JPH08506490A - 植物中の改変リノレン酸及びリノール酸含量 - Google Patents

植物中の改変リノレン酸及びリノール酸含量

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JPH08506490A JP6518266A JP51826694A JPH08506490A JP H08506490 A JPH08506490 A JP H08506490A JP 6518266 A JP6518266 A JP 6518266A JP 51826694 A JP51826694 A JP 51826694A JP H08506490 A JPH08506490 A JP H08506490A
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アロンデル,バンサン・ジヤン−マリー・アルメル
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モンサント・カンパニー
ミシガン・ステート・ユニバーシテイ
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Abstract

(57)【要約】 リノレン酸含量の高い又は低い形質転換植物を開示する。リノール酸デサチュラーゼ遺伝子を発現する植物も開示する。

Description

【発明の詳細な説明】 植物中の改変リノレン酸及びリノール酸含量 これは、1993年2月5日に出願された米国特許出願第08/014,43 1号の継続出願である1993年11月22日出願の米国特許出願第08/15 6,551号の一部継続出願である。本発明は、一般的には、遺伝子工学で製造 した植物に関する。特定的には、リノレン酸及びリノール酸含量が天然の植物と 比べて変化している、遺伝子工学で製造した植物及び種子に関する。背景 多くの作物類は、所期の用途に理想的には適していない脂肪酸組成の種子油を 生成する。一般的な品種改良方法の適用は、場合によっては突然変異誘発と結び 付いて、種子油の脂肪酸組成が所望通りに変化した幾種類かの植物の新しい変種 を誕生させた。代表的な例は、アブラナの低エルカ酸変種の開発である(Ste fansson 1983)。類似の努力によって、ダイズ油(Wilcox及 びCavins 1985;Graefら 1988)、ヒマワリ油(Fick 1989)及びアマニ油(Green及びMarshal 1984)の炭素 数18ポリ不飽和脂 肪酸含量の低下も実現された。 種子の脂質の脂肪酸組成の遺伝子学的変化の大部分には、正常な脂肪酸代謝を 崩壊させ種子の貯蔵脂質中の中間脂肪酸生成物の蓄積を誘起する遺伝子の対立遺 伝子の存在が関与していると思われる(Downey 1987)。しかしなが ら、このようなアプローチは生来限定されているため、他の多くの所望の種子油 脂肪酸組成変化には、遺伝子工学的手法を直接使用する必要があり得る。 α−リノレン酸(18:3△9,12,15)は、3個のシス二重結合を9〜10、 12〜13及び15〜16位炭素に有する炭素数18の脂肪酸である。この脂肪 酸は、高等植物の細胞に細胞膜の一成分として含まれている。この脂肪酸はまた 、種子のような貯蔵器官にも存在し、そこではオイルボディーと呼ばれる。この オイルボディーは、半単位膜(half−unit membrane)と考え られる電子密度の高い構造体によって結合されており、細胞の細胞質環境中に分 散されている。細胞膜の一成分として存在する時のリノレン酸は通常、ジアシル −グリセロ脂質のグリセロール部分のsn−1又はsn−2位置にエステル化さ れている。これに対し、オイルボディー中に存在する 時のリノレン酸は通常、トリアシルグリセロ脂質(TAG)のsn−1、sn− 2又はsn−3位置にエステル化されている。 リノレン酸は酸化し易いため、ペイント及びワニスにおいて広く使用されてい る。この油の主要供給源はアマの種子である。これに対し、ダイズの種子のリノ レン酸含量はペイント及びワニス工業で使用できる程十分ではない。従って、ダ イズのような植物のリノレン酸含量を増加させれば、ダイズ油をペイント及びワ ニス工業で使用することが可能になる。 一方、食用油及び食品では、リノレン酸含量が高いことは望ましくない。リノ レン酸は調理の間不安定であり、速く酸化する。酸化生成物は最終製品の風味を 低下させる。リノレン酸含量が2%以下であるような低リノレン酸のナタネ油又 はダイズ油は食用油として使用するのに理想的であろう。 リノレン酸はまた、重要な植物生長調節物質であるジャスモン酸の生合成にお ける前駆体である。リノレン酸は、リポキシゲナーゼにより炭素鎖に酸素を導入 し、次いで脱水、還元及び数回のβ−酸化を行うことによりジャスモン 酸に変換される(Vick及びZimmerman)1984)。ジャスモン酸 の活性は、病原体防御応答の誘起という観点で測定されてきた。植物の病原体防 御は、遊離リノレン酸を植物に適用することによって誘起することもできる(F armer及びRyan、1992)。 遊離リノレン酸がジャスモン酸に関連した効果を発揮する能力を説明するため に、あるモデルが提案された(Farmer及びRyan、1992)。リノレ ン酸からジャスモン酸への変換に必要な総ての酵素活性は細胞中に構成要素とし て存在し、ジャスモン酸の生成における律速段階は遊離リノレン酸の利用性(a vailability)であると仮定されている。遊離リノレン酸の生成経路 として考えられるものの一つは、形質膜中のリパーゼの活性による経路である。 外因性ジャスモン酸は、傷害よりも強力に防御応答を活性化することができる 。これは、傷がジャスモン酸の大量産生を支えるのに十分な遊離リノレン酸を生 成することができないことを示唆する。リパーゼの活性又はリパーゼの適当な基 質の利用性は傷害時の律速であり得る。従って、形質膜のリノレン酸含量の増加 は植物の「シグナル形質導 入」に良い影響を及ぼし得、その結果環境及び病原体ストレスに対する防護力が 高まり得る。 リノレン酸、並びにオレイン酸及びリノール酸は、生鮮食品又は調理した食品 の芳香に寄与する揮発性カルボニル化合物の重要な構成成分であると共にその前 駆体でもある。トマトの果皮の主な脂肪酸はオレイン酸、リノール酸及びリノレ ン酸である。リノール酸及びリノレン酸の含量は果実の熟成に伴って低下し、そ の結果炭素数4〜6のアルデヒド及びケトンが多数生成される。木で熟したトマ トには、スーパーマーケットのトマト又は冷蔵庫に貯蔵されているトマトと比べ て、一つの特定代謝物シス−3−ヘキサノールがより多く含まれていることが判 明した。従って、新鮮な果実及び野菜の「芳香(aroma)」は、酵素リポキ シゲナーゼの、従って揮発性「芳香」化合物を生成するヒドロペルオキシド開裂 酵素の重要な基質であるリノレン酸及びリノール酸の含量を調節することにより 「変える」ことができると考えられる。 以上の説明から明らかなように、植物のリノレン酸含量を変えることができれ ば、それは望ましいことであろう。しかしながら、そのためには、何が植物のリ ノレン酸生成 を制御するのかを突き止める必要がある。 放射化学トレーサー検査の結果得られた多くの実験的事実は、α−リノレン酸 がリノール酸(18:2△9,12)の不飽和化によって合成されることを明らかに した(Harwood 1988に概説)。しかしながら、不飽和化の実際の基 質は不明である。 in vivo及びin vitroの標識検査は、リノレン酸合成に二つの 異なる経路が存在し得ることを示唆している(Browse及びSomervi lle、1991)。第一の可能な経路は、ホスファチジルコリンのsn−2位 置にエステル化したリノール酸が不飽和化の基質となる小胞体中に存在すると考 えられる。しかしながら、これらの事実は、別の脂質にエステル化したリノール 酸も基質であり得るという可能性を排除するものではない。 リノール酸不飽和化の第二の可能な経路は、モノガラクトシルジアシルグリセ ロールにエステル化したリノール酸及び恐らくは別のプラスチド脂質が不飽和化 の基質であると示唆している確証のあるプラスチド中に存在する。 リノール酸の不飽和化に関与する酵素に関する直接的情報は比較的少ない。低 レベルの酵素活性が、成長中のアマ ニ種子(Linum ussitatum)に由来するミクロソーム膜調製物中 に検出され(Browse及びSlack、1981)、その後、穏やかに溶解 した葉緑体の調製物中にも検出された(Schmidt及びHeinz、199 0a,b)。該酵素の全般的特徴は、この種の別の酵素に関して得られる情報か ら推測し得る。 特徴が最もよく解明されているデサチュラーゼは、脊椎動物の肝臓に由来する ステアロイル−補酵素A(CoA)デサチュラーゼである(Holloway、 1983に概説)。この酵素は、非ヘム鉄を含む膜内在性タンパク質であること が判明した。デサチュラーゼ反応には脂肪アシル−CoA、分子状酵素、及び別 の膜タンパク質である還元シトクロムb5が必要とされる。in vivoでは 、還元シトクロムb5は、フラビン含有膜タンパク質であるシトクロムb5レダ クターゼの活性を介して、NADHからの還元当量のトランスファーにより産生 される。 特徴が最もよく解明されている植物由来デサチュラーゼはステアロイル−AC Pデサチュラーゼである(McKeon及びStumpf、1982;Shan klin及びSomerville、1991)。この酵素も、分子状 酸素と高ポテンシャル還元剤とを必要とする。しかしながら、動物の酵素と異な り、このデサチュラーゼは、CoAではなくアシル担体タンパク質(ACP)に エステル化した脂肪酸に優先的に作用する可溶性プラスチドタンパク質である。 この酵素は、還元フェレドキシンを中間電子供与体として利用する点でも動物の 酵素と異なる。 別の植物デサチュラーゼは膜タンパク質であると思われる。数種類の植物に由 来するミクロソームΔ12オレイン酸デサチュラーゼが、数種類の植物に由来す る膜調製物中でアッセイされた(Harwood、1988)。動物由来のステ アロイル−CoAデサチュラーゼと同様に、この酵素は、分子状酸素と、電子供 与体としての還元シトクロムb5とを必要とする(Kearnsら、1991) 。しかしながら基質は、CoAエステルではなく、リン脂質にエステル化したオ レイン酸であると思われる。 リノレン酸の製造に関与する活性の供給源又は由来源は殆ど不明である。しか しながら、Arabidopsis thalianaのfad3突然変異体の 特性分析により、リノレン酸の量がリノール酸デサチュラーゼ活性の量に関連し ているという事実が判明した(Lemieuxら、 1990)。前記突然変異体は、種子脂質の貯蔵油中及び種々の組織の膜脂質中 のリノレン酸が種々の度合いで不足している。この突然変異体はまた、リノール 酸の量が増加していた。これは、該突然変異体が、リノール酸をリノレン酸に変 換するデサチュラーゼの活性に欠けていることを示すものであると解釈できる。 このデサチュラーゼの活性が、正常な環境下でのリノレン酸合成の律速であり 得ることを示唆する別の事実も存在する。これは、野生型とfad3突然変異体 とを交配して形成したヘテロ接合植物(即ちfad3+/fad−)における脂 肪酸組成に対する影響を測定することにより発見された。正常fad3遺伝子産 物のコピーを、野生型に通常見られるように2個ではなく1個有するこれらのF 1植物では、リノレン酸の量が、いずれかの親に含まれる量のほぼ中間に等しか った。これは、リノレン酸の量が、機能的fad3遺伝子産物の量に比例するこ とを示唆するものである(Lemieuxら、1990)。 しかしながらこれらの結果は、fad3遺伝子産物の性質、又は突然変異体内 で観察された効果が欠失タンパク質に起因するデサチュラーゼタンパク質量もし くはデサチュ ラーゼ活性の低下に関連しているか否かに光を与えるものではない。 また、植物ミクロソーム由来のリノール酸デサチュラーゼについて確かなこと は全く知られていない。前述のように、ミクロソームデサチュラーゼについては 、これらのデサチュラーゼがおそらくは還元シトクロムb5を中間電子供与体と して使用し、おそらくはCoA又はACPエステルではなく脂質を基質として利 用すること以外は殆ど知られていない。 また、植物生物学の他の多くの観点から見て、脂質代謝の生化学及び調節に関 する特異的情報がないため、1個又は数個の遺伝子の導入がいかにして種子脂質 合成を変えるかという予測が困難である。 脂質代謝の重要な酵素の多くが膜結合酵素であって含量が低いという事実から も別の問題が生じる。そのため、これらの酵素を植物性供給源から可溶化し精製 する試みはこれまで成功しなかった。発明の概要 本発明は、植物のリノール酸及びリノレン酸組成を変えるために、又は別の植 物リノール酸デサチュラーゼを単離 するために使用できるリノール酸デサチュラーゼ活性をコードする構造コード配 列(structural coding sequence)を提供する。本 発明は、植物のリノレン酸もしくはリノール酸又はその両方の含量を制御するた めに構造コード配列を発現することができる植物も提供する。本発明は、植物の リノール酸及びリノレン酸含量を制御する方法も提供する。本発明は、植物の細 胞及び組織中のリノール酸デサチュラーゼ酵素活性がリノレン酸生合成の制御段 階であることも立証する。 本発明は、二つの有利な特徴、即ち種々の作物類の構造脂質又は貯蔵油中のα −リノレン酸含量が多い及び少ないという特徴を植物に与える操作にも関する。 これらの目的を達成するために、本発明はその側面の一つで、リノレン酸含量 の高い遺伝学的に形質転換した植物を提供する。この植物は、組換え二本鎖DN A分子を含み、該分子が(i)植物細胞中で機能してRNA配列を生成させるプ ロモーターを含み、該プロモーターが(ii)リノール酸デサチュラーゼ活性を コードするRNA配列を生成させる構造コード配列と、(iii)植物細胞中で 機能して前記RNA配列の3’末端へのポリアデニル化を促進す る3’非翻訳領域とに操作可能に結合している。 本発明は別の側面で、リノレン酸含量の低い遺伝学的に形質転換した植物を提 供する。この植物は、組換え二本鎖DNA分子を含み、該分子が(i)植物細胞 中で機能してRNA配列を生成させるプロモーターを含み、該プロモーターが( ii)前記植物中のリノール酸デサチュラーゼ活性をコードする遺伝子の少なく とも一部分に対してアンチセンス配向にあるRNA配列を生成させるDNA配列 と、(iii)植物細胞中で機能して前記RNA配列の3’末端へのポリアデニ ル化を促進する3’非翻訳領域とに操作可能に結合している。 本発明は別の側面で、リノレン酸含量の高い又は低い遺伝学的に形質転換した 植物を形成する方法を提供する。本発明は更に別の側面で、組換え二本鎖DNA 分子と、組換え二本鎖DNA分子を含む植物細胞とを提供する。図面の簡単な説明 第1図は、リノール酸デサチュラーゼ遺伝子が存在するArabidopsi s thalianaの染色体2領域の遺伝地図と、ゲノムのこの領域を有する 酵母人工染色体のアイデンティティとを示している。 第2図は、B.napusリノール酸デサチュラーゼcDNA(fad3)を 含むEcoRIフラグメントをpBLUESCRIPTに挿入することによって 得たプラスミドpBNDES3の構造を示している。 第3図は、B.napusに由来するリノール酸デサチュラーゼcDNA(f ad3)のヌクレオチド配列(配列番号:1)及び推定アミノ酸配列(配列番号 :2)を示している。 第4図は、B.napusに由来する一つのリノール酸デサチュラーゼcDN A(fad3)及びSynechocystisに由来するdesA遺伝子の推 定アミノ酸配列の比較を示している。同じ残基は実線の枠で示した。保存置換は 点線の枠で示した。 第5図は、二元(binary)TiプラスミドベクターpBI121を示し ている。 第6図は、リノール酸デサチュラーゼcDNA(fad3)をpBI121に 挿入することによって構築した二元TiプラスミドpTiDES3を示している 。 第7図は、植物形質転換ベクターpMON13804の地図を示している。 第8図は、植物形質転換ベクターpMON13805の地図を示している。 第9図は、対照及び本発明の形質転換カノラ種子の油含量を示している。 第10図は、Arabidopsis由来のリノール酸デサチュラーゼcDN A(fadD)のヌクレオチド配列(配列番号:9)を示している。 第11図は、Arabidopsis由来のリノール酸デサチュラーゼcDN A(fadD)の推定アミノ酸配列(配列番号:10)を示している。 第12図は、Arabidopsis由来のリノール酸デサチュラーゼcDN A(fadE)のヌクレオチド配列(配列番号:11)を示している。 第13図は、Arabidopsis由来のリノール酸デサチュラーゼcDN A(fadE)の推定アミノ酸配列(配列番号:12)を示している。発明の詳細な説明 リノレン酸又はリノール酸含量を変えた本発明の遺伝学的形質転換植物は、本 明細書に記載の二本鎖DNA分子を発現することによって得られる。 二本鎖DNAの発現には、RNAポリメラーゼ酵素によるDNAの一つの鎖か らのメッセンジャーRNA(mRNA)の転写と、その後の核内のmRNA一次 転写プロセシングとが関与する。前記プロセシングでは、ポリアデニレートヌク レオチドをRNAの3’末端に付加する3’非翻訳領域が使用される。プロモーター mRNAへのDNAの転写は、通常「プロモーター」と呼ばれるDNA領域に よって調節される。プロモーター領域は、RNAポリメラーゼをシグナルを与え る塩基配列を含み、DNAと結合させ、DNA鎖の一つを鋳型として使用しなが らmRNAの転写を開始させて、対応する相補RNA鎖を作る。 公知のプロモーター、又は植物細胞中でRNAを転写させることが判明したプ ロモーターは、いずれも本発明で使用し得る。本発明で有用なプロモーターには 、植物細胞中で機能してRNA配列の形成を誘起するあらゆるプロモーターが包 含される。植物細胞中で活性を示し、RNA配列を形成することができる多数の プロモーターが文献に記載されている。その中には、ノパリンシンターゼ(NO S) 及びオクトピンシンターゼ(OCS)プロモーター(腫瘍菌tumefacie nsの腫瘍誘発プラスミドに担持されたプロモーター)、カウリモウイルス(c aulimovirus)プロモーター、例えばカリフラワーモザイクウイルス (CaMV)19S、35S、及びゴマノハグサモザイクウイルス35S−プロ モーター、リブロース−1,5−ビス−ホスフェートカルボキシラーゼの小サブ ユニット(ssRUBISCO、極めて豊富な植物ポリペプチド)に由来する光 誘導プロモーター、並びにクロロフィルa/b結合タンパク質遺伝子プロモータ ー等がある。