き、上澄み溶液を注ぎ捨て、かつ前処理した担体材料を短時間洗浄した
。
銅含浸溶液を製造するために、硝酸銅−二水和物47.5gを脱イオン水10
l中に溶かし、かつ引き続き炭酸アンモニウムを用いてpH5.3にした;その
際、フロック形成は起きるべきでない。この溶液中へ、炭酸アンモニウムを用い
て前記のようにして処理したパラジウム含有アルゲル材料を入れ、かつその中で
2時間放置した。上澄み溶液を注ぎ捨て、材料を脱イオン水で何度も洗浄し、1
20℃で15時間乾燥させた。引き続き、生じた炭酸銅を酸化銅に変えるために
、230℃で更に4時間、窒素流中で熱処理した。引き続き、例7.1.1.に
記載したようにして、酸化銅の還元をNaBH4溶液を用いて行なった。
7.2.2.Pd1.5重量%及びCu0.375重量%を含有する担体触媒の
製造
例7.2.1.を繰り返した。銅含浸溶液として、今度は、脱イオン水10l
中のCu(NO3)2−三水和物71.3gの溶液を使用した。最終的に得られた
酸化銅の還元を、7.1.2.と同様にして、NaBH4溶液を用いて行った。
マイクロゾンデ(電子−後方散乱(Rueckstreu)−写真)を用いた試験は、パ
ラジウム及び銅を含有する触媒も、施与された金属の濃縮を表面に有することを
示した。金属表皮厚さは、約50μmであった。
例8:
硝酸塩還元のためのPd/Cu−アルゲル−担体触媒の使用
例7.2.1.により製造されたPd1重量%及びCu0.25重量%を有す
るパラジウム−銅−アルゲ
ル−担体触媒100gを使用した。硝酸塩60mg/lの含量を有する水を、1
時間当たり約11lの流速及び5バールの水素圧で、pH値6.3で、担体触媒
固定層を通して導いた。硝酸塩分解率は、触媒1g当たり、1時間当たり0.7
〜1.4mgであった。
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(51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI
B01J 37/02 301 M 9538−4D
C02F 1/58 P 7305−4D
T 7305−4D
(31)優先権主張番号 P4405202.2
(32)優先日 1994年2月18日
(33)優先権主張国 ドイツ(DE)
(81)指定国 EP(AT,BE,CH,DE,
DK,ES,FR,GB,GR,IE,IT,LU,M
C,NL,PT,SE),DE,JP,US
(72)発明者 ブレッツ, カール−ハインツ
ドイツ連邦共和国 D―31582 ニーンブ
ルク ベルリナー リング 202
(72)発明者 デルレト, ヘルムート
ドイツ連邦共和国 D―31582 ニーンブ
ルク グローセ ドラーケンブルガー シ
ュトラーセ 58
(72)発明者 ダルダ, ベッティーナ
ドイツ連邦共和国 D―30171 ハノーヴ
ァー マリーエンシュトラーセ 103
(72)発明者 コッホ, ヴェロニカ
ドイツ連邦共和国 D―30989 ゲールデ
ン ブルクフェルト 3
(72)発明者 ゼル, ミヒャエル
ドイツ連邦共和国 D―31228 パイネ
ヴァイスドルンシュトラーセ 46