これらのプロモーターは総て、植物中で発現される様々なDNA構 築体の形成に使用されてきた。例えば、PCT公開WO84/02913号(R ogersら、Monsanto)参照。 プロモーターは、植物及び植物ウイルスといった様々な供給源から得られる。 プロモーターは、ssRUBISCO遺伝子のような植物遺伝子から単離したま まのような存在形態で使用でき、又は増強(enhanced)CaMV35S プロモーターの場合のように、効果を改善すべく改質し得る。 当業者には明らかなように、リノレン酸含量を所望通りに変えるのに必要なリ ノール酸デサチュラーゼの量は、植物の種類に応じて変化し得る。また、極端な リノール酸デサチュラーゼ活性が植物にとって有害であり得る可能性もある。従 って、好ましい実施態様では、所望の組織発現能力と大体のプロモーター強度と を有するプロモーターを選択し、標的組織中で所望のリノール酸デサチュラーゼ 活性を生起させる形質転換体を選択することにより、プロモーター機能を最適化 する必要がある。 形質転換体プールからのこのような選択は、植物中での異種構造遺伝子の発現 にルーチン的に使用される。なぜなら、植物ゲノム内の遺伝子挿入部位に起因し て、同じ異種遺伝子を含む形質転換体の間に差異が存在するからである(一般に 「位置効果(position effect)」と称される)。 好ましい実施態様では、二本鎖DNA分子で使用されるプロモーターは、リノ レン酸含量の増加又は低下が望まれる組織、例えば植物の種子中で、比較的高度 の発現を有するものでなければならない。カノラの場合は、この意味で特に好ま しいプロモーターは、後述の実施例で詳述する種 子特異的プロモーターである。 別の好ましい実施態様では、本発明の二本鎖DNA分子の発現に使用されるプ ロモーターは、植物の組織の全体又は大部分でDNA分子を発現する構成プロモ ーターであり得る。しかしながら、この実施態様のために選択するプロモーター は、植物の健康、生長及び発育にとって有害なレベルで発現を生起させるような ものであってはならない。 β−コングリシニン(7Sタンパク質としてもし知られている)はダイズの主 な貯蔵タンパク質の一つである(Glycine max)(Meinkeら、 1981)。この研究の側面の一つでリノール酸デサチュラーゼ遺伝子の発現に 使用する7S(β−コングリシン)α’−サブユニットプロモーターは、活性が 高く且つ種子特異的であることが判明した(Doyleら、1986及びBea chyら、1985)。β−コングリシニンのβ−サブユニットは、内因性プロ モーターを用いて、トランスジェニックペチュニア及びタバコの種子内で発現さ れた。これは、該プロモーターが別の植物で種子特異的に機能することを意味す る(Brayら、1987)。β−コングリシニンのプロモーターは本発明で使 用し得る。このプロモーターを 使用すればDNA分子が種子中で特異的に発現され得、その結果種子のリノレン 酸含量が変化し得る。 更に、内因性植物リノール酸デサチュラーゼプロモーターを本発明で使用する こともできる。これらのプロモーターは、葉、種子又は果実のような特定組織中 でリノール酸デサチュラーゼ遺伝子を発現するために有用なものでなければなら ない。種子特異的発現又は種子増強発現を示すプロモーターは他にも多く知られ ており、油蓄積細胞である種子中で発現される可能性がある。非限定的具体例と して、ナピン(napin)プロモーター及びアシル担体タンパク質プロモータ ーは、アンチセンス発現による種子油の改質に使用されてきた(Knutson ら、1992)。 根組織のリノレン酸含量は、根で発現されるプロモーターの後ろでリノール酸 デサチュラーゼ遺伝子を発現させることにより増加させることができる。酸キチ ナーゼ遺伝子に由来するプロモーター(Samacら、1990)は、根組織中 で機能することが知られており、根組織中でリノール酸デサチュラーゼを発現す るのに使用し得る。根組織中での発現は、同定されたCaMV35Sプロモータ ーの根特異的サブドメインを用いて達成することもできる(B enfeyら、1989)。葉組織のリノレン酸含量は、ssRUBISCOプ ロモーター又はクロロフィルa/b結合タンパク質遺伝子プロモーターのような 葉活性プロモーターを用いてリノール酸デサチュラーゼ遺伝子を発現することに より増加させ得る。 果実のリノレン酸含量は、果実中で機能するプロモーターの後ろでリノレン酸 デサチュラーゼ遺伝子を発現することにより増加させることができる。この種の プロモーターは、果実の全ての発育段階で発現され得るか、又は特定の段階、特 に果実熟成段階に限定され得る。 本発明のDNA構築体によって形成されたRNAは、5’非翻訳リーダー配列 も含み得る。この配列は、遺伝子を発現するために選択したプロモーターから誘 導でき、mRNAの翻訳を増加させるために特異的に修飾し得る。5’非翻訳領 域は、ウイルスRNA、適当な真核遺伝子、又は合成遺伝子配列から得ることも できる。本発明は、非翻訳領域がプロモーター配列に伴う5’非翻訳配列から誘 導される後述の実施例に記載の構築体には限定されない。非翻訳リーダー配列は むしろ、関係のないプロモーター又は前述のようなコード配列から誘導し得る。リノール酸デサチュラーゼ構造コード配列 リノール酸デサチュラーゼ活性をコードするRNA配列の形成を誘起する構造 コード配列は、本明細書が開示する配列、又は本明細書が開示する配列を用いて 得ることができる任意の配列、又は本明細書が開示する方法を用いて単離するこ とができる任意の配列であり得る。 構造コード配列は、本発明が開示する構造コード配列の一部、又はこれに由来 するものでもあり得る。リノール酸デサチュラーゼの活性部分は、本明細書が開 示する構造コード配列の一部だけを用いて形成することも可能である。 構造コード配列は、藻類、細菌又は植物といった種々の供給源から得ることが できる。本発明では、植物から得た構造コード配列を使用するのが好ましい。 本発明以前には、リノール酸デサチュラーゼ構造コード配列の特性は事実上全 く不明であったため、構造コード配列を単離するために本発明で使用する方法は 、地図ベースのクローニングの概念を基礎とした。地図ベースのクローニングの 本質的概念は、構造コード配列の遺伝地図位置に関する情報を用いて構造コード 配列を取り巻く染色体領域を単離し、次いで単離DNAを用いて構造コード配列 中の 突然変異を相補うことにある。この手法は、いずれの植物遺伝子の単離でも、こ れまで報告されたことはない。 リノール酸デサチュラーゼの地図ベースクローニングを実行するために、葉又 は種子の脂肪酸組成が変化している個々の植物について、突然変異誘発植物集団 からランダムに選択した個体をスクリーニングすることにより、リノール酸デサ チュラーゼ活性を欠失しているArabidopsis thaliana(L .)の突然変異体を単離した(Browseら、1985;Lemieuxら、 1990)。何千もの植物を脂肪酸組成の変化についてスクリーニングすること により、葉及び種子の脂質中のリノレン酸含量が低下した突然変異体、及び増加 した突然変異体を単離した。生理学的及び遺伝学的分析の結果、これらの突然変 異体は三つの相補グループfad3、fadD及びfadEに分類されることが 判明した。 fad3突然変異体は、種子及び根のリノレン酸含量は著しく低下しているが 、葉のリノレン酸含量はほぼ正常であった。この効果は、fad3遺伝子座が、 「真核経路(eukaryotic pathway)」と称する小胞体内の脂 質生合成経路によって形成された脂質上のリノ レン酸へのリノール酸不飽和化に関与するミクロソームデサチュラーゼをコード することを示すものとして解釈された(Lemieuxら、1990)。この経 路は、種子及び根のような非緑色組織での脂質合成に主として関与し、葉及び他 の緑色組織では二次的役割を果たす。従って、fad3遺伝子中の突然変異は、 葉の脂質の不飽和化にはあまり作用しないと考えられる。 fad3突然変異体と異なり、fadD突然変異体は根及び種子の脂肪酸組成 はほぼ正常であるが、葉の脂質中のリノレン酸含量が大幅に低下しており、これ に対応してリノール酸の量が増加していた(Browseら、1986)。従っ てこの突然変異体は、緑色組織中の脂質合成に主として関与する原核経路に由来 するリノール酸デサチュラーゼ欠失突然変異体に期待される特性を有していた。 fadD突然変異体の希有な特性は、約22℃以上の温度で生長した時はリノ ール酸含量が極めて少ないが、約18℃以下の温度で生長した時はほぼ正常な脂 肪酸組成を有することにあった(McCourtら、1987)。幾つかの独立 して単離した突然変異体の総てが温度条件表現型(temperature c onditional p henotype)を生起する可能性は極めて低かったため、第二のデサチュラ ーゼが緑色組織中でのリノール酸からリノレン酸への不飽和化に一役かっている に違いないと結論された。そこで、fadD突然変異体をエチルメタンスルホネ ートで再度突然変異誘発にかけ(remutagenized)、自己受精させ て(self−fertilized)、突然変異誘発植物の分離集団を形成し (M2世代と称する)、この集団を、低温で緑色組織中のリノレン酸を欠失して いる突然変異体についてスクリーニングした。この特性を有する突然変異体を単 離し、この効果に関与する突然変異をfadE遺伝子座と名付けた(Somer ville及びBrowse、未公開)。カノラからのリノール酸デサチュラーゼ遺伝子の単離 後述の実施例を用いて、fad3領域から構造コード配列を単離した。ここで 説明する方法を、fadD又はfadE領域の単離に使用することもできた。 Arabidopsisの遺伝地図のfad3突然変異の大体の位置を突き止 めるために、fad3突然変異体系BL1と、複合的にマークした突然変異体系 W1との間で有性交配種を形成した(Huglyら、1991)。この 交配種に由来するF1ハイブリドを自己受精させ、得られたF2植物を分離遺伝 標識形質(segregating genetic marker)及び脂肪 酸組成変化の両方について調べた。この分析の結果、fad3突然変異はマーカ ーerectaの近傍の染色体2上に存在することが判明した。RFLPマッピ ングによってより正確な地図位置を得るために、fad3突然変異体系BL1と 、ArabidopsisのNiederzenz品種との間で第二の有性交配 種を形成した。F1子孫を自己受精させてF2世代を形成した。完全に広がった ロゼットを形成するために、137個のF2植物を22℃で3週間生長させ(1 00μE/m2/s)、DNAを調製するために数枚の葉(植物当たり総重量0 .2〜0.5g)を各植物から採取した。 前記葉を液体窒素で冷凍し、乳鉢及び乳棒を用いてドライアイス上で粉砕した 。各試料ごとに冷凍粉末をマイクロフュージュ管にトランスファーし、同量の2 X CTAB緩衝液(2%セチルトリメチルアンモニウムブロマイド(CTAB )、100mMトリス−HCl、pH8、20mM EDTA、1.4M Na Cl、1%ポリビニルポ リピロリドン(PVP)40,000)を加えた。これらの管を室温で5分間放 置して粉末を解凍した。該ホモジェネートをクロロホルム−イソアミルアルコー ル(24:1、v/v)混合物で1回抽出し、1/10volの10XCATB (10%CATB、0.7M NaCl)緩衝液を水相に加え、これを同量のク ロロホルムイソアミルアルコール(24:1、v/v)で再抽出した。水相を新 しいマイクロフュージュ管にトランスファーし、1.5倍容のCTAB沈殿緩衝 液(1%CTAB、50mMトリス−HCl、pH8、10mM EDTA)を 加えた。DNAを4℃で12時間沈殿させ、遠心分離(10,000gで5分間 )によって回収した。DNAを100μ1の10mM トリス−HCl、pH7 .5、1mM EDTA、1M NaCl及び100μg/ml RNase Aに再懸濁し、50℃で30分間インキュベートした。2.2倍容のエタノール を加え氷上で20分間インキュベートすることによりDNAを沈殿させた。遠心 分離でDNAを回収し、ペレットを1mlの70%エタノールで1回洗浄し、真 空下で3分間乾燥し、10μlの蒸留水に再懸濁した。DNAを使用するまで− 20℃で貯蔵した。 137個の植物を成熟するまで生長させ、種子を個々に回収した。各植物のf ad3表現型を調べるために、各F2植物に由来する10個の種子の脂肪酸組成 をBrowseらの方法(1986)で測定した。各種子を1mlのメタノール 中1N HCl中で80℃でインキュベートした。管を室温に冷却し、1mlの 0.9%NaCl+0.3mlのヘキサンを加えた。管をかき回して撹拌し、相 を遠心分離(300×gで5分間)で分離した。ヘキサン相を貯蔵し、窒素流下 で蒸発させ、脂肪酸メチルエステルを50μlヘキサンに溶解した。アリコート (2μl)をガスクロマトグラフ上に注入し、脂肪酸メチルエステルを分離し、 文献(Browseら、1986)に記載のように水素炎イオン化によって定量 した。 次いで、適当な濃度の1XKGB緩衝液(Sambrookら、1989)、 5単位の制限エンドヌクレアーゼ及び100μg/ml BSAを用いて、DN A試料(1μg)を適当な制限酵素(マーカー#220の場合はEcoR1、マ ーカーASA2の場合はBg12)で切断した。各試料の量は10μlであり、 インキュベーションは37℃で4時間実施した。フラグメントをアガロースゲル 電気 泳動(1X TAE緩衝液中0.8%アガロース、Sambrookら、198 9)で分離し、製造業者の指示に従いアルカリトランスファー法を用いてナイロ ンフィルター(hybondN+)にトランスファーした。ナイロンフィルター を、染色体2上のfad3遺伝子座のほぼ近傍で予めマッピングした既知のRF LPマーカーに対応する放射性標識DNAフラグメント(Sambrockら、 1989)でプローブした(Church及びGilbert、1984)。R FLPマーカー220(Changら、1988)及びASA2はfad3遺伝 子座の近くにマッピングされることが判明した。組換え体のパターンの分析の結 果(表1)、ASA2及び220は両方ともfad3遺伝子座の同一側で、それ ぞれ0.4及び2.2センチモルガン(cM)の距離をおいて位置していた。 表1は、fad3遺伝子座をマッピングするために使用したF2植物の遺伝子 型を示している。LはLandsberg(fad3突然変異体のバックグラウ ンド)を表し、NはNiederzenzを表し、Hはヘテロ接合体(hete rozygous)を表す。合計137個のF2植物を分析した。fad3と2 20又はASA2との間の組換え植物の数はそれぞれ6及び1であった。 fad3遺伝子座を含む染色体の領域を単離するために、RFLPマーカー2 20及びASA2をハイブリダイゼーションプローブとして用いて、幾つかの酵 母人工染色体(YAC)ライブラリーをスクリーニングした(Grill及びS omerville、1991;Ward及びJen、1990)。YACフィ ルターはGrill及びSomerville(1991)に従って製造した。 ライブラリーは、SC−−(合成完全培地からドリプトファン及びウラシルを除 いたもの;Shermanら、1986)のペトリ皿上に配置したナイロンフィ ルター上に複製した。細胞を30℃で12時間増殖させ、フィルターを、1Mソ ルビトール、50mM DTT、50mM EDTA(pH8)で飽和したWh atman 3MM紙上に15分間 トランスファーした。 次いで、1Mソルビトール、50mM EDTA及び2mg/mlリチカーゼ (Sigma Co.,St.Louis,MO)で飽和したWhatman紙 上でフィルターを30℃で12時間インキュベートすることにより、細胞の細胞 壁をリチカーゼで消化した。次いでフィルターを、0.5M NaOH、1.5 M NaClで飽和したWhatman 3MM紙上に15分間トランスファー し、0.5Mトリス−HCl、pH8、で15分間中和し、2XSSC(SSC は10mMクエン酸ナトリウム、150mM NaCl、pH7)で手早く濯い だ。フィルターを乾燥させ、真空炉に80℃で1時間トランスファーした。その 後フィルターを、Church及びGilbert(1984)に従い、Sam brookら(1989)に従って32Pで標識したプローブとハイブリダイズさ せた。 ラムダソーブ(lambdasorb)法(Promega Corp.,M adison,WI)を用いて100mlの液体培養溶解物からRFLPプロー ブ220のDNAを調製した。ASA2をコードするcDNAを、Hind3で 元のプラスミド(pKN140C、Dr.G.F ink、Whitehead Institute,Cambridge,MA から入手)から切除し、pBLUESCRIPTのHind3部位にクローニン グした。次いで、プラスミドDNAをSambrookら(1989)に従い塩 化セシウム勾配で精製し、Hind3で消化し、DNA挿入物をSambroo kら(1989)に従いエレクトロエリューション(elctroelutio n)で2回ゲル精製した。 ライブラリーをプローブするために、RFLP220由来の完全DNAをハイ ブリダイゼーションプローブとして使用した。これに対し、ASA2のDNA挿 入物のみをプローブとして使用した。RFLPプローブ220はYAC EG4 E8及びEG9D12にハイブリダイズした。プローブASA2はYAC EW 15G1、EW15B4及びEW7D11にハイブリダイズした。 これらのYACがRFLP220とASA2との間に全てのDNAを含んでい るかどうかを調べるために、EG4E8及びEW15G1中の挿入物の末端に由 来するDNAの小領域を逆PCRによって調製した(Grill及びSomer ville,1991)。そのために、DNAを 適当なYACクローンから調製した。クローン(単集落)をSC−−液体培養で 飽和まで増殖させ、これらの培養物1mlを用いて40mlの液体培養物(SC −−培地中)を接種し、これを30℃で16時間増殖させた。細胞を遠心分離に よって回収し、1Mソルビトール、50mM EDTAで1回洗浄し、200μ lの1Mソルビトール、50mM EDTA、100mMクエン酸ナトリウム、 pH5.8、2mM β−メルカプトエタノール及び2mg/mlリチカーゼに 再懸濁し、30℃で2時間インキュベートした。 次いで、350μlの2XCTAB緩衝液を加え、DNAを前述のように精製 した。各クローンのDNA(5μg)をHincII、AluI、EcoRV及 びRsaIで別個に消化した(1XKGB緩衝液中、37℃で4時間、最終量5 0μl)。65℃で15分間加熱することにより反応を停止させ、pH8のTE で飽和した1倍容のフェノールで1回抽出し、次いで1倍容のクロロホルム−イ ソアミルアルコール混合物(24:1、vol/vol)で抽出した。DNAを エタノール沈殿によって回収し、無菌蒸留水に再懸濁した。300ngのDNA を用いて最終量50 μlで連結反応を実施した。反応は、50mMトリス−HCl、pH7.4、1 0mM MgCl2、1mM DTT、1.2mM ATP中で、1Uのリガー ゼを用いて、20℃で2時間生起させ、68℃で30分間加熱することにより停 止させた。 PCR反応は下記のように実施した:使用した緩衝液は製造業者に指示された ものであるが、Perkin Elmer酵素の場合は例外であって、この場合 は反応混合物に更に1.4mMのMgCl2(最終濃度2.9mM Mg)を加 えた。dNTP最終濃度は、Perkin Elmer酵素を使用した時が12 5μM、他の由来源からのTaqポリメラーゼを使用した時が200μMであっ た。いずれの場合も、各オリゴヌクレオチドを100ng使用した。最終量は1 00μlであった。生成物が得られなかった時は、同じ条件で、但しホルムアミ ドを最終濃度3%で加えて反応を再度実施した。 オリゴヌクレオチドEG1(GGCGATGCTGTCGGAATGGACG ATA)(配列番号3)及びEG2(CTTGGAGCCACTATCGACT ACGCGATC)(配列番号4)を用いて、EcoRV及びRsaI 消化物の連結反応生成物から左末端を増幅した。 オリゴヌクレオチドEG3(CCGATCTCAAGATTACGGAAT) (配列番号5)及びEG4(TTCCTAATGCAGGAGTCGCATAA G)(配列番号6)を用いて、EGライブラリーから得たクローンの右末端を、 AluI及びHincII消化物の連結反応生成物から増幅した。 前述と同じサイクル条件で、但しアニーリング温度は50℃に低下させて、オ リゴヌクレオチドH1(AGGAGTCGCATAAGGGAG)(配列番号7 )及びH2(GGGAAGTGAATGGAGAC)(配列番号8)を用いて、 EW YACライブラリーから得たクローンの右末端を増幅した。 反応終了後、各混合物50μlをアガロースゲル上で電気泳動させて、プライ マーから増幅生成物を分離した。増幅バンドを含むアガロース部分をゲルから切 除し、1mlの蒸留水に溶解した。溶解したアガロース片5μlを再増幅させる と、大量の生成物を製造することができた。次いで、PCR生成物をエレクトロ エリューション又はGeneClean(Bio101)を用いて精製し、幾つ かの 酵素によって制限された単離YAC DNAを含むフィルターをプローブするた めのハイブリダイゼーションプローブとして使用した。EW15G1の右末端か ら形成したプローブはEG4E8にハイブリダイズし、EG4E8の右末端から 形成したプローブはEW15G1にハイブリダイズした。従って、YAC EG 4E8及びEW15G1は、RFLP220とASA2との間の染色体の領域に 全てのDNAを含んでいると結論された。 YACクローンの大きさは、フィールド反転(field inversio n)電気泳動(CHEF,Vollrath及びDavis,1987)によっ て推定した。高分子量DNAは次の方法で製造した:YACクローンを含む酵母 細胞を増殖させ、前述のDNA調製の場合のようにリチカーゼで処理した。次い でスフェロプラストを同量の1Mソルビトール、50mM EDTA、1%低融 点アガロースに37℃で再懸濁した。該混合物を、氷上に設置した型(Bior ad)内に注入し、アガロースを硬化させた。 得られたプラグを、0.5M EDTA、pH9、1%ラウリルサルコシン、 1mg/mlプロテイナーゼK中、 50℃で12時間インキュベートした。これらのプラグを50mM EDTA中 で2回洗浄し、使用するまで4℃で貯蔵した。CHEFゲルを、1XTBE中、 200V、切替え間隔20秒で、16時間処理した。操作中、緩衝液の温度は1 4℃に維持した。YACの大きさを、ラムダラダー(lambda ladde r)及び酵母染色体との比較によって調べた。結果は次の通りであった:EG4 E8、90kb;EG9D12、190kb;EW15G1、90kb;EW1 5B4、70kb;EW7D11、125kb。これらの大きさから、物理的距 離と遺伝学的距離との間の対応をほぼ決定することができた。220とASA2 との間の距離は、二つのYAC、EG4E8及びEW15G1の大きさの合計で ある180kbを超え得ない。対応する遺伝学的距離は1.7cMであるため、 この特定の交配種(cross)及びこの特定のゲノム領域では、1cMの値が 100kbに近いことがほぼ推定できた。即ち、fad3遺伝地図はASA2か ら0.4cMしか離れていないのであるから、対応する物理的距離は40kbに 近いことになる。従って我々は、fad3が、ASA2とハイブリダイズする最 大のYACであるYAC EW7D11 上に存在する確率が高いと結論した。第1図参照。 YAC EW7D11がfad3遺伝子を担持する可能性を検査するために、 該YACを用いて、カノラ(Brassica napus L.)の発育中の 種子から形成したcDNAライブラリーをプローブした。該YACはArabi dopsisから単離したものではあるが、Arabidopsis及びB.n apusが両方ともCruciferae科に属するという事実によって、我々 は、これら2種類の植物種に由来する相同遺伝子がヌクレオチド配列レベルで十 分な同一性を有し、従ってArabidopsis遺伝子がB.napus遺伝 子にハイブリダイズするであろうと推測した。我々はまた、ステアロイル−AC Pデサチュラーゼと化学的に類似した反応を触媒するという理由で、該YACが 発育中の種子中で類似のやや高いレベルで発現されるであろうと推測した(Sh anklin及びSomerville,1991)。EW7D11はゲノム全 体の約0.2%しか占めていなかったため、我々は、EW7D11がやや多めに 発現される遺伝子(即ち、mRNAがmRNA全体の0.1〜0.01%を占め る遺伝子)を約2個しか含まないと予想した。 YAC EW7D11のDNAは次のように単離した:前述のようにYAC EW7D11を含んでいる酵母細胞から高分子量DNAを調製し、幾つかの分取 用低融点アガロースCHEFゲルを1XTBC緩衝液(EDTAをCDTAに換 えた以外はTBEと同じ)中で処理した。YACを含んでいる部分をゲルから切 除し、プールした。3個の切片を65℃で溶融し、TEで飽和した同量のフェノ ールで抽出した。水相を貯蔵し、イソブチルアルコールで繰り返し抽出して0. 5mlまで減量した。残留アガロースを数回のフェノール抽出によって除去し、 その後クロロホルム−イソアミルアルコール抽出を2回行った。担体としての線 状アクリルアミド2μg+5M NaCl 10μlと1.1mlのエタノール とを加えてDNAを沈殿させ、0℃で20分間インキュベートした。DNAペレ ットを遠心分離によって回収し、70%エタノールで洗浄し、真空乾燥し、50 μlの蒸留水に再懸濁した。DNA(50ng)を放射性標識し、λgt11中 のcDNAライブラリーをプローブするのに使用した。 ニトロセルロースフィルターをSambrookらの文献(1989)に記載 のように処理した。フィルターは二 つ組で使用し、良好なシグナルを得るためにフィルムを5〜7日間露出した。こ の方法でスクリーニングした200,000個のプラークのうち31個がEW7 D11にハイブリダイズした。ストリンジェント条件で交差ハイブリダイゼーシ ョンにより検査した結果、これら31個のクローンのうち17個が互いに相同で あった。これら17個のクローン中の挿入物の大きさを推定し、最大のcDNA を有するクローンを更に分析すべく貯蔵した。このファージの小規模調製物をラ ムダソーブ法を用いて調製し、挿入物をEcoRIでの制限によって切除した。 この挿入物を、EcoRIで線状化したpBLUESCRIT IIに連結し、 得られた連結反応混合物を用いて大腸菌株DH5αを形質転換した。 これらの組換えクローンのうちの一つをpBNDES3と名付け(第2図)、 配列決定のために貯蔵した。配列は、シーケナーゼ(sequenase)酵素 (US Biochemicals,Cleaveland,OH)を製造業者 の指示通りに使用して、両方の鎖の上で決定した。pBNDES3の挿入物のヌ クレオチド配列を第3図に示す。ヌクレオチド配列中の最大の読取り枠の推定ア ミノ酸 配列も第3図に示す。 FASTAプログラム(Lipman及びPearson、1985)を用い て、クローンpBNDES3中の383アミノ酸読取り枠の推定アミノ酸配列と 、GenBankリリース70中の既知の配列との比較を行った。この分析の結 果、pBNDES3由来の配列は、先に特徴分析したラン色細菌Synecho cystis由来のデサチュラーゼ遺伝子に対して大きな相同を示す領域を有す ることが判明した(第4図)(Wadaら,1990)。これは、クローンpB NDES3が、おそらくはfad3構造コード配列生成物であるデサチュラーゼ をコードすることを示唆する事実であると考えられた。これはその後、遺伝学的 補足実験で確認された。 CaMV35Sプロモーターの制御下でcDNAを植物形質転換ベクターpB I121(第5図)中にクローニングして、pTiDES3(第6図)を構築し た。Riプラスミドも有する腫瘍菌tumefaciens株中にプラスミドp TiDES3を導入し、野生型Arabidopsis及びfad3突然変異体 の両方からトランスジェニック根腫瘍(rooty tumor)を形成するた めに使 用した。pTiDES3の存在を確認するために、トランスジェニック組織を抗 生物質耐性に関して選択した。次いで脂肪酸メチルエステルを製造し、この組織 中で形成された脂肪酸プロフィルを確認するためにガスクロマトグラフィーで検 査した。リノレン酸含量は増加していた。これは、pTiDES3上のcDNA がfad3突然変異を相補い得ることを意味する。後述の実施例1で詳述するこ れらの結果は、リノール酸デサチュラーゼをコードするというcDNAのアイデ ンティティを確認するものである。 植物の構造コード配列の単離は、アンチセンスRNAメカニズムによる遺伝子 発現操作のためのツールを当業者に与えてくれる。アンチセンスRNA技術は、 標的遺伝子に対して相補的なRNA転写体を生成するキメラ遺伝子の導入をベー スとする(Bird及びRay、1991に概説)。その結果得られる表現型は 、内因性遺伝子に由来する遺伝子産物の減少である。アンチセンス効果を得るの に十分な遺伝子分量は、多くのフラグメント又はこれらの組合わがより効果的と 思われるという点で、可変である。cDNA又はゲノムクローンのいずれかから 単離したリノール酸デサチュラーゼの構造コード配列は、種々の分量で、リノ ール酸デサチュラーゼ含量を低下させることにより植物中のリノレン酸含量を低 下させることができると思われる。アンチセンス配向のリノール酸デサチュラー ゼ構造コード配列の使用例は実施例2で説明する。ポリアデニル化シグナル 本発明の二本鎖DNA分子の3’非翻訳領域は、植物細胞中で機能してRNA 配列の3’末端へのポリアデニル化を促進する領域を含む。この種の領域は総て 本発明の範囲内で使用できる。適当な3’領域の具体例としては、(1)腫瘍菌 の腫瘍誘発(Ti、tumor−inducing)プラスミド遺伝子、例えば ノパリンシンターゼ(NOS)遺伝子のポリアデニル化シグナルを含む3’転写 非翻訳領域、並びに(2)ダイズ貯蔵タンパク質遺伝子及びリブロース−1,5 −ビスホスフェートカルボキシラーゼ(ssRUBISCO)遺伝子の小サブユ ニットのような植物遺伝子の3’領域が挙げられる。好ましい3’領域の一例は 、後述の実施例で詳述するNOS遺伝子由来の領域である。植物の形質転換/再生 本発明の二本鎖DNA分子を含むように形質転換できる植物はいずれも本発明 の範囲内に包含される。本発明の実 施によってリノレン酸含量を増加又は減少することができる好ましい植物の非限 定的具体例としては、ヒマワリ、ベニバナ、ワタ、トウモロコシ、コムギ、コメ 、ラッカセイ、カノラ、アブラナ、オオムギ、モロコシ、ダイズ、アマ、トマト 、アーモンド、カシュー及びクルミが挙げられる。 機能的植物リノール酸デサチュラーゼ遺伝子を含む本発明の二本鎖DNA分子 は、任意の適当な方法によって植物のゲノム中に挿入できる。適当な植物形質転 換ベクターとしては、腫瘍菌tumefaciensのTiプラスミドに由来す るもの、並びに例えばHerrera−Estrella(1983)、Bev an(1984)、Klee(1985)及びEPO公開第120,516号( Schilperoortら)によって開示されているものが挙げられる。腫瘍 菌のTi又は根誘導(root−inducing、Ri)プラスミドに由来す る植物形質転換ベクター以外に、別の方法を用いて本発明のDNA構築物を植物 細胞中に挿入することもできる。これらの方法は、例えば、リポソームの使用、 電気穿孔法、遊離DNAの取込みを増加させる化学物質、マイクロプロジェクテ ィル衝撃(microprojectile bombardme nt)を介する遊離DNAの送達、並びに細菌、ウイルス又は花粉を用いる形質 転換を含み得る。 単子葉植物中でのリノール酸デサチュラーゼ遺伝子の発現に適したプラスミド 発現ベクターは次のものからなる:脂質貯蔵組織中での発現に関して特異的な又 は強化された(enhanced)プロモーター、及び3’ポリアデニル化配列 、例えばノパリンシンターゼ3’配列(NOS3’;Fraleyら、1983 )。この発現カセットは、大量のDNAの生成に適した高コピーレプリコン上で 組み立てられ得る。 双子葉植物の形質転換に使用するための特に有用な腫瘍菌ベースの植物形質転 換ベクターは、プラスミドベクターpMON530(Rogers,S.G., 1987)である。プラスミドpMON530(第7図参照)は、pMON31 6の2.3kb StuI−HindIIIフラグメント(Rogers,S. G.,1987)をpMON526中にトランンスファーすることによって製造 したpMON505の誘導体である。プラスミドpMON526は、SmaI部 位がXmaIでの消化と、クレノウポリメラーゼでの処理と、連結反応とによっ て除去された単純 なpMON505誘導体である。プラスミドpMON53Oは、pMON505 及びCaMV35S−NOS発現カセットの特性を総て保持しており、プロモー ターとポリアデニル化シグナルとの間にSmaIの非反復開裂部位を含む。 ベクターpMON5O5は、Tiプラスミド相同領域LIHがミニRK2プラ スミドpTJS75(Schmidhauser及びHelinski、198 5)の3.8kbのHindIII〜SmaIセグメントに置換された、pMO N200の誘導体である(Rogers,S.G.、1987)。前記セグメン トは、RK2複製起点oriVと、三親交配法(tri−parental m ating procedure)を用いて腫瘍菌に接合するためのトランンス ファー起点oriTとを含む(Horsch及びKlee、1986)。プラス ミドpMON505は、所望のDNAフラグメントを挿入するための合成マルチ リンカー(multi−linker)、植物細胞のカナマイシン耐性のための キメラNOS/NPTII’/NOS遺伝子、大腸菌及びA.tumefaci ens中の選択のためのスペクチノマイシン/ストレプトマイシン耐性決 定因子、形質転換体及び子孫遺伝の検査を容易にするための完全ノパリンシンタ ーゼ、並びに大腸菌中での大量のベクターの製造を容易にするpBR322複製 起点を含めて、pMON200の重要得な特徴を総て保持する。プラスミドpM ON505は、pTiT37ノパリン型T−DNAの右末端に由来する単一T− DNAボーダーを含む。サザン分析の結果、プラスミドpMON505及びこれ を有する任意のDNAが植物ゲノム中に組込まれている、即ちプラスミド全体が 植物ゲノム中に挿入されたT−DNAであることが判明した。組込まれたDNA の一方の末端は右方ボーダー配列とノパリンシンターゼ遺伝子との間に位置し、 他方の末端は前記ボーダー配列とpBR322配列との間に存在する。 リノール酸デサチュラーゼ遺伝子を含む細胞(又はプロトプラスト)が適当数 得られたら、細胞(又はプロトプラスト)を完全植物(whole plant )に再生する。再生ステップの方法の選択は決定的に重要なものではなく、Le guminosae(アルファルフア、ダイズ、クローバー等)、Umbell ifrae(ニンジン、セロリ、パースニップ)、Cruciferae(キャ ベツ、ラデイ ッシュ、アブラナ等)、Cucurbitaceae(メロン及びキュウリ)、 Gramineae(コムギ、コメ、トウモロコシ等)、Solanaceae (ジャガイモ、タバコ、トマト、コショウ)及び種々の花作物に由来する宿主に ついては適当なプロトコルが使用可能である。例えば、Ammirato(19 84)、Shimamoto(1989)、Fromm(1990)、Vasi l及びVasil(1990)参照。リノール酸デサチュラーゼの使用 本発明は、植物又は植物組織の油含量の任意の調節(増加、減少又は単なる変 化)に使用し得る。リノレン酸は、植物細胞の幾つかの膜の重要な成分である。 好ましい方法の一つは、植物の温度感受性を改善するために植物の油含量を調 節することからなる。例えば、リノレン酸に欠けている植物は低温での適応度が 低い(Hugly及びSomerville,1992)。また、植物組織中の リノール酸含量が高いことは、高等植物の耐凍結性の要因の一つであるとされて きた(Steponkusら、1990及びその中の参考文献)。好ましい実施 態様では、リノール酸デサチュラーゼ構造コード配列の発現に よって、高等植物を低い環境温度に耐えられるように遺伝学的に改質することが できる。pTiDES3での形質転換は、この遺伝子の構成的発現によってリノ レン酸含量が増加し得ることを立証している。作物の低温又は凍結による損傷は 、適当なプロモーターを用いて植物組織又は生殖組織中で前記遺伝子を発現させ ることにより克服し得る。 ポリ不飽和脂肪酸であるリノレン酸は、酸化速度が速いために、ペイント及び ワニス工業でも広く使用されている。アマ種子はこの油の主要供給源である。ア ブラナ又はダイズの該脂肪酸の含量を高くすれば、これらの供給源に由来する植 物油をアマニ(アマ)油の代わりに使用できるようになるであろう。種子組織中 でのリノール酸デサチュラーゼ構造コード配列の発現は、貯蔵油のリノレン酸の 比率を高めることができる。 リノレン酸はまた、重要な植物生長調節物質であるジャスモン酸の生合成にお ける前駆体でもある。リノレン酸は、リポキシゲナーゼによって酸素を炭素鎖に 導入、次いで脱水、還元及び数回のβ−酸化を行うことによりジャスモン酸に変 換される(Vick及びZimmerman、1984)。ジャスモン酸の活性 は、病原体防御応答を誘起す る能力として測定されてきた。遊離リノレン酸を植物に適用することにより、植 物の病原体防御を誘起することもできる(Farmer及びRyan、1992 )。遊離リノレン酸がジャスモン酸に関連した効果を発揮する能力を説明するた めに、あるモデルが提案された(Farmer及びRyan、1992)。リノ レン酸からジャスモン酸への変換に必要な総ての酵素活性は細胞中に構造的に存 在し、ジャスモン酸の生成における律速段階は遊離リノレン酸の利用性であると 仮定されている。遊離リノレン酸は、形質膜中のリパーゼの活性によって生成さ れる可能性もある。 外因性ジャスモン酸は、損傷よりも強力に防御応答を活性化することができる ことも観察された。これは、損傷がジャスモン酸の大量産生を支えるのに十分な 遊離リノレン酸を生成することがてきないことを示唆する。リパーゼの活性又は リパーゼの適当な基質の利用性は、損傷時の律速であり得る。使用可能な基質を 増量し、形質膜のリノレン酸含量を増加させれば、ジャスモン酸の生成を促進す ることによって、病原体に応答する植物の能力を高めることが可能である。リノ ール酸デサチュラーゼ構造コード配列の発現は、植物細胞の形質膜中のリノレン 酸のモル%を増加 させることができ、従ってジャスモン酸シグナル経路を促進することができる。 我々の意図は、根及び葉の組織のリノレン含量が高い植物を病原体耐性について 評価することにある。 また、食用油のリノレン酸含量が高いことは望ましくない。リノレン酸は調理 の間不安定であり、酸化し易い。酸化生成物は最終製品の風味を低下させる。リ ノレン酸含量が約3%以下、好ましくは2%以下のナタネ油又はダイズ油は食用 油として使用するのに理想的である。これらの油のリノレン酸含量は、リノール 酸デサチュラーゼの構造コード配列のアンチセンスの発現によって低下させるこ とが可能である。 総ての高等植物はリノレン酸を有し、従ってリノール酸デサチュラーゼの遺伝 子を含んでいる。ある植物種から単離した遺伝子を使用して別の植物種から相同 遺伝子を単離した例は多くあるため、当業者には明らかなように、ここに示す結 果は、B.napus fad3遺伝子の使用、又はB.napusの脂肪酸組 成を調節するための遺伝子の使用のみに固有のものではない。明らかに、多くの 生体に由来するリノール酸デサチュラーゼは植物におけるリノ レン酸の生合成及び蓄積を高めるのに使用し得、他の任意の高等植物又は藻類に 由来する酵素はリノール酸デサチュラーゼ遺伝子の供給源として使用し得る。例 えば、Arabidopsis遺伝子を含むYACを用いてB.napus遺伝 子を単離したのであるから、pBNDES3中の挿入物を、別の植物種からの対 応する完全長遺伝子を単離するためのゲノムライブラリープローブとして使用し 得ることは明らかである。また、この遺伝子の配列に含まれている情報が、別の 脂質デサチュラーゼ遺伝子をクローニングするのに有用であることも考えられる 。 センス配向でのリノール酸デサチュラーゼの発現は、リノレン酸含量の低い植 物の単離を可能にし得る。これは、同時抑制(co−suppresion)メ カニズムによって達成し得る(Bird及びRay,1991)。同時抑制の分 子メカニズムは現時点では余り解明されていないが、植物ゲノム中に存在する対 立遺伝子と同一の又は極めて相同の遺伝子で植物を形質転換した時に生起する。 植物中のキメラ遺伝子の発現によって、キメラ遺伝子及び内因性遺伝子の両方に 由来する遺伝子産物を減少させることができる例も幾つか存在する。リノレン酸 含量の低下という結果 がリノール酸デサチュラーゼ構造コード配列の発現の直接的結果であり、形質転 換植物のリノレン酸活性に相関するものであろうことは、当業者に認識されよう 。 植物細胞中のリノレン酸含量は、植物リノール酸デサチュラーゼ遺伝子の上流 調節エレメントと相互作用する転写因子をコードする遺伝子を単離することによ って調節することもできる。植物細胞中でのこれら転写因子の発現の促進は、リ ノール酸デサチュラーゼ遺伝子の発現に作用し得る。これらの条件下では、メカ ニズムは異なるが、リノール酸デサチュラーゼ酵素の活性の対応する増減によっ てリノレン酸含量が増減する。転写因子の単離方法は既に開示されている(Ka tagiri、1989)。 以下の実施例は、本発明の実施方法をより明らかにするためのものであり、本 発明の範囲を限定すると解釈すべきものではない。当業者には明らかなように、 ここに記載の方法及び遺伝子は、本発明の範囲を逸脱することなく、様々な変形 、切頭等が可能である。実施例1 リノレン酸を増加させるためのfad3遺伝子の発現 pBNDES3中のcDNA挿入物がリノール酸デサチュ ラーゼをコードするという想定を確認するために、野生型及びfad3突然変異 Arabidopsisの両方をcDNA挿入物を含むように形質転換した。植 物細胞中でリノール酸デサチュラーゼ構造コード配列(以後「fad3遺伝子」 と称する)を発現するために、プラスミドpBNDES3をXhoIで消化し、 末端をDNAポリメラーゼのクレノウフラグメントで充填した(Sambroo kら、1989)。次いでcDNA挿入物をSacIでの消化によって切除し、 バイナリーTiプラスミドベクターpBI121(Clontech Labo ratories)のSacI及びSmaI部位に連結して、GUS読取り枠を 置換した。連結反応は100ngの挿入物及びベクターと1単位のT4 DNA リガーゼとを用いて、20μlで、16℃で12時間実施した。連結反応混合物 を用いてコンピテントDH5α大腸菌細胞(Sambrookら、1989に従 い塩化カルシウム法で製造)を形質転換し、形質転換体を、50μg/μlのカ ナマイシンを入れたLブロスプレート上で選択した。組換えクローンのアルカリ 性ミニプレパレーション(minipreparation)を正確な制限パタ ーンについて分析した。これらのプラス ミドのうちの一つ、pTiDES3を更に別の実験に使用した。 このプラミドを、Riプラスミドを有するAagrobacterium t umefaciens株R1000中に電気穿孔法で導入した(Mersere au及びPazourの方法、1990)。形質転換した細菌をカナマイシンL Bプレート上で、30℃で2日間にわたり選択した。幾つかの組換え細菌のDN Aミニプレパレーションを作成し、前述のように分析して構築体の存在を確認し た。 Arabidopsisの野生型及びfad3突然変異体の若い開花茎を、1 0%市販漂白剤、0.02%トリトンX100中で30分間殺菌し、開花茎を含 む2cmの外植片にR1000(pTiDES3)を感染させた。この操作は、 50μg/mlカナマイシンを加えたLB培地中の単集落から増殖させた適当な Agrobacteriumの一夜培養物一滴の中に切断端部を浸漬することに よって実施した。 感染した茎を固体MSO培地(Gibco MS塩+Gamborg B5ビ タミン、3%蔗糖及び0.8%寒天)で2日間培養した。この時点で、細菌を殺 すために200 μg/mlのセホタキシムを加えたMSO培地に茎セグメントを5日間トランス ファーした。約2週間後、茎外植片の細胞中へのRiプラスミドの部分のトラン スファーの結果として、大部分の茎外植片が根腫瘍(rooty tumor) を発生した。バイナリーTiプラスミドpTiDES3をも受容した根腫瘍を同 定するために、各処理に由来する約24個の根腫瘍を、50μg/mlのカナマ イシンを含むMSO培地にトランスファーし、バイナリーTiプラスミドで同時 形質転換したこれらの根の生長について選択した。培地には、細菌の増殖を防止 するために200μg/mlのセホタキシムも加えた。更に2週間の増殖期間後 、根から脂肪酸メチルエステルを調製して(前述の方法)、ガスクロマトグラフ ィーで分析した。これらの分析の結果を表2に示す。 表2は、トランスジェニック根の脂肪酸組成を示している。ベクター(pBI 121)又はプラスミドpTiDES3を有するA.tumefaciens R1000を野生型又はfad3突然変異体に感染させることによって得たトラ ンスジェニック根を、カナマイシン(50g/ml)の存在下で3週間増殖させ て、これらのプラスミドのうちの一つで同時形質転換した根を同定した。根の脂 肪酸組成を前述のように測定した(Browseら、1986)。表2で使用し た略号は下記の通りである:16:0、パルミチン酸;16:1、パルミトレイ ン酸;18:0、ステアリン酸;18:1、オレイン酸;18:2、リノール酸 ;18:3、リノレン酸。表示した値は平均値±SD(n=12)である。 これらの結果から明らかなように、野生型Arabidopsis又はfad 3突然変異体におけるpBI121を含む根腫瘍の発生により、脂肪酸組成が、 pBI121を含まない野生型Arabidopsis又はfad3突然変異体 と比べて変化することはなかった。これに対し、fad3突然変異体をプラスミ ドpTiDES3で形質転換すると、リノレン酸含量が大幅に増加した。pBI 12 1で形質転換したfad3突然変異体のリノレン酸含量が6.7+/−0.7% であるのに対し、pTiDES3が存在する場合には、脂肪酸の42.1%がリ ノレン酸として蓄積された。このリノレン酸含量の増加に伴い、リノール酸含量 が対応する程度だけ減少した。従って、fad3遺伝子がリノール酸デサチュラ ーゼをコードすることは明白である。fad3遺伝子を野生型組織に導入した場 合もやはりリノレン酸の蓄積が大幅に増加し、これに対応してリノール酸が減少 した(表2)。このように、これらの結果は、植物組織のリノール酸含量がリノ ール酸デサチュラーゼの高度の発現によって増加し得ることを明らかにしている 。この実施態様では、fad3遺伝子が、pBI121上に担持された構成的高 レベルCaMV35Sプロモーターの転写制御下におかれた。これらの結果は、 このプロモーターからの発現が、fad3遺伝子の発現レベルを、内因性fad 3プロモーターからの発現によって通常達成されるレベルより高くすることを意 味する。ここに示した結果は、fad3遺伝子が、リノレン酸含量を増加させる ための高等植物の遺伝学的改質において極めて有用であることを明らかにしてい る。実施例2 リノレン酸含量を低下させるためのfad3遺伝子のアンチセンス発現 遺伝子工学的手法によってリノール酸デサチュラーゼ活性を低下させるために 、pBNDES3のcDNA挿入物をアンチセンス方位で植物発現カセット中に クローニングした。pBNDES3の959bp BglII制限フラグメント をアンチセンス発現ベクターで使用した。このフラグメントは、cDNAの開始 メチオニンコドンの152ヌクレオチド下流から、コード領域のC末端の近傍に 位置する第二のBglII制限部位までのフラグメントである。このフラグメン トからコード領域の189個のヌクレオチドを除去した。fad3遺伝子フラグ メントを用いて三重連結反応を実施し、二つの別個の植物発現カセットを構築し た。 種子特異的発現カセットは、pBNDES3のBglIIフラグメントをアンチ センス方位でβ−コングリシニンのα’サブユニットのダイズプロモーター(7 Sプロモーター)の後ろに挿入することにより構築した。pMON529に由来 する7Sプロモーターを含む975bPのHin dIII〜BglIIフラグメントを、BglIIで37℃で30分間消化し、 次いで子ウシ腸アルカリホスファターゼ(CIAP)(Boehringer Mannheim)を加えることにより製造した。反応を20分間生起させ、次 いでGeneClean(Bio 101)精製システムを用いて線状化DNA を精製した。次いでDNAをHindIIIで消化した。ノパリンシンターゼ3 ’領域とpUCベクターバックボーンとを含むpMON999由来のフラグメン トを、BamHIでの消化及びCIAPでの処理によって製造した。DNAをG eneClean処理によって精製し、HindIIIで消化した。pBNDE S3フラグメントをBglIIでの消化によって製造した。これら三つのフラグ メントをアガロースゲル電気泳動及びGeneClean処理によって精製した 。50〜200ngの精製フラグメントを室温で1時間連結させ、次いで大腸菌 株JM101中に形質転換した。得られた形質転換体コロニーを用いて、プラス ミド形成及び制限消化分析を行なった。BglII及びNcoIでの二重消化を 用いて、アンチセンス方位でfad3遺伝子を含む形質転換体のスクリーニング を行った。一つのクローンを適正な ものとしてpMON13801と名付けた。 第二の発現カセットは、植物中のアンチセンスメッセージの構成的発現を可能 にすべく構築した。強化した35Sプロモーターを含むフラグメントを、Hin dIII及びBglIIでの制限消化と、その後の前述のCIAP処理とによっ てpMON999から製造した。アガロースゲル電気泳動とGeneClean 処理とによって適正な大きさのフラグメントを得た。この構築では、前述のよう に精製したBglII〜HindIIIベクターフラグメントとpBNDES3 のBglIIフラグメントとを使用した。連結、形質転換及びクローンのスクリ ーニングは前述のように実施した。一つのクローンを適正なものとしてpMON 13802と名付けた。 pMON13801及びpMON13802のどちらでも、プロモーター、f ad3遺伝子及びNos3’領域はNotI制限フラグメント上で単離できる。 次いでこれらのフラグメントをベクターpMON17227のNotI部位に挿 入して、グリホセート(glyphosate)選択可能植物形質転換ベクター を構築することができる。ベクターDNAは、NotIでの消化とその後のCI AP 処理とによって製造する。fad3含有フラグメントは、NotIでの消化、ア ガロースゲル電気泳動及びGeneCleanでの精製によって製造する。連結 反応は、約100ngのベクターと200ngの挿入DNAとを用いて、室温で 1.5時間実施する。大腸菌株LE392中への形質転換後、fad3発現カセ ットを含むクローンを同定すべく、形質転換体を制限消化によってスクリーニン グした。fad3カセットからの転写が選択可能マーカーからの転写と同じ方向 にあるクローンを適正とみなし、pMON13804(FMV/CP4/E9、 7S/アンチfad3/NOS)(第8図)及びpMON13805(FMV/ CP4/E9、E35S/アンチfad3/NOS)(第9図)と名付けた。 カノラ細胞(canola cell)を形質転換するための準備で、pMO N13804及びpMON13805を、ヘルパープラスミドpRK2013と の三親交配により、Agrobacterium ABI中に交配した。 形質転換によって製造した植物に由来する種子を、脂肪酸プロフィルの変化に ついて分析した。脂肪酸メチルエステル(FAMES)を種子組織から調製し、 毛管ガスクロ マトグラフィーで分析した(Browseら、1986)。植物の最初のスクリ ーニングでは、個々の植物からの6個の種子を一緒にプールした。これらの種子 を粉砕し、FAMES抽出物を形成した。対照植物、選択可能マーカー(pMO N17227)のみで形質転換した植物も同じ方法で分析した。プールした種子 試料に関する最初のスクリーンから、リノレン酸含量の低下を示した系統が幾つ か同定された。リノレン酸含量の低い系統を、個々の種子に由来する脂肪酸プロ フィルを決定することによって再分析した。候補系統及び選択した対照植物から 、4〜20個の個々の種子を分析した。FAMES分析の結果は第9図にまとめ て示す。 第9図は、トランスジェニック系統13804−51の20個の種子の脂肪酸 含量を対照種子と比較してモル%で示している。パネルAはオレイン酸、パネル Bはリノール酸、パネルCはリノレン酸を示している。 第9図のデータは、リノール酸デサチュラーゼのアンチセンス発現が、その結 果得られた種子組織の脂肪酸プロフィルを大きく変えたことを示している。リノ レン酸の比率は、種子組織中の総脂肪酸の2%よりやや多いレベルに減少し た。リノール酸の比率はやや減少し、驚くべきことに、種子中のオレイン酸の比 率は約70%に増加した。これは、作物植物の脂肪酸プロフィルの操作にfad 3遺伝子の使用を適用できることを示すものである。 種子組織全体から抽出したFAMESの脂肪酸プロフィルの変化が種子油フラ クションに反映されることを立証するために、fad3アンチセンス植物の種子 に由来するトリグリセリドの特徴を調べた。10個の種子をプールし、2mlの メタノール:クロロホルム:水(4:2:1)中で粉砕することにより、総脂質 抽出物を調製した。このホモジェネートを20分間静置し、次いで残渣をペレッ ト化し、廃棄した。上清に400μlのクロロホルム:メタノール:(2:1) と、640μlのクロロホルムと、740μlの水とを加え、撹拌した。遠心分 離によって相を分離し、クロロホルム相を回収し、窒素下で乾燥した。試料を1 00μlのクロロホルムに再懸濁し、10μlを分離用シリカゲルG薄層クロマ トグラフィープレートに適用した。二つの同じプレートを用意し、そのうちの一 つを展開後に焼き、他方のプレート上での分析すべきスポットのアラインメント 及び位置決めを可能にした。プレートを石油 エーテル:ジエチルエーテル:酢酸(90:10:1)中で3回展開させた。一 方のプレートに50%硫酸を噴霧し、脂質の検出を可能にすべく炉内で90℃で 加熱した。トリグリセリドフラクションは、購入した脂質標準(Sigma C hemical Co.,cat#178−13)と共にプレート上で同時移動 (comigrating)するものとして同定された。焼いたプレートを同一 プレートに対してアラインメントし、トリグリセリドフラクションをプレートか ら掻き取った。前述と同じ手順でGC分析用FAMES抽出物を製造すべく脂肪 酸をトランスエステル化した。トリグリセリドフラクションの脂肪酸プロフィル は表3に示す。このプロフィルは、このフラクションのリノレン酸含量が低下し ていることを示している。 表3は、対照及びトランスジェニック系統に由来するトリグリセリドフラクシ ョンの脂肪酸のモル%を比較している。これらの結果は、fad3遺伝子を用い て植物の貯蔵油中のリノレン酸含量を低下させることができることを明らかに示 している。この遺伝子は、種子貯蔵油から誘導される生成物を改善すべく種子貯 蔵油の脂肪酸プロフィルを操作するためのツールを提供する。 この実施例2の驚くべき結果は、アンチセンスfad3遺伝子がオレイン酸含 量に及ぼす作用である。遺伝子のアンチセンス発現が内因性遺伝子の活性に作用 を及ぼす正確なメカニズムは不明であるが、このメカニズムは明らかにセンス遺 伝子産物とアンチセンス遺伝子産物との相同の関数である。前述の実験結果に基 づいて考えれば、使用したfad3遺伝子アンチセンスメッセージ部分が、一つ 以上のオレイン酸デサチュラーゼの活性を与える遺伝子に対してある程度の相同 を有すると推測してもおかしくはないであろう。従って、前記発明の別の利点は 、リノール酸デサチュラーゼアンチセンスメッセージの発現がオレイン酸デサチ ュラーゼ活性に作用し得る可能性があるという点にある。 アンチセンスfad3植物のオレイン酸デサチュラーゼ活性が低いという予期 しなかった特徴は、アンチセンス植物及びArabidopsis fad3突 然変異体の脂肪酸プロフィルを比較すれば最も明白である。fad3突然変異体 植物のリノール酸含量は、リノール酸デサチュラーゼ活性を突然変異によって消 失した時に増加した。これは、オレイン酸デサチュラーゼの活性が、リノール酸 デサチュラーゼ活性の損失又はリノール酸の蓄積によって大きく左右されなかっ たことを意味する。Arabidopsisのfad3突然変異体では、リノレ ン酸含量が低下した時にリノール酸含量が増加した。しかしながら、アンチセン スfad3植物では異なるパターンが生起した。リノレン酸比率の低下を示した 植物では、リノール酸比率の対応する増加はなく、しばしば低下が見られる。ア ンチセンスfad3植物ではオレイン酸比率の増加が見られる。これは、これら の植物ではオレイン酸デサチュラーゼ活性が低下していることを示すものであろ う。fad3突然変異及びfad3アンチセンス発現が脂肪酸プロフィルに及ぼ す作用は同等ではない。これは、リノール酸デサチュラーゼのアンチセンス発現 が、植物中のオレイン酸デサチュラ ーゼ活性を低下させることができることを意味する。実施例3 ダイズのリノレン酸含量の調節 B.napus由来のfad3遺伝子の単離は、対応する遺伝子又はcDNA を別の植物種から単離するためのツールを当業者に供給する。ある植物種に由来 する遺伝子を用いて別の植物種から相同遺伝子を単離した例は多く存在する。リ ノレン酸含量の調節によって改善することができた植物の一つはダイズである。 ダイズ油は典型的には、油中の脂肪酸の7〜9%の割合でリノレン酸を含む。 この含量は望ましいものではない。なぜなら、加熱時の不安定性を促進し、最終 製品の風味を低下させるからである。リノレン酸含量は、ダイズfad3遺伝子 又はcDNAを発育中の種子内でアンチセンス方位で発現させることにより減少 させることができる。この実施例では、ダイズからfad3 cDNAを単離す る方法の一つを説明する。しかしながら、遺伝子の一部又は全部をアンチセンス 発現することによってリノール酸デサチュラーゼ活性を低下させるためにも使用 し得る類似の方法を、ゲノムクローンの単離に使用することもできる。 B.napus由来のfad3遺伝子を、ダイズmRNAから構築したcDN Aライブラリーをスクリーニングするためのプローブとして使用する。種子中の リノレン酸を減少させるために使用するcDNAを単離するために、mRNAの 単離に使用する最適組織は発育中の種子である。しかしながら、cDNAライブ ラリーの構築及び分析に使用できる方法及びベクターの選択には柔軟性がある( Sambrookら、1989)。cDNAライブラリーの構築の手順は、クロ ーニング材料の製造業者、又はSambrookら(1989)のような実験手 引きから得られる。ダイズから適当なfad3 cDNAを構築したら、B.n apus由来のfad3 cDNAの全部又は一部を標識し、ライブラリーのプ ローブとして使用する。DNAフラグメントは、放射性又は非放射性スクリーニ ング処理用に標識し得る。ライブラリーは適当なストリンジェント条件下でスク リーニングする。条件は、B.napus及びダイズのfad3遺伝子の間の相 同度に応じて決定する。プローブ陽性クローンを標準的方法でプラーク精製し、 制限酵素マッピング及びDNA配列分析によって特徴を調べた。クローンは、配 列分析から得たデータに基づいて、又 は植物中での発現により、ダイズfad3であると結論される。 クローンの全体又は一部をアンチセンス方位でプロモーター配列の下流に配置 する。適当なプロモーターとしては、種子特異的プロモーター、例えば7S(β −コングリシニン)α’−サブユニットプロモーター、又は組織特異性がより低 いプロモーター、例えばCaMV 35Sプロモーターが挙げられる。転写の終 結と、RNA配列の3’末端へのポリアデニル化ヌクレオチドの付加とを生起さ せるために、適当な3’非翻訳領域をアンチセンスcDNAの下流に配置する。 次いでこの発現カセットを、選択可能な又は評価可能な(scorable)マ ーカー遺伝子と組合わせ、遊離DNA送達(Christouら、1990)又 はAgrobacteriumをベースとする植物形質転換方法(Hinche eら、1988)によってダイズ細胞を形質転換する。回収した植物の種子を発 育させ、成熟した種子を前述の手順によるFAMESの製造に使用する。FAM ES抽出物をガスクロマトグラフィーで分析して、種子中のリノレン酸含量が低 下した植物系統を同定する。 前記方法に替わる方法の非限定的具体例としては、ライブラリーをスクリーニ ングするためのプローブとしての縮重オリゴヌクレオチドの使用が挙げられる。 縮重オリゴヌクレオチドプローブは、遺伝コードの縮重が制限されているfad 3アミノ酸配列の短いセグメントを選択するか、又はB.napusのfad3 遺伝子と別の公知のリノール酸デサチュラーゼ、例えばラン色細菌Synech ocystis由来のデサチュラーゼとの間に高度に保存されていると思われる 配列を選択することによって最適に設計される。オリゴヌクレオチドは、標識し てダイズcDNAライブラリーをプローブするのに使用し得る。あるいは、縮重 オリゴヌクレオチドを、PCR増幅によりダイズcDNAの一部又は全部を単離 するためのプライマーとして使用することもできる。 類似の方法を用いて、相同遺伝子を別の植物種から単離することもできる。リ ノレン酸含量の調節によって改善し得る別の好ましい植物種はアマである。アマ 油は典型的には、油中の脂肪酸の45〜65%の割合でリノレン酸を含む。この 含量は望ましいものではない。なぜなら、加熱時の不安定性を促進し、最終製品 の風味を低下させるからで ある。実施例4 リノレン酸含量を低下させるためのfad3のセンス発現 fad3遺伝子のクローニングは、同時抑制(co−suppression )メカニズムを介してリノレン酸含量を低下させるためのツールも提供する。同 時抑制の分子メカニズムは、植物ゲノム中に存在する対立遺伝子と同一か又は極 めて相同の遺伝子で植物を形質転換した時に生起する(Bird及びRay、1 991)。植物中のキメラ遺伝子の発現によって、キメラ遺伝子及び内因性遺伝 子の両方に由来する遺伝子産物を減少させることができる例は幾つか存在する。 従って、B.napusのfad3遺伝子産物は、単離したfad3 cDNA の全部又は一部でB.napusを形質転換することにより減少させ得る。結果 として得られる植物は、キメラ遺伝子が発現された組織のリノール酸デサチュラ ーゼ活性が低下している。リノール酸デサチュラーゼ活性の低下の表現型は、リ ノレン酸含量の低下である。同時抑制のメカニズムは、fad3遺伝子がクロー ニングされる任意の植物種に適用し得、該植物種はfad3でセンス方位で形質 転換される。 同時抑制メカニズムによってリノレン酸含量を低下させるために、植物形質転 換構築体をセンス方位でfad3遺伝子又はcDNAを用いて組み立てる。クロ ーンの全体又は一部をセンス方位でプロモーター配列の下流に配置する。適当な プロモーターとしては、種子特異的プロモーター、例えば7S(β−コングリシ ニン)α’−サブユニットプロモーター、又は組織特異性がより低いプロモータ ー、例えばCaMV 35Sプロモーターが挙げられる。転写の終結と、RNA 配列の3’末端へのポリアデニル化ヌクレオチドの付加とを生起させるために、 適当な3’非翻訳領域をfad3遺伝子の下流に配置する。次いで、この発現カ セットを選択可能マーカー遺伝子と組合わせ、Agrobacteriumをベ ースとする植物形質転換方法によってB.napus細胞を形質転換する。回収 した植物の種子を発育させ、成熟した種子を用いてFAMESを製造し、これを ガスクロマトグラフィーで分析して、種子中のリノレン酸含量が低下した植物系 統同定する。実施例5 Arabidopsisからの葉緑体デルタ15デサチュラーゼの単離 制限エンドヌクレアーゼBglIIを用いてfad3cDNA挿入物から95 9bpのフラグメントを切除し、Feinberg及びVogelstein( 1983)に従って放射性標識した。このフラグメントを用いて、前述のように (実施例1)、但しハイブリダイゼーション温度を52℃にして、Arabid opsis thaliana由来のcDNAライブラリーをプローブした。幾 つかのcDNAクローンは陽性であり、そのうちの一つ(pVA1)を更に特徴 分析した。このクローンの推定アミノ酸配列は、N末端以外の部分がfad3に 対して高度の相同を示した。cDNA挿入物をTiベクターpBI121中の3 5Sプロモーターの制御下におき、得られた構築物pBIVS12をAgrob acterium(C58pGV3101)中に電気穿孔法で導入した。この細 菌を用いて、Arabidopsis突然変異体fadDを形質転換した。形質 転換のために、植物を光強度100/μE/cm-2、温度22℃で、早熟種子の 発生(bolti 10mm)を除去し、植物に前記細菌の一夜培養物を一滴接種した。同じ操作を 7日後に繰り返した。 次いで、植物の種子を発育させた。50pg/mlカナマイシンを入れたMS Oプレート上に種子をプレーティングして(150mmペトリ皿当たり2500 個の種子)、構築物を組込んだ植物を選択した。形質転換植物が一つ得られた。 その葉の脂肪酸をガスクロマトグラフイーで分析した(表4)。得られた結果は 、pBIVS12構築体が、fadD突然変異体のリノレン酸及びヘキサデカト リエン酸の含量を、野生型と同じか又はそれより高いレベルまで回復させること ができることを示している。これは、pVA12がfadD遺伝子をコードする ことを意味する。 表4は、fadD突然変異体の相補性を示している。脂肪酸はBrowseら の方法(1986)でArabidopsisの葉から抽出し、ガスクロマトグ ラフイーによって定量した(モル%)。WTはコロンビア野生型を意味する。実施例6 Arabidopsisからの第二の葉緑体デルタ15デサチュラーゼの単離 制限エンドヌクレアーゼBglIIを用いてcDNA挿入物から959bpの フラグメントを切除し、Feinberg及びVogelstein(1983 )に従って放射性標識した。このフラグメントを用いて、正確に前述のように( 実施例5)Arabidopsis由来のcDNAライブラリーをプローブした 。得られた幾つかの陽性クローンのうち、cDNA pVA3の特徴を更に調べ た。このクローンの推定アミノ酸配列は、fad3及びfadDに対してそれぞ れ71.8%及び79.5%の相同を示した。N末端は葉緑体トランジットペプ チド(transit peptide)に類似していた。これは、このタンパ ク質が葉緑体に局在しているらしいことを意味する。 fad3及びfadDに対する高度の相同は、このタンパク質がデルタ15デサ チュラーゼでもあることを示唆する。fad3及びfadD以外に、デルタ15 不飽和化を制御することが知られている唯一の遺伝子座は、温度誘導デルタ15 デサチュラーゼを制御するfadE遺伝子座である。従って、クローンpVA3 4に含まれているcDNAはfadE遺伝子座に対応すると考えられる。実施例7 植物オレイン酸デサチュラーゼに対するリノール酸デサチュラーゼの相同 リノール酸デサチュラーゼ遺伝子は、タンパク質が不飽和脂肪酸前駆体の不飽 和化を酵素的に実施する、最初に単離された植物デサチュラーゼである。リノー ル酸デサチュラーゼが実施する反応、及びそれが使用する補因子は、オレイン酸 デサチュラーゼ反応の場合と極めて類似していると考えられる。反応が類似して おり、基質が類似しており、且つおそらくは補因子も類似していると仮定すれば 、オレイン酸デサチュラーゼの遺伝子及びタンパク質は、リノール酸デサチュラ ーゼの遺伝子及びタンパク質に対して相同を有する可能性がある。これらの遺伝 子が互いに相同であ ることは、リノール酸デサチュラーゼメッセージのアンチセンス発現がオレイン 酸含量を増加させるという発見、即ちリノール酸デサチュラーゼとオレイン酸デ サチュラーゼとの間の相同を実験的に示す発見によって裏付けられる。これらの 事項は、リノール酸デサチュラーゼのタンパク質及び核酸配列が、別の脂質デサ チュラーゼ遺伝子、特にオレイン酸デサチュラーゼ遺伝子の単離に有用な情報を 提供することを示すものである。 a.データベース中での未知のcDNA配列の同定 ランダムなcDNA配列決定は多数の配列決定されたクローンを生成するが、 コードされたタンパク質の機能に関する情報は提供しない。既知のタンパク質に 対する相同は、配列決定されたcDNA中のコードされたタンパク質機能を同定 するための最も速い方法である。しかしながら相同検査は、予め特徴が解明され ているタンパク質に対する相同が検出された時にのみ情報を提供する。いずれの 既知タンパク質に対しても相同ではないcDNA配列は、機能不明のままである 。従って、配列と植物デサチュラーゼ遺伝子の突然変異を相補う能力とによりリ ノール酸デサチュラーゼを機能的に同定する結果は、ランダムcDNAクロー ンの機能及びアイデンティティを、リノール酸デサチュラーゼに対する相同によ って同定する方法を提供する。また、オレイン酸デサチュラーゼは、リノール酸 デサチュラーゼに対する相同によって同定される。 リノール酸デサチュラーゼfad3のタンパク質配列に対して相同のタンパク 質をコードする遺伝子に関するGenBank及びEMBLパブリックデータベ ースのTFASTAサーチは、リノール酸デサチュラーゼと、オレイン酸デサチ ュラーゼと思われる第二の種類の植物脂質デサチュラーゼとを両方とも同定した 。特に、GenBank及びEMBLに見いだされ且つT04093及びT12 950であると同定された配列は、リノール酸デサチュラーゼに対してかなりの 相同を示すが、他のリノール酸デサチュラーゼよりは低い相同を示す。これらの 配列は、fad3に対して30%の相同を示し、fad3リノール酸デサチュラ ーゼに対して56%の類似性を示す(表5)。これらのcDNAの完全長クロー ンを標準的方法で得、植物遺伝子発現及び形質転換ベクター中に挿入し、fad 2 Arabidopsis突然変異体中に形質転換して、オレイン酸デサチュ ラーゼのアイデンティティを、リノール酸デサ チュラーゼに関する実施例で説明したように遺伝学的相補によって確認する。 b.オレイン酸デサチュラーゼcDNAの単離 植物リノール酸デサチュラーゼのタンパク質配列は、オレイン酸デサチュラー ゼの単離に使用できる。リノール酸デサチュラーゼとDesAオレイン酸デサチ ュラーゼとの間に保存された領域は機能的に重要であり、植物オレイン酸デサチ ュラーゼタンパク質中にも保存されている。これらの保存されたアミノ酸配列は 、植物オレイン酸デサチュ ラーゼの単離方法を提供する。fadD、fadE及びDesA中に保存されて いるリノール酸デサチュラーゼfad3の領域は幾つか存在する。共通アミノ酸 配列を表6に示す。4種類のタンパク質で総て同一であるアミノ酸は大文字で示 した。後述のように、保存領域内のアミノ酸配列をコードするように設計された オリゴヌクレオチドを用いて、植物のオレイン酸デサチュラーゼを同定し単離す る。 c.Arabidopsis thalianaからのfadC(fad6)遺 伝子の単離 fadC遺伝子(fad6とも称する)は葉緑体オメガ−6デサチュラーゼを コードする。 Brassica napus由来のfad3遺伝子、並びにArabido psis thaliana由来のfadD及びfadE遺伝子の推定アミノ酸 配列を、Synechocystis由来のDesA遺伝子と比較した(Nat ure,347:200,1990)。配列GHDCGHが、これらのタンパク 質の最も高度に保存された領域を表すと決定された。そこで、配列GHDCGH に関する総ての可能なコドンを含む縮重オリゴマーを設計した。このオリゴマー は配列GGNCAYGAYTGYGGNCAを有する。 Dr.Ron Davisの実験室から入手したArabidopsis t haliana cDNAファージライブラリー(PNAS,88:1731− 1735)を用いて、デサチュラーゼ遺伝子に関するスクリーニングを行った。 このライブラリーは、総ての地上植物部分に由来する材料を用いて形成されたも のである。 このライブラリーに由来する約120,000個のファージを三つのプレート にプレーティングし、次いでハイボンドN+を用いて各プレートから三つのフィ ルターを調製した(Molecular Cloning−A Laorato ry Manual,第2版,J.Sambrook,E.F.Fritsch 及びT.Maniatis編,Cold Spring Harbor Lab oratory Press,Cold Spring Harbor,New York 1989、以後「Sambrook」と称する)。各プレートに由 来する二つのフィルターを、T4ポリヌクレオチドキナーゼを用いて(32)P で末端標識した縮重共通オリゴマーを使用してプローブした。ハイブリダイゼー ションは、縮重共通オリゴマーを含むオリゴマーの融点の差を最小にするために 多量の塩化テトラメチルアンモニウムを含ませた溶液中で実施した。ハイブリダ イゼーション溶液の組成は次の通りである:3M塩化テトラメチルアンモニウム 、10mMリン酸ナトリウム、pH6.8、1.25mM EDTA、0.5% SDS、0.5%乳。ハイブリダイゼーションは44℃で一晩実施した。次いで フィルターを、6×SSC+0.15 %SDSで、1回20分ずつ4回にわたり室温で洗浄した。次いでフィルターを 、4×SSC+0.1%SDSで室温で30分間にわたり1回洗浄した。その後 フィルターを2日間フィルムに暴露した。 ファージが入っている各プレートから形成した第三組のフィルターを、既に同 定された三つのArabidopsisデサチュラーゼ遺伝子、即ちfad3、 fadD及びfadEに由来するDNA配列を用いてプローブした。fad3、 fadD及びfadE遺伝子を(32)Pで標識し、下記のハイブリダイゼーシ ョン溶液中で第三組のファージフィルターにハイブリダイズさせた:0.2M NaCl、20mMリン酸ナトリウム、pH7.7、2mMEDTA、1%SD S、0.5%乳、10%硫酸デキストラン、0.1%ピロリン酸ナトリウム。ハ イブリダイゼーションは65℃で一晩実施した。フィルターを、2×SSC+0 .15%SDSで、1回30分ずつ4回にわたり室温で洗浄し、更に1×SSC +0.1%SDSで65℃で45分間洗浄した。次いでフィルターを約2時間フ ィルムに暴露した。 縮重共通オリゴマーでプローブした二組のフィルターは、 プレート当たり約60個の陽性ファージ(即ち合計約180個の陽性ファージ) を示した。fad3、fadD及びfadE遺伝子でプローブした第三組のフィ ルターから得られた結果は、共通オリゴマーにハイブリダイズしたファージのう ち、fad3、fadD又はfadE遺伝子を含むものの割合がかなり低いこと を明らかにした。 共通オリゴマーにはハイブリダイズしたが、fad3、fadD又はfadE 遺伝子にはハイブリダイズしなかったファージのうち、76個をプラーク精製し た。これらの精製したファージを、プレート上の固体培地で増殖している細菌に スポットし、プラークを形成させた。次いで、これらのプレートから幾つかの二 つ組フィルターを形成した(Sambrook)。これらのフィルターのうちの 一つを前述のように共通オリゴマーでプローブした。第二のフィルターは、前述 のようにArabidopsis thaliana fad3、fadD及び fadE遺伝子でプローブした。 76個のファージのうちのいずれが別のいずれのファージと同じcDNA挿入 物を含んでいるかを調べるために、一部のフィルターを一部のファージに由来す るcDNA挿 入物でプローブした。この実験を行うために、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR) を用いてcDNA配列を単離すべくファージベクター中のcDNAクローニング 部位に隣接するDNAに結合したオリゴマーを使用することにより、大部分のフ ァージに由来するcDNA挿入物を単離した。これらのcDNA配列を(32) Pで標識し(ランダムヘキサマー標識)、下記の組成のハイブリダイゼーション 溶液を用いてフィルターにハイブリダイズさせた:30%ホルムアミド、0.2 M NaCl、20mMリン酸ナトリウム、pH7.7、2mM EDTA、1 %SDS、0.5%乳、0.1%ピロリン酸ナントリウム。ハイブリダイゼーシ ョンは65℃で14時間実施した。フィルターを2×SSC+0.15%SDS で、一回15分間で4回にわたり室温で洗浄し、次いでフィルムに暴露した。 ハイブリダイゼーション溶液のホルムアミドの高い濃度と、ハイブリダイゼー ションの高い温度との組合わせは、実質的に同一のDNA配列のみがハイブリダ イズするため、ほぼ同一の配列と弁別できることを意味した。どのファージが同 じ又は少なくとも極めて類似したcDNA挿入物を含むかが決定されるまで、種 々のファージに由来するcD NA挿入物を用いて数回のハイブリダイゼーションを実施した。これらの実験に 基づいて、我々は、76個のファージの総てが四つのcDNA挿入物のうちの一 つを含んでいると決定した。これら四つのcDNAの各々から配列データは得た 。これらのcDNAはいずれも、既知のデサチュラーゼ遺伝子に対して相同では なかった。従って、これら四つのcDNAの中に、デサチュラーゼをコードする ものはないと思われる。 共通オリゴマーにハイブリダイズしたファージの数はかなり多かったため(約 180個のファージが前述の最初のスクリーニングでハイブリダイズした)、最 初の実験では陽性ファージの総てを分析することはできなかった。そこで、共通 オリゴマーにハイブリダイズしたが、fad3、fadD、fadE遺伝子、又 は最初のスクリーニングで同定された四つの非デサチュラーゼコードクローンの うちの一つを含んでいないファージの同定を試みた。そのために、前述のライブ ラリーに由来する500,000〜1,000,000個のファージを10個の プレートにプレーティングした。各プレートから三つのフィルターを形成した( Sambrook)。これら3組のフィルターのうち 2組を、前述のように、(32)P標識共通オリゴマーとハイブリダイズさせた 。但し、ハイブリダイゼーションは44℃ではなく42℃で実施した。第三組の フィルターは、Arabidopsis fad3、fadD及びfadE遺伝 子に由来する(32)P標識DNA、並びに、初回のスクリーニングで共通オリ ゴマーにハイブリダイズするがデサチュラーゼをコードしないものであると同定 された四つのcDNAの各々に由来するDNAとハイブリダイズさせた。第三組 のフィルターは、30%ホルムアミド、0.2M NaCl、20mMリン酸ナ トリウム、pH7.7、2mM EDTA、1%SDA、0.5%乳、0.1% ピロリン酸ナトリウム中で65℃でハイブリダイズさせた。これら3組のフィル ターはいずれも12時間ハイブリダイズさせ、次いで2×SSC+0.15%S DSで室温で数回洗浄した。その後、フィルターをフィルムに暴露した。 各プレートに由来する約200個のファージが共通オリゴマーにハイブリダイ ズした。これらのファージの50〜60%はfad3、fadD、fadE、又 は最初のスクリーニングで同定された四つのクローンのうちの一つにもハイブリ ダイズした。共通オリゴマーにはハイブリダイズ したが、fad3、fadD、fadE、又は既に同定された四つのクローンの うちの一つにハイブリダイズしなかった約58個のファージをプラーク精製した 。次いで、精製したファージを、ペトリ皿上の固体培地で増殖している細菌ロー ン(bacterial lawn)にスポットし、ファージにプラークを形成 させた。これらのプレートから幾つかのフィルターを調製し、新たに精製した種 々のファージに由来する(32)P標識cDNA挿入物と前述のようにハイブリ ダイズさせた。この方法で、この2回目のスクリーニングで同定されたファージ の総てが八つの異なるcDNA挿入物のうちの一つを含んでいることが判明した 。 八つのcDNAの各々から配列データを得た。一つのファージにだけ含まれて いたこれらのcDNAの一つは、ラン色細菌に由来する既知のデサチュラーゼ遺 伝子であるDesA遺伝子に対してある程度の配列類似性を有することが判明し た。このクローンから更に別の配列情報を得た。この別の配列は、DesA遺伝 子に対して極めて大きい配列類似性を示した。これは、該クローンがデサチュラ ーゼ遺伝子を含んでいることを示すものである。前記クローンに 含まれていたcDNAの残りを配列決定し、別の既知のデサチュラーゼの配列と 比較した。この新しいデサチュラーゼは、ヌクレオチドレベルで、DesAに対 して53.0%の同一性を示し、B.napus fad3、Arabidop sis fadD及びArabidopsisfadEに対してそれぞれ43. 9%、45.6%及び47.0%の同一性を示した。クローンに含まれていた遺 伝子は、fad3、fadD又はfadE(オメガ−3デサチュラーゼ)に対す る配列類似性よりDesA遺伝子(デルタ−12デサチュラーゼ)に対する配列 類似性の方が遥かに大きいため、新しいデサチュラーゼはデルタ−12(=オメ ガ−6)デサチュラーゼであると推測された。 この別の配列データは、この新しいデサチュラーゼ遺伝子が、前述のデサチュ ラーゼ共通配列に対して1塩基対不正対合(one base pair mi smatch)のみを有する領域を含むことも明らかにした。この不正対合は、 新しいデサチュラーゼが、配列GHDCGHではなく配列GHDCAHを有する ことを意味する。 この遺伝子の完全長cDNAを含むクローンを単離し、完全に配列決定した。 この完全長cDNAを、遺伝子が3 5Sプロモーターの制御下で転写されるように植物形質転換ベクターpBII1 21にサブクローニングした。次いで、この構築物を用いて、Arabidop sis thalianaのfadC突然変異体(Plant Phys.90 :522−529,1989)の表現型を相補した。これは、該遺伝子が葉緑体 オメガ−6デサチュラーゼをコードすることを示すものである。 d.提案されたfad2の単離 リノール酸デサチュラーゼ及びDesAデサチュラーゼ中の最も高度に保存さ れたペプチド領域を、オレイン酸デサチュラーゼ中に保存されている可能性があ る領域として選択した。これら8個の保存領域を表6に示す。これらの領域は次 の事項に基づいて選択した:これらの領域は3個のリノール酸デサチュラーゼと DesAとの間に高度に保存された部分を有し、アミノ酸10個分の領域に少な くとも4個の同一アミノ酸を含む。ある領域が保存領域であると同定されたら、 fad3リノール酸デサチュラーゼ配列を相同源のアミノ酸配列として用いて、 オレイン酸デサチュラーゼを同定した。これは、fad3及び非プラスチドオレ イン酸デサチュラーゼの両方が小胞体に局在していると 考えられ、類似のアミノ酸配列を含む可能性が極めて高いという理由による。 各保存部分内の幾つかのペプチド終点(endpoint)を、オレイン酸デ サチュラーゼ遺伝子を同定するためのオリゴヌクレオチドプローブを後で設計す るための基礎として選択した。ペプチド終点は、5〜9アミノ酸の長さで選択し た。ペプチド終点は、保存(同一)アミノ酸で終わるように、そして通常は保存 アミノ酸で始まるように選択した。その根拠は、より大きい保存部分では幾つか のアミノ酸部分が他のものより高度に保存され、15〜27(5〜9アミノ酸) ヌクレオチドがPCRにとって都合の良いプライマーサイズであり、PCRでは プライマーの3’末端が、オレイン酸デサチュラーゼ中に存在する可能性が最も 高い保存(同一)アミノ酸を有する標的に対合(match)することが重要で あるという点にある。これら28個の「オレイン酸デサチュラーゼ」ペプチド標 的(表6)は、オレイン酸デサチュラーゼcDNAクローンを同定し単離するた めにオレイン酸デサチュラーゼcDNA配列にハイブリダイズするように設計さ れた基本オリゴヌクレオチドである。 オリゴヌクレオチドを設計し、標的ペプチド領域をコードする遺伝子を単離す るために使用し得る方法は幾つか知られている。縮重オリゴヌクレオチドの設計 については、PCR Protocols−A Guide to Metho ds and Applications,M.A.Innis,D.H.Ge lfand,JJ Sninsky及びT.J.White編,Academi c Press,San Diego,California,1990、及び Sanxxxxxを参照されたい。オリゴヌクレオチドを使用する最も一般的な 二つのスクリーニング方法は、cDNAライブラリーのスクリーニング及び特定 cDNAのPCR増幅である。fad3、fadD及びfadE由来の遺伝子プ ローブをストリンジェントハイブリダイゼーション条件下で使用して、これらの cDNAを同定し、オレイン酸デサチュラーゼcDNAクローンに関するスクリ ーニングで除去した。縮重オリゴヌクレオチドを用いてcDNAライブラリーを スクリーニングする方法は、fadCオレイン酸デサチュラーゼ遺伝子の単離を 明らかにする前記実施例で説明した。Arabidopsis又はカノラのよう な植物の、油の生合成で活性を示す未 熟植物種子、通常は受粉後2〜5週間、好ましくは受粉後約3〜4週間の種子を mRNA源として使用して、cDNAを製造する。第一鎖cDNAを単離mRN Aから製造し、溶液中、ストリンジェント条件下で、過剰量のビオチニル化fa d3、fadD及びfadEクローン化cDNAにハイブリダイズさせる。ハイ ブリド及びビチオニル化核酸をストレパビジン(strepavidin)で除 去し、2回目の消去(substraction)を行って残留fad3、fa dD及びfadE配列を除去する。溶液中に残留しているcDNAを用いてPC R反応を実施する(後述の5’RACEの場合は、ポリA末端を第一鎖cDNA 3’末端に付加する)。) 多数の縮重オリゴヌクレオチドプローブを容易に評価することができる方法は 、縮重PCRである(前出のPCR Protocols中のComptonの 章並びにLee及びCaskeyの章参照)。この方法では、標的ペプチド用の 全ての可能なコドン選択を包含するオリゴヌクレオチド縮重セットを合成する( この種の縮重標的(表6)は、オレイン酸デサチュラーゼcDNAクローンを同 定し単離するためにオレイン酸デサチュラーゼcDNA配列に ハイブリダイズさせるように設計した基礎オリゴヌクレオチドである)。 オリゴヌクレオチドを設計し、標的ペプチド領域をコードする遺伝子を単離す るために使用し得る方法は幾つか知られている。縮重オリゴヌクレオチドの設計 については、PCR Protocols−A Guide to Metho ds and Applications,M.A.Innis,D.H.Ge lfand,JJ Sninsky及びT.J.White編,Academi c Press,San Diego,California,1990、及び Sambrookを参照されたい。オリゴヌクレオチドを使用する最も一般的な 二つのスクリーニング方法は、cDNAライブラリーのスクリーニング及び特定 cDNAのPCR増幅である。これらのcDNAを同定するためにfad3、f adD及びfadE由来の遺伝子プローブをストリンジェントハイブリダイゼー ション条件下で使用し、オレイン酸デサチュラーゼcDNAクローンに関するス クリーニングで除去した。縮重オリゴヌクレオチドを用いてcDNAライブラリ ーをスクリーニングする方法は、fadCオレイン酸デサチュラーゼ遺伝子の単 離 を明らかにする前記実施例で説明した。Arabidopsis又はカノラのよ うな植物の油の生合成で活性を示す未熟植物種子、通常は受粉後1〜5週間、好 ましくは受粉後約2〜4週間の種子をmRNA源として用いてcDNAを製造す る。第一鎖cDNAを単離mRNAから製造し、溶液中、ストリンジェント条件 下で、過剰量のビオチニル化fad3、fadD及びfadEクローン化cDN Aにハイブリダイズさせる。ハイブリド及びビチオニル化核酸をストレパビジン で除去し、2回目の消去を行って残留fad3、fadD及びfadE配列を除 去する。溶液中に残留しているcDNAを用いてPCR反応を実施する。(後述 の5’RACEの場合は、ポリA末端を第一鎖cDNA3’末端に付加する。) 多数の縮重オリゴヌクレオチドプローブを容易に評価することができる方法は 、縮重PCRである(前出のPCR Protocols中のComptonの 章並びにLee及びCaskeyの章参照)。この方法では、総ての可能なコド ンを含むオリゴヌクレオチド縮重セットを 表7は、8個の保存領域に由来する28個のペプチト標的と、ペプチド配列に 由来する30個の縮重オリゴヌクレオチドとを示している。より多くの縮重が生 起する場合は、デオキシイノシンを使用し(Sambrookら)且つ最後のコ ドンに最後のヌクレオチドを含ませないことによって、また二つの事例では二つ のサププールの使用により、縮重を516倍以下に維持した。表8は、設計した 各オリゴヌクレオチド配列毎の縮重の量と、Arabidopsisオレイン酸 デサチュラーゼfad2(受託番号L26296号)に対するオリゴヌクレオチ ドの相同の量とを示している。表8には、各プライマーの3’末端上の最後の1 0個のヌクレオチドの相同度も示した。なぜなら、この領域はPCR条件下での アニーリング及び延長にとって最も重要なものだからである。3’プライマー領 域の10/10及び9/10の相同対合(homology match)の両 方、そしておそらくは8/10の相同対合が有効なPCRプライマーとして機能 すると推測された。ここで留意すべきこととして、オリゴヌクレオチドセットl a〜5b(3’RACE)では鎖方向がmRNAと同じであり、オリゴヌクレオ チドセット6a〜8e(5’RACE) では鎖方向がmRNAと逆である。4個のオリゴヌクレオチドが3’位置に10 /10の相同を有し、6個のオリゴヌクレオチドが3’位置に9/10の相同を 有し、12個のオリゴヌクレオチドが3’位置に8/10ヌクレオチドの相同を 有している。ペプチド2a、2c、2d、3c、4b、4d、6b、7c、8c 及び8dに対応するオリゴヌクレオチドは、最後の10個のヌクレオチドの相同 が90%以上であり、オレイン酸デサチュラーゼ遺伝子にアニーリングして、こ の遺伝子のプライマーとして機能する。これは、植物リノール酸デサチュラーゼ 及びDesAの保存領域を、植物オレイン酸デサチュラーゼの同定及び単離に使 用することの有効性を立証するものである。 1回目PCR生成物を、ビオチニル化fad3、fadD及びfadEクロー ン化cDNAを用いて2回の消去にかけ、ハイブリダイズするfad3、fdD 及びfadE配列をストレパビジンで除去する。このようにして消去処理したD NAはfad2配列が大幅に増加し、fad3、fadD及びfadE配列が欠 失している。これらの試料30個をアガロースゲルにかけ、ブロッティングし、 これら30個の試料に由来するプローブのプールとハイブリダ イズさせる。30個の各PCR試料の5個のプライマーからなるプールをランダ ムプライマーで標識し、30個の試料のブロットにハイブリダイズさせて、合計 6個のブロットを5個のプローブからなるプール6個とハイブリダイズさせる。 更に、fad3、fadD及びfadEプローブのプールを二つ組ブロットにハ イブリダイズさせる。fad3、fadD及びfadEには強くハイブリダイズ しないが、種々の試料から形成したプローブには交差ハイブリダイズするバンド は、fad2である可能性が高い。なぜなら、fad2は2回以上の独立したP CR反応で増幅される唯一のDNAであると思われるからである。陽性ハイブリ ダイズレーン(positively hibridizing lane)は 、最初の反応と同じプラィマーを用いる5〜10サイクルのPCRにより増幅す る試料を同定する。PCR生成物はプラスミドベクター中にクローニングする。 ブロット上の試料を認識する同一プローブを用いてライブラリーをスクリーニン グし、ハイブリダイジングクローンを同定する。陽性クローンを配列決定し、f ad3と相同ではあるが同一ではないことによりfad2クローンであると同定 し、後述のように更に特徴を調べる。 fad2配列が1回のPCRで同定に十分なほど増加しない場合には、2回目 のPCRを実施する。fad2の増幅が不十分であるために検出ができない場合 には、前述と同じ消去PCR1回目試料上のプライマーと、同じスクリーニング とを用いてPCRをもう1回実施すれば、fad2が同定される。競合する非特 異的反応が多すぎる場合には、異なるプライマー組合わせを用いて2回目のPC Rを実施すれば非特異的増幅が排除され、fad2が増加する。fad配列を更 に増加させるためには、前述の消去後の、30個の最初のPCR試料(表7の各 オリゴヌクレオチド毎に1個)の各々を、最初の反応と異なるプライマー組合わ せを用いて2回目のPCR反応にかける。プライマーのうちの一つは、最初のP CR反応と同じ縮重オリゴヌクレオチドプライマーである。第二のプライマーは 、逆の部類に入る、表7の30個のプライマーのうちの一つである。即ち、プラ イマー1a〜5bはプライマー6a〜8eに対する対合セット(matched set)を構成する(プライマー1a〜5bはセンス方向にあり、プライマー 6a〜8eはアンチセンス方向にある)。例えば、最初にオリゴヌクレオチド1 aを使用した場合には、これを二つ のプライマーのうちの一つとして再使用し、第二のプライマーとしては6a〜8 eオリゴヌクレオチドの各々を使用して、合計11回の別個のPCR反応を行う 。合計すると、最初の反応30回で、418回の第二サイクルPCR反応を実施 することになる。これは、PCR技術で容易に取り扱える回数である。この第二 PCRサイクルは本質的に、消去ステップによって総てのリノール酸デサチュラ ーゼを除去した後の、「ネスト式(nested)」又は逐次的PCR反応ステ ップを達成する。この操作は、増幅及び特異性を増加させる。fad2を含む試 料の同定を前述のように実施し、418個の試料を22個のフィルター上にドッ トブロットし、20試料のプール21個、並びにfad3、fadD及びfad Eのプールでプローブする。この場合も、独立したプローブ試料と交差ハイブリ ダイズし且つfad3、fadD及びfadEとはハイブリダイズしない試料は 総て、試料中にfad2を含む可能性がある。fad3、fadD及びfadE ハイブリダイゼーションが依然として存在している場合には、ビオチニル化/ス テパビジン消去をもう一度実施することによって除去されるはずである。陽性ハ イブリダイズ試料をゲルにかけ、バンドを ハイブリダイゼーションによって同定し、クローニング用に単離する。この第二 組のPCR反応は、予測可能な大きさのPCR生成物を生成する。なぜなら、プ ライマーが両方とも、大きさの変化がほとんど生起しないと予想されるコード領 域内に存在するからである。従って、ゲル上の予測された大きさのバンドの存在 は、特にこのようなゲルのブロットとfad3、fadD及びfadEプローブ とのハイブリダイゼーションによって、そのバンドがfad3、fadD及びf adE汚染に起因するものではないことが明らかにされた場合には、fad2の 存在を示すことになる。大腸菌中に挿入物をクローニングした後、結果として生 じた、前記挿入物を含むプラスミドをハイブリダイゼーションによって同定する 。これを配列決定し、前述の実施例と同様に、リノール酸デサチュラーゼに対し て相同であるが同一ではないという事実によって、オレイン酸デサチュラーゼで あると同定する。これらのcDNAの完全長クローンを標準的方法で形成し、植 物遺伝子発現及び形質転換ベクターに挿入し、Arabidopsis fad 2突然変異体中に形質転換して、リノール酸デサチュラーゼに関する実施例で述 べたように、遺伝学的相補によりオレイ ン酸デサチュラーゼのアイデンティティを確認する。 このように、この植物オレイン酸デサチュラーゼ単離方法では、ペプチド領域 の総数が8であり、28個のより小さいペプチド標的からなる。その結果、PC R増幅及びPCR生成物のスクリーニングで使用される30個の縮重オリゴヌク レオチドのセットが得られる。妨害するfad3、fadD及びfadE配列の 消去を幾つかの時点で使用する。必要であれば、一対の内部プライマーを用いて 2回目のPCR反応を実施すれば、増幅及び特異性が更に高まる。この方法は植 物のオレイン酸デサチュラーゼを同定し、単離クローンの配列が、前述のように 、植物リノール酸デサチュラーゼに対する相同によってそれらのアイデンティテ ィを確認する。このように、本明細書では、リノール酸デサチュラーゼに関する 情報に基づいて植物オレイン酸デサチュラーゼを単離する特定の方法を提供する 。本明細書に記載の実施例はArabidopsis又はカノラオレイン酸デサ チュラーゼに関するものであるが、本発明の方法はこれらの植物には限定されな い。なぜなら、オレイン酸デサチュラーゼはおそらく大部分の植物中に高度に保 存されているからである。従って、ある植物のオレイン酸デサチュ ラーゼが単離されれば、配列情報を用いて、直接的ハイブリダイゼーション又は 前述と類似の方法により、別の植物種から遺伝子を単離することができる。 本明細書で引用する下記の文献は、参考として本明細書に包含される。 【配列表】 配列番号:1 配列の長さ:1353塩基対 配列の型:核酸 鎖の数:二本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:cDNA 配列の特徴 特徴を表す記号:CDS 存在位置:87..1238 配列 配列番号:2 配列の長さ:383アミノ酸 配列の型:アミノ酸 トポロジー:直鎖状 配列の種類:タンパク質 配列 配列番号:3 配列の長さ:25塩基対 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:cDNA 配列 配列番号:4 配列の長さ:27塩基対 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:cDNA 配列 配列番号:5 配列の長さ:21塩基対 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:cDNA 配列 配列番号:6 配列の長さ:24塩基対 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:cDNA 配列 配列番号:7 配列の長さ:18塩基対 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:cDNA 配列 配列番号:8 配列の長さ:17塩基対 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:cDNA 配列 配列番号:9 配列の長さ:1645塩基対 配列の型:核酸 鎖の数:二本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:cDNA 配列の特徴 特徴を表す記号:CDS 存在位置:125..1465 配列 配列番号:10 配列の長さ:446アミノ酸 配列の型:アミノ酸 トポロジー:直鎖状 配列の種類:タンパク質 配列 配列番号:11 配列の長さ:1525塩基対 配列の型:核酸 鎖の数:二本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:cDNA 配列の特徴 特徴を表す記号:CDS 存在位置:61..1368 配列 配列番号:12 配列の長さ:435アミノ酸 配列の型:アミノ酸 トポロジー:直鎖状 配列の種類:タンパク質 配列 配列番号:13 配列の長さ:20塩基対 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:DNA(合成) 配列 配列番号:14 配列の長さ:17塩基対 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:DNA(合成) 配列 配列番号:15 配列の長さ:17塩基対 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:DNA(合成) 配列 配列番号:16 配列の長さ:24塩基対 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:DNA(合成) 配列 配列番号:17 配列の長さ:15塩基対 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:DNA(合成) 配列 配列番号:18 配列の長さ:15塩基対 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:DNA(合成) 配列 配列番号:19 配列の長さ:17塩基対 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:DNA(合成) 配列 配列番号:20 配列の長さ:17塩基対 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:DNA(合成) 配列 配列番号:21 配列の長さ:17塩基対 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:DNA(合成) 配列 配列番号:22 配列の長さ:17塩基対 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:DNA(合成) 配列 配列番号:23 配列の長さ:17塩基対 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:DNA(合成) 配列 配列番号:24 配列の長さ:15塩基対 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:DNA(合成) 配列 配列番号:25 配列の長さ:20塩基対 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:DNA(合成) 配列 配列番号:26 配列の長さ:26塩基対 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:DNA(合成) 配列 配列番号:27 配列の長さ:26塩基対 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:DNA(合成) 配列 配列番号:28 配列の長さ:15塩基対 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:DNA(合成) 配列 配列番号:29 配列の長さ:15塩基対 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:DNA(合成) 配列 配列番号:30 配列の長さ:18塩基対 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 卜ポロジー:直鎖状 配列の種類:DNA(合成) 配列 配列番号:31 配列の長さ:17塩基対 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:DNA(合成) 配列 配列番号:32 配列の長さ:18塩基対 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:DNA(合成) 配列 配列番号:33 配列の長さ:15塩基対 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:DNA(合成) 配列 配列番号:34 配列の長さ:23塩基対 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:DNA(合成) 配列 配列番号:35 配列の長さ:23塩基対 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:DNA(合成) 配列 配列番号:36 配列の長さ:20塩基対 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:DNA(合成) 配列 配列番号:37 配列の長さ:18塩基対 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:DNA(合成) 配列 配列番号:38 配列の長さ:18塩基対 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:DNA(合成) 配列 配列番号:39 配列の長さ:18塩基対 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:DNA(合成) 配列 配列番号:40 配列の長さ:21塩基対 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:DNA(合成) 配列 配列番号:41 配列の長さ:20塩基対 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:DNA(合成) 配列 配列番号:42 配列の長さ:23塩基対 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:DNA(合成) 配列 配列番号:43 配列の長さ:7アミノ酸 配列の型:アミノ酸 トポロジー:直鎖状 配列の種類:ペプチド 配列 配列番号:44 配列の長さ:6アミノ酸 配列の型:アミノ酸 トポロジー:直鎖状 配列の種類:ペプチド 配列 配列番号:45 配列の長さ:6アミノ酸 配列の型:アミノ酸 トポロジー:直鎖状 配列の種類:ペプチド 配列 配列番号:46 配列の長さ:8アミノ酸 配列の型:アミノ酸 トポロジー:直鎖状 配列の種類:ペプチド 配列 配列番号:47 配列の長さ:5アミノ酸 配列の型:アミノ酸 トポロジー:直鎖状 配列の種類:ペプチド 配列 配列番号:48 配列の長さ:5アミノ酸 配列の型:アミノ酸 トポロジー:直鎖状 配列の種類:ペプチド 配列 配列番号:49 配列の長さ:6アミノ酸 配列の型:アミノ酸 トポロジー:直鎖状 配列の種類:ペプチド 配列 配列番号:50 配列の長さ:6アミノ酸 配列の型:アミノ酸 トポロジー:直鎖状 配列の種類:ペプチド 配列 配列番号:51 配列の長さ:6アミノ酸 配列の型:アミノ酸 トポロジー:直鎖状 配列の種類:ペプチド 配列 配列番号:52 配列の長さ:6アミノ酸 配列の型:アミノ酸 トポロジー:直鎖状 配列の種類:ペプチド 配列 配列番号:53 配列の長さ:6アミノ酸 配列の型:アミノ酸 トポロジー:直鎖状 配列の種類:ペプチド 配列 配列番号:54 配列の長さ:5アミノ酸 配列の型:アミノ酸 トポロジー:直鎖状 配列の種類:ペプチド 配列 配列番号:55 配列の長さ:7アミノ酸 配列の型:アミノ酸 トポロジー:直鎖状 配列の種類:ペプチド 配列 配列番号:56 配列の長さ:9アミノ酸 配列の型:アミノ酸 トポロジー:直鎖状 配列の種類:ペプチド 配列 配列番号:57 配列の長さ:5アミノ酸 配列の型:アミノ酸 トポロジー:直鎖状 配列の種類:ペプチド 配列 配列番号:58 配列の長さ:5アミノ酸 配列の型:アミノ酸 トポロジー:直鎖状 配列の種類:ペプチド 配列 配列番号:59 配列の長さ:6アミノ酸 配列の型:アミノ酸 トポロジー:直鎖状 配列の種類:ペプチド 配列 配列番号:60 配列の長さ:6アミノ酸 配列の型:アミノ酸 トポロジー:直鎖状 配列の種類:ペプチド 配列 配列番号:61 配列の長さ:6アミノ酸 配列の型:アミノ酸 トポロジー:直鎖状 配列の種類:ペプチド 配列 配列番号:62 配列の長さ:5アミノ酸 配列の型:アミノ酸 トポロジー:直鎖状 配列の種類:ペプチド 配列 配列番号:63 配列の長さ:8アミノ酸 配列の型:アミノ酸 トポロジー:直鎖状 配列の種類:ペプチド 配列 配列番号:64 配列の長さ:7アミノ酸 配列の型:アミノ酸 トポロジー:直鎖状 配列の種類:ペプチド 配列 配列番号:65 配列の長さ:6アミノ酸 配列の型:アミノ酸 トポロジー:直鎖状 配列の種類:ペプチド 配列 配列番号:66 配列の長さ:6アミノ酸 配列の型:アミノ酸 トポロジー:直鎖状 配列の種類:ペプチド 配列 配列番号:67 配列の長さ:6アミノ酸 配列の型:アミノ酸 トポロジー:直鎖状 配列の種類:ペプチド 配列 配列番号:68 配列の長さ:7アミノ酸 配列の型:アミノ酸 トポロジー:直鎖状 配列の種類:ペプチド 配列 配列番号:69 配列の長さ:7アミノ酸 配列の型:アミノ酸 トポロジー:直鎖状 配列の種類:ペプチド 配列 配列番号:70 配列の長さ:8アミノ酸 配列の型:アミノ酸 トポロジー:直鎖状 配列の種類:ペプチド 配列 配列番号:71 配列の長さ:1670塩基対 配列の型:核酸 鎖の数:二本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:cDNA 配列の特徴 特徴を表す記号:CDS 存在位置:46..1302 配列 配列番号:72 配列の長さ:418アミノ酸 配列の型:アミノ酸 トポロジー:直鎖状 配列の種類:タンパク質 配列
【手続補正書】特許法第184条の8 【提出日】1994年12月9日 【補正内容】請求の範囲 1. リノレン酸含量の高い遺伝学的に形質転換した植物であって、組換え二本 鎖DNA分子を含み、該分子が、 (i)植物細胞中で機能してRNA配列を生成させるプロモーターを含み、該プ ロモーターが、 (ii)リノール酸デサチュラーゼ活性をコードするRNA配列を生成させる構 造コード配列であって、配列番号:9及び配列番号:11の中から選択した構造 コード配列と、 (iii)植物細胞中で機能して前記RNA配列の3’末端へのポリアデニル化 を促進する3’非翻訳領域 とに操作可能に結合している、前記植物。 2. (i)のプロモーターが内因性植物リノール酸デサチュラーゼプロモータ ーである請求項1に記載の植物。 3. リノレン酸含量の低い遺伝学的に形質転換した植物であって、組換え二本 鎖DNA分子を含み、該分子が、 (i)植物細胞中で機能してRNA配列を生成させるプロモーターを含み、該プ ロモーターが、 (ii)前記植物中のリノール酸デサチュラーゼ活性をコードする遺伝子の少な くとも一部分に対してアンチセンス 配向にあるRNA配列を生成させるDNA配列と、 (iii)植物細胞中で機能して前記RNA配列の3’末端へのポリアデニル化 を促進する3’非翻訳領域 とに操作可能に結合している、前記植物。 4. リノール酸デサチュラーゼ酵素が植物に由来するものである請求項3に記 載の植物。 5. リノール酸デサチュラーゼ酵素が真菌、藻類又は細菌に由来するものであ る請求項3に記載の植物。 6. (ii)の構造コード配列が配列番号:1からとったものである請求項3 に記載の植物。 7. (ii)の構造コード配列が配列番号:9からとったものである請求項3 に記載の植物。 8. (ii)の構造コード配列が配列番号:11からとったものである請求項 3に記載の植物。 9. (i)のプロモーターが内因性植物リノール酸デサチュラーゼプロモータ ーである請求項3に記載の植物。 10. リノレン酸含量が約3%以下の遺伝学的に形質転換した植物であって、 組換え二本鎖DNA分子を含み、該分子が、 (i)植物細胞中で機能してRNA配列を生成させるプロ モーターを含み、該プロモーターが、 (ii)前記植物中のリノール酸デサチュラーゼ活性をコードする遺伝子の少な くとも一部分に対してアンチセンス配向にあるRNA配列を生成させるDNA配 列と、 (iii)植物細胞中で機能して前記RNA配列の3’末端へのポリアデニル化 を促進する3’非翻訳領域 とに操作可能に結合している、前記植物。 11. オレイン酸含量の高い遺伝学的に形質転換した植物であって、組換え二 本鎖DNA分子を含み、該分子が、 (i)植物細胞中で機能してRNA配列を生成させるプロモーターを含み、該プ ロモーターが、 (ii)前記植物中のオレイン酸デサチュラーゼ活性をコードする遺伝子の少な くとも一部分に対してアンチセンス配向にあるRNA配列を生成させるDNA配 列と、 (iii)植物細胞中で機能して前記RNA配列の3’末端へのポリアデニル化 を促進する3’非翻訳領域 とに操作可能に結合している、前記植物。 12. オレイン酸含量の高い遺伝学的に形質転換した植物であって、組換え二 本鎖DNA分子を含み、該分子が、 (i)植物細胞中で機能してRNA配列を生成させるプロ モーターを含み、該プロモーターが、 (ii)前記植物中のリノール酸デサチュラーゼ活性をコードする遺伝子の少な くとも一部分に対してアンチセンス配向にあるRNA配列を生成させるDNA配 列と、 (iii)植物細胞中で機能して前記RNA配列の3’末端へのポリアデニル化 を促進する3’非翻訳領域 とに操作可能に結合している、前記植物。 13. リノレン酸含量の低い遺伝学的に形質転換した植物の製造方法であって 、 (a)植物細胞のゲノム中に、 (i)植物細胞中で機能してRNA配列を生成させるプロモーターを含み、前記 プロモーターが、 (ii)前記植物中のリノール酸デサチュラーゼ活性をコードする遺伝子の少な くとも一部分に対してアンチセンス配向にあるRNA配列を生成させるDNA配 列と、 (iii)植物細胞中で機能して前記RNA配列の3’末端へのポリアデニル化 を促進する3’非翻訳領域 とに操作可能に結合している組換え二本鎖DNA分子を挿入し、 (b)形質転換した植物細胞を得、 (c)前記形質転換した植物細胞から、リノレン酸含量の低い遺伝学的に形質転 換した植物を再生する ことからなる前記方法。 14. リノール酸デサチュラーゼ酵素が植物に由来するものである請求項13 に記載の方法。 15. リノール酸デサチュラーゼ酵素が真菌、藻類又は細菌に由来するもので ある請求項13に記載の方法。 16. (ii)の構造コード配列が配列番号:1からとったものである請求項 13に記載の方法。 17. (ii)の構造コード配列が配列番号:9からとったものである請求項 13に記載の方法。 18. (ii)の構造コード配列が配列番号:11からとったものである請求 項13に記載の方法。 19. (i)のプロモーターが内因性植物リノール酸デサチュラーゼプロモー ターである請求項13に記載の植物。 20. オレイン酸含量の高い遺伝学的に形質転換した植物の製造方法であって 、 (a)植物細胞のゲノム中に、 (i)植物細胞中で機能してRNA配列を生成させるプロモーターを含み、前記 プロモーターが、 (ii)前記植物中のリノール酸デサチュラーゼ活性をコードする遺伝子の少な くとも一部分に対してアンチセンス配向にあるRNA配列を生成させるDNA配 列と、 (iii)植物細胞中で機能して前記RNA配列の3’末端へのポリアデニル化 を促進する3’非翻訳領域 とに操作可能に結合している組換え二本鎖DNA分子を挿入し、 (b)形質転換した植物細胞を得、 (c)前記形質転換した植物細胞から、オレイン酸含量の高い遺伝学的に形質転 換した植物を再生する ことからなる前記方法。 21. 配列中に(i)植物細胞中で機能してRNA配列を生成させるプロモー ターを含み、該プロモーターが、 (ii)前記植物中のリノール酸デサチュラーゼ活性をコードする遺伝子の少な くとも一部分に対してアンチセンス配向にあるRNA配列を生成させるDNA配 列と、 (iii)植物細胞中で機能して前記RNA配列の3’末端へのポリアデニル化 を促進する3’非翻訳領域 とに操作可能に結合している、組換え二本鎖DNA分子。 22. 組換え二本鎖DNA分子を含む植物細胞であって、 前記組換え二本鎖分子が配列中に、 (i)植物細胞中で機能してRNA配列を生成させるプロモーターを含み、該プ ロモーターが、 (ii)前記植物中のリノール酸デサチュラーゼ活性をコードする遺伝子の少な くとも一部分に対してアンチセンス配向にあるRNA配列を生成させるDNA配 列と、 (iii)植物細胞中で機能して前記RNA配列の3’末端へのポリアデニル化 を促進する3’非翻訳領域 とに操作可能に結合している、前記植物細胞。 23. 組換え二本鎖DNA分子を含む遺伝学的に形質転換した植物であって、 前記組換え二本鎖DNA分子が (i)植物細胞中で機能してRNA配列を生成させるプロモーターを含み、前記 プロモーターが、 (ii)前記植物中のオレイン酸デサチュラーゼ活性をコードする遺伝子の少な くとも一部分に対してアンチセンス配向にあるRNA配列を生成させるDNA配 列と、 (iii)植物細胞中で機能して前記RNA配列の3’末端へのポリアデニル化 を促進する3’非翻訳領域 とに操作可能に結合している、前記遺伝学的に形質転換した植物。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI C12N 15/09 ZNA (81)指定国 EP(AT,BE,CH,DE, DK,ES,FR,GB,GR,IE,IT,LU,M C,NL,PT,SE),CA,JP,US (72)発明者 ギブソン,スーザン・イルマ アメリカ合衆国、テキサス・77251、ヒユ ーストン、ライス・ユニバーシテイ、デパ ートメント・オブ・バイオケミストリー・ アンド・セルラー・バイオロジー(番地な し) (72)発明者 キシヨアー,ガネシユ・モーシー アメリカ合衆国、ミズーリ・63017、チエ スターフイールド、グラントレー・ドライ ブ・15354 (72)発明者 ラフ,トーマス・ジーン アメリカ合衆国、ミズーリ・63049、ハ イ・リツジ、ササフラス・レーン・5500 (72)発明者 ソマービル,クリストフアー・ローランド アメリカ合衆国、カリフオルニア・94301、 パロ・アルト、ヘイル・ストリート・480 (72)発明者 アロンデル,バンサン・ジヤン−マリー・ アルメル フランス国、エフ―75252・パリ・セデツ クス・05、プラス・ジユシウ、4、ユニベ ルシテ・ピエール・エ・マリー・キユリ ー、トワジイエーム・エタージユ、トウー ル・53、ラボラトウワール・ドウ・フイジ オロジ・セルレール・エ・モレキユレール

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1. リノレン酸含量の高い遺伝学的に形質転換した植物であって、組換え二本 鎖DNA分子を含み、該分子が、 (i)植物細胞中で機能してRNA配列を生成させるプロモーターを含み、該プ ロモーターが、 (ii)リノール酸デサチュラーゼ活性をコードするRNA配列を生成させる構 造コード配列と、 (iii)植物細胞中で機能して前記RNA配列の3’末端へのポリアデニル化 を促進する3’非翻訳領域 とに操作可能に結合している、前記リノレン酸含量の高い遺伝学的に形質転換し た植物。 2. リノール酸デサチュラーゼ活性が植物に由来するものである請求項1に記 載の植物。 3. リノール酸デサチュラーゼ活性が真菌、藻類又は細菌に由来するものであ る請求項1に記載の植物。 4. (ii)の構造コード配列が配列番号:1からとったものである請求項1 に記載の植物。 5. (ii)の構造コード配列が配列番号:9からとったものである請求項1 に記載の植物。 6. (ii)の構造コード配列が配列番号:11からとったものである請求項 1に記載の植物。 7. (i)のプロモーターが内因性植物リノール酸デサチュラーゼプロモータ ーである請求項1に記載の植物。 8. リノレン酸含量の低い遺伝学的に形質転換した植物であって、組換え二本 鎖DNA分子を含み、該分子が、 (i)植物細胞中で機能してRNA配列を生成させるプロモーターを含み、該プ ロモーターが、 (ii)前記植物中のリノール酸デサチュラーゼ活性をコードする遺伝子の少な くとも一部分に対してアンチセンス配向にあるRNA配列を生成させるDNA配 列と、 (iii)植物細胞中で機能して前記RNA配列の3’末端へのポリアデニル化 を促進する3’非翻訳領域 とに操作可能に結合している、前記リノレン酸含量の低い遺伝学的に形質転換し た植物。 9. リノール酸デサチュラーゼ酵素が植物に由来するものである請求項8に記 載の植物。 10. リノール酸デサチュラーゼ酵素が真菌、藻類又は細菌に由来するもので ある請求項8に記載の植物。 11. (ii)の構造コード配列が配列番号:1からとっ たものである請求項8に記載の植物。 12. (ii)の構造コード配列が配列番号:9からとったものである請求項 8に記載の植物。 13. (ii)の構造コード配列が配列番号:11からとったものである請求 項8に記載の植物。 14. (i)のプロモーターが内因性植物リノール酸デサチュラーゼプロモー ターである請求項8に記載の植物。 15. 改善された低温耐性を有する遺伝学的に形質転換した植物であって、組 換え二本鎖DNA分子を含み、該分子が、 (i)植物細胞中で機能してRNA配列を生成させるプロモーターを含み、該プ ロモーターが、 (ii)リノール酸デサチュラーゼ活性をコードするRNA配列を生成させる構 造コード配列と、 (iii)植物細胞中で機能して前記RNA配列の3’末端へのポリアデニル化 を促進する3’非翻訳領域 とに操作可能に結合している、前記改善された低温耐性を有する遺伝学的に形質 転換した植物。 16. 病原体に応答する能力が大きい遺伝学的に形質転換した植物であって、 組換え二本鎖DNA分子を含み、該 分子が、 (i)植物細胞中で機能してRNA配列を生成させるプロモーターを含み、該プ ロモーターが、 (ii)リノール酸デサチュラーゼ活性をコードするRNA配列を生成させる構 造コード配列と、 (iii)植物細胞中で機能して前記RNA配列の3’末端へのポリアデニル化 を促進する3’非翻訳領域 とに操作可能に結合している、前記病原体に応答する能力が大きい遺伝学的に形 質転換した植物。 17. 遺伝学的に形質転換した植物から発生した種子であって、リノレン酸供 給源として使用するのに適したリノレン酸含量を有し、前記植物が組換え二本鎖 DNA分子を含み、該分子が、 (i)植物細胞中で機能してRNA配列を生成させるプロモーターを含み、該プ ロモーターが、 (ii)リノール酸デサチュラーゼ活性をコードするRNA配列を生成させる構 造コード配列と、 (iii)植物細胞中で機能して前記RNA配列の3’末端へのポリアデニル化 を促進する3’非翻訳領域 とに操作可能に結合している、前記遺伝学的に形質転換し た植物から発生した種子。 18. 前記植物がダイズ及びアブラナの中から選択したものである請求項17 に記載の種子。 19. リノレン酸含量が約3%以下の遺伝学的に形質転換した植物であって、 組換え二本鎖DNA分子を含み、該分子が、 (i)植物細胞中で機能してRNA配列を生成させるプロモーターを含み、該プ ロモーターが、 (ii)前記植物中のリノール酸デサチュラーゼ活性をコードする遺伝子の少な くとも一部分に対してアンチセンス配向にあるRNA配列を生成させるDNA配 列と、 (iii)植物細胞中で機能して前記RNA配列の3’末端へのポリアデニル化 を促進する3’非翻訳領域 とに操作可能に結合している、前記リノレン酸含量が約3%以下の遺伝学的に形 質転換した植物。 20. オレイン酸含量の高い遺伝学的に形質転換した植物であって、組換え二 本鎖DNA分子を含み、該分子が、 (i)植物細胞中で機能してRNA配列を生成させるプロモーターを含み、該プ ロモーターが、 (ii)前記植物中のオレイン酸デサチュラーゼ活性をコ ードする遺伝子の少なくとも一部分に対してアンチセンス配向にあるRNA配列 を生成させるDNA配列と、 (iii)植物細胞中で機能して前記RNA配列の3’末端へのポリアデニル化 を促進する3’非翻訳領域 とに操作可能に結合している、前記オレイン酸含量の高い遺伝学的に形質転換し た植物。 21. オレイン酸含量の高い遺伝学的に形質転換した植物であって、組換え二 本鎖DNA分子を含み、該分子が、 (i)植物細胞中で機能してRNA配列を生成させるプロモーターを含み、該プ ロモーターが、 (ii)前記植物中のリノール酸デサチュラーゼ活性をコードする遺伝子の少な くとも一部分に対してアンチセンス配向にあるRNA配列を生成させるDNA配 列と、 (iii)植物細胞中で機能して前記RNA配列の3’末端へのポリアデニル化 を促進する3’非翻訳領域 とに操作可能に結合している、前記オレイン酸含量の高い遺伝学的に形質転換し た植物。 22. リノレン酸含量の高い遺伝学的に形質転換した植物の製造方法であって 、 (a)植物細胞のゲノム中に、 (i)植物細胞中で機能してRNA配列を生成させるプロモーターを含み、前記 プロモーターが、 (ii)前記植物中のリノール酸デサチュラーゼ活性をコードするRNA配列を 生成させる構造コード配列と、 (iii)植物細胞中で機能して前記RNA配列の3’末端へのポリアデニル化 を促進する3’非翻訳領域 とに操作可能に結合している組換え二本鎖DNA分子を挿入し、 (b)形質転換した植物細胞を得、 (c)前記形質転換した植物細胞から、リノレン酸含量の高い遺伝学的に形質転 換した植物を再生する ことからなる前記方法。 23. リノール酸デサチュラーゼ酵素が植物に由来するものである請求項22 に記載の方法。 24. リノール酸デサチュラーゼ酵素が真菌、藻類又は細菌に由来するもので ある請求項22に記載の方法。 25. (ii)の構造コード配列が配列番号:1からとったものである請求項 22に記載の方法。 26. (ii)の構造コード配列が配列番号:9からとったものである請求項 22に記載の方法。 27. (ii)の構造コード配列が配列番号:11からとったものである請求 項22に記載の方法。 28. (i)のプロモーターが内因性植物リノール酸デサチュラーゼプロモー ターである請求項22に記載の植物。 29. リノレン酸含量の低い遺伝学的に形質転換した植物の製造方法であって 、 (a)植物細胞のゲノム中に、 (i)植物細胞中で機能してRNA配列を生成させるプロモーターを含み、前記 プロモーターが、 (ii)前記植物中のリノール酸デサチュラーゼ活性をコードする遺伝子の少な くとも一部分に対してアンチセンス配向にあるRNA配列を生成させるDNA配 列と、 (iii)植物細胞中で機能して前記RNA配列の3’末端へのポリアデニル化 を促進する3’非翻訳領域 とに操作可能に結合している組換え二本鎖DNA分子を挿入し、 (b)形質転換した植物細胞を得、 (c)前記形質転換した植物細胞から、リノレン酸含量の低い遺伝学的に形質転 換した植物を再生する ことからなる前記方法。 30. リノール酸デサチュラーゼ酵素が植物に由来するものである請求項29 に記載の方法。 31. リノール酸デサチュラーゼ酵素が真菌、藻類又は細菌に由来するもので ある請求項29に記載の方法。 32. (ii)の構造コード配列が配列番号:1からとったものである請求項 29に記載の方法。 33. (ii)の構造コード配列が配列番号:9からとったものである請求項 29に記載の方法。 34. (ii)の構造コード配列が配列番号:11からとったものである請求 項29に記載の方法。 35. (i)のプロモーターが内因性植物リノール酸デサチュラーゼプロモー ターである請求項29に記載の植物。 36. オレイン酸含量の高い遺伝学的に形質転換した植物の製造方法であって 、 (a)植物細胞のゲノム中に、 (i)植物細胞中で機能してRNA配列を生成させるプロモーターを含み、前記 プロモーターが、 (ii)前記植物中のリノール酸デサチュラーゼ活性をコードする遺伝子の少な くとも一部分に対してアンチセンス配向にあるRNA配列を生成させるDNA配 列と、 (iii)植物細胞中で機能して前記RNA配列の3’末端へのポリアデ ニル化を促進する3’非翻訳領域 とに操作可能に結合している組換え二本鎖DNA分子を挿入し、 (b)形質転換した植物細胞を得、 (c)前記形質転換した植物細胞から、オレイン酸含量の高い遺伝学的に形質転 換した植物を再生する ことからなる前記方法。 37. 配列中に(i)植物細胞中で機能してRNA配列を生成させるプロモー ターを含み、該プロモーターが、 (ii)リノール酸デサチュラーゼ活性をコードするRNA配列を生成させる構 造コード配列と、 (iii)植物細胞中で機能して前記RNA配列の3’末端へのポリアデニル化 を促進する3’非翻訳領域 とに操作可能に結合している、組換え二本鎖DNA分子。 38. 配列中に(i)植物細胞中で機能してRNA配列を生成させるプロモー ターを含み、該プロモーターが、 (ii)前記植物中のリノール酸デサチュラーゼ活性をコードする遺伝子の少な くとも一部分に対してアンチセンス配向にあるRNA配列を生成させるDNA配 列と、 (iii)植物細胞中で機能して前記RNA配列の3’末端へのポリアデニル化 を促進する3’非翻訳領域 とに操作可能に結合している、組換え二本鎖DNA分子。 39. 組換え二本鎖DNA分子を含む植物細胞であって、前記組換え二本鎖分 子が配列中に、 (i)植物細胞中で機能してRNA配列を生成させるプロモーターを含み、該プ ロモーターが、 (ii)前記植物中のリノール酸デサチュラーゼ活性をコードする遺伝子の少な くとも一部分に対してアンチセンス配向にあるRNA配列を生成させるDNA配 列と、 (iii)植物細胞中で機能して前記RNA配列の3’末端へのポリアデニル化 を促進する3’非翻訳領域 とに操作可能に結合している、前記植物細胞。 40. オレイン酸含量の高い遺伝学的に形質転換した植物の製造方法であって 、 (a)植物細胞のゲノム中に、 (i)植物細胞中で機能してRNA配列を生成させるプロモーターを含み、前記 プロモーターが、 (ii)前記植物中のオレイン酸デサチュラーゼ活性をコードする遺伝子の少な くとも一部分に対してアンチセンス 配向にあるRNA配列を生成させるDNA配列と、 (iii)植物細胞中で機能して前記RNA配列の3’末端へのポリアデニル化 を促進する3’非翻訳領域 とに操作可能に結合している組換え二本鎖DNA分子を挿入し、 (b)形質転換した植物細胞を得、 (c)前記形質転換した植物細胞から、オレイン酸含量の高い遺伝学的に形質転 換した植物を再生する ことからなる前記方法。
